- 英
- neuroblastoma NB
- 同
- 神経芽腫、交感神経芽細胞腫 sympathoblastoma
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概念
病因
- 神経堤細胞から派生した交感神経原細胞に由来
- 脊柱傍部の交感神経節や副腎髄質(大多数(約65%))から発生。
疫学
- 小児期の悪性腫瘍の10-15%を占める
- 小児固形腫瘍の中で最も頻度が高い (次に多いのがWilms腫瘍)
- 5歳以下で発症
進展形式
病態
- 全身に進展しうる。
- 骨髄に進展すれば、造血能の低下から貧血をきたす。
- 眼窩周囲に進展してすることにより眼症状を呈する。
症状
- 非特異的で、腫瘍が進展してから発見されることが多い
- 腹部・頚部:硬い腫瘤を触れる
- 全身症状:顔色不良、貧血、食欲不振
- 眼症状:眼球突出、眼瞼周囲の皮下出血
検査
- 腫瘍マーカーの尿・血液からの検出。症例の70-80%に尿中のHVA, VMAの出現を見る
- 画像検査:CT, MRI, 超音波検査で原発巣と転移を判断。
診断
治療
- 限局例:手術
- 進行例:全身化学療法、造血細胞移植+超大量化学療法
予後
- 進行例ではきわめて予後不良。
- 1歳未満発症でかつN-myc遺伝子増幅がなければ予後良好
- 1歳以上の患児における5年無病生存率:病期III 70%。病期IV 30%
予後良好因子と予後不良因子
- 予後良好因子・・・1歳未満(病期I、II、III、IVs)
- 予後不良因子・・・1歳以上の病期III、IV。二倍体。trk遺伝子未発現。染色体1p欠失。N-myc遺伝子の増殖。
予防
- 新生児スクリーニングとしては実施されていない
- 乳児期(6ヶ月)にスクリーニングが行われる?(小児科学第2版p.263)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/05/21 15:54:25」(JST)
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神経芽細胞腫(しんけいがさいぼうしゅ、neuroblastoma)は、小児がんの組織型の一種。現在は神経芽腫と呼ばれる。小児がんにおいては白血病についで患者数が多い。神経堤細胞に由来する悪性腫瘍で、主に副腎髄質や交感神経幹から発生する。副腎から発生する腫瘤として発見される。転移先として肝臓、骨、骨髄が多い。
乳幼児に多く発見される。そのため、以前は新生児のスクリーニングテストが行われていたが、新生児の場合はそのままがんが縮小してなくなるケースがあり、過剰な治療を行ってしまうとの批判から、今では行われなくなっている。
尿中腫瘍マーカーはVMAとHVA。血清NSEが高値を示す。遠隔転移診断は骨シンチ及びMIBGシンチによる。
一般に18ヶ月までに発症する場合は予後が良いことが多いが、18ヶ月以降の場合は予後不良が多い。また、神経節に生じた腫瘍は予後良好。腫瘍遺伝子N-mycの増幅や染色体重複があると予後不良。日本では年間150例発生する。
研究 [編集]
2009年3月17日から、千葉県がんセンターと千葉大学の連携による「ファイト!小児がんプロジェクト」が世界最大規模の分散コンピューティングWorld Community Grid(BOINC)で開始されている。
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 内視鏡下鼻内腫瘍切除を行った嗅神経芽細胞腫の1症例 (第110回成医会第三支部例会)
- 症例報告 出生前に強く疑われた胎児副腎神経芽細胞腫の一例
- 49.VIPとcatecholamineの上昇を認めた右副腎神経芽細胞腫疑いの幼児症例(一般演題,第45回日本小児外科学会近畿地方会)
- 胸痛と胸部異常陰影 (特集 症例に学ぶ--小児放射線カンファレンス) -- (頭頸部)
Related Links
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- 神経芽腫, =「神経芽細胞腫」 ⇒小児ガンの一種。 神経もとになる細胞がガン化する 病気で、小児ガンの中では白血病、脳腫瘍に次いで発症率が高い。 副腎などに腫瘍が できて尿検査で発見されたり、腹部がふくれて見つかるケースが多い。 多くは5歳以下で ...
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★リンクテーブル★
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- 日齢3の新生児。在胎39週、出生体重 2,950gで出生した。瞼裂斜上、内眼角贅皮、鼻根部平坦および巨舌を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。筋緊張が低下している。心エコー検査で異常を認めない。
- この児の長期管理上、注意すべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114F053]←[国試_114]→[114F055]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [095B062]←[国試_095]→[095B064]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
- 3歳の女児、急性の右上腹部痛と発熱とを訴えて来院した。約2年前から同様の症状が時々あった。右上腹部に鶏卵大の圧痛ある腫瘤を触知下。肝との境界は不明瞭である。体温39℃、白血球16,000、総ビリルビン4.5mg/dl。
- 最も考えられるのはどれ?
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103G002]←[国試_103]→[103G004]
[★]
[★]
- 小児期腫瘍と腫瘍マーカーとの組み合わせで正しいのはどれ
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
[★]
[★]
- 英
- Beckwith-Wiedemann syndrome Wiedemann-Beckwith syndrome BWS
- 同
- Beckwith-Wiedemann症候群、ベックウィズ・ウィーデマン症候群
[show details]
概念
病因
病態
遺伝形式
参考
- 1. BECKWITH-WIEDEMANN SYNDROME; BWS; BWS - OMIM
- http://omim.org/entry/130650
- http://www.ncnp.go.jp/nin/guide/r2/genedigmanu_html/BWS.html
[★]
- 英
- synaptophysin
- 同
- 主要シナプス小胞蛋白p38 major synaptic vesicle protein p38
- 酸性の膜糖タンパク質。
- 分子量は38kDa
- 機能は詳細明らかではないが、シナプス小胞のエンドサイトーシスに関与しているらしいことがわかってきた。
- 発現細胞/組織は神経内分泌細胞、ニューロン(シナプス小胞を介した神経伝達を行うもの)
- 臓器局在としては、副腎髄質、下垂体、膵などの神経・神経内分泌細胞
- 細胞内局在としては細胞膜、特に神経細胞のシナプス小胞膜に存在する
- 免疫病理の分野では肺/胃腸膵管系の神経内分泌腫瘍(神経芽細胞腫、ガングリオブラストーマ、褐色細胞腫、パラガングリオーマ)と上皮系神経内分泌腫瘍との鑑別に有用とされている。
- 免疫組織化学では細胞膜で陽性となる。
[★]
- 英
- neuron-specific enolase, NSE
- 同
- 神経特異的エノラーゼ、ホスホピルビン酸ヒドラターゼ
- 関
- エノラーゼ
[show details]
概念
一般的に疑われる疾患
判定
- 検査値の本より
10ng/ml以上(増加)
- [高頻度]神経芽細胞腫、肺小細胞癌(特に、燕麦細胞癌)
- [可能性]非小細胞肺癌、乳癌、卵巣癌、食道癌、胃癌、膵癌、大腸癌、甲状腺髄様癌、褐色細胞腫、ガストリノーマ、インスリノーマ、カルチノイド、中枢神経系の炎症、血管障害、肝炎、肝硬変
[★]
- 英
- homovanillic acid, HVA
- 関
臨床関連
[★]
- 英
- metaiodobenzylguanidine, MIBG, iobenguane
- 同
- 3-ヨードベンジルグアニジン 3-iodobenzylguanidine
- 関
- 放射性医薬品
- 131I-メタヨードベンジルグアニジン 131I-MIBG
- 123I-メタヨードベンジルグアニジン 123I-MIBG
- グアニジン
[★]
- 英
- olfactory esthesioneuroblastoma
- 関
- 感覚神経芽細胞腫、嗅神経芽腫
[★]
- 英
- esthesioneuroblastoma
- 関
- 嗅神経芽細胞腫
[★]
- 英
- nerve
- ラ
- nervus
- 関
- ニューロン
解剖で分類
- 中枢神経 central nervous systen CNS
- 末梢神経 peripheral nervous system PNS
情報で分類
- 感覚神経 sensory nerve = 求心性線維 afferent nerve
- 運動神経 motor nerve = 遠心性線維 efferent nerve
機能で分類
- 体性神経 somatic nervous system SNS
- 自律神経 autonomic nervous system ANS
[★]
- 関
- がん、腫瘍、腫瘤、良性新生物
[★]
- 英
- neuroblast
- ラ
- neuroblastus
- 関
- young neuron, immature neuron
[★]
- 英
- glast cell, blast, blastocyte
- 関
- 幼若化応答
[★]
- 英
- cell
- ラ
- cellula
- 関