出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/08/27 11:18:53」(JST)
パーキンソン症候群 | |
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分類及び外部参照情報 | |
DiseasesDB | 24212 |
MedlinePlus | 000759 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 | |
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パーキンソン症候群 (Parkinson's syndrome) とはパーキンソン病およびパーキンソン病症状を呈する疾患の総称である。パーキンソニズム (parkinsonism) ともよばれるが、パーキンソニズムは疾患群を意味するほかに下記の症状そのものをも意味する。
パーキンソン症候群とは安静時振戦、無動(瞬目減少、仮面様顔貌、運動量の減少、運動の緩慢さ)、筋強剛、姿勢保持反射の主要四徴候のうち2つ以上が認められる場合をいう。文献によっては四肢体幹の屈曲位、すくみ現象を含めた六徴のうち安静時振戦、無動のほかもうひとつがあった場合を指す場合もある。筋強剛を中核症状と考えることが多い。
大まかに1.パーキンソン病、2.その他の神経変性疾患、3.症候性 (二次性) パーキンソニズムに分けるとわかりやすい[1]。
症状の原因が明らかでないパーキンソニズムを本態性パーキンソニズムという。そのほとんどがパーキンソン病であるが、そのほかに若年発症パーキンソニズム、遺伝性パーキンソニズムを分類することがある。
詳細は「パーキンソン病」を参照
以下の3疾患を合わせて「レビー小体病」と呼ぶ概念も提唱されている。
パーキンソン症状の要因が明らかなものを症候性パーキンソニズムという。
詳細は「パーキンソン病#症状」を参照
安静時の振戦(ふるえ)、筋強剛(筋固縮)、無動(または、寡動)、姿勢保持反射障害の運動症状を主徴とする。結果として小刻み歩行・加速歩行(注1)などの歩行異常、前傾姿勢、表情が乏しくなる仮面様顔貌、小字症などの症状が見られる。また、無動のため言動が鈍くなり一見して認知症(痴呆)のようにみえることもあるが、実際に認知症を合併する疾患もあり鑑別を要する。また、うつ症状などの精神症状を合併する場合がある。他には発汗低下、起立性低血圧、便秘、排尿障害(尿閉)などの自律神経症状も見られる。
注1:血管性パーキンソニズムでは加速歩行(突進現象)は比較的生じにくいとされている。
これらの症状をすべて合併したもの、または一部が見られる症候をパーキンソニズム(パーキンソン症状)とする。ADL(生活に必要な能力)を大きく障害するため福祉、リハビリテーションにおいても大きな課題となる。
原因が不明ともされているが、脳の血管障害、薬の副作用だけではなく、一酸化炭素#一酸化炭素中毒の後遺症として本症状が発生する事が多くある。[2][3]
現在唯一治療可能なものは薬剤性パーキンソニズムであり、何よりも原因となった薬剤の投与を中止する。それ以外のパーキンソニズムに対しては治療は対症的なもののみで、原因に対するものはまだ実験段階である。
パーキンソン病をはじめとして、これに属する疾患はいずれも完治は困難である。様々な医学的アプローチが検討されているが、現在のところ一時的な症状改善や進行を遅らせる程度にとどまっている。
薬物療法としては、ドーパミンの前駆物質であるL-Dopa(ドパストン®)、ドーパミン分泌を促進する塩酸アマンタジン(シンメトレル®)等のドーパミン作動薬を投与しドーパミンを増やしたり、効果を増強する、ドロキシドパ(ドプス®)の投与でノルアドレナリンを増やす、塩酸トリヘキシフェニジル Trihexyphenidyl (アーテンArtane®)やアトロピンなどの抗コリン薬の投与によりアセチルコリンの影響を減らす、等が行われるが、徐々に必要量が増加する他に、症状の日内変動、日差変動も生じることが多く、症状の変動に合わせた処方の調整が必要である。
他にネオドパストン®・メネシット®(カルビドパ+レボドパの合剤、カルビドパは末梢でのレボドパの消費を防ぐ)、ドーパミン受容体刺激薬であるパーロデル®(プロモクリプチン)、ビ・シフロール®(プラミペキソール)やカバサール®(カベルゴリン)、MAO-B阻害剤であるエフピー®(セレギリン)などがある。 ドーパミン受容体刺激薬はジスキネジアやon-off現象が少ないといった特徴がある。
薬物療法以外では、姿勢反射障害、歩行困難等に対しては、足底装具の処方、リハビリテーション訓練などが行われる。
また、スティーヴン・ホーキングが使用しているような意思伝達装置の導入により、意思伝達を行っている人がいる。 日本語版には、伝の心(でんのしん)・トーキングパートナー、英語版には、ホーキングと同じwordsplus・ワンタッチで操作可能なezkeysがある。
ウィキメディア・コモンズには、パーキンソン症候群に関連するメディアがあります。 |
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国試過去問 | 「113D032」「108D013」「109A011」 |
リンク元 | 「難病リスト」「認知症」「パーキンソン症候群」「変性性認知症」「CBD」 |
関連記事 | 「大脳」「大脳皮質」「変性」「基底」「皮質」 |
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など
アルツハイマー病 | 脳血管性認知症 | ピック病 | |
認知症 | 全般的認知症 | まだら認知症 | アルツハイマー病に類似。 早期には人格、注意力が障害され、 次第に記憶力も障害される。 |
人格 | 晩期に人格障害 | 保たれる | 早期に人格障害 |
病識 | なし(初期にはあり) | あり | なし |
経過 | 進行性 | 動揺性、階段状に進行性 | 進行性 |
基礎疾患 | 特になし | 高血圧、糖尿病、心疾患 | 特になし |
画像検査 | 対称性の脳溝開大 | 脳実質内に脳梗塞巣 | 側頭葉と前頭葉の萎縮 |
機能画像検査 | 側頭葉、頭頂葉での代謝低下 | 前頭葉を中心とした多発性の脳代謝低下 | 前頭葉、側頭葉での代謝低下 |
相談体制 | 保健所 | 地域保健法が定める事業内容「母性及び乳幼児並びに老人の保健に関する事項」による老人精神衛生相談事業 | |
高齢者総合相談センター | 厚労省が都道府県レベルに設置している高齢者に関する相談窓口 | ||
在宅介護支援センター | 老人福祉法により市町村が実施の主体となっている施設であり、在宅の要介護高齢者やその介護者の要望に対応した適切なサービスが円滑に提供されるように市町村や関連機関との連絡・調節などを行っている。 | ||
認知症疾患医療センター | |||
在宅対策 | 介護 | 訪問介護 | ホームヘルプサービス |
通所介護 | デイサービス | ||
短期入所生活介護 | ショートステイ | ||
認知症老人向け毎日通所型デイサービスセンター | |||
認知症対応型老人共同生活介護 | グループホーム | ||
老人認知症疾患デイ・ケア施設 | |||
福祉 | 訪問指導 | ||
施設対策 | 介護 | 介護療養型医療施設 | |
介護老人保健施設 | |||
介護老人福祉施設 | |||
医療 | 老人性認知症疾患治療病棟 | ||
福祉 | 養護老人ホーム | ||
特別養護老人ホーム |
特発性 | パーキンソン病 | |
続発性 | 感染性 | 脳炎後パーキンソン症候群 |
梅毒性パーキンソン症候群 | ||
中毒性 | 一酸化炭素中毒 | |
マンガン中毒 | ||
薬物中毒(抗精神病薬(ベンズアミド系(スルピリド)、フェノチアジン系(クロルプロマジン)、ブチロフェノン系(ハロペリドール))、降圧薬(レセルピン、αメチルドパ)) | ||
血管性 | 動脈硬化症による | |
脳梗塞による | ||
関連疾患 | 線条体黒質変性症 | |
オリーブ橋小脳萎縮症 | ||
シャイ・ドレーガー症候群 | ||
進行性核上性麻痺 | ||
レビー小体型認知症 | ||
ウイルソン病 | ||
クロイツフェルト・ヤコブ病 | ||
正常圧水頭症 |
優位半球 | 劣位半球 | |
左 | 右 | |
側頭葉 | 感覚性失語、Wernicke失語、同名性上1/4半盲 | |
頭頂葉 | 対側の感覚 | |
ゲルストマン症候群(手指失認、左右識別障害、失算、失書) | 半側空間無視、病態失認、自己身体失認など | |
前頭葉 | 対側の運動麻痺、眼球運動(対側への追視)障害、運動性失語、知的及び精神的高次機能障害など | |
後頭葉 | 対側の同名半盲、両側後頭葉の障害ではアントン症候群 | |
小脳 | 筋共同運動障害、運動・平衡障害に関係し、運動失調を呈する。測定異常、反復拮抗運動障害、筋緊張低下、運動過多、歩行異常、異常姿勢、発語障害、眼振など |
障害 | |
前頭葉 | 後方は一次運動野であり、障害により健側の麻痺。前方は前頭連合野であり、障害により発動性の低下、感情鈍麻。底面の障害は脱抑制症状をきたす |
頭頂葉 | 頭頂連合野の障害により、構成失行、失読・失書、失算が認められる |
側頭葉 | 優位半球側頭連合野後方部の障害でウェルニッケ失語。海馬を中心とする内側面の障害で記憶の障害 |
後頭葉 | 一次舌の損傷で健側の半盲 |
空砲変性 | 薬疹、皮膚科領域疾患 |
脂肪変性 | 脂肪肝、ネフローゼ症候群、筋脂肪変性 |
好酸性変性 | ウイルス性肝炎、アルコール性肝炎 |
硝子様変性 | 小動脈硬化。HE染色で均質な好酸性。 |
フィブリノイド変性 | 膠原病、アレルギー。HE染色でやや光沢のある不均質な好酸性物質。 |
粘液変性 | HE染色で不均質な淡い好塩基性物質として見える。 |
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