- 英
- ischemic colitis
- 同
- 虚血性腸症候群 ischemic colon syndrome、阻血性大腸炎
概念
- 基礎疾患を有する高齢者に好発し、突然の腹痛、下痢、下血を主徴とし、粘膜への血行障害に伴う粘膜の変性による虚血性の炎症である。
- 本疾患は粘膜への血流障害に基づく疾患であり、血管造影で血流途絶像が認められるような腸間膜動脈閉塞症とは区別される。
疫学
- 基礎疾患を有する動脈硬化症、心疾患で高齢者に多い。
- 便秘を有する10歳代の若年者(女性に多い)
病型
臨床経過による分類
- マーストン分類
- 一過性型:粘膜に限局:瘢痕無く治癒:症状は1-2週間以内に消失
- 狭窄型:粘膜下層以下:腸管の狭窄を生じる:一過性型より持続。数ヵ月後に腸管狭窄。
- 壊死型:全層の障害:腸管の壊死・穿孔をきたす:強い持続性、進行性の腹痛で、数日の経過で腹膜炎の症状をきたす(特に高齢者に多く、死亡率が高い)
- 一過性型、狭窄型を狭義の虚血性大腸炎としている(SSUR.539)
- 一過性(65%)>狭窄型(25%)>壊死型(10%) (出典不明)
病因
- 動脈硬化、左心不全、血管炎、凝固亢進状態、避妊薬の使用、血管収縮性薬剤の使用、便秘などの腸管内圧上昇など
- 高血圧、脂質異常症、糖尿病 → 腸間膜動脈の狭窄
- 好発部位:左側結腸に好発。 脾弯曲部、下行結腸、S状結腸に多い(QB.A-229)
- 出典不明
- 血管側の因子と腸管側の因子の両方により腸管粘膜や腸管壁の血流低下・虚血を惹起する
- 血管側の因子:血圧低下、動脈硬化、微小血管のスパズムなど
- 腸管側の因子:腸管内圧亢進、腸蠕動など
症状
- 3主徴:腹痛・下痢・下血
- 突然性の腹痛と血性下痢に引き続いて発熱が生じることがある。下血の量は比較的少量。
身体診察
検査
- 血液検査:(炎症所見)白血球増加、赤沈亢進、CRP上昇
- 注腸造影検査:母指圧痕像(thumb printing)、縦走潰瘍
- 粘膜下の浮腫や出血による
- 一過性型:数日で消失。狭窄型:瘢痕による狭窄や嚢形成
- (急性期)病変部の粘膜浮腫、発赤、出血、びらん、縦走潰瘍。(壊疽型)血流途絶による暗黒色粘膜、蠕動の停止。粘膜の生検でヘモジデリン沈着細胞が見られ、これにより確定診断される。
- (急性期)結腸ヒモに沿って縦走するびらん・発赤
- (感染性腸炎と鑑別が必要な場合)便培養:サルモネラ菌、病原性大腸炎、赤痢菌、(抗生剤を内服していれば)Klebsiella oxytoca
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診断
- 病歴+身体診察+検査所見(血液検査・内視鏡・注腸検査)
鑑別疾患
- IMD
- 薬物性腸炎、憩室炎、感染性腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、アメーバ赤痢
治療
- 一過性型:保存的療法(絶食、輸液、抗生物質投与)
- 壊死型・狭窄型:手術((狭窄型)潰瘍治癒が遷延した場合、狭窄の程度を考慮して腸管部分切除。(壊疽型)麻痺性イレウス、腹膜炎(腸管の壊死・穿孔(稀))が見られた場合、緊急手術の適応。
予後
- (出典不明)
- 一過性型・狭窄型:良好、再発少ない。
- 壊死型:死亡率50%
参考
- 1. [charged] Colonic ischemia - uptodate [1]
国試
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 大川 清孝,中村 友之,上田 渉,佐野 弘治,久保 勇記,井上 健,追矢 秀人
- 日本消化器内視鏡学会雑誌 = Gastroenterological endoscopy 53(5), 1451-1456, 2011-05-20
- … 後発熱,水様性下痢が出現した.3日後,右下腹部に疼痛が限局し痛みも増強したため入院となった.翌日の大腸内視鏡検査では盲腸に発赤を伴う多発潰瘍と著明な浮腫状隆起を認めた.生検では立ち枯れ像が認められ,細菌培養も陰性であるため,内視鏡像と合わせて虚血性大腸炎と診断した.本例は盲腸部の虚血性大腸炎で非常にまれな疾患であり,一過性型はさらにまれであるため報告した. …
- NAID 10029092520
- 大腸内視鏡の手技に伴うまれな偶発症にはどのようなものがあるか? : 英文報告のレビューから
- 日山 亨,田中 信治,茶山 一彰,吉原 正治
- 日本消化器内視鏡学会雑誌 = Gastroenterological endoscopy 53(2), 233-247, 2011-02-20
- … えるものは除外した.これら報告からデータを抽出し,検討を行った.該当する偶発症としては,(1)出血:横行結腸間膜裂傷(出血)や後腹膜出血等,(2)腸間膜血管機能不全:腸間膜動脈閉塞症や一過性型虚血性大腸炎,(3)気腫・気胸・緊張性気腹:皮下気腫,陰嚢気腫等,(4)小腸穿孔,(5)ヘルニア関連:横隔膜ヘルニア,イレウス等,(6)感染症関連:虫垂炎,敗血症等が報告されていた.報告の中には死亡例もあった(虚血 …
- NAID 10028052702
- 腹腔鏡下S状結腸切除後に一過性虚血性大腸炎によるイレウスを合併した1例
- 櫻井 丈,牧角 良二,四万村 司,瀬上 航平,諏訪 敏之,榎本 武治,小林 慎二郎,月川 賢,宮島 伸宜,大坪 毅人
- 日本外科系連合学会誌 35(6), 910-914, 2011-01-30
- NAID 10028048064
- 消化器疾患 腸管循環障害 (特集 救急薬剤プラクティカルガイド) -- (疾患別救急薬剤ベストプラクティス)
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- 虚血性腸炎. 1.虚血性大腸炎とは. 大腸の血流障害により大腸粘膜に炎症や潰瘍が 発症し、突然の腹痛と下痢・下血を来たす疾患です。この疾患は、血管側と腸管側 それぞれの問題が複雑に絡み合って発症すると考えられています。 血管側の問題 として動脈 ...
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[★]
- 次の文を読み、58~60の問いに答えよ。
- 57歳の男性。便潜血検査で異常を指摘され精査のため来院した。
- 現病歴:50歳時に大腸ポリープで内視鏡的切除術を受けた。その後、特に症状を認めないためそのままにしていた。先日、同僚が大腸癌で手術を受けたため、自分も癌ではないかと気になり自宅近くの診療所を受診した。尿検査、血液検査および腹部超音波検査で異常はなく、便潜血検査で陽性を指摘され受診した。
- 既往歴:28歳時に急性虫垂炎で手術。
- 生活歴:喫煙は20本/日を25年間。飲酒はビール350ml/日を35年間。2年前から禁煙、禁酒している。
- 家族歴:父親が大腸癌のため89歳で死亡。
- 現症:身長165cm、体重67kg。体温36.6℃。脈拍72/分、整。血圧130/84mmHg。呼吸数14/分。右下腹部に軽度の圧痛と手術後の瘢痕とを認める。筋性防御と反跳痛とを認めない。腫瘤を触知しない。
- 検査所見:血液検査:赤血球420万、Hb 13.4g/dl、Ht 42%、白血球8,200、血小板28万。血液生化学所見:総蛋白7.2g/dl、アルブミン3.8g/dl、総コレステロール230mg/dl、AST 36IU/l、ALT 36IU/l。CRP 0.03mg/dl。これまでの臨床経過と既往歴から下部消化管内視鏡検査を行った。下行結腸の内視鏡像(別冊No.6)を別に示す。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107B057]←[国試_107]→[107B059]
[★]
- 65歳の男性。夜半急激な下腹部痛が出現し、その後鮮紅色の下血があり救急車で搬入された。便秘の既往がある。脈拍92/分、整。血圧110/70mmHg。顔面蒼白。便は鮮紅色。血液所見:赤血球360万、Hb10.0g/dl、白血球9,000、血小板15万。血清生化学所見:総蛋白7.2g/dl、アルブミン3.5g/dl、総ビリルビン1.0mg/dl、AST15単位、ALT30単位。S状結腸部の大腸内視鏡写真を以下に示す。
[正答]
B
- 便秘は誘発因子
- 内視鏡所見で、限局性の粘膜浮腫と発赤。奥の方が狭窄して見えるけど、腫瘍ではない、ということか。
※国試ナビ4※ [100H036]←[国試_100]→[100H038]
[★]
- 70歳の女性。 3週前に右大腿部の蜂窩織炎で入院した。セファゾリンの投与により軽快したが、 2日前から 38℃の発熱と 1日 10回の下痢が出現した。意識は清明。体温 38.5 ℃。脈拍 120/分、整。血圧 110/60 mmHg。呼吸数 20/分。血液所見:赤血球 320万、 Hb 10.3 g/dl、Ht 31%、白血球 19,300(分葉核好中球 72%、好酸球 2%、単球 10%、リンパ球 16% )、血小板 19万。血液生化学所見:アルブミン 2.8 g/dl、尿素窒素 50 mg/dl、クレアチニン 3.8 mg/dl(5日前は 0.8 mg/dl)、 Na 138 mEq/l、K4.7 mEq/l、Cl 109 mEq/l。下部消化管内視鏡像 (別冊 No. 23)を別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108D047]←[国試_108]→[108D049]
[★]
- 70歳の女性。左上腹部痛を主訴に来院した。昨夜、久しぶりに孫たちと遊んだり歌ったりして騒いだ。その 3時間後から左上腹部に痛みを感じるようになった。診察室には前かがみの姿勢で入ってきた。食事摂取は良好であり、悪心や嘔吐はなく便通も正常である。 3年前に脳梗塞を発症し、その後アスピリンを内服している。体温 36.5℃。脈拍 88/分、整。血圧 140/90 mmHg。左上腹部に限局した圧痛を認めるが、反跳痛はない。腹筋を緊張させると疼痛と圧痛とは増強する。腸雑音は正常である。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108A027]←[国試_108]→[108A029]
[★]
- 62歳の女性。腹痛と血便とを主訴に来院した。糖尿病と高血圧症とで自宅近くの診療所を定期受診していた。今朝から突然の左下腹部痛があり、その後、鮮血便を認めるようになったため救急外来を受診した。身長 150cm、体重 48kg。体温 37.2℃。脈拍 84/分、整。血圧 132/88mmHg。呼吸数 20/分。腹部は平坦、軟で、左下腹部に圧痛を認める。血液所見:赤血球 384万、Hb 12.2g/dL、Ht 35%、白血球 9,900、血小板 25万。CRP 2.3mg/dL。下部消化管内視鏡像(別冊No. 17)を別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110A047]←[国試_110]→[110A049]
[★]
- 17歳の女子。排便時の肛門部痛と出血とを主訴に来院した。中学生の頃から便秘がちであり、日頃から硬便であった。今朝3日ぶりの排便時に肛門部に強い疼痛を自覚し、排便後肛門を拭いた紙に鮮血が付着した。身長 157cm、体重 54kg。体温 36.2℃。脈拍 72/分、整。血圧 132/68mmHg。呼吸数 20/分。腹部は平坦、軟 で、圧痛を認めない。肛門周囲に異常を認めない。直腸指診で痛みを訴えるが腫瘤は触知しない。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110A030]←[国試_110]→[110A032]
[★]
- 75歳の男性。下血を主訴に来院した。今朝、突然の左下腹部痛があり、その後、3回の下血を認めた。20年前から糖尿病と高血圧とがある。身長168cm、体重54kg。体温37.2℃。脈拍88/分、整。血圧118/62mmHg。眼瞼結膜に貧血を認める。左下腹部に圧痛を認める。筋性防御を認めない。下行結腸の内視鏡写真を以下に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A026]←[国試_101]→[101A028]
[★]
- 18歳の男子。下痢と粘血便とを主訴に来院した。3か月前から下痢と左下腹部痛とを認めた。7日前から5~6行/日の粘血梗を認めた。海外渡航歴はない。身長168cm、体重52kg。体温37.8℃。脈拍84/分、整。血圧118/62mmHg。眼瞼結膜に貧血を認める。腹部全体に圧痛を認める。大腸内視鏡写真(直腸)を以下に示す。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102D032]←[国試_102]→[102D034]
[★]
- 42歳の女性。腹部膨満感を主訴に来院した。10か月前に胃全摘術を受けた。皮膚はやや乾燥し蒼白である。腹部は全体に膨隆し、上腹部正中に手術瘢痕を認める。10か月前に摘出された胃の標本の肉眼像、H-E染色標本及び今回来院時の腹部単純CTを以下に示す。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103D049]←[国試_103]→[103D051]
[★]
- 68歳の男性。今朝突然、腹痛と下血とをきたしたため来院した。身長165cm、体重59kg。呼吸数24/分。脈拍76/分、整。血圧132/90mmHg。腹部は平坦、軟で、左下腹部に圧痛を認める。血液所見:赤血球385万、Hb12.2g/dl、Ht35%、白血球9,900、血小板26万。CRP2.2mg/dl。大腸内視鏡写真を以下に示す。最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099G025]←[国試_099]→[099G027]
[★]
- 35歳の男性。右下腹部痛を主訴に来院した。昨夜から右下腹部痛が出現し、次第に増強してきた。2日前から排便がみられない。下血はない。体温37.8℃。脈拍100/分、整。血圧128/80mmHg。右下腹部に圧痛を認める。白血球11,800。CRP7.8mg/dl。注腸造影写真を以下に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G025]←[国試_101]→[101G027]
[★]
- 40歳の女性。健康診断で便潜血反応陽性を指摘され来院した。大腸内視鏡検査で粘膜病変を認める。その病変部生検組織H-E染色標本を以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [095D023]←[国試_095]→[095D025]
[★]
- 消化管疾患とその合併症の組合せで誤っているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109I012]←[国試_109]→[109I014]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103I021]←[国試_103]→[103I023]
[★]
- 疾患と腹部X線造影所見で適切な組み合わせはどれか。
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [095B036]←[国試_095]→[095B038]
[★]
- 英
- Crohn disease, Crohn's disease
- 同
- Crohn病
- 限局性回腸炎 regional ileitis、回腸末端炎、終末回腸炎 terminal ileitis
- 関
- 潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患 inflammatory bowel disease
- first aid step1 2006 p.113,140,276,280,283,326,427
- see also 消化器系チュートリアルの材料.xls
まとめ
- 特定疾患治療研究事業に含まれる疾患である(特定疾患)。消化管のあらゆる部位に非連続性に起こる原因不明・全層性の慢性肉芽腫性炎症疾患である。10歳後半から20歳代の若年者に多く、また男性に多い(男女比2:1)。病因は不明であるが、炎症反応の亢進であるかもしれない。病理学的にはリンパ球、形質細胞浸潤を伴う全層性炎症像がみられる。また、非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が特徴的である。症状は腹痛、下痢、発熱、体重減少などあり、肛門病変(痔瘻や裂肛)が初発することがある。血液検査では炎症所見(WBC,CRP上昇、赤沈亢進)が見られ、貧血、低栄養の所見、またα1アンチトリプシン試験で異常となる。画像検査では、非連続性の病変が認められ、またアフタ状潰瘍、腸間膜付着側の縦列潰瘍、敷石像、瘻孔形成、肛門病変が認められる。治療は内科的治療が中心である。絶食、栄養療法(成分栄養剤による経腸栄養療法、経静脈栄養。小腸ok)、薬物療法(サラゾスルファピリジン(大腸only)、メサラジン(小腸・大腸ok)。ステロイド(栄養療法・5-アミノサリチル酸不応例)、インフリキシマブ、免疫抑制薬、顆粒球吸着療法(GCAP)が行われる。外科療法は狭窄、膿瘍、肛門病変に対して行われる。(SSUR.535 YN A-62)
比較
Table 15-10. Distinctive Features of Crohn Disease and Ulcerative Colitis*
|
Feature
|
Crohn Disease (Small intestine)
|
Crohn Disease (Colon)
|
Ulcerative Colitis
|
Macroscopic
|
Bowel region
|
Ileum ± colon†
|
Colon ± ileum
|
Colon only
|
Distribution
|
Skip lesions
|
Skip lesions
|
Diffuse
|
Stricture
|
Early
|
Variable
|
Late/rare
|
Wall appearance
|
Thickened
|
Variable
|
Thin
|
Dilation
|
No
|
Yes
|
Yes
|
Microscopic
|
Pseudopolyps
|
None to slight
|
Marked
|
Marked
|
Ulcers
|
Deep, linear
|
Deep, linear
|
Superficial
|
Lymphoid reaction
|
Marked
|
Marked
|
Mild
|
Fibrosis
|
Marked
|
Moderate
|
Mild
|
Serositis
|
Marked
|
Variable
|
Mild to none
|
Granulomas
|
Yes (40% to 60%)
|
Yes (40% to 60%)
|
No
|
Fistulas/sinuses
|
Yes
|
Yes
|
No
|
Clinical
|
Fat/vitamin malabsorption
|
Yes
|
Yes, if ileum
|
No
|
Malignant potential
|
Yes
|
Yes
|
Yes
|
Response to surgery‡
|
Poor
|
Fair
|
Good
|
概念
- 原因不明の炎症性疾患
- 腸壁全層に肉芽腫形成が見られる
- 小腸や大腸に縦走潰瘍、敷石像、アフタの形成
病型
- 病変の存在部位により分類(小腸型、小腸大腸型、大腸型、特殊型など)
- 頻度:小腸大腸型>小腸型>>大腸型
病理
病因
- 遺伝的因子 + 環境因子(食餌抗原や細菌、ウイルス感染など) → 免疫異常 → 腸管に慢性炎症性変化
症状
- 主要症状:腹痛、下痢、発熱、体重減少 ← 水様性下痢が一般的で血便が見られることは少ない(QB.A-142)
- 腹痛(臍周囲部および回盲部痛)、間欠性発熱、下痢、嘔吐、肛門部病変。体重減少、貧血
合併症
- 1. 消化管合併症:狭窄、瘻孔、痔瘻、肛門周囲膿瘍
- 2. 消化管外合併症
続発症
検査
- 腹部単純X線写真:イレウスを疑う症例ではニボーの確認のために重要。クローン病の確定診断にはやくにたたない。
- 上部消化管内視鏡
- 下部消化管内視鏡
- 小腸造影:小腸病変の評価。特に回腸末端の病変、程度、潰瘍、狭窄、瘻孔
- 腹部造影CT:TNFα阻害薬やステロイドを用いる際には、腹部から触知下腫瘤が腸管の癒着か、膿瘍の合併によるものかを評価する必要がある(QB.A-144)
- 注腸造影:大腸病変の描出
[show details]
[show details]
- 左:縦走潰瘍。右:cobble stone appearance
診断
[show details]
- (1)
臨床所見
消化管病変
- (a)縦走潰瘍(注1)
- (b)敷石像(注2)
- (c)腸管の狭小,狭窄
- (d)非連続性又は区域性病変(いわゆるskip lesion)
- (e)内瘻(腸-腸瘻,腸-膀胱瘻,直腸-腟瘻など)
- (f)外瘻(腸-皮膚瘻)
- (g)不整形潰瘍
- (h)多発アフタ(注3)
- (a)難治性痔瘍
- (b)肛門周囲膿瘍
- (c)裂肛
- (d)潰瘍
- (e)肛門皮垂(skip tag)など
- (a)多発アフタ
- (b)潰瘍
- (c)狭窄など
- (d)敷石像など
消化管外病変
- 血液:貧血,低蛋白血症
- 関節:腸性関節炎,強直性脊椎炎
- 皮膚:口内アフタ,結節性紅斑,壊死性膿皮症,多形滲出性紅斑など
- 眼:虹彩炎,ぶどう膜炎など
- 栄養代謝: 成長障害,微量元素欠乏,ビタミン欠乏(ビタミンB12,葉酸など),アミロイ ドーシスなど
- 悪性腫瘍:腸癌など
- その他:原発性硬化性胆管炎
病理学的所見
切除標本肉眼所見
- 縦走潰瘍(注1)
- 敷石像(注2)
切除標本組織所見
- 非乾酪性類上皮細胞肉芽腫(局所リンパ節にもみられることがある)(注4)
- 全層性炎症(注5)
- 裂溝
- 潰瘍
生検組織所見
- 非乾酪性類上皮細胞肉芽腫(注4)
- --------------------------------------------------------------------------------
- (注1)腸管の腸軸方向に4~5cm以上の長さを有する潰瘍で活動期潰瘍では,近傍に炎症性ポリープや敷石像を伴うことが多い。虚血性大腸炎で縦走潰瘍を認めることがあるが,炎症性ポリポーシスや敷石像を伴うことは稀である。潰瘍性大腸炎で縦走潰瘍を認めることがあるが,その周辺粘膜は潰瘍性大腸炎に特徴的な所見を呈する。
- (注2)縦走潰瘍とその周辺小潰瘍間の大小不同の密集した粘膜隆起であり,密在した炎症性ポリポーシスもこれに含める。虚血性大腸炎の場合,肉眼標本上で浮腫や残存粘膜等が敷石 像類似の所見を呈することがあるが,その高さは低く,発赤調が強い。
- (注3)クローン病では縦列することがある。
- (注4)非乾酪性類上皮細胞肉芽腫は腸結核でも認められることがある。
- (注5)主にリンパ球からなる集簇巣が消化管壁全層にみられるもの。
- --------------------------------------------------------------------------------
診断の基準
(1)主要所見
- A. 縦走潰瘍
- B. 敷石像
- C. 非乾酪性類上皮細胞肉芽腫
(2)副所見
- a. 縦列する不整形潰瘍又はアフタ
- b. 上部消化管と下部消化管の両者に認められる不整形潰瘍又はアフタ
-
- 確診例 1 主要所見のA又はBを有するもの(注6,7)。
- 2 主要所見のCと副所見のいずれか1つを有するもの。
-
- 疑診例 1 副所見のいずれかを有するもの(注8)。
- 2 主要所見のCのみを有するもの(注9)。
- 3 主要所見のA又はBを有するが虚血性大腸炎,潰瘍性大腸炎と鑑別ができないもの。
- --------------------------------------------------------------------------------
- (注6)縦走潰瘍のみの場合,虚血性大腸炎や潰瘍性大腸炎を除外することが必要である。
- (注7)敷石像のみの場合,虚血性大腸炎を除外することが必要である。
- (注8)副所見bのみで疑診とした場合は同所見が3カ月恒存することが必要である。
- (注9)腸結核などの肉芽腫などを有する炎症性疾患を除外することが必要である。
- --------------------------------------------------------------------------------
鑑別診断
- IMD
治療
YN.A-66
外科療法
- 狭窄、瘻孔形成、痔瘻の場合に適応となる。
- 腸切除の後遺症:吸収障害(脂肪>蛋白>糖)、[回盲部切除]胆汁酸・ビタミンB12の吸収不良、小腸内細菌異常増殖(結腸からの侵入?)
USMLE
参考
- http://jsp.umin.ac.jp/corepictures2007/09/c01/index.html
- http://www.jimro.co.jp/ibd/index_ibd.htm
- http://mimibukuro.org/cd/medical-guideline08/2/
- アフタ病変
- http://www.ajronline.org/content/179/4/1029/F14.expansion
- 縦走潰瘍
- http://www.ajronline.org/content/179/4/1029/F12.expansion
- 偽ポリープ
- http://rfs.acr.org/gamuts/data/images/ID1143.htm
国試
[★]
- 英
- ulcerative colitis, UC
- ラ
- colitis gravis, colitis chronica gravis, colitis ulcerosa
- 関
- 炎症性腸疾患 inflammatory bowel disease、クローン病、難病
まとめ
- (免疫応答の異常?)大腸粘膜までを侵し、びらんや潰瘍を形成する原因不明のびまん性非特異性炎症である。長期にわたって増悪寛解を繰り返す特定疾患治療研究事業の対象疾患である。男女差無く、若年者(25歳)と中年(50歳)に多い。病変は全大腸、左側結腸、もしくは直腸を侵す物に分類されるが、全大腸型が最も多い。症状は「下痢、血便、腹痛」が中心であり、発熱、体重減少、貧血などの全身症状も伴う。重症度は下痢、血便、発熱、脈拍、ヘモグロビン、血沈が指標となる。合併症としては、中毒性巨大結腸症、原発性硬化性胆管炎、壊疽性膿皮症、結節性紅斑、強直性脊椎炎、口内アフタなどがある。血液検査では炎症所見(CRP,WBC,ESR上昇)が認められる。注腸造影検査ではハウストラの消失、鉛管状の結腸が、また内視鏡検査では、連続病変、粘膜血管の不明瞭化、シュードポリープが認められる。組織像では粘膜下層までの炎症像、陰窩膿瘍がみられる。治療はサラゾスルファピリジン、メサラジン、ステロイド、免疫抑制剤、ATM療法などがある。手術療法は中毒性巨大症、穿孔・出血、大腸癌合併の時に適応となる。長期的には大腸癌のリスクが高くフォローが必要である。
概念
- 大腸粘膜を侵し、びらんや潰瘍を形成する原因不明のびまん性非特異性炎症
- 粘膜下組織まで炎症が見られる
- 特定疾患治療研究事業の対象疾患である。
疫学
- 日本では、1年間人口10万人対0.3人前後
- 30歳以下の成人に多い。
病因
症状
- 急性・慢性に発症し、寛解と再発を繰り返す。
- 下痢、血便、腹痛
- 食欲不振、体重減少、易疲労感
合併症
腸管症状
- 腸管出血・穿孔・狭窄・膿瘍・瘻孔形成、貧血、低蛋白血症。重大なものは中毒性巨大結腸症と大腸癌
- 中毒性巨大結腸症
- 腸管の運動低下のために拡張をきたした状態。腹部は腸管拡張により膨隆し、腸管運動は減少または消失。
- 若年発症、全大腸型、10年以上の長期経過例で発生頻度が高い。
- 低分化癌が多い ⇔ (通常の大腸癌は高分化癌が多い)
腸管外症状
- 皮膚粘膜系:壊疽性膿皮症、結節性紅斑 ←最も多い
- 肝:脂肪肝、肝硬変、胆管周囲炎
- 膵:膵炎、高アミラーゼ血症
- 関節:強直性脊椎炎
- 泌尿生殖系:尿路結石
- 橋本病
- 大動脈炎症候群
検査
- 赤沈、CRP 上昇
- 白血球 基準値以上
- 赤血球 基準値以下
- 血清総蛋白 基準値以下
内視鏡
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注腸検査
生検
診断
臨床的重症度分類
- 参考1
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軽症
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中等症
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重症
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分布
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関連
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1) 排便回数
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≦4回
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重症と軽症との中間
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≧6回
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腸管症状
|
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2) 顕血便
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(+)~(-)
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(+++)
|
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3) 発熱
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<37.5℃
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≧37.5℃
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全身症状
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炎症
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4) 頻脈
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<90/分
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≧90/分
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3)発熱,4)貧血による。
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5) 貧血
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>Hb 10g/dl
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≦Hb 10g/dl
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炎症あるいは2)血便による
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6) 赤沈
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正常
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≧30 mm/h
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炎症
|
|
軽症
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軽症項目全て満たす
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重症
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( 1 and 2 ) and ( 3 or 4 ) ) and (6項目のうち4項目以上)
|
- 1,2は直腸の症状、3,4は全身症状、5は血便による貧血症状、6は炎症の程度を反映。
鑑別疾患
治療
- YN.A-66
予後
潰瘍性大腸炎とクローン病の比較
Table 15-10. Distinctive Features of Crohn Disease and Ulcerative Colitis*
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Feature
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Crohn Disease (Small intestine)
|
Crohn Disease (Colon)
|
Ulcerative Colitis
|
Macroscopic
|
Bowel region
|
Ileum ± colon†
|
Colon ± ileum
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Colon only
|
Distribution
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Skip lesions
|
Skip lesions
|
Diffuse
|
Stricture
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Early
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Variable
|
Late/rare
|
Wall appearance
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Thickened
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Variable
|
Thin
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Dilation
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No
|
Yes
|
Yes
|
Microscopic
|
Pseudopolyps
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None to slight
|
Marked
|
Marked
|
Ulcers
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Deep, linear
|
Deep, linear
|
Superficial
|
Lymphoid reaction
|
Marked
|
Marked
|
Mild
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Fibrosis
|
Marked
|
Moderate
|
Mild
|
Serositis
|
Marked
|
Variable
|
Mild to none
|
Granulomas
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Yes (40% to 60%)
|
Yes (40% to 60%)
|
No
|
Fistulas/sinuses
|
Yes
|
Yes
|
No
|
Clinical
|
Fat/vitamin malabsorption
|
Yes
|
Yes, if ileum
|
No
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Malignant potential
|
Yes
|
Yes
|
Yes
|
Response to surgery‡
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Poor
|
Fair
|
Good
|
参考
- http://www.jimro.co.jp/ibd/index_ibd.htm
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0029/5/0029_G0000120_CQ.html
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0029/1/0029_G0000071_GL.html
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/218
- http://www.nanbyou.or.jp/upload_files/009_s.pdf
- http://nohira.web.fc2.com/
- interesting!
国試
[★]
- 英
- lower abdominal pain
- 関
- 下腹痛。腹痛
診療エッセンシャルズ.271 改変
産婦人科疾患
- NGY.138
急性かつ重篤な下腹痛
中等度の下腹痛
- 1. 鎖陰
- 2. 卵巣嚢腫破裂
- 3. 子宮内膜症
- 4. 月経困難症
- 5. 子宮筋腫
- 6. 急性付属器炎、子宮内膜炎:子宮内膜炎は子宮内操作や流産後などに起こり、ほとんどが上行性感染と考えられ、発熱や不正出血などの随伴症状を伴うことが多い。卵管に炎症が波及し付属器炎になると下腹痛も増悪し、骨盤腹膜炎を来すことがある。起因菌はクラミジアの頻度が増加している。(参考1)
- 7. 流産
産婦人科の下腹部痛の鑑別疾患
- 参考1
病みえ産婦人科
- 引用p.212
妊娠の有無による鑑別
参考
- 1. (12)日本産婦人科医会研修プログラム;痛みの診断と治療
3)急性腹症,がん性疼痛への対応 - 日産婦誌58巻9号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/58/5809-395.pdf
[★]
- 英
- abdominal pain
- 関
- PQRST、急性腹症
コアカリ診療の基本 p.107
心窩部
|
食道潰瘍
|
胸焼け、嚥下困難
|
急性胃炎
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悪心、嘔吐を伴う
|
消化性潰瘍
|
空腹時悪化傾向
|
胃癌
|
進行しないと痛まず
|
虫垂炎初期
|
回盲部に圧痛
|
急性膵炎
|
激烈な腹痛、背部痛、膵酵素の上昇
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慢性膵炎
|
不定の上腹部症状で神経症的にみえる
|
膵臓癌
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浸潤すると疼痛強し
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右季肋部
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胆石症
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右肩に放散、発作間は痛みほとんどなし
|
急性胆嚢炎
|
発熱、圧痛著明、肝胆道系酵素上昇
|
急性肝炎
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肝腫大、鈍痛、黄疸-肝酵素著明に上昇
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肝膿瘍
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激しい発熱、叩打痛は肋骨弓部付近など
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肝癌
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鈍痛、破裂すると激しい痛み
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左右側腹部
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尿管結石
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肋骨脊椎角の叩打痛、血尿、超音波検査で水腎症
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腎盂腎炎
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急激な発熱と叩打痛、膿尿
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腎梗塞
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時に一過性の激しい痛み、血尿
|
回盲部
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虫垂炎
|
他疾患除外の目的で、超音波検査が有用
|
右側結腸憩室炎
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虫垂炎との鑑別困難
|
回腸末端炎
|
虫垂炎との鑑別が必要
|
クローン病
|
回盲部潰瘍をきたしやすい
|
大腸癌
|
右側結腸癌は腫癌を触知することが多い
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左腸骨窩部
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虚血性大腸炎
|
急激な腹痛と下血
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S状結腸憩室炎
|
腹痛、圧痛、発熱
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急性大腸炎
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下痢、嬬動の元進
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S状結腸軸捻転
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便秘老人、鼓腸強い、内視鏡的修復
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下腹部
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子宮付属器炎
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発熱、圧痛
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卵巣嚢腫茎捻転
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ショックに陥ることもあり、超音波検査が有用
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子宮外妊娠破裂
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急激に貧血が進行、ショックなど
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生理痛
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内膜症がある場合は強い
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全体
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腹膜炎
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原発性、結核性、癌性など症状が微妙に異なる
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潰瘍穿孔
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腹壁防御、板状硬、緊急手術
|
腸間膜血栓症
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鼓腸、腸麻痺、ショック、最も重篤
|
- 小腸疾患による腹痛は食事後20分後ぐらいから始まることが多い。(QB.A-308)
乳幼小児の腹痛
- SPE.481
- 乳幼児・学童に共通して最も多い腹痛の原因は便秘。その他は急性胃腸炎、胆道拡張症
[★]
- 英
- ischemic enteritis
- 関
- 腸管虚血、虚血性大腸炎
概念
- 腸における動脈血の流入障害や静脈血の灌流不全による炎症。
- 炎症にとどまる限り緊急手術の適応ではなく、保存的治療で治癒する
- 急性腸間膜動脈閉鎖との鑑別が重要。see YN.A-92
疫学
症状
診断
治療
予後
文献
- 1. Nakase H., [Ischemic enteritis]., Nippon Rinsho. 2008 Jul;66(7):1330-4.
- Abstract
- Ischemic enteritis is a rare disease, but its mortality is high, whether it is caused by anatomic occlusion of the mesenteric macrovasculature or pathophysiologic vasospasm at the microvascular level. Despite advances in the management of the critical ill patient, a large proportion of the patients recognized with this diagnosis succumb acutely to their condition. Lesser degrees of mesenteric ischemia (particularly, in small intestine), even when not manifest overtly as the classic clinical syndrome, may contribute to the development of systemic sepsis and the multiple organ failure syndrome, which leads to death. Therefore, the understanding, recognition, and proper management of mesenteric vascular insufficiency has become very important.
- PMID 18616124
- 本吉 宏行,西野 光一,青木 豊明,川田 普亮,曽和 融生,梅山 馨
- 日本消化器外科学会雑誌 20(8), 1984-1987, 1987-08-01
- LINKOUT CiNii Article
- free PDFあり
国試
[★]
- 英
- large intestine (Z)
- ラ
- intestinum crassum
小腸と比べたときの大腸の特徴 (M.149)
- 結腸ヒモという縦走筋繊維からなる3本の太い帯を有する
- 結腸膨起という結腸ヒモの間の膨らみを有する
- 腹膜垂という脂肪の塊を含む
- 内径は小腸よりも大きい
大腸を構成する部位
- 盲腸
- 結腸(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)
- 直腸
- (虫垂)
生理
1)膨起性往復運動 haustralshuttling movement
2)(単一)膨起性移送運動 segmentalhaustralpropulsion
3)多膨起性移送運動 multihaustralpropulsion
1) 2)により内容物のゆっくりした移動(5cm/hr)
→ 48hrで上行結腸よりS状結腸へ
4)総蠕動mass movement(mass peristalsis,maSS PrePulsion)
1-3回/日、強い蠕動→結腸内容物が直腸へ移動(→排便誘発)
5)収縮回数:直腸 > S状結腸 のため内容物はS状結腸へ移動
(通常は、直腸に内容物(-))
6)胃大腸反射 gastro-colonic reflex
小腸大腸反射 ileo-colonic reflex:胃、小腸に内容物-→結腸に総蠕動(+)
*排便
1)解剖
①内肛門括約筋internalanal
②外肛門括約筋externalanal
sphincter---平滑筋
sphincter山-一横紋筋
2)排便のメカニズム
i)総蠕動一糞便直腸へ
ii)直腸内圧〉20Ⅷ舶g ⇒ 直腸壁伸展⇒ 仙髄排便中枢(S2-4)
⇒ ①高位中枢(便奇形成)
②排便反射defecation reflex
内肛門筋弛緩
外肛門筋収縮(一過性)
直腸蠕動運動(⇒内圧をさらに高める)
iii) 内圧45-55mmHg以上
内容物200ml以上
便意による排便動作 外肛門筋弛緩
腹筋、横隔膜収縮
[★]
- 英
- enteritis
- 同
- 小腸結腸炎 enterocolitis、腸カタル intestinal catarrh
- 関
- gastroenteritis
[★]
- 関
- 炎光、炎症
[★]
- 英
- ischemia, hypoemia
- ラ
- ischaemia
- 同
- イスケミア、阻血
[★]
- 英
- colitis
- 関
- 結腸炎、直腸結腸炎、出血性大腸炎