- 英
- acute appendicitis
- ラ
- appendicitis acuta
- 関
- 虫垂炎、腹痛
身体所見
虫垂炎、身体診察のの感度、特異度
- SEN、SPE
- psoas sign :16%、95%
- ブルンベルグ徴候:63%、69% (*1)
- heel drop sign:93%
症状
- 腹痛:心窩部・臍部の鈍い間欠的疼痛(内臓痛) → 右下腹部に限局する持続的疼痛(体性痛)
- 発熱
- 嘔吐
合併症
検査
- 血液検査
- 腹部単純X線検査
- 腹部超音波検査
- 腹部CT検査
鑑別疾患
- 消化器系:憩室炎、クローン病、大腸癌、stump appendicitis、結腸垂捻転・結腸垂炎
- 泌尿器系:尿路結石(膀胱尿管移行部の右尿管結石)、精巣捻転
- 婦人科系:骨盤内炎症疾患、卵巣出血、子宮外妊娠、付属器炎、子宮内膜症、(妊婦)切迫流産、絨毛膜羊膜炎、常位胎盤早期剥離
診断
- Alvaradoスコア「MANTRELS」:7点以上で虫垂炎疑い
M
|
migration of pain
|
心窩部・臍傍部から右下腹部への痛みの移動
|
1
|
A
|
anorexia
|
食欲不振
|
1
|
N
|
nausea
|
嘔気嘔吐
|
1
|
T
|
tenderness in RLQ
|
右下腹部圧痛
|
1
|
R
|
rebound tenderness
|
反跳痛
|
2
|
E
|
elevated temperature
|
37.3℃以上の発熱
|
1
|
L
|
leukocytosis
|
WBC>1万/μl, 白血球増多
|
2
|
S
|
shift of WBC
|
白血球の左方移動
|
1
|
治療
- カタル性、化膿性・蜂窩織炎性、壊疽性それぞれに合わせた治療を行う。
国試
参考
- http://rockymuku.sakura.ne.jp/syoukakinaika/tyuusuiennnosinndann.pdf
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/11/26 23:14:29」(JST)
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虫垂炎 |
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
K35 - K37 |
ICD-9 |
540-543 |
Patient UK |
虫垂炎 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
テンプレートを表示 |
虫垂炎(ちゅうすいえん、英: appendicitis)は、虫垂に炎症が起きている状態である。虫垂とは右下腹部にある盲腸から出ている細長い器官である。
虫垂炎は旧来盲腸炎(もうちょうえん)と呼ばれていた時期があり、これは昔、診断の遅れから、開腹手術をした時には既に虫垂が化膿や壊死を起こして盲腸に張り付き、あたかも盲腸の疾患のように見えることがあったためである。
目次
- 1 概念
- 2 疫学
- 3 症状
- 4 検査
- 4.1 問診
- 4.2 触診
- 4.3 血液検査
- 4.4 超音波検査
- 4.5 CT
- 5 診断
- 6 治療
- 7 予後
- 8 歴史
- 9 脚注
- 10 関連項目
- 11 外部リンク
概念
何らかの原因で虫垂内部で細菌が増殖して感染を起こした状態である。炎症が進行すると虫垂は壊死を起こして穿孔し、膿汁や腸液が腹腔内へ流れ出して腹膜炎を起こし、重症化すると死に至ることもある。昔は「スイカやブドウの種を飲み込むと盲腸になる」などと言われていたが、それは全くの迷信であり、果実の種子の誤飲と虫垂炎の発症との間に因果関係は無い。
疫学
2004年の100,000人あたりの虫垂炎の障害調整生命年 (DALY)[1]
no data
less than 2.5
2.5-5
5-7.5
7.5-10
10-12.5
12.5-15
15-17.5
17.5-20
20-22.5
22.5-25
25-27.5
more than 27.5
若年者から高齢者まで幅広く発症する。男女差はみられない。が、男女とも10代から20代の発症が他の年齢層より若干多い。
症状
右下腹部痛がよく知られているが、典型的にはまず心窩部(みぞおち付近)に痛みが出て、時間の経過とともに右下腹部へと移動していくことが多い。その他の主な症状としては、食思不振、嘔気、発熱などがある。
診断学の世界では、虫垂炎の病態生理は次のように理解されている。まず虫垂に異物などが貯留し、細菌が繁殖することで管腔内圧が上昇し、心窩部の鈍痛という形で関連痛が発生する。さらに腸管粘膜に炎症が起こると、右下腹部の鈍痛という形で内臓痛が発生する。さらに進行すると炎症が管腔の内側から外側、すなわち臓側腹膜に波及する。腸管の動きなどで臓側腹膜が壁側腹膜と接触し、炎症が壁側腹膜に波及すると右下腹部の鋭い痛みとして体性痛が発生する。この頃には、反跳痛といった腹膜刺激症状が出現する。これは概念上の話であり、炎症が激しくなり組織障害が強くなれば、関連痛、内臓痛、体性痛という順に進行していく。
検査
問診
- 自動車で搬送中に、減速帯を乗り越える振動で痛みが増強すると、虫垂炎である可能性が高い。[2]
触診
- 圧痛点
- マックバーニー点(en:McBurney's point)
- ランツ点(Lanz)
- キュンメル点(Kummel)
- モンロー点(Munro)
- 腹膜刺激徴候
- 腹部を圧迫してから急に手を離すと痛みが強くなる症状を反跳痛 (Blumberg's sign)、腹部の筋が緊張して固くなっている状態を筋性防御と呼ぶ。これらは腹膜刺激徴候と呼ばれ、腹膜炎を示唆する。
- Rovsing徴候(en)
- Rosenstein徴候(en)
- psoas sign, obturator sign が陽性となる。
血液検査
虫垂炎に特異的な所見はない。炎症反応が指標となる。
- 白血球数は炎症に伴って増加する。
- CRPも同様に上昇する。
超音波検査
比較的解像度の良好な最新の超音波検査機器では虫垂の形態評価に関して極めて有用である。しかし、超音波検査は機器の精度と手技を行う技師の技量に大きく左右されるため不正確な場合も少なくない。
CT
虫垂の腫大や、周囲脂肪組織の濃度上昇がみられ、一般的に多くの病院で診断に用いられている。造影剤を用いる造影CT検査ではより正確であり、感度、特異度ともに98%であり、正診率は高い。
診断
虫垂炎はありふれた疾患であるが、正確な診断は非常に難しい。腹痛を起こす疾患は数限りなくあり、右下腹部痛だけとっても腸炎、大腸憩室炎、卵巣炎、卵管炎、子宮外妊娠、さらには単なる便秘なども考えなくてはならない。超音波検査やCTで炎症性に腫大した虫垂が描出されれば診断はほぼ確定するが、すべての症例にみられるわけではない。したがって、虫垂炎の診断はあらゆる情報を総合的に判断した結果“最も可能性の高い疾患”として下されることになる。
乳幼児や老人では病状の割に症状や炎症所見が弱いことが多く、診断や治療が遅れる原因になる。感染に対する生体反応が弱いためと考えられる。
妊婦では子宮に圧迫されて虫垂が本来の位置から移動しており、典型的な症状が出ないことがある。また炎症が限局せず重症化する傾向にある。
極端に太っている人も診断が困難な傾向にあり、俗に「相撲取りが盲腸になると命取り」などと言われる。これは1938年(昭和13年)12月4日に横綱の玉錦三右エ門と、さらに1971年(昭和46年)10月11日にも同じ横綱の玉の海正洋が、それぞれ現役のまま、入院先の病院で開腹手術後間もなく死亡するという衝撃的な事件が起きてから、特に有名になっている。
なお、玉錦の場合は虫垂炎にかかっていながら病の可能性を考えずにいたばかりか、医者に診せた方がいいと言われても信じず発見が遅れた結果こじらせて腹膜炎を起こし、化膿箇所の除去手術は受けたものの、医師が指示した療養に本人が全く従わずに、術後に腹膜炎がさらに悪化して死に至った。玉の海も虫垂炎を腹膜炎の一歩手前位までこじらせていながら、ずっと薬で痛みを散らし続けていた。その後除去手術は成功したが術後約1週間が経った頃、退院を翌日に控えていながら術後肺血栓を併発して急死した。力士は腹部の筋肉や脂肪が厚いことから手術が困難であり、しかも肥満体の患者は術後に血栓症を起こしやすいと言われているが、当時そのことは知られていなかった。皮肉にも玉の海は玉錦の孫弟子(玉錦→玉乃海→玉の海)である。
治療
炎症が軽度であれば絶食・輸液管理を行い、抗菌薬投与を行うことで軽快することも多い。[3] 炎症が高度になると虫垂切除術を勧められるが、その判断基準はケースバイケースである。一般的に虫垂炎は外科学で扱う古典的な疾患であるくらいに手術の方が確実で早く、しかもほとんど副作用の無い治療法であるので、炎症の度合いと手術のリスクを天秤にかけ、それに患者本人の希望を入れて決定される。
一般的に手術的加療を考慮するポイントは次のとおりである。
- 腹部症状・炎症所見が強い場合:穿孔・膿瘍形成が疑われる場合には原則として手術。
- 糞石がある場合:糞石を取り除かないと症状改善が期待できない。
- 幼児:進行が急速で穿孔しやすく、また重症度の判断が難しいため。
- 妊婦:重症度の判断が難しく、また万が一穿孔した場合に胎児への悪影響が懸念されるため。
なお、南極観測隊員など、医師の治療が見込めない環境に長時間滞在する必要のある場合には、予防として虫垂切除を行うケースもある[要出典]。
予後
一般に予後は良好である。しかし腹膜炎を併発すると敗血症に至り、死亡することもある。
歴史
- 検査の歴史的変遷
- CTが登場する以前は虫垂炎の診断は非常に困難であった。医師は自らの経験と感覚を頼りに、文字通り手探りの診療を行っていた。強い腹痛で治療が必要な状態はひっくるめて「急性腹症」と呼ばれ、最終的な診断に至らないまま治療を受けざるを得なかったのである。しかし1980年代以降、CTや超音波検査に代表される画像診断が急速に発達し詳細な画像が得られるようになったため、診断精度は大幅に向上した。
- 治療の歴史的変遷
- 一昔前までは、虫垂炎といえばすぐ手術であった。診断精度が低く重症例が見逃されるおそれがあったため、手術でさっさと白黒つけた方が安全だったのである。2007年現在においても手術が主な治療であることに変わりはないが、診断精度が格段に向上し、また強力な抗菌薬が開発されたことから、手術以外の治療も行われている。
1997年には、埼玉医科大学病院小児外科が急性虫垂炎に対する術式ONE-TROCAR法を開発した。
脚注
- ^ “WHO Disease and injury country estimates”. World Health Organization (2009年). 2009年11月11日閲覧。
- ^ Ashdown HF et al.Pain over speed bumps in diagnosis of acute appendicitis: diagnostic accuracy study.BMJ 2012;345:e8012.
- ^ Svensson JF,et al.Nonoperative Treatment With Antibiotics Versus Surgery for Acute Nonperforated Appendicitis in Children: A Pilot Randomized Controlled Trial.Ann Surg. 2014 Jul 28. [Epub ahead of print]
関連項目
- さくらももこ - 自分が虫垂炎になった体験を「盲腸の朝」という作品で漫画化した。りぼんマスコットコミックス『ちびまる子ちゃん』第3巻収録。
- 消化器外科学
- 大腸肛門外科学
- 小児外科学
- 疼痛
外部リンク
- 岡島邦雄『虫垂炎』[リンク切れ] - Yahoo!百科事典
- 世界大百科事典 第2版『虫垂炎』 - コトバンク
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Japanese Journal
- JOS-0907.当科における急性虫垂炎に対する腹腔鏡下虫垂切除術の検討(要望演題・一般演題,第30回日本小児内視鏡外科・手術手技研究会)
- 山根 裕介,北野 良博,黒田 達夫,森川 信行,田中 秀明,藤野 明浩,武田 憲子,松田 諭
- 日本小児外科学会雑誌 47(1), 181, 2011-02-20
- NAID 110008506658
- JOS-0906.急性虫垂炎術後の合併症に対する腹腔鏡下手術による治療経験(要望演題・一般演題,第30回日本小児内視鏡外科・手術手技研究会)
- 木村 拓也,米倉 竹夫,山内 勝治,小角 卓也,澤井 利夫
- 日本小児外科学会雑誌 47(1), 180-181, 2011-02-20
- NAID 110008506657
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★リンクテーブル★
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- 次の文を読み、28、29の問いに答えよ。
- 55歳の女性。右下腹部痛を主訴に来院した。
- 現病歴: 5日前から毎日就寝前に右下腹部痛が出現したが、中途覚醒はせず、起床時には軽快するため放置していた。本日朝は腹痛が軽快しないため来院した。経過中発熱はない。便通1回/日。
- 既往歴: 18歳時に卵巣嚢腫で右卵巣摘出術、28歳時に帝王切開で出産、37歳時に急性虫垂炎で虫垂切除術。
- 生活歴: 特記すべきことはない。
- 家族歴: 特記すべきことはない。
- 現 症: 意識は清明。体温36.8℃。脈拍80/分、整。血圧102/68mmHg。頭頚部と胸部とに異常を認めない。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない McBurney点の約4cm頭側を中心に圧痛があり、同部位に限局して筋性防御と反跳痛とを認める。かかと落としにて腹痛は増強する。
- 検査所見: 尿所見: 潜血(-)、白血球反応(-)。血液所見: 赤血球 421万、Hb 12.2g/dl、Ht 38%、白血球 13,000(桿状核+分葉核好中球71%、好酸球2%、好塩基球0%、単球5%、リンパ球22%)、血小板 26万。血液生化学所見:血糖 107mg/dl、アルブミン 3.9g/dl、尿素窒素 8.6mg/dl、クレアチニン 0.8mg/dl、総ビリルビン 0.6mg/dl、AST 13IU/l、ALT 12IU/l、LD 196IU/l(基準176-353)、ALP 289IU/l(基準115-359)、Na 136mEq/l、K 4.6mEq/l、Cl 106mEq/l。CRP 4.8mg/dl。腹部造影CT(別冊No.2)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [104C028]←[国試_104]→[104C030]
[★]
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- 現病歴: 5日前から毎日就寝前に右下腹部痛が出現したが、中途覚醒はせず、起床時には軽快するため放置していた。本日朝は腹痛が軽快しないため来院した。経過中発熱はない。便通1回/日。
- 既往歴: 18歳時に卵巣嚢腫で右卵巣摘出術、28歳時に帝王切開で出産、37歳時に急性虫垂炎で虫垂切除術。
- 生活歴: 特記すべきことはない。
- 家族歴: 特記すべきことはない。
- 現 症: 意識は清明。体温36.8℃。脈拍80/分、整。血圧102/68mmHg。頭頚部と胸部とに異常を認めない。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない McBurney点の約4cm頭側を中心に圧痛があり、同部位に限局して筋性防御と反跳痛とを認める。かかと落としにて腹痛は増強する。
- 検査所見: 尿所見: 潜血(-)、白血球反応(-)。血液所見: 赤血球 421万、Hb 12.2g/dl、Ht 38%、白血球 13,000(桿状核+分葉核好中球71%、好酸球2%、好塩基球0%、単球5%、リンパ球22%)、血小板 26万。血液生化学所見:血糖 107mg/dl、アルブミン 3.9g/dl、尿素窒素 8.6mg/dl、クレアチニン 0.8mg/dl、総ビリルビン 0.6mg/dl、AST 13IU/l、ALT 12IU/l、LD 196IU/l(基準176-353)、ALP 289IU/l(基準115-359)、Na 136mEq/l、K 4.6mEq/l、Cl 106mEq/l。CRP 4.8mg/dl。腹部造影CT(別冊No.2)を別に示す。
- a 消化管粘膜固有層
- b 消化管筋層
- c 消化管漿膜(臓側腹膜)
- d 壁側腹膜局所
- e 壁側腹膜全体
[正答]
※国試ナビ4※ [104C027]←[国試_104]→[104C029]
[★]
- 次の文を読み、49、50の問いに答えよ。
- 20歳の男性。右下腹部痛を主訴に夕方来院した。
- 現病歴 : 朝から心窩部痛と悪心とがあった。市販の胃腸薬を内服したが軽快せず、午後になって痛みが右下腹部に限局してきた。朝から排便はない。 既往歴・家族歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 意識は清明。身長171cm、体重65kg。体温37.8℃。脈拍76/分、整。血圧102/60mmHg。腹部は平坦で、腸雑音は減弱している。肝・脾は触知しない。右下腹部に圧痛を認め、Blumberg徴候が陽性である。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ウロビリノゲン(±)、ビリルビン(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球510万、Hb17.0 g/dl、 Ht48%、白血球18,000(桿状核好中球20%、分葉核好中球49%、好酸球1%、単球2%、リンパ球28%)、血小板30万。プロトロンビン時間12秒(基準10~14)。
- 血清生化学所見:総蛋白7.5g/dl、尿素窒素11mg/dl、クレアチニン1.0mg/dl、AST20単位、ALT18単位、LDH 230 単位(基準176~353)、アミラーゼ150単位(基準37~160)、CK 18単位(基準10~40)。CRP8.3mg/dl。
[正答]
※国試ナビ4※ [099C049]←[国試_099]→[099D001]
[★]
- 次の文を読み、49、50の問いに答えよ。
- 20歳の男性。右下腹部痛を主訴に夕方来院した。
- 現病歴 : 朝から心窩部痛と悪心とがあった。市販の胃腸薬を内服したが軽快せず、午後になって痛みが右下腹部に限局してきた。朝から排便はない。 既往歴・家族歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 意識は清明。身長171cm、体重65kg。体温37.8℃。脈拍76/分、整。血圧102/60mmHg。腹部は平坦で、腸雑音は減弱している。肝・脾は触知しない。右下腹部に圧痛を認め、Blumberg徴候が陽性である。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ウロビリノゲン(±)、ビリルビン(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球510万、Hb17.0 g/dl、 Ht48%、白血球18,000(桿状核好中球20%、分葉核好中球49%、好酸球1%、単球2%、リンパ球28%)、血小板30万。プロトロンビン時間12秒(基準10~14)。
- 血清生化学所見:総蛋白7.5g/dl、尿素窒素11mg/dl、クレアチニン1.0mg/dl、AST20単位、ALT18単位、LDH 230 単位(基準176~353)、アミラーゼ150単位(基準37~160)、CK 18単位(基準10~40)。CRP8.3mg/dl。
[正答]
※国試ナビ4※ [099C048]←[国試_099]→[099C050]
[★]
- 24歳の女性。腹痛を主訴に来院した。昨日朝から心窩部不快感と悪心とを自覚した。本日朝から右下腹部に痛みが出現し、一度嘔吐した。午後になって歩行時に腹部に響く痛みがあり、前かがみで歩行するようになったため受診した。昨日は排便があったが、本日はない。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。喫煙歴と飲酒歴とはない。最終月経は2週前。体温37.9℃。脈拍84/分。血圧120/80mmHg。身体所見で腹部はやや膨満し、腸雑音は聴取しない。触診で右下腹部は硬く、圧痛と反跳痛とを認める。血液所見:赤血球430万、Hb 12.9g/dl、Ht38%、白血球16,300(桿状核好中球10%、分葉核好中球72%、好酸球1%、単球3%、リンパ球14%)、血小板23万。血液生化学所見:AST 25IU/l、ALT 10IU/l、ALP 250IU/l(基準115~359)、アミラーゼ49IU/l(基準37~160)。CRP 8.9mg/dl。妊娠反応は陰性。腹部超音波検査では、下腹部は消化管ガスのため観察が困難である。腹部単純CT(別冊No.17)を別に示す。
- 最も考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107A043]←[国試_107]→[107A045]
[★]
- 59歳の女性。水様下痢を主訴に来院した。生来便秘気味で下剤を使用することがあった。2年前に膿瘍形成を伴う急性虫垂炎のため約20cmの終末回腸を含む回盲部切除術を受け、それ以来下痢となっている。排便は4-10回/日であり、夜間に便意のため目が覚めることもある。自宅近くの診療所での下部消化管内視鏡検査で異常を認めず、止痢薬、抗コリン薬、消化管運動調節薬およびプロバイオティクスも無効であるため来院した。体温36.5℃。脈拍72/分、整。血圧112/70mmHg。腸雑音の亢進を認めるが、腹部に圧痛はない。糞便検査で外観は水様、脂肪(-)、寄生虫卵(-)、便細菌検査では病原性細菌(-)。血液所見:赤血球 434万, Hb 13.2g/dl、Ht 41%、白血球 6,100、血小板 18万。血液生化学所見:アルブミン 4.2g/dl、尿素窒素 12mg/dl、クレアチニン 0.6mg/dl、AST25IU/l、ALT 38IU/l、Na 139mEq/l、K 3.6mEq/l、Cl 105mEq/l。CRP 0.1mg/dl。
- この患者の下痢に最も関与していると考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105E042]←[国試_105]→[105E044]
[★]
- 2歳の男児。腹痛のため母親に連れられて来院した。今朝から間欠的に腹痛を訴えている。排便はあったが、血便ではなかったという。診察時はおとなしくしている。身長 86cm、体重 11.5kg。意識は清明。体温 36.8℃。脈拍 100/分、整。血圧 96/60mmHg。呼吸数 24/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部はやや膨満しているが軟らかい。臍上部の圧痛を認める。腸雑音はやや亢進している。腹部超音波像(別冊No. 6)を別に示す。
- 考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114D022]←[国試_114]→[114D024]
[★]
- 8歳の男児。腹痛を主訴に母親に連れられて来院した。昨日午後の授業中におなかが痛くなり早退した。帰宅したら腹痛は治まり、いつも通り夕食を食べて入眠したが、今朝おなかが痛くて目が覚め、痛みが続くため受診した。
- 急性虫垂炎を鑑別するために患児に尋ねる有用な質問はどれか。
- a 「学校に行くのは楽しいかな」
- b 「おなかのどこが痛いのかな」
- c 「うんちは1日に何回するの」
- d 「昨日の給食は何を食べたの」
- e 「おなかを痛がっているお友だちはいるかな」
[正答]
※国試ナビ4※ [111F016]←[国試_111]→[111F018]
[★]
- 35歳の男性。右下腹部痛を主訴に来院した。昨夜から右下腹部痛が出現し、次第に増強してきた。2日前から排便がみられない。下血はない。体温37.8℃。脈拍100/分、整。血圧128/80mmHg。右下腹部に圧痛を認める。白血球11,800。CRP7.8mg/dl。注腸造影写真を以下に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G025]←[国試_101]→[101G027]
[★]
- 50歳の男性。右下腹部痛を主訴に来院し、急性虫垂炎の診断で入院となった。末梢静脈路を確保し、抗菌薬の点滴静注を開始したところ、気分不良を訴え意識を失った。直ちに応援の医師と看護師とを呼んだ。
- 応援が来るまでに、まず行うべき対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106C024]←[国試_106]→[106C026]
[★]
- 42歳の男性。腹痛を主訴に来院した。昨日から悪心とともに腹痛が上腹部に出現し、次第に増強しながら右下腹部に限局してきた。身長172cm、体重67kg。体温37.6℃。脈拍76/分、整。血圧136/72mmHg。血液所見:赤血球452万、白血球11,800。腹部所見で認めないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102F018]←[国試_102]→[102F020]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [095E022]←[国試_095]→[095E024]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097G079]←[国試_097]→[097G081]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107G002]←[国試_107]→[107G004]
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[正答]
※国試ナビ4※ [111H014]←[国試_111]→[111H016]
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[正答]
※国試ナビ4※ [113C020]←[国試_113]→[113C022]
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[正答]
※国試ナビ4※ [109G012]←[国試_109]→[109G014]
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[正答]
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[正答]
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- ☆case10 背痛
- ■症例
- 27歳 女性
- 主訴:背中に突き抜ける?痛み(pain across her back)
- 現病歴:背中に広がる痛みを訴えて、27歳の女性が救急部に運ばれてきた。2日前に熱が出て背部痛が始まり、以降調子が悪い。痛みは増強している。6時間前に2度嘔吐した。
- 既往歴:3ヶ月前に合併症のない胆嚢炎。
- ・身体診断
- 調子が悪そうであり、紅潮している。体温:39.2℃。脈拍:120/分。血圧:104/68 mmHg。心血管系、呼吸器系に異常を認めず。腹部:全体的に圧痛。両側の腰部で著明な圧痛。
- ・検査
- (血液生化学)
- 白血球↑、血清尿素↑、CRP↑
- (尿検査)
- タンパク:++、鮮血:+++、亜硝酸塩:++
- 尿の顕微鏡検査:(おそらく400倍の一視野に)赤血球>50、白血球>50
- 腹部X線:正常
- ■glossary
- loin n. (pl)腰、腰部(→(adj.)lumbar)。(獣の)腰肉、ロイン。(pl)陰部、生殖器、性器
- 腸雑音、腸音、intestinal murmur、intestinal sound、bowel sound
- urine microscopy 尿の顕微鏡検査
- dysuria 排尿障害
- urgency n. 切迫、急迫、危急。緊急、火急、焦眉の急。[pl]しつこい要求、懇願。せき立てる力、刺激
- hydronephrosis 水腎症
- -nephros 腎臓
- -stomy 開口術
- nephrostomy n. 腎瘻造設術、腎造瘻術、腎瘻術
- obstructive urophathy 閉鎖性尿路疾患
- intravenous fluid 静脈内輸液
- commence vt. 始める、開始する。 vi. ~から始める、始まる(with)
- urgently
- eradication n. 根絶、撲滅
- mimic vt. ~の物まねをする、まねて馬鹿にする。そっくりに[卑屈に]まねる。~によく似る
- renal ultrasound 腎臓超音波検査
- obstructive uropathy 閉塞性尿路疾患
- polycystic kidney disease 多発性嚢胞腎
- medullary sponge kidney 海綿腎
- loin-pain hematuria syndrome 腰痛血尿症候群
- ■解説
- (第1パラグラフ)疫学
- 急性腎盂腎炎:男性より女性でmore common。尿路からの細菌の上行感染。リスク:妊娠、糖尿病、免疫低下者、尿路奇形(尿の腎臓への逆流。そして多分、狭窄していたりして結石で閉塞されやすいこともあると思う)
- (第2パラグラフ)病態
- 食欲不振、悪心、嘔吐と共に40℃の発熱が出ることがある。
- 腎盂腎炎患者の中には膀胱炎の先行症状(排尿障害、頻尿、尿意切迫、血尿)がある人がいるけど、こういう下部尿路症状がいつも出現するわけではない。
- 多くの腎盂腎炎患者は、先行する6ヶ月以内の膀胱炎の既往がある。
- 老人の場合、非典型的な症状を示し、そして混乱した状態でやってくる。
- 腎盂腎炎は他の病態によく似ている:急性虫垂炎、急性胆嚢炎、急性膵炎、下葉の肺炎
- 普通、体表から見て腎臓の直上に前からも後ろからも圧痛を感じる。
- 未治療の腎盂腎炎では敗血症になるかもしれない。
- (第3パラグラフ)本ケースについて
- ・CRP上昇は急性感染症を示唆
- ・顕微鏡的血尿・タンパク尿、白血球増多は尿路の炎症を示す。
- ・硝酸塩(nitrate, HNO3と何かの塩)から亜硝酸塩(nitrite, HNO2と何かの塩)への還元により細菌の存在が確認される。
- 覚え方:亜硝酸は(Oが一つ)足らないi(愛)
- でも複雑です。
- HNO2 亜硝酸 nitrous acid, nitrite 。亜硝酸塩 nitrite
- HNO3 硝酸 nitric acid, nitrate 。硝酸塩 nitrate
- (第4パラグラフ)管理
- ・女性は入院すべき。
- ・血液と尿の採取
- ・静脈内輸液+抗生物質で治療開始。微生物が同定されたら、感受性のある抗菌薬を使用する。初期治療ではゲンタマイシン、アンピシリン、シプロフロキサシンを用いる
- ・腎臓エコー検査:尿路閉塞を除外するため。閉塞性尿路疾患では、激しい痛み、発熱、敗血症ショック、腎不全を伴う脳腎症を起こしうる。
- ・尿路敗血症の経過で水腎症が疑われたら、合併症を防ぐために緊急に腎瘻を造設すべき
- (第5パラグラフ)薬物治療
- ・(腎結石など合併していない)腎感染症(ucomplicated renal infection)患者は抗生物質2週間のコースで治療すべき。
- ・感染の根絶を確実にする治療が終わった後10-14日間は、反復して細菌培養をする。<
- ・尿路結石を有する感染症や腎瘢痕を有する患者では抗生物質6週間のコースが用いられる。
- ■鑑別診断のポイント
- 腎盂腎炎は片側性、あるいは両側性の腰痛を引き起こす。
- 腰部痛の鑑別診断:
- 閉塞性尿路疾患
- 腎梗塞:心疾患などで生じた血栓が腎動脈またはその分枝を閉塞し、その血管の支配領域が虚血性壊死に陥った状態。
- 腎細胞癌:腎尿細管上皮細胞より発生する悪性腫瘍
- 腎乳頭壊死:腎乳頭より腎髄質にかけて、その支配動脈の虚血により壊死を来したもの。 主として基礎疾患に糖尿病を有する人にみられ、しばしば急性腎盂腎炎などの尿路感染に伴って発症する。
- 腎結石:
- 糸球体腎炎:
- 多発性嚢胞腎:先天性かつ両側性に腎実質内に大小無数の嚢胞を発生する。 ほとんどが両側性で、貧血、顕微鏡的血尿、蛋白尿、高血圧といった症状を呈しながら腎機能が低下し、最終的には腎不全となる疾患
- 海綿腎:腎錐体における集合管の先天性嚢状拡張症。症状としては拡張した集合管に尿の停滞 → 感染・細かな結石ができる。
- 腰痛血尿症候群:若年女性に好発し、反復して出現する腰部から側腹部の強い疼痛と血尿を主徴とする病因不明の疾患。肉眼的血尿や軽度の蛋白尿がみられることもあるが、特異的な検査所見はなく、診断は他疾患の除外診断による
- ■KEYPOINT
- ・急性腎盂腎炎は下部尿路症状があったり無かったりする。
- ・腎臓超音波検査は尿路閉塞を否定するために、入院24時間後に行うべき。
- ・抗菌薬は、再発のリスクを最小限にするために、少なくとも2週間継続すべき。
- □閉塞性尿路疾患(http://merckmanual.jp/mmpej/sec17/ch229/ch229a.htmlより引用)
- □KUBの陰影から尿路結石成分の推定
- リン酸カルシウム(22.0)
- シュウ酸カルシウム(10.8):シュウ酸カルシウム結石は,尿路結石のうちで最も頻度が高く(70~80%),シュウ酸カルシウム結石の約半数はリン酸カルシウムとの混合結石である。
- リン酸マグネシウムアンモニウム(4.1):ストラバイト結石:尿素分解菌(Proteus 、Klebsiella 、Pseudomonas )による尿路感染が原因で、尿素が分解されアンモニアとなると尿がアルカリ性となり、リン酸マグネシウムアンモニウム結石が形成される。
- シスチン(3.7):ホモシスチン尿症
- 尿酸(1.4):痛風
- キサンチン(1.4):プリン体
- □多嚢胞腎
- 常染色体劣性多発性嚢胞腎:ARPKD
- 旧名:幼児型嚢胞腎
- 常染色体優性多発性嚢胞腎:ADPKD
- 旧名:成人型嚢胞腎
[★]
- 英
- vomiting, emesis
- ラ
- vomitus
- 関
- 悪心、嘔気 nausea、悪心・嘔吐 nausea and vomiting
概念
- 胃の内容物をはき出す現象。
- 胃または腸内容が食道を経て口腔より吐出される現象。
嘔吐中枢
嘔吐中枢の近傍に存在するもの
- 呼吸中枢、血管運動中枢、消化管運動中枢、唾液分泌中枢、前庭神経核
随伴症状
- 発汗、唾液分泌、顔面蒼白、脈拍微弱、徐脈、頻脈、血圧の動揺、めまいなど
症状の出現形式と原因の所在
噴水状、噴射状嘔吐
- projectile vomiting is where stomach contents 'shoot out' (like a fountain) to a distance sometimes many feet away.
嘔吐に関わる経路
- IMD.351
- 1. 嘔吐中枢(延髄網様体背側神経背側核近傍)への直接刺激(脳圧亢進、循環障害)
- 2. 化学受容体誘発帯(CTZ; 第四脳室底)への刺激(代謝異常や中毒による化学物質の作用) → 1.
- 3. 大脳皮質(中枢神経など高位中枢)からの入力 → 1.
- 4. 求心性迷走神経や交感神経を介する入力 → 1.
原因
小児科で遭遇する嘔吐の原因
[★]
- 英
- lower abdominal pain
- 関
- 下腹痛。腹痛
診療エッセンシャルズ.271 改変
産婦人科疾患
- NGY.138
急性かつ重篤な下腹痛
中等度の下腹痛
- 1. 鎖陰
- 2. 卵巣嚢腫破裂
- 3. 子宮内膜症
- 4. 月経困難症
- 5. 子宮筋腫
- 6. 急性付属器炎、子宮内膜炎:子宮内膜炎は子宮内操作や流産後などに起こり、ほとんどが上行性感染と考えられ、発熱や不正出血などの随伴症状を伴うことが多い。卵管に炎症が波及し付属器炎になると下腹痛も増悪し、骨盤腹膜炎を来すことがある。起因菌はクラミジアの頻度が増加している。(参考1)
- 7. 流産
産婦人科の下腹部痛の鑑別疾患
- 参考1
病みえ産婦人科
- 引用p.212
妊娠の有無による鑑別
参考
- 1. (12)日本産婦人科医会研修プログラム;痛みの診断と治療
3)急性腹症,がん性疼痛への対応 - 日産婦誌58巻9号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/58/5809-395.pdf
[★]
- 英
- abdominal pain
- 関
- PQRST、急性腹症
コアカリ診療の基本 p.107
心窩部
|
食道潰瘍
|
胸焼け、嚥下困難
|
急性胃炎
|
悪心、嘔吐を伴う
|
消化性潰瘍
|
空腹時悪化傾向
|
胃癌
|
進行しないと痛まず
|
虫垂炎初期
|
回盲部に圧痛
|
急性膵炎
|
激烈な腹痛、背部痛、膵酵素の上昇
|
慢性膵炎
|
不定の上腹部症状で神経症的にみえる
|
膵臓癌
|
浸潤すると疼痛強し
|
右季肋部
|
胆石症
|
右肩に放散、発作間は痛みほとんどなし
|
急性胆嚢炎
|
発熱、圧痛著明、肝胆道系酵素上昇
|
急性肝炎
|
肝腫大、鈍痛、黄疸-肝酵素著明に上昇
|
肝膿瘍
|
激しい発熱、叩打痛は肋骨弓部付近など
|
肝癌
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鈍痛、破裂すると激しい痛み
|
左右側腹部
|
尿管結石
|
肋骨脊椎角の叩打痛、血尿、超音波検査で水腎症
|
腎盂腎炎
|
急激な発熱と叩打痛、膿尿
|
腎梗塞
|
時に一過性の激しい痛み、血尿
|
回盲部
|
虫垂炎
|
他疾患除外の目的で、超音波検査が有用
|
右側結腸憩室炎
|
虫垂炎との鑑別困難
|
回腸末端炎
|
虫垂炎との鑑別が必要
|
クローン病
|
回盲部潰瘍をきたしやすい
|
大腸癌
|
右側結腸癌は腫癌を触知することが多い
|
左腸骨窩部
|
虚血性大腸炎
|
急激な腹痛と下血
|
S状結腸憩室炎
|
腹痛、圧痛、発熱
|
急性大腸炎
|
下痢、嬬動の元進
|
S状結腸軸捻転
|
便秘老人、鼓腸強い、内視鏡的修復
|
下腹部
|
子宮付属器炎
|
発熱、圧痛
|
卵巣嚢腫茎捻転
|
ショックに陥ることもあり、超音波検査が有用
|
子宮外妊娠破裂
|
急激に貧血が進行、ショックなど
|
生理痛
|
内膜症がある場合は強い
|
全体
|
腹膜炎
|
原発性、結核性、癌性など症状が微妙に異なる
|
潰瘍穿孔
|
腹壁防御、板状硬、緊急手術
|
腸間膜血栓症
|
鼓腸、腸麻痺、ショック、最も重篤
|
- 小腸疾患による腹痛は食事後20分後ぐらいから始まることが多い。(QB.A-308)
乳幼小児の腹痛
- SPE.481
- 乳幼児・学童に共通して最も多い腹痛の原因は便秘。その他は急性胃腸炎、胆道拡張症
[★]
- 英
- McBurney's point, McBurney point
- 同
- McBurney圧痛点、マックバーニー点、マックバーネー点
- 関
- ランツ圧痛点、キュンメル圧痛点、圧痛点
- 急性虫垂炎、上前腸骨棘
[show details]
- 右上前腸骨棘と臍を結ぶ線分上であって、これを3等分したとき、右上前腸骨棘より外側1/3の点
参考
- http://pk5oku.blog76.fc2.com/blog-entry-143.html
[★]
- 英
- appendicitis, APP
- 関
- 急性虫垂炎、慢性虫垂炎
徴候
妊娠に合併した虫垂炎
- YN.A-59
- 治療:開腹手術が原則。妊娠中に使用できる抗菌薬は限定されており、重症化しやすく、また腹膜炎が子宮に及ぶと流早産を惹起するためである。
- 重症化しやすい理由:診断の遅れ。妊娠時には盲腸が子宮により押し上げられ、マックバーニー点が上方に移動しかつ腹壁から遠ざかる結果、圧痛点が分かりづらくなり腹壁症状が目立たなくなる。また、妊娠時には便秘、食思不振、悪心・嘔吐、白血球増多がみられるため、虫垂炎の症状がマスクされる。さらに、虫垂が移動することにより大網による被包化が起こりにくくなり、汎発性腹膜炎になりやすい。
[★]
- 英
- vermiform appendix (Z), appendix (Z)
- ラ
- appendix vermiformis, processus vermiformis
- 同
- 虫様突起 vermiform process, appendice vermiculaire、虫様垂 vermiform fold Wurmfortsazfalte, pli vermiculaire
- 関
- 盲腸
[★]
- 関
- 炎光、炎症
[★]
- 英
- acute
- 関
- 急性的、鋭い、鋭形、急性型