- 英
- ischemic enteritis
- 関
- 腸管虚血、虚血性大腸炎
概念
- 腸における動脈血の流入障害や静脈血の灌流不全による炎症。
- 炎症にとどまる限り緊急手術の適応ではなく、保存的治療で治癒する
- 急性腸間膜動脈閉鎖との鑑別が重要。see YN.A-92
疫学
症状
診断
治療
予後
文献
- 1. Nakase H., [Ischemic enteritis]., Nippon Rinsho. 2008 Jul;66(7):1330-4.
- Abstract
- Ischemic enteritis is a rare disease, but its mortality is high, whether it is caused by anatomic occlusion of the mesenteric macrovasculature or pathophysiologic vasospasm at the microvascular level. Despite advances in the management of the critical ill patient, a large proportion of the patients recognized with this diagnosis succumb acutely to their condition. Lesser degrees of mesenteric ischemia (particularly, in small intestine), even when not manifest overtly as the classic clinical syndrome, may contribute to the development of systemic sepsis and the multiple organ failure syndrome, which leads to death. Therefore, the understanding, recognition, and proper management of mesenteric vascular insufficiency has become very important.
- PMID 18616124
- 本吉 宏行,西野 光一,青木 豊明,川田 普亮,曽和 融生,梅山 馨
- 日本消化器外科学会雑誌 20(8), 1984-1987, 1987-08-01
- LINKOUT CiNii Article
- free PDFあり
国試
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Japanese Journal
- 5.先天性心疾患合併小児外科疾患の治療戦略 : 小児外科医の立場から(<特集>先天性心疾患合併小児外科疾患の最新の治療戦略)
- PS-189-2 ステントグラフト内挿術後に虚血性腸炎を発症した腹部大動脈手術症例の検討(PS-189 ポスターセッション(189)大血管:その他,第111回日本外科学会定期学術集会)
- 久良木 亮一,岡崎 仁,郡谷 篤史,本間 健一,川久保 英介,前原 喜彦
- 日本外科学会雑誌 112(臨時増刊号_1・2), 834, 2011-05-25
- NAID 110008685629
- PS-017-5 虚血性腸炎の検討 : 手術症例と保存的加療症例の比較(PS-017 ポスターセッション(17)大腸:良性-2,第111回日本外科学会定期学術集会)
- 志田 誠一郎,原 雅雄,横山 忠弘,西村 一宜,福田 顕三,石原 健次,島田 昇二郎
- 日本外科学会雑誌 112(臨時増刊号_1・2), 536, 2011-05-25
- NAID 110008684437
- 大腸内視鏡の手技に伴うまれな偶発症にはどのようなものがあるか? : 英文報告のレビューから
- 日山 亨,田中 信治,茶山 一彰,吉原 正治
- 日本消化器内視鏡学会雑誌 = Gastroenterological endoscopy 53(2), 233-247, 2011-02-20
- … 間膜動脈閉塞症や一過性型虚血性大腸炎,(3)気腫・気胸・緊張性気腹:皮下気腫,陰嚢気腫等,(4)小腸穿孔,(5)ヘルニア関連:横隔膜ヘルニア,イレウス等,(6)感染症関連:虫垂炎,敗血症等が報告されていた.報告の中には死亡例もあった(虚血性腸炎や虫垂炎等).大腸内視鏡に伴うまれな偶発症の中には迅速な対応が必要なものもあり,内視鏡医はこれらについても,十分な知識を持っておく必要があると思われた. …
- NAID 10028052702
Related Links
- 虚血性大腸炎。虚血性大腸炎とはどんな病気か 大腸への血液の循環が悪くなり、必要な酸素や栄養分が供給されなくなるために、大腸粘膜が虚血となり炎症や潰瘍を生じる疾患です。症状として突然の腹痛、下血がみられます。
- 虚血性大腸炎の治療 治療は、一過性型や狭窄型は原則として保存的治療を選択します。腸管の安静のため絶食にして補液や抗生物質の投与を行います。 一過性型は、約1週間程度の治療にて軽快します。 壊疽〔えそ〕型では症状が ...
- 虚血性腸炎を疑ったら、緊急で大腸内視鏡検査を行います ... ・大腸に向かう血液の流れが突然ストップして、大腸の粘膜に炎症が起こる。 ・急激な腹痛(特におなかの左側)の後、下痢と血便が出現する。
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★リンクテーブル★
[★]
- 62歳の男性。血便を主訴に来院した。
- 現病歴:本日夕食後に多量の暗赤色の便が出現し、ふらつきを自覚したため救急外来を受診した。特に腹痛や下痢を自覚していない。
- 既往歴:30年前から高血圧症と糖尿病で内服治療中。10年前から心房細動に対してワルファリンを処方されている。最近、処方薬の増量や変更はない。
- 生活歴:妻と2人暮らし。喫煙は50歳まで 20本/日を20年間。飲酒はビール 350mL/日。
- 家族歴:父親が脳梗塞。母親が大腸癌。
- 現症:意識は清明。身長 169cm、体重 70kg。体温 36.7℃。脈拍 88/分、不整。血圧 114/78mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 96%(room air)。眼瞼結膜は貧血様だが、眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸雑音はやや亢進している。直腸指診で暗赤色の便の付着を認める。四肢に軽度の冷汗を認める。
- 検査所見:血液所見:赤血球 299万、Hb 9.7g/dL、Ht 32%、白血球 12,000、血小板 21万。血液生化学所見:総蛋白 6.5g/dL、アルブミン 3.6g/dL、総ビリルビン 0.9mg/dL、AST 28U/L、ALT 22U/L、LD 277U/L(基準 176~353)、γ-GTP 41U/L(基準 8~50)、アミラーゼ 80U/L(基準 37~160)、尿素窒素 18mg/dL、クレアチニン 1.1mg/dL、尿酸 6.7mg/dL、血糖 128mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.5mEq/L、Cl 100mEq/L。CRP 1.9mg/dL。 腹部単純CT(別冊 No.10A)及び腹部造影CT(別冊No.10B、C)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [113C063]←[国試_113]→[113C065]
[★]
- 72歳の女性。下腹部痛と血便のため救急外来を受診した。本日就寝前に急激な下腹部痛と下痢が出現した。数回の下痢に続いて鮮紅色の血便が出現したため受診した。20年前から糖尿病と高血圧症で自宅近くの診療所に通院している。意識は清明。体温 37.2℃。脈拍 96/分、整。血圧 142/92mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 96%(room air)。腹部は平坦で、左下腹部に自発痛と圧痛を認める。筋性防御を認めない。血液所見:赤血球 380万、Hb 11.4g/dL、Ht 39%、白血球 11,200(桿状核好中球 4%、分葉核好中球 55%、好酸球 2%、単球 7%、リンパ球 32%)、血小板23万。血液生化学所見:総蛋白 6.9g/dL、アルブミン 3.8g/dL、総ビリルビン 0.9mg/dL、AST 24U/L、ALT 27U/L、LD 267U/L(基準 176~353)、アミラーゼ 60U/L(基準 37~160)、尿素窒素 21mg/dL、クレアチニン 1.1mg/dL、尿酸 6.6mg/dL、血糖 138mg/dL、HbA1c 6.9%(基準 4.6~6.2)、Na 141mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 99mEq/L。CRP 2.1mg/dL。動脈血ガス分析(room air):pH 7.41、PaCO2 36Torr、PaO2 90Torr、HCO3- 24mEq/L。
- 最も考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113C029]←[国試_113]→[113C031]
[★]
- 65歳の女性。下腹部痛と下血とを主訴に来院した。今朝、突然の強い左下腹部痛があり、その後、4回の下血を認めた。体温37.2℃。血圧150/84mmHg。左下腹部に圧痛を認める。筋性防御を認めない。下行結腸の内視鏡写真(別冊No.3)を別に示す。
- 対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104D020]←[国試_104]→[104D022]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102D011]←[国試_102]→[102D013]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [096H034]←[国試_096]→[096H036]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [111I018]←[国試_111]→[111I020]
[★]
- 英
- lower abdominal pain
- 関
- 下腹痛。腹痛
診療エッセンシャルズ.271 改変
産婦人科疾患
- NGY.138
急性かつ重篤な下腹痛
中等度の下腹痛
- 1. 鎖陰
- 2. 卵巣嚢腫破裂
- 3. 子宮内膜症
- 4. 月経困難症
- 5. 子宮筋腫
- 6. 急性付属器炎、子宮内膜炎:子宮内膜炎は子宮内操作や流産後などに起こり、ほとんどが上行性感染と考えられ、発熱や不正出血などの随伴症状を伴うことが多い。卵管に炎症が波及し付属器炎になると下腹痛も増悪し、骨盤腹膜炎を来すことがある。起因菌はクラミジアの頻度が増加している。(参考1)
- 7. 流産
産婦人科の下腹部痛の鑑別疾患
- 参考1
病みえ産婦人科
- 引用p.212
妊娠の有無による鑑別
参考
- 1. (12)日本産婦人科医会研修プログラム;痛みの診断と治療
3)急性腹症,がん性疼痛への対応 - 日産婦誌58巻9号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/58/5809-395.pdf
[★]
- 英
- melena
- ラ
- melaena
- 同
- タール便 tarry stool
- 関
- 消化管出血(上部消化管出血、下部消化管出血)、黒色便、赤色便。吐血
定義
- (広義)便の中に血液が含まれている状態:黒色便、タール便、粘血便、鮮血便 (ただし潜血便は含まれない)
- (狭義)タール便
狭義
下血
分類
頻度
- IMD.566
出血部位と便の性状
- IMD.567
[★]
- 英
- intestinal ischemia、bowel ischemia
- 関
- 虚血性腸炎
腸管虚血の分類
SUR.414
- 1. acute mesenteric ischemia
- major arterial occlusion
- minor arterial occlusion
- major embolism
- mesenteric venous thrombosis
- splanchnic vasoconstriction (NOMI)
- 2. chronic mesenteric ischemia
- 3. colonic ischemia
[★]
- 英
- bloody diarrhea、bloody diarrhoea
- 関
- 下血、血便
鑑別疾患
腹痛
[★]
- 英
- colonoscope
- 同
- 下部消化管内視鏡、大腸鏡、コロノスコープ
- 関
- 大腸鏡、結腸鏡
- 虚血性腸炎後、大腸癌が疑わしくなければ治癒後一ヶ月程度に検査をやるのがよい。
[★]
- 英
- enteritis
- 同
- 小腸結腸炎 enterocolitis、腸カタル intestinal catarrh
- 関
- gastroenteritis
[★]
- 関
- 炎光、炎症
[★]
- 英
- ischemia, hypoemia
- ラ
- ischaemia
- 同
- イスケミア、阻血
[★]
- 英
- ischemic、ischaemic
- 関
- 虚血、虚血下、乏血