- 英
- temporal arteritis, TA
- 同
- 巨細胞性動脈炎 giant-cell arteritis giant cell arteritis GCA、頭蓋動脈炎 cranial arteritis、ホートン症候群 Horton syndrome、ホートン動脈炎 Horton arteritis
- 関
- 虚血性視神経症。血管炎
概念
- 日本内科学会雑誌106巻10号
- 大型血管炎に分類される。
- 慢性肉芽腫性動脈炎
- 高齢者に好発
- 男女比4:7
- 例外なく50歳以上に発症し70歳代が最多。
- リウマチ性多発筋痛症に合併することが多い。
- 頭痛、側頭動脈の疼痛を主症状とし、発熱、筋肉痛、体重減少、貧血などの全身症状を伴う原因不明の血管炎。
- 特に側頭動脈の病変が主体で、大動脈やその分枝の病変も10~15%に認められる。
- 側頭動脈にしばしば巨細胞浸潤を認めることから、巨細胞性動脈炎(giant cell arteritis; GCA)、Horton(ホートン)動脈炎あるいは頭蓋動脈炎(cranial arteritis)とも呼ばれる。
- 頭痛、視力障害、側頭動脈の発赤・腫脹・疼痛・索状肥厚・拍動減少などがあり、側頭動脈の生検組織に巨細胞性動脈炎の所見が認められれば診断は確定する。
- 顎が咀嚼時などに疲労して痛む顎跛行は外上顎動脈の阻血症状であり本症に特徴的である。
- 視力障害は内頸動脈の分枝である毛様体動脈の障害により生じる。
疫学
- 年齢:65歳以上(CASES)。50歳以上にほぼ特異的(exclusively)(HIM.2126)
- 性別:女性>男性
- 人種:黒人には稀。南ヨーロッパでは少ないが、スカンジナビア(半島?)の人に多い。
- 50歳以上の発症率(annual incidence rates):6.9-32.8/10万人
- 合併:リウマチ性多発筋痛症と側頭動脈炎は合併しやすい
-
- HLA-DR4:家族内集積が見られた
- 側頭動脈炎とHLA-DRB1 locusが関連(特にHLA-DRB1*04)
病態生理
- 冒される血管:中程度から大きい動脈(全身の血管を冒すが、大動脈弓とその枝に多い)。例えば頚動脈の1~多枝(特に側頭動脈)。
- 側頭動脈が冒されるが、全身の中~大型の血管も冒されている。ただし症状は見られないことがある。(HIM.2126)
- 単核球が血管壁に浸入し巨細胞を形成 → 内膜が増殖、内弾性板の破壊 → 狭窄・閉塞&末梢組織の虚血
- (実験データに基づくと)側頭動脈炎は抗原の存在が原因 → Tリンパ球・マクロファージ、樹状細胞の活動により発症
- 血管壁に浸入したT細胞のTCRを遺伝的に解析すると、多様性が失われていたらしい → 血管壁になんらかの抗原が存在することを示唆(HIM.2126)
- 血管の外膜(CD4+ T細胞が活性化して一斉にマクロファージに分化するばしょ)が本疾患の発症機序の始まりである? (HIM.2126)
- 病変部に移動してきたT細胞は主にIL-2とIFN-γ(overt arteritisへの進展を伴うことを示唆)を産生する (HIM.2126)
症状
- 典型的な臨床像:50歳以上の患者で発熱、貧血、高ESR、頭痛(HIM.2126)
- その他:不定愁訴(malaise)、全身倦怠感(fatigue)、食欲不振、体重減少、多汗?(sweats)、関節痛、およびリウマチ性多発筋痛症の関連症状(HIM.2126)
- 頭痛:側頭動脈を冒されている患者では主要な症状。動脈の圧痛・結節を伴っていることがあり、病初期では拍動を触れるが後期には閉塞する。(HIM.2126)
- 頭皮痛・顎跛行・舌跛行も起こることがある。(HIM.2126)
- 眼 :未治療では虚血性視神経症により失明。ほとんどの患者では失明に先行して頭部の症状や眼に関連した症状が出現する。 (HIM.2126)
- その他(まれな?)の合併症:四肢の跛行、脳梗塞、心筋梗塞、内臓臓器の梗塞 (HIM.2126)
- 血管:大動脈瘤のリスク↑。病後期において大動脈解離とそれによる死亡につながる。
- リウマチ性多発筋痛症:近位筋の痛みと凝り(stiffness)。特に朝に著明。筋脱力のような症状が出るかもしれない(may simulate muscle weakness)(CASES)
- 側頭動脈炎 :冒された血管領域の激しい頭痛
- REU.212
- かすみ
- 一過性黒内障 amaurosis fugax
- 複視
- 失明
- https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12910568
|
発症時(%)
|
経過中(%)
|
発熱
|
25
|
33
|
体重減少
|
24
|
26
|
側頭部痛
|
58
|
80
|
脳梗塞
|
2
|
12
|
咬筋跛行
|
6
|
15
|
リウマチ性多発筋痛症
|
28
|
30
|
視力障害
|
32
|
44
|
虚血性視神経炎
|
17
|
21
|
失明
|
3
|
7
|
- uptodate
- 全身症状:発熱(1/2の患者で見られる。大抵微熱だが15%の例では39℃を超える)、倦怠感、体重減少
- 頭痛:2/3の症例で認められる。痛みがある部位は側頭部だけでなく、前頭部、後頭部、片側性、全般性いずれでもありうる。
- 顎跛行:1/2の症例で認められる。咀嚼時の下顎痛や咀嚼時の下顎疲労がありうる。
- 眼病変
- https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6205276/
検査
血液
一般
- 貧血(中等度)(CASES)。低色素~正色素の貧血(HIM.2126)
- 白血球:減少
生化学
- クレアチンキナーゼ:正常 ← 筋炎だったら上昇。筋逸脱酵素の上昇はみられない(HIM.2126)。
- 肝酵素:わずかに上昇(CASES)。肝機能の異常は通常みられ、特にALPが上昇(HIM.2126)。
免疫
炎症
- ESR:亢進(少なくとも40 mm/h)(CASES)
診断
- ESRの上昇やリウマチ性多発筋痛症様の症状の出現で側頭動脈炎を疑う(CASES)。
- 発熱 + 貧血 + 高ESR + 頭痛 + 50歳以上 + その他の症状(不定愁訴、疲労、食欲不振、体重減少、多汗、関節痛、±リウマチ性多発筋痛症の関連症状) (HIM.2126)
- 確定診断は側頭動脈生検 (HIM.2126)
- 確定診断のための生検は、「頭痛 + 側頭動脈炎疑い」で施行。
- →側頭動脈の生検(側頭動脈炎の病変は斑状(patchy)なので見つからないことも(CASES)。だけど確定診断になって治療方針が決まるから良いではないか)
- 病変は斑状に存在するので、3-5cmをまとめて生検した方が感度が上がる。
- 眼に症状が徴候が出ていたらすぐに生検をし、治療を遅らせるべきではない。糖質コルチコイド投与後14日後でも血管炎の存在を証明できる。糖質コルチコイドに対する反応性が良いことも診断のたすけとなる
鑑別診断「近位筋の筋力低下とこわばり」(CASES p.208)
- 多発筋炎、全身性血管炎、SLE、パーキンソン症候群、甲状腺機能低下症・甲状腺機能亢進症、骨軟化症
治療
- できるだけすぐに。生検の結果が来る前にでも(CASES)
- ESRを指標としてtaperingさせる。2年程度の継続が必要。
合併症
- 失明:毛様体動脈への障害(→視神経炎)、中心網膜動脈の閉塞による
予後
- 生命予後は良好で、疾患がない人と変わりがない(REU.215)。
予防
参考
- 1. HIM.2126
- 2. [charged] Clinical manifestations of giant cell (temporal) arteritis - uptodate [1]
- 3. 難病情報
http://www.nanbyou.or.jp/upload_files/File/041-201704-kijyun.pdf
PrepTutorEJDIC
- ground-controlled approach地上からの誘導着陸[装置]
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/05/25 18:23:02」(JST)
[Wiki ja表示]
巨細胞性動脈炎 |
顔面と頭蓋の動脈
|
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
M31.5-M31.6 |
ICD-9 |
446.5 |
OMIM |
187360 |
DiseasesDB |
12938 |
eMedicine |
neuro/592 |
Patient UK |
巨細胞性動脈炎 |
MeSH |
D013700 |
巨細胞性動脈炎(きょさいぼうせいどうみゃくえん、英: Giant-cell arteritis;GCA)は、リウマチ関連疾患の1つ。側頭動脈炎(そくとうどうみゃくえん (英: temporal arteritis)とも呼ばれていたが、血管炎の名称を定める国際基準CHCCの2012年改訂で現在の名前となった[1]。
目次
- 1 病因
- 2 症状
- 3 検査
- 4 分類基準
- 5 治療
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
- 8 参考文献
病因
詳細な原因は不明である。
症状
- 側頭動脈の自発痛
- 浅側頭動脈・後頭動脈の腫脹・硬化・圧痛・脈拍微弱/缺如、
- 拍動性の頭痛
- 発熱
- 視野欠損、失明
- 間歇性顎跛行 (jaw claudication; 食べ物を噛むときに頬に痛みがある。噛むことにより血流が不足するため。特異度が高い)
- 体重減少
などを認める。
検査
赤血球沈降速度 (ESR) 上昇、CRP増加、白血球数増加などが認められる。 眼底での動脈炎から失明を来たすことがあるため、眼底検査や眼科医の診察を受ける必要がある。 側頭動脈の生検が診断を下すうえで重要である。
- 超音波断層走査で側頭動脈、後頭動脈または滑車上動脈に低エコーの同心性血管壁肥厚(halo)が認められる。
- 典型例ではCRP ≧5mg/dL, ESR ≧50mm/1hr
分類基準
アメリカ・リウマチ学会(ACR) 1990年
- 発病年齢 50歳以上: 臨床徴候の出現が50歳以上
- 頭痛: 新たに出現し、新しい性質の頭部に限局した疼痛(片頭痛などと鑑別できる)
- 側頭動脈の異常: 側頭動脈の圧痛・拍動の低下
- 赤沈亢進: 赤沈(ESR) 50mm/hr以上
- 動脈生検異常所見: 単核球細胞浸潤あるいは多型核巨細胞をもつ肉芽腫性病変
以上の5項目のうち3項目を満足した場合を側頭動脈炎と診断する。
治療
ステロイドが奏効する。ただし15mg/dayの少量ステロイドでよいリウマチ性多発筋痛症と違い、側頭動脈炎ではプレドニゾロン40~60mg/dayの高用量を用いる。
関連項目
- リウマチ性多発筋痛症
- 関節リウマチ
- 多発筋炎
- RS3PE
- 線維筋痛症
外部リンク
- 難病情報センター 側頭動脈炎 特定疾患情報
- リウマチ膠原病診療診療blog
- メルクマニュアル 側頭動脈炎
参考文献
- 膠原病診療ノート ISBN 9784784953431
脚注
- ^ 高橋啓 「CHCC2012」の概要と改訂のポイント,2016年1月確認
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Japanese Journal
- リウマチ性多発筋痛症 (ここまでわかった自己免疫疾患) -- (膠原病と類縁疾患)
- 専門医部会 支部セミナーから 第11回東海支部専門医部会教育セミナー 原因不明の頭痛・倦怠感で入院し,入院後に胸痛と片麻痺を発症した81歳の女性
- 杉原 毅彦
- Frontiers in rheumatology & clinical immunology 5(2), 112-115, 2011-05
- NAID 40018856729
- 症例報告 側頭動脈炎を合併したannular elastolytic giant cell granuloma (AEGCG)の1例
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- 中・大動脈の動脈炎を主徴とする原因不明の疾患である。その部位は、頸動脈とその分 枝、特に側頭動脈の病変が主であり、大動脈とその分枝部の病変は10~15%にみ られる。臨床症状はリウマチ性多発筋痛症の症状を伴い、後述するように両者は極めて ...
- ウィキペディアは医学的助言を提供しません。免責事項もお読みください。 側頭動脈炎( そくとうどうみゃくえん、英: temporal arteritis)は、リウマチ関連疾患の1つ。巨細胞性 動脈炎 (Giant Cell Arteriris, GCA) とも呼ばれる。 目次. 1 病因; 2 症状; 3 検査; 4 分類 ...
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- 76歳の女性。両下肢のしびれ感を主訴に来院した。 5週前に両足先のしびれ感を自覚し、その後しびれ感は徐々に上行した。 3週前から 37℃台の発熱、 10日前から両足に紫斑が出現した。 5日前からは歩行困難を自覚したため受診した。体温 37.2℃。脈拍 76/分、整。血圧 148/88 mmHg。眼瞼結膜は貧血様である。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。両側の膝下から足先までの痛覚と触覚の低下、両側の足の振動覚と位置覚の低下を認める。徒手筋力テストで右足関節の背屈は 2、底屈は 4、左足関節の背屈は 3、底屈は 4と低下している。両側の膝蓋腱反射とアキレス腱反射は消失している。病的反射はない。尿所見:蛋白 2+、潜血 2+、沈渣に赤血球円柱 1~ 4 / 1視野。血液所見:赤血球 318万、 Hb 10.1 g/dl、Ht 31%、白血球 9,980(分葉核好中球 49%、好酸球 5%、単球 6%、リンパ球 40% )、血小板 21万。血液生化学所見:総蛋白 7.4 g/dl、アルブミン 3.2 g/dl、IgG 1,980 mg/dl(基準 960~1,960)、 IgA 297 mg/dl(基準 110~410)、IgM 113 mg/dl(基準 65~350)、 AST 28 IU/l、ALT 16 IU/l、LD 177 IU/l(基準 176~353)、 CK 27 IU/l(基準 30~140)、尿素窒素 21 mg/dl、クレアチニン 1.1 mg/dl、Na 135 mEq/l、K 4.4 mEq/l、Cl 98 mEq/l。CRP 2.9 mg/dl。下肢の写真 (別冊 No. 16)を別に示す。
- 診断として考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108D032]←[国試_108]→[108D034]
[★]
- 次の文を読み、 33、 34の問いに答えよ。
- 42歳の女性。頭痛を主訴に来院した。
- 現病歴: 3年前から月 1、2回の頭痛を自覚していた。頭痛は両側の後頭部を中心とした持続性の鈍痛で、肩こりを伴っている。夕方になると頭痛が悪化するが、生活に支障をきたすほどの痛みではない。家事などで体を動かしている時のほうが多少痛みは和らぐ感じがする。悪心はない。頭痛に大きな変化はないが、昨日知人が脳梗塞で入院したという話を聞き、心配になって受診した。
- 既往歴:スギ花粉症。
- 生活歴:事務職。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:父親が 56歳時にくも膜下出血で死亡。母親が高血圧症で治療中。
- 現症:意識は清明。身長 158 cm、体重 52 kg。体温 36.3℃。脈拍 76/分、整。血圧 118/72 mmHg。神経学的所見に異常を認めない。
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- 18歳の女子。1か月前から微熱と関節痛とが続くため来院した。上肢で測定した血圧は右128/70mmHg、左96/56mmHgである。左上胸部、頚部両側および上腹部に血管雑音を聴取する。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤沈50mm/1時間、赤血球420万、白血球10,200。血清生化学所見:総蛋白7.2gノdl、アルブミン3.6g/dl、尿素窒素14mg/dl、クレアチニン0.5mg/dl。CRP5.2mg/dl。最も考えられるのはどれか。
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[正答]
※国試ナビ4※ [105G048]←[国試_105]→[105G050]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108I012]←[国試_108]→[108I014]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097B047]←[国試_097]→[097B049]
[★]
[正答]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104I024]←[国試_104]→[104I026]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107F005]←[国試_107]→[107F007]
[★]
[★]
- 英
- fever of unknown origin FUO
- 同
- 原因不明熱
- 関
- 発熱、体温
- ジェネラリスト診療が上手になる本 p.9
定義
- 3週間以上の発熱。38.3℃以上、1週間の入院精査でも原因不明
鑑別疾患
3大疾患
- 1. 感染症(深部腫瘍、心内膜炎、結核、寄生虫、腸チフスなど)
- 2. 悪性疾患(悪性リンパ腫、白血病など)
- 3. 膠原病(血管炎、側頭動脈炎、成人still病など)
- 4. その他:薬剤性など
- ジェネラリスト診療が上手になる本 p.9
- (各種病原体)感染性心内膜炎、骨髄炎、伝染性単核球症、副鼻腔炎、齲歯
- (細菌)結核、腸チフス、リケッチア感染症
- (ウイルス)HIV感染症、サイトメガロウイルス感染症
- (真菌)ニューモシスチス肺炎、クリプトコッカス症
- (寄生虫)マラリア
- UCSF.44
- 感染症26%, 腫瘍13%, 非感染性炎症疾患24%
- 感染症:背臥位結核、心内膜炎、膿瘍(肝臓、脾臓、腎臓、後腹膜、骨、脳、耳、脊椎)、HIV感染症、サイトメガロウイルス感染症、カンジダ感染症、その他(尿路感染症、副鼻腔、骨髄炎)、入院患者(尿路感染、カテーテル感染症、偽膜性腸炎、褥瘡、蜂窩織炎)
- 腫瘍:悪性リンパ腫、白血病、腎細胞癌、肝癌、心房粘液腫、VAHS(ウイルス関連性血球貪食症候群)、LAHS(リンパ腫関連性血球貪食症候群)
- 非感染性炎症疾患:成人スティル病、SLE(全身性エリテマトーデス)、顕微鏡的多発血管炎(MPA)/多発性結節性動脈周囲炎(PN)/高安病、側頭動脈炎、リウマチ性多発筋痛症、サルコイドーシス、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)
- その他:薬剤熱、詐熱、肺塞栓症/深部静脈血栓症、脊椎損傷/頭蓋内疾患、副腎機能不全/甲状腺機能亢進症、家族性地中海熱、組織球性壊死性リンパ節炎(菊地病)
- 感染症専門医テキスト 第1部 解説編 p.53
- 不明熱の最終診断
診断
|
診断診断例 n=192
|
早期診断例 n=67
|
中期診断例 n=38
|
後期診断例 n=87
|
感染症
|
|
57(29.7)
|
25(37.3)
|
12(31.6)
|
20(23.0)
|
細菌性
|
|
43
|
1.8
|
8
|
17
|
心内膜炎
|
11
|
9
|
1
|
1
|
結核
|
8
|
0
|
0
|
8
|
尿跨感染症(1)
|
6
|
3
|
1
|
2
|
腹腔内膿瘍
|
5
|
2
|
2
|
1
|
骨・関節感染
|
4
|
2
|
1
|
1
|
その他の細菌感染
|
9
|
2
|
3
|
4
|
ウイルス性
|
|
10
|
5
|
3
|
2
|
CMV
|
6
|
2
|
3
|
1
|
EpsteinーBarrウイルス
|
3
|
3
|
0
|
0
|
HIV
|
1
|
0
|
0
|
1
|
寄生虫性(2)
|
|
4
|
2
|
1
|
1
|
悪性新生物
|
|
29(15.1)
|
5(7.5)
|
6(15.8)
|
18(20.7)
|
血液疾患
|
|
22
|
2
|
6
|
14
|
非Hodgkinリンパ腫
|
9
|
0
|
2
|
7
|
Hodgkin病
|
5
|
1
|
1
|
3
|
白血病
|
6
|
0
|
3
|
3
|
血管免疫芽球性リンパ酔症
|
2
|
1
|
0
|
1
|
固形癌
|
|
7
|
3
|
0
|
4
|
腺癌
|
5
|
2
|
0
|
3
|
その他(3)
|
2
|
1
|
0
|
1
|
非感染性炎症性疾患
|
|
68(35.4)
|
22(32.8)
|
.6)
|
34(39.1)
|
結合織疾患
|
|
35
|
15
|
6
|
14
|
成人Still病
|
18
|
5
|
4
|
9
|
SLE
|
8
|
5
|
1
|
2
|
リウマチ性多発性筋痛症
|
3
|
3
|
0
|
0
|
関節リウマチ
|
2
|
0
|
0
|
2
|
Sjogren症候群
|
2
|
1
|
0
|
1
|
その他(4)
|
2
|
1
|
1
|
0
|
血管炎症候群
|
|
19
|
5
|
3
|
11
|
巨細胞性動脈炎
|
11
|
4
|
3
|
4
|
Wegener肉芽腫症
|
2
|
1
|
0
|
1
|
結節性多発性動脈炎
|
2
|
0
|
0
|
2
|
その他(5)
|
4
|
0
|
0
|
4
|
肉芽腫性疾患
|
|
14
|
2
|
3
|
9
|
サルコイドーシス
|
10
|
0
|
2
|
8
|
Crohn病
|
4
|
2
|
1
|
1
|
その他
|
|
39(18.1)
|
15(22.4)
|
8(21.1)
|
15(17.2)
|
亜急性甲状腺炎
|
6
|
3
|
1
|
2
|
Addison病
|
2
|
0
|
1
|
1
|
心筋梗塞後症候群
|
2
|
1
|
0
|
1
|
肺動脈塞栓症
|
2
|
1
|
0
|
1
|
習慣性高体温症
|
11
|
6
|
3
|
2
|
薬剤熱
|
4
|
3
|
0
|
1
|
詐熱
|
1
|
1
|
0
|
0
|
その他(6)
|
10
|
0
|
3
|
7
|
- 数値は症例数で( )内は比率. %表示
- 1) 膿瘍を除く実質感染
- 2) マラリア(2例)、ジアルジア症、トリパノソーマ症を含む
- 3) germinoma, hypernephromaを含む
- 4) Reiter症候群, 多発性筋炎を含む
- 5) Behcet病, Schönlein-Henoch紫斑病, Schnitzler症候群, 分類不能型血管炎を含む
- 6) Sweet症候群, 原発性硬化性胆管炎, アルコール性肝炎, 出血を伴う巨大肝血管腫, 間質性肺炎, 特発性胸膜心膜炎, 特発性好酸球増多症候群, リンパ節の炎症性偽腫瘍, 後腹膜線維症, 線状IgA水疱症
- (Vanderschueren S. Knockaert D. et al. : From prolonged febrile illness to fever of unknown origin: the challenge continues. Arch Intern Med. 2003 : 163 : 1033-1041)
診断
問診
- 既往歴、家族歴、職業歴、旅行歴、薬剤歴、sick contact、動物との接触、同性とのまたはハイリスクな性的接触の有無、現病歴と発熱パターン、輸血歴
診察
- リンパ節腫脹、肝脾腫、心雑音、圧痛
- 培養
- 胸部XP
- 抗核抗体,C3,C4,RF,赤沈
- 抗HIVコウタイ
- 皮膚生検
- ツベルクリン反応/クオンティフェロン
- 腹部エコー
- 造影CT
- 心エコー:心内膜炎を最も疑えば経食道心エコーを。
- ガリウムシンチ
- 骨髄生検
- 腰椎穿刺
- 頭部CT
- 大腸ファイバー
- 肝生検
[★]
- 英
- aortitis syndrome
- 同
- 高安動脈炎 Takayasu arteritis Takayasu's arteritis TA、高安病 Takayasu's disease Takayasu disease、脈なし病 pulseless disease、高安閉塞症 Takayasu occlusive disease、特発性肉芽腫性動脈炎 idiopathic granulomatousarteritis
- 関
- 難病、血管炎
概念
病因
疫学
- 日本が世界的に多く、アジア諸国(インド、中国など)、ソ連、メキシコ、南アフリカでもみられる。(参考3)
- 1.2-2.6/100万人 (HIM.2127)
- 若年者。 10-40歳(PHD.360)
- 女性に多い
- 男:女=1:10 1:9(IMD YN.C-151)
我が国が世界でもっとも多いといわれている。でも少なくないようである。←日本語の意味が分からない
病理
- 大動脈や分岐幹動脈など弾性型動脈が侵される。大動脈弓から下行大動脈にかけて好発する。とくに腕頭動脈、総頚動脈、鎖骨下動脈の分岐部に多い。(参考3)
- 病変は外膜から進行し、中膜がもっとも強く侵される。動脈壁全層が肥厚し、内腔は狭窄にて閉塞する。(参考3)
- 線維化をともなう肉芽腫性血管炎。管腔の狭小化が顕著。(PHD.361)
- 内膜の過形成。中膜、外膜の肥厚。慢性期には線維化と内腔の狭窄。(HIM.1567)
- there are marked intimal proliferation and fibrosis, scarring and vascularization of the media, and disruption and degeneration of the elastic lamina.(HIM.2127)
- 炎症性の単核球の浸潤がみられ、時に巨核球が見られる。(HIM.2127)
- 連続・斑状の肉芽腫性炎症が見られ、リンパ球、組織球、多核巨細胞が見られる(PHD.361) → 内膜の増殖、男性板の破壊、線維化
症状
- 早期には全身症状、慢性期には血管内腔狭窄・閉塞による症状が出る
- 全身症状:発熱、盗汗、全身倦怠感、食欲不振、関節痛、体重減少
- 血管狭窄・閉塞による症状:上肢の跛行、脳虚血、失神、(時に)狭心症
- 皮膚症状:結節性紅斑、壊死性膿皮症
閉塞部位と症状 HIM.2127
table 319-6 Frequency of Arteriographic Abnormalities and Potential Clinical Manifestations of Arterial Involvement in Takayasu's Arteritis
|
動脈
|
動脈造影状の異常(%)
|
来しうる症状
|
鎖骨下動脈
|
93
|
上肢の跛行(arm claudication)、レイノー症候群
|
総頚動脈
|
58
|
視覚の変化、失神、TIA、脳梗塞
|
腹部大動脈
|
47
|
腹痛、悪心、嘔吐
|
腎動脈
|
38
|
高血圧、腎不全
|
大動脈弓/大動脈根部
|
35
|
大動脈弁閉鎖不全症、うっ血性心不全
|
椎骨動脈
|
35
|
視覚の変化(visual change)、めまい
|
腹腔動脈
|
18
|
腹痛、悪心、嘔吐
|
上腸間膜動脈
|
18
|
腹痛、悪心、嘔吐
|
腸骨動脈
|
17
|
下肢の跛行(leg claudication)
|
肺動脈
|
10?40
|
非定型的な胸痛(atypical chest pain)、呼吸困難
|
冠状動脈
|
<10
|
胸痛、心筋梗塞
|
資料3
表1 大動脈炎症候群の症状出現頻度
|
症状
|
頻度(%)
|
脳循環障害(めまい、頭痛、失神)
|
60
|
眼症状
|
20
|
心症状(狭心症様症状)
|
60
|
高血圧
|
50
|
四肢循環障害(しびれ、冷感、脈拍欠損)
|
70
|
全身症状(発熱、倦怠感)
|
70
|
身体所見
- 脈を触れない
- 血圧の左右差、上下肢差(下肢>>上肢) ← 鎖骨下動脈が冒される事による
- 血管雑音 ← 血管内腔の狭窄による
- 高血圧:32-93%の患者で(HIM. 2127)
- (古典的?)脈なし病の三徴:(1)上肢の脈を触れない、(2)眼底変化(後期の変化に花冠状動静脈吻合、花環状動静脈吻合)、(3)頚動脈反射亢進(参考4)
- 上半身に脈を触れず、進行すると頚動脈反射亢進により頭部を後屈させると脈拍数減少、血圧低下、失神、過呼吸をきたす。緩徐に進行する血圧低下に伴う血流速度低下により網膜血管が拡張、また毛細血管瘤が耳側周辺部から眼底全体に広がる。視神経乳頭を取り巻いて馬蹄形または花環状の動静脈吻合が形成されるようになる。(SOP.144)
検査
- ESR上昇、CRP上昇
- 単純CT:全周性に血管壁が肥厚。肥厚した血管壁に高吸収を認めることがある。
- 造影CT:中膜から外膜にかけて造影効果あり。内膜は造影されない。
診断
- 参考1-1
- 1. 確定診断は画像診断(DSA,CT,MRA)によって行う。
- 2. 若年者で血管造影によって大動脈とその第一次分枝に閉塞性あるいは拡張性病変を多発性に認めた場合は、炎症反応が陰性でも大動脈炎症候群(高安動脈炎)を第1に疑う。
- 3. これに炎症反応が陽性ならば、大動脈炎症候群(高安動脈炎)と診断する。
- 4. 上記の自覚症状、検査所見を有し、下記の鑑別疾患を否定できるもの。
鑑別診断
合併症
- 大動脈弁閉鎖とそれによる心不全、大動脈瘤、腎血管性高血圧、膠原病 (YN.C-152)
- 骨関節病変、慢性甲状腺炎 (YN.C-152)
治療
薬物療法
外科療法&カテーテルインターベンション
外科療法
死因
- うっ血性心不全、心筋梗塞、脳梗塞・脳出血、腎不全、肺梗塞 (YN.C-151)
予後
参考
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/290
- http://www.nanbyou.or.jp/upload_files/065_s.pdf
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2008_ozaki_h.pdf
- http://www.nanbyo.or.jp/zaidan/nanbyo/tokuteisikkan_list/13/content13.html
- 4. 2.螢光眼底血管造影法による脈なし病網膜血行動態の観察と,本病網膜血管病変の組織学的研究 生井浩 松井弘治
- http://journal.akademi.jp/jca/pdf/19701005/jca_1970_1005_0253_0.pdf
[★]
- ラ
- polymyalgia rheumatica PMR
- 同
- リウマチ性多発筋痛
- 関
- 関節痛
概念
- 原因不明の慢性炎症性疾患。
- 50歳以上の中高年で好発し、両側性の頸部、肩および上腕部、腰部の疼痛と朝のこわばりが特徴で、筋病変はなく滑膜炎が主な病態である。
- 検査ではCRPと赤沈亢進程度の変化しかない。
- 少量のステロイド薬が有効で、生命予後は良好である。
疫学
- 50歳以上の年齢層において0.1%弱の患者が存在するらしい
- 側頭動脈炎(巨細胞動脈炎)の30%にリウマチ性多発筋痛症を合併する
- 日本内科学会雑誌 第103巻 第10号 H26.10.10
- 70歳代に発症のピーク
- 男女比は1:2
- 海外のデータでは50歳以上の40-60人に1人が発症しているが、日本の発症頻度は不詳。
臨床症状
- REU.211改変
- 体部(肩、頚、殿部)、四肢近位の痛みとこわばり。左右差はなし。起床時に著明
- 全身症状(1/3の症例)
- 日本内科学会雑誌 第103巻 第10号 H26.10.10
- 関節・筋肉:体幹から四肢近位側「後頚部から肩関節、上腕」「腰背部から股関節、大腿」にある日突然の朝のこわばり、筋肉痛、関節痛、可動域制限が出現する。関節のこわばりは安静時に増悪することが多い
- 全身:(40-50%の例)持続的な微熱、全身倦怠感、食欲低下、体重減少、抑うつ
- 注意:頭痛、視野異常、複視、視力低下、顎跛行が見られる場合には側頭動脈炎を疑って問診と診察を勧める。
- Neurorheumatology: A Comprehenisve Guide to Immune Mediated Disorders of the Nervous System p.106
- Symptom are of abrupt onset, and are typified by intense aching and stiffness, worse with inactivity. Prominent morning stiffness is incariable, and nocturnal pain is common. Symptoms are proximally distributed about the upper arms, posterior neck, and thighs; a classic symptom is an inability to abduct the shoulders past 90° because of stiffness in PMR from synovitis and bursitis.
身体所見
- REU.211
- ほとんどなし
- 肩の動き: 悪いことがある
- 関節炎: あっても軽い(膝・手首)
- 両手・両足の腫れを伴うことも(腱鞘炎、RS3PE様)
検査所見
- 赤沈値亢進 1H 50>
- CRP高値
- CK正常
- リウマトイド因子陰性
- 抗核抗体陰性
- 日本内科学会雑誌 第103巻 第10号 H26.10.10
- PMRを疑ったらまず、スクリーニング:赤沈、CRP、RF、抗CCP抗体を測定
- 赤沈、CRP:典型的にはいずれも陽性となるが、陰性のこともある。
- 滑膜の炎症を反映してMMP-3が上昇することがある。
- 原因は不詳であるが、約半数例でAPLの上昇が見られる。
- 除外疾患のための検査:RF、抗CCP、抗核抗体、UA、Ca、CK、TSH、FT4、尿定性、尿中BJ蛋白、血清蛋白電気泳動、P-ANCA、C-ANCA、血清β2ミクログロブリン、腫瘍マーカー
診断
- PMR分類基準をみたし、その他の疾患が否定されなければならない。
PMR分類基準(EULAR/ACR 2012
必須条件
スコアリング
項目
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エコー無し
|
エコー有り
|
朝のこわばり(≧45分)
|
2
|
2
|
臀部の痛み and/or 可動域制限
|
1
|
1
|
RF陰性+抗CCP抗体陰性
|
2
|
2
|
肩と腰以外の関節に症状無し
|
1
|
1
|
関節エコーで一箇所以上の肩関節+一箇所以上の股関節に滑液包炎 (肩:三角筋下滑液包炎 or 上腕二頭筋腱鞘滑膜炎 or 肩甲上腕筋滑膜炎) (股:股関節滑膜炎 or 大転子部滑液包炎)
|
|
1
|
関節エコーで両側の肩関節に滑液包炎 (三角筋下滑液包炎 or 上腕二頭筋腱鞘滑膜炎 or 肩甲上腕筋滑膜炎)
|
|
1
|
計
|
≧4点
|
≧5点
|
感度
|
65%
|
66%
|
特異度
|
78%
|
81%
|
鑑別疾患
- REU212
- 初期関節リウマチ:手指、足趾などの小関節に腫脹と圧痛を認める。
- 多発性筋炎
- ウイルス感染
- 寄生虫感染
- 細菌性心内膜炎:歯科治療歴や心雑音を確認する
- 甲状腺機能低下症:全身の痛みを訴えることがある。
- 悪性腫瘍、白血病
- 線維性筋痛症:全身に痛みがあると言うことが多い
- 脊椎関節症
- 日本内科学会雑誌 第103巻 第10号 H26.10.10
- 関節リウマチ
- 脊椎関節炎
- 結晶性関節炎
- RS3PE症候群
- 炎症性筋疾患:多発筋炎/皮膚筋炎
- 膠原病
- 血管炎症候群:巨細胞性動脈炎・ANCA関連血管炎
- 変形性関節炎
- 腱板損傷
- 癒着性関節包炎
- 線維筋痛症
- パーキンソン病
- 老人性うつ病
- ビタミンD欠乏症
- 薬剤性(スタチンによる横紋筋融解症など)
治療
- https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26352874
- PMRに対する標準的なプレドニゾロン投与方法は以下の通り。
プレドニゾロン投与量
|
投与期間
|
12.5mg~25mg (0.25~0.3mg/kg)
|
4~8週で10mgまで減量
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10mg
|
4週
|
9mg
|
4週
|
8mg
|
4週
|
7mg
|
4週
|
6mg
|
4週
|
5mg
|
4週
|
4mg
|
4週
|
3mg
|
4週
|
2mg
|
4週
|
1mg
|
4週
|
中止
|
4週
|
ステロイド治療はいつ終わりにできるか
- 徐々に減少する。自然消退する疾患ではあるが、2-3年ほど継続を要することが多い(REU212)
- 日本内科学会雑誌106巻10号
- 再発率は2年で50%
- 再発例に対してPSLの増量で寛解導入し、5年後に約70%の例でステロイドを中止できたことが報告されている。
予後
- 生命予後は良好
- 経過中に側頭動脈炎を発症することがある。
[★]
- 英
- vomiting, emesis
- ラ
- vomitus
- 関
- 悪心、嘔気 nausea、悪心・嘔吐 nausea and vomiting
概念
- 胃の内容物をはき出す現象。
- 胃または腸内容が食道を経て口腔より吐出される現象。
嘔吐中枢
嘔吐中枢の近傍に存在するもの
- 呼吸中枢、血管運動中枢、消化管運動中枢、唾液分泌中枢、前庭神経核
随伴症状
- 発汗、唾液分泌、顔面蒼白、脈拍微弱、徐脈、頻脈、血圧の動揺、めまいなど
症状の出現形式と原因の所在
噴水状、噴射状嘔吐
- projectile vomiting is where stomach contents 'shoot out' (like a fountain) to a distance sometimes many feet away.
嘔吐に関わる経路
- IMD.351
- 1. 嘔吐中枢(延髄網様体背側神経背側核近傍)への直接刺激(脳圧亢進、循環障害)
- 2. 化学受容体誘発帯(CTZ; 第四脳室底)への刺激(代謝異常や中毒による化学物質の作用) → 1.
- 3. 大脳皮質(中枢神経など高位中枢)からの入力 → 1.
- 4. 求心性迷走神経や交感神経を介する入力 → 1.
原因
小児科で遭遇する嘔吐の原因