急性白血病 移行リスク |
病型 | 末梢血中芽球 | 骨髄中芽球 | |||
low risk | 不応性貧血 | refractory anemia | RA | <1% | <5% | |
環状鉄芽球を伴う不応性貧血 | RA with ringed sideroblast | RARS | <1% | <5% | 環状鉄芽球>15% | |
high risk | 芽球増加を伴う不応性貧血 | RA with excess of blasts | RAEB | <5% | 5~20% | |
移行期のRAEB | RAEB in transformation | RAEB-t | ≧5% | 20~30% | Auer小体 | |
慢性骨髄単球性白血病 | chronic myelomonocytic leukemia | CMML | <5% | <20% | 末梢血単球>1,000/μl |
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/03/06 22:48:02」(JST)
骨髄異形成症候群のデータ | |
ICD-10 | D461〜464、D469 |
統計 | |
世界の患者数 | |
日本の患者数 | 9,000人 (2008年) |
関連学会 | |
日本 | 日本血液学会 |
世界 | アメリカ血液学会 |
この記事はウィキプロジェクトの雛形を用いています |
骨髄異形成症候群(こつずいいけいせいしょうこうぐん、myelodysplastic syndromes; MDS)とは骨髄機能の異常によって前白血病状態となり、造血障害を起こす症候群。
骨髄に造血幹細胞の前腫瘍細胞である異型クローンが生じ、正常幹細胞を凌駕して増殖する結果として正常の造血が抑制される。また異型クローンから造られる血球細胞は異常細胞なので末梢血に出る前に分解されるが、この様な無駄な造血を無効造血と言う。形成される血球は形態も異常で寿命も短い。
MDSの異常クローンはアポトーシスが亢進している。異常クローンが骨髄を占拠する結果として骨髄は過形成になるが、アポトーシスが亢進しているので血球減少をおこす。この状態で異常クローンの遺伝子にさらに傷がつくとアポトーシス耐性を獲得するクローンができる。この場合急性骨髄性白血病になる。このメカニズムがあるが故に、MDSを前白血病状態と呼ぶ者もいる。
2000年にWHOによって確立された新WHO分類が最も一般的である。同時に作成されたMDS 2000は新WHO分類に含まれるので、新WHO分類でのみ考慮すれば充分となる。
有機溶剤、化学物質、放射線などが考えられている。抗癌剤投与による発症も問題となっている。
骨髄異形成症候群の約半数で染色体異常が見られることと、先天性染色体異常によるファンコーニ貧血の患者が高頻度で骨髄異形成症候群を発症することから、遺伝子変異が何らかの形で関わっていると考えられている。
男女比は1.5〜1.7と男性に多い。発症は40代から次第に増加し、高齢者に多い疾患であるため、先進国では平均年齢の増加に伴い患者数が増加傾向にある。
発症時の症状は乏しい。無症状かあるいは赤血球の産生が低下して慢性の貧血を来たす。貧血の型は一定せず、大球性から小球性までとりえる。白血球減少が高度な例で感染症の合併、血小板減少が高度な例で出血傾向が見られるものの、血液検査で白血球減少、血小板減少、汎血球減少が偶然発見されることも多い。
白血病化が最も重要な合併症である。高リスク群に分類される型では高率に急性白血病へ移行する。特に急性骨髄性白血病が多い。白血球減少に伴う感染症も重要な合併症の1つである。
鉄過剰症 :骨髄異形成症候群の治療で、輸血を受け鉄が過剰に体に取り込まれることによって発症する。特有の自覚症状は無い、進行すると肝障害や心不全などの臓器障害を引き起こす危険性がある。輸血が40単位を超えた場合発症するリスクが高くなる
この節の加筆が望まれています。 |
汎血球減少が見られた場合、まず骨髄異形成症候群を念頭に置く。次に腫瘍や膠原病などを除外し、その上で骨髄塗抹標本で形態異常を確認し診断する。しかし形態異常の確認には検査者の主観が入りやすく、正確性に欠くことがある。これを補うために以下の補助検査が有用である。骨髄穿刺時に染色体検査をし、染色体異常が見られれば確度は高まる。また、一部の病院ではMDS診断用フローサイトメトリー検査が可能であり、骨髄異形成症候群に特徴的な異常が検出されれば診断の正確性があがる。
軽症例では経過観察となり、基本的に対症療法が中心となる。好中球減少例には顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)の投与を、赤血球減少例にはエリスロポエチン(EPO)の投与を行い、それぞれ極端な減少例には輸血療法で対処としていく。
重症例に対しては根治療法として、造血幹細胞移植を行う。異常クローンを根絶し、正常造血を回復させるのが目的である。現在移植の適応は50〜55歳以下に限られている。
また、薬物治療としては以下が用いられる。
予後不良である。予後良好の不応性貧血で生存年数は約5年、予後不良のタイプでは1年程度である。骨髄移植実施例での長期生存率は不応性貧血では40〜60%、RAEBでは20〜30%程度である。
このような病態を示す造血障害の存在は古くから知られていたが、骨髄異形成症候群として確立したのは1982年である。この確立に尽力したDr. John M. Bennettらは国際MDS財団を設立し、その後のMDS研究の進歩を推進した。 現在、全世界で200施設あまりが、国内では5施設が、MDSに関する優れた研究・診療施設 (MDS Centers of Excellence) として国際MDS財団に認定されている。 さらに国際MDS財団は、MDS患者に対する有用な情報の提供(現在の治療法の解説、新薬の臨床試験の情報提供、最寄りのMDS Centers of Excellenceの情報提供など)を行うとともに、Global Patient Support Groups(グローバルMDS患者サポートグループ)のスポンサーとして、MDS患者サポートグループの立ち上げと運営を支援している。本邦でも日本MDS患者サポートグループが設立され、MDSの方々に情報提供などの支援を行っている。
2000年より前にはFAB分類が用いられていた。
その後、1999年から2001年にかけてWHOにて提唱され、WHO分類第3版として出版された分類では、慢性骨髄単球性白血病(CMML)は骨髄異形成/骨髄増殖性疾患 (MDS/MPD)群に分類された。
高齢化に伴い、患者数は増加傾向にある。現在特定疾患に制定されている。
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国試過去問 | 「101E030」「096D035」「095G033」「102D047」「101A032」「106A027」「104D031」「112A048」「095C030」「110G058」「096H036」「104G049」「096B035」「103B039」「098H039」「106I036」「111A017」「108E033」「085B087」「113D014」 |
リンク元 | 「難病リスト」「特発性血小板減少性紫斑病」「再生不良性貧血」「血栓性血小板減少性紫斑病」「結節性紅斑」 |
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AC その他の正答:AE、CE、
※国試ナビ4※ [103B038]←[国試_103]→[103B040]
C
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CE
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再生不良性貧血の重症度基準(平成16年度修正) | ||
stage 1 | 軽 症 | 下記以外 |
stage 2 | 中等症 | 以下の2項目以上を満たす 網赤血球 60,000/μl未満 好中球 1,000/μl未満 血小板 50,000/μl未満 |
stage 3 | やや重症 | 以下の2項目以上を満たし、定期的な赤血球輸血を必要とする 網赤血球 60,000/μl未満 好中球 1,000/μl未満 血小板 50,000/μl未満 |
stage 4 | 重 症 | 以下の2項目以上を満たす 網赤血球 20,000/μl未満 好中球 500/μl未満 血小板 20,000/μl未満 |
stage 5 | 最重症 | 好中球 200/μl未満に加えて、以下の1項目以上を満たす 網赤血球 20,000/μl未満 血小板 20,000/μl未満 |
注1 定期的な赤血球輸血とは毎月2単位以上の輸血が必要なときを指す。 | ||
注2 この基準は平成10(1998)年度に設定された5段階基準を修正したものである。 |
(⇔溶血性尿毒症症候群 HUS は血小板減少、細血管障害性溶血性貧血、腎障害。精神症状と発熱は特徴的ではない)
疾患 | 所見 |
細菌,真菌,ウイルスによる感染アレルギー | 各種感染症の他症状 |
ベーチェット病 | ほかの所見の存在(口腔内アフタ、眼ぶどう膜炎、外陰部潰瘍)、針反応 |
結核 | ツ反、組織にて結核性肉芽腫、胸部Xp |
サルコイドーシス | 胸部XpにてBHL、眼ぶどう膜炎、血中Ca・ACE、リゾチームの高値、ツ反陰性化 |
薬疹 | 薬剤内服歴の調査 |
潰瘍性大腸炎,Crohn病 | 便潜血、消化管検査 |
骨髄異形成症候群 | 骨髄および末梢血の血球像の異型性、染色体異常 |
Hansen病 | 組織所見、レプロミン反応、神経学的所見 |
結節性紅斑 | 硬結性紅斑 | |
圧痛 | ○ | × |
潰瘍 | × | ○ |
病理 | 皮下脂肪組織隔壁の炎症 | 小葉性脂肪織炎 |
病因 | 感染アレルギー ベーチェット病 結核 サルコイドーシス 薬疹 潰瘍性大腸炎、クローン病 骨髄異形成症候群 ハンセン病 |
結核によるアレルギー(結核疹) |
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