- 英
- drug-induced colitis
- 関
- 大腸炎、抗生物質起因性大腸炎 antibiotic-associated colitis
- 薬剤により直接的/間接的に大腸の腸管粘膜に障害をもたらし、大腸炎を来す疾患群。
- 症状としては、腹痛、下痢、下血を引き起こしうる。
- 原因薬剤としては以前は抗生剤(抗生物質起因性大腸炎)がもっぱらであったが、抗がん剤、免疫抑制薬、非ステロイド系炎症薬の大腸炎が増えてきている。
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 本多 啓介,飯田 三雄
- 日本大腸肛門病学会雑誌 54(10), 932-938, 2001-10-01
- 治療目的で投与される種々の薬剤が大腸炎を誘発する.薬剤起因性大腸炎の治療法は起因薬剤の中止が基本となるため,その存在を認識することは重要である.抗生物質は代表的薬剤であり,急性出血性腸炎,偽膜性腸炎および最近ではMRSA(methicillin-cephem resistant staphylococcus aureus)腸炎を来すことはよく知られている.その発生機序に関しては不明な点もあるが,病 …
- NAID 10011528570
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- 潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜(最も内側の層)にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性 疾患です。特徴的な症状としては、下血を伴うまたは伴わない下痢とよく起こる腹痛です 。病変は直腸から連続的に、そして上行性(口側)に広がる性質があり、最大で直腸から ...
- 薬剤性腸炎についてイラストを多く使ってくわしく解説しました。
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- 英
- ulcerative colitis, UC
- ラ
- colitis gravis, colitis chronica gravis, colitis ulcerosa
- 関
- 炎症性腸疾患 inflammatory bowel disease、クローン病、難病
まとめ
- (免疫応答の異常?)大腸粘膜までを侵し、びらんや潰瘍を形成する原因不明のびまん性非特異性炎症である。長期にわたって増悪寛解を繰り返す特定疾患治療研究事業の対象疾患である。男女差無く、若年者(25歳)と中年(50歳)に多い。病変は全大腸、左側結腸、もしくは直腸を侵す物に分類されるが、全大腸型が最も多い。症状は「下痢、血便、腹痛」が中心であり、発熱、体重減少、貧血などの全身症状も伴う。重症度は下痢、血便、発熱、脈拍、ヘモグロビン、血沈が指標となる。合併症としては、中毒性巨大結腸症、原発性硬化性胆管炎、壊疽性膿皮症、結節性紅斑、強直性脊椎炎、口内アフタなどがある。血液検査では炎症所見(CRP,WBC,ESR上昇)が認められる。注腸造影検査ではハウストラの消失、鉛管状の結腸が、また内視鏡検査では、連続病変、粘膜血管の不明瞭化、シュードポリープが認められる。組織像では粘膜下層までの炎症像、陰窩膿瘍がみられる。治療はサラゾスルファピリジン、メサラジン、ステロイド、免疫抑制剤、ATM療法などがある。手術療法は中毒性巨大症、穿孔・出血、大腸癌合併の時に適応となる。長期的には大腸癌のリスクが高くフォローが必要である。
概念
- 大腸粘膜を侵し、びらんや潰瘍を形成する原因不明のびまん性非特異性炎症
- 粘膜下組織まで炎症が見られる
- 特定疾患治療研究事業の対象疾患である。
疫学
- 日本では、1年間人口10万人対0.3人前後
- 30歳以下の成人に多い。
病因
症状
- 急性・慢性に発症し、寛解と再発を繰り返す。
- 下痢、血便、腹痛
- 食欲不振、体重減少、易疲労感
合併症
腸管症状
- 腸管出血・穿孔・狭窄・膿瘍・瘻孔形成、貧血、低蛋白血症。重大なものは中毒性巨大結腸症と大腸癌
- 中毒性巨大結腸症
- 腸管の運動低下のために拡張をきたした状態。腹部は腸管拡張により膨隆し、腸管運動は減少または消失。
- 若年発症、全大腸型、10年以上の長期経過例で発生頻度が高い。
- 低分化癌が多い ⇔ (通常の大腸癌は高分化癌が多い)
腸管外症状
- 皮膚粘膜系:壊疽性膿皮症、結節性紅斑 ←最も多い
- 肝:脂肪肝、肝硬変、胆管周囲炎
- 膵:膵炎、高アミラーゼ血症
- 関節:強直性脊椎炎
- 泌尿生殖系:尿路結石
- 橋本病
- 大動脈炎症候群
検査
- 赤沈、CRP 上昇
- 白血球 基準値以上
- 赤血球 基準値以下
- 血清総蛋白 基準値以下
内視鏡
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注腸検査
生検
診断
臨床的重症度分類
- 参考1
|
軽症
|
中等症
|
重症
|
分布
|
関連
|
1) 排便回数
|
≦4回
|
重症と軽症との中間
|
≧6回
|
腸管症状
|
|
2) 顕血便
|
(+)~(-)
|
(+++)
|
|
3) 発熱
|
<37.5℃
|
≧37.5℃
|
全身症状
|
炎症
|
4) 頻脈
|
<90/分
|
≧90/分
|
3)発熱,4)貧血による。
|
5) 貧血
|
>Hb 10g/dl
|
≦Hb 10g/dl
|
炎症あるいは2)血便による
|
6) 赤沈
|
正常
|
≧30 mm/h
|
炎症
|
|
軽症
|
軽症項目全て満たす
|
重症
|
( 1 and 2 ) and ( 3 or 4 ) ) and (6項目のうち4項目以上)
|
- 1,2は直腸の症状、3,4は全身症状、5は血便による貧血症状、6は炎症の程度を反映。
鑑別疾患
治療
- YN.A-66
予後
潰瘍性大腸炎とクローン病の比較
Table 15-10. Distinctive Features of Crohn Disease and Ulcerative Colitis*
|
Feature
|
Crohn Disease (Small intestine)
|
Crohn Disease (Colon)
|
Ulcerative Colitis
|
Macroscopic
|
Bowel region
|
Ileum ± colon†
|
Colon ± ileum
|
Colon only
|
Distribution
|
Skip lesions
|
Skip lesions
|
Diffuse
|
Stricture
|
Early
|
Variable
|
Late/rare
|
Wall appearance
|
Thickened
|
Variable
|
Thin
|
Dilation
|
No
|
Yes
|
Yes
|
Microscopic
|
Pseudopolyps
|
None to slight
|
Marked
|
Marked
|
Ulcers
|
Deep, linear
|
Deep, linear
|
Superficial
|
Lymphoid reaction
|
Marked
|
Marked
|
Mild
|
Fibrosis
|
Marked
|
Moderate
|
Mild
|
Serositis
|
Marked
|
Variable
|
Mild to none
|
Granulomas
|
Yes (40% to 60%)
|
Yes (40% to 60%)
|
No
|
Fistulas/sinuses
|
Yes
|
Yes
|
No
|
Clinical
|
Fat/vitamin malabsorption
|
Yes
|
Yes, if ileum
|
No
|
Malignant potential
|
Yes
|
Yes
|
Yes
|
Response to surgery‡
|
Poor
|
Fair
|
Good
|
参考
- http://www.jimro.co.jp/ibd/index_ibd.htm
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0029/5/0029_G0000120_CQ.html
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0029/1/0029_G0000071_GL.html
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/218
- http://www.nanbyou.or.jp/upload_files/009_s.pdf
- http://nohira.web.fc2.com/
- interesting!
国試
[★]
- 英
- hemorrhagic colitis
- 関
- acute hemorrhagic colitis、大腸炎、大腸菌性下痢症、腸管出血性大腸菌、薬剤性大腸炎
[★]
- 英
- antibiotic-associated colitis
- 関
- 偽膜性腸炎、偽膜性大腸炎、偽膜性小腸結腸炎、薬剤性大腸炎
[★]
- 英
- large intestine (Z)
- ラ
- intestinum crassum
小腸と比べたときの大腸の特徴 (M.149)
- 結腸ヒモという縦走筋繊維からなる3本の太い帯を有する
- 結腸膨起という結腸ヒモの間の膨らみを有する
- 腹膜垂という脂肪の塊を含む
- 内径は小腸よりも大きい
大腸を構成する部位
- 盲腸
- 結腸(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)
- 直腸
- (虫垂)
生理
1)膨起性往復運動 haustralshuttling movement
2)(単一)膨起性移送運動 segmentalhaustralpropulsion
3)多膨起性移送運動 multihaustralpropulsion
1) 2)により内容物のゆっくりした移動(5cm/hr)
→ 48hrで上行結腸よりS状結腸へ
4)総蠕動mass movement(mass peristalsis,maSS PrePulsion)
1-3回/日、強い蠕動→結腸内容物が直腸へ移動(→排便誘発)
5)収縮回数:直腸 > S状結腸 のため内容物はS状結腸へ移動
(通常は、直腸に内容物(-))
6)胃大腸反射 gastro-colonic reflex
小腸大腸反射 ileo-colonic reflex:胃、小腸に内容物-→結腸に総蠕動(+)
*排便
1)解剖
①内肛門括約筋internalanal
②外肛門括約筋externalanal
sphincter---平滑筋
sphincter山-一横紋筋
2)排便のメカニズム
i)総蠕動一糞便直腸へ
ii)直腸内圧〉20Ⅷ舶g ⇒ 直腸壁伸展⇒ 仙髄排便中枢(S2-4)
⇒ ①高位中枢(便奇形成)
②排便反射defecation reflex
内肛門筋弛緩
外肛門筋収縮(一過性)
直腸蠕動運動(⇒内圧をさらに高める)
iii) 内圧45-55mmHg以上
内容物200ml以上
便意による排便動作 外肛門筋弛緩
腹筋、横隔膜収縮
[★]
- 英
- drug、agent、pharmaceutical preparation、medicine
- 関
- 薬物、薬、作用薬、剤、ドラッグ、媒介物、病原体、麻薬、薬物、代理人、医薬品、薬品
[★]
- 英
- enteritis
- 同
- 小腸結腸炎 enterocolitis、腸カタル intestinal catarrh
- 関
- gastroenteritis
[★]
- 関
- 炎光、炎症
[★]
- 英
- colitis
- 関
- 結腸炎、直腸結腸炎、出血性大腸炎