- 英
- bile acid、cholic acid
- 関
- 一次胆汁酸、二次胆汁酸
生合成
種類
胆汁酸の運命
- 肝機能が低下した場合、タウリン抱合が進まずに血中の胆汁酸濃度が上昇する。
胆汁酸の吸収
- クローン病で回腸が障害されると、胆汁酸の吸収が障害され、進行性脂肪吸収障害を来す。
機能
臨床関連
- 黄疸:胆汁酸の皮膚沈着により掻痒を生じる、らしい。
- 胆汁酸下痢:終末回腸の切除により胆汁酸の再吸収が妨げられ、大腸に流入した胆汁酸が脱水素胆汁酸となり水吸収を阻害して下痢をきたす、らしい。105E043
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胆汁酸(たんじゅうさん、bile acid)は、哺乳類の胆汁に広範に認められるステロイド誘導体でコラン酸骨格を持つ化合物の総称である。胆汁酸の主な役割は、消化管内でミセルの形成を促進し、食物脂肪をより吸収しやすくするものである。
肝臓で生合成されたものを一次胆汁酸という。また一部は腸管で微生物による変換を受け、その代謝物は二次胆汁酸と呼ばれる。
胆汁酸は、通常グリシンやタウリンと結び付いており、これらは抱合胆汁酸(胆汁酸塩)と呼ばれる。
ヒトでの代表的な2つの胆汁酸は、コール酸とケノデオキシコール酸である。ヒトの胆汁酸の比率は、一次胆汁酸であるコール酸(80%)、ケノデオキシコール酸(2%)、腸内細菌の胆汁酸-7α-デヒドロキシラーゼにより7-α-デヒドロキシ化された二次胆汁酸である、デオキシコール酸(15%)、リトコール酸(微量)である[1][要高次出典]。胆汁酸、グリシン又はタウリンとの抱合胆汁酸、7-α-デヒドロキシ(脱水酸)誘導体(デオキシコール酸及びリトコール酸)は、人の腸内での胆汁から発見されたものである。
肝臓の疾病によって血液中に放出されるので、肝臓病の検査に用いられることがある。 検出法として、マックス・フォン・ペッテンコーファーが発見したペッテンコーファー反応が知られる。これは試料にグルコース加えて、硫酸を添加すると、試料が赤色になるという反応である。
目次
- 1 産生及び分泌
- 2 種類
- 3 関連項目
- 4 脚注
産生及び分泌[編集]
胆汁酸は、肝臓にてチトクロムP450の作用でコレステロールを酸化することにより産生される。胆汁酸は、タウリン、アミノ酸であるグリシンと結びついて、あるいは硫酸塩、グルクロン酸として、脱水により塩にまで濃縮されて胆嚢に蓄えられる。人においては、コレステロール7-α-水酸化酵素により、ステロイド環の7の位置にヒドロキシ基(水酸基)が付加され7α-ヒドロキシコレステロールが合成される反応が律速反応となっている。食事をすることにより、胆嚢に蓄えられた抱合胆汁酸は腸内に分泌され、食物脂肪の乳化を促進する。胆汁酸のその他の役割としては、体からコレステロールを排出すること、肝臓から異化生成物を胆汁分泌の際に排出すること、乳化した脂質と脂溶性ビタミンを腸内でミセル化して乳糜管系から吸収させること、界面活性剤として細菌の細胞膜を溶解する作用により[2][3]小腸内や胆管での腸内細菌叢の形成を妨げること、などが上げられる。
胆汁酸とは、カルボン酸型(-COOH)のものを言う。抱合胆汁酸とは、カルボン酸と結合したものやイオン化(-COO-)したものを言う。腸内のpH環境では抱合されていない胆汁酸よりも抱合胆汁酸のほうがよりイオン化しやすく、脂肪のミセル化をより効率的に行える。 人以外のほとんどの種でも、胆汁酸の生合成は、コレステロールの代謝によるものが一般的である。人体では1日あたり800mgのコレステロールを産生し、その半分は胆汁酸の新たな生成に使用されている。毎日、合計で20-30gの胆汁酸が腸内に分泌されている。分泌される胆汁酸の90%は回腸で能動輸送され再吸収され再利用され、腸管から肝臓や胆嚢に抱合胆汁酸が移動することを、腸肝循環と呼んでいる。これは、少ない抱合胆汁酸の産生にもかかわらず消化器官での大量分泌を可能にしているものである。胆汁は、脂肪球を非常に小さな溶解物に分解している。屠殺された動物の胆汁は石鹸の原料にすることもできる。乳化作用により細菌の細胞膜を破壊し殺菌作用のある胆汁酸が回腸でほとんど吸収されるため、腸内細菌は回腸以降の大腸を主な活動場所としている。
抱合胆汁酸[編集]
胆汁酸は、通常グリシンやタウリンと結び付いており、これを抱合胆汁酸と呼ぶ。胆汁酸はそのままでは組織を傷つける場合があるので通常はアミノ酸と縮合して抱合胆汁酸となって存在している。ヒトの場合、グリココール酸及びタウロコール酸は、いずれもコール酸とグリシン又はタウリンと結びついた抱合胆汁酸であり、これらの2つで抱合胆汁酸の全体の約80%を占めている。
グリココール酸(glycocholic acid) は、化学式が C26H43NO6、分子量465.6のコール酸とグリシンの抱合胆汁酸。ヒトの胆汁酸のうちの三分の二程度はこの物質である。生合成はコリルCoAとグリシンの反応である。
タウロコール酸(taurocholic acid) は、化学式がC26H45NO7S、分子量515.7のコール酸とタウリンの抱合胆汁酸。ヒトの胆汁酸のうちの三分の一程度はこの物質である。生合成はコリルCoAとタウリンの反応である。
種類[編集]
抱合胆汁酸は、カルボン酸基部分に5または8つの炭素側鎖を有し、異なる場所に幾つかのヒドロキシ基を有する4つの環を有するステロイド核をもつ多数の分子群で構成されている。一般的な分子構造式で4つの環は左から右に向かって、A環、B環、C環及びD環と名付けられており、D環は他の3環よりも炭素数が1つ少ない。ヒドロキシ基は、2つの場所に存在する可能性があり、βである上側方向(実線で示される)、αである下側方向(破線で示される)のいずれかの位置となる。全ての胆汁酸は、原料の分子であるコレステロールに由来するC-3の位置にヒドロキシ基を有し、4つの環を持つステロイド核は平面的であり、C-3のヒドロキシ基はβとなる。
多くの種で、胆汁酸生合成の最初の段階は、C-7にαヒドロキシ基を付加することである。続いて、コレステロールから胆汁酸に変換する過程において、A環及びB環のステロイド環の結合が変化し、分子が曲げられ、C-3ヒドロキシ基がαの方向に変化する。これゆえ、通常の最も簡単な(24の炭素数の)胆汁酸は、C-3αとC-7αの位置に2つのヒドロキシ基を有している。この構造の化学名は、3-α,7-αヒドロキシ-5-β-コラン-24-オイク酸であり、一般にはケノデオキシコール酸と呼ばれている。この胆汁酸はアヒルから単離されたことから、「ケノ」の部分の名前の由来となっている。
もう一つの胆汁酸は3つのヒドロキシ基を有するコール酸であり、ケノデオキシコール酸は2つのヒドロキシ基を有し、ヒドロキシ基が一つ少ないことから「デオキシコール酸」の名前が付けられた。5-βの部分の名前は、ステロイド核のA環及びB環の連結の曲がりを意味している。「コラン」は、C-24にカルボン酸基があることにより名付けられた。
ケノデオキシコール酸は、数多くの種で産生されており、胆汁酸として優れた性質を有している。その最大の欠点は、腸内細菌の働きにより7-αのヒドロキシ基が脱落させられてしまうことであり、その結果として、3-αにしかヒドロキシ基が残らず、(「リト」は石を意味する)リトコール酸に変化してしまう。この化学物質は水溶性に乏しく、遺伝子レベルで細胞にかなり有害である。肝臓で産生される胆汁酸を一次胆汁酸と呼び、腸内細菌の働きで新たに産生されるものを二次胆汁酸と呼ぶ。これゆえ、ケノデオキシコール酸は一次胆汁酸であり、リトコール酸は二次胆汁酸である。
リトコール酸の産生によって引き起こされる問題を解決するため、多くの種はケノデオキシコール酸に3番目のヒドロキシ基を付与している。このことにより、腸内細菌の働きにより7-αのヒドロキシ基が脱落させられることに対しても、結果として二次産生物の毒性を弱め、かつ、2つのヒドロキシ基を有する胆汁酸として引き続き機能できることとなる。脊椎動物の進化に際して、3番目のヒドロキシ基の付加箇所がいくつか選ばれている。最も多いのが、16-αの位置であり、鳥類に特に多く見られる。後に、この位置は、多くの種によって12-αの位置に取って替わられる。人を含む霊長類は、3番目のヒドロキシ基の位置として12-αの位置を利用している。この結果として、人は、3-α,7-α,12-α-トリヒドロキシ-5-β-コラン-24-オイク酸を胆汁酸として利用しており、一般的にコール酸と呼ばれている。
腸内において、コール酸は脱ヒドロキシ基化を受けて2つのヒドロキシ基を有する胆汁酸であるデヒドロコール酸が産生される。数多くの脊椎動物において種分化が進んでおり、新たな種は12-αの位置を捨てて側鎖のC-23の位置を好んでいる。このことは、脊椎動物の多くの種は、ステロイド核及び側鎖の考えられる限りの位置のヒドロキシ基の位置を進化の過程で試し続けていることを示している。
主要な胆汁酸は以下の通りである。
一次胆汁酸[編集]
肝臓で生合成されたものを一次胆汁酸という。
二次胆汁酸[編集]
一次胆汁酸の一部は腸管で微生物による変換を受け、その代謝物を二次胆汁酸という。
関連項目[編集]
脚注[編集]
- ^ コレステロール 講義資料のページ
- ^ 岡野哲也殺菌と界面活性剤の話『花王ハイジーンソリューション』No.7、 2004年7月発行、pp24-25
- ^ 研究・開発:研究概要:乳酸菌の免疫賦活作用に関する研究(カルピス)
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Japanese Journal
- ピキア酵母を宿主とするヒト組換えタンパク質の分泌発現 : 小型培養槽を使用したミッドカイン,プレイオトロフィン,および胆汁酸活性化リパーゼの小規模生産
- 村杉 章
- 生物工学会誌 : seibutsu-kogaku kaishi 89(10), 570-583, 2011-10-25
- … を達成できる可能性がある.筆者らは,このシステムを用いて,組換えピキア酵母の高密度培養により,3種のヒトタンパク質,サイトカイン(または成長因子)であるミッドカインとプレイオトロフィン,および母乳胆汁酸活性化リパーゼの発現を試みた.ミッドカインの発現では,それ自身の分泌シグナルを使用したとき,分泌したミッドカインの約半分は酵母に特有なマンノシル化を受けていた.そこで次に,α-接合因子の分泌シ …
- NAID 110008750626
- PS-146-6 ラット90%肝切除Cholestasisモデルにおける胆汁酸輸送膜蛋白の発現と局在の変化(PS-146 ポスターセッション(146)その他-2,第111回日本外科学会定期学術集会)
- 低用量アスピリンおよび胆汁酸塩が小腸上皮に与える影響の検討
- 九鬼 亜衣子,内藤 裕二,半田 修,林 奈津子,QIN Ying,吉田 直久,内山 和彦,高木 智久,石川 剛,若林 直樹,小西 英幸,八木 信明,古倉 聡,吉川 敏一
- 潰瘍 = Ulcer research 38(1), 83-87, 2011-05-20
- NAID 10028268580
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- 胆汁酸 コレステロールからは、胆汁酸が合成される。 組織は、コレステロール核を分解 出来ない。 胆汁酸は、体内コレステロール代謝の最終産物であり、肝臓は、胆汁として、 胆汁酸やコレステロールを、体外に排出する。 胆汁酸を含む胆汁には、水の表面張力 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 59歳の女性。水様下痢を主訴に来院した。生来便秘気味で下剤を使用することがあった。2年前に膿瘍形成を伴う急性虫垂炎のため約20cmの終末回腸を含む回盲部切除術を受け、それ以来下痢となっている。排便は4-10回/日であり、夜間に便意のため目が覚めることもある。自宅近くの診療所での下部消化管内視鏡検査で異常を認めず、止痢薬、抗コリン薬、消化管運動調節薬およびプロバイオティクスも無効であるため来院した。体温36.5℃。脈拍72/分、整。血圧112/70mmHg。腸雑音の亢進を認めるが、腹部に圧痛はない。糞便検査で外観は水様、脂肪(-)、寄生虫卵(-)、便細菌検査では病原性細菌(-)。血液所見:赤血球 434万, Hb 13.2g/dl、Ht 41%、白血球 6,100、血小板 18万。血液生化学所見:アルブミン 4.2g/dl、尿素窒素 12mg/dl、クレアチニン 0.6mg/dl、AST25IU/l、ALT 38IU/l、Na 139mEq/l、K 3.6mEq/l、Cl 105mEq/l。CRP 0.1mg/dl。
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[★]
- 26歳の男性。4か月前から頻回の軟便があり、1か月前から1日6、7行の粘血便が出現し来院した。上腹部から左側腹部にかけて圧痛を認める。血液所見:赤血球389万、Hb 11.5g/dl、白血球9,600、血小板39万。血清生化学所見:総蛋白7.0g/dl、アルブミン3.5g/dl、AST(GOT)25単位(基準40以下)、ALT(GPT)22単位(基準35以下)、LDH360単位(基準176~353)。CRP5.6mg/dl (基準0.3以下)。注腸造影写真と下行結腸の内視鏡写真とを以下に示す。
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[★]
- 英
- Crohn disease, Crohn's disease
- 同
- Crohn病
- 限局性回腸炎 regional ileitis、回腸末端炎、終末回腸炎 terminal ileitis
- 関
- 潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患 inflammatory bowel disease
- first aid step1 2006 p.113,140,276,280,283,326,427
- see also 消化器系チュートリアルの材料.xls
まとめ
- 特定疾患治療研究事業に含まれる疾患である(特定疾患)。消化管のあらゆる部位に非連続性に起こる原因不明・全層性の慢性肉芽腫性炎症疾患である。10歳後半から20歳代の若年者に多く、また男性に多い(男女比2:1)。病因は不明であるが、炎症反応の亢進であるかもしれない。病理学的にはリンパ球、形質細胞浸潤を伴う全層性炎症像がみられる。また、非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が特徴的である。症状は腹痛、下痢、発熱、体重減少などあり、肛門病変(痔瘻や裂肛)が初発することがある。血液検査では炎症所見(WBC,CRP上昇、赤沈亢進)が見られ、貧血、低栄養の所見、またα1アンチトリプシン試験で異常となる。画像検査では、非連続性の病変が認められ、またアフタ状潰瘍、腸間膜付着側の縦列潰瘍、敷石像、瘻孔形成、肛門病変が認められる。治療は内科的治療が中心である。絶食、栄養療法(成分栄養剤による経腸栄養療法、経静脈栄養。小腸ok)、薬物療法(サラゾスルファピリジン(大腸only)、メサラジン(小腸・大腸ok)。ステロイド(栄養療法・5-アミノサリチル酸不応例)、インフリキシマブ、免疫抑制薬、顆粒球吸着療法(GCAP)が行われる。外科療法は狭窄、膿瘍、肛門病変に対して行われる。(SSUR.535 YN A-62)
比較
Table 15-10. Distinctive Features of Crohn Disease and Ulcerative Colitis*
|
Feature
|
Crohn Disease (Small intestine)
|
Crohn Disease (Colon)
|
Ulcerative Colitis
|
Macroscopic
|
Bowel region
|
Ileum ± colon†
|
Colon ± ileum
|
Colon only
|
Distribution
|
Skip lesions
|
Skip lesions
|
Diffuse
|
Stricture
|
Early
|
Variable
|
Late/rare
|
Wall appearance
|
Thickened
|
Variable
|
Thin
|
Dilation
|
No
|
Yes
|
Yes
|
Microscopic
|
Pseudopolyps
|
None to slight
|
Marked
|
Marked
|
Ulcers
|
Deep, linear
|
Deep, linear
|
Superficial
|
Lymphoid reaction
|
Marked
|
Marked
|
Mild
|
Fibrosis
|
Marked
|
Moderate
|
Mild
|
Serositis
|
Marked
|
Variable
|
Mild to none
|
Granulomas
|
Yes (40% to 60%)
|
Yes (40% to 60%)
|
No
|
Fistulas/sinuses
|
Yes
|
Yes
|
No
|
Clinical
|
Fat/vitamin malabsorption
|
Yes
|
Yes, if ileum
|
No
|
Malignant potential
|
Yes
|
Yes
|
Yes
|
Response to surgery‡
|
Poor
|
Fair
|
Good
|
概念
- 原因不明の炎症性疾患
- 腸壁全層に肉芽腫形成が見られる
- 小腸や大腸に縦走潰瘍、敷石像、アフタの形成
病型
- 病変の存在部位により分類(小腸型、小腸大腸型、大腸型、特殊型など)
- 頻度:小腸大腸型>小腸型>>大腸型
病理
病因
- 遺伝的因子 + 環境因子(食餌抗原や細菌、ウイルス感染など) → 免疫異常 → 腸管に慢性炎症性変化
症状
- 主要症状:腹痛、下痢、発熱、体重減少 ← 水様性下痢が一般的で血便が見られることは少ない(QB.A-142)
- 腹痛(臍周囲部および回盲部痛)、間欠性発熱、下痢、嘔吐、肛門部病変。体重減少、貧血
合併症
- 1. 消化管合併症:狭窄、瘻孔、痔瘻、肛門周囲膿瘍
- 2. 消化管外合併症
続発症
検査
- 腹部単純X線写真:イレウスを疑う症例ではニボーの確認のために重要。クローン病の確定診断にはやくにたたない。
- 上部消化管内視鏡
- 下部消化管内視鏡
- 小腸造影:小腸病変の評価。特に回腸末端の病変、程度、潰瘍、狭窄、瘻孔
- 腹部造影CT:TNFα阻害薬やステロイドを用いる際には、腹部から触知下腫瘤が腸管の癒着か、膿瘍の合併によるものかを評価する必要がある(QB.A-144)
- 注腸造影:大腸病変の描出
[show details]
[show details]
- 左:縦走潰瘍。右:cobble stone appearance
診断
[show details]
- (1)
臨床所見
消化管病変
- (a)縦走潰瘍(注1)
- (b)敷石像(注2)
- (c)腸管の狭小,狭窄
- (d)非連続性又は区域性病変(いわゆるskip lesion)
- (e)内瘻(腸-腸瘻,腸-膀胱瘻,直腸-腟瘻など)
- (f)外瘻(腸-皮膚瘻)
- (g)不整形潰瘍
- (h)多発アフタ(注3)
- (a)難治性痔瘍
- (b)肛門周囲膿瘍
- (c)裂肛
- (d)潰瘍
- (e)肛門皮垂(skip tag)など
- (a)多発アフタ
- (b)潰瘍
- (c)狭窄など
- (d)敷石像など
消化管外病変
- 血液:貧血,低蛋白血症
- 関節:腸性関節炎,強直性脊椎炎
- 皮膚:口内アフタ,結節性紅斑,壊死性膿皮症,多形滲出性紅斑など
- 眼:虹彩炎,ぶどう膜炎など
- 栄養代謝: 成長障害,微量元素欠乏,ビタミン欠乏(ビタミンB12,葉酸など),アミロイ ドーシスなど
- 悪性腫瘍:腸癌など
- その他:原発性硬化性胆管炎
病理学的所見
切除標本肉眼所見
- 縦走潰瘍(注1)
- 敷石像(注2)
切除標本組織所見
- 非乾酪性類上皮細胞肉芽腫(局所リンパ節にもみられることがある)(注4)
- 全層性炎症(注5)
- 裂溝
- 潰瘍
生検組織所見
- 非乾酪性類上皮細胞肉芽腫(注4)
- --------------------------------------------------------------------------------
- (注1)腸管の腸軸方向に4~5cm以上の長さを有する潰瘍で活動期潰瘍では,近傍に炎症性ポリープや敷石像を伴うことが多い。虚血性大腸炎で縦走潰瘍を認めることがあるが,炎症性ポリポーシスや敷石像を伴うことは稀である。潰瘍性大腸炎で縦走潰瘍を認めることがあるが,その周辺粘膜は潰瘍性大腸炎に特徴的な所見を呈する。
- (注2)縦走潰瘍とその周辺小潰瘍間の大小不同の密集した粘膜隆起であり,密在した炎症性ポリポーシスもこれに含める。虚血性大腸炎の場合,肉眼標本上で浮腫や残存粘膜等が敷石 像類似の所見を呈することがあるが,その高さは低く,発赤調が強い。
- (注3)クローン病では縦列することがある。
- (注4)非乾酪性類上皮細胞肉芽腫は腸結核でも認められることがある。
- (注5)主にリンパ球からなる集簇巣が消化管壁全層にみられるもの。
- --------------------------------------------------------------------------------
診断の基準
(1)主要所見
- A. 縦走潰瘍
- B. 敷石像
- C. 非乾酪性類上皮細胞肉芽腫
(2)副所見
- a. 縦列する不整形潰瘍又はアフタ
- b. 上部消化管と下部消化管の両者に認められる不整形潰瘍又はアフタ
-
- 確診例 1 主要所見のA又はBを有するもの(注6,7)。
- 2 主要所見のCと副所見のいずれか1つを有するもの。
-
- 疑診例 1 副所見のいずれかを有するもの(注8)。
- 2 主要所見のCのみを有するもの(注9)。
- 3 主要所見のA又はBを有するが虚血性大腸炎,潰瘍性大腸炎と鑑別ができないもの。
- --------------------------------------------------------------------------------
- (注6)縦走潰瘍のみの場合,虚血性大腸炎や潰瘍性大腸炎を除外することが必要である。
- (注7)敷石像のみの場合,虚血性大腸炎を除外することが必要である。
- (注8)副所見bのみで疑診とした場合は同所見が3カ月恒存することが必要である。
- (注9)腸結核などの肉芽腫などを有する炎症性疾患を除外することが必要である。
- --------------------------------------------------------------------------------
鑑別診断
- IMD
治療
YN.A-66
外科療法
- 狭窄、瘻孔形成、痔瘻の場合に適応となる。
- 腸切除の後遺症:吸収障害(脂肪>蛋白>糖)、[回盲部切除]胆汁酸・ビタミンB12の吸収不良、小腸内細菌異常増殖(結腸からの侵入?)
USMLE
参考
- http://jsp.umin.ac.jp/corepictures2007/09/c01/index.html
- http://www.jimro.co.jp/ibd/index_ibd.htm
- http://mimibukuro.org/cd/medical-guideline08/2/
- アフタ病変
- http://www.ajronline.org/content/179/4/1029/F14.expansion
- 縦走潰瘍
- http://www.ajronline.org/content/179/4/1029/F12.expansion
- 偽ポリープ
- http://rfs.acr.org/gamuts/data/images/ID1143.htm
国試
[★]
- 英
- cholesterol
- 同
- コレステリン cholesterin
- 関
- lipoprotein
分子式
吸収
- カイロミクロンに含まれる脂質は、血管内皮に存在するリポ蛋白リパーゼ(LPL)により分解されて脂肪酸を遊離し、コレステロールの比が高いカイロミクロンレムナントとなる。
生合成
- acetyl-CoA→hydroxymethyl-glutaryl coenzyme A(HMG-CoA)-(HMG-CoA reductase)→mebaronate→・・・→コレステロール
- →コレステロールの生合成
体内循環
- 血液循環中のVLDLの脂質は、、血管内皮に存在するリポ蛋白リパーゼ(LPL)により分解されて脂肪酸を遊離し、コレステロールの比が高いIDL、LDLとなる。
- 組織からはコレステロール比型が高いHDLが放出され、そのまま肝臓に取り込まれるか、IDLにコレステロールを渡すことでコレステロールの逆輸送を行っている(内因性の抗動脈硬化作用)。
- 肝臓は血液循環からHDL, IDL, VDLを受容体を介して取り込む
排泄
- 肝臓でコレステロールは胆汁酸に変換され、胆汁として排出される
- see HBC.236
Lipoprotein
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Source
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Diameter (nm)
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Density (g/mL)
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Composition
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Main Lipid Components
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Apolipoproteins
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Protein
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Lipid
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(%)
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(%)
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Chylomicrons
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Intestine
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90~100
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< 0.95
|
1~2
|
98.99
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Triacylglycerol
|
A-I, A-II, A-IV,1 B-48, C-I, C-II, C-III, E
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Chylomicron remnants
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Chylomicrons
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45~150
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< 1.006
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6~8
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92.94
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Triacylglycerol, phospholipids, cholesterol
|
B-48, E
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VLDL
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Liver (intestine)
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30~90
|
0.95~1.006
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7~10
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90~93
|
Triacylglycerol
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B-100, C-I, C-II, C-III
|
IDL
|
VLDL
|
25~35
|
1.006~1.019
|
11
|
89
|
Triacylglycerol, cholesterol
|
B-100, E
|
LDL
|
VLDL
|
20~25
|
1.019~1.063
|
21
|
79
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Cholesterol
|
B-100
|
HDL1
|
Liver, intestine, VLDL, chylomicrons
|
20~25
|
1.019.1.063
|
32
|
68
|
Phospholipids, cholesterol
|
A-I, A-II, A-IV, C-I, C-II, C-III, D,2 E
|
HDL2
|
|
10~20
|
1.063~1.125
|
33
|
67
|
|
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HDL3
|
|
5~10
|
1.125~1.210
|
57
|
43
|
|
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Preβ-HDL3
|
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< 5
|
> 1.210
|
|
|
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A-I
|
Albumin/free fatty
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Adipose acids tissue
|
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> 1.281
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99
|
1
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Free fatty acids
|
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基準値
- 脂質異常症→ 血清:Total-CHO≧220 mg/dl。LDL-C≧140 mg/dl。TG≧150 mg/dl。HDL-C<40 mg/dl
参考
- http://rockymuku.sakura.ne.jp/naibunnpitunaika/koresutero-runotanninokannzann.pdf
[★]
- 英
- aminoethylsulfonic acid
- 同
- 2-アミノエタンスルホン酸 2-aminoethane sulfonic acid、タウリン taurine
- 関
- [[]]
テンプレート:Infobox 有機化合物
概念
- タウリン(Taurine)は生体内で重要な働きを示す含硫アミンの一種
- H2N-CH2-CH2-SO3H
- 分子量125.15
- ネコはタウリンを合成する酵素を持っていないため、ネコにとっての重要な栄養素といえる。このためキャットフードにはタウリンの含有量を明記したものが多い。ネコではタウリンの欠乏により拡張型心筋症が生じる。ただし、ヒト、トリ、ネズミなどは体内で合成できる。ヒトの生体内ではアミノ酸のシステインから合成される。
- 有機合成化学ではシスタミンの酸化、システアミンの酸化のほか、ブロモエタンスルホン酸とアンモニアなどから誘導される。構造式は、NH2CH2CH2SO2OH。分子量125.15。IUPAC名は2-アミノエタンスルホン酸。無色の結晶であり、約300℃で分解する。水溶性だが有機溶媒には溶けない。CAS登録番号は107-35-7。
タウリンの代謝
タウリンはカルボキシル基を持たないので、アミノ酸ではない。また、タンパク質の構成成分になることもない。したがって、ネコにおいてはタウリンは必須アミノ酸ではなく、ビタミンの一種である。しかし、アミノ基を持つ酸であることもあって、古くからアミノ酸として混同されている。合成経路においてはまず、タンパク質の構成成分にもなる含硫アミノ酸であるシステインからシステイン・ジオキゲナーゼによりシステイン酸が合成される。タウリンはシステインスルフィン酸デカルボキシラーゼ(スルフィノアラニン・デカルボキシラーゼ)によりこのシステイン酸から合成される。ヒトはこの合成経路の両酵素をもつため、タンパク質を摂取していれば、タウリンの形での積極的摂取は不要である。胆汁酸と縮合したタウロコール酸はコリル・コエンザイムAとタウリンから合成される。タウリンは尿中に一日約200mgが排泄される。
[★]
- 同
- 胆汁酸負荷テスト
- 関
- 経口胆汁酸負荷試験、胆汁酸
概念
方法
- ウルソデオキシコール酸を300-600mg経口投与し、血性胆汁酸の変化を検査。(QB.A-324)
判定
- 健常人では血中胆汁酸は1-8μm/L(LAB.1351)
高値
低値
- 10μmol/L以下:吸収障害(回腸、特に回盲部)(1)
参考
- 回腸末端部切除後の血中胆汁酸組成の変化と経口的胆汁酸負荷試験の有用性について
- 平野 正満,藤村 昌樹,木下 隆,山本 育男
- 日本外科学会雑誌 99(臨時増刊), 508, 1998-03-10
- LINKOUT CiNii Article
- 在宅経腸栄養療法中のクローン病再燃予測因子としての経口胆汁酸負荷試験の意義
- 179 硬変肝の胆汁酸負荷試験による切除量決定(<特集>第45回日本消化器外科学会総会)
- 大西 博信,谷村 弘,石本 喜和男,佐々木 政一,内山 和久,中井 健裕,落合 実,山出 尚久,坂田 好史,堂西 宏紀
- 日本消化器外科学会雑誌 28(2), 437, 1995-02-01
- LINKOUT CiNii Article
- Crohn病における在宅経腸栄養療法の緩解維持効果の検討-製剤別の比較を含めて-
- 野村 昌史,垂石 正樹,蘆田 知史,綾部 時芳,榮波 克也,斉藤 裕輔,小原 剛,柴田 好,並木 正義
- 日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology 92(1), 32-40, 1995-01-05
- LINKOUT CiNii Article
- http://suuchan.net/note/Chapter-040804.html
[★]
- 英
- anion exchange resin drugs
作用機序
- 1. 腸管内で胆汁酸を吸着→腸管からの胆汁酸の再吸収↓(cf.腸肝循環)→肝臓に再吸収されてくる胆汁酸↓→肝内コレステロールからの胆汁酸合成↑→肝臓内コレステロール↓
- 2. 以下のことが同時に起こりうる
- 2-a. →LDL受容体の発現↑→血液内LDL↓
- 2-b. →コレステロールの生合成↑→肝内コレステロール↑
- 2-b.の経路が2-a.の作用を弱める→HMG-CoA還元酵素との併用で薬効が増す
欠点
- 服用量が大量
- 胃腸症状(便秘が起こりやすい)
- 陰イオン性の薬剤(ジギタリス、ワーファリン)、脂溶性ビタミンの吸収↓
- 血清トリグリセリドを増加させる (WIL.1638, GOO.954)
[★]
- 英
- primary bile acid
- 関
- 胆汁、胆汁酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸
[★]
- 英
- total bile acid, TBA
[★]
- 英
- bile
- 関
- 肝臓、胆嚢、胆管
- 0.5-1.0 L/day, pH 8.0-8.6
- 消化酵素を含まないアルカリ性の分泌液である
分泌部位
部位 胆汁 割合
肝細胞 毛細管胆汁 2/3
胆細管 胆細管胆汁 1/3
分泌経路
- 肝臓胆汁が総肝管を経由して胆嚢にいたり、ここで濃縮を受けて胆嚢胆汁となる。
機能
- 胆汁酸により、直径1μm以下の脂肪滴が形成され、表面積拡大によりリパーゼと反応しやすくなる。
- ミセルの直径5nm。胆汁酸は両親媒性であり親水基と疎水基を持つ。
- 親水性: OH基,ペプチド結合,カルポキシル基
- 疎水性: 上記部分以外
- 胆汁に含まれる胆汁酸とリン脂質により、モノグリセリド・脂肪酸とミセルを形成することができる。
- 3. コレステロールとビリルビンの排出
- 4. 胃酸の中和
組成
1. 胆汁酸
- see HBC.236
1次胆汁:コレステロールより合成
コール酸
キノデオキシコール酸
2次胆汁:1次胆汁の腸内細菌による代謝(7位の部位のOH基が除去される)
デオキシコール酸
リトコール酸
3次胆汁:肝臓から分泌される状態(可溶性)
タウロコール酸(タウリンと抱合)
グリココール酸(グリシンと抱合)
2. 胆汁色素
ビリルビン:Hbの代謝産物
間接型(不溶性)
↓←グルクロン酸抱合
直接型(水溶性)(抱合型ビリルビン)
↓
ウロビリノーゲン(腸管)
↓
ステルコピリン(腸管)
↓
排泄
3. 脂質
リン脂質(主にレシチン)
不溶性であるが胆汁酸存在下でミセル形成(可溶性)
コレステロール
不溶性であるが胆汁酸存在下でミセル形成(可溶性)
4.電解質成分
陽イオン:Na+(主)、その他K+,Ca2+
陰イオン:Cl-,HCO3-(アルカリ性)
胆汁の分泌と排出
1. 毛細管胆汁
1-1. 胆汁酸依存性胆汁
胆汁酸と水分の分泌:胆汁酸の腸肝循環に依存。
腸肝循環:肝臓から分泌された胆汁が小腸で吸収され、門脈を経て肝臓に戻り、再び排泄されること。
タウロコール酸・グルココール酸
陰イオンに解離しやすく吸収されやすい。
リトコール酸
非解離型なので糞便中に排泄される。
分泌された胆汁酸の95%は腸肝循環により再利用される。
1-2. 胆汁酸非依存性胆汁
胆汁酸以外の分泌:Na+,K+,Ca2+,Cl-,HCO3-,ビリルビン(有機陰イオン)
等張性 :Na+,Cl-,HCO3-は血漿濃度に類似
2. 胆細管胆汁
2-1. Na+,HCO3-(高濃度),水の分泌---セクレチンによる
2-2. Na+,Cl-の吸収
3. 胆汁の濃縮(胆嚢)
電解質吸収(Na+,Cl-の能動的吸収)とそれに伴う水の吸収→5-50倍に濃縮
4. 胆汁排出
食後30分で胆嚢収縮開始。液性の調節機構による排出が主である。
4-1. 液性
十二指腸内食物→CCK分泌→オッディ括約筋弛緩・胆嚢収縮
十二指腸内食物→セクレチン分泌→CCKの作用に拮抗
胃内食物→ガストリン分泌→胆嚢収縮
4-2. 神経性
迷走神経性反射→オッディ括約筋弛緩,胆嚢収縮(関与の程度不明)
臨床関連
- 胆道系に形成された結石。半数以上は無症状SilentStoneである
- 食後3時間程度で痛痛発作、黄痘などを呈する事がある。
- コレステロール系結石(全体の70%):コレステロールの過飽和による。
- ビリルビン系結石(全体の30%):黒色石+ビリルビンCa石
- その他:炭酸カルシウム石など
-
- 1. ビリルビンの生成過多
- 2. 肝細胞によるビリルビンの取り込み減少
- 3. グルクロン抱合障害
- 4. 胆汁へのビリルビン分泌障害
- 5. 胆管閉塞
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義