- 40歳の男性。仕事がうまくできなくなったことを主訴に妻とともに来院した。1年前、夜間にロードバイクで走行中に転倒し、電柱で頭部を強打して救急搬送されて入院した。そのときの意識レベルはJCSⅢ-100。左鎖骨骨折がみられ、頭部CTで両側前頭葉の挫傷と脳梁、基底核の点状出血とを認めた。翌日夕方には会話が可能な状態にまで回復したが、その後約1週間の健忘を残した。鎖骨骨折の経過は良好で運動障害を残すことなく1か月後に退院した。しかし、妻によると入院中からめまいを訴えることが多く、不機嫌で人が変わったようになっていたという。めまいは徐々に軽快し、退院5か月後に職場に復帰したが、単純ミスが目立ち、注意されると激昂する。注意散漫で指示の理解も悪く、上司の勧めもあって受診した。患者自身は「困ることはない。仕事もまじめにやっている」と述べる。疎通性は比較的保たれているが、長い質問は十分理解できない。神経学的所見と血液生化学所見とに異常を認めない。頭部CTでは両側側脳室の軽度拡大が見られた。この患者の心理・精神機能評価に有用な検査はどれか。2つ選べ。
[正答]
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[★]
- 次の文を読み、60~62の問いに答えよ。
- 78歳の男性。胃病変の精査と治療とを希望して来院した。
- 現病歴:2年前から心窩部痛を自覚していた。自宅近くの診療所で上部消化管造影検査を受け、異常を指摘されたため紹介されて受診した。上部消化管内視鏡検査で同様に異常所見を認め、4か所の生検のうち1か所は組織診断分類Group5で、手術適応と考えられた。
- 既往歴:10年前から高血圧症で治療中。
- 生活歴:喫煙は30本/日を58年間。飲酒は日本酒2合/日を58年間。ADLは自立している。
- 家族歴:父親が胃癌。
- 現症:意識は清明。身長 167cm、体重 48kg。体温 36.4℃。脈拍 68/分、整。血圧 130/80mmHg。呼吸数 18/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。表在リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で、心窩部に圧痛を認めるが腫瘤は触知しない。
- 検査所見:血液所見:赤血球 310万、Hb 10.6g/dL、Ht 29%、白血球 8,600、血小板 22万。血液生化学所見:総蛋白 6.8g/dL、アルブミン 3.0g/dL、総ビリルビン 0.9mg/dL、AST 30IU/L、ALT 42IU/L、LD 350IU/L(基準 176~353)、ALP 242IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 83IU/L(基準 8~50)、アミラーゼ 84IU/L(基準 37~160)、CK 130IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 5.0mg/dL、血糖 108mg/dL、HbA1c 5.8%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 57mg/dL、コリンエステラーゼ 300IU/L(基準 400~800)、Na 140mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 100mEq/L。CRP 0.4mg/dL。動脈血ガス分析(room air):pH 7.39、PaCO2 50Torr、PaO2 75Torr、HCO3- 29 mEq/L。呼吸機能検査:%VC 68%、FEV1% 54%。患者が持参した上部消化管造影像(別冊No. 12A)と精査のため行った上部消化管内視鏡像(別冊No. 12B)とを別に示す。
[正答]
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- 38歳の女性。左下腿の潰瘍を主訴に来院した。3か月前から母指頭大の紅色結節が出現し、中央が潰瘍化した。自宅近くの医療機関で抗菌薬を処方されたが、潰瘍がさらに拡大したため受診した。左下腿の写真(別冊No. 11)を別に示す。一般細菌、真菌および抗酸菌培養はいずれも陰性であった。皮疹部の病理組織所見では真皮全層に好中球浸潤がみられるが血管炎像はない。
- この患者で合併を疑うべき疾患はどれか。2つ選べ。
[正答]
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