- 英
- pulmonary fibrosis
- 同
- 間質性肺炎
概念
- 肺胞領域にびまん性に線維化を生じる疾患の総称(SPU.135)
- この結果、肺組織の硬化と萎縮をきたし、正常の肺構造の破壊と荒廃に至る
- 病理組織的な概念
- 炎症所見に注目したものが間質性肺炎
病因
2007年度前期生理学授業プリント-R4-
- 肺胞中隔に線維が出現し、肺が固くなる
- コンプライアンスC↓
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間質性肺炎(かんしつせいはいえん、interstitial pneumonia (IP))は肺の間質組織の線維化が起こる疾患の総称である。進行して炎症組織が線維化したものは肺線維症(はいせんいしょう)と呼ばれる。間質性肺炎のうち特発性間質性肺炎(後述)は日本の特定疾患で、その予後は臨床診断によって様々ではあるが、特に特発性肺線維症(IPF)及び急性間質性肺炎(AIP)については難治性である。
目次
- 1 病態概念
- 2 症状
- 3 所見・診断
- 4 治療
- 5 予後
- 6 原因による分類
- 7 急性増悪
- 8 関連する著名人
- 9 脚注
病態概念
肺は血液中のガスを大気中のものと交換する器官であり、大気を取り込む肺胞と毛細血管とが接近して絡み合っている。それらを取り囲んで支持している組織が間質である。
通常、肺炎という場合には気管支もしくは肺胞腔内に起こる炎症を指す。これに対して、間質性肺炎の場合は支持組織、特に肺胞隔壁に起こる炎症であり、肺胞性の肺炎とは異なった症状・経過を示す。
- 肺コンプライアンスの低下
- いわば「肺が硬くなる」。肺の支持組織が炎症を起こして肥厚することで、肺の膨張・収縮が妨げられる。肺活量が低下し、空気の交換速度も遅くなる。
- ガス交換能の低下
- 間質組織の肥厚により毛細血管と肺胞が引き離される。その結果、血管と肺胞の間でのガス交換(拡散)効率が低下し、特に酸素の拡散が強く妨げられる。
症状
その病態から、呼吸困難や呼吸不全が主体となる(息を吸っても吸った感じがせず、常に息苦しい)。また、肺の持続的な刺激により咳がみられ、それは痰を伴わない乾性咳嗽である(痰は気管支や肺胞の炎症で分泌されるため)。肺線維症に進行すると咳などによって肺が破れて呼吸困難や呼吸不全となり、それを引きがねとして心不全を起こし、やがて死に至ることもある。
所見・診断
- 理学所見
- 診察上特徴的なのは胸部聴診音で、パチパチという捻髪音 fine crackleが知られる。これはマジックテープをはがす音に似ているため、マジックテープのメーカー(ベルクロ社)にちなんでベルクロラ音とも呼ばれる。また、呼吸器障害を反映してばち指がみられることもある。
- 臨床検査
- 単純X線撮影および胸部CTではすりガラス様陰影 ground-glass opacityが特徴的である。これは、比較的一様に濃度が上がった、ぼやっとした肺陰影である。進行すると線維化を反映して蜂巣状を呈するようになっていく。診断は画像診断でほぼ確定することができる。
- 呼吸生理学検査では、%肺活量、一酸化炭素拡散能の低下がみられる。これは重症度判定の目安になる。間質性肺炎は基本的に拘束性換気障害を呈するため、COPDなどの閉塞性肺疾患を合併していない限り、1秒率は低下しない。
- 血液検査では、非特異的だがLDH、血沈の上昇が知られる。特異性の高い所見としてはSP-A、SP-D、KL-6の上昇があり、これは炎症の活動度の判定や治療効果の判定に信頼性が高い。
- 病理所見
- 硝子膜形成、II型上皮の腫大・増生、肺胞壁への炎症細胞浸潤がみられる。末期には蜂窩肺となる。
治療
炎症の抑制を目的としてステロイドホルモンや免疫抑制剤が使用される。感染が原因である場合、これらは増悪を招くおそれがある。2008年より、日本ではピルフェニドン(商品名ピレスパ錠200mg®)が発売された。現在日本でのみ承認されている。光線過敏症などの副作用はあるが、特発性肺線維症(病理組織分類では通常型間質性肺炎)に対してはこの薬のみが唯一有効性が証明されている。
対症療法として呼吸不全に対して酸素投与が行われるが、進行して二酸化炭素排泄も不十分となった場合には酸素投与のみでは炭酸ガスナルコーシスを引き起こしかねないため人工呼吸器を導入せざるを得なくなる。
肺移植の有用性も検討されており移植の適応疾患に認められているが、日本では2005年の時点で10例程度施行されたのみである。
予後
進行性で治療に抵抗性のものでは数週間で死に至るものもある。慢性的に進行した場合は10年以上生存することも多い。
原因による分類
- 感染
- ウイルス感染は間質性肺炎の形態をとることがあり、間質性肺炎の鑑別診断の一つとして考慮すべきである。血液疾患などで見られることの多いサイトメガロウイルス肺炎が代表的なものであるが、インフルエンザウイルス等も原因となることがある。
- 膠原病
- 関節リウマチ、全身性強皮症、皮膚筋炎、多発性筋炎、MCTDなど線維化を来す膠原病の一症候として間質性肺炎が出現する頻度が高い。特に皮膚筋炎に合併するものは急速に進行し予後が悪い傾向がある。
- 放射線
- 画像診断程度の線量ではまず発生することはなく、放射線療法程度の強い被曝に起こる。照射野に一致した炎症像を呈する。また、基礎疾患として間質性肺炎のある患者の場合は照射野外にも広範囲に広がる重篤な間質性肺炎を起こす可能性がある。
- 中毒・薬剤性
- ブレオマイシン、ゲフィチニブなどの抗癌剤、漢方薬の小柴胡湯、インターフェロン、抗生物質などや胆道疾患改善薬(ウルデストン錠)によるものがよく知られている。特にゲフィチニブによるものは日本(人)での発症率が高く、主として先行販売されていた海外でのデータをもとにして薬事承認されていたため上市後に危険性が顕在化することとなり、社会的にも大きな影響を生じた。これらが疑われたときには原因薬剤の速やかな中止が第一となる。
中毒としては、パラコート中毒の際に細胞障害の結果起きることがある。この場合、パラコートの細胞障害作用には酸素が働いているため酸素投与は絶対禁忌となる。
特発性
以上に挙げた明確な原因を持たないものは特発性間質性肺炎(IIP: Ideopathic Interstitial Pneumonitis)と呼ばれる。組織型によりいくつかに分類されるが、剥離性間質性肺炎は喫煙との関連が明らかになっている。
病理学的分類:Liebow(1968)の分類
- 通常型間質性肺炎(UIP: usual interstitial pneumoniae)
- 閉塞性細気管支炎を合併したびまん性肺胞障害(BIP: bronchiolitis obliterans and diffuse alveolar damage)
- 剥離型間質性肺炎(DIP: desquamative interstitial pneumoniae)
- 巨細胞性間質性肺炎(GIP: giant cell interstitial pneumoniae)
- リンパ性間質性肺炎(LIP: lymphoid inerstitial pnumoniae)
その後検討され、2002年のATS(American thoracic society)/ERS(European respiratory society)の分類では、以下の7つに分類できる。
- UIP (usual interstitial pneumonia)
- NSIP (nonspecific interstitial pneumonia)
- COP (cryptogenic organizing pneumonia)- BOOP(bronchiolitis obliterans with organizing pneumoniae:器質化肺炎を伴う閉塞性細気管支炎)と言われていたもの
- DIP (desquamative interstitial pneumonia)
- RB-ILD (respiratory bronchiolitis-associated interstitial lung disease)
- AIP(acute interstitial pnaumonia)
- LIP (lymphocytic interstitial pnaumonia)
急性増悪
間質性肺炎は、原疾患の病勢、治療薬の副作用、感染症などをきっかけに急激に症状が増悪し致命的となる場合がある。これを急性増悪といい、管理上の最大の問題となる。緊急的にステロイドパルス療法が行われる。
関連する著名人
- 美空ひばり(歌手・女優) - 1989年6月24日、突発性間質性肺炎の症状悪化と呼吸不全の併発により、52歳の若さで死去。
- 池谷三郎(TBSアナウンサー第1期生。ラジオ「浪曲天狗道場」などを担当) - 2002年10月19日、この病因により79歳で死去。
- 池内淳子(女優) - 2007年4月、間質性肺炎のほか胸水貯留、肺腫瘍を併発し入院(その後一旦退院)。それから3年半後の2010年9月26日、肺腺癌により76歳で死去。
- 鴻池祥肇(元官房副長官) - 2009年5月、この病気を理由に入院し官房副長官を辞任。
- 江畑謙介(軍事評論家) - 2009年10月10日、この病因により60歳で死去。
- 山田修爾(TBSアナウンサー第14期生・プロデューサー。「ザ・ベストテン」などを担当) - 2013年8月28日、この病因により67歳で死去。
- 斎藤功(地理学者、筑波大学名誉教授) - 2014年3月27日、この病因により71歳で死去[1]。
脚注
- ^ 山下清海(2014)"斎藤 功先生のご逝去を悼む"地理学評論(日本地理学会).87(4):351-352.(351ページより)
呼吸器疾患(ICD-10 J00〜99) |
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疾患 |
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閉塞性肺疾患
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慢性閉塞性肺疾患
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気管支喘息 | 慢性気管支炎 | 肺気腫 | びまん性汎細気管支炎
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拘束性肺疾患
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特発性
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IPF | NSIP | COP | AIP | DIP | RB-ILD | LIP
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続発性
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塵肺 | 放射線肺炎 | 薬剤性肺炎
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無気肺 | 気胸 | 血胸
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形態異常
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気管支拡張症 | 肺分画症 | 肺嚢胞症
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腫瘍
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良性腫瘍
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肺過誤腫 | 硬化性血管腫
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悪性腫瘍
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低悪性度肺腫瘍 | 原発性肺癌 | 転移性肺癌 | 中皮腫
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アレルギー
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気管支喘息
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アスピリン喘息
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好酸球性肺炎
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Löffler症候群 | 急性好酸球性肺炎 | 慢性酸球性肺炎 | 好酸球増加症候群
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過敏性肺臓炎 | サルコイドーシス | グッドパスチャー症候群
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肺循環障害
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肺血栓塞栓症 | 肺性心 | 新生児呼吸窮迫症候群 | 急性呼吸窮迫症候群
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肺代謝異常
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肺胞蛋白症 | 肺胞微石症
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機能的障害
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過換気症候群 | 睡眠時無呼吸症候群
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感染性疾患
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気道感染 |
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上気道 |
風邪
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- ライノウイルス
- アデノウイルス
- パラインフルエンザウイルス
- RSウイルス
- コロナウイルス
- エコーウイルス
- エンテロウイルス
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喉頭炎
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咽頭炎
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下気道 |
急性細気管支炎
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肺炎 |
原因
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定型肺炎
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グラム陽性
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グラム陰性
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- 肺炎桿菌
- インフルエンザ菌
- モラクセラ
- 大腸菌
- 緑膿菌
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非定型肺炎
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ウイルス性
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- RSウイルス
- インフルエンザ肺炎
- 重症急性呼吸器症候群
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肺真菌症
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- ニューモシスチス肺炎
- クリプトコッカス症
- アスペルギルス症
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- レジオネラ菌
- マイコプラズマ
- クラミジア肺炎
- オウム病
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抗酸菌症
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機序
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病態
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胸壁 |
膿胸
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症候・徴候 |
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異常呼吸
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過呼吸 | 頻呼吸 | 徐呼吸 | 低呼吸 | 多呼吸 | 少呼吸 | 起坐呼吸 | 奇異性呼吸 | クスマウル呼吸 | チェーンストークス呼吸 | ビオー呼吸
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咳嗽 | 痰 | 呼吸困難 | 胸痛 | 胸水 | ばち指 | チアノーゼ
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所見・検査 |
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聴診 | 胸部X線写真 | 胸部X線CT | 気管支鏡 | 胸腔鏡 | 血液検査
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呼吸器系の正常構造・生理 |
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気道系 |
解剖学的構造
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上気道
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鼻
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鼻孔 | 鼻腔 | 鼻甲介 | 副鼻腔
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口
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口腔前庭 | 口腔 | 口蓋
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咽頭 - 喉頭
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下気道
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気管
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気管支
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主気管支 - 葉気管支 - 区域気管支 - 亜区域気管支
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細気管支
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小気管支 - 細気管支 - 終末細気管支
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呼吸細気管支
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ガス交換器
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肺 - 肺胞管 - 肺胞嚢 - 肺胞
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顕微解剖学
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I型肺胞上皮細胞 | II型肺胞上皮細胞 | 杯細胞 | クララ細胞 | 気管軟骨輪
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生理学・生化学
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生理学
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肺気量 | 肺活量 | %肺活量 | 残気量 | 死腔 | 1回換気量 | 1秒率 | 肺サーファクタント | SP-A
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生化学
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PaCO2 | PaO2 | AaDO2 | FiO2 | SpO2 | 呼吸係数および酸素化係数
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血管系 |
肺循環系
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(右心室 -) 肺動脈 - 毛細血管 - 肺静脈 (- 左心房)
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気管支循環系
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(胸部大動脈 -) 気管支動脈 - 毛細血管 - 気管支静脈 (- 奇静脈/副反奇静脈)
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運動器系 |
骨格
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肋骨 | 胸骨
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呼吸筋
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横隔膜 | 内肋間筋 | 外肋間筋 | 胸鎖乳突筋 | 前斜角筋 | 中斜角筋 | 後斜角筋 | 腹直筋 | 内腹斜筋 | 外腹斜筋 | 腹横筋
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神経系 |
中枢神経系
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呼吸中枢 | 呼吸調節中枢 | 前頭葉
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末梢神経系
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横隔神経 | 肋間神経
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 呼吸器疾患に伴う肺高血圧症 (第1土曜特集 肺高血圧症診療の進歩) -- (肺高血圧症各論(疾患の解説と内科治療))
- 呼吸器疾患 急性間質性肺炎 (特集 救急薬剤プラクティカルガイド) -- (疾患別救急薬剤ベストプラクティス)
- 特集 粉じん曝露作業と肺線維症,間質性肺炎の発症に関する検討--金属鉱山の閉山地区での地域医療の経験から
- 放射線療法時の問題点 (特集 IPF合併肺癌の治療)
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- 肺線維症とは、肺組織が長期にわたって傷害され、線維化してしまう状態です。症状 としては、息切れや倦怠感が目立つようになり、進行すると、呼吸困難やチアノーゼがみ られるようになります。
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- 次の文を読み、43、44の問いに答えよ。
- 57歳の男性。発熱と咳とを主訴に来院した。
- 現病歴 : 最近、仕事が忙しくて十分睡眠がとれない状況が続いていた。6日前から咳嗽と喀痰とが出現し徐々に増悪してきた。喀痰は黄色で膿性。3日前からは39℃台の発熱も加わり、全身倦怠感も出現してきた。胸痛と呼吸困難とはなかった。
- 既往歴 : 40歳時、健康診断で尿糖陽性を指摘されたが放置していた。
- 現症 : 意識は清明。身長163cm、体重62kg。体温39.2℃。呼吸数24/分。脈拍104/分、整。血圧146/84mmHg。胸部聴診で右下肺野にcoarse cracklesを聴取する。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖1+。血液所見:赤血球440万、Hb14.2g/dl、Ht44%、白血球14,500(後骨髄球2%、桿状核好中球20%、分葉核好中球45%、好酸球3%、単球5%、リンパ球25%)。
- 血清生化学所見:血糖124mg/dl、総蛋白6.6g/dl、尿素窒素18mg/dl、クレアチニン1.2mg/dl、総ビリルビン0.8 mg/dl、AST40単位、ALT35単位、LDH350 単位(基準176~353)。CRP15.6mg/dl。胸部エックス線写真を以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [099C043]←[国試_099]→[099C045]
[★]
- 15年前からRaynaud症状と関節痛とがあった。11か月前から労作時の息切れを自覚し、近くの病院で非ステロイド性抗炎症薬とプロスタグランジン系血管拡張薬とを処方されていた。
- 意識は清明。身長151cm、体重41kg。体温36.8℃。呼吸数24/分。脈拍76/分、整。血圧112/70mmHg。頚静脈の怒張を認めない。胸部にfine crackles(捻髪音)を聴取する。II音の肺動脈成分の亢進を認める。四肢に浮腫はない。
- 血液所見:赤血球430万、Hb13.6g、Ht40%、白血球8,800(好中球81%、単球4%、リンパ球15%)、血小板29万。
- 免疫学所見:抗核抗体1,280倍(基準20倍以下)、抗DNA抗体48倍陽性、抗RNP抗体16倍陽性、CH50 39単位(基準30~40)。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH7.42、PaO2 72Torr、PaCO2 34Torr。
- この患者で考えられることはどれか。
- (1) 大動脈炎症候群
- (2) 肺動脈弁狭窄症
- (3) 肺高血圧
- (4) 肺線維症
- (5) 左心不全
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [098I007]←[国試_098]→[098I009]
[★]
- 42歳の女性。発熱を主訴に来院した。1週前から発熱を認め自宅近くの診療所で感冒薬と解熱薬とを処方されたが、改善しないため受診した。身長162cm、体重48kg。体温38.6℃。脈拍96/分、整。血圧98/42mmHg。呼吸数15/分。聴診で拡張期灌水様雑音(拡張早期性雑音)を認める。血液所見:赤血球468万、Hb 13.9g/dl、Ht 42%、白血球17,300(桿状核好中球12%、分葉核好中球70%、好酸球1%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球10%)、血小板12万、PT 84%(基準80~120)。血液生化学所見:総ビリルビン0.9mg/dl、尿素窒素12mg/dl、クレアチニン0.6mg/dl、AST 28IU/l、ALT 16IU/l、LD 377IU/l。CRP 3.6mg/dl。心エコー図(別冊No.11)を別に示す。
- この患者の合併症として最も留意すべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107A031]←[国試_107]→[107A033]
[★]
- 64歳の女性。腹痛と血便とを主訴に来院した。10数年前から慢性関節リウマチのため近医に通院していた。1か月前から時々臍周囲から下腹部に痛みを覚えるようになり、今朝から激しい腹痛と血便とが出現した。体温37.6℃。脈拍96/分、整。血圧136/88mmHg。手指にスワンネック変形と尺側偏位とを認める。血液所見:赤沈102mm/1時間、赤血球320万、Hb 9.6 g/dl、Ht31%、白血球12,600(桿状核好中球12%、分葉核好中球73%、好酸球1%、単球2%、リンパ球12%)、血小板56万。CRP10.6mg/dl(基準0.3以下)、RAHAテスト2,560倍(基準40以下)。この疾患でみられるのはどれか。
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095C024]←[国試_095]→[095C026]
[★]
- 58歳の女性。呼吸困難を主訴に来院した。若いころから運動時の息切れがあった。呼吸困難は少しずつ増強している。湿性咳嗽を認める。意識は清明。体温36.7℃。脈拍88/分、整。血圧120/68mmHg。心音に異常を認めない。胸部両側にcoarse cracklesを聴取する。血液所見:赤血球429万、Hb12.9g/dl,Ht39%、白血球9,600。CRP2.1mg/dl。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.45、PaO2 59Torr、PaCO2 45Torr。胸部エックス線写真と胸部単純CTとを以下に示す。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102A049]←[国試_102]→[102A051]
[★]
- 62歳の男性。健康診断を受け、胸部エックス線写真で異常陰影を指摘されて来院した。自覚症状はなく、元気に日常活動を行っている。3年前に狭心症のため冠動脈バイパス術を受けた。喫煙は20歳から手術を受けるまで1日30本を続けていた。身体所見に異常は認めない。血液所見:赤沈15mm/1時間、赤血球480万、白血球7,300。胸部エックス線写真と喀痰細胞診Papanicolaou染色標本とを以下に示す。この患者で最もきたしやすい合併症はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097D014]←[国試_097]→[097D016]
[★]
- 36歳の女性。微熱と手足の関節痛とを訴えて来院した。数年前から家事で冷水を使用すると手指が白くなることに気付いた。また最近、労作時の息切れも自覚するようになった。体温36.5℃。脈拍96/分、整。血圧136/88mmHg。手指、手背および顔面皮膚の硬化と舌小帯の短縮とを認める。抗核抗体1,280倍(基準20以下)、抗Scl-70抗体陽性。この疾患でみられるのはどれか。
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095C016]←[国試_095]→[095C018]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107B012]←[国試_107]→[107B014]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100G101]←[国試_100]→[100G103]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [106B016]←[国試_106]→[106B018]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [097G117]←[国試_097]→[097G119]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100B076]←[国試_100]→[100B078]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105B034]←[国試_105]→[105B036]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [095B074]←[国試_095]→[095B076]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101F016]←[国試_101]→[101F018]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [097H061]←[国試_097]→[097H063]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101C021]←[国試_101]→[101C023]
[★]
[★]
- 英
- autoimmune hepatitis AIHA, AIH
- 関
- 類狼瘡肝炎(ルポイド肝炎)、難病
まとめ
- 中年の女性に好発する慢性経過の肝炎であり、自己免疫機序が関与していると考えられる。HLA-DR4陽性例に多いといわれている。診断は除外診断であり、ウイルス性肝炎や原発性胆汁性肝硬変などをを除外する。
概念
疫学
- 男女比=1:7で女性に多く、発症は10-30歳での発症もみられるが、多くは40歳以降。
病型
病型と病態
- LAB.894
- II型は抗LKM-1抗体の存在で特徴づけられる
- IIa型は女性に多く、高力価を示し、肝硬変への進展が早い
- IIb型は中年男性に多く、力価はそれほど高くない
病態生理
- 自己免疫機序により肝細胞が障害されるらしいが、詳細は不明である。
病理
症状
- 自覚症状に乏しく、血液検査で偶然発見される
- 肝障害:黄疸、全身倦怠感、食欲不振。重症例では腹水、肝性脳症、肝不全。
検査
- AST, ALT:高値
- γ-グロブリン:高値(2g/dl以上)
- 免疫グロブリンG:高値(2g/dl以上)
- ウイルスマーカー:陰性 (除外診断)
- 抗核抗体:I型で陽性
- 抗平滑筋抗体:I,IV型で陽性
- 抗LKM-1抗体:II型で陽性
- 抗SLA抗体:III型で陽性
- 肝生検:piecemeal necrosisの所見をもつ慢性肝炎の像
診断基準
- 参考3
診断
- 病歴により、アルコール性肝炎、薬物性肝障害、超音波検査にて脂肪肝を除外。
- 免疫血清学検査を行いウイルス性肝炎を除外。自己抗体や免疫グロブリンの変動、サブタイプの変動をみて絞り込み、病理組織学検査で確定診断する。
鑑別疾患
治療
- 副腎皮質ステロイドが著効する
- ステロイド:十分量の後、維持量を継続する
- ウルソデオキシコール酸:ステロイドの減量に有効。また、軽症例での経過観察に用いられる(IMD)。
- 免疫抑制薬:(ステロイド抵抗性例に対して)アザチオプリン
- インターフェロンは自己免疫を賦活化させる方向に作用するので不適
合併症
肝癌:ウイルス性肝炎よりも発癌リスクが少なく、肝細胞癌のリスクへの影響はあるとはいえない。
- 自己免疫疾患:ウイルス肝炎でもありうるが、自己免疫性肝炎の方がより高頻度で起こる(ウイルス性肝炎(22%)vs自己免疫性肝炎(38%)(参考1))
参考
- 1. [charged] Extrahepatic manifestations of autoimmune hepatitis - uptodate [1]
- 2. 自己免疫性肝炎 - 難病情報センター
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/268
- http://jpma-nanbyou.com/Category.aspx?view=c&oid=10&sid=3&kid=1
- http://www8.ocn.ne.jp/~halfboil/criteria/tab-b5.html
[★]
- 英
- systemic sclerosis, systemic scleroderma, SSc
- 同
- 汎発性強皮症 diffuse sclerosis、進行性全身性硬化症 progressive systemic sclerosis PSS、全身性硬化症
- 関
- 強皮症、膠原病
概念
- 皮膚硬化を特徴とする強皮症のうち、皮膚のみでなく全身の諸臓器(肺、消化管、心、腎、関節など)に病変がみられるもの。
病因
- 珪肺症患者:リスク110倍
- 美容などの豊胸手術後に発症:シリコンがアジュバンドとして作用
- 塩化ビニル工場従事者に多い
- 薬剤(ブレオマイシン、トリプトファン)
- マイクロキメリズム(胎児由来血液幹細胞が母胎に移行)
疫学
- 30-50歳に好発。男女比は1:3-4。(NDE.171)
病型
- limited cuteneous SSc, diffuse cuteneous SSc
limited cuteneous SSc
- 皮膚硬化は肘から末梢に限局
- 内臓病変:軽度
- 予後:良好
- 自己抗体:抗セントロメア抗体
CREST症候群
- C:carcinosis:石灰沈着
- R:Raynaud's phenomenon:レイノー現象
- E:esophageal dysfunction:食道機能不全
- S:sclerodacrylia:強指症
- T:teleangiectasia:毛細血管拡張
diffuse cuteneous SSc
症状
- 初発症状:レイノー現象、指、手の硬化
- 関節炎、食道蠕動運動低下、下部食道の拡張、肺線維症(55%)、肺高血圧(5%)、心症状(不整脈、伝導障害)(10-20%)、心膜炎(3%)、吸収不良症候群、強皮腎(悪性高血圧症。5%)、橋本甲状腺炎
- 強皮腎:血管内皮細胞の障害→血管内膜の肥厚、内腔の狭窄→血管の攣縮・虚血→輸入動脈、糸球体係蹄の壊死→レニン産生の亢進→悪性高血圧→急性腎不全
症状の出現頻度
- 100%:皮膚硬化、レイノー現象
- 60%:食道機能障害、肺線維症
- 20%:小腸、大腸、ミオパチー
- 10%:心肥大
- 5%:肺高血圧、強皮腎
検査
診断
(1) 大基準
手指あるいは足趾を越える皮膚硬化※1
(2) 小基準
① 手指あるいは足趾に限局する皮膚硬化
② 手指尖端の陥凹性瘢痕,あるいは指腹の萎縮※2
③ 両側性肺基底部の線維症
④ 抗トポイソメラーゼⅠ(Scl-70)抗体または抗セントロメア抗体陽性
(3) 除外基準
① ※1 限局性強皮症(いわゆるモルフィア)を除外する
② ※2 手指の循環障害によるもので,外傷などによるものを除く
(4) 診断の判定
大基準を満たすものを強皮症と診断する。
大基準を満たさない場合は,小基準の①かつ②~④のうち1項目以上を満たすものを強皮症と判断する
治療
- 進行性腎不全に陥り予後は重大であるが、早期のACE阻害薬による治療が予後を改善させた(REU.195)
予後
- 5年生存率 :93.7%
- 10年生存率 :76.6%
予後因子
- 全身の皮膚硬化
- 腎病変
- 心、血管病変
- 抗Scl-70抗体 ←予後不良
- 抗セントロメア抗体 ←予後良好
[★]
- 英
- dyspnea (M)
- 関
- 呼吸、呼吸苦、呼吸不全
概念
- 息が苦しいという自覚症状。呼吸時の不快な感覚である。呼吸苦とも記載されることがあるが、呼吸困難とする。息切れも同義とされている。
- 呼吸困難という自覚症状があるにもかかわらず、必ずしも呼吸不全という客観的な病態に陥っていないことがあるので注意。
原因疾患
鑑別診断
IMD
胸痛と呼吸困難
- 参考1
- 気胸、肺炎、胸膜炎、慢性閉塞性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患の悪化、肺癌などの肺疾患、心不全
参考
- 1. 肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2009年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_andoh_h.pdf
[★]
- 英
- cyclophosphamide, CPA CPM
- ラ
- cyclophosphamidum
- 商
- Cytoxan, Neosar、エンドキサン
- 関
- first aid step1 2006 p.207,257,309,324,326,386
特徴
- プロドラッグであり、肝臓で加水分解を受けて薬効を及ぼす
構造
作用機序
薬理作用
抗菌スペクトル
動態
適応
- non-Hodgkin’s lymphoma, breast and ovarian carcinomas
- immunosuppressants
注意
禁忌
副作用
- 出血性膀胱炎、骨髄抑制
- myelosuppression; hemorrhagic cystitis, which can be partially prevented with mesna
副作用(再評価結果より)
- 再評価結果時の自覚的並びに他覚的症状緩和における安全性評価対象例5021例(経口投与を含む)中,主なものは,白血球減少1903例(37.90%),悪心・嘔吐1041例(20.73%),脱毛1221例(24.32%)等であった。また,急性白血病等の造血幹細胞移植の前治療における本剤の第2相臨床試験の安全性評価対象例67例中,主なものは悪心・嘔吐61例(91%),下痢,口内炎各42例(各63%),脱毛38例(57%)であった。
重大な副作用
再評価結果における安全性評価例の集計
添付文書
- 注射用エンドキサン100mg/注射用エンドキサン500mg
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/4211401D1033_1_10/4211401D1033_1_10?view=body
[★]
- 英
- carbon monoxide pulmonary diffusing capacity carbon monoxide diffusing capacity of lung DLCO
- 同
- CO拡散能力
- 関
- 一酸化炭素トランスファーファクター、拡散能
概念
- 肺胞気から肺毛細血管に至るガス移動効率の指標
- 肺毛細血管内を通過する血液の気層との接触時間は0.75sあれば酸素化に影響はない。この接触時間が短くなる、すなわち血流速度が増加した状態では酸素化が不十分となり拡散能の低下として認められる。血流速度は運動時や、あるいは毛細血管が破壊されたり閉塞したりして血管床が減少した病態で上昇する。(SPU.24)
- 20-30ml/min/Torr(YN.I-27)
方法
- 4種混合ガスを用い、最大呼出後急速に最大吸気位まで吸気し、10秒息止めをした後、急速に最大呼出をしCOガスの吸収量を測定して肺拡散能を検査する。
DLCOを低下せしめるファクター
- 肺間質、気道、肺血管の異常
- (1) 肺胞から肺毛細血管赤血球内ヘモグロビンに至るまでの拡散距離の増加
- (2) 肺胞・肺毛細血管の有効拡散面積の減少
- (3) 換気、血流、拡散能力の肺内不均等分布
- YN.I-27
読み方
DLCO上昇
- 軽度肺うっ血 → 肺血流量の増加により軽度上昇(SPU.354)
DLCO低下
呼吸器内科 必修マニュアル
- p.86
DLCOの基準
- 高値 :予測値の141%以上
- 正常 :予測値の76-140%
- 軽度低下 :予測値の61-75%
- 中等度低下:予測値の41-60%
- 高度低下 :予測値の40%以下
解釈
参考
[★]
- 英
- idiopathic pulmonary fibrosis, IPF
- 関
- 特発性間質性肺炎
特徴
臨床診断名
|
IPF
|
NSIP
|
BOOP/COP
|
病理組織像
|
UIP
|
OP
|
発症様式
|
慢性
|
慢性/亜急性
|
亜急性
|
BALF所見
|
リンパ球±
|
CD8↑
|
CD8↑
|
予後
|
不良
|
良好(時に不良)
|
良好
|
分布
|
斑状,不均質, 胸膜下・小葉辺縁
|
びまん性,均質
|
小葉中心性
|
時相
|
多様
|
均質
|
均質
|
間質への細胞浸潤
|
少ない
|
通常多い
|
やや多い
|
胞隔の炎症
|
軽度,斑状
|
びまん性,多彩
|
軽度
|
線維芽細胞巣
|
多数
|
まれ
|
なし
|
肺胞内マクロファージ集積
|
巣状
|
巣状
|
なし
|
肺胞腔内線維化
|
まれ
|
しばしば
|
多数
|
顕微鏡的蜂巣肺(肺胞虚説)
|
高頻度
|
通常なし(一部に認める)
|
なし
|
硝子膜
|
なし
|
なし
|
なし
|
概念
- 特発性間質性肺炎の一型で、慢性型の肺線維症。特発性間質性肺炎の中で最も多い。
疫学
- 罹患率:3-4/10万人 (SPU.274)
- 中高年以降に発症。男性に多い。
- 喫煙との関連性なし。
症状
- 労作時呼吸困難で初発し、次第に増強
- 乾性咳嗽:伴うことが多い
身体所見
- (聴診)捻髪音:ほぼ全症例。両側肺底部、吸気後半
- 30%の症例で軽度の配向血圧
- 手指:バチ指(2/3の症例。病変の進展と相関はない(SPU.276))
病因
- 不明
- リスク因子は下記のように上げられているが、IPFの病態を説明できるものはない。おそらく素因のある者において、肺胞上皮のバリヤーと肺の間質がこれらのリスク因子などによる非特異的な損傷を与えることで発症のきっかけとなるのであろう。(参考2)
リスク因子
検査
血液検査
- 赤沈、γグロブリン、RF、抗核抗体は病期と共に高値になる傾向はない(SPU.276)
- LDH:↑
- CRP:↑
- KL-6:↑
- SP-A, SP-D:↑
- 赤沈:軽度~中等度亢進
- γグロブリン:増加
- RF因子:陽性(1/3の症例)
- 抗核抗体:陽性(1/3の症例)
胸部単純X線写真・胸部CT写真
- 両側のびまん性陰影 (SPU.276)
- 下肺野、特に拝呈に始まる線状網状影の増加・拡大、肺野の縮小所見を認めることが多い (SPU.276)
- 胸膜直下の蜂巣肺所見は特徴的 (SPU.276)
BALF所見
- 健常者とかわらない所見が特徴的 (SPU.277)
- 細胞数%↑(見られる場合がある) (SPU.277)
- 好中球、好酸球の若干の増加が見られる事がある (SPU.277)
- リンパ球%の増加のみ見られることは少ない (SPU.277)
肺機能検査
- 拘束性換気障害(%VCの低下):初期から
- 拡散障害(DLCO%低下):初期から
- 低酸素血症:病変のかなり進行した後。初期には労作負荷による動脈血酸素分圧の低下が、IPFを示唆する。
- VC:↓
- RV:↓
- FEV1.0は正常 → 細気管支レベルで閉塞性換気障害があるわけではないから
診断
臨床診断
- 呼吸困難 + 捻髪音 + 胸部X線・CT所見、肺機能検査、BALF所見
確定診断
- 病理組織学的診断による。外科的肺生検により肺の線維化病変、UIPあるいはDIP病変の存在を証明する。(SPU.277)
- 両側びまん性に線維化病変が認められる + 線維化を来す病院物質あるいは線維化の穿孔病変である肉芽腫などの病変が認められない
鑑別診断
- サルコイドーシス、石綿肺、膠原病などの肺野病変先行例
合併症
- 男性の場合、高い頻度(20-25%)で悪性病変が合併(SPU.277)
治療
-
- 安静時の動脈血酸素分圧を改善する効果があり、QOLの改善や肺高血圧症の進展の予防が期待される。
- 適度な運動(筋力低下の予防 → つまり呼吸補助筋の維持とかってこと?)
- 感染症対策:気道感染を起こすと病態的にARDSになって急性増悪しやすいとか。
- 禁煙 → COPDを合併することを防いだり、気管上皮の炎症・障害を予防するために禁煙した方がよいのであろう、か?
予後
- 病変は次第に拡大・進展して呼吸不全に陥り予後不良
- 死因は肺性心を伴う呼吸不全が多い
- 死因:呼吸不全(死亡の1/3)、右心不全(死亡の1/3)、肺癌の合併(死亡の1/3)
- 5年生存率40-50%、10年生存率20~30% (SPU.278)
参考
- http://www.nanbyou.or.jp/pdf/076_s.pdf
- 2. [charged] Pathogenesis of idiopathic pulmonary fibrosis - uptodate [2]
[★]
- →特発性肺線維症
- 誰がidiopathicを突発性なんて訳した?いらっとくるわ。
[★]
- 英
- interstitial pulmonary fibrosis
- 同
- 線維化肺炎 fibrosing alveolitis
[★]
非特異性間質性肺炎
[★]
- 英
- sis, pathy
[★]
- 英
- fibrosis
- 同
- 線維増殖症
- 関
- 肝硬変