全身症状 | 約70% |
高血圧 | 約30% |
皮疹 | 約60% |
多発性単神経炎 | 約60% |
関節痛 | 約50% |
筋痛 | 約50% |
間質性肺炎 | 約25% |
肺胞出血 | 約10% |
心不全 | 約18% |
消化管病変 | 約20% |
症状 | 検査 | 病理 | 治療 | |||
結節性多発動脈炎 | polyarteritis nodosa,PN | 細動脈に壊死性血管炎を引き起こす。糸球体腎炎なし。 | ① 全身症状あり ② 他臓器の虚血障害〈脳出血、肺出血、虚血性心疾患(心臓の冠動脈が虚血)〉 ③ 進行性腎機能低下、腎血管性高血圧(炎症動脈狭窄→レニン分泌) |
尿所見に乏しい進行性腎機能低下、腰痛 | ・ 腎臓を含む多臓器の動脈に炎症が生じる。 ・ 腎動脈造影で弓状動脈に生じた結節様病変、糸球体病変は軽度。 |
ステロイド&免疫抑制剤(シクロホスファミド) |
顕微鏡的多発動脈炎 | microscopic polyangitis,MPA | 小血管の炎症。糸球体腎炎あり。 | ①全身症状:発熱、体重減少、多発関節炎、筋肉痛 ②多臓器の虚血障害:肺出血(血痰) ③進行性腎機能低下(急性進行性糸球体腎炎)(高齢者のRPGNにMPAが多い) |
①RPGN症状が(血尿、蛋白尿、円柱、週単位での腎機能低下) ②MPO-ANCA陽性が85%を占める。 |
腎の微小血管と糸球体及び、肺の微小血管に炎症が生じる。 ① 半月体形成:糸球体係蹄壁の外側に増殖した細胞が半月状の形態をとる。 ② 免疫グロブリンや補体の沈着はなし。(p-ANCAがELIZA法で検出される。) |
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/05/03 08:43:04」(JST)
顕微鏡的多発血管炎(けんびきょうてきたはつけっかんえん,Microscopic PolyAngitis; MPA)とは、ANCA関連血管炎症候群(AAV)のうち、肉芽腫性病変のみられないもの。
毛細血管や細動脈、細静脈の血管壁に炎症をおこし、出血したり血栓を形成したりする。
毛細血管の多い腎臓と肺が好発部位。
2011年現在、各国の治療ガイドライン等は、他のANCA関連血管炎症候群(好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、多発血管炎性肉芽腫症)と共通。
血管の炎症を完全に消失させて(寛解導入療法)、その状態を維持する(寛解維持療法)。 寛解の判定には、条件としてCRPが正常範囲である他、BVAS(血管炎症候群を参照)等を用いる。
早期診断・早期治療が極めて重要。その場合、約3~6か月で寛解に至ることが期待できる。治療が遅れると、臓器の機能障害が残る。
ステロイド系抗炎症薬の糖質コルチコイド(GC)が治療の中心。初期投与量から次第に減量し、再燃などがなければ通常18カ月。
チアマゾールやPTUによるMPO-ANCA血管炎症候群の場合には、中止する必要がある。
免疫抑制薬併用療法は、病状が重い場合のほか、副作用の強い糖質コルチコイドをなるべく少なくするため積極的にも用いられる。
寛解が得られてもANCAが陰性化しない場合、再燃が高頻度であるため、5年間継続する事もある。
日本では、軽症例に再燃が多かったが、免疫抑制薬の使用が少なかった事も原因と推定されている。
下記の2種が主[1]。
最も重症な場合。腎予後の改善が海外で確認されたが、生命予後の改善は確認されていない。
血管の内腔狭窄や血栓に、抗凝固療法、血管拡張剤(プロスタグランジン製剤)など。 糖質コルチコイドの副作用としても血栓がおこりやすくなる。
一般的にもステロイドの副作用は多く知られているが、日本では、AE(有害事象)の主因と推定している。
一般の感染症はもちろん日和見感染のリスクもある。生ワクチンも使用すべきではない。免疫抑制薬併用療法では、特に留意する事が推奨される。糖質コルチコイドの使用量が多い程、多い。 また、日本は重症感染症が多い。
一般的対策として、イソジンガーグル、入院での面会制限、個室など。
免疫抑制薬シクロホスファミドの副作用の、出血性膀胱炎と催腫瘍作用。 静注パルス療法より連日経口服用療法の方が、総投与量が多く膀胱毒性が強い。代謝物アクロレインが尿に排出されておこる。
膀胱に尿をためないように、点滴や経口水分摂取を多くし、頻繁な排尿が推奨されている。予防薬のmesna(メスナ)は、日本では血管炎に対する健康保険適用はない。 最も感度の良い検査は定期的な尿検査であり、催腫瘍作用のため、シクロホスファミド使用終了後も行う。
出血性膀胱炎を発症したら、使用を止め、他の免疫抑制薬に替える等が望ましい。
糖質コルチコイドの副作用と共に、腎機能低下による骨ミネラル代謝異常による。ステロイド性骨粗鬆症予防ガイドラインなどにより、積極的な治療を早期から開始する必要がある。
従来結節性多発動脈炎(以下PN)と考えられてきた疾患の中に細動脈でも壊死性血管炎を起こす一群が報告され、この様な経過を辿る一群をPNとは分けて本症とした。2006年6月10日 (土) 22:01 (UTC)現在では本症とPNは異なる疾患と考えられている。
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結節性多発動脈炎 | polyarteritis nodosa,PN | 細動脈に壊死性血管炎を引き起こす。糸球体腎炎なし。 | ① 全身症状あり ② 他臓器の虚血障害〈脳出血、肺出血、虚血性心疾患(心臓の冠動脈が虚血)〉 ③ 進行性腎機能低下、腎血管性高血圧(炎症動脈狭窄→レニン分泌) |
尿所見に乏しい進行性腎機能低下、腰痛 | ・ 腎臓を含む多臓器の動脈に炎症が生じる。 ・ 腎動脈造影で弓状動脈に生じた結節様病変、糸球体病変は軽度。 |
ステロイド&免疫抑制剤(シクロホスファミド) |
顕微鏡的多発動脈炎 | microscopic polyangitis,MPA | 小血管の炎症。糸球体腎炎あり。 | ①全身症状:発熱、体重減少、多発関節炎、筋肉痛 ②多臓器の虚血障害:肺出血(血痰) ③進行性腎機能低下(急性進行性糸球体腎炎)(高齢者のRPGNにMPAが多い) |
①RPGN症状が(血尿、蛋白尿、円柱、週単位での腎機能低下) ②MPO-ANCA陽性が85%を占める。 |
腎の微小血管と糸球体及び、肺の微小血管に炎症が生じる。 ① 半月体形成:糸球体係蹄壁の外側に増殖した細胞が半月状の形態をとる。 ② 免疫グロブリンや補体の沈着はなし。(p-ANCAがELIZA法で検出される。) |
病態 | レイノー現象 | 抗核抗体 | リウマトイド因子 | 抗好中球細胞質抗体 | 皮疹 | 皮下結節 | 関節炎 | 筋炎 | 漿膜炎 | 自己抗体 |
病理 | 壊死性血管炎 | 糸球体腎炎 | 間質性肺炎 | 心炎 | 唾液腺炎 | オニオンスキン病変 | ワイヤーループ病変 | ヘマトキシリン体 | LE細胞 | |
臓器系 | 有症率 | 臨床症状 |
腎臓 | 60 | 腎不全、腎性高血圧 |
筋骨格系 | 64 | 関節炎、関節痛、筋肉痛 |
末梢神経系 | 51 | 末梢神経ニューロパチー、多発性単神経炎 |
消化器系 | 44 | 複数、悪心・嘔吐、出血、腸梗塞・腸穿孔、胆嚢炎、肝梗塞、膵梗塞 |
皮膚 | 43 | 皮疹、紫斑、結節、皮膚梗塞、網状皮斑、レイノー現象 |
心臓 | 36 | うっ血性心不全、心筋梗塞、心膜炎 |
生殖器・泌尿器系 | 25 | 精巣・卵巣・精巣上体痛 |
中枢神経系 | 23 | 脳血管イベント、精神状態の変調、てんかん発作 |
-PN
疾患概念の変遷 | ||||||
1994 | CHCC | 川崎病 | 結節性多発動脈炎 | 顕微鏡的多発血管炎 | Churg-Strauss症候群 | Wegener肉芽腫症 |
2012 | CHCC | 川崎病 | 結節性多発動脈炎 | 顕微鏡的多発血管炎 | 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 | 多発血管炎性肉芽腫症 |
通常、上気道および下気道を障害する壊死性肉芽腫性炎症で、主に小型血管から中型血管(例えば毛細血管、細静脈 または細動脈、動脈そして静脈)も障害する壊死性血管炎。壊死性糸球体腎炎は非常によくみられる。
病態 | レイノー現象 | 抗核抗体 | リウマトイド因子 | 抗好中球細胞質抗体 | 皮疹 | 皮下結節 | 関節炎 | 筋炎 | 漿膜炎 | 自己抗体 |
PR-3 ANCA | ||||||||||
病理 | 壊死性血管炎 | 糸球体腎炎 | 間質性肺炎 | 心炎 | 唾液腺炎 | オニオンスキン病変 | ワイヤーループ病変 | ヘマトキシリン体 | LE細胞 | |
半月体形成腎炎 : 約 5,000 件 半月体形成性腎炎 : 約 11,800 件 半月体糸球体腎炎 : 28 件 半月体性糸球体腎炎 : 14 件 半月体形成糸球体腎炎 : 46 件 半月体形成性糸球体腎炎 : 約 11,300 件
疾患名 | 自己抗体 |
全身性エリテマトーデス | 抗dsDNA抗体 |
抗Sm抗体 | |
全身性強皮症 | 抗Scl-70抗体 |
抗セントロメア抗体 | |
抗Mi-2抗体 | |
多発性筋炎/皮膚筋炎 | 抗Jo-1抗体 |
抗PL-7抗体 | |
抗Mi-2抗体 | |
混合性結合組織病 | 抗RNP抗体 |
オーバーラップ症候群 | 抗dsDNA抗体 |
抗Sm抗体 | |
抗Scl-70抗体 | |
抗Jo-1抗体 | |
抗Ku抗体 | |
Sjögren症候群 | 抗SS-A抗体 |
抗SS-B抗体 |
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