- 英
- idiopathic osteonecrosis of the femoral head ION
- 同
- 特発性大腿骨頭壊死
- 関
- 大腿骨頭壊死症
概念
疫学
リスク因子
- アルコール多飲:40歳代に多い
- 副腎皮質ステロイド内服:20歳代に多い
症状
- SOR.251
- アルコール多飲では50%が両側性であるが、ステロイド性では70%以上。
- 股関節痛が主であり、大腿痛、膝痛、坐骨神経痛もありうる。
検査
- MRI:(stage1)band patternが認められる。壊死骨がhigh、正常骨梁と壊死部の境界がlow(線維性肉芽組織と新生骨添加部)、正常骨梁はhigh
- 単純X線写真:stage1では変化無く、stage2で帯状硬化像が認められ、stage3で骨頭が圧潰され、stage4で骨頭が圧潰、関節間隙狭小化、亜脱臼し二次関節症に至る像が認められる。
治療
- SOR.543
- 保存療法:壊死範囲が狭い例や壊死が非加重部に存在する例
- 手術療法:
-
- 大腿骨内反骨切り術
- 大腿骨屈曲骨切り術
- 大腿骨前方回転骨切り術
参考
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/306
- http://www.nanbyou.or.jp/pdf/080_s.pdf
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/05/29 08:06:14」(JST)
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特発性大腿骨頭壊死症(とくはつせいだいたいこっとうえししょう、Idiopathic Osteonecrosis of Femoral Head:ION)は股関節の病気のひとつで、大腿骨の上端の大腿骨頭の骨組織が壊死し、関節が変形・破壊する病気であり、このうち原因がはっきりしないものをいう。厚生労働省の特定疾患に指定されている。医療費の患者自己負担分について公的な助成(公費負担医療)を受けることができる。都道府県自治事務。
目次
- 1 症状
- 2 原因
- 3 治療
- 4 その他
- 5 関連
症状
初期においては、歩行時、階段の昇降時などに痛みを感じる。進行すると安静時においても持続的な痛みがあり鎮痛剤が必要となる。また変形にともない関節の動く範囲が狭くなったり、跛行(はこう、足を引きずって歩く事)を生じたりする。
原因
ステロイド剤の服用、アルコール愛飲等が要因のひとつとして考えられている。
治療
治療は、手術を行わない保存的治療と手術的治療にわかれる。
保存的治療
- 杖の使用
- 体重のコントロール
- 筋力訓練
- 痛み止めの薬の服用
手術的治療
- 壊死範囲が限局している場合、杉岡式回転骨切り術、内反骨切り術、人工骨頭置換術など。
- 骨移植術は、あまり行われない。
- 年齢、壊死範囲、変形の程度などで、大腿骨骨頭と股関節の一部分を交換する人工骨頭置換術、または大腿骨骨頭の人工関節置換術が行われることがある。
その他
- 骨頭壊死は大腿骨の骨頭の荷重部位に発症することが多いが、膝、上腕骨頭にも併発することがある。
- 変形性股関節症につながることがある。
- ステロイド剤服用によるものは、プロトンポンプ阻害剤のランソプラゾールに予防効果が確認された[1]。
関連
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 症例報告 両側大腿骨頚部骨折を生じた特発性大腿骨頭壊死症の1例
- 高度圧潰を生じた特発性大腿骨頭壊死症に対する大腿骨頭回転骨切り術後の股関節不安定性について:―CTを用いた高度後方回転骨切り術と前方回転骨切り術の比較検討―
- 田邊 智絵,渥美 敬,中西 亮介 [他],渡邉 実,石川 翼,玉置 聡,柁原 俊久
- 昭和学士会雑誌 75(1), 86-94, 2015
- … に移動し股関節の前方不安定性を生じやすいと報告されている.AROとHDPRO後では圧潰の進行した例において,寛骨臼内での股関節の安定性が異なると考えた.本研究の目的は高度に骨頭圧潰を認める特発性大腿骨頭壊死症(厚生労働省班会議改定分類Stage 3B:関節裂隙は保たれているが骨頭圧潰を3mm以上認める例)に対して,AROとHDPRO後の股関節不安定性を股関節0°伸展位,45°屈曲位で撮影した股関節CT水平断像を用い …
- NAID 130005094497
- 田中 良哉,園本 格士朗,近藤 真弘,尾下 浩一,張 香梅,福與 俊介,山岡 邦宏
- 日本臨床免疫学会会誌 38(2), 86-92, 2015
- … 関節リウマチに於いて破壊された関節,及び,特発性大腿骨頭壊死症などを誘因とする骨壊死症の機能改善は期待できず,骨・関節機能の再生を目指した治療法の開発が必須である.間葉系幹細胞は全身に分布する体性幹細胞で,骨芽細胞・骨細胞などに分化する多能性,顕著な自己増殖能,複製能を有する.間葉系幹細胞は骨髄,臍帯血,脂肪組織,胎盤などからも採取可能で,倫理的問題は殆どなく,移植時の …
- NAID 130005072688
- 骨・関節疾患におけるゲノム医学の進歩 特発性大腿骨頭壊死症のゲノム解析 : GWASによる疾患感受性遺伝子の同定を目指して
Related Links
- 1. 特発性大腿骨頭壊死症とは. 大腿骨頭の一部が、血流の低下により壊死(骨が腐っ た状態ではなく、血が通わなくなって骨組織が死んだ状態)に陥った状態です。骨壊死が 起こること(発生)と、痛みが出現すること(発症)、には時間的に差があることに注意が ...
- 大腿骨頭壊死症は大腿骨頭が阻血性壊死に陥って破壊され、股関節機能が失われる 難治性疾患である。大腿骨頭壊死症のうち、 明らかな基礎疾患がないものが特発性 大腿骨頭壊死症とされ、ステロイド性、アルコール性および狭義の特発性にさらに分類 され ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
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- 英
- avascular necrosis of the femoral head ANF
- 同
- 大腿骨頭壊死 femur head necrosis、大腿骨頭無腐性壊死 aseptic necrosis of the femoral head
病因
-
- 放射線照射後大腿骨頭壊死症
- 手術後/医原性大腿骨頭壊死症
- ステロイド性 なぜ起こるか → (参考1)
- アルコール性
- 特発性(狭義)
病型
- type A:壊死域が臼蓋加重面の内側1/3未満にとどまるもの、または壊死域が非加重部にとどまるもの
- type B:壊死域が臼蓋加重面の内側1/3以上2/3未満の範囲に存在するもの
- type C:壊死域が臼蓋加重面の内側2/3を超えるもの
- type C-1:壊死域の外側端が臼蓋縁内にあるもの
- type C-2:壊死域の外側端が臼蓋縁を超えるもの
病期
- stage 1: preradiological stage
- stage 2: non-collapsed stage, early stage
- stage 3: collapsed stage, advanced stage
- stage 4: osteoarthritic stage, late stage
国試
参考
- 1. [charged] Osteonecrosis (avascular necrosis of bone) - uptodate [1]
[★]
特発性大腿骨頭壊死症
[★]
特発性大腿骨頭壊死症
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特発性大腿骨頭壊死症
[★]
- 英
- head of femur, femoral head
- ラ
- caput femoris
- 関
- 大腿骨
- 大腿三角の奥に触れることができる。
- 鼡径靭帯と大腿動脈の交点より遠位外側にそれぞれ3cmの部位に大腿骨頭が存在する。(SOR.505)
[★]
- 英
- thigh bone
- ラ
- femur, os femoris
- 関
- 大腿
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 英
- necrosis
- 同
- ネクローシス
- 関
- アポトーシス、細胞死
[★]
- 英
- idiopathy、idiopathic、cryptogenic、agnogenic, essential
- 同
- 本態性
- 関
- 原因不明
[★]
- 英
- sis, pathy