- 英
- mixed connective tissue disease MCTD
- 同
- 混合性結合組織疾患、混合性結合織病、混合結合組織病
- 関
- 膠原病
概念
- 難病:特定疾患:公費対象
- 1972年 シャープ(Sharp GC)らが提唱
- 抗RNP抗体強陽性者の中に、全身性エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎・多発性筋炎の病態を有する患者群が見いだされた。
疫学
- 若年女性
- 男女比1:13-15。発症ピークは30歳
症状 (%は概数)
- 100%:レイノー現象
- 80% :多発性関節炎、手指の腫脹
- 40% :筋力低下
- 30% :顔面紅斑、リンパ節腫脹、肺線維症、食道機能低下
全身
皮膚
発熱
関節炎
筋炎
心臓病変
- 心エコーで20%の患者に異常が見られる。(参考1)
- 心電図では右心肥大、右房拡張、伝導障害(参考1)
- 心膜炎は一般的な症状で10-30%の患者に見られる(参考1)
- MTCDの主要な死因は肺高血圧による。この原因は内膜の軽度増殖と肺細動脈の中膜肥厚によるものである。(参考1)
肺病変
- 75%の患者で肺病変が見られる:胸水、胸膜痛、肺高血圧、間質性肺疾患、血栓塞栓、肺胞出血、横隔膜の不全、誤嚥性肺炎、気道閉塞、肺感染症、肺血管炎 (参考1)
腎病変
消化管病変
中枢神経病変
造血系異常
血管病変
妊娠
合併症
- 肺高血圧症(膠原病による肺高血圧症のうち、最も本疾患で見られる)、腎症(膜性腎症)、無菌性髄膜炎
検査
-
診断
出典不明
- II. 抗U1-RNP抗体陽性:陽性所見
- III. 混合所見:A,B,Cの混合所見のうち2項目以上陽性
- A. 全身エリテマトーデス様所見
- B. 強皮症様所見
- C. 多発筋炎様所見
予後
- Sharpが提唱したMCTDは重篤な人症状を起こさず、ステロイドによく反応し、予後良好な疾患とされた(REU.220)
- 5-10%に肺高血圧症をきたし、この場合、予後は著しく不良である。
参考
- 1.uptodate: Clinical manifestations of mixed connective tissue disease
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/05/30 23:50:58」(JST)
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混合性結合組織病(こんごうせいけつごうそしきびょう、mixed connective tissue disease; MCTD)は膠原病。
混合性結合組織病のデータ |
ICD-10 |
M351 |
統計 |
出典: |
世界の患者数 |
|
日本の患者数 |
6,840人
(1997年) |
○○学会 |
日本 |
日本リウマチ学会 |
世界 |
|
この記事はウィキプロジェクトの雛形を用いています |
目次
- 1 歴史
- 2 定義
- 3 病態
- 4 病因
- 5 疫学
- 6 症状
- 7 検査
- 8 治療
- 9 予後
- 10 各国において
- 11 外部リンク
歴史
1972年に米国ミズーリ大学教授のGordon Sharpによって提唱された疾患である。広義のオーバーラップ症候群に含まれる。日本では現在特定疾患に定められている。
定義
全身性エリテマトーデス(SLE)、全身性強皮症(SSc)、多発性筋炎(PM)/皮膚筋炎(DM)の3疾患の症状を混合して持つ疾患である。血管病変や炎症、線維症などを引き起こす。全身性強皮症の1病系であるという説もあり、アメリカではその説が多くの支持を集めている。
病態
以下の3つの病態が混在する。
- 血管病変
- 内膜肥厚による内腔狭窄
- 炎症病変
- 関節炎、筋炎、胸膜炎など
- 線維症
- 皮膚硬化、肺線維症など
病因
他の膠原病と同じく原因不明である。遺伝的要因として日本人ではHLA抗原に相関するが、一致した成績はないため原因として決定されてはいない。環境的要因では抗U1RNP抗体とウイルス感染が考えられている。
疫学
男女比は1:15と圧倒的に女性に多い。
症状
SLE、SSc、PM/DMの症状が起こる。
- 共通所見
- レイノー症、指の腫脹など
- SLE所見
- 多発性関節炎、顔面紅斑、リンパ節腫脹など
- SSc所見
- 手指硬化、肺線維症、肺高血圧症、食道蠕動低下など
- PM/DM所見
- 筋力低下、筋原性酵素異常など
検査
- 抗U1RNP抗体
- 抗核抗体の一種で、高確率で検出される。
- 血清筋原性酵素
- CK、GOT、LDHなど
- 血液検査
- 白血球減少、リンパ球減少が比較的高頻度で見られる。血小板減少もまれにある。
- X線検査
- CTや胸部単純X線検査で肺線維症や肺高血圧症、胸膜炎を診断する。
- 呼吸機能検査
- 心エコー
治療
基本的に対症療法を行う。
- 循環障害
- Ca拮抗薬、ACE阻害薬など
- 肺高血圧症
- 酸素吸入、プロスタサイクリンなど
- 炎症性病変
- 関節炎に対しNSAIDs、その他の炎症に対しステロイドを投与
- 血球減少
- ステロイド投与
予後
全身性強皮症の症状の頻度が経過とともに増加し、全身性強皮症に移行する例も見られる。肺高血圧症が死因として最多である。5年生存率は93%、10年生存率は87%である。
各国において
日本
上記の通り、特定疾患に定められており、2004年末現在、7,061人が特定疾患医療受給者証を所持、147人が特定疾患登録者証を所持している。
外部リンク
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 医学と医療の最前線 混合性結合組織病の診断と治療の進歩
- 混合性結合組織病と肺高血圧 (特集 肺高血圧症・肺血栓塞栓症の最新情報)
- 混合性結合組織病 (特集 最新の膠原病診療 : そのパラダイムシフト)
- 結合組織病に伴う肺高血圧症 (第1土曜特集 肺高血圧症診療の進歩) -- (肺高血圧症各論(疾患の解説と内科治療))
Related Links
- 混合性結合組織病(Mixed Connective Tissue Disease: MCTD)は、1972年に米国 のシャープ(Sharp, GC)らによって提唱された疾患概念で、臨床的に全身性 エリテマトーデス(SLE)様、強皮症様、多発性筋炎様の症状が混在し、かつ血清中に抗 U1-RNP ...
- 混合性結合組織病(mixed connective tissue disease:MCTD)は膠原病重複症候群 の中の一病型に分類され、以下の二つの特徴を持つ全身性疾患である。 第一は全身性 エリテマトーデス(SLE)を思わせる臨床所見、全身性硬化症を思わせる臨床所見 ...
- サイトマップ English · HOME >> FAQ(よくある質問と回答) >> 混合性結合組織病( 公費対象) ... ステロイド療法における注意. 医師から指定されたステロイド量は勝手に 調節しない。ステロイド療法のメリット(有効性)とデメリット(副作用)を知っておきましょう 。
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★リンクテーブル★
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- 35歳の女性。両側手関節痛が1週前から持続するため来院した。1か月前から微熱と倦怠感とがある。手関節に軽度の圧痛を認める以外に、身体所見に明らかな異常は認めない。尿所見:蛋白1+、糖(-)。血液所見:赤沈40mm/1時間、赤血球390万、Hb12.8g/dl、白血球3,500。血清生化学所見:総蛋白7.0g/dl、アルブミン4.1g/dl、γ-グロブリン25%。抗核抗体検査の蛍光染色像を以下に示す。
- 考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097I035]←[国試_097]→[097I037]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107I037]←[国試_107]→[107I039]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104B016]←[国試_104]→[104B018]
[★]
- 疾患と皮膚所見の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [102I030]←[国試_102]→[102I032]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107I020]←[国試_107]→[107I022]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098H066]←[国試_098]→[098H068]
[★]
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- 英
- autoimmune hepatitis AIHA, AIH
- 関
- 類狼瘡肝炎(ルポイド肝炎)、難病
まとめ
- 中年の女性に好発する慢性経過の肝炎であり、自己免疫機序が関与していると考えられる。HLA-DR4陽性例に多いといわれている。診断は除外診断であり、ウイルス性肝炎や原発性胆汁性肝硬変などをを除外する。
概念
疫学
- 男女比=1:7で女性に多く、発症は10-30歳での発症もみられるが、多くは40歳以降。
病型
病型と病態
- LAB.894
- II型は抗LKM-1抗体の存在で特徴づけられる
- IIa型は女性に多く、高力価を示し、肝硬変への進展が早い
- IIb型は中年男性に多く、力価はそれほど高くない
病態生理
- 自己免疫機序により肝細胞が障害されるらしいが、詳細は不明である。
病理
症状
- 自覚症状に乏しく、血液検査で偶然発見される
- 肝障害:黄疸、全身倦怠感、食欲不振。重症例では腹水、肝性脳症、肝不全。
検査
- AST, ALT:高値
- γ-グロブリン:高値(2g/dl以上)
- 免疫グロブリンG:高値(2g/dl以上)
- ウイルスマーカー:陰性 (除外診断)
- 抗核抗体:I型で陽性
- 抗平滑筋抗体:I,IV型で陽性
- 抗LKM-1抗体:II型で陽性
- 抗SLA抗体:III型で陽性
- 肝生検:piecemeal necrosisの所見をもつ慢性肝炎の像
診断基準
- 参考3
診断
- 病歴により、アルコール性肝炎、薬物性肝障害、超音波検査にて脂肪肝を除外。
- 免疫血清学検査を行いウイルス性肝炎を除外。自己抗体や免疫グロブリンの変動、サブタイプの変動をみて絞り込み、病理組織学検査で確定診断する。
鑑別疾患
治療
- 副腎皮質ステロイドが著効する
- ステロイド:十分量の後、維持量を継続する
- ウルソデオキシコール酸:ステロイドの減量に有効。また、軽症例での経過観察に用いられる(IMD)。
- 免疫抑制薬:(ステロイド抵抗性例に対して)アザチオプリン
- インターフェロンは自己免疫を賦活化させる方向に作用するので不適
合併症
肝癌:ウイルス性肝炎よりも発癌リスクが少なく、肝細胞癌のリスクへの影響はあるとはいえない。
- 自己免疫疾患:ウイルス肝炎でもありうるが、自己免疫性肝炎の方がより高頻度で起こる(ウイルス性肝炎(22%)vs自己免疫性肝炎(38%)(参考1))
参考
- 1. [charged] Extrahepatic manifestations of autoimmune hepatitis - uptodate [1]
- 2. 自己免疫性肝炎 - 難病情報センター
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/268
- http://jpma-nanbyou.com/Category.aspx?view=c&oid=10&sid=3&kid=1
- http://www8.ocn.ne.jp/~halfboil/criteria/tab-b5.html
[★]
- 英
- antinuclear antibody ANA, anti nuclear antibodies ANAs
- 関
- SLE、自己抗体
- 検査法:HEp-2細胞を器質に用いる。
- 頻度についてはsee REU.14
- 正常値:40倍以下(REU.13)
- 高齢者では80,160倍と言った値が見られることがある。
- 20-60歳の健常人を調べた検査で、40倍での陽性率30%、80倍は13%、160倍は3%。
- 参考1
参考
- http://www.srl.info/srlinfo/kensa_ref_CD/otherdata/127-P77-0361.html
[★]
- 英
- rheumatoid factor, RF
- 同
- リウマトイド因子
[show details]
概念
- IgM-RFが最も多く検出される。IgA-RF, IgE-RFもあるが、IgG-RFは関節リウマチ患者の活動性をよりよく反映する (OLM.400)
リウマチ因子と疾患 (OLM.401)
- 関節リウマチ患者の80%で陽性 → seropositive RA ⇔20%の患者は全経過を通じて陰性。→ seronegative RA
- 高齢になると陽性を示すことがある(日本では0.3-5%)。
医療系の雑誌より(日経カデット11月?)
表5 リウマトイド因子が陽性となる疾患(文献9)
陽性とならない疾患
リウマチ因子の意義
- 関節リウマチ
- 免疫複合体を形成するIgGと結合してその除去にも関与 → 免疫複合体を形成しうる疾患でリウマチ因子が陽性になりうる。
- 亜急性細菌性心内膜炎はいわば敗血症・菌血症の状態なので、免疫複合体が形成され、これに対してリウマチ因子が出現しても不思議ではない、と思われる。
[★]
- 英
- Raynaud phenomenon, Raynaud's phenomenon
- 関
- (国試)Raynaud現象、レイノー病、レイノー症状 Raynaud症状、レイノー症候群
概念
- 寒冷刺激などが誘因となり四肢末梢の発作的血流障害(小動脈の攣縮)をきたし、蒼白から始まり、チアノーゼ、および発赤という色調変化を示す末梢循環障害による現象をいう。
疫学
- 健常人の5%までに見られる(REU.44)
- 90%以上が女性、25歳以下(REU.44)
分類
- 出現頻度:強皮症(>95%)、筋炎(25%)、シェーグレン症候群(20-30%)、全身性エリテマトーデス(20-30%)、関節リウマチ(<5%)。
病因
- REU.44、皮膚病アトラス 西山 茂夫
誘因
症状
- 第一指をのぞく手の指にレイノー現象は好発する。多くの場合左右対称。足趾はまれにある。
治療
- 生活療法:寒冷をさけ保温する。禁煙。
- 薬物療法:血管拡張薬(カルシウム拮抗薬)、プロスタグランジン、交感神経遮断薬。
- カルシウム拮抗薬はニフェジピンを使うが、ジルチアゼムでも有効。ニコチン酸系薬や硝酸薬も有効。(REU.45)
- アンジオテンシンII受容体拮抗薬、ACE阻害薬、シロスタゾールも有効な事がある。(REU.45)
- 手術療法:頚部の交感神経切断術。ただし一過性。(REU.45)
参考
- 1. [charged] Clinical manifestations and diagnosis of the Raynaud phenomenon - uptodate [2]
[★]
- 英
- binding、bond、linkage、connection、conjugation、conjunction、union、bonding、engagement,
- bind、associate、conjugate、combine、connect、couple、engage、join、dock、ligate、conjoin
- 関
- 会合、関係、関与、関連、協同、共役、組み合わせ、結合性、結紮、結線、従事、接合、接合体、同僚、ドッキング、バインディング、複合物、付随、併用、抱合、抱合体、結びつける、約束、癒合、癒着、連関、連結、連合、連鎖、連接、連絡、団結、組合、参加、接続、一対、合併、組み合わせる、カップル、組合せ、絆
[★]
- 英
- tissue
- ラ
- textus
- 関
- 何種類かの決まった細胞が一定のパターンで集合した構造の単位のこと。
- 全体としてひとつのまとまった役割をもつ。
分類
[★]
- 英
- mixture、mix、admixture、(切り混ぜ)shuffling、(配合)blend、mix、merge、admix
- 関
- 混合物、配合、合併、混ぜる
[★]
- 英
- disease、sickness
- 関
- 疾病、不調、病害、病気、疾患
[★]
- 英
- connective tissue
- ラ
- textus connectivus