播種性血管内凝固症候群 disseminated intravascular coagulation DIC
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播種性血管内凝固症候群 (DIC) |
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
D65. |
ICD-9 |
286.6 |
DiseasesDB |
3765 |
eMedicine |
med/577 emerg/150 |
MeSH |
D004211 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
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播種性血管内凝固症候群(はしゅせい けっかんない ぎょうこ しょうこうぐん、英 disseminated intravascular coagulation:DIC)は、本来、出血箇所のみで生じるべき血液凝固反応が、全身の血管内で無秩序に起こる症候群である。 早期診断と早期治療が求められる重篤な状態である。
- 【同義語】播種性血管内凝固、汎発性血管内凝固、汎発性血管内凝固症候群【類義語】消費性凝固障害(consumption coagulopathy)
目次
- 1 病態
- 2 分類
- 3 基礎疾患
- 4 症状
- 5 検査
- 6 診断
- 7 治療
- 8 禁忌治療
- 9 外部リンク
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病態
全身血管内における持続性の著しい凝固活性化により微小血栓が多発し、進行すると微小循環障害による臓器障害をきたすとともに、凝固因子・血小板が使い果たされる(微小血栓の材料として消費される。医学的には消費性凝固障害と言う)ため、出血症状が出現する。凝固活性化とともに、線溶活性化(血栓を溶かそうとする生体の反応)もみられる。血を止めるための血栓(止血血栓)が、過剰な線溶により溶解することも出血の原因となる。
- 凝固活性化の機序
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- 敗血症 - エンドトキシンやサイトカインの作用により、単球/マクロファージや血管内皮からの組織因子(tissue factor: TF,かつては組織トロンボプラスチンと言われた)発現が亢進し、また、血管内皮における凝固阻止物質であるトロンボモジュリンの発現が低下するために、凝固活性化をきたす。一方、線溶阻止物質であるプラスミノゲンアクチベーターインヒビター(PAI)の発現が亢進するため、生じた微小血栓は溶解しにくく、臓器障害をきたしやすい(敗血症に合併したDICの病態)。
- 癌、急性白血病 : がん細胞や白血病細胞に発現した組織因子により、凝固活性化をきたす。
分類
- 急性DICと慢性DIC:DICの経過により分類。急性DICは、敗血症、外傷、急性白血病、常位胎盤早期剥離に合併した場合など、慢性DICは、腹部大動脈瘤、固形癌に合併した場合など。
- 代償性DICと非代償性DIC:代償性DICでは、止血因子である血小板や凝固因子が血栓の材料として消費されているものの、骨髄からの血小板産生や肝臓からの凝固因子産生が十分であるため、血中止血因子濃度(活性)の低下がみられない病態を意味する(いわば、止血因子が動的平状態にあり維持されている)。消費性凝固障害を伴う(血中止血因子の低下をきたす)と非代償性DIC。
- 顕性DIC(overt DIC)と非顕性DIC(non-overt DIC):DICの臨床症状(出血症状及び臓器症状)がみられると顕性DIC。
- 線溶抑制型DIC、線溶均衡型DIC、線溶亢進型DIC:
- 線溶抑制型DIC:線溶阻止因子PAIの上昇により、線溶抑制状態にあるDIC。多発した微小血栓が溶解されにくく微小循環障害に伴う臓器障害をきたしやすい。臓器障害はしばしば重症化するのに対して、出血症状は意外とみられにくい。敗血症に合併したDICに代表される。
- 線溶均衡型DIC:凝固活性化にみあった線溶活性化がみられ、進行例を除いて、出血症状、臓器症状ともにみられにくい。固形癌に合併したDICに代表される。
- 線溶亢進型DIC:凝固活性化にみあった以上の著しい線溶活性化がみられ、出血症状はしばしば重症化するが、臓器症状はほとんどみられない。急性前骨髄球性白血病や腹部大動脈瘤の進行例に合併したDICに代表される。
- DICの病型分類の図(2008年改訂版)
基礎疾患
妊娠合併症(産科疾患(胎盤性組織因子の血管侵入))や敗血症(グラム陰性桿菌の感染症)、悪性腫瘍(膵・胆系腫瘍、組織因子の血管内漏出)、急性白血病(白血病細胞内の組織因子)、外傷、熱傷、膠原病(血管炎合併)、肝臓疾患(肝硬変、劇症肝炎)、膵臓疾患(急性膵炎)、脱水など様々な生体ストレスが原因になりうる。 妊娠合併症としては常位胎盤早期剥離、羊水塞栓などが知られており、しばしば重篤な出血症状、血圧低下(ショック)がみられる。
症状
典型例では、微小血栓による循環不全(腎不全、肺塞栓による呼吸困難・チアノーゼ、ショックなど)、凝固因子・血小板減少や線溶活性化による出血症状(粘膜出血、止血不良、脳出血、皮膚出血性、血尿、消化管出血など)、中枢神経症状(意識障害、痙攣、昏睡)、臓器虚血(多臓器不全)がみられる。ただし、症状がみられると予後不良であり、症状のみられない間に診断治療することが予後改善の観点からは重要である。
検査
- 血液検査
- フィブリノゲン(fibrinogen)低下 : 血管内で無秩序に起こる異常な凝固亢進状態により、凝固因子の一つであるフィブリノゲンが消費されて、低下する。
- 血小板数低下:消費されて低下する。
- プロトロンビン時間延長 : 凝固因子の消費を反映。ただし、肝不全やビタミンK欠乏症の合併でも延長する。
- アンチトロンビン (=antithrombin)活性低下:ただし、急性白血病に合併したDICではほとんど低下することはない。また、肝不全の合併でも低下する。
- D-ダイマー(=D-dimer)上昇:微小血栓溶解を反映(Dダイマー検査)。
- FDP(=fibrin/fibrinogen degradation products)上昇:微小血栓溶解を反映。ただし、D-ダイマーとは異なり、フィブリノゲン分解も反映。
- TAT (=thrombin antithrombin complex)上昇:凝固活性化のマーカー。DICでは必ず上昇する(TAT検査)。
- PIC (=plasmin α2-plasmin inhibitor complex)上昇:線溶活性化のマーカー。DICの基礎疾患により上昇度は異なる。急性白血病では上昇しやすいが、敗血症では上昇しにくい。
- 末梢血塗沫標本
- 破砕赤血球出現 : ただし、破砕赤血球はDICに特徴的という訳ではない。むしろ、血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒症症候群などで特徴的である。
診断
DIC 診断については、厚生省の診断基準(前川ら、1988年)を用いて行う。 近年、急性期DIC診断基準も公表されているが、血液疾患には適応できない。
急性期DIC診断基準 vs. 旧厚生省(厚労省)DIC診断基準の長所と短所(参考記事)
産科におけるDIC(産科DIC)の診断には「産科DICスコア」(真木ら、1985年)を用いて行う。(参考記事)
治療
治療はまず第一に基礎疾患の治療である。DICの本態は生体内における著しい凝固活性化であるため、それを阻止するために、血を固まりにくくする抗凝固薬(ヘパリンなど)の投与を行う。ヘパリンの作用はアンチトロンビン(AT)を介しているため、AT活性の低下した症例に対しては、AT濃縮製剤(アンスロビンP、ノイアート、ノンスロン)を併用する。合成プロテアーゼインヒビター(メシル酸ガベキサート、メシル酸ナファモスタット)が使用されることもある。ウリナスタチンは保険非適用だが併用されることもある。また2008年5月には遺伝子組み換え型のトロンボモジュリンが製剤化され臨床での使用が可能となった(リコモジュリン)。
血小板数が低下した症例に対しては濃厚血小板の輸血、凝固因子が低下した症例に対しては新鮮凍結血漿の輸注が行われることもある(補充療法)。以前はこれらの治療は「燃えている火に油を注ぐ事になる」(微小血栓の材料を提供する)ので慎重投与すべきという考えもあったが、現在は必要があればヘパリンの投与下に補充療法を行う。
急性前骨髄球性白血病 (APL) ではDICはほぼ必発である。APLの分化誘導治療薬であるATRAは、APLに合併したDICに対しても有効であり、しばしばAPLの改善よりも早くDICをコントロールすることができる。 なお、APLに対してATRAを投与中は、絶対にトラネキサム酸(トランサミン)を投与してはいけない(APLに対するATRAとトラネキサム酸)。
禁忌治療
線溶が抑制された状態にあるDIC(敗血症に合併したDICなど)に対しては、抗線溶療法は臓器障害を悪化させるため禁忌である。悪性腫瘍に合併したDICにおいても、抗線溶療法による突然死(血栓症)の報告がある。APLにATRAを使用している場合も、抗線溶療法による突然死(血栓症)の報告がある。
線溶活性化が著しく出血のコントロールに難渋する場合にのみ、ヘパリン併用下における抗線溶療法が出血のコントロールに有効である場合があるが、その使用方法には充分な注意が必要である(不適切な使用により臓器障害を悪化させる可能性がある)。
外部リンク
- 日本血栓止血学会
- 血栓症・止血異常症診療センター
- 日本DIC研究会
- 血液・呼吸器内科のお役立ち情報
- 厚労省重篤副作用疾患別対応マニュアル(DICを含む)
- 日本産婦人科・新生児血液学会
血液・造血器疾患 |
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疾患 |
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赤血球異常
- 貧血
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鉄代謝異常性
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鉄欠乏性貧血 - 鉄芽球性貧血
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巨赤芽球性
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悪性貧血 - 葉酸欠乏性貧血 - ビタミンB12欠乏性貧血
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造血幹細胞異常性
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再生不良性貧血 - 赤芽球癆 - 発作性夜間血色素尿症 - 骨髄異形成症候群
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溶血性
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遺伝性球状赤血球症 - 免疫介在性溶血性貧血 - 自己免疫性溶血性貧血 - 赤血球破砕症候群 - 薬剤性溶血性貧血
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ヘモグロビン異常性
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鎌状赤血球症 - メトヘモグロビン血症 - サラセミア
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白血球異常
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白血病
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急性白血病
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急性骨髄性白血病 - 急性前骨髄球性白血病 - 急性リンパ性白血病
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骨髄増殖性
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慢性骨髄性白血病 - 慢性骨髄単球性白血病 - 慢性好中球性白血病 - 慢性好酸球性白血病/特発性好酸球増加症候群 - 真性多血症 - 本態性血小板血症 - 骨髄線維症
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骨髄異形成/骨髄増殖性
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慢性骨髄単球性白血病 - 非定型慢性骨髄性白血病 - 若年性骨髄単球性白血病
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悪性リンパ腫
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非ホジキンリンパ腫
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びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫 - 濾胞性リンパ腫 - マントル細胞リンパ腫
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ホジキンリンパ腫
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慢性リンパ性白血病 - 成人T細胞白血病 - 有毛細胞性白血病 - 皮膚T細胞リンパ腫
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組織球異常
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ランゲルハンス細胞組織球症 - 血球貪食症候群
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骨髄腫
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多発性骨髄腫 - マクログロブリン血症 - 本態性M蛋白血症 - 重鎖病
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無顆粒球症 - 白血球機能異常症 - 伝染性単核球症 - 類白血病反応 - 脾機能亢進症 - クロウ・フカセ症候群 - キャッスルマン病
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血小板異常
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血小板減少性紫斑病
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特発性血小板減少性紫斑病 - 血栓性血小板減少性紫斑病 - 溶血性尿毒症症候群
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血小板機能異常症
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ベルナール・スリエ症候群 - 血小板無力症
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血液凝固障害
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血友病 - フォン・ヴィレブランド病 - 播種性血管内凝固症候群
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血管性
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遺伝性出血性毛細血管拡張症 - アレルギー性紫斑病
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検査 |
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血液生化学
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血清鉄 - 貯蔵鉄 - フェリチン - トランスフェリン - 総鉄結合能 - 不飽和鉄結合能
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血球計算
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赤血球数
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網状赤血球 - 赤血球指数(平均赤血球容積 - 平均赤血球血色素量 - 平均赤血球血色素濃度
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血色素
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ヘマトクリット - ヘモグロビン
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鉄動態
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凝固・線溶系
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プロトロンビン時間 - 活性化部分トロンボプラスチン時間 - フィブリノーゲン
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クームス試験 - 赤血球沈降速度
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治療 |
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内科的手法
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外科的手法
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骨髄移植 - 造血幹細胞移植
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 敗血症性ショックと播種性血管内凝固症候群を合併した気腫性膀胱炎の1例
- 仁科 雅良/須賀 弘泰/出口 善純/横山 利光/佐藤 孝幸/西久保 俊士/増田 崇光/中川 隆雄
- 東京女子医科大学雑誌 81(3), 185-188, 2011-06-25
- … 今回我々は敗血症性ショックと播種性血管内凝固症候群を合併した気腫性膀胱炎の1例を経験したので報告する。 … 気腫性膀胱炎では敗血症性ショックや播種性血管内凝固症候群を合併することを念頭におくべきである。 …
- NAID 110008585261
- 加藤 琢磨,山本 議仁,松岡 祐貴,桑田 善弘,田岡 輝久,香月 奈穂美,串田 吉生,筧 善行
- 日本泌尿器科學會雜誌 102(1), 28-33, 2011-01-20
- … 播種性骨髄癌腫症は固形癌のびまん性骨転移によって播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation;DIC),白赤芽球症(leukoerythroblastosis),最小血管障害性溶血性貧血(microangiopathic hemolytic anemia;MHA)を呈し,急激に予後不良な経過をたどる病態である.本症を併発した前立腺癌の2例を経験した.前立腺癌による播種性骨髄癌腫症の報告は稀であり,若干の文献的考察を加え報告する.症例1:61歳男性.PSA高値にて当科を紹介された. …
- NAID 110008440745
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- 播種性血管内凝固症候群(DIC)とはどんな病気か 元来、正常な血管内では、血管内皮の抗血栓性や血液中の抗凝固因子のはたらきにより、血液は凝固しないような仕組みをもっています。 播種性血管内凝固症候群(DIC)は ...
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- 次の文を読み、50-52の問いに答えよ。
- 34歳の1回経産婦。妊娠31週5日に周産期管理目的で紹介され来院した。
- 現病歴: 半年前に無月経を主訴として自宅近くの診療所を受診し、妊娠7週と診断された。診療所で健診を受けていたが、妊娠10週時に胎児頭殿長 CRLから分娩予定日が補正された。補正後の妊娠16週ころから[[[尿糖]]陽性が時々認められていたが、27週時から尿糖強陽性(定性試験で3+)が出現したため29週時に75g経口ブドウ糖負荷試験 OGTTが施行された。負荷前値: 110mg/dl、1時間値: 204mg/dl、2時間値 168mg/dlであった。
- 既往歴: 特記すべきことはない。耐糖能低下を指摘されたことはない。
- 月経歴: 初経11歳。月経周期28日、整。持続5-6日。月経障害なし。
- 妊娠・分娩歴: 25歳時に正常経腟分娩(妊娠39週、3,790g)。
- 家族歴: 母が糖尿病。
- 現 症: 意識は清明。身長156cm、体重76kg(妊娠前体重62.5kg、BMI 25.7)。体温37℃。脈拍88/分、整。血圧136/86mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。下腿浮腫を認めない。内診で胎児先進部は児頭で子宮口は閉鎖。超音波検査で子宮頚管長は4.2cmで胎児推定体重は2,200g(+1.8SD)、明らかな奇形は認めない。Biophysical profile scoreは10点である。
- 検査所見 尿所見:蛋白(-)、糖2+、ケトン体(-)。血液所見:赤血球 305万、Hb 10.2 g/dl、Ht 31%、白血球 6,900、血小板 11万。血液生化学所見:血糖 148mg/dl、HbA1c 6.8%、総蛋白 7.0g/dl、アルブミン 4.2g/dl、尿素窒素 16mg/dl、クレアチニン 0.6mg/dl、尿酸 7.8mg/dl、総コレステロール 240mg/dl、トリグリセリド 130mg/dl、総ビリルビン 0.8mg/dl、直接ビリルビン 0.5 mg/dl、AST 40IU/l、ALT 48IU/l、LD 320IU/l(基準176-353)、ALP 270IU/l(基準115-359)。
- その後の経過 入院後1週間加療を行った時点で治療継続を拒否し、退院した。退院後は受診していなかったが、妊娠35週4日に少量の性器出血と右季肋部痛とを主訴に来院した。再入院時の脈拍104/分、整。血圧160/104mmHg。尿蛋白100mg/dl。血液所見:赤血球 270万、Hb 9.0g/dl、Ht 28 %、白血球 9,200、血小板 9.0万。血液生化学所見: AST 480IU/l、ALT 460IU/l、LD 700IU/l(基準176-353)。緊急帝王切開を行うこととした。
- 注意すべき母児の合併症はどれか。3つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [104B051]←[国試_104]→[104B053]
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- 次の文を読み、60~62の問いに答えよ。
- 46歳の女性。急性虫垂炎の手術のため入院中である。
- 現病歴:3日前に急性虫垂炎のため虫垂切除術を施行した。昨日から38.0℃の発熱を認めているため、本日の朝に診察を行った。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:喫煙歴と飲酒歴はない。
- 家族歴:父親が膵癌のため68歳で死亡。
- 現症:意識レベルはJCSⅠ-1、GCS 15(E4V5M6)。身長 155cm、体重 48kg。体温 37.2℃。脈拍 112/分、整。血圧 78/40mmHg。呼吸数 28/分。SpO2 94%(room air)。頸部リンパ節に腫脹を認めない。心音に異常を認めない。呼吸音は左下胸部で減弱し、coarse cracklesを聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腹部の手術創部に異常を認めない。背部に叩打痛を認めない。両下腿に浮腫を認める。
- 検査所見:血液所見:赤血球 388万、Hb 11.2g/dL、Ht 36%、白血球 9,800(桿状核好中球 39%、分葉核好中球 45%、好酸球 3%、好塩基球 2%、単球 4%、リンパ球 7%)、血小板 18万、Dダイマー 3.4μg/mL(基準 1.0以下)。血液生化学所見:総蛋白 6.5g/dL、アルブミン 2.9g/dL、尿素窒素 21mg/dL、クレアチニン 1.2mg/dL、Na139mEq/L、K 4.1mEq/L、Cl 108mEq/L。CRP 12mg/dL、乳酸 14mg/dL(基準 5~20)。胸部エックス線写真(別冊No. 14)を別に示す。血液培養2セットからKlebsiella pneumoniaeが検出された。
- 酸素投与とともに、生理食塩液1,500mLを輸液したところ、体温 38.1℃、脈拍96/分、整。血圧 112/64mmHg、呼吸数 24/分、SpO2 97%(鼻カニューラ 3L/分酸素投与下)となった。
- この患者の状態はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [114C060]←[国試_114]→[114C062]
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- 次の文を読み、28~29の問いに答えよ。
- 28歳の女性。全身の皮疹と発熱のため搬入された。
- 現病歴 : 4日前から頭痛と咽頭痛とがあり、感冒薬を内服した。3日前から発熱が持続し、眼球結膜の充血、口腔内びらん、顔面、体幹および四肢の皮疹が出現した。
- 既往歴 : 特記すべきことはない。
- 現 症 : 意識は清明。身長158cm、体重49kg。体温39.2℃。脈拍112/分、整。血圧104 /72mmHg。全身に紅色皮疹を認める。顔面の写真と大腿部の写真とを以下に示す。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球380万、Hb 10.8 g/dl、Ht 32%、白血球 9,400、血小板 24万。血液生化学所見:総蛋白 6.4 g/dl、アルブミン 3.8 g/dl、尿素窒素 5.5 mg/dl、クレアチニン 0.8 mg/dl、AST 104 IU/l、ALT 283 IU/l、LD 487 IU/l(基準176~353)、Na 129 mEq/l、K 3.8 mEq/l、Cl 94 mEq/l。CRP 15.8mg/dl。
[正答]
※国試ナビ4※ [103C027]←[国試_103]→[103C029]
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- 68歳の男性。左下肢の紫斑を主訴に来院した。2週前から左下肢に紫斑が出現し徐々に拡大した。1週前から左下肢に疼痛も自覚するようになったため受診した。これまでに出血症状の既往はない。意識は清明。体温 36.4℃。血圧 154/88mmHg。腹部は平坦、軟で、圧痛や抵抗を認めない。血液所見:赤血球 210万、Hb 6.8g/dL、Ht 20%、白血球 6,400(桿状核好中球 6%、分葉核好中球 54%、好酸球 2%、単球 6%、リンパ球 32%)、血小板 30万、出血時間 3分20秒(基準 7分以下)、PT 90%(基準 80~120)、APTT 64.7秒(基準対照 32.2)、血漿フィブリノゲン 256mg/dL(基準 200~400)、血清FDP 4ng/mL(基準 10以下)。凝固因子検査の結果は第Ⅷ因子活性 6%(基準 78~165)、第Ⅸ因子活性 92%(基準 67~152)、von Willebrand因子活性は正常であった。左大腿から膝関節部内側の写真(別冊No. 17)を別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109I055]←[国試_109]→[109I057]
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- 26歳の初妊婦。妊娠 37週。 2時間前からの上腹部痛と悪心を主訴に来院した。前回までの妊婦健康診査では特に異常を指摘されていない。意識は清明。身長160 cm、体重 66 kg(非妊時 58 kg)。体温 37.0℃。脈拍 72/分、整。血圧 146/92 mmHg。子宮底長 31 cm、腹囲 95 cm。下腿に軽度浮腫を認める。尿所見:蛋白 2+、糖 (-)。血液所見:赤血球 450万、 Hb 13.0 g/dl、Ht 42%、白血球 10,300、血小板 7.0万、血漿フィブリノゲン 432 mg/dl(基準 200.400)。血液生化学所見:総蛋白 6.8 g/dl、アルブミン 4.0 g/dl、総ビリルビン 1.6 mg/dl、直接ビリルビン 0.3 mg/dl、AST 184 IU/l、ALT 230 IU/l、LD 830 IU/l(基準 176~353)、 γ -GTP 34 IU/l(基準 8~50)、尿素窒素 5.0 mg/dl、クレアチニン 0.5 mg/dl、尿酸 6.9 mg/dl、血糖 96mg/dl、Na 142 mEq/l、K 4.0 mEq/l、Cl 105 mEq/l。超音波検査で胎児発育は正常であった。
- 今後合併に注意すべき病態はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [108D050]←[国試_108]→[108D052]
[★]
- 75歳の男性。高蛋白血症の精査のため来院した。3か月前からの腰痛を主訴に自宅近くの医療機関を受診し、血液生化学検査で総蛋白の高値を指摘され精査のため来院した。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球439万、Hb 14.2g/dl、Ht 43%、白血球6,300(桿状核好中球7%、分葉核好中球52%、好酸球2%、単球%、リンパ球35%)、血小板18万。血液生化学所見:総蛋白9.2g/dl、アルブミン4.5g/dl、尿素窒素17mg/dl、クレアチニン0.8mg/dl、IgG 3,170mg/dl(基準960~1,960)、IgA 28.6mg/dl(基準110~410)、IgM 18.3mg/dl(基準65~350)、血清β2-ミクログロブリン2.6 mg/dl(基準1.2~2.5)、Ca9.5mg/dl。血清蛋白電気泳動(別冊No.31A)と骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No.31B)とを別に示す。
- 今後予想される合併症はどれか。3つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [107D057]←[国試_107]→[107D059]
[★]
- 10歳の女児。血便を主訴に父親と来院した。6日前に家族と焼肉を食べに行った。3日前から水様下痢が出現し、昨日からは血便になり激しい腹痛を自覚するようになったため受診した。身長 135cm、体重 32kg。体温 37.2℃。脈拍 84/分、整。血圧 120/70mmHg。血液所見:赤血球 250万、Hb 8.2g/dL、Ht 25%、白血球 9,000(桿状核好中球 10%、分葉核好中球 70%、リンパ球 20%)、血小板 8.0万。末梢血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No. 14)を別に示す。
- この患者が合併しやすいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112A035]←[国試_112]→[112A037]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105E068]←[国試_105]→[105F001]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [106A010]←[国試_106]→[106A012]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [112A006]←[国試_112]→[112A008]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [095A115]←[国試_095]→[095A117]
[★]
- a PT延長
- b APTT延長
- c 血小板増加
- d 赤血球増加
- e 白血球減少
[正答]
※国試ナビ4※ [109I032]←[国試_109]→[109I034]
[★]
- 英
- platelet (Z), blood platelet (Z), PLT
- 同
- 栓球 thrombocyte
- 関
- 血小板血栓。血小板数 platelet count PLC
- GOO. 1468(血小板凝集 platelet aggregation)
- 半減期:1週間(異常値の出るメカニズム第2版)。4日 (SP.505)。
- 寿命:10日
- 体積:5-10 fl
- 直径:2-5μm。
- 無核。
基準値
- 15万 - 40万 /μl (2007前期解剖学授業プリント, SP.505)
- 15万 - 35万 /μl (2007前期生理学授業プリント, PT.233)
新生児
- 出典不明
産生組織
- トロンボポエチンにより巨核球の細胞質がちぎれて血流に放出される (SP.505)
貯蔵組織
組織学
- P-セレクチンを膜上に持つ
- フィブリノーゲン、フィブロネクチン、第V因子、第VIII因子、platelet factor 4、PDGF、TGF-α (BPT.89)
- ADP、ATP、Ca2+、ヒスタミン、セロトニン、エピネフリン (BPT.89)
機能 (SAN.236-237)
1.一次止血
- TXA2,セロトニンは血管収縮作用
- ADP, TXA2,セロトニンは血小板凝集
- 血小板のGpIIb/GpIIIa複合体がフィブリノゲンと結合し編み目を形成
2.血液凝固の促進
3.毛細血管機能の維持
- 毛細血管内皮細胞に融合し血管内皮を補強している → 血小板減少により点状出血を来すことになる。
膜タンパク
血小板減少による症状
- 5-10万 :症状なし-やや止血しにくい程度
- 2-3万 :下肢に点状出血 (→皮下出血)
- 1万以下 :粘膜出血→臓器出血の危険あり
検査
- 抗凝固剤としてEDTAを用いた場合、EDTA依存性偽血小板減少をきたすことがある。
臨床関連
数の異常
機能の異常
[★]
- 英
- burn, burn injury, thermal injury, scald
- 同
- やけど、火傷?
- 関
- 5の法則、9の法則、皮膚。ショック
概念
分類
- 損傷深度により分類する
- 第1度:表皮内 (表皮熱傷:紅斑、2-3日で治癒)
- 第2度:真皮内 (真皮浅層熱傷:疼痛、水疱形成、水疱底赤色、1-2週間で治癒。真皮深層熱傷:知覚鈍麻、水疱形成△、水疱底白色、3-4週間で治癒。)
- 第3度:皮膚全層(皮下熱傷:壊死。白~褐色。知覚無し。一ヶ月以上)
- 第4度:炭化
重症度
- 10-15%を超えた場合、重症熱傷として全身管理が必要になる。
Artの基準
病態
検査
合併症
治療
- 気道熱傷の場合には気管挿管。
- 気管支痙攣がある場合には気管拡張薬が有用。副腎皮質コルチコイドは感染リスクを上げるために使用すべきでない。(参考1)
- 初期治療における輸液量の決定法:Evans法、Brook法、Baxter法など
-
- 4ml x 熱傷面積 (%) x 体重 (kg) = 補液量 (ml/day)
- 最初の8時間で1/2を、次の16時間で1/2を輸液する
参考
- 1. [charged] Emergency care of moderate and severe thermal burns in adults - uptodate [1]
-
- 初期治療には輸液が大切。だけど、入れ過ぎも問題だからちゃんと計算して輸液しろ。なにが問題って、血圧上昇、腹部、四肢、眼窩のcompartment syndromeが起こる。
- 最初は晶質液をいれる。高Cl性アシドーシスのリスクがあるから乳酸リンゲルがよい。
- 治療の初期段階で膠質液や高張生食を使うかどうかについては議論中。膠質液(アルブミン、デキストラン)は非常に高いし、生命予後を改善しないから推奨されない。
- 2. 「血液製剤の使用指針」(改定版) 平成17年9月
- http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/iyaku/kenketsugo/5tekisei3b.html
- http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/iyaku/kenketsugo/5tekisei3b01.html
- 血漿の不適切な使用の一つに「DICを伴わない熱傷の治療」がある。DICに至るような熱傷ならば使って良いと考えられる。
[★]
- 英
- thrombocytopenia, thrombopenia
- 同
- 血小板減少
- 関
- 血小板、血小板輸血、血小板増加症
分類
原因
-
- UCSF p.307
アプローチ
[★]
- 一次止血異常
- 血小板減少
- 産生機構の異常
- 巨核球低形成
- 先天性
- ファンコーニ貧血
- 先天性造血障害
- メイ・ヘグリン異常
- 後天性
- 再生不良性貧血
- 無巨核芽球性血小板減少症
- 急性白血病
- 骨髄癌腫症
- 放射線障害
- 抗癌薬投与
- 無効造血
- 巨赤芽球性貧血
- 骨髄異形成症候群
- 血小板寿命の短縮(後天性)
- 免疫学的機序
- 特発性血小板減少性紫斑病
- 膠原病の合併症
- 薬剤アレルギー
- 血栓性血小板減少性紫斑病
- その他
- 人工弁
- 人工血管
- 分布異常
- 脾腫(後天性)
- 希釈
- 大量赤血球輸血
- 血小板機能異常
- 先天性
- 血小板無力症
- ベルナール・スーリエ症候群
- 放出異常
- その他
- フォンウィルブランド病
- 二次止血異常
- 血液凝固異常
- 凝固因子産生の異常
- 先天性
- 血友病
- その他の先天性凝固因子異常症
- 凝固因子消費の亢進(後天性)
- 播種性血管内凝固(DIC)
- 後天性凝固因子インヒビター
- 後天性血友病
- フォンウィルブランド病
- 線溶の亢進
- 先天性
- α2プラスミンインヒビター欠乏症
- プラスミノゲンアクティベーターインヒビター欠乏症
- 後天性
- 一次線溶亢進
- 急性骨髄球性白血病によるDIC
- 動脈瘤によるDIC
- 血管の異常
- 先天性
- 遺伝性出血性毛細血管拡張症:オスラー・ウェバー・ランデュ病
- エーラス・ダンロス症候群 Ehlers-Danlos syndrome, EDS
- 後天性
- ヘノッホ・シェーンライン紫斑病
[★]
- 英
- intrinsic renal failure, intrarenal failure
- 関
- 腎不全、急性腎不全
病因
血管
糸球体
- 薬物(アミノグリコシドなど)
- 放射線造影剤
- 重金属(シスプラチンなど)
- 尿細管内の色素(ミオグロビン、ヘモグロビン)、結晶(尿酸、シュウ酸)、蛋白(骨髄腫)
腎間質
[★]
- 英
- disseminated intravascular coagulation DIC, disseminated intravascular coagulopathy?
- 同
- 播種性血管内凝固、汎発性血管内血液凝固 generalized intravascular coagulation
- 関
- TNF-αの作用により血管内で血液が凝固する(2008年前期免疫学)
- 致死率は70-80% (2008年前期免疫学)
概念
- 癌、敗血症、白血病などを基礎とし、過度の凝固亢進により、全身の微小血管に血栓が多発して循環障害による臓器障害と、血小板・凝固因子の消費と線溶系の亢進による著明な出血傾向を来す病態
病因
疫学
病変形成&病理
症状
- 出血傾向(紫斑など皮下出血、鼻出血、血尿、消化管出血、肺出血)
- 臓器障害(血栓形成に基づく循環障害)
- 初発は70%が出血(紫斑、うっ血斑、注射部位からの出血、消化管出血など)。
診断
表1.DIC診断基準
|
|
厚労省DIC診断基準
|
急性期DIC診断基準
|
基礎疾患
|
基礎疾患あり:1点
|
基礎疾患は必須項目
|
臨床症状
|
出血症状あり:1点 臓器症状あり:1点
|
要除外診断 SIRS(3項目以上):1点
|
血小板数 (X104/μL)
|
8< ≦12:1点 5< ≦ 8:2点 ≦ 5:3点
|
8≦<12 or 30%以上減少/24h:1点 <8 or 50%以上減少/24h:3点
|
血清FDP(μg/ml)
|
10≦ <20:1点 20≦ <40:2点 40≦ :3点
|
10≦ <25: 1点 25≦ :3点 D-dimerもFDPとの換算表により使用可能
|
フィブリノゲン(mg/dl)
|
100< ≦150:1点 ≦100:2点
|
―
|
PT比
|
1.25≦ <1.67:1点 1.67≦ :2点
|
1.2≦:1点
|
DIC診断
|
7点以上 (白血病群では、出血症状と血小板数を除いて、4点以上)
|
4点以上 (白血病群には適応できない)
|
検査
治療
予後
予防
参考
- どの診断基準を使うべきか記載有り
- http://fhugim.com/?p=2454
[★]
- 英
- blood vessel, blood vessels
構造
- 内皮細胞(単層扁平上皮細胞)
- 基底板
- 内皮下結合組織(内皮下層 subendothelial layer):疎性結合組織、縦走平滑筋
- 内弾性板
分類
[★]
- 英
- dissemination
- 同
- 体腔内播種 transcelomic dissemination、体腔内転移 transcelomic metastasis、播種性転移 disseminated metastasis
- 関
- 腹膜播種
[★]
- 英
- intravascular、endovascular、intravascularly、endovascularly
- 関
- 静脈内
[★]
- 英
- disseminated
- 関
- 散在性、汎発性
[★]
- 英
- intraductal、intratubular