疾患名 | 患者数 | |
静脈疾患 | 深部静脈血栓症 | 221 |
皮下血栓性静脈炎 | 205 | |
上大静脈閉塞 | 122 | |
下大静脈閉塞 | 93 | |
脳静脈洞血栓症 | 30 | |
バッド・キアリ症候群 | 17 | |
その他の静脈閉塞 | 24 | |
動脈疾患 | 肺動脈閉塞/肺動脈瘤 | 36 |
動脈瘤 | 17 | |
四肢動脈閉塞/四肢動脈瘤 | 45 | |
その他の動脈閉塞/動脈瘤 | 42 | |
右室血栓症 | 2 |
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/25 00:05:53」(JST)
「ページェット病」とは異なります。 |
ベーチェット病 | |
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分類及び外部参照情報 | |
ICD-10 | M35.2 |
ICD-9 | 136.1, 279.4 |
OMIM | 109650 |
DiseasesDB | 1285 |
eMedicine | med/218 ped/219 derm/49 oph/425 |
MeSH | D001528 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 | |
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ベーチェット病(ベーチェットびょう、Behçet's disease、Behçet's syndrome)は再発・寛解を繰り返す原因不明の慢性疾患で、自己免疫疾患の一つ。古典的な膠原病には含まれないものの、膠原病類縁疾患と呼ばれる。近年、その本体は血管炎であると考えられている。なお「ページェット病」(パジェット病、Paget disease)とは別の病気である。
トルコの医師フルス・ベーチェット(Hulusi Behçet)による1937年の報告が最初で[1]、名前もそれに由来する。ただし、歴史家によると、ヒポクラテスの書物にこの疾患の最初の記載があるという[2]。
目、口、皮膚、外陰部の他、中枢・末梢神経、消化管、関節、血管をおかす全身性の疾患である。口腔粘膜、皮膚、眼、外陰部において慢性炎症が持続するのではなく急性炎症が反復することを特徴とし、増悪と寛解を繰り返しながら遷延化した経過を辿る難治性疾患である。本症の病態は針反応に代表される好中球の異常活性化が病態の中心となる血管炎である。その他好中球以外に血管因子、リンパ球の因子も病態に関与する。誘因が明らかでない炎症所見、高力価の自己抗体や自己応答性T細胞を認めない、先天的な自然免疫の異常が認められるという点からは成人スティル病、クローン病、痛風、偽痛風などとともに自己炎症症候群という疾患概念で纏められることもある。その他の膠原病と比べての特徴として、自然寛解がわりと多くみとめられることがあげられる。
本症をはじめとした膠原病、膠原病類縁疾患はいずれも原因不明であるため一つの確定的な診断に至る検査というものはなく、状況証拠を積み重ねて診断基準に基づき診断せざるを得ない。逆に言うと適確な診断基準がつくられやすい土壌があり、厚生労働省による特定疾患の認定方法もきわめて妥当で、疾患の本態を表すものである。したがってここでは基本的に特定疾患認定基準に沿った形で症状を分類する。
病因は不明である。
シルクロード沿いにおこりやすいということから環境因子が原因である可能性がある。本症の患者はマイコバクテリウム(結核菌など)の熱ショックタンパク質に対する抗体を産生する事がわかっており、これに対する分子模倣(molecular mimicry)が原因の一つとして考えられている。一方、シルクロード沿いでは非常に交流がさかんだったことから、ある特定の遺伝因子がシルクロード沿いに伝播されて行ったという可能性もある。
中近東アジアから日本へかけての地域では、HLA-B51陽性患者の比率が多いことが知られている。[3]HLA-B51と本症の発症との関連が強い事がわかっているものの、これがあるから本症になるとは限らず、これがなくとも本症になる人もいて一概には言えない。他の膠原病でも同じ事が言えるがHLAとの遺伝的関連は、HLA-B51と連鎖不平衡にある真の原因遺伝子多型をあらわしているだけかもしれない。HLA-B52も関連が示されている。
ベーチェット病紅斑部位での組織において、好中球浸潤とphospho-STAT-3陽性細胞がみられることから、Jak-Stat経路の関与も検討されている。TYK2, Jak2 上流のIL-12受容体、IL-23受容体でのSNP変異も報告されている。[4]
扁桃炎を契機に発症する例があり[5]、口腔アフタを生ずる例では、Streptococcus sanguinisと呼ばれるグラム陽性球菌の関連が示唆されている。[6]
典型的な初発症状として、口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍を発症する事が多く、口唇、頬粘膜、舌、歯肉、口蓋粘膜に円形の境界鮮明な痛みを伴う潰瘍を生じる。
本症に特徴的とされる症状で、疾患の初期に起こり、しばしば寛解・再燃を繰り返す。
後期に起こる症状で、生命予後に影響するのはこちらの症状である。あまり自然に寛解することはなく、積極的な治療を必要とする事が多い。
特定疾患認定の基準に使われないものとして、そのほか下記のような症状がしられている。
上記症状のうち、目、口、皮膚、外陰部の四主症状すべてがそろったものを完全型ベーチェット病、主症状のうち3つまたは主症状2つ+副症状のうち2つまたは眼病変を含む主症状2つと副症状2つを示したものを不全型ベーチェット病と称する。また、完全型の所見がそろわなくとも、強い腸症状・血管炎症状・神経症状を示し明らかにベーチェット病が原因であると考えられるものを、それぞれ腸管ベーチェット[8]、血管ベーチェット[9]、神経ベーチェット[10]と称し、これら特殊型ベーチェット病は予後が悪い事がしられている。副症状はベーチェット病の発症から4~5年経過して出現するのが一般的である。しかし、稀に頭痛や髄膜刺激兆候を初発症状とする急性型神経ベーチェットをきたすことがある。
皮膚症状など軽度の病態や寛解期にはコルヒチンなどを用いるが、生命に影響を及ぼす臓器病変(副症状にみられるもの)や重篤な眼病変などでは高用量のステロイドやサイクロスポリンなどの免疫抑制剤を含む強力な治療を行う。一度臓器病変をおこした場合や特殊型ベーチェット病の場合は、寛解後も少量のステロイドを飲み続けることが多い(そうでないと容易に再燃する)。難治性網膜ぶどう膜炎に対し分子標的治療薬のひとつ、抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤インフリキシマブを使用することもある。消化管ベーチェット病に対しては類薬の抗TNF-α製剤であるヒュミラを処方することもある。
主症状に関しては、寛解・再燃を繰り返す事が多く、10年くらいたつと病気の勢いは下り坂となり、20年くらいをこえるとほぼ再燃しないと言われている。ただし眼病変については、治療が遅れるなどすると失明することもあり、若年者の失明の重大な原因の一つである。
副症状、特にそれを主な病態とする特殊型ベーチェット病においては死亡する事もある。
ベーチェット病の約10~20%に認められる。約2~5倍男性に多い。20~40歳が好発である。神経症状は発症後3~6年後に出現する(ベーチェット病診断後)ことが多いが、神経症状が初発となる場合もある。神経ベーチェット病の分類は実質性病変(脳幹、大脳、脊髄病変)80%と非実質性病変(血管病変、動脈瘤など)20%に分かれ、実質性病変はさらに急性型、慢性型に分かれる。急性型は髄膜炎症状+局所症状を示し、ステロイド反応性良好である。慢性型は急性型の経過の後に神経障害、精神症状が進行する。脳幹、大脳、小脳の委縮を伴い、髄液IL-6>20pg/ml(SLEなどでも上昇する)などが特徴的な検査所見となる。ステロイド抵抗性でありMTX少量パルス療法が(7.5~15mg/week)が有効とされている。眼ベーチェット病と用いられるシクロスポリンは神経ベーチェット病を増悪、誘発させる。
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関連記事 | 「病」 |
Table 15-10. Distinctive Features of Crohn Disease and Ulcerative Colitis* | |||
Feature | Crohn Disease (Small intestine) |
Crohn Disease (Colon) |
Ulcerative Colitis |
Macroscopic | |||
Bowel region | Ileum ± colon† | Colon ± ileum | Colon only |
Distribution | Skip lesions | Skip lesions | Diffuse |
Stricture | Early | Variable | Late/rare |
Wall appearance | Thickened | Variable | Thin |
Dilation | No | Yes | Yes |
Microscopic | |||
Pseudopolyps | None to slight | Marked | Marked |
Ulcers | Deep, linear | Deep, linear | Superficial |
Lymphoid reaction | Marked | Marked | Mild |
Fibrosis | Marked | Moderate | Mild |
Serositis | Marked | Variable | Mild to none |
Granulomas | Yes (40% to 60%) | Yes (40% to 60%) | No |
Fistulas/sinuses | Yes | Yes | No |
Clinical | |||
Fat/vitamin malabsorption | Yes | Yes, if ileum | No |
Malignant potential | Yes | Yes | Yes |
Response to surgery‡ | Poor | Fair | Good |
クローン病 | 腸結核 | 腸管ベーチェット病 |
縦走潰瘍 | 輪状潰瘍 | 打ち抜き状潰瘍 |
敷石像 | 帯状潰瘍 | 下掘れ状潰瘍 |
クローン病 | 潰瘍性大腸炎 | |
病因??? | 炎症反応亢進 | 免疫応答の異常 |
寛解導入 | 栄養療法 | |
5-アミノサリチル酸(大: サラゾスルファピリジン、小: メサラジン) | 5-アミノサリチル酸(大: サラゾスルファピリジン、小: メサラジン) | |
ステロイド | ステロイド | |
抗TNF-α抗体 | ||
シプロフロキサシン、メトロニダゾール | ATM療法 | |
顆粒球吸着療法(白血球除去療法) | 顆粒球吸着療法(白血球除去療法) | |
免疫抑制薬 | ||
緩解維持 | 在宅経腸栄養法 | 無治療~5-アミノサリチル酸(大: サラゾスルファピリジン) |
5-アミノサリチル酸 | ||
免疫抑制薬 | ||
外科 | 狭窄、難治性痔瘻 | 大出血、狭窄、穿孔、中毒性巨大結腸症、癌化 |
AIH | 自己抗体 | HCV感染 | |||
抗核抗体 | 抗平滑筋抗体 | 抗LKM-1抗体 | 抗SLA抗体 | ||
ANA | ASMA | ||||
I型 | + | + | - | - | - |
IIa型 | - | - | + | - | - |
IIb型 | - | - | + | - | + |
III型 | - | - | - | + | - |
IV型 | - | + | - | - | - |
1. 血中自己抗体(特に抗核抗体、抗平滑筋抗体など)が陽性。 |
2. 血清γグロブリン値またはIgGの上昇 (2g/dl以上)。 |
3. 持続性または反復性の血清トランスアミナーゼ値の異常。 |
4. 肝炎ウィルスマーカーは原則として陰性。 |
5. 組織学的には肝細胞壊死所見およびpiecemeal necrosisに伴う慢性肝炎あるいは肝硬変であり、しばしば著明な形質細胞浸潤を認める。時に急性肝炎像を呈する。 |
註 * 本邦ではHLA-DR4陽性症例が多い ** 本邦ではC型肝炎ウィルス血症を伴う自己免疫性肝炎がある。 *** C型肝炎ウィルス感染が明らかな症例では、インターフェロン治療が奏功する例もある。 |
など
アルツハイマー病 | 脳血管性認知症 | ピック病 | |
認知症 | 全般的認知症 | まだら認知症 | アルツハイマー病に類似。 早期には人格、注意力が障害され、 次第に記憶力も障害される。 |
人格 | 晩期に人格障害 | 保たれる | 早期に人格障害 |
病識 | なし(初期にはあり) | あり | なし |
経過 | 進行性 | 動揺性、階段状に進行性 | 進行性 |
基礎疾患 | 特になし | 高血圧、糖尿病、心疾患 | 特になし |
画像検査 | 対称性の脳溝開大 | 脳実質内に脳梗塞巣 | 側頭葉と前頭葉の萎縮 |
機能画像検査 | 側頭葉、頭頂葉での代謝低下 | 前頭葉を中心とした多発性の脳代謝低下 | 前頭葉、側頭葉での代謝低下 |
相談体制 | 保健所 | 地域保健法が定める事業内容「母性及び乳幼児並びに老人の保健に関する事項」による老人精神衛生相談事業 | |
高齢者総合相談センター | 厚労省が都道府県レベルに設置している高齢者に関する相談窓口 | ||
在宅介護支援センター | 老人福祉法により市町村が実施の主体となっている施設であり、在宅の要介護高齢者やその介護者の要望に対応した適切なサービスが円滑に提供されるように市町村や関連機関との連絡・調節などを行っている。 | ||
認知症疾患医療センター | |||
在宅対策 | 介護 | 訪問介護 | ホームヘルプサービス |
通所介護 | デイサービス | ||
短期入所生活介護 | ショートステイ | ||
認知症老人向け毎日通所型デイサービスセンター | |||
認知症対応型老人共同生活介護 | グループホーム | ||
老人認知症疾患デイ・ケア施設 | |||
福祉 | 訪問指導 | ||
施設対策 | 介護 | 介護療養型医療施設 | |
介護老人保健施設 | |||
介護老人福祉施設 | |||
医療 | 老人性認知症疾患治療病棟 | ||
福祉 | 養護老人ホーム | ||
特別養護老人ホーム |
表在腹壁静脈 | 正常 | 門脈圧亢進症 | 上大静脈閉塞症 | 下大静脈閉塞症 |
臍以上 | ↑ | ↑ | ↓ | ↑ |
臍 | ||||
臍以下 | ↓ | ↓ | ↓ | ↑ |
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
血管Behcet病 : 約 40 件 血管型Behcet病 : 20 件 血管ベーチェット病 : 約 35,100 件 血管型ベーチェット病 : 約 9,750 件
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