- 英
- osteoporosis
- 同
- 骨多孔症、オステオポローシス
- 関
- 骨軟化症、くる病、老人性骨粗鬆症、若年性特発性骨粗鬆症、糖質コルチコイド誘発骨粗鬆症。骨粗鬆症治療薬
- 骨の絶対量の減少を生じているが骨の質的な変化を伴わない状態をいう。
- 骨はたえず吸収、形成されているものであり、したがって吸収率と形成率に差を生じ骨形成が負の平衡となれば骨粗鬆が起こる。
概念
- 骨量の減少(≒骨密度の減少)と骨組織の微細構造の破錠(骨質の劣化)により骨強度が低下して、骨折をきたしやすくなった疾患
定義
- WHO(1994)、骨量測定法,女性の骨粗鬆症:若年健常女性の平均骨量値から2.5SD以上減少したもの ⇔ 骨量減少:2.5<T-score<-1
- 日本:骨量が30%以上減少したもの
リスクファクター
- YN.D-156
- ガイドライン2
- 高齢、既存骨折(リスク1.9-4倍)、喫煙(リスク1.3-1.8倍)、飲酒(1日2単位以上でリスク1.2-1.7倍)、ステロイド使用(1日5mg以上の経口摂取でリスク2-4倍)、骨折家族歴(親の骨折でリスク1.2-2.3倍)、運動不足(大腿頚部骨折リスク1.3-1.7倍)、易転倒性
- 以下のリスクファクターを有する65歳未満か、65歳以上の女性は骨量測定によるスクリーニングの対象となる。
- 高齢、低体重、骨折既往、骨粗鬆症による骨折の家族歴、白人・アジア人、アルコール(1日2杯以上)、カフェイン、喫煙、運動不足、カルシウム不足、ビタミンD不足、骨粗鬆症を起こす薬剤
原因による分類
内分泌性
栄養性
- 壊血病
- その他(蛋白質欠乏、ビタミンA過剰、ビタミンD過剰)
- 別ソース
遺伝性
薬物性
- 別ソース
不動性
- 全身性:長期臥床、宇宙飛行、対麻痺
- 局所性:骨折後
先天性
その他
- 別ソース
小児の骨粗鬆症
- Dent CE:Osteoporosis in childhood.Postgrad Med J 53:450-456,1977
男性の骨粗鬆症
原因
- 多:クッシング症候群、アルコール多飲、ステロイド使用(5mg, 3ヶ月以上)、性腺機能低下、カルシウム摂取量減少、ビタミンD欠乏、喫煙、家族の中で骨折しやすい人がいる、男性ホルモン異常
- 希:BMI<20, 運動不足、抗てんかん薬、甲状腺中毒症、副甲状腺機能亢進、慢性肝障害、慢性腎障害、吸収不良症候群、高カルシウム血症、リウマチ、脊椎関節炎、糖尿病、多発性骨髄腫、HIV、臓器移植、免疫抑制剤
病理
検査
-
- 躯幹骨DXA、末梢骨DXA、RA/MD、QUSなどで測定可能
- 椎体DXAと大腿近位部DXAの両方を評価することが望ましい。できなければ橈骨DXAで代替する。
- 椎体の骨折/変形、退行性変化、骨粗鬆症に類維持した疾患(腰背部痛、円背や低骨量を呈する疾患)の鑑別に必要
治療
薬物治療
薬物治療開始基準
- ガイドライン2
- 1. 脆弱性既存骨折有り
- 2. 脆弱性既存骨折無し
- 1) 骨密度が若年成人平均値の70%未満
- 2) 骨密度が若年成人平均値の70-80%で、かつ閉経後女性/50歳以上男性であって、次のいずれかを有する。
- a) 過度のアルコール摂取:1日2単位以上
- b) 現在の喫煙
- c) 大腿骨頚部骨折の家族歴
治療開始のトリガー
- 別ソース
- 骨粗鬆症による大腿骨骨折、椎骨骨折の既往
- Tスコアが-2.5以下
- Tスコアが-1~-2.5 FRAX
- FRAXにて10年後の大腿骨折リスクが3%、主要な骨粗鬆症性骨折リスクが15-20%を超えるなら治療。
腎機能障害がある場合の治療の選択肢
- https://www.kyorin-pharm.co.jp/prodinfo/useful/doctorsalon/upload_docs/150359-1-15.pdf
慎重投与となっており、禁忌ではないから
肝臓や腎臓で代謝されないから
検診
スクリーニング
- USPSTF
- 65歳以上の女性、64歳以下で骨折リスクが高い女性(脆弱骨折の既往、ステロイド内服など)
- 男性ではエビデンスがない
スクリーニング間隔
- DEXA:1.0~-1.5→15年
- DEXA:-1.5~-2.0→5年
- DEXA:-2.0~-2.5→1年
ガイドライン
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0046/1/0046_G0000129_GL.html
- 2. <amazon mode="text" text="骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン(2006年版) ダイジェスト版">4897752329</amazon>
<amazon mode="script" ></amazon>
参考
- http://www.richbone.com/kotsusoshosho/basic_shindan/tonyo.htm
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/10/18 11:26:36」(JST)
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骨粗鬆症 |
分類及び外部参照情報 |
|
ICD-10 |
M80.-M82. |
ICD-9 |
733.0 |
OMIM |
166710 |
DiseasesDB |
9385 |
MedlinePlus |
000360 |
eMedicine |
med/1693 ped/1683 pmr/94 pmr/95 |
MeSH |
D010024 |
骨粗鬆症(こつそしょうしょう、osteoporosis)とは、骨形成速度よりも骨吸収速度が高いことにより、骨に小さな穴が多発する症状をいう。背中が曲がることに現れる骨の変形、骨性の痛み、さらに骨折の原因となる。骨折は一般に強い外力が加わった場合に起こるが、骨粗鬆症においては、日常生活程度の負荷によって骨折を引き起こす。骨折による痛みや障害はもちろん、大腿骨や股関節の骨折はいわゆる高齢者の寝たきりにつながり、生活の質 (QOL) を著しく低くする。
日本では厚生労働省などによると、日本国内の患者は高齢女性を中心に年々増加しており、自覚症状のない未受診者を含めると、推計で1100万人超に上る。患者の8割は女性である。ホルモンの分泌バランスが変化する更年期以降の女性に多く、60代女性の3人に1人、70代女性の2人に1人が、患者になっている可能性があるとされる。初期段階に自覚症状はなく、骨折して初めて気付くケースも少なくない。アメリカ合衆国では3000万人に症状が現れていると考えられている。
骨は建築物に用いられる鉄骨などとは異なり、正常時は常に骨芽細胞と破骨細胞によって形成・吸収がバランスよく行われ、古い骨を壊し、新しい骨を作り、一定の量を保っている。高齢の女性においては、性ホルモンの一種エストロゲンの産出量が、閉経後に急速に低下する。エストロゲンには骨芽細胞の活動を高める作用があるため、閉経によって骨粗鬆症へと進みやすい。さらに女性は男性に比べてもともと骨量が少ないため、形成・吸収のバランスが崩れたときに、症状が表面化しやすい。
目次
- 1 分類
- 2 要因
- 2.1 カルシウム・パラドックス
- 2.2 喫煙が骨密度を減らすしくみ
- 3 検査
- 4 治療
- 5 脚注
- 6 関連項目
- 7 参考文献
- 8 外部リンク
|
分類
骨粗鬆症は大きく原発性骨粗鬆症と続発性骨粗鬆症に分けられる。
- 原発性骨粗鬆症
- 閉経や老化に伴い骨密度が低下するタイプのものであり、骨粗鬆症のほとんどは原発性である。閉経後骨粗鬆症では更年期におけるエストロゲン分泌量の低下が原因となり、閉経後女性にエストロゲンを補充すると骨量の減少が抑制される。また、老人性骨粗鬆症では加齢に伴う腎機能の低下によって生じるビタミンDの産生低下がそれぞれ原因となる。男性では女性のように更年期で急速にエストロゲン産生量が低下して骨粗鬆症に陥るということはないが、加齢は骨量の減少要因の一つとなる。男性でも骨密度の低下と血中エストロゲン量には相関があることも示されている[1]。女性ではエストロゲンは卵巣で産生されるが、男性では卵巣がないため、類似の構造を持つテストステロン(男性ホルモン)から変換して産生する。高齢の男性ではテストステロン量が減少するためエストロゲン量も減少し、骨密度の低下につながると考えられている。さらに、妊娠に伴う骨粗鬆症も原発性骨粗鬆症の一つとして数えられ、母体のカルシウムが胎児に移行してしまうことが原因である。
- 続発性(二次性)骨粗鬆症
- 続発性骨粗鬆症とは何らかの疾患のバックグラウンドの上に成り立つタイプのものである。続発性骨粗鬆症の中にはさらに内分泌性、栄養性、薬物性(主にステロイドによる)、不動性、先天性という細分類がある。
要因
主要因として知られる性ホルモン・加齢を含め、複合的に発生すると言われる。人種、体型、運動、喫煙、食事、アルコール摂取などが要因として知られる。人種ではアフリカ系が骨粗鬆症を発症しにくい。運動の習慣がなくやせた体型、低い身長は危険因子の一つである。骨形成に欠かせないカルシウムを不足させる動物性たんぱく過多の食事、ビタミンDの不足した食事、カフェインの摂り過ぎ、過剰なアルコール摂取は、食事面における危険因子となる。喫煙は下記#喫煙が骨密度を減らすしくみによって危険因子となる。
骨粗鬆症を予防するには、これらの要因を除去する事、具体的には発症前の運動と食物の内容が重要である。この他に、宇宙飛行士が当該症状が起こりやすい。無重力が関係しているといわれており、宇宙空間に6ヶ月滞在する事により、骨密度は10%失われる。宇宙食や運動や投薬で防ぐ研究が行われている。
カルシウム・パラドックス
2002年の世界保健機関 (WHO) の報告書では、骨粗鬆症予防のための項目で、カルシウムの摂取量が多い国に骨折が多いというカルシウム・パラドックスの理由として、カルシウムの摂取量よりも、カルシウムを排出させる酸性の負荷をタンパク質がもたらすという悪影響のほうが重いではないかと推論されている[2]。さらに、2007年のWHOの報告書で、酸を中和するほどのアルカリ成分がないとき、カルシウムが排出され骨に影響すると考えられ、アルカリ成分として野菜と果物が挙げられている[3]。
日本国外の骨粗鬆症の診療ガイドライン[4]では、砂糖や動物性食品はカルシウムを奪う「骨泥棒」とされ、骨粗鬆症の予防のためアルカリ性食品を摂取するように言及している。また、そうしたことで発生した血中の酸を中和するのは骨の仕事だと解説している[4]。1995年、食品の腎臓への酸性の負荷をPRAL値という指標で表す測定方法が考え出された[5]。酸性の食事が骨の健康を損ねるので、この目的でも用いられる[6][7]。
野菜と果物を多く食べた子供は尿中のカルシウムの排出量が少なかった[8]。野菜と果物の摂取量が多いほど骨密度が高いという研究結果が老若男女それぞれにある[8][9][10][11]。
疫学的調査によれば牛乳を良く飲む人ほど骨粗鬆症になりやすい。ホメオスタシスの働きにより、急激に上がり上限値を越えてしまったカルシウム濃度を下げようと負のフィードバックが働き、今度は下限値を越えてしまい、骨からカルシウムを補う為である。
喫煙が骨密度を減らすしくみ
喫煙は、骨に直接的・間接的にさまざまな機序で作用し、骨密度を減らす。直接作用としては、ニコチン[12][13]やたばこ煙中のカドミウム [14]が骨細胞に毒として働くことが指摘されている。間接的作用としては、小腸からのカルシウム吸収の減少[15]、ビタミンD不足[16]、副腎皮質ホルモンや性ホルモン代謝の変化[17][18][19]、非喫煙者よりも低い体重[20][21]、非喫煙者よりも早い閉経[22]、非喫煙者に比べて低い活動度[23]などである。これらの直接的・間接的影響によって、喫煙者は非喫煙者に比べて、オステオカルシンなどの骨形成マーカーが低く、骨粗鬆症をきたしやすいとされている[24][25]。
検査
骨塩定量法はX線、超音波などを用いた方法が用いられている。一般病院ではかかとの骨量を測定する検査が普及している。しかし、高齢女性においては、二重エネルギーX線吸収法(DXA法)は骨折予測にあまり有用でないと、Archives of Internal Medicine誌 (2007; 167: 155-160) に掲載された。
- 骨塩定量
- 日本骨代謝学会によるフローチャートによると、腰椎側面のX線撮影で病的骨折が認めなければ、骨塩定量を行なうこととなっている。若年成人平均値(YAM)を基準値として、70%未満であれば、どの部位であっても骨粗鬆症と診断する。測定部位は腰椎、大腿骨、橈骨、第二中手骨、踵骨いずれでもよいとされているが、もっとも望ましいのは腰椎とされている。70%~80%の範囲では骨量減少である。橈骨ではビスホスホネートの治療効果判定ができない。
- 骨代謝マーカー
- 骨吸収マーカーであるDADやNTXおよび、骨形成マーカーBAPが知られている。
治療
治療方法は性別、月経の有無によって異なる。
- 女性は、破骨細胞の活動を抑制するビスフォスフォネート系薬剤(第2世代薬アレンドロネートなど)、活性型ビタミンD、ビタミンK、カルシウム製剤の投与や、SERM・エストロゲン, 遺伝子組換えヒトPTH(1-34)の投与が行われる。
- エストロゲンの投与は乳癌の発生率を高める副作用がある。SERM(ラロキシフェン、バゼドキシフェン)は閉経後女性にのみ有用である。
- 男性はビスフォスフォネート、ビタミンD、ビタミンK、カルシウム製剤、遺伝子組換えヒトPTH(1-34)のみである。
この中でビスフォスフォネート系薬剤(フォサマック®、ボナロン®、ベネット®、アクトネル®など)とラロキシフェン(エビスタ®)、バゼドキシフェン(ビビアント®)が、骨量を上げるエビデンスがあるため、第一選択薬になっている。(以前は活性型ビタミンD製剤)ビスフォスフォネート系薬剤は服用法が煩雑なのが欠点である。毎朝、起床時(朝食前)にコップ1杯以上の水(180cc以上)で薬を飲み、服用後30分は食事を摂らず、横にもならないというものである。このような短所を改善すべく近年、ビスフォスフォネート系骨粗鬆症治療薬の週1回服用型製剤が開発され、医療現場で普及している。毎朝服用するタイプか週1回服用するタイプかの選択はコンプライアンスの良し悪しで決まる。月一回服用製剤も治験段階にある。またFDAは大腿骨頸部骨折後の骨折予防にゾレドロン酸(ゾレンドロネート)の年1回静注を承認した。これは週1回よりもさらに簡便である[26]
一方、ラロキシフェン・バゼドキシフェンは1日1回食事や時間に関係なく服用できる、閉経後高コレステロール血症改善、乳癌抑制効果といったメリットがある。
薬物 |
骨密度増加 |
椎体骨折防止 |
非椎体骨折予防 |
総合評価 |
アレンドロネート |
A |
A |
A |
A |
リセドロネート |
A |
A |
A |
A |
ラロキシフェン塩酸塩 |
A |
A |
B |
A |
エチドロネート |
A |
B |
B |
B |
活性型ビタミンD3製剤 |
B |
B |
B |
B |
カルシトニン製剤 |
B |
B |
C |
B |
ビタミンK2製剤 |
B |
B |
B |
B |
女性ホルモン製剤 |
A |
A |
A |
C |
カルシウム製剤 |
C |
C |
C |
C |
上記は骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会における推奨度である。Aは強く勧められる、Bは勧められる、Cは勧められる根拠がないとされているものである。
- アレンドロネート
- 第二世代ビスホスホネート製剤である。フォサマック®やボナロン®といった商品が知られている。錠剤が食道に長く停滞すると食道障害が起こるリスクがあると考えられており、180mlの水とともに内服し、服用後30分は横にならない、水以外の飲食や他の薬剤の経口摂取をしないといった条件がある。週1回の投与が一般的である。
- リセドロネート
- 第三世代ビスホスホネート製剤である。アレンドロネートと用法もほぼ同じである。アクトネル®、ベネット®は経口剤のため、骨粗鬆症にも用いられる。同じ第三世代でも、インカドロネート(ビスフォナール®)やゾレドロネート(ゾメタ®)は注射薬のため、悪性腫瘍による高カルシウム血症で用いられる場合が多い。ゾレドロネート(ゾメタ®)ならば、年に1回の投与で効果があるとされている。
- ラロキシフェン・バゼドキシフェン
- SERM(selective estrogen receptor modulator)である。エストロゲン受容体に対するパーシャルアゴニストであり、骨代謝ではエストロゲンアゴニスト、骨外ではアンタゴニストとして作用するため、高脂血症、乳癌のリスクも低下させる。商品名はそれぞれエビスタ®とビビアント®である。
- エチドロネート
- 第一世代ビスホスホネート製剤である。骨Paget病でも用いられる。ダイドロネル®という商品が知られている。骨軟化症のリスクがあるため、2010年現在は殆ど用いられない。
- 活性型ビタミンD3製剤
- カルシウム摂取量が少ない日本では、重要な位置を占める薬物である。アルファカルシドールであるワンアルファ®、アルファロール®といった商品が有名である。カルシトリオール(商品名ロカルトロール®)は肝臓や腎臓における活性化の必要がなく、臓器障害があるときは好まれる。近年はフォレカルシトール(ホーネル®、フルスタン®など)といった強力な薬物も用いられる。マキサカルシトール(オキサロール®など)は維持透析における二次性副甲状腺機能亢進症で用いられる注射薬である。カルシウム製剤と併用は高カルシウム血症リスクがあるので注意が必要である。
- カルシトニン製剤
- エルシトニン®などが知られている。
- ビタミンK2製剤
- グラケー®やケイツー®が知られている。
- 女性ホルモン製剤
- エストリール®などが知られている。
- カルシウム製剤
- カルチコール®やアスパラCA®が知られている。
- テリパラチド; 遺伝子組換えヒトPTH(1-34)
- ヒト副甲状腺ホルモンのN末端1番から34番までのみを遺伝子組換えにより製剤化したもの。皮下注射であるためコンプライアンスでは短所があるが、骨量増加作用は上記の薬剤と比較して最も高い。商品名フォルテオ®。
脚注
- ^ Greendale GA, Edelstein S and Barrett-Connor E.(1997)"Endogenous sex steroids and bone mineral density in older women and men: the Rancho Bernardo Study."J.Bone Miner.Res. 12,1833-43. PMID 9383688
- ^ Human Vitamin and Mineral Requirements, joint FAO/WHO expert consultation, 2002, (Chapter 11 Calcium)
- ^ Protein and amino acid requirements in human nutrition, Report of a Joint WHO/FAO/UNU Expert Consultation, 2007, pp224-226
- ^ a b Reiner Bartl, Bertha Frisch 『骨粗鬆症 診断・予防・治療ガイド』中村利孝監訳、メディカル・サイエンス・インターナショナル、2007年10月。ISBN 9784895924887。98-99頁。
- ^ Remer T, Manz F. "Potential renal acid load of foods and its influence on urine pH.", J Am Diet Assoc 95(7), 1995 Jul, pp791-7. PMID 7797810
- ^ Welch AA, Mulligan A, Bingham SA etg al. "Urine pH is an indicator of dietary acid-base load, fruit and vegetables and meat intakes: results from the European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition (EPIC)-Norfolk population study." Br J Nutr. , 2007 Nov 28, pp1-9. PMID 18042305.
- ^ Welch AA, Bingham SA, Reeve J et al. "More acidic dietary acid-base load is associated with reduced calcaneal broadband ultrasound attenuation in women but not in men: results from the EPIC-Norfolk cohort study." Am J Clin Nutr 85(4), 2007 Apr, pp1134-41. PMID 17413116
- ^ a b Tylavsky FA et al. "Fruit and vegetable intakes are an independent predictor of bone size in early pubertal children" Am J Clin Nutr. 79(2), 2004, pp311-317.
- ^ New SA et al. "Dietary influences on bone mass and bone metabolism: further evidence of a positive link between fruit and vegetable consumption and bone health?", Am J Clin Nutr. ;71(1), 2000 Jan , pp142-51. PMID 10617959
- ^ Tucker KL et al. "Potassium, magnesium, and fruit and vegetable intakes are associated with greater bone mineral density in elderly men and women", Am J Clin Nutr. 69(4), 1999 Apr, pp727-736. PMID 10197575
- ^ Tucker KL et al. "Bone mineral density and dietary patterns in older adults: the Framingham Osteoporosis Study" (PDF) Am J Clin. Nutr. 76(1):2002, pp245-252.
- ^ Fang MA, Frost PJ, Iida-Klein A, Hahn TJ. Effects of nicotine on cellular function in UMR 106-01 osteoblast-like cells. Bone 1991;12(4):283–6.
- ^ Riebel GD, Boden SD, Whitesides TE, Hutton WC. The effect of nicotine on incorporation of cancellous bone graft in an animal model. Spine 1995;20(20): 2198–202.
- ^ Bhattacharyya MH, Whelton BD, Stern PH, Peterson DP. Cadmium accelerates bone loss in ovariectomized mice and fetal rat limb bones in culture. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 1988;85(22):8761–5.
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- ^ Brot C, Jørgensen NR, Sørensen OH. The influence of smoking on vitamin D status and calcium metabolism. European Journal of Clinical Nutrition 1999;53(12):920–6.
- ^ Michnovicz JJ, Hershcopf RJ, Naganuma H, Bradlow, HL, Fishman J. Increased 2-hydroxylation of estradiol as a possible mechanism for the anti-estrogenic effect of cigarette smoking. NEJM. 1986;315(21):1305–9.
- ^ Khaw K-T, Tazuke S, Barrett-Connor E. Cigarette smoking and levels of adrenal androgens in postmenopausal women. NEJM. 1988; 318(26):1705–9.
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- ^ Kiel DP, Felson DT, Anderson JJ, Wilson PWF, Moskowitz MA. Hip fracture and the use of estrogens in postmenopausal women: the Framingham Study. NEJM. 1987;317(19): 1169–74.
- ^ Cummings SR, Nevitt MC, Browner WS, Stone K, Fox KM, Ensrud KE, Cauley J, Black D, Vogt TM. Risk factors for hip fracture in white women: the Study of Osteoporotic Fractures Research Group. NEJM. 1995;332(12):767–73.
- ^ U.S. Department of Health and Human Services. Women and Smoking. A Report of the Surgeon General. Rockville (MD): U.S. Department of Health and Human Services, Public Health Service, Office of the Surgeon General, 2001.
- ^ Gregg EW, Cauley JA, Seeley DG, Ensrud KE, Bauer DC. Physical activity and osteoporotic fracture risk in older women: Study of Osteoporotic Fractures Research Group. Ann Intern Med 1998; 129(2):81–8.
- ^ Brot C, Jørgensen NR, Sørensen OH. The influence of smoking on vitamin D status and calcium metabolism. European Journal of Clinical Nutrition 1999; 53(12): 920–6.
- ^ Bjarnason NH, Christiansen C. The influence of thinness and smoking on bone loss and response to hormone replacement therapy in early postmenopausal women. Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism 2000;85(2):590–6.
- ^ NEJM.(2007; 357: 1799-1809)
関連項目
- 骨
- 骨折
- 破骨細胞
- 骨芽細胞
- 整形外科学
- カルシウム
- ビタミンD
- エストロゲン
- ホルモン補充療法(HRT)
- 新陳代謝
- 日本骨代謝学会
- 日本骨粗鬆症学会
参考文献
- 『WHOテクニカルレポート骨粗鬆症の予防と管理』世界保健機関。2005年。ISBN 978-4753221813。
- 『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2006年版』(Minds医療情報サービス) 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会、ライフサイエンス出版。2006年10月。ISBN 978-4897752280。
- マリリン・グレンビル 『検証 骨粗鬆症にならない体質』服部由美訳、骨粗鬆症財団理事長・折茂肇監修、産調出版、2006年。ISBN 978-4882824916。
- Reiner Bartl, Bertha Frisch 『骨粗鬆症 診断・予防・治療ガイド』中村利孝監訳、メディカル・サイエンス・インターナショナル、2007年10月。ISBN 9784895924887。
外部リンク
- 日本骨粗鬆症学会
- 財団法人骨粗鬆症財団
- メルクマニュアル 骨粗しょう症
- 骨粗しょう症のセルフチェック
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- からだチェック(72)骨粗鬆症 : 高まる骨折のリスク
- 高齢者の整形外科疾患 骨粗鬆症やひざ・腰の痛み 早めの治療でQOLが向上 (特集 介護を乗り切るリハビリの力) -- (医療現場の最先端を追う)
- 〔報 文〕食事性L-Arginineの骨構造および骨代謝関連遺伝子発現調節に対する影響
- 宮内 智美,海老沢 秀道
- 學苑 854, 19-26, 2011-12-01
- The objective of the present study was to evaluate the beneficial effects of dietary L-Arginine as a bone-protective factor based on the bone microstructural properties and the mRNA expression levels …
- NAID 110008729434
- 病態・疾患別 : 臨床検査データの見方(最終回)骨粗鬆症
Related Links
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- 82歳の女性。転倒し救急車で搬入された。
- 現病歴:廊下で倒れているところを家族が発見し、救急車を要請した。半年前から階段昇降時の息切れを自覚していた。
- 既往歴:68歳時から高血圧症のためカルシウム拮抗薬、糖尿病のためビグアナイド薬、75歳時から深部静脈血栓症のためワルファリン、76歳時から不眠症のためベンゾジアゼピン系睡眠薬、骨粗鬆症のためビスホスホネート製剤で治療中。
- 生活歴:日常生活動作(ADL)は自立。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:問いかけに対し名前を言うことができる。身長 152cm、体重 42kg。体温 36.6℃。心拍数 72/分、整。仰臥位で血圧 112/68mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に黄染を認めない。前頭部に2cm大の皮下血腫を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。神経診察を含む身体診察に異常を認めない。
- 頭部CTでは皮下血腫のみで頭蓋内に異常を認めなかった。座位にしたところ1分後にふらつきを生じ「目の前が暗くなる」と訴えた。心拍数 120/分、整。血圧 82/40mmHg。呼吸数 20/分。直腸診で黒色便の付着を認める。静脈路を確保して輸液を開始し、血圧は 110/62mmHgに上昇した。
- 検査所見:血液所見:赤血球 245万、Hb 7.5g/dL、Ht 24%、白血球 9,600、血小板 18万。血液生化学所見:総蛋白 6.5g/dL、アルブミン 3.2g/dL、AST 20U/L、ALT 30U/L、尿素窒素 65mg/dL、クレアチニン 0.6mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.5mEq/L、Cl 108mEq/L。
- この患者において今後の頭蓋内出血の出現を予測する上で、最も注意すべき薬剤内服歴はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113C055]←[国試_113]→[113C057]
[★]
- 82歳の女性。転倒し救急車で搬入された。
- 現病歴:廊下で倒れているところを家族が発見し、救急車を要請した。半年前から階段昇降時の息切れを自覚していた。
- 既往歴:68歳時から高血圧症のためカルシウム拮抗薬、糖尿病のためビグアナイド薬、75歳時から深部静脈血栓症のためワルファリン、76歳時から不眠症のためベンゾジアゼピン系睡眠薬、骨粗鬆症のためビスホスホネート製剤で治療中。
- 生活歴:日常生活動作(ADL)は自立。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:問いかけに対し名前を言うことができる。身長 152cm、体重 42kg。体温 36.6℃。心拍数 72/分、整。仰臥位で血圧 112/68mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に黄染を認めない。前頭部に2cm大の皮下血腫を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。神経診察を含む身体診察に異常を認めない。
- 頭部CTでは皮下血腫のみで頭蓋内に異常を認めなかった。座位にしたところ1分後にふらつきを生じ「目の前が暗くなる」と訴えた。心拍数 120/分、整。血圧 82/40mmHg。呼吸数 20/分。直腸診で黒色便の付着を認める。静脈路を確保して輸液を開始し、血圧は 110/62mmHgに上昇した。
- 検査所見:血液所見:赤血球 245万、Hb 7.5g/dL、Ht 24%、白血球 9,600、血小板 18万。血液生化学所見:総蛋白 6.5g/dL、アルブミン 3.2g/dL、AST 20U/L、ALT 30U/L、尿素窒素 65mg/dL、クレアチニン 0.6mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.5mEq/L、Cl 108mEq/L。
- 次に優先すべき検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113C054]←[国試_113]→[113C056]
[★]
- 82歳の女性。転倒し救急車で搬入された。
- 現病歴:廊下で倒れているところを家族が発見し、救急車を要請した。半年前から階段昇降時の息切れを自覚していた。
- 既往歴:68歳時から高血圧症のためカルシウム拮抗薬、糖尿病のためビグアナイド薬、75歳時から深部静脈血栓症のためワルファリン、76歳時から不眠症のためベンゾジアゼピン系睡眠薬、骨粗鬆症のためビスホスホネート製剤で治療中。
- 生活歴:日常生活動作(ADL)は自立。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:問いかけに対し名前を言うことができる。身長 152cm、体重 42kg。体温 36.6℃。心拍数 72/分、整。仰臥位で血圧 112/68mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に黄染を認めない。前頭部に2cm大の皮下血腫を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。神経診察を含む身体診察に異常を認めない。
- 転倒の原因を評価するための質問として有用性が低いのはどれか。
- a 「転倒した時のことを覚えていますか」
- b 「打撲して最も痛い部位はどこですか」
- c 「転倒するときに何かにつまずきましたか」
- d 「手足のしびれや、動かしづらさはありませんか」
- e 「これまで痙攣発作を起こしたと言われたことがありますか」
[正答]
※国試ナビ4※ [113C053]←[国試_113]→[113C055]
[★]
- 次の文を読み、25~27の問いに答えよ。
- 70歳の女性。腰背部痛を主訴に来院した。
- 現病歴 :これまで家事に追われてきたが、数年前から疲労感と背部から腰部にかけての重感と鈍痛とを感じるようになった。痛みは常時あるわけではない。最近、疼痛と脊柱の変形とが増強してきたことに気付いている。身長は20歳代に比べて8cm短縮した。
- 既往歴 : 家族歴:特記すべきことはない。閉経は52歳であった。
- 現症 : 身長152cm、体重44kg。脈拍76/分、整。血圧120/72mmHg。胸腰椎移行部の後背変形と叩打痛とを認める。心雑音はなく、呼吸音も正常である。腹部と四肢とに特記すべき所見はない。深部腱反射に異常を認めない。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球423万、Hb12.4g/dl、Ht39%、白血球3,700、血小板13万。血清生化学所見:血糖80mg/dl、総蛋白6.5g/dl、アルブミン4.2g/dl、アルカリホスファターゼ152単位(基準260以下)、Na143mEq/l、K3.7mEq/l、Cl 110mEq/l、Ca8.7mg/dl、P3.0mg/dl、freeT4 1.2ng/dl(基準0.8~2.2)、PTH46pg/dl(基準10~60)。第2~4腰椎の骨密度は若年強常女性の平均骨密度の65%(基準80以上)。
[正答]
※国試ナビ4※ [097C024]←[国試_097]→[097C026]
[★]
- 60歳の男性。持続する腰痛のため来院した。数年前から時々腰痛を自覚していた。平成16年2月にゴルフの後に腰痛が出現し、近医で薬物療法と理学療法とを受けたが腰痛は軽減せず、5月からは左下肢痛も加わり増悪傾向を示したため、紹介され7月に来院した。身長165cm、体重55㎏。体温36.9℃。下部腰椎に叩打痛を伴う運動痛がある。左殿部から左大腿部への放散痛はあるが歩行は可能である。Lasegueテスト両側陰性。左L4、L5およびS1神経根領域に感覚鈍麻と軽度の筋力低下とを認める。血液所見:赤血球390万、Hb11.3g/dl、Ht36%、白血球7,600。血清生化学所見:総蛋白7.0g/dl、アルブミン3.5g/dl、アルカリホスファターゼ346単位(基準260以下)、Na143mEq/l、K4.3mEq/l、Cl102mEq/l、Ca11.0mg/dl、P3.0mg/dl、CRP0.9mg/dl。5月と7月との腰椎エックス線単純写真正面像を以下に示す。最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099G045]←[国試_099]→[099G047]
[★]
- 次の文を読み、37、38の問いに答えよ。
- 57歳の男性。発作性の喘鳴を主訴に来院した。
- 現病歴 : 1週前から微熱、咳、痰および発作性の喘鳴が出現し、市販の感冒薬を服用したが改善せず、呼吸困難が増強した。
- 既往歴 : 2年前から降圧薬を服用している。喫煙歴はない。
- 現症 : 意識は清明。体温37.0℃。脈拍92/分、整。心音と呼吸音とに異常を認めない。
- 検査所見 : 血液所見:赤血球441万、Hb 15.0g/dl、Ht 45%、白血球 10,200、血小板 18万。血液生化学所見に異常を認めない。免疫学所見:CRP 1.2mg/dl。ツベルクリン反応陽性。胸部エックス線写真と喀痰のMay-
- Giemsa染色標本とを以下に示す。
- 吸入療法を開始したが十分な改善が得られなかったため、経口薬を追加投与することとした。
- この経口薬を長期間投与した場合の合併症で頻度が低いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103H037]←[国試_103]→[103I001]
[★]
- 62歳の男性。持続する腰痛を主訴に来院した。 3か月前、ゴルフの後に腰痛が出現した。自宅近くの診療所で薬物療法と理学療法とを受けたが腰痛は軽減せず、1か月前からは左下腹痛も加わった。身長165cm、体重55kg。体温36.9℃。下部腰椎に叩打痛と運動時痛とを認める。腰椎前後屈で左殿部から左大腿部への放散痛がある。歩行は可能。 Lasegueテスト両側陰性。左L4、 L5及びSl神経根領域に感覚鈍麻と軽度の筋力低下とを認める。血液所見:赤血球 390万、 Hb 11.3g/dl、 Ht 36%、白血球 7,600、血小板 21万。血液生化学所見:総蛋白 7.0g/dl、アルブミン 3. 5g/dl、 ALP 421 IU/l(基準115-359)、Na 143mEq/l、K 4.3mEq/l、Cl 102mEq/l、Ca ll.0mg/dl、P 3.0mg/dl。CRP 0.9mg/dl。初診時の腰椎エックス線写真(別冊No.7)を別に示す。
- この患者の腰下肢痛の原因として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105A033]←[国試_105]→[105A035]
[★]
- 55歳の女性。6か月前から頚部と腰部との皮膚掻痒感が出現し、最近尿が褐色調となったので来院した。身長155cm、体重52kg。眼球結膜は黄染し、正中線上で肝を3cm、左肋骨弓下に脾を2cm触知する。血液所見:赤血球325万、Hb9.2g/dl、Ht30%、白血球5,400、血小板9万。血清生化学所見:総蛋白6.7g/dl、アルブミン3.8g/dl、総ビリルビン3.2mg/dl、直接ビリルビン1.9mg/dl、GOT62単位(基準40以下)、GPT59単位(基準35以下)、γ-GTP322単位(基準8~50)、アルカリホスファターゼ782単位(基準260以下)。肝生検組織H-E染色標本を以下に示す。
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095G025]←[国試_095]→[095G027]
[★]
- 55歳の女性。2週前からの褐色調尿を主訴に来院した。身長155cm、体重52kg。眼球結膜に黄染を認める。右肋骨弓下に肝を3cm、左肋骨弓下に脾を2cm触知する。血液所見:赤血球325万、Hb9.2g/dl、Ht30%、白血球5,400、血小板9万。血清生化学所見:総蛋白6.7g/dl、アルブミン3.8g/dl、IgG1,360mg/dl(基準960~1,960)、IgA150mg/dl(基準110~410)、IgM480mg/dl(基準65~350)、総ビリルビン3.2mg/dl、直接ビリルビン1.9mg/dl、AST62IU/l、ALT59IU/l、ALP782IU/l(基準260以下)、γ-GTP322IU/l(基準8~50)。免疫学所見:CRP0.3mg/dl、HBs抗原陰性、HCV抗体陰性、抗核抗体80倍(基準20以下)、抗ミトコンドリア抗体160倍(基準20以下)。
- この疾患に合併する頻度が高いのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A027]←[国試_101]→[101A029]
[★]
- 75歳の女性。やせが目立ってきたことを主訴に来院した。 30年前から高血圧症に対して、 15年前から骨粗鬆症に対してそれぞれ治療中である。 10年前に脳梗塞を発症し寝たきりとなった。自宅で家族が介護してきたが、四肢関節の拘縮が徐々に進行し、最近は体位変換も困難である。半年前から経口摂取が不良となり、やせが目立ってきた。身長 140 cm、体重 31 kg。皮膚は乾燥している。仙骨部の写真 (別冊No. 3)を別に示す。
- この患者で仙骨部の病変のリスクファクターとなっているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108H021]←[国試_108]→[108H023]
[★]
- a 「血圧が上がります」
- b 「乳癌のリスクは下がります」
- c 「骨粗鬆症による骨折のリスクは上がります」
- d 「エストロゲンの貼付薬では効果がありません」
- e 「肩こりや頭痛より発汗とのぼせによく効きます」
[正答]
※国試ナビ4※ [108I050]←[国試_108]→[108I052]
[★]
- 72歳の女性。屋内で尻もちをついた直後から腰部に激しい痛みを生じ、歩行困難となり搬入された。身長151cm、体重55kg。体温36.8℃。腰部に強い叩打痛を認める。血液所見:赤血球390万、白血球5,400。血清生化学所見:AST25単位、ALT28単位、ALP280単位(基準260以下)、Ca9.1mg/dl、P3.1mg/dl。CRP0.4mg/dl。腰椎エックス線単純写真側面像を以下に示す。最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100D021]←[国試_100]→[100D023]
[★]
- 54歳の男性。全身の皮疹と倦怠感とを主訴に来院した。1か月前から顔面、体幹および四肢に紅斑が出現し、徐々に拡大し、全身倦怠感を伴ってきた。上眼瞼と四肢関節の背面とを中心に紅斑がみられる。膝部の写真と同部の病理組織H-E染色標本とを以下に示す。
- 第一選択の治療を開始する際、患者に伝えておくべき副作用はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [102I063]←[国試_102]→[102I065]
[★]
- 38歳の女性。会社の健康診断で高血圧を指摘されたため来院した。身長158cm、体重60kg。満月様顔貌と中心性肥満とがある。血清コルチゾールの高値と日内変動の消失とを認める。腹部超音波検査で左腎上方に径3cmの腫瘤を認める。
- この疾患でみられるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [098I029]←[国試_098]→[098I031]
[★]
- 55歳の女性。右眼の急激な視力障害を訴えて来院した。
- 視力は右0.01(矯正不能)、左1.2(矯正不能)。眼圧は右13mmHg、左12mmHg。右の眼底写真を以下に示す。
- 原因とならないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099C020]←[国試_099]→[099C022]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [109I024]←[国試_109]→[109I026]
[★]
- a. 感染性関節疾患に適応がある。
- b. 骨粗鬆症のある患者には適応がない。
- c. 骨セメント硬化時、一過性に血圧が上昇する。
- d. 深部静脈血栓症のリスクが高い。
- e. 術後の磁気共鳴画像検査(MRI)は禁忌である。
[正答]
※国試ナビ4※ [103G016]←[国試_103]→[103G018]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107B015]←[国試_107]→[107B017]
[★]
- a 椎間板変性は胸椎に多い。
- b 後縦靱帯骨化は頸椎に多い。
- c 骨粗鬆症の頻度に性差はない。
- d 最も多い症状は間欠性跛行である。
- e 脊椎圧迫骨折が多いのは第5腰椎である。
[正答]
※国試ナビ4※ [111B015]←[国試_111]→[111B017]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098G102]←[国試_098]→[098G104]
[★]
- 英
- primary biliary cholangitis
- 同
- 原発性胆汁性肝硬変
- first aid step1 2006 p.280
- 2009/7/16 III 消化器
まとめ
- 肝内の小葉間胆管が組織的に慢性非可能性破壊性胆管炎により障害され、肝内に胆汁うっ滞をきたしてうっ血性肝障害を起こす疾患である。発症は中年以降の女性に好発する。またHLA-DR8と関連があるらしい。初期症状は皮膚掻痒感であり、黄疸を示さない無症候性PBCがほとんどである。疾患の進行により、黄疸、全身倦怠感が出現、やがて肝硬変、さらに非代償性の肝硬変に陥り、腹水、門脈圧亢進症などを呈する。病理学的には慢性非化膿性破壊性胆管炎が特徴的であり、門脈域周囲にリンパ球の浸潤、非乾酪性壊死を認める。血清学的には抗ミトコンドリア抗体(M2抗体)が疾患特異的に出現し、抗平滑筋抗体も50%弱の症例で陽性となり、またIgMの上昇が認められる。その他血液検査は胆汁うっ滞による肝障害に特徴的な異常がみられる。合併症として、シェーグレン症候群が多く、関節リウマチ、橋本甲状腺炎、強皮症(あるいはCREST症候群)の合併もありうる。治療は対症療法的にウルソデオキシコール酸、ベサフィブラートを用い、肝障害が末期的になれば肝移植の適応となる。
概念
- 特定疾患治療研究対象疾患
- 肝内の中等大小葉間胆管ないし隔壁胆管が障害される原因不明の慢性肝内胆汁うっ滞症。
- 慢性非化膿性破壊性胆管炎(CNSDC)による慢性の肝内胆汁うっ滞を来す疾患(YN.)。
- 初発症状は皮膚掻痒感。
- 末期になると肝硬変像を示す。 → 門脈圧亢進症
- 血清学的には抗ミトコンドリア抗体(IgM)が特徴的だが、胆管障害機序は不明。 → 自己免疫機序?
- 胆汁うっ滞に基づく症状を呈さないPBCを無症候性PBC、症状を呈すものを症候性PBCという。
疫学
- 発症年齢は40から60歳代に集中。約90%は女性。 → 中年以降の女性に好発
YN.
- 有病率:3-4人/10万人。欧米より低いと推定されている。
- 40-60歳の女性。女性が90%
病型と症状
- 初発症状:皮膚掻痒が最も多い。門脈圧亢進症に基く消化管出血が初発症状の場合がある。
- 無症候性PBC:皮膚掻痒感、黄疸など症状を欠く。新規症例の2!3
- 症候性PBC-S1:倦怠感、掻痒感
- 症候性PBC-S2:非代償性。黄疸,腹水
病理
[show details]
病理所見
- 胆管上皮の増殖性変化,胆管上皮細胞の壊死, 胞体の腫大や好酸性変化
- 基底膜の破壊、核の非偏在化、核の重層化、門脈域にリンパ球、形質細胞が浸潤
- 門脈域主体の炎症細胞浸潤
- 小葉内胆管の障害像
- 非乾酪性類上皮肉芽腫
- 好酸球
病態
- 自己免疫機序によると思われる胆管の傷害 → 胆汁うっ滞 → 肝細胞傷害および線維化 → 門脈圧亢進症 → 肝硬変
- 肝内の中等大小葉間胆管ないし隔壁胆管が障害されることによる肝内性胆汁うっ滞 ← これは「肝内胆管が拡張しない」ことの説明になるの?(QB.B-339)
症状(YN., HIM.chapter 302)
- 初発症状:皮膚掻痒感(診断された症例の50%に見られる)、皮膚黄色腫
- 疲労感:肝臓の状態や年齢にそぐわないようなひどい疲労感
- 黄疸
身体所見
- 門脈圧亢進症に基づく症状:肝腫大、脾腫大、腹水、浮腫
- 原発性胆汁性肝硬変に特有:色素沈着(皮膚を掻爬するため)、黄色腫・眼瞼周囲の黄色腫(高脂血症による)
合併症
- YN.
検査(YN.)
血液一般
- 赤血球、白血球、血小板:減少 → 門脈圧亢進症による脾腫が原因
生化学 - 脂質
生化学 - 銅
- 血清Cu:上昇、尿中Cu:上昇、肝組織内銅含有量:上昇
- 血清セルロプラスミン:上昇
肝障害
胆汁
- 胆汁うっ滞の所見が特徴的。ただし総ビリルピンの上昇は末期
免疫血清学
- 抗ミトコンドリア抗体(AMA):陽性。臓器特異性はない ← 90%の患者で陽性。PBCに特異的。
- M2抗体:PBCに特異的。 AMA陰性患者でもほとんどの場合M2抗体が陽性。
- M2の主要対応抗原はミトコンドリア内膜のpyruvate dehydrogenase (PDH) E2 component。
- 抗PDH抗体:陽性。抗PDH-E2抗体と反応する分子がPBCの胆管上皮に高濃度に存在。
- IgM:上昇:70%の症例 ← PBCではIgM産生能が高まったB細胞が末梢血中に存在する。PBCの発症機序との関連が示唆されている。(参考3)
- ANA、抗平滑筋抗体は50%の症例で陽性
- AMA陽性 + ANA陽性 = オーバーパップ症候群
AMAのターゲット(HIM.chapter.302)
- これらの抗原に対する自己抗体は病態形成には関与していないが、疾患のマーカーとなる。
- pyruvate dehydrogenase complex
- branched chain-2-oxoacid dehydrogenase complex
- 2-oxogluterate dehydrogenase complex
超音波検査・CT・MRI
診断
- 臨床症状、血清学的検査、エコー、CTで疑い、肝生検による組織診で確定診断する。
- ALP、γ-GTP → エコーで胆道閉塞性疾患を否定 → AMA、IgM検査 → 肝生検
- AMA陰性の場合は肝生検が決め手
参考2より抜粋
- 次のいずれか1つに該当するものをPBCと診断する。
- 1. 組織学的にCNSDCを認め,検査所見がPBCとして矛盾しないもの。
- 2. AMAが陽性で,組織学的にはCNSDCの所見を認めないが,PBCに矛盾しない組織像を示すもの。
- 3. 組織学的検索の機会はないが,AMAが陽性で,しかも臨床像及び経過からPBCと考えられるもの。
鑑別診断
- 1期: florid duct lesion - 無症候性
- 慢性非化膿性破壊性胆管炎(CNSDC)といわれる所見、すなわち、胆管上皮細胞の変性、壊死、脱落と、胆管周囲へのリンパ球、形質細胞の浸潤。
- 2期: ductular prliferation - 無症候性
- 細胆管の増生と門脈域より肝実質へのリンパ球浸潤。
- 架橋壊死と線維性隔壁を伴った瘢痕。
- 肝硬変
予後
- 黄疸が出現したら肝臓の予後は不良 → つまり進行性
- 無症候性PBCの予後はおおむね良好、15-20年間経過観察された無症候性PBCの約10%が症候性PBC(黄疸あり)へ移行
- 症候性PBCの5年生存率は約40%、総ビリルビン>2.0mg/mlで数年以内に腹水貯留などの肝不全の徴候があらわれてくることが多い
冶瞭
- UDCA(ウルソデオキシコール酸)、ベサフィブラート、肝移植(scheuer stage IV)
薬物療法
- ウルソデオキシコール酸:胆汁排泄を促進して胆道系酵素を低下させる。 → 病態の進行を遅らせるだけに過ぎない
臓器移植
- 進行例に対して肝移植を施行
- 肝移植: 1年生存率 75-90%、 5年生存率 75-85%
- 再発は20-30%(確診), 28-90%(compartible)
禁忌
- ステロイド:骨粗鬆症の増悪を招くため! → 自己免疫性肝炎ではステロイドを使用(よく反応するらしい)。 PBCに対するステロイド療法は症状緩和のみで根治できず、長期投与が必要になるということか???
合併症
鑑別診断
他疾患との比較
PBCとPSCの比較
Table 16-7. Main Features of Primary Biliary Cirrhosis and Primary Sclerosing Cholangitis
|
Parameter
|
primary biliary cirrhosis
|
primary sclerosing cholangitis
|
Age
|
Median age 50 years (30-70)
|
Median age 30 years
|
Gender
|
90% female
|
70% male
|
Clinical course
|
Progressive
|
Unpredictable but progressive
|
Associated conditions
|
Sjogren syndrome (70%)
|
inflammatory bowel disease (70%)
|
scleroderma (5%)
|
pancreatitis (≦25%)
|
thyroid disease (20%)
|
idiopathic fibrosing disease (retroperitoneal fibrosis)
|
Serology
|
95% AMA positive
|
0% to 5% AMA positive (low titer)
|
20% ANA positive
|
6% ANA positive
|
60% ANCA positive
|
82% ANCA positive
|
Radiology
|
normal
|
strictures and beading of large bile ducts; pruning of smaller ducts
|
duct lesion
|
florid duct lesion; loss of small ducts
|
concentric periductal fibrosis; loss of small ducts
|
自己免疫性肝炎と原発性胆汁性肝硬変
症例
- 52歳女性。3ヶ月前から皮膚の掻痒感と軽度の黄疸が出現したため来院した。抗ミトコンドリア抗体が陽性である。
参考
- http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/029_i.htm
- http://www.nanbyou.or.jp/pdf/029_s.pdf
- 3. [charged] Pathogenesis of primary biliary cirrhosis - uptodate [1]
国試
[★]
- 英
- hypotensor, depressor, hypotensive drugs hypotensive agent hypotensive drug
- 同
- 降圧剤、血圧降下薬、高血圧症治療薬、抗高血圧薬 antihypertensive antihypertensive drug, antihypertensive drugs
[show details]
ja
hypotensor : 約 1,170 件
depressor : 約 13,000 件
hypotensive drugs : 約 1,410 件
hypotensive agent : 約 1,320 件
hypotensive drug : 約 1,200 件
en
hypotensor : 約 12,100 件
depressor : 約 1,220,000 件
hypotensive drugs : 約 29,100 件
hypotensive agent : 約 37,600 件
hypotensive drug : 約 12,500 件
降圧薬
-
- 近位尿細管:アセタゾラミド:炭酸脱水酵素を阻害
- 太いヘンレループ上行脚:フロセミド:Na+-K+-2Cl-共輸送体(NKCC)を阻害
- 遠位尿細管前半部:チアジド系利尿薬:Na+とCl-の共輸送体を阻害
- 遠位尿細管後半部と集合管:
- スピラノラクトン:アルドステロン受容体に競合的に結合
- トリアムチレン:Na+流入を抑制
-
-
-
- カルベジロール(α1遮断により末梢血管を拡張。β遮断により陽性変力作用を抑制)
- アムスラロールなど
- 強力な降圧効果を示す
- 細胞内へのCa流入を抑制することにより血管平滑筋を弛緩させ末梢血管抵抗を下げる
- 脳、心臓、腎臓への血流を保つ
- 膜電位依存性Caチャネルに作用して血管平滑筋を弛緩させる
-
- 副作用:ジルチアゼムの副作用:洞性徐脈、洞性ブロック
- ニフェジピン: 血管への親和性が高い→抗高血圧薬として優れる
- 副作用:反射性交感神経緊張、顔面紅潮、浮腫(静脈拡張より動脈拡張の度合いが大きいため)、便秘
- 臓器障害の改善、進展予防 beyond blood pressure
- RA系の抑制
- アンジオテンシノゲン→(レニン)→アンジオテンシンI→(アンジオテンシン転換酵素)→アンジオテンシンII-(アンジオテンシン受容体遮断薬)-|アンジオテンシン受容体1
- ACE阻害薬の腎機能保護
- ACE阻害薬:輸入細動脈 拡張、輸出細動脈 拡張 → 糸球体内圧↓
- Ca拮抗薬 :輸入細動脈 拡張、輸出細動脈 なし → 糸球体内圧↑
-
- 副作用
- ACEはブラジキニンを分解するキニナーゼIIと同一の酵素である。ACE阻害薬はこの酵素を阻害するが、ブラジキニンは血管拡張、決勝滲出決勝進出、発痛作用に関わっている。このため咳を誘発することがある。
- 禁忌
- 妊婦。ブラジキニンは胎児の動脈管閉鎖に関わっている。このた、母胎にACE阻害剤を加え、ブラジキニンが増えると胎児の動脈管が閉鎖してしまう。(血管浮腫?)
- 1型アンジオテンシンII受容体拮抗薬(AT1受容体拮抗薬)
降圧薬の積極的な適応と禁忌
- 合併症を有する高齢者高血圧に対する第一選択薬と併用薬
○:第一選択 空欄:適応可 △:注意が必要 ×:禁忌
- 理由はACE参照
使用できる降圧薬
- α2作動薬
- β遮断薬
- α遮断薬
参考
- http://www.jhf.or.jp/a&s_info/guideline/kouketuatu.html
漢方薬
- 降圧目的に釣藤散が使われることが多い。補助的に防風通聖散が用いられることがある。
[★]
- 英
- rheumatoid arthritis, RA
- 同
- リウマチ様関節炎、萎縮性関節炎 atrophic arthritis
- 関
- カプラン症候群、膠原病
概要
- 原因不明のchronic multisystem disease
- 炎症性の関節炎が、特に末梢の関節で全身性に起こる。
- 経過は多様
症候
- 朝のこわばり、疼痛、腫脹、関節の動揺、関節可動域制限、変形(手指、足趾、膝関節)。(SOR.211)
- 手指の近位指節間関節(PIP関節)、中手指節関節(MP関節)。遠位指節間関節(DIP関節)に初発することは稀。(SOR.211)
- 左右対称性に生じることが多い。手関節、足趾、膝関節に初発する。(SOR.211)
- 朝のこわばりは1時間以上持続する(⇔変形性関節症では30分以内におさまる。関節を使わないと痛みがひどくなる)
関節外症状
- 100CASE p.76
- SOR.213改変
症候スペクトル
合併症
- YN. F-43
検査
単純X線
- 軟部組織の腫脹によるX線透過性の低下、関節周囲の骨萎縮(傍関節性骨骨粗鬆症)、関節辺縁のびらん、骨洞、関節裂隙狭小化、関節面の破壊、関節亜脱臼・脱臼(SOR.216)(下線の症状は変形性関節症では認めない)
血液
- 赤血球:小球性低色素性貧血
- 白血球:正常あるいは軽度増加。ただし 脾腫 + 白血球減少 + RA = フェルティー症候群
- 血小板:増加
- 補体:高値?。(SOR.217)SLEと違って低下しない。経過中に低下してきたのなら悪性関節リウマチを考慮
- リウマチ因子:陽性(70-80%の症例)
- 炎症所見:赤沈・CRP・免疫グロブリン高値
関節液
- 淡黄緑色、混濁、滑膜細胞の細片の浮遊を認める。粘稠度低下(SOR.218)
関節内視鏡
身体所見 (SOR.213,417)
手
手関節
- 手関節と遠位橈尺関節の滑膜炎→腫脹、運動痛、手関節の掌背屈及び前腕の回旋制限
- 尺骨頭の背側亜脱臼:ピアノキーサイン
- 手根骨の尺側移動、掌側移動
- 手関節強直:手関節が破壊されて癒合すると線維性強直、骨性強直が起きて関節の変形が固定される。
指
MP関節(MCP関節)
- 掌側脱臼、尺側偏位、伸筋腱の尺側脱臼
PIP関節
趾
MP関節(MTP関節)
- 外反母趾:第1中足骨が内反し、第1中足趾節関節で母指基節骨が外反し、中足骨骨頭が内側に膨隆し「く」の字型の変形を起こしたもの。
診断基準
|
7項目中、4項目以上を満たすとき、関節リウマチと診断される
|
備考
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1
|
1時間以上持続する朝のこわばりが、6週間以上あること
|
|
2
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3領域以上の関節の腫れが、6週間以上あること
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領域は、PIP関節・MP関節・手・肘・膝・足・MTP関節の14領域に分けられる
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3
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手関節またはMP関節またはPIP関節の腫れが、6週間以上あること
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少なくとも1ヵ所での軟部組織腫脹
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4
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対称性関節腫脹
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PIP、MCP、MTP関節は完全に対象である必要はない
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5
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リウマトイド結節
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骨突起部、伸側表面/関節近傍の皮下結節
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6
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リウマトイド因子が陽性
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正常人コントロールで5%以下の陽性率を示す測定法を用いること
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7
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X線、関節リウマチに特有の骨びらんが見られる
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手・指を中心に見る、びらん以上の破壊も含む
|
診断
治療
- 以前は、病状の進行に合わせて作用の弱い薬剤から強い薬剤を用いていたが、最近では初期に強力に炎症を抑制して関節破壊を防ぐ治療方針に変わってきている。
TNF阻害薬の適応
- 1. 既存の抗リウマチ薬(DMARD)通常量を3ヶ月以上継続して使用してもコントロール不良のRA患者。コントロール不良の目安として以下の3項目を満たす者。
- 1) 圧痛関節数6関節以上
- 2) 腫脹関節数6関節以上
- 3) CRP 2.0mg/dl以上あるいはESR 28mm/hr以上
- a) 画像検査における進行性の骨びらんを認める
- b) DAS28-ESRが3.2(moderate activity)以上
- のいずれかを認める場合も使用を考慮する。
- 2. さらに日和見感染症の危険性が低い患者として以下の3項目も満たすことが望ましい。
- 1) 末梢血白血球数 4000/mm3以上
- 2) 末梢血リンパ球数 1000/mm3以上
- 3) 血中β-D-グルカン陰性
参考
- 2. 株式会社医学生物学研究所 MESACUP CCPテスト
- 3. 関節リウマチの診療マニュアル(改訂版) 診断のマニュアルとEBMに基づく治療ガイドライン
- http://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/rm400/library/guideline.html
[★]
- ☆case27 関節痛
- ■症例
- 37歳 女性
- 主訴:関節痛
- 現病歴:数ヶ月、膝の痛みがだんだん強くなっていると感じていた。痛みは手や足の小関節に多く、朝歩くときに最もこわばる。痛みはジクロフェナクを飲むと和らぐ。そのほかの症状として疲労感を感じ、最近、体重が3ヶ月で4kg減っている。
- 喫煙歴:なし。
- 飲酒歴:機会飲酒
- 既往歴:なし
- 家族歴:既婚、子供は2人
- 服薬歴:ジクロフェナク
- 職業歴:legal sevretary
- 身体所見 examination
- 顔貌 青白、臨床的な貧血を認める。近位指節間関節・中手指節関節 腫脹・effusionを伴う疼痛。中足趾節関節 圧痛。それ以外は正常。
- 検査 investigation
- 血液検査
- Hb低下
- ESR上昇
- 尿素軽度上昇
- クレアチニン軽度上昇
- 正常:白血球、MCV、血小板、ナトリウム、カリウム、グルコース、アルブミン
- 尿検査
- 蛋白(-)、尿糖(-)、潜血(-)、
- ■問題
- 本症例では診断とその根拠を考えるのは簡単なので、鑑別疾患をあげてその疾患に特徴的な症候を列挙しましょう。
- ■関節痛 DIF.283
- V Vascular
- 血友病 hemophilia 血友病性関節症(急性:疼痛、腫脹、熱感(SOR.241)
- 慢性:可動域の低下、変形、関節周囲筋萎縮(SOR.241))。家族歴
- 壊血病 scurvy 。生活環境。食事歴
- 無菌性骨壊死 aseptic bone necrosis (Osgood-Schlatter diseaseとか)
- I Inflammatory
- 感染性関節炎(細菌性関節炎(化膿性関節炎・淋菌性関節炎・結核性関節炎・嫌気性菌関節炎 )、真菌性関節炎、スピロヘータ関節炎(梅毒性関節炎・ライム関節炎)、マイコプラズマ関節炎、ウイルス性関節炎)
- N Neoplastic disorders
- 骨原性肉腫 osteogenic sarcoma
- 巨細胞腫 giant cell tumors
- D Degenerative disorders
- degenerative joint disease
- 変形性関節症 osteoarthritis
- I Intoxication
- 痛風 gout (uric acid)
- 偽痛風 pseudogout (calcium pyrophosphate)
- ループス症候群 lupus syndrome of hydralazine (Apresoline) and procainamide
- gout syndrome of diuretics
- C Congenital and acquired malformations bring to mind the joint deformities of tabes dorsalis and syringomyelia and congenital dislocation of the hip. Alkaptonuria is also considered here.
- A Autoimmune indicates
- 関節リウマチ RA
- 血清病 serum sickness
- 全身性エリテマトーデス lupus erythematosus
- リウマチ熱 rheumatic fever
- ライター症候群 Reiter syndrome
- 潰瘍性大腸炎 ulcerative colitis
- クローン病=限局性回腸炎 regional ileitis
- 乾癬性関節炎 psoriatic arthritis
- リウマチ性多発筋痛症 polymyalgia rheumatica
- T Trauma
- E Endcrine
- 先端肥大症 acromegaly
- 閉経 menopause
- 糖尿病 diabetes mellitus
- ■関節炎の分類
- ・炎症部位の数
- 単関節炎:痛風、偽痛風、離断性骨軟骨炎、血行性の化膿性関節炎のほとんど
- 多関節炎:リウマチ性疾患、ウイルス性疾患、白血病での関節症状、易感染性宿主における血行性の化膿性関節炎
- ■関節リウマチ
- 診断基準
- 関節症状
- 朝のこわばり、疼痛、腫脹、関節の動揺、関節可動域制限、変形(手指、足趾、膝関節)。(SOR.211)
- 手指の近位指節間関節(PIP関節)、中手指節関節(MP関節)。遠位指節間関節(DIP関節)に初発することは稀。(SOR.211)
- 左右対称性に生じることが多い。手関節、足趾、膝関節に初発する。(SOR.211)
- 関節外症状
- 全身症状:発熱
- 皮膚症状:リウマトイド結節(肘の伸側、後頭部、手指)
- 眼症状:上胸膜炎(10日の経過で治癒)、強膜炎(予後不良)。稀に角膜穿孔
- 血液障害:(高頻度)貧血、白血球減少(Felty病。DMARDs投与中の場合は薬剤性の骨髄抑制を考慮)
- アミロイドーシス:ネフローゼや下痢を来した症例で疑う。アミロイド蛋白はAA
- 腎障害:稀。アミロイドーシスの続発症か薬剤性を考慮。
- 呼吸器症状:間質性肺炎の合併多い。下肺野に好発。通常無症状。メトトレキセートなどの使用により薬剤性の急性間質性肺炎を生じることがある。
- 心・血管障害:リンパ管炎による難治性の浮腫。
- 神経症状:環軸関節亜脱臼により項部痛や脊髄症上が出現しうる。
- 骨粗鬆症
- 腱鞘滑膜炎:手指、手関節、足関節
- ■両側性多関節炎の鑑別疾患
- OA:遠位指節間関節を冒すのが特徴的で、近位指節間関節、中手指節関節を冒しうる。
- RA:
- SLE:軽度、症状の程度が変動する非びらん性の関節炎
- gout:単関節炎からはじまる。
- 血清陰性関節炎:強直性脊椎炎、感染、ライター病:中~大関節に非対称性の関節炎。仙腸関節と遠位指節間関節にも関節炎
- 急性ウイルス性関節炎:風疹。
- ■KEY POINTS
- ・RAでは遠位指節間関節は冒されない傾向がある。
- ・RAの全身症状は関節症状に先行することがある。
- ・RAの活動性と貧血及びESRは相関している。
- ・NSAIDsは腎機能に悪影響を与えることがある。
- ■initial plan
- Dx 1. 単純X線写真
- ・亜脱臼、関節周囲の骨萎縮(傍関節性骨骨粗鬆症,juxta-articular osteoporosis)、関節裂隙の狭小化、関節辺縁のびらん(bony erosion)
- ・初期のRAで第5趾に骨びらんが一般的に見られる。
- ・血液検査
- ・RF、抗DNA抗体
- Tx 1. 鎮痛薬
- ・NSAIDs:鎮痛とこわばりの軽減
- 2. DMARDs(メトトレキセート、レフルノミド、金製剤、ペニシラミン)
- ・NSAIDsで症状が治まらない場合に考慮
- 3. 抗TNF抗体
- ・重症のRAで効果がある場合がある。
- ■参考文献
- SOR 標準整形外科学 第10版 医学書院
- DIF Differential Diagnosis in Primary Care Fourth Edition版 Lippincott Williams & Wilkins
[★]
- 英
- glucocorticoid (Z), glucocorticoids
- 関
- グルココルチコイド
- 関
- 副腎皮質、副腎皮質ホルモン
- 以下、内的に合成される糖質コルチコイドについて述べる
種類
分類
性状
産生組織
標的組織
生理作用
1. エネルギー代謝
- 糖新生においてグルコースの前駆体となるアミノ酸を肝臓に供給すべく動員する作用 (SP.894)
a. 糖代謝作用
- 糖新生の亢進
- 血糖上昇
- 肝細胞以外のグルコースの取り込みを抑制 (SP.894) ← 末梢でインスリンの作用に拮抗
- グルコース-6-ホスファターゼの活性亢進 (SP.894)
- グリコーゲンの合成亢進
- 血糖値の上昇に伴い、肝臓などでグルコースからグリコーゲンが作られる (SP.894)
b. タンパク質代謝作用
- 肝臓での糖新生の基質を末梢から供給する作用
- 肝細胞以外でのアミノ酸取り込み阻害 (SP.894)
- 特定のアミノ酸合成を阻害 (SP.894)
- 生理的範囲:(肝臓)同化作用が起こる、(肝臓以外)異化作用が起こる
- ステロイド大量投与時:ほとんど異化作用が起こる→副作用につながる
c. 脂質代謝作用
- 脂肪細胞に対して、インスリンの拮抗作用を持つが、一方で糖質コルチコイドにより血糖値が上昇する
-
- 脂肪細胞に対してグルコースの取り込みを抑制し、中性脂肪の生合成を抑制し、さらに大量の遊離脂肪酸とグリセロールを放出させる。肝臓でグリセロールからグルコースが合成される。 (SP.894)
- 血糖値の上昇によりインスリンが分泌され、脂肪細胞で脂肪の合成が促進される (SP.894)
- (1)、(2)のいずれの反応が起こるかは体の部位によって異なり、脂肪分布の変化が生じる。
- 中心性肥満、満月様顔貌、バッファローハンプ
2. 電解質代謝作用
- 糖質コルチコイドの電解質コルチコイド様作用。
- Na+再吸収↑、K+排泄↑
- コルチゾールの電解質作用はアルドステロンの約1/400
- コルチゾールの量 はアルドステロンの約 200倍
- ゆえに、電解質コルチコイドの1/2の作用力を持つ
3. 水代謝作用
- GFR↑、ADHに拮抗、細胞内への水移動の抑制→水利尿作用を有する。 尿崩症 + 副腎不全 → 多尿がいくらか改善されると考えて良いと思われる。仮面尿崩症
4. 骨・軟骨に対する作用
- a. ビタミンDと拮抗して腸管からのCa吸収阻害 (SP.894)
- b. 腎尿細管におけるCa再吸収阻害 (SP.894)
- c. 骨芽細胞の分化・増殖を抑制 (SP.894)
- 糖質コルチコイドの大量投与→軟骨↓骨成長↓(活性型ビタミンD3に拮抗・尿細管Ca再吸収↓→PTH↑、骨芽細胞の分化抑制、タンパク質の異化作用↑)→骨粗鬆症、骨壊死 or 骨端線閉鎖を促進(←?要調査)
- b.の機序で尿に排泄されるカルシウムが増加 → 高カルシウム尿症 → 尿路結石
5. 抗炎症作用
- 胸腺やリンパ組織を萎縮させる → 炎症反応や免疫反応を抑制
- リンパ球数の減少、白血球の遊走抑制、抗体産生低下、ヒスタミン放出抑制(局所の毛細血管拡張抑制) (SP.894)
- 末梢好中球数は増加する(YN.F-78) → 白血球増多症
SPC.330
- a) 核内受容体を介してlipocortinを発現させ、これがphospholipase A2を阻害する。これにより、アラキドン酸の産生が抑制され、炎症を促進するロイコトリエンの産生も抑制される。
- b) 末梢血Tリンパ球、単球、好酸球、好塩基球:骨髄からの放出減少と再分配(?)のため末梢血中では減少する。
- c) 末梢血好中球:炎症部位への集合が抑制され(血管外への遊走が抑制される(GOO.1600))、末梢血中では増加する。
- d) Bリンパ球はヘルパーT細胞が抑制されるために抗体産生能が減少する。
- e) リンパ球などの細胞表面の立体構造を換えて抗体や補体の結合を抑制する。
- f) 毛細血管(毛細管)の収縮により、血管の透過性は低下する。
6. 循環器
- カテコールアミン・アンジオテンシンIIによる血管収縮作用の許容作用 → 糖質コルチコイドなしではその作用を十分に及ぼし得ない
- 欠乏症では血管のカテコールアミン・アンジオテンシンIIに対する感受性低下
7. 中枢神経系
8. 成長発達
- 胎児期の消化酵素・リン脂質(肺胞表面の張力に関与)の合成に関与 (SP.895)
- 小児期で骨や熱強訴域に直接作用して身長の伸びを抑制する (SP.895)
作用機序
免疫抑制(GOO. 657,674,1600)
- 糖質コルチコイドはリポコルチンを産生→リポコルチンはホスホリパーゼA2の活性を修飾→アラキドン酸産生↓
分泌調節
- 1. 概日リズム
- 2. フィードバック制御
- 3. ストレス反応
臨床関連
用量
- Low-to-moderate doses — Doses of 1 mg/kg per day of prednisone in children or 40 mg per day in adults may be considered an approximate threshold at which significant toxicities begin to appear with extended use in most individuals.
副作用
- 副腎皮質ホルモン剤
- Patients receiving a glucocorticoid dose equivalent to ≥20 mg of prednisone daily for one month or longer who also have another cause of immunocompromise (eg, certain hematologic malignancies or a second immunosuppressive drug)
- https://www.uptodate.com/contents/treatment-and-prevention-of-pneumocystis-pneumonia-in-hiv-uninfected-patients?
- 0.5mg/kg以上のプレドニゾロン(PSL)を3週間以上投与され、かつST予防投与されていない間質性肺炎74例中7例(9.5%)でPCPを発症(榎本達治,他.ステロイド療法中の間質性肺炎患者に発症したニューモシスチス肺炎の臨床的検討.日呼吸会誌 2005: 43: 725-30)