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- 次の文を読み、66~68の問いに答えよ。
- 78歳の男性。呼吸困難と下腿浮腫とを主訴に来院した。
- 現病歴:心不全、心筋梗塞および高血圧症にて自宅近くの診療所に通院中であった。2か月前から階段を上がる際に胸部の違和感を覚えるようになった。1か月前から歩行時の呼吸困難と下腿浮腫とを自覚するようになった。呼吸困難は徐々に悪化し、10mさえも歩くことが困難になり受診した。
- 既往歴:65歳から高血圧症。75歳時に心筋梗塞にて経皮的冠動脈形成術(薬剤溶出性ステント留置)。76歳から心不全。アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、β遮断薬、ループ利尿薬、HMG-CoA還元酵素阻害薬、アスピリン及びチエノピリジン系抗血小板薬を処方されている。
- 生活歴:喫煙は70歳まで20本/日を50年間。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:父親は脳出血で死亡。母親は胃癌で死亡。
- 現症:意識は清明。身長 154cm、体重 58kg(1か月で3kg増加)。体温 36.3℃。脈拍 96/分、整。血圧 156/86mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 96%(鼻カニューラ2L/分酸素投与下)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認める。頸部血管雑音を聴取しない。胸部の聴診でⅢ音とⅣ音とを聴取する。心雑音を聴取しない。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。両側の下腿に浮腫を認める。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 412万、Hb 13.8g/dL、Ht 42%、白血球 6,500(桿状核好中球 30%、分葉核好中球 40%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 6%、リンパ球 22%)、血小板 19万、Dダイマー 0.6μg/dL(基準 1.0以下)。血液生化学所見:総蛋白 6.5g/dL、アルブミン 3.8g/dL、総ビリルビン 1.1mg/dL、AST 36IU/L、ALT 39IU/L、LD 352IU/L(基準 176~353)、ALP 153IU/L(基準 115~359)、CK 156IU/L(基準30~140)、尿素窒素 21mg/dL、クレアチニン 0.9mg/dL、血糖 114mg/dL、HbA1c 5.7%(基準 4.2~6.2)、総コレステロール 139mg/dL、トリグリセリド 77mg/dL、HDLコレステロール 53mg/dL、Na 137mEq/L、K 4.7mEq/L、Cl 104mEq/L、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)840pg/mL(基準 18.4以下)。CRP 0.2mg/dL。心筋トロポニンT迅速検査は陰性。心電図は心拍数98/分の洞調律で、不完全右脚ブロックを認める。胸部エックス線写真で心胸郭比は58%であり、肺血管陰影の増強と右肋骨横隔膜角の鈍化とを認める。心エコーで左室駆出率は34%で、びまん性に左室の壁運動低下を認める。
- 入院後の経過:入院し適切な治療を行ったところ徐々に病状は改善し、入院3日目には、酸素投与を中止し内服薬をすべて再開した。入院5日目の夜、トイレに行こうとしてベッドサイドで転倒した。意識は清明。体温 36.8℃。脈拍 88/分、整。血圧 138/84mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 96%(room air)。大腿骨エックス線写真と腰椎エックス線写真で骨折を認めない。頭部CTで異常を認めない。
- その後の経過:入院10日目の昼ころから、心窩部に軽い痛みを感じるようになった。翌朝、黒色便が出現した。意識は清明。体温 36.6℃。脈拍 100/分、整。血圧 98/56mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 97%(room air)。
- 対応として適切でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110G067]←[国試_110]→[110G069]
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- 次の文を読み、66~68の問いに答えよ。
- 78歳の男性。呼吸困難と下腿浮腫とを主訴に来院した。
- 現病歴:心不全、心筋梗塞および高血圧症にて自宅近くの診療所に通院中であった。2か月前から階段を上がる際に胸部の違和感を覚えるようになった。1か月前から歩行時の呼吸困難と下腿浮腫とを自覚するようになった。呼吸困難は徐々に悪化し、10mさえも歩くことが困難になり受診した。
- 既往歴:65歳から高血圧症。75歳時に心筋梗塞にて経皮的冠動脈形成術(薬剤溶出性ステント留置)。76歳から心不全。アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、β遮断薬、ループ利尿薬、HMG-CoA還元酵素阻害薬、アスピリン及びチエノピリジン系抗血小板薬を処方されている。
- 生活歴:喫煙は70歳まで20本/日を50年間。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:父親は脳出血で死亡。母親は胃癌で死亡。
- 現症:意識は清明。身長 154cm、体重 58kg(1か月で3kg増加)。体温 36.3℃。脈拍 96/分、整。血圧 156/86mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 96%(鼻カニューラ2L/分酸素投与下)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認める。頸部血管雑音を聴取しない。胸部の聴診でⅢ音とⅣ音とを聴取する。心雑音を聴取しない。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。両側の下腿に浮腫を認める。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 412万、Hb 13.8g/dL、Ht 42%、白血球 6,500(桿状核好中球 30%、分葉核好中球 40%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 6%、リンパ球 22%)、血小板 19万、Dダイマー 0.6μg/dL(基準 1.0以下)。血液生化学所見:総蛋白 6.5g/dL、アルブミン 3.8g/dL、総ビリルビン 1.1mg/dL、AST 36IU/L、ALT 39IU/L、LD 352IU/L(基準 176~353)、ALP 153IU/L(基準 115~359)、CK 156IU/L(基準30~140)、尿素窒素 21mg/dL、クレアチニン 0.9mg/dL、血糖 114mg/dL、HbA1c 5.7%(基準 4.2~6.2)、総コレステロール 139mg/dL、トリグリセリド 77mg/dL、HDLコレステロール 53mg/dL、Na 137mEq/L、K 4.7mEq/L、Cl 104mEq/L、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)840pg/mL(基準 18.4以下)。CRP 0.2mg/dL。心筋トロポニンT迅速検査は陰性。心電図は心拍数98/分の洞調律で、不完全右脚ブロックを認める。胸部エックス線写真で心胸郭比は58%であり、肺血管陰影の増強と右肋骨横隔膜角の鈍化とを認める。心エコーで左室駆出率は34%で、びまん性に左室の壁運動低下を認める。
- 入院後の経過:入院し適切な治療を行ったところ徐々に病状は改善し、入院3日目には、酸素投与を中止し内服薬をすべて再開した。入院5日目の夜、トイレに行こうとしてベッドサイドで転倒した。意識は清明。体温 36.8℃。脈拍 88/分、整。血圧 138/84mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 96%(room air)。大腿骨エックス線写真と腰椎エックス線写真で骨折を認めない。頭部CTで異常を認めない。
- 対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110G066]←[国試_110]→[110G068]
[★]
- 次の文を読み、61~63の問いに答えよ。
- 72歳の男性。発熱と全身の倦怠感を主訴に来院した。
- 現病歴:2か月前に37℃台の発熱があり、かかりつけ医から抗菌薬を処方された。7日後に解熱したが、倦怠感と食欲低下は持続していた。10日前から38℃台の発熱があり、再度かかりつけ医を受診した。抗菌薬と解熱薬とを処方されたが、発熱と倦怠感が持続するため受診した。
- 既往歴:高血圧症と糖尿病で内服治療中。
- 生活歴:一人暮らし。無職。喫煙は20本/日を50年間。飲酒はビール1,000~1,500mL/日を50年間。
- 家族歴:父親が胃癌で死亡。母親が大腸癌で死亡。
- 現症:意識は清明。身長 182cm、体重 90kg。体温 38.0℃。脈拍 108/分、整。血圧 138/80mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 96%(room air)。皮膚は乾燥している。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内は乾燥が著明である。頸静脈の怒張を認めない。表在リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸蠕動音は正常。肋骨脊柱角に叩打痛を認めない。下腿に浮腫を認めない。神経学的所見に異常を認めない。
- 検査所見:尿所見:蛋白1+、糖3+、ケトン体1+、潜血(-)、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 440万、Hb 15.1g/dL、Ht 44%、白血球 14,500(桿状核好中球2%、分葉核好中球 88%、好酸球 0%、好塩基球 0%、単球 4%、リンパ球 6%)、血小板 32万、PT 87%(基準 80~120)。血液生化学所見:総蛋白 7.1g/dL、アルブミン 3.5g/dL、総ビリルビン 0.5mg/dL、直接ビリルビン 0.2mg/dL、AST 57IU/L、ALT 43IU/L、LD 355IU/L(基準 176~353)、ALP 349IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 109IU/L(基準 8~50)、アミラーゼ 38IU/L(基準 37~160)、CK 76IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 38mg/dL、クレアチニン 1.1mg/dL、尿酸 9.0mg/dL、血糖 284mg/dL、HbA1c 9.6%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 174mg/dL、トリグリセリド 179mg/dL、Na 135mEq/L、K 4.9mEq/L、Cl 105mEq/L。CRP 11mg/dL。心電図で洞性頻脈を認める。胸部エックス線写真で異常を認めない。
- その後の経過:精査のため入院とし、腹部超音波検査で肝膿瘍を認めた。超音波ガイド下膿瘍穿刺吸引検査を行い、採取した穿刺液を培養検査に提出し、抗菌薬の投与を開始した。培養検査ではGram陽性球菌が検出された。
- 治療が奏功し退院が計画された。ADLは自立しており、明らかな認知機能障害を認めないが、食事の準備と服薬管理とに問題がみられた。
- この患者の退院支援として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [110E062]←[国試_110]→[110E064]
[★]
- 次の文を読み、66~68の問いに答えよ。
- 78歳の男性。呼吸困難と下腿浮腫とを主訴に来院した。
- 現病歴:心不全、心筋梗塞および高血圧症にて自宅近くの診療所に通院中であった。2か月前から階段を上がる際に胸部の違和感を覚えるようになった。1か月前から歩行時の呼吸困難と下腿浮腫とを自覚するようになった。呼吸困難は徐々に悪化し、10mさえも歩くことが困難になり受診した。
- 既往歴:65歳から高血圧症。75歳時に心筋梗塞にて経皮的冠動脈形成術(薬剤溶出性ステント留置)。76歳から心不全。アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、β遮断薬、ループ利尿薬、HMG-CoA還元酵素阻害薬、アスピリン及びチエノピリジン系抗血小板薬を処方されている。
- 生活歴:喫煙は70歳まで20本/日を50年間。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:父親は脳出血で死亡。母親は胃癌で死亡。
- 現症:意識は清明。身長 154cm、体重 58kg(1か月で3kg増加)。体温 36.3℃。脈拍 96/分、整。血圧 156/86mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 96%(鼻カニューラ2L/分酸素投与下)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認める。頸部血管雑音を聴取しない。胸部の聴診でⅢ音とⅣ音とを聴取する。心雑音を聴取しない。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。両側の下腿に浮腫を認める。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 412万、Hb 13.8g/dL、Ht 42%、白血球 6,500(桿状核好中球 30%、分葉核好中球 40%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 6%、リンパ球 22%)、血小板 19万、Dダイマー 0.6μg/dL(基準 1.0以下)。血液生化学所見:総蛋白 6.5g/dL、アルブミン 3.8g/dL、総ビリルビン 1.1mg/dL、AST 36IU/L、ALT 39IU/L、LD 352IU/L(基準 176~353)、ALP 153IU/L(基準 115~359)、CK 156IU/L(基準30~140)、尿素窒素 21mg/dL、クレアチニン 0.9mg/dL、血糖 114mg/dL、HbA1c 5.7%(基準 4.2~6.2)、総コレステロール 139mg/dL、トリグリセリド 77mg/dL、HDLコレステロール 53mg/dL、Na 137mEq/L、K 4.7mEq/L、Cl 104mEq/L、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)840pg/mL(基準 18.4以下)。CRP 0.2mg/dL。心筋トロポニンT迅速検査は陰性。心電図は心拍数98/分の洞調律で、不完全右脚ブロックを認める。胸部エックス線写真で心胸郭比は58%であり、肺血管陰影の増強と右肋骨横隔膜角の鈍化とを認める。心エコーで左室駆出率は34%で、びまん性に左室の壁運動低下を認める。
- 今回の病状悪化の原因を推論する上で重要な情報はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110G065]←[国試_110]→[110G067]
[★]
- 次の文を読み、56~58の問いに答えよ。
- 32歳の男性。発熱と咳嗽とを主訴に来院した。
- 現病歴:2日前から38℃台の発熱と咳嗽が出現した。市販の解熱鎮痛薬を服用したが、37.0℃以下に解熱せず、今朝からは呼吸困難も感じるようになったため受診した。腹痛と下痢はない。
- 既往歴:27歳時に右胸部の帯状疱疹。29歳時に右側肺炎。30歳時に左側肺炎。
- 生活歴:食品加工の工場で働いている。妻と4歳の子供がいる。喫煙は20本/日を10年間。飲酒は機会飲酒。
- 現症:意識は清明。身長165cm、体重58kg。体温 38.3℃。脈拍 88/分、整。血圧 86/42mmHg。呼吸数 28/分。SpO2 95%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音に異常を認めない。右側の胸部でcoarse cracklesを聴取する。腹部は平坦で、腸蠕動音に異常を認めず、肝・脾を触知しない。
- 検査所見:血液所見:赤血球 398万、Hb 11.3g/dL、Ht 37%、白血球 3,400(桿状核好中球 22%、分葉核好中球 58%、好酸球3%、好塩基球2%、単球8%、リンパ球7%)、血小板 15万。血液生化学所見:総蛋白 7.5g/dL、アルブミン 3.8g/dL、尿素窒素 18mg/dL、クレアチニン 0.8mg/dL、尿酸 5.8mg/dL、Na 137mEq/L、K 3.9mEq/L、Cl 100mEq/L。CRP 8.8mg/dL。胸部エックス線写真(別冊No. 11)を別に示す。
- その後の経過:胸部エックス線写真と喀痰のGram染色標本の検鏡結果から肺炎球菌による細菌性肺炎と診断し入院となった。入院初日からセフトリアキソンの投与を開始したところ、入院3日目までに咳嗽は減少し食欲も出てきた。入院3日目の体温は36.8℃、脈拍 80/分、整。血圧 116/58mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 96%(room air)。血液所見:白血球 6,300(桿状核好中球 14%、分葉核好中球 61%、好酸球 3%、好塩基球 2%、単球 7%、リンパ球 13%)、血小板 22万。CRP 4.4mg/dL。胸部エックス線写真で所見の改善を認めた。初診時に採取した喀痰および血液の培養からは肺炎球菌が検出された。その後も症状は改善傾向が続き、入院4日目に採取した喀痰の細菌培養検査では肺炎球菌が陰性化していたが、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が検出された。
- 今回の肺炎は治癒したが肺炎を繰り返しているため、外来で経過観察した際に本人の同意を得て抗HIV抗体スクリーニング検査を行ったところ陽性であった。
- 次に行うべき検査として適切なのはどれか。2つ選べ。
- a 抗風疹IgM抗体
- b 抗ムンプスIgM抗体
- c サイトメガロウイルス抗原
- d 抗トキソプラズマIgM抗体
- e 抗ヒトパルボウイルスB19IgM抗体
[正答]
※国試ナビ4※ [110B057]←[国試_110]→[110B059]
[★]
- 次の文を読み、53~55 の問いに答えよ。
- 78歳の男性。異常な言動を心配した家族に伴われて来院した。
- 現病歴:2年前から、前日の出来事を思い出せなかったり、当日の予定を30分おきに確認するようになった。同時期から夜間に大きな寝言を言ったり、手足をバタバタさせていることに家族が気付くようになった。1年前から、家にいるのに、家に帰らないといけない、亡くなった人が来ているというようになった。このころから動作が遅く、食事や着替えに時間がかかるようになった。数日前からは繰り返し、ものをとられた、隣人が自分の悪口を言っているといって騒ぎ立てるようになったため、困惑した家族に伴われて受診した。
- 既往歴:75歳時に両側の白内障手術。
- 家族歴:父親が脳梗塞。母親が胃癌。
- 生活歴:喫煙は65歳まで10本/日を45年間。13年前から禁煙している。飲酒は機会飲酒。76歳の妻と長女夫婦と同居している。
- 現症:意識は清明。身長 168cm、体重 62kg。体温 36.3℃。脈拍 72/分、整。血圧 148/82mmHg。呼吸数 16/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。改訂長谷川式簡易知能評価スケール12点(30点満点)、Mini-Mental State Examination(MMSE)14点(30点満点)。脳神経に異常を認めない。四肢で左右対称性に軽度の筋強剛を認める。腱反射は正常で、Babinski徴候は陰性。運動麻痺、感覚障害および運動失調を認めない。歩行はやや不安定でつまずきやすい。
- 検査所見:尿所見に異常を認めない。血液所見:赤血球 418万、Hb 13.2g/dL、Ht 42%、白血球 6,300、血小板 23万、PT 78%(基準 80~120)。血液生化学所見:総蛋白 7.2g/dL、アルブミン 4.0g/dL、総ビリルビン 0.8mg/dL、AST 22IU/L、ALT 38IU/L、LD 328IU/L(基準 176~353)、ALP 254IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 26IU/L(基準 8~50)、アミラーゼ 95IU/L(基準 37~160)、CK 96IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 18mg/dL、クレアチニン 0.8mg/dL、尿酸 6.3mg/dL、血糖 102mg/dL、HbA1c 5.8%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 242mg/dL、トリグリセリド 186mg/dL、Na 136mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 98mEq/L、TSH 3.8μU/mL(基準 0.2~4.0)、FT3 2.6pg/mL(基準 2.5~4.5)、FT4 1.0ng/dL(基準 0.8~2.2)。CRP 0.4mg/dL。脳血流SPECT(別冊No. 10A)とドパミントランスポーターSPECT(別冊No. 10B)とを別に示す。
- この患者にみられるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [110B052]←[国試_110]→[110B054]
[★]
- 次の文を読み、61~63の問いに答えよ。
- 72歳の男性。発熱と全身の倦怠感を主訴に来院した。
- 現病歴:2か月前に37℃台の発熱があり、かかりつけ医から抗菌薬を処方された。7日後に解熱したが、倦怠感と食欲低下は持続していた。10日前から38℃台の発熱があり、再度かかりつけ医を受診した。抗菌薬と解熱薬とを処方されたが、発熱と倦怠感が持続するため受診した。
- 既往歴:高血圧症と糖尿病で内服治療中。
- 生活歴:一人暮らし。無職。喫煙は20本/日を50年間。飲酒はビール1,000~1,500mL/日を50年間。
- 家族歴:父親が胃癌で死亡。母親が大腸癌で死亡。
- 現症:意識は清明。身長 182cm、体重 90kg。体温 38.0℃。脈拍 108/分、整。血圧 138/80mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 96%(room air)。皮膚は乾燥している。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内は乾燥が著明である。頸静脈の怒張を認めない。表在リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸蠕動音は正常。肋骨脊柱角に叩打痛を認めない。下腿に浮腫を認めない。神経学的所見に異常を認めない。
- 検査所見:尿所見:蛋白1+、糖3+、ケトン体1+、潜血(-)、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 440万、Hb 15.1g/dL、Ht 44%、白血球 14,500(桿状核好中球2%、分葉核好中球 88%、好酸球 0%、好塩基球 0%、単球 4%、リンパ球 6%)、血小板 32万、PT 87%(基準 80~120)。血液生化学所見:総蛋白 7.1g/dL、アルブミン 3.5g/dL、総ビリルビン 0.5mg/dL、直接ビリルビン 0.2mg/dL、AST 57IU/L、ALT 43IU/L、LD 355IU/L(基準 176~353)、ALP 349IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 109IU/L(基準 8~50)、アミラーゼ 38IU/L(基準 37~160)、CK 76IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 38mg/dL、クレアチニン 1.1mg/dL、尿酸 9.0mg/dL、血糖 284mg/dL、HbA1c 9.6%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 174mg/dL、トリグリセリド 179mg/dL、Na 135mEq/L、K 4.9mEq/L、Cl 105mEq/L。CRP 11mg/dL。心電図で洞性頻脈を認める。胸部エックス線写真で異常を認めない。
- その後の経過:精査のため入院とし、腹部超音波検査で肝膿瘍を認めた。超音波ガイド下膿瘍穿刺吸引検査を行い、採取した穿刺液を培養検査に提出し、抗菌薬の投与を開始した。培養検査ではGram陽性球菌が検出された。
- 抗菌薬投与に加えて、早期に行うべき治療はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [110E061]←[国試_110]→[110E063]
[★]
- 次の文を読み、53~55 の問いに答えよ。
- 78歳の男性。異常な言動を心配した家族に伴われて来院した。
- 現病歴:2年前から、前日の出来事を思い出せなかったり、当日の予定を30分おきに確認するようになった。同時期から夜間に大きな寝言を言ったり、手足をバタバタさせていることに家族が気付くようになった。1年前から、家にいるのに、家に帰らないといけない、亡くなった人が来ているというようになった。このころから動作が遅く、食事や着替えに時間がかかるようになった。数日前からは繰り返し、ものをとられた、隣人が自分の悪口を言っているといって騒ぎ立てるようになったため、困惑した家族に伴われて受診した。
- 既往歴:75歳時に両側の白内障手術。
- 家族歴:父親が脳梗塞。母親が胃癌。
- 生活歴:喫煙は65歳まで10本/日を45年間。13年前から禁煙している。飲酒は機会飲酒。76歳の妻と長女夫婦と同居している。
- 現症:意識は清明。身長 168cm、体重 62kg。体温 36.3℃。脈拍 72/分、整。血圧 148/82mmHg。呼吸数 16/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。改訂長谷川式簡易知能評価スケール12点(30点満点)、Mini-Mental State Examination(MMSE)14点(30点満点)。脳神経に異常を認めない。四肢で左右対称性に軽度の筋強剛を認める。腱反射は正常で、Babinski徴候は陰性。運動麻痺、感覚障害および運動失調を認めない。歩行はやや不安定でつまずきやすい。
- 検査所見:尿所見に異常を認めない。血液所見:赤血球 418万、Hb 13.2g/dL、Ht 42%、白血球 6,300、血小板 23万、PT 78%(基準 80~120)。血液生化学所見:総蛋白 7.2g/dL、アルブミン 4.0g/dL、総ビリルビン 0.8mg/dL、AST 22IU/L、ALT 38IU/L、LD 328IU/L(基準 176~353)、ALP 254IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 26IU/L(基準 8~50)、アミラーゼ 95IU/L(基準 37~160)、CK 96IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 18mg/dL、クレアチニン 0.8mg/dL、尿酸 6.3mg/dL、血糖 102mg/dL、HbA1c 5.8%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 242mg/dL、トリグリセリド 186mg/dL、Na 136mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 98mEq/L、TSH 3.8μU/mL(基準 0.2~4.0)、FT3 2.6pg/mL(基準 2.5~4.5)、FT4 1.0ng/dL(基準 0.8~2.2)。CRP 0.4mg/dL。脳血流SPECT(別冊No. 10A)とドパミントランスポーターSPECT(別冊No. 10B)とを別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110B053]←[国試_110]→[110B055]
[★]
- 次の文を読み、53~55 の問いに答えよ。
- 78歳の男性。異常な言動を心配した家族に伴われて来院した。
- 現病歴:2年前から、前日の出来事を思い出せなかったり、当日の予定を30分おきに確認するようになった。同時期から夜間に大きな寝言を言ったり、手足をバタバタさせていることに家族が気付くようになった。1年前から、家にいるのに、家に帰らないといけない、亡くなった人が来ているというようになった。このころから動作が遅く、食事や着替えに時間がかかるようになった。数日前からは繰り返し、ものをとられた、隣人が自分の悪口を言っているといって騒ぎ立てるようになったため、困惑した家族に伴われて受診した。
- 既往歴:75歳時に両側の白内障手術。
- 家族歴:父親が脳梗塞。母親が胃癌。
- 生活歴:喫煙は65歳まで10本/日を45年間。13年前から禁煙している。飲酒は機会飲酒。76歳の妻と長女夫婦と同居している。
- 現症:意識は清明。身長 168cm、体重 62kg。体温 36.3℃。脈拍 72/分、整。血圧 148/82mmHg。呼吸数 16/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。改訂長谷川式簡易知能評価スケール12点(30点満点)、Mini-Mental State Examination(MMSE)14点(30点満点)。脳神経に異常を認めない。四肢で左右対称性に軽度の筋強剛を認める。腱反射は正常で、Babinski徴候は陰性。運動麻痺、感覚障害および運動失調を認めない。歩行はやや不安定でつまずきやすい。
- 検査所見:尿所見に異常を認めない。血液所見:赤血球 418万、Hb 13.2g/dL、Ht 42%、白血球 6,300、血小板 23万、PT 78%(基準 80~120)。血液生化学所見:総蛋白 7.2g/dL、アルブミン 4.0g/dL、総ビリルビン 0.8mg/dL、AST 22IU/L、ALT 38IU/L、LD 328IU/L(基準 176~353)、ALP 254IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 26IU/L(基準 8~50)、アミラーゼ 95IU/L(基準 37~160)、CK 96IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 18mg/dL、クレアチニン 0.8mg/dL、尿酸 6.3mg/dL、血糖 102mg/dL、HbA1c 5.8%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 242mg/dL、トリグリセリド 186mg/dL、Na 136mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 98mEq/L、TSH 3.8μU/mL(基準 0.2~4.0)、FT3 2.6pg/mL(基準 2.5~4.5)、FT4 1.0ng/dL(基準 0.8~2.2)。CRP 0.4mg/dL。脳血流SPECT(別冊No. 10A)とドパミントランスポーターSPECT(別冊No. 10B)とを別に示す。
- この患者に適切な薬剤はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110B054]←[国試_110]→[110B056]
[★]
- 次の文を読み、61~63の問いに答えよ。
- 72歳の男性。発熱と全身の倦怠感を主訴に来院した。
- 現病歴:2か月前に37℃台の発熱があり、かかりつけ医から抗菌薬を処方された。7日後に解熱したが、倦怠感と食欲低下は持続していた。10日前から38℃台の発熱があり、再度かかりつけ医を受診した。抗菌薬と解熱薬とを処方されたが、発熱と倦怠感が持続するため受診した。
- 既往歴:高血圧症と糖尿病で内服治療中。
- 生活歴:一人暮らし。無職。喫煙は20本/日を50年間。飲酒はビール1,000~1,500mL/日を50年間。
- 家族歴:父親が胃癌で死亡。母親が大腸癌で死亡。
- 現症:意識は清明。身長 182cm、体重 90kg。体温 38.0℃。脈拍 108/分、整。血圧 138/80mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 96%(room air)。皮膚は乾燥している。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内は乾燥が著明である。頸静脈の怒張を認めない。表在リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸蠕動音は正常。肋骨脊柱角に叩打痛を認めない。下腿に浮腫を認めない。神経学的所見に異常を認めない。
- 検査所見:尿所見:蛋白1+、糖3+、ケトン体1+、潜血(-)、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 440万、Hb 15.1g/dL、Ht 44%、白血球 14,500(桿状核好中球2%、分葉核好中球 88%、好酸球 0%、好塩基球 0%、単球 4%、リンパ球 6%)、血小板 32万、PT 87%(基準 80~120)。血液生化学所見:総蛋白 7.1g/dL、アルブミン 3.5g/dL、総ビリルビン 0.5mg/dL、直接ビリルビン 0.2mg/dL、AST 57IU/L、ALT 43IU/L、LD 355IU/L(基準 176~353)、ALP 349IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 109IU/L(基準 8~50)、アミラーゼ 38IU/L(基準 37~160)、CK 76IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 38mg/dL、クレアチニン 1.1mg/dL、尿酸 9.0mg/dL、血糖 284mg/dL、HbA1c 9.6%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 174mg/dL、トリグリセリド 179mg/dL、Na 135mEq/L、K 4.9mEq/L、Cl 105mEq/L。CRP 11mg/dL。心電図で洞性頻脈を認める。胸部エックス線写真で異常を認めない。
- その後の経過:精査のため入院とし、腹部超音波検査で肝膿瘍を認めた。超音波ガイド下膿瘍穿刺吸引検査を行い、採取した穿刺液を培養検査に提出し、抗菌薬の投与を開始した。培養検査ではGram陽性球菌が検出された。
- 原因菌として可能性が高いのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [110E060]←[国試_110]→[110E062]
[★]
- 次の文を読み、56~58の問いに答えよ。
- 32歳の男性。発熱と咳嗽とを主訴に来院した。
- 現病歴:2日前から38℃台の発熱と咳嗽が出現した。市販の解熱鎮痛薬を服用したが、37.0℃以下に解熱せず、今朝からは呼吸困難も感じるようになったため受診した。腹痛と下痢はない。
- 既往歴:27歳時に右胸部の帯状疱疹。29歳時に右側肺炎。30歳時に左側肺炎。
- 生活歴:食品加工の工場で働いている。妻と4歳の子供がいる。喫煙は20本/日を10年間。飲酒は機会飲酒。
- 現症:意識は清明。身長165cm、体重58kg。体温 38.3℃。脈拍 88/分、整。血圧 86/42mmHg。呼吸数 28/分。SpO2 95%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音に異常を認めない。右側の胸部でcoarse cracklesを聴取する。腹部は平坦で、腸蠕動音に異常を認めず、肝・脾を触知しない。
- 検査所見:血液所見:赤血球 398万、Hb 11.3g/dL、Ht 37%、白血球 3,400(桿状核好中球 22%、分葉核好中球 58%、好酸球3%、好塩基球2%、単球8%、リンパ球7%)、血小板 15万。血液生化学所見:総蛋白 7.5g/dL、アルブミン 3.8g/dL、尿素窒素 18mg/dL、クレアチニン 0.8mg/dL、尿酸 5.8mg/dL、Na 137mEq/L、K 3.9mEq/L、Cl 100mEq/L。CRP 8.8mg/dL。胸部エックス線写真(別冊No. 11)を別に示す。
- その後の経過:胸部エックス線写真と喀痰のGram染色標本の検鏡結果から肺炎球菌による細菌性肺炎と診断し入院となった。入院初日からセフトリアキソンの投与を開始したところ、入院3日目までに咳嗽は減少し食欲も出てきた。入院3日目の体温は36.8℃、脈拍 80/分、整。血圧 116/58mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 96%(room air)。血液所見:白血球 6,300(桿状核好中球 14%、分葉核好中球 61%、好酸球 3%、好塩基球 2%、単球 7%、リンパ球 13%)、血小板 22万。CRP 4.4mg/dL。胸部エックス線写真で所見の改善を認めた。初診時に採取した喀痰および血液の培養からは肺炎球菌が検出された。その後も症状は改善傾向が続き、入院4日目に採取した喀痰の細菌培養検査では肺炎球菌が陰性化していたが、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が検出された。
- この患者に対する適切な治療はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110B056]←[国試_110]→[110B058]
[★]
- 次の文を読み、63~65の問いに答えよ。
- 63歳の男性。上行結腸癌の経過観察と腹部造影CT検査のため来院した。
- 現病歴:1年前に上行結腸癌に対して右半結腸切除術を受けている。術後の経過観察のため来院し、外来診察、採血検査および腹部造影CT検査を受けた。
- 既往歴:高血圧症に対し内服治療中。薬物アレルギーはない。
- 生活歴:酒店経営。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:父親は心筋梗塞で死亡。母親は膵癌で死亡。
- 検査所見:血液所見:赤血球 309万、Hb 10.4g/dL、Ht 32%、白血球 4,200、血小板 16万。血液生化学所見:総蛋白 6.8g/dL、アルブミン 3.8g/dL、AST 34IU/L、ALT 40IU/L、尿素窒素 21mg/dL、クレアチニン 0.9mg/dL、Na 139mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 107mEq/L。
- その後の経過:腹部造影CT検査の直後から、全身の掻痒感と呼吸困難が生じ、声がかすれてきた。
- 症状出現時の現症:意識は清明。体温 36.3℃。脈拍 88/分、整。血圧 80/68mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 92%(room air)。四肢の伸側に膨疹を認める。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認めない。心音に異常を認めない。胸部全体にwheezesを聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。
- その後の経過:適切な治療を行い呼吸困難は改善した。腹部造影CTの結果、単発の肝腫瘤を認め転移性肝癌と診断した。肝切除術を行うこととなり、手術の前日に右内頸静脈から中心静脈カテーテルを留置する方針となった。留置処置の当日、局所麻酔後、穿刺を行ったところ鮮紅色の血液の逆流を認めた。穿刺針を抜去したところ同部位が腫脹し始めた。意識は清明。脈拍 72/分、整。SpO2 96%(room air)。呼吸に異常を認めない。
- その後の経過:適切な処置をした後、肝切除術が施行された。3年後、多発性の転移性肝腫瘍が再発した。患者と家族は積極的な治療を望まず、自宅で過ごすことを希望したため訪問診療が開始された。今朝になって患者の意識がなく呼吸が停止している状態であると、家族から連絡があった。昨晩は意識があり、意思疎通可能であったという。担当医として駆けつけたところ、瞳孔は散大固定で、対光反射の消失、心停止および呼吸停止を認め死亡を確認した。
- 認める可能性が低いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110G064]←[国試_110]→[110G066]
[★]
- 次の文を読み、31、32の問いに答えよ。
- 29歳の女性。頭痛を主訴に来院した。
- 現病歴:1か月前から毎日午後3時ころになると頭が重くなり、肩から首にかけて固まってしまうような違和感を覚えるようになった。症状は次第に強くなり、3週前からは常に頭全体の鈍い痛みを自覚し始めた。市販の鎮痛薬を内服したが症状は改善せず、頭痛のために仕事の効率が悪くなり、何度か「集中力が足りない」と会社の上司に注意を受けた。上司の勧めで脳神経外科を受診し、頸部単純エックス線撮影と頭部MRIとを受けたが異常を認めなかった。2週前からは痛みとともに全身のだるさも出現し、家事も含めたすべてのことがおっくうになっている。また、症状のために夜なかなか眠りにつくことができず、一方、朝は時間どおりに起きることができなくなっている。この1週間のうち何度か歩行中に段差につまずくことがあった。頭を打った記憶はない。軽い吐き気があるが嘔吐はない。便通は1日1回で変化はない。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:喫煙歴と飲酒歴とはない。夫と2人暮らし。仕事は事務職だが、半年前に部署が変わり、それまでの単純作業から判断の責任を問われる業務となり、恒常的に残業をするようになった。最終月経は10日前から6日前までで、妊娠の可能性はないという。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:意識は清明。身長 158cm、体重 46kg。体温 37.1℃。脈拍 76/分、整。血圧 96/48mmHg。呼吸数 12/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。視力に異常を認めない。対光反射は正常である。顔面に浮腫を認めない。前額部および頬部に圧痛や叩打痛を認めない。う歯を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。神経学的所見に異常を認めない。
- 面接を進める中での患者と担当医の会話を以下に示す。
- 患者「最近、朝なかなか起きることができず、会社を遅刻してしまうかもしれないと心配しています」
- 担当医「なるほど。朝が起きづらいと、遅刻が心配になるのも無理はないですね」
- 担当医の言葉の背景にあるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110H031]←[国試_110]→[110H033]
[★]
- 次の文を読み、31、32の問いに答えよ。
- 29歳の女性。頭痛を主訴に来院した。
- 現病歴:1か月前から毎日午後3時ころになると頭が重くなり、肩から首にかけて固まってしまうような違和感を覚えるようになった。症状は次第に強くなり、3週前からは常に頭全体の鈍い痛みを自覚し始めた。市販の鎮痛薬を内服したが症状は改善せず、頭痛のために仕事の効率が悪くなり、何度か「集中力が足りない」と会社の上司に注意を受けた。上司の勧めで脳神経外科を受診し、頸部単純エックス線撮影と頭部MRIとを受けたが異常を認めなかった。2週前からは痛みとともに全身のだるさも出現し、家事も含めたすべてのことがおっくうになっている。また、症状のために夜なかなか眠りにつくことができず、一方、朝は時間どおりに起きることができなくなっている。この1週間のうち何度か歩行中に段差につまずくことがあった。頭を打った記憶はない。軽い吐き気があるが嘔吐はない。便通は1日1回で変化はない。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:喫煙歴と飲酒歴とはない。夫と2人暮らし。仕事は事務職だが、半年前に部署が変わり、それまでの単純作業から判断の責任を問われる業務となり、恒常的に残業をするようになった。最終月経は10日前から6日前までで、妊娠の可能性はないという。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:意識は清明。身長 158cm、体重 46kg。体温 37.1℃。脈拍 76/分、整。血圧 96/48mmHg。呼吸数 12/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。視力に異常を認めない。対光反射は正常である。顔面に浮腫を認めない。前額部および頬部に圧痛や叩打痛を認めない。う歯を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。神経学的所見に異常を認めない。
- 診断に最も有用な質問はどれか。
- a 「異常な光が見えることはありますか」
- b 「気持ちが落ち込むことはありますか」
- c 「髪の毛が異常に抜けることはありますか」
- d 「字を書くのが困難と感じることはありますか」
- e 「皮膚に赤いぶつぶつが出ることはありますか」
[正答]
※国試ナビ4※ [110H030]←[国試_110]→[110H032]
[★]
- 次の文を読み、30、31の問いに答えよ。
- 61歳の男性。腹部膨満感と意識障害とを主訴に家族に連れられて来院した。
- 現病歴:3か月前から全身倦怠感を自覚していた。1か月前から食欲低下と下腿の浮腫とがあり、2週前から腹部膨満感とふらつきも出現して外出ができなくなった。本日朝から発熱を認め、傾眠状態となったため家族に連れられて受診した。
- 既往歴:47歳時に人間ドックで肝機能異常と耐糖能異常とを指摘されたが医療機関を受診していなかった。
- 生活歴:喫煙は20本/日を40年間。脚本家で、若い頃から飲酒をしながら深夜まで仕事をするのが習慣化している。
- 家族歴:母親が脳出血で死亡。
- 現症:意識レベルは JCSⅠ-2。身長 169cm、体重 79kg。体温 37.9℃。脈拍 84/分、整。血圧 134/78mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に黄染を認める。呼気にアンモニア臭を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は膨隆しているが軟で、波動を認める。圧痛と筋性防御とを認めない。直腸指診で黒色便の付着を認める。四肢に運動麻痺はなく、下腿に浮腫を認める。
- 検査所見:血液所見:赤血球 328万、Hb 8.8g/dL、Ht 27%、白血球 9,500(桿状核好中球 31%、分葉核好中球 44%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 6%、リンパ球 17%)、血小板 9万、PT 48%(基準 80~120)。血液生化学所見:総蛋白 6.4g/dL、アルブミン 2.5g/dL、総ビリルビン 6.9mg/dL、直接ビリルビン 4.7mg/dL、AST 118IU/L、ALT 96IU/L、LD 377IU/L(基準 176~353)、ALP 683IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 332IU/L(基準 8~50)、アミラーゼ 50IU/L(基準 37~160)、尿素窒素 52mg/dL、クレアチニン 1.1mg/dL、尿酸 6.9mg/dL、血糖 100mg/dL、HbA1c 7.3%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 156mg/dL、トリグリセリド 90mg/dL、Na 131mEq/L、K 4.5mEq/L、Cl 96mEq/L。CRP 2.4mg/dL。頭部CTで異常を認めない。腹部造影CT(別冊No. 6)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [110F029]←[国試_110]→[110F031]
[★]
- 次の文を読み、30、31の問いに答えよ。
- 61歳の男性。腹部膨満感と意識障害とを主訴に家族に連れられて来院した。
- 現病歴:3か月前から全身倦怠感を自覚していた。1か月前から食欲低下と下腿の浮腫とがあり、2週前から腹部膨満感とふらつきも出現して外出ができなくなった。本日朝から発熱を認め、傾眠状態となったため家族に連れられて受診した。
- 既往歴:47歳時に人間ドックで肝機能異常と耐糖能異常とを指摘されたが医療機関を受診していなかった。
- 生活歴:喫煙は20本/日を40年間。脚本家で、若い頃から飲酒をしながら深夜まで仕事をするのが習慣化している。
- 家族歴:母親が脳出血で死亡。
- 現症:意識レベルは JCSⅠ-2。身長 169cm、体重 79kg。体温 37.9℃。脈拍 84/分、整。血圧 134/78mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に黄染を認める。呼気にアンモニア臭を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は膨隆しているが軟で、波動を認める。圧痛と筋性防御とを認めない。直腸指診で黒色便の付着を認める。四肢に運動麻痺はなく、下腿に浮腫を認める。
- 検査所見:血液所見:赤血球 328万、Hb 8.8g/dL、Ht 27%、白血球 9,500(桿状核好中球 31%、分葉核好中球 44%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 6%、リンパ球 17%)、血小板 9万、PT 48%(基準 80~120)。血液生化学所見:総蛋白 6.4g/dL、アルブミン 2.5g/dL、総ビリルビン 6.9mg/dL、直接ビリルビン 4.7mg/dL、AST 118IU/L、ALT 96IU/L、LD 377IU/L(基準 176~353)、ALP 683IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 332IU/L(基準 8~50)、アミラーゼ 50IU/L(基準 37~160)、尿素窒素 52mg/dL、クレアチニン 1.1mg/dL、尿酸 6.9mg/dL、血糖 100mg/dL、HbA1c 7.3%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 156mg/dL、トリグリセリド 90mg/dL、Na 131mEq/L、K 4.5mEq/L、Cl 96mEq/L。CRP 2.4mg/dL。頭部CTで異常を認めない。腹部造影CT(別冊No. 6)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [110F030]←[国試_110]→[110G001]
[★]
- 次の文を読み、26、27の問いに答えよ。
- 78歳の女性。食欲不振と軽度の全身倦怠感とを主訴に紹介されて来院した。
- 現病歴:4週前に自宅で転倒して尻もちをつき腰痛が出現したため自宅近くの診療所を受診した。腰椎エックス線写真で第1腰椎の圧迫骨折を認め、腰椎骨塩定量検査で骨密度が著明に低下しており、骨粗鬆症と診断された。非ステロイド性抗炎症薬、ビスホスホネート製剤、カルシウム製剤および活性型ビタミンD製剤による治療が開始された。2週後の再診時には腰痛は軽減し、非ステロイド性抗炎症薬は終了となったが、他の薬剤はその後も投与が継続されていた。1週前から食欲不振と軽度の全身倦怠感とを自覚し持続するため紹介されて受診した。尿検査と血液検査の結果を持参している。
- 既往歴:70歳時に胆石で胆?摘出術。75歳時に大腸憩室炎。
- 生活歴:娘夫婦と孫2人との5人暮らし。腰痛が軽減した後は日課にしていた朝30分の散歩を再開している。
- 検査所見(持参したもの):尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球 468万、Hb 14.6g/dL、Ht 42%、白血球 4,600、血小板 36万。血液生化学所見:総蛋白 7.6g/dL、アルブミン 4.6g/dL、総ビリルビン 0.8mg/dL、直接ビリルビン 0.4mg/dL、AST 24IU/L、ALT 10IU/L、LD 226IU/L(基準 176~353)、尿素窒素 32mg/dL、クレアチニン 1.1mg/dL、尿酸 8.6mg/dL、血糖 120mg/dL、Na 146mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 104mEq/L。CRP 0.3mg/dL未満。
- 現症:意識レベルは JCSⅠ-2。身長 150cm、体重 45kg。体温 36.0℃。脈拍 84/分、整。血圧 132/92mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 96%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢の筋力に異常を認めない。
- 診断に有用な検査はどれか。
- a 便培養
- b 聴力検査
- c 血中Ca測定
- d 頭部単純CT
- e 胸部エックス線撮影
[正答]
※国試ナビ4※ [110C026]←[国試_110]→[110C028]
[★]
- 次の文を読み、26、27の問いに答えよ。
- 78歳の女性。食欲不振と軽度の全身倦怠感とを主訴に紹介されて来院した。
- 現病歴:4週前に自宅で転倒して尻もちをつき腰痛が出現したため自宅近くの診療所を受診した。腰椎エックス線写真で第1腰椎の圧迫骨折を認め、腰椎骨塩定量検査で骨密度が著明に低下しており、骨粗鬆症と診断された。非ステロイド性抗炎症薬、ビスホスホネート製剤、カルシウム製剤および活性型ビタミンD製剤による治療が開始された。2週後の再診時には腰痛は軽減し、非ステロイド性抗炎症薬は終了となったが、他の薬剤はその後も投与が継続されていた。1週前から食欲不振と軽度の全身倦怠感とを自覚し持続するため紹介されて受診した。尿検査と血液検査の結果を持参している。
- 既往歴:70歳時に胆石で胆?摘出術。75歳時に大腸憩室炎。
- 生活歴:娘夫婦と孫2人との5人暮らし。腰痛が軽減した後は日課にしていた朝30分の散歩を再開している。
- 検査所見(持参したもの):尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球 468万、Hb 14.6g/dL、Ht 42%、白血球 4,600、血小板 36万。血液生化学所見:総蛋白 7.6g/dL、アルブミン 4.6g/dL、総ビリルビン 0.8mg/dL、直接ビリルビン 0.4mg/dL、AST 24IU/L、ALT 10IU/L、LD 226IU/L(基準 176~353)、尿素窒素 32mg/dL、クレアチニン 1.1mg/dL、尿酸 8.6mg/dL、血糖 120mg/dL、Na 146mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 104mEq/L。CRP 0.3mg/dL未満。
- 現症:意識レベルは JCSⅠ-2。身長 150cm、体重 45kg。体温 36.0℃。脈拍 84/分、整。血圧 132/92mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 96%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢の筋力に異常を認めない。
- この患者にみられる可能性が高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110C025]←[国試_110]→[110C027]
[★]
- 次の文を読み、67~69の問いに答えよ。
- 28歳の男性。墜落事故のため工事現場から救急車で搬入された。
- 現病歴:建築作業中に誤って約3mの高さから墜落し、頭部を強打した。意識障害がみられ、救急搬送された。
- 既往歴:生来健康で特記すべきことはない。
- 生活歴:高校卒業後から建築作業員。独身。大酒家で喫煙歴は不明。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:来院時、閉眼。身長 170cm(推定)。体重 70kg(推定)。体温 36.4℃。脈拍 48/分、整。血圧 192/104mmHg。呼吸数 12/分。SpO2 92%(リザーバー付マスク10L/分酸素投与下)。左側頭部に皮下血腫を認める。瞳孔径両側3mmで対光反射は正常である。口腔、鼻孔および耳孔からの出血を認めない。他部位の創傷からの外出血はない。心音と呼吸音とに異常を認めない。痛み刺激で開眼し、発語は「あ~」「う~」の発声のみを認める。痛み刺激で手足の逃避的な屈曲を認める。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、血液所見:赤血球 424万、Hb 13.8g/dL、Ht 48%、白血球 8,600、血小板 21万。血液生化学所見:総蛋白 7.2g/dL、アルブミン 4.0g/dL、総ビリルビン 0.6mg/dL、AST 21IU/L、ALT 28IU/L、尿素窒素 16mg/dL、クレアチニン 0.8mg/dL、血糖 85mg/dL、Na 142mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 102mEq/L。CRP 1.2mg/dL。動脈血ガス分析(リザーバー付マスク10L/分酸素投与下):pH 7.20、PaCO2 64Torr、PaO2 62Torr、HCO3- 24mEq/L。胸部エックス線写真と骨盤部エックス線写真とで異常を認めない。 頭部単純CTで異常を認めない。
- その後の経過:翌日に撮影された頭部MRIのFLAIR像で脳梁を中心とした白質に小さな高信号領域の散在を認めた。受傷後4日目に開眼し、受傷後5日目には意識レベルはJCSⅠ-1となった。リハビリテーションを進め自宅退院を目指すことになった。
- 退院後も長期に認められる可能性があるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110E068]←[国試_110]→[110F001]
[★]
- 次の文を読み、60~62の問いに答えよ。
- 78歳の男性。胃病変の精査と治療とを希望して来院した。
- 現病歴:2年前から心窩部痛を自覚していた。自宅近くの診療所で上部消化管造影検査を受け、異常を指摘されたため紹介されて受診した。上部消化管内視鏡検査で同様に異常所見を認め、4か所の生検のうち1か所は組織診断分類Group5で、手術適応と考えられた。
- 既往歴:10年前から高血圧症で治療中。
- 生活歴:喫煙は30本/日を58年間。飲酒は日本酒2合/日を58年間。ADLは自立している。
- 家族歴:父親が胃癌。
- 現症:意識は清明。身長 167cm、体重 48kg。体温 36.4℃。脈拍 68/分、整。血圧 130/80mmHg。呼吸数 18/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。表在リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で、心窩部に圧痛を認めるが腫瘤は触知しない。
- 検査所見:血液所見:赤血球 310万、Hb 10.6g/dL、Ht 29%、白血球 8,600、血小板 22万。血液生化学所見:総蛋白 6.8g/dL、アルブミン 3.0g/dL、総ビリルビン 0.9mg/dL、AST 30IU/L、ALT 42IU/L、LD 350IU/L(基準 176~353)、ALP 242IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 83IU/L(基準 8~50)、アミラーゼ 84IU/L(基準 37~160)、CK 130IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 5.0mg/dL、血糖 108mg/dL、HbA1c 5.8%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 57mg/dL、コリンエステラーゼ 300IU/L(基準 400~800)、Na 140mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 100mEq/L。CRP 0.4mg/dL。動脈血ガス分析(room air):pH 7.39、PaCO2 50Torr、PaO2 75Torr、HCO3- 29 mEq/L。呼吸機能検査:%VC 68%、FEV1% 54%。患者が持参した上部消化管造影像(別冊No. 12A)と精査のため行った上部消化管内視鏡像(別冊No. 12B)とを別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [110G060]←[国試_110]→[110G062]