軽症 | 中等症 | 重症 | 分布 | 関連 | |
1) 排便回数 | ≦4回 | 重症と軽症との中間 | ≧6回 | 腸管症状 | |
2) 顕血便 | (+)~(-) | (+++) | |||
3) 発熱 | <37.5℃ | ≧37.5℃ | 全身症状 | 炎症 | |
4) 頻脈 | <90/分 | ≧90/分 | 3)発熱,4)貧血による。 | ||
5) 貧血 | >Hb 10g/dl | ≦Hb 10g/dl | 炎症あるいは2)血便による | ||
6) 赤沈 | 正常 | ≧30 mm/h | 炎症 | ||
軽症 | 軽症項目全て満たす | ||||
重症 | ( 1 and 2 ) and ( 3 or 4 ) ) and (6項目のうち4項目以上) |
クローン病 | 潰瘍性大腸炎 | |
病因??? | 炎症反応亢進 | 免疫応答の異常 |
寛解導入 | 栄養療法 | |
5-アミノサリチル酸(大: サラゾスルファピリジン、小: メサラジン) | 5-アミノサリチル酸(大: サラゾスルファピリジン、小: メサラジン) | |
ステロイド | ステロイド | |
抗TNF-α抗体 | ||
シプロフロキサシン、メトロニダゾール | ATM療法 | |
顆粒球吸着療法(白血球除去療法) | 顆粒球吸着療法(白血球除去療法) | |
免疫抑制薬 | ||
緩解維持 | 在宅経腸栄養法 | 無治療~5-アミノサリチル酸(大: サラゾスルファピリジン) |
5-アミノサリチル酸 | ||
免疫抑制薬 | ||
外科 | 狭窄、難治性痔瘻 | 大出血、狭窄、穿孔、中毒性巨大結腸症、癌化 |
Table 15-10. Distinctive Features of Crohn Disease and Ulcerative Colitis* | |||
Feature | Crohn Disease (Small intestine) |
Crohn Disease (Colon) |
Ulcerative Colitis |
Macroscopic | |||
Bowel region | Ileum ± colon† | Colon ± ileum | Colon only |
Distribution | Skip lesions | Skip lesions | Diffuse |
Stricture | Early | Variable | Late/rare |
Wall appearance | Thickened | Variable | Thin |
Dilation | No | Yes | Yes |
Microscopic | |||
Pseudopolyps | None to slight | Marked | Marked |
Ulcers | Deep, linear | Deep, linear | Superficial |
Lymphoid reaction | Marked | Marked | Mild |
Fibrosis | Marked | Moderate | Mild |
Serositis | Marked | Variable | Mild to none |
Granulomas | Yes (40% to 60%) | Yes (40% to 60%) | No |
Fistulas/sinuses | Yes | Yes | No |
Clinical | |||
Fat/vitamin malabsorption | Yes | Yes, if ileum | No |
Malignant potential | Yes | Yes | Yes |
Response to surgery‡ | Poor | Fair | Good |
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/10/10 11:17:11」(JST)
潰瘍性大腸炎 | |
---|---|
分類及び外部参照情報 | |
潰瘍性大腸炎
|
|
ICD-10 | K51. |
ICD-9 | 556 |
OMIM | 191390 |
DiseasesDB | 13495 |
MedlinePlus | 000250 |
eMedicine | med/2336 |
MeSH | D003093 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 | |
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潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん、Ulcerative colitis、UC)は、主に大腸粘膜に潰瘍やびらんができる原因不明の非特異性炎症性疾患。厚生労働省より特定疾患に指定されている。
クローン病とともに炎症性腸疾患(IBD:Inflammatory bowel disease)に分類される。
1875年に英国のGuy's HospitalのSamuel WilksとWalter Moxonによって報告された。日本では1928年に東京大学の稲田龍吉らによって初めて報告されている。1973年には旧厚生省より特定疾患に指定された。
10~30歳ないし、50~60歳代に多く見られる。米国での罹患数は約100万人、日本での発症年齢の多い年齢層は男性で20~24歳、女性では25~29歳とされているが40歳代から60歳代の発症例も増えている。平成21年度の患者数は約11万人とされ、毎年5000人程度増加している[1]。また比較的喫煙者の罹患者は少ないことが知られている。
大阪大学大学院歯学研究科の研究によれば、潰瘍性大腸炎患者の唾液中のミュータンス菌は、標準菌と異なる糖鎖を持つグルコースの側鎖を持たない高病原性株TW295 の検出率が高く、高病原性株への感染は潰瘍性大腸炎発症のリスクが高い[2][3]。
腸内細菌である硫化水素産生菌が産生する硫化水素が潰瘍性大腸炎の原因ではないかとの指摘がある。大腸の粘膜に硫化水素を代謝する酵素が存在するが、その処理量以上の硫化水素に大腸がさらされることが潰瘍性大腸炎の原因となるのではないかとの指摘がされている[4]。硫化水素はミトコンドリアに所在するシトクロムcオキシダーゼを阻害することにより毒性を発現する。高濃度の硫化水素に曝露されることでアポトーシス関連蛋白質であるcaspase3の活性化、ミトコンドリアからのシトクロムcの遊離が見られ、ミトコンドリアを介したアポトーシスが誘導される可能性がある[5][要高次出典]。大腸粘膜を傷害するおそれのある有害な物質の発生を制御するためシソ科を中心としたいくつかの植物の抽出物を動物にあたえることで硫化水素やメタンチオールの発生を抑制することが報告されている[6]。 イギリスで行われた調査では約3分の1のヒトがメタン菌を保有するメタン生産者である。メタンガスを作らないヒトでは、水素を利用するメタン菌の代わりに硫酸還元菌が水素や乳酸を利用して硫酸イオンを還元し、硫化水素をつくる[7]。
基本的に発症すると緩解・再燃を繰り返して行く。全消化管に生じるクローン病と異なり、基本的に大腸に限定して生じる。また、大腸癌の合併頻度が高い。
主に「粘血便」・「下痢」を自覚して生じる場合が多い。重症化すると「発熱」・「体重減少」・「腹痛」・「貧血」等を伴ってくる。
大腸粘膜の炎症によって腸管の蠕動機能が失われ、ハウストラ(大腸のひだ)の消失を生じたり(鉛管状腸管と言う)、腸管拡張を生じて悪化し腸閉塞像を呈したもの(中毒性巨大結腸症と言う)では、消化管穿孔を生じる場合もある。
また、サイトメガロウイルス感染を生じることも多く、難治性となる場合も多い。
大腸以外にも関節や皮膚、眼などに合併症が生じることが知られている。これは免疫異常が関係していると考えられている。
主に直腸から発症し連続して全大腸に広がっていく。腸管粘膜の全層に炎症像が見られるクローン病と異なり、粘膜上皮に限局した炎症像を呈し、固有筋層に炎症が及ぶことは比較的稀である。病変の拡がりにより、全大腸炎、左側大腸炎、直腸炎に分類される。主な所見は以下の通り。
細菌性、ウイルス性の感染性腸炎で無いことを診断してから、潰瘍性大腸炎を疑い検査が行われる。
今日では最も広く一般的に行われる臨床検査。病変部は主に直腸から発症し連続して全大腸に広がっていく。主な内視鏡所見は以下の通り。
一般的には下部から上部に向かって悪化し、上部から下部に向かって緩和されると見られているが、まれに、横行結腸→下行結腸→S状結腸の順で緩和が見られても、その奥の上行結腸で密かに悪化が進むことがある。
炎症の強さの指標として、赤沈・Hb等が用いられる。
以下が主に用いられている臨床的重症度評価である。
以下は内視鏡的な重症度評価である。
緩解・再燃を繰り返すため、治療は大きく以下の2つが行われる。
クローン病と異なり、潰瘍性大腸炎では基本的に食事療法を行うことはほとんど無く、食事指導としては高カロリー・高蛋白・低脂肪・低繊維食を施行する。また、中等症ないし重症の場合は絶食・腸管安静を計り、点滴による高カロリー輸液を行う。
また、特定の食品が症状を抑えるかは明かではない[8]。「ω3脂肪酸、n-3脂肪酸を豊富に含む魚油サプリメントは、炎症を軽減し抗炎症薬を減らす」との報告があるが、データが少なくさらなる研究が必要[9]とされている。また、プロバイオティクスの有効性は統計学上の有意な差は無い[10]の報告もなされている。
「緩解維持療法」・「緩解導入療法」共に薬物療法が基本となる。
緩解維持療法・緩解導入療法共に使用される。
主に緩解導入療法に用いられる。以前は緩解維持療法にもよく用いられていたが最近では緩解維持目的には使用されないことが多い。
坐剤・注腸剤としてリンデロン®、ステロネマ注腸®、プレドネマ注腸®がある。特に直腸炎型の場合は、ステロイド経口内服に比較して全身吸収が少なくステロイドの副作用が大きくないため有用である。
以下は主に緩解導入療法に用いられる。非常に効果的な薬であるが血中濃度測定が必要であるため使用出来る医療機関は多くない。
以下は主に緩解維持療法に用いられる。
以前からクローン病で用いられてきた。緩解維持療法・緩解導入療法ともに用いられる。
透析を用いて、患者の体外に血液を循環させ、炎症を起こす免疫細胞(顆粒球・単球・リンパ球等)を血中から取り除く治療法で、緩解導入療法として薬物療法と共に行われる。また、薬物抵抗性(ステロイド抵抗性)の場合においても治療効果は高い。
保険適応は潰瘍性大腸炎の活動期の病態の改善及び緩解導入で、1連につき10回または11回施行できる。通常週1回ずつ行うが、週2回以上施行する方法も有効な緩解導入療法として行われてきている。
手術の絶対適応として、劇症、中毒性巨大結腸症、穿孔、大出血、癌化などがある。特に癌化をのぞく4つは緊急手術の適応となる。基本術式は大腸全摘出術+回腸肛門吻合術・回腸肛門管吻合術である。
基本的に癌化が認められた場合、炎症粘膜すべてが癌化の発生の確率が高いため、多くの大腸癌のように病変部のみの切除は行なわず、全大腸摘出術を施行する。
(参考:アメリカの元大統領:アイゼンハワーはクローン病で、在任中に2回手術を受けていた。)
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リンク元 | 「難病リスト」「クローン病」「100Cases 27」「自己免疫性肝炎」「100Cases 16」 |
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Table 15-10. Distinctive Features of Crohn Disease and Ulcerative Colitis* | |||
Feature | Crohn Disease (Small intestine) |
Crohn Disease (Colon) |
Ulcerative Colitis |
Macroscopic | |||
Bowel region | Ileum ± colon† | Colon ± ileum | Colon only |
Distribution | Skip lesions | Skip lesions | Diffuse |
Stricture | Early | Variable | Late/rare |
Wall appearance | Thickened | Variable | Thin |
Dilation | No | Yes | Yes |
Microscopic | |||
Pseudopolyps | None to slight | Marked | Marked |
Ulcers | Deep, linear | Deep, linear | Superficial |
Lymphoid reaction | Marked | Marked | Mild |
Fibrosis | Marked | Moderate | Mild |
Serositis | Marked | Variable | Mild to none |
Granulomas | Yes (40% to 60%) | Yes (40% to 60%) | No |
Fistulas/sinuses | Yes | Yes | No |
Clinical | |||
Fat/vitamin malabsorption | Yes | Yes, if ileum | No |
Malignant potential | Yes | Yes | Yes |
Response to surgery‡ | Poor | Fair | Good |
クローン病 | 腸結核 | 腸管ベーチェット病 |
縦走潰瘍 | 輪状潰瘍 | 打ち抜き状潰瘍 |
敷石像 | 帯状潰瘍 | 下掘れ状潰瘍 |
クローン病 | 潰瘍性大腸炎 | |
病因??? | 炎症反応亢進 | 免疫応答の異常 |
寛解導入 | 栄養療法 | |
5-アミノサリチル酸(大: サラゾスルファピリジン、小: メサラジン) | 5-アミノサリチル酸(大: サラゾスルファピリジン、小: メサラジン) | |
ステロイド | ステロイド | |
抗TNF-α抗体 | ||
シプロフロキサシン、メトロニダゾール | ATM療法 | |
顆粒球吸着療法(白血球除去療法) | 顆粒球吸着療法(白血球除去療法) | |
免疫抑制薬 | ||
緩解維持 | 在宅経腸栄養法 | 無治療~5-アミノサリチル酸(大: サラゾスルファピリジン) |
5-アミノサリチル酸 | ||
免疫抑制薬 | ||
外科 | 狭窄、難治性痔瘻 | 大出血、狭窄、穿孔、中毒性巨大結腸症、癌化 |
AIH | 自己抗体 | HCV感染 | |||
抗核抗体 | 抗平滑筋抗体 | 抗LKM-1抗体 | 抗SLA抗体 | ||
ANA | ASMA | ||||
I型 | + | + | - | - | - |
IIa型 | - | - | + | - | - |
IIb型 | - | - | + | - | + |
III型 | - | - | - | + | - |
IV型 | - | + | - | - | - |
1. 血中自己抗体(特に抗核抗体、抗平滑筋抗体など)が陽性。 |
2. 血清γグロブリン値またはIgGの上昇 (2g/dl以上)。 |
3. 持続性または反復性の血清トランスアミナーゼ値の異常。 |
4. 肝炎ウィルスマーカーは原則として陰性。 |
5. 組織学的には肝細胞壊死所見およびpiecemeal necrosisに伴う慢性肝炎あるいは肝硬変であり、しばしば著明な形質細胞浸潤を認める。時に急性肝炎像を呈する。 |
註 * 本邦ではHLA-DR4陽性症例が多い ** 本邦ではC型肝炎ウィルス血症を伴う自己免疫性肝炎がある。 *** C型肝炎ウィルス感染が明らかな症例では、インターフェロン治療が奏功する例もある。 |
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