- 英
- glucose, grape sugar, dextrose
- 商
- ブドウ糖注、グルノン
- 関
- GLUT、血中グルコース濃度、血糖値、GLUT
- グルコース1-リン酸、グルコース6-リン酸
分子量
- 血糖 100 mg/dl -> 1000 mg/l ; 1000 mg/l / 180 g/mol ≒5.6 mmol/l = 5.6 mM
尿細管におけるグルコースの再吸収 SP.801
- 近位尿細管における刷子縁で行われる。
- 管腔側に糖/Na+共輸送体 SGLT(SGLT1とSGLT2)が存在し、Naとグルコースを共輸送する
- SGLT2がグルコースの取り込みに貢献している(低親和性、高用量の輸送担体)
- 側底膜にはGLUT2が存在し、血液循環にグルコースを輸送する。
輸液で用いられるグルコース
- 末梢静脈:5%グルコース。5g/100g -> 50g/1L -> 50/180 Eq/L -> 277.78 mEq/L
臨床関連
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この項目では、天然型のD-グルコースについて説明しています。L体については「L-グルコース」をご覧ください。 |
D-グルコース |
β-D-グルコース
|
|
|
|
|
IUPAC名
6-(ヒドロキシメチル)オキサン-2,3,4,5-テトラオール[1]
|
|
識別情報 |
略称 |
Glc |
CAS登録番号 |
50-99-7,
492-62-6 (α-アノマー)
492-61-5 (β-アノマー) |
PubChem |
5793 |
日化辞番号 |
J4.109B |
EINECS番号 |
200-075-1 |
- OC[C@@H](O1)[C@@H](O)[C@H](O)[C@@H](O)[C@@H](O)1 (グルコピラノース) ; OC[C@@H](O)[C@@H](O)[C@H](O)[C@@H](O)C=O (鎖状グルコース).
|
特性 |
分子式 |
C6H12O6 |
モル質量 |
180.16 g/mol |
精密質量 |
180.063388 |
密度 |
1.54 g/cm3 |
融点 |
α-D-グルコース: 146 °C
β-D-グルコース: 150 °C
|
水への溶解度 |
91 g/100 ml (25 °C) |
メタノールへの溶解度 |
0.037 M |
エタノールへの溶解度 |
0.006 M |
テトラヒドロフランへの溶解度 |
0.016 M |
熱化学 |
標準生成熱 ΔfHo |
−1271 kJ/mol |
標準燃焼熱 ΔcHo |
−2805 kJ/mol |
標準モルエントロピー So |
209.2 J K−1 mol−1 |
危険性 |
MSDS |
ICSC 0865 |
EU Index |
not listed |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
グルコース (glucose) あるいはブドウ糖(ブドウとう)は、糖の一種であり、代表的な単糖の一つである。デキストロース (dextrose) とも呼ばれる。人間を含む、動物や植物が活動するためのエネルギーとなる物質の一つである。また血液中のブドウ糖の濃度を調べ、糖尿病、膵炎・ダンピング症候群などの検査としてグルコース値を調べるグルコース検査がある。
目次
- 1 所在・製法
- 2 物理的性質
- 3 化学的性質
- 3.1 おもな誘導体
- 3.2 アルコール発酵
- 3.3 還元性
- 3.4 化学構造
- 4 体内での役割
- 5 医療における利用
- 6 脚注
- 7 関連項目
所在・製法
グルコースは果実・蜂蜜・体液中に遊離して存在している。
物理的性質
常温常圧で白色の粉末状の結晶。水に溶けやすい。甘味がある。
化学的性質
単糖の一種であり、ヘキソース(六炭糖)およびアルドースに分類される、アルドヘキソースである。光学活性物質であり、天然に大量に存在するのはD体である。
Glcのほか、ドイツ語 のTraubenzucker(トラウベンツッカー:Trauben ブドウ、Zucker 糖)から Tz とも略記される。なお、ブドウ糖の名の由来は、「熟したブドウの果汁に多く含まれていたから」、「化学式の形状がブドウの房に似ていたから」などの説がある。
グルコースは以下のようなオリゴ糖や多糖の構成単位である。グルコースを構成単位とする多糖の総称をグルカンと称する。
- マルトース
- スクロース
- ラクトース
- セロビオース
- トレハロース
- シクロデキストリン
- グリコーゲン
- アミロペクチン
- アミロース
- デンプン
- セルロース
おもな誘導体
- キノボース(6-デオキシグルコース)キナの樹皮の配糖体
- パラトース(3,6-デオキシグルコース)サルモネラ菌のリポ多糖
アルコール発酵
グルコースは、チマーゼと呼ばれる酵素群によりエタノールと二酸化炭素に分解される。この反応をアルコール発酵という。
- C6H12O6 → 2 C2H5OH + 2 CO2
還元性
グルコースは水溶液中ではごく一部が鎖状構造となっている。この構造の末端にはアルデヒド基が存在するため、グルコース水溶液は還元性を示す。水溶液中でアルデヒド基をもつ単糖はアルドースと呼ばれる。
化学構造
水溶液中では、以下の3種類の構造が一定の割合で存在する平衡状態となっている。
水中において平衡状態に達したとき、グルコースはほぼα-グルコース(α-ピラノース、38%、上図左)とβ-グルコース(β-ピラノース、62%、上図右)の形で存在しており(アノマー効果を参照)、他の異性体(フラノース、鎖状体〈上図中央〉)は合わせても1%に満たない(注:ピラノースは六員環、フラノースは五員環の環状ヘミアセタールである)。
α-ピラノースとβ-ピラノース は、再結晶の溶媒や条件をきちんと選べばそれぞれの純品の結晶を作り分けることができる。その純品の結晶を水に溶かすと平衡状態へ移行する過程で旋光度の変化がみられる。この現象は変旋光と呼ばれる。
体内での役割
食事から摂取された炭水化物は小腸でグルコースに分解され、ナトリウム-グルコース共輸送体タンパクのSGLT-1およびSGLT-2により大量のグルコースが体内に吸収される。
詳細は「グルコーストランスポーター#能動輸送 - 共役輸送タンパク」を参照
グルコースは、小腸から吸収されてから、体内で主要なエネルギー源として利用されており、特に脳での通常時のエネルギー源として利用されている。
詳細は「解糖系」を参照
グルコースの分子は極性を有するため、細胞膜を通過するのには特別な膜輸送タンパク質を必要とする。
詳細は「グルコーストランスポーター」を参照
グルコースが細胞に取り込まれると直ちにリン酸化が起こり、グルコース-6-リン酸が生成される。このリン酸化は、グルコースが細胞外に拡散してしまうのを防ぐためである。リン酸化により電荷が導入されるので、グルコース-6-リン酸は容易に細胞膜を通過することができない。リン酸化されたグルコースは解糖系等の代謝経路に入る。
詳細は「グルコース-6-リン酸」を参照
体内でのグルコースは、エネルギー源として重要である反面、高濃度のグルコースは生体に有害であるため、インスリンなどによりその濃度(血糖)が常に一定範囲に保たれている。
詳細は「血糖」を参照
食後に大量のグルコースが体内に吸収されるが、体内のインスリンが十分に機能しないと血糖のコントロールができなくなり病的症状が現れる。
詳細は「糖尿病」および「高血糖症」を参照
グルコースはそのアルデヒド基の反応性の高さからタンパク質を修飾する作用(糖化反応、メイラード反応参照)があり、グルコースによる修飾は主に細胞外のタンパク質に対して生じる。細胞内に入ったグルコースはすぐに解糖系により代謝されてしまう。インスリンによる血糖の制御ができず生体が高濃度のグルコースにさらされるとタンパク質修飾のために糖毒性が生じ、これが長く続くと糖尿病合併症とされる微小血管障害によって生じる糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症などを発症する[2][3]。
医療における利用
医薬品として様々な濃度(5%、20%、50%など)のブドウ糖注射製剤が複数の製薬会社より製造・販売されている。日本薬局方にも記載され、ブランドとしてでなく「局方品」として調剤されることが多い。医療現場では、しばしば「5プロ糖」「ツッカー」(ドイツ語の「Zucker 糖」に由来)と呼ばれる。
糖尿病治療薬の過量服用などで低血糖になった際などには、携帯したブドウ糖顆粒の経口摂取がしばしば行われる。ショ糖では血中のブドウ糖濃度は速やかに上昇しないため、ブドウ糖の摂取が好ましい。
血液内のブドウ糖濃度(血糖値)は、健常なヒトの場合空腹時血糖値でおおよそ80-100 mg/dl程度、食後は若干高い値を示す。血糖値の異常については糖尿病、耐糖能異常を参照。
脚注
- ^ 奥山格「有機化合物命名法」
- ^ High Blood Glucose and Diabetes Complications: The buildup of molecules known as AGEs may be the key link, American Diabetes Association, (2010), ISSN 0095-8301, http://forecast.diabetes.org/magazine/features/high-blood-glucose-and-diabetes-complications
- ^ http://www.mnc.toho-u.ac.jp/v-lab/aging/doc3/doc3-03-5.html 生体分子に起こる加齢変化 05-異常たんぱく質はなぜ増えるのか?
関連項目
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ウィキメディア・コモンズには、グルコースに関連するカテゴリがあります。 |
- 炭水化物
- 解糖系
- 希少糖
- 銀鏡反応
- 2-デオキシ-D-グルコース
解糖系 |
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グルコース - グルコース-6-リン酸 - フルクトース-6-リン酸 - フルクトース-1,6-ビスリン酸 - ジヒドロキシアセトンリン酸 - グリセルアルデヒド-3-リン酸 - 1,3-ビスホスホグリセリン酸 - 3-ホスホグリセリン酸 - 2-ホスホグリセリン酸 - ホスホエノールピルビン酸 - ピルビン酸 - アセチルCoA
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クエン酸回路→
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炭水化物 |
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一般構造 |
アルドース · ケトース · ピラノース · フラノース
|
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立体構造 |
エピマー · アノマー · 変旋光
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単糖類 |
トリオース
|
ケトトリオース(ジヒドロキシアセトン) · アルドトリオース(グリセルアルデヒド)
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|
テトロース
|
ケトテトロース(エリトルロース) · アルドテトロース(エリトロース、トレオース)
|
|
ペントース
|
ケトペントース(リブロース、キシルロース)
アルドペントース(リボース、アラビノース、キシロース、リキソース)
デオキシ糖(デオキシリボース)
|
|
ヘキソース
|
ケトヘキソース(プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース)
アルドヘキソース(アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース)
デオキシ糖(フコース、フクロース、ラムノース)
|
|
ヘプトース
|
セドヘプツロース
|
|
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マルチプル |
二糖類
|
スクロース · ラクトース · マルトース · トレハロース · ツラノース · セロビオース
|
|
三糖類
|
ラフィノース · メレジトース · マルトトリオース
|
|
四糖類
|
アカルボース · スタキオース
|
|
その他のオリゴ糖
|
フラクトオリゴ糖(FOS) · ガラクトオリゴ糖(GOS) · マンナンオリゴ糖(MOS)
|
|
多糖類
|
グルコース:グリコーゲン · デンプン(アミロース、アミロペクチン) · セルロース · デキストリン · グルカン(β1,3-グルカン)
フルクトース:フルクタン(イヌリン、レバンβ2→6)
N-アセチルグルコサミン:キチン質
|
|
|
主要な生体物質:炭水化物(アルコール、糖タンパク質、配糖体) · 脂質(エイコサノイド · 脂肪酸/脂肪酸の代謝中間体 · リン脂質 · スフィンゴ脂質 · ステロイド) · 核酸(核酸塩基 · ヌクレオチド代謝中間体) · タンパク質(タンパク質を構成するアミノ酸/アミノ酸の代謝中間体) · テトラピロール · ヘムの代謝中間体 |
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Japanese Journal
- 樋口 千恵子
- 東京女子医科大学雑誌 82(E2), E388-E393, 2012-07-31
- 長期腹膜透析患者の腹膜は中皮細胞変性・脱落、間質線維化肥厚、腹膜内の血管壁肥厚や新生血管出現などがみられ、これが機能的障害に結びつき透析継続困難となる。この原因として腹膜透析液成分の生体適合性の問題がある。この問題点のうちpH, グルコース分解産物(glucose degradation products: GDP)およびグルコースについて様々な検討を行ってきた。動物実験では低pH, GDPの一つ …
- NAID 110009435918
- 樋口 千恵子
- 東京女子医科大学雑誌 82(E2), E388-E393, 2012-07-31
- 長期腹膜透析患者の腹膜は中皮細胞変性・脱落、間質線維化肥厚、腹膜内の血管壁肥厚や新生血管出現などがみられ、これが機能的障害に結びつき透析継続困難となる。この原因として腹膜透析液成分の生体適合性の問題がある。この問題点のうちpH, グルコース分解産物(glucose degradation products: GDP)およびグルコースについて様々な検討を行ってきた。動物実験では低pH, GDPの一つ …
- NAID 110009435900
- 多値論理を用いた生体ネットワークシステムのモデル検査(2012年5月28日版)
- 坂本 悠,山本 泰生,岩沼 宏治
- 情報処理学会研究報告. BIO, バイオ情報学 2012-BIO-29(23), 1-6, 2012-06-21
- 近年,遺伝子制御系,シグナル伝達系や代謝系などの生体機構をひとつのシステムとして再構築する研究が進められている.実験機器のハイスループット化に伴い,生体システムに関与する観測データは急速に増加しており,システムと観測データ間の整合性を組織的に検証する技術が必要となってきている.本論文では,遺伝子制御系のようなネットワーク形式で表現される生体システムを多値論理の枠組みでモデル検査する手法を提案する. …
- NAID 110009359908
- グルコースによるインスリン分泌動態 : 惹起経路と増幅経路 (最新臨床糖尿病学(上)糖尿病学の最新動向) -- (糖尿病研究の進歩)
Related Links
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- 2013年1月28日 ... 株式会社グルコースは次世代Web技術を研究開発する企業です。 セマンティックWeb・ RSS(フィード)・Web API等の技術を利用した、Webサーバー、PC/Mac、iPhone、 Androidで動作するソフトウェアとサービスを提供します。
- グルコース(血糖) 糖尿病の検査 血液中のブドウ糖の濃度を調べる検査です。糖尿病 の場合はもちろん、膵炎・甲状腺疾患・胃切除後のダンピング症候群で高値になります。 肥満・運動不足・ストレス等でも異常値が出ることもあります。 血漿中の糖(血糖)は ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
アミノトリパ1号輸液(850mL袋)
組成
本剤は1つのソフトバッグに隔壁を介して上室にアミノ酸液を、下室に糖・電解質液を充填した注射液で、それぞれ次の成分を含有する。
■上室液(アミノ酸液)
成分(250mL中)
L‐ロイシン
L‐イソロイシン
L‐バリン
L-リシン酢酸塩
(*L‐リシンとして)
L‐トレオニン
L‐トリプトファン
L‐メチオニン
L‐システイン
L‐フェニルアラニン
L‐チロシン
L‐アルギニン
L‐ヒスチジン
L‐アラニン
L‐プロリン
L‐セリン
グリシン
L‐アスパラギン酸
L‐グルタミン酸
- 0.250g
- 添加物として亜硫酸水素ナトリウム0.2g / L、氷酢酸(pH 調整剤)を含有する。
■下室液(糖・電解質液)
成分(600mL中)
ブドウ糖(グルコース)
果糖(フルクトース)
キシリトール
(糖質合計)
塩化ナトリウム
塩化カリウム
酢酸ナトリウム水和物
グルコン酸カルシウム水和物
硫酸マグネシウム水和物
リン酸二水素カリウム
硫酸亜鉛水和物
- 2.280mg
- 添加物として亜硫酸水素ナトリウム0.5g / L、クエン酸水和物(pH調整剤)を含有する。
■混合時(1 袋中)
(850mL中)
電解質
Na+※
K+
Mg2+
Ca2+
Cl-
SO42-
Acetate-※
Gluconate-
Citrate3−※
P
Zn
糖質
総糖質量
総糖質濃度
アミノ酸
総遊離アミノ酸量
総窒素量
必須アミノ酸/ 非必須アミノ酸
分岐鎖アミノ酸含有率
総熱量
非蛋白熱量
非蛋白熱量/窒素
禁忌
- 電解質代謝異常のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
- 高カリウム血症(乏尿、アジソン病、高窒素血症等)の患者
- 高リン血症(副甲状腺機能低下症等)の患者
- 高マグネシウム血症(甲状腺機能低下症等)の患者
- 高カルシウム血症の患者
- 肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者[アミノ酸の代謝が十分に行われないため、症状が悪化するおそれがある。]
- 重篤な腎障害のある患者[水分、電解質の過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。また、アミノ酸の代謝産物である尿素等が滞留し、症状が悪化するおそれがある。]
- アミノ酸代謝異常症の患者[投与されたアミノ酸が代謝されず、症状が悪化するおそれがある。]
- 遺伝性果糖不耐症の患者[果糖が正常に代謝されず、低血糖症等が発現し、さらに肝不全や腎不全が起こるおそれがある。]
効能または効果
- 経口・経腸管栄養補給が不能又は不十分で、経中心静脈栄養に頼らざるを得ない場合の水分、電解質、カロリー、アミノ酸補給
アミノトリパ1号輸液
- 本品は経中心静脈栄養法の開始時で、耐糖能が不明の場合や耐糖能が低下している場合の開始液として、あるいは侵襲時等で耐糖能が低下しており、ブドウ糖を制限する必要がある場合の維持液として用いる。
用時に隔壁を開通して上室液と下室液をよく混合し、開始液とする。
通常、成人には1 日1700mL の開始液を24 時間かけて中心静脈内に持続点滴注入する。
なお、症状、年齢、体重に応じて適宜増減する。
アミノトリパ2 号輸液
- 本品は経中心静脈栄養法の維持液として用いる。
用時に隔壁を開通して上室液と下室液をよく混合し、維持液とする。
通常、成人には1 日1800mL の維持液を24 時間かけて中心静脈内に持続点滴注入する。
なお、症状、年齢、体重に応じて適宜増減する。
- 高カロリー輸液療法施行中にビタミンB1欠乏により重篤なアシドーシスが起こることがあるので、本剤を投与する場合には、必ず必要量(1日3mg以上を目安)のビタミンB1を併用すること。
混合方法(必ず混合すること)
[開封]
[開通]
- (2)下室を両手で押して隔壁を開通する。
(本品に輸液を混注する場合は、開通後に行うこと。)
[混合]
慎重投与
- 菌血症の患者[カテーテルが二次感染巣となることがあり、敗血症さらには敗血症性ショックを起こすおそれがある。]
- 心不全のある患者[循環血液量を増すことから心臓に負担をかけ、症状が悪化するおそれがある。]
- 腎不全のある患者[水分、電解質の調節機能が低下しているので、慎重に投与すること。]
- 閉塞性尿路疾患により尿量が減少している患者[水分、電解質の過負荷となり、症状が悪化するおそれがある。]
- 脱水症の患者[本症には適切な水分、電解質管理が必要であり、本剤の投与により水分、電解質等に影響を与え、症状が悪化するおそれがある。]
- 尿崩症の患者[本症には適切な水分、電解質管理が必要であり、本剤の投与により電解質等に影響を与え、症状が悪化するおそれがある。]
- 糖尿病の患者[ブドウ糖の組織への移行が抑制されているので、高血糖を生じ症状が悪化するおそれがある。]
- 重症熱傷のある患者[水分、電解質代謝等が著しく障害されており、慎重に投与する必要がある。]
- 高度のアシドーシスのある患者[症状が悪化するおそれがある。]
- 膵障害(膵炎、膵硬化症、膵腫瘍等)のある患者[糖代謝異常等を伴うことがあり、慎重に投与する必要がある。]
- 肝障害のある患者[キシリトールの大量を急速投与すると、肝障害があらわれるおそれがある。]
重大な副作用
アシドーシス
- 重篤なアシドーシスがあらわれることがある(【警告】の項参照)。
薬効薬理
糖質とアミノ酸の配合比率
- 本剤を構成する糖質・電解質液とアミノ酸液との配合比率を検討するため、一定の非蛋白熱量下にアミノ酸配合量を変えた液を用いて、絶食ラットに7 日間の高カロリー輸液を施行した。
その結果、蛋白栄養指標(窒素出納や血漿アルブミン濃度等)を良好に維持するための非蛋白熱量/ 窒素(NPC/N)は約150 前後であることが確認された7)。
栄養学的効果
- 本剤の栄養学的効果を市販製剤の混合液と比較するため、開腹術施行ラットに7 日間の高カロリー輸液を施行した。その結果、本剤は窒素出納や肝グリコーゲン量等において、良好な栄養効果が認められた8)。
★リンクテーブル★
[★]
- 30歳の3回経妊婦。胎動を感じないことを主訴に来院した。最後に妊婦健康診査を受けたのは5週前で、そのときは胎児心拍動は確認され妊娠24週相当と言われた。現在、外診では子宮底長は24、25週相当で、胎児死亡が確認された以外は内診では異常を認めない。直ちに行うべき母体の血液検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095F050]←[国試_095]→[095G002]
[★]
- 脱水によって循環不全に陥った乳児に投与してはならない輸液の成分はどれか。
[正答]
B
- d. 乳酸は肝臓で代謝されHCO3-を産生するので代謝性アシドーシスに対して有利。(QB.O-56) ← 文献的な裏付けがみつからない。最終productはH2OとCO2で確かにH+ + HCO3-は生じるけど。プロトンできてまっせ。
※国試ナビ4※ [095E044]←[国試_095]→[095E046]
[★]
- 正常妊娠において母体血中に比較し胎児血中で高値であるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [107E032]←[国試_107]→[107E034]
[★]
- 健常成人の血中濃度で食事により値が低下するのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114E020]←[国試_114]→[114E022]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104E008]←[国試_104]→[104E010]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [110E003]←[国試_110]→[110E005]
[★]
- 負荷試験における診断薬と反応するホルモンの組み合わせ。正しい物3つ
[★]
- 英
- hypoglycemics
- 同
- hypoglycemic agent、antidiabetic agent、antidiabetic drug、antidiabetics、glucose-lowering agent、hypoglycemic、hypoglycemic drug、hypoglycemics
- 関
- [[]]
投稿記事
k氏より
インスリンの抽出は大変意図的に行われたのに対し、スルフォニルウレア薬(SU)は偶然に見つかりました。で、1950年代にはじめに二型糖尿病の患者に使われるようになりました。いまでは20種類くらいのSUが広く世界で使われています。
1997にはメグリチニドが臨床適用されました。食後高血糖の治療薬としてはじめて使用された薬です。
メタフォルミンというビグアナイド薬(BG)は、ヨーロッパで広く使われていましたが、1995年にアメリカでも認可されました。
チアゾリジン1997年に市場導入され、二番目にメジャーなインスリン刺激薬として使用されています。この種類の薬には、広汎な肝障害を起こしにくく、世界中で使われています。
スルフォニルウレア薬 SU薬
膵臓のβ細胞の刺激によって、インスリンを放出させ、血糖値を下げます。
治療が長引くと、インスリン分泌というSUのβ細胞刺激性の効果が薄れてきますが、β細胞上のSU受容体のダウンレギュレーションによるものです。また、SUはソマトスタチンの放出を刺激します。ソマトスタチンはグルカゴン分泌を抑制しているので、これも関係SUの糖を下げる効果と関係しています。
SUはATP感受性Kチャンネルを抑制します。Kレベルが下がると、まく表面における、脱分極を促し、電位依存性カルシウムチャンネルを通じたカルシウムイオンの流入を促進します。
SUには無視できない膵臓外作用があるという議論があります。確かにありうべきことですが、2型糖尿病の患者の治療においては、それほど重要なことではないようです。
SU薬はそれぞれが似たような作用スペクトラムを持っているので、薬物動態的な特性がここの薬を区別する手がかりです。腸管からのSU薬の吸収の割合は薬によって違いますが、食物や、高血糖は、この吸収を抑制します。高血糖はそれ自身、腸管の運動を抑制するので、ほかの薬の吸収も阻害します。血漿濃度が効果的な値にまで達する時間を考えると、半減期の短いSUは、食前三十分に投与するのが適切です。SU薬は90から99パーセントくらい血中たんぱく質と結合し、特にアルブミンと結合します。
第一世代のSUは半減期や分布において、大きく違っています。この半減期や作用時間の不一致の理由はいまだはっきりしていません。
SUはすべて肝臓で代謝を受け、尿中に排泄されます。なので、肝不全、腎不全患者には要注意で処方します。
めったにありませんが、第一世代服用患者では、4パーセントの割合でおきます。第二世代ではもっと少ないでしょう。低血糖による昏睡がしばしば問題になります。腎不全や肝不全がある高齢者の患者でおきやすいです。
重症の低血糖は脳血管障害も起こしうる。急性の神経障害が見つかった高齢患者では血中グルコースレベルを測るのが大事です。半減期の長いSUもあるので、24から48時間のグルコースを輸液します。
第一世代は多くの薬物と相互作用を持っています。
ほかに、吐き気嘔吐、胆汁うっ滞性黄疸、脱顆粒球症、再生不良性・溶血性貧血、全身性のアレルギー症状があります。
SUが心血管障害による死亡率を上げるのかについては議論の余地あり。
SUは、食事療法だけでは十分なコントロールを得られない2型糖尿病患者の血糖コントロールに用いられます。禁忌はtype 1 DM(diabetes mellitus:糖尿病)、妊婦、授乳中の患者、腎障害や肝障害の患者です。
普通の患者なら五割から八割くらい、経口の糖尿病治療薬が効きます。インスリン療法が必要になる患者もいます。
トルブタマイドの一日量は500ミリグラムで、3000ミリグラムが最大の許容量です。SUの治療成績の評価は患者の様子を頻繁に観察しながら、行います。
SUとインスリンの併用療法はtype 1, type 2 両方の糖尿病で用いられていますが、βセルの残存能力がないとうまくいきません。
レパグリニドはメグリチニドクラスの経口インスリン分泌促進物質です。化学構造上、SUとは異なっており、安息香酸から分離されたものです。
SU薬と同様にレパグリニドは膵臓βセルにおけるATP依存性Kチャンネルを閉じることによりインスリン分泌を促進します。AEもSU薬と同様、低血糖です。
Dふぇにるアラニンから分離された薬。レパグリニドよりもSEとして低血糖が認められづらいです。
メトフォルミンとフェノフォルミンは1957年に市場導入され、ブフォルミンが1958年に導入されました。ブフォルミンは使用が制限されていますが、前者二つは広く使われています。フェノフォルミンは1970年代に乳酸アシドーシスのAEによって市場から姿を消しました。メトフォルミンはそのようなAEは少なく、ヨーロッパカナダで広く使われています。アメリカでは1995年に使用可能に。メトフォルミンは単独かSUと併用して使われます。
ものの言い方によると、メトフォルミンは抗高血糖であって、血糖を下げる薬ではありません。膵臓からのインスリン放出は促さないので、どんな大容量でも低血糖は起こしません。グルカゴン・コルチゾール・成長ホルモン・ソマトスタチンにも影響なし。肝での糖新生を抑制したり、筋や脂肪におけるインスリンの働きを増すことで、血糖を押さえます。
小腸から吸収。安定な構造で、血中の蛋白と結合しないで、そのまま尿中に排泄。半減期は二時間。2.5グラムを食事と一緒に飲むのがアメリカで最もお勧めの最大用量。
メトフォルミンは腎不全の患者には投与しないこと。肝障害や、乳酸アシドーシスの既往、薬物治療中の心不全、低酸素性の慢性肺疾患なども合併症として挙げられる。乳酸アシドーシスはしかしながら、めちゃくちゃまれである。1000人年(たとえば100人いたら、10年のうちにという意味の単位。または1000人いたら1年につき、ということ。)につき0.1という割合。
メトフォルミンの急性のAEは患者の20パーセントに見られ、下痢、腹部不快感、吐き気、金属の味、食欲不振などです。メタフォルミンを飲んでいる間はビタミンB12や葉酸のきゅうしゅうが 落ちています。カルシウムをサプリで取ると、ビタミンB12の吸収が改善されます。
血中乳酸濃度が3ミリMに達するとか、腎不全・肝不全の兆候が見られたら、メタフォルミンは中止しましょう。
PPARγに効く。(ペルオキシソーム・プロライファレーター・アクチベイティッド・受容体、つまりペルオキシソーム増殖活性受容体みたいな。)PPARγに結合して、インスリン反応性をまして、炭水化物とか、脂質の代謝を調整します。
ロジグリタゾンとピオグリタゾンは一日一度。チアゾリジンは肝にて代謝され、腎不全のある患者にも投与できますが、活動性の肝疾患があるときや肝臓のトランスアミナーゼが上昇しているときは、使用しないこと。
ロジグリタゾンはCYP2C8で代謝されますがピオグリタゾンはCYP3A4とCYP2C8で代謝されます。ほかの薬との相互作用や、チアゾリジン同士の相互作用はいまだ報告されていませんが、研究中です。
ピオグリタゾンとロジグリタゾンは肝毒性とはめったに関係しませんが、肝機能をモニターする必要があります。心不全のある患者はまずそちらを治療してから。
αGIは小腸の刷子縁におけるαグルコシダーゼの働きを阻害することによって、でんぷん・デキストリン・ダイサッカリダーゼの吸収を抑制します。
インスリンを増やす作用はないので、低血糖もおきません。吸収がよくない薬なので、食事の開始と一緒に飲むとよいです。
アカルボースとミグリトールは食後高血糖の抑制に使われます。
αGIは用量依存性に、消化不良・ガス膨満・下痢などをきたします。αGIとインスリンを併用中に低血糖症状が出たら、、グルコースを補充します。
経口から、グルコースが静脈を通ると、インスリンが上がることがわかっていました。消化管の上部からはGIP、消化管下部からはGLP1というホルモンが出ていて、糖依存性のインスリン放出を促していることがわかりました。これらのホルモンはインクレチンといわれています。この二つのホルモンは別の働き方でインスリンの放出を促進します。GIPはtype 2 DMではインスリン分泌を促進する能力がほとんど失われています。一方でGLP1は糖依存性のインスリン分泌を強く促しています。つまりtype 2 DMの治療ではGIPをターゲットにすればよいということになります。GLPはグルカゴンを抑制し。空腹感を押さえ、食欲を抑えます。体重減少も実現できます。この長所を相殺するように、GLP1は迅速にDPPIV(ヂペプチジルペプチダーゼ4エンザイム)によって負活化されます。つまり、GLP1を治療に使うなら、連続的に体に入れなければなりません。GLP1受容体のアゴニストが研究され、これはDPPIVにたいして抵抗性があります。
そのほかのGLP1療法のアプローチに仕方としては、DPPIVプロテアーゼの不活性化で、それによってGLP1の循環量を増やそうとするものです。type 2 DM治療に新しい薬がでるかもしれないですね。
[★]
- 英
- examination、test、testing、assessment、trial、exam、examine
- 関
- アセスメント、計測、検査、検定、試み、査定、試行、調べる、診断、治験、調査、テスト、判定、評価、検討、影響評価、実験デザイン、研究デザイン、データ品質、対応群、スコアリング法
循環器
肝臓異物排泄能
カルシウム
ビタミン
血液
- ショ糖溶血試験:(方法)等張ショ糖液に血液を加える。(検査)溶血の存在。低イオン強度では補体の赤血球に対する結合性が増し、発作性夜間血色素尿症 PNHにおいては溶血をきたす。スクリーニング検査として用いられ、確定診断のためにはハム試験を行う。
- ハム試験 Ham試験:(方法)洗浄赤血球に塩酸を加え、弱酸性(pH6.5-7.0)条件にする。(検査)溶血の存在。発作性夜間血色素尿症 PNHにおいては弱酸性条件で補体に対する感受性が亢進するため
産婦人科
内分泌
視床下部-下垂体-糖質コルチコイド
高血圧
- 立位フロセミド負荷試験:(投与)フロセミド、(検査)血漿レニン濃度:フロセミドでhypovolemicとし歩行負荷で交感神経を興奮させレニンの分泌を促す。原発性アルドステロン症の場合、レニン高値のまま無反応。
膵臓
膵外分泌機能
腎臓
ガストリノーマ
感染症
[★]
- 英
- diabetes mellitus (SP), DM
- 関
- 糖尿病治療薬
- first aid step1 2006 p.first aid step1 2006 p.256,423
定義
- インスリンの不足
病型
- インスリン分泌の低下
- 血中インスリン濃度:低
- 遺伝や生活習慣病に関係なく発症。治療はインスリンの注射
- インスリン受容体や細胞内情報伝達系の質的・量的変化
- 一般に血中インスリン濃度:高
- 肥満、喫煙、運増などが関連
- 中高年に多い
- 運動療法と食事療法
参考1
- NIDDM:インスリン不要
- NIDDM:高血糖是正にインスリン必要
- IDDM:ケトーシス防止や生存にインスリン必要
症状
-
- 血糖値が170-180mg/dl以上で尿糖陽性となる。
- 血糖150mg/dlでも尿糖陽性であれば腎性尿糖が疑われる
- 口渇、多飲、多尿
- ケトーシス、アシドーシス体重減少
合併症
- 多発神経障害(広汎性左右対称性神経障害)
- 単神経障害
- 栄養血管の閉塞による脳神経障害
- 外眼筋(動眼神経、滑車神経、外転神経)麻痺、顔面神経麻痺
医療系の雑誌より(日経カデット11月?)
表5 糖尿病患者にみられる筋骨格系症状を呈する疾患と臨床的特徴
糖尿病との関係
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疾患
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臨床的特徴
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糖尿病が直接病因に関与する疾患
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糖尿病性手関節症(diabetic cheiroarthropathy)
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コントロール不良の糖尿病に多い。原因不明の皮膚硬化が徐々に進行し、手指の屈曲拘縮を来し手全体に及び、強皮症と誤診される。手指を合わせることができない(Prayer徴候)。
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シャルコー関節
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頻度は低い(1%)が、長期糖尿病コントロール不良患者に多い。通常、足根中足関節などの中足部が多く、足底表面、前足部、中足部に潰瘍形成の合併を認めることがあり、骨髄炎との鑑別が困難な例あり。
|
糖尿病性骨溶解(diabetic osteolysis)
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原因不明の足趾の末節骨や基節骨の骨吸収が起こリ、足痛の原因となる。X線ではickedcandy変形を呈し、骨髄炎との鑑別が困難。
|
糖尿病性筋梗塞
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外傷、感染、腫瘍がなく大腿部などに急激に増大する疼痛を伴う腫瘤を認める。生検は出血の危険があるため行わない。通常1~2カ月で自然寛解する
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糖尿病性筋萎縮症(diabetic amyotrophy)
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糖尿病性末梢神経障害の一型。大腿前部の痛みで、時に脱力や萎縮が非対称性に起きる。CPKの上昇はなく、脳脊髄液で軽度蛋白上昇以外の有意な所見はない。神経伝導速度.筋電図では神経原性変化を認め、筋生検では炎症細胞浸潤を伴わない筋線経の萎縮あり。
|
直接の関係は不明だが糖尿病患者に頻度が高い疾患
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癒着性関節包炎(凍結肩または五十肩)
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糖尿病患者の10-33%にみられる。長期2型糖尿病を有する女性に多く、肩の痛みと可動域障害を呈する。約半数が両側性だが非利き手側で症状が強い。炎症反応やX線異常を認めず、数週~数カ月で自然寛解する。
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複合性局所疼痛症候群1型(complex regional pain syndrome CRPS)
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四肢の疼痛、皮膚色変化、皮膚温の変化、浮腫、可動域制限などの症候を呈するまれな症候群。
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手掌屈筋鍵炎
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糖尿病患者の5-33%に認められる。長期に罹患した女性に多く、利き手側の母指に頻度(75%)が高いが、どの指にもみられる。
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Dupuytren拘縮
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手掌筋膜の短縮と肥厚(有痛性結節)を生じ、第4、5指の屈曲拘縮を呈する。1型糖尿病で長期に罹患した患者に多いが、血糖コントロールとの関係はない。
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手根管症候群
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手根管症候群の全患者の最大15%に糖尿病を認める。
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広汎性特発性骨増殖症(diffuse idiopathic skeletal hyperostosis DISH)
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2型糖尿病患者の約20%にみられ、50才以上の肥満患者に多い。頭部、腰部のこわばリ、関節の可動域制限を呈する。全身の腱付着部痛を呈することもある。
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その他
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感染性関節炎や骨髄炎
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血糖上昇による免疫力低下が感染症リスクを上昇させることによる
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診断
血糖値検査による分類
正常 糖尿病型
空腹時血糖値 <110mg/dL ≧126mg/dL
and or
75g OGTT2時間値 <140mg/dL ≧200mg/dL
- 正常型であっても、食後1時間値が180mg/dL(10.0mmol/l)以上の場合には、180mg/dl未満のものに比べて糖尿病に進展する可能性が高いので、境界型に準じた取り扱い(経過観察)を行う(参考1)。
診断基準
- 参考2-4
- 1) 初回検査で、①空腹時血糖値≧126mg/dl、②75gOGTT2時間値≧200mg/dl、③随時血糖値≧200mg/dl、④HbA1c(国際標準値)≧ 6.5%のうちいずれかを認めた場合は、「糖尿病型」と判定する。別の日に再検査を行い、再び「糖尿病型」が確認されれば糖尿病と診断する。但し、HbA1cのみの反復検査による診断は不可とする。また、血糖値とHbA1cが同一採血で糖尿病型を示すこと(①~③のいずれかと④)が確認されれば、初回検査だけでも糖尿病と診断してよい。
- 2)血糖値が糖尿病型(①~③のいずれか)を示し、かつ次のいずれかの条件がみたされた場合は、初回検査だけでも糖尿病と診断できる。
- 糖尿病の典型的症状(口渇、多飲、多尿、体重減少)の存在
- 確実な糖尿病網膜症の存在
- 3)過去において、上記1)ないしは2)の条件がみたされていたことが確認できる場合には、現在の検査値が上記の条件に合致しなくても、糖尿病と診断するか、糖尿病の疑いを持って対応する必要がある。
- 4)上記1)~ 3)によっても糖尿病の判定が困難な場合には、糖尿病の疑いをもって患者を追跡し、時期をおいて再検査する。
- 5)初回検査と再検査における判定方法の選択には、以下に留意する。
- 初回検査の判定にHbA1cを用いた場合、再検査ではそれ以外の判定方法を含めることが診断に必須である。検査においては、原則として血糖値とHbA1cの双方を測定するものとする。
- 初回検査の判定が随時血糖値≧200mg/dlで行われた場合、再検査は他の検査方法によることが望ましい。
- HbA1cが見かけ上低値になり得る疾患・状況の場合には、必ず血糖値による診断を行う。
[show details]
- 以前の記事
- 1. 以下のいずれかの検査を行い、基準値を超えていれば糖尿病型と判定
- (1)空腹時血糖値 :≧126mg/dl
- (2)75g OGTT2時間値:≧200mg/dl
- (3)随時血糖値 :≧200mg/dl
- 2. 1.で2回続けて(別の日に行う。異なる検査項目が好ましい)糖尿病型と判定されるか、1.で1回糖尿病型と判定されかつ、以下の条件を満たすとき、「糖尿病」と診断する
- a. 糖尿病の典型的症状が存在すること
- b. HbA1c≧6.5%
- c. 糖尿病性網膜症が存在すること
- d. 過去に糖尿病型を示した資料(検査データ)がある場合
予後
- 糖尿病の死因の一位は心筋梗塞(Q book p.259)。
USMLE
高血圧と糖尿病を合併する病態
参考
- http://www.uemura-clinic.com/dmlecture/newcriteria.htm
- http://d.hatena.ne.jp/bonbokorin/20100608/p1
- 3. 糖尿病の新しい診断基準を7月に施行 日本糖尿病学会-糖尿病NET-資料室
- http://www.dm-net.co.jp/calendar/2010/010167.php
- 4. 委員会報告 糖尿病の分類と診断基準に関する委員会報告 2010
- http://www.jds.or.jp/jds_or_jp0/uploads/photos/635.pdf
[★]
- ☆case27 関節痛
- ■症例
- 37歳 女性
- 主訴:関節痛
- 現病歴:数ヶ月、膝の痛みがだんだん強くなっていると感じていた。痛みは手や足の小関節に多く、朝歩くときに最もこわばる。痛みはジクロフェナクを飲むと和らぐ。そのほかの症状として疲労感を感じ、最近、体重が3ヶ月で4kg減っている。
- 喫煙歴:なし。
- 飲酒歴:機会飲酒
- 既往歴:なし
- 家族歴:既婚、子供は2人
- 服薬歴:ジクロフェナク
- 職業歴:legal sevretary
- 身体所見 examination
- 顔貌 青白、臨床的な貧血を認める。近位指節間関節・中手指節関節 腫脹・effusionを伴う疼痛。中足趾節関節 圧痛。それ以外は正常。
- 検査 investigation
- 血液検査
- Hb低下
- ESR上昇
- 尿素軽度上昇
- クレアチニン軽度上昇
- 正常:白血球、MCV、血小板、ナトリウム、カリウム、グルコース、アルブミン
- 尿検査
- 蛋白(-)、尿糖(-)、潜血(-)、
- ■問題
- 本症例では診断とその根拠を考えるのは簡単なので、鑑別疾患をあげてその疾患に特徴的な症候を列挙しましょう。
- ■関節痛 DIF.283
- V Vascular
- 血友病 hemophilia 血友病性関節症(急性:疼痛、腫脹、熱感(SOR.241)
- 慢性:可動域の低下、変形、関節周囲筋萎縮(SOR.241))。家族歴
- 壊血病 scurvy 。生活環境。食事歴
- 無菌性骨壊死 aseptic bone necrosis (Osgood-Schlatter diseaseとか)
- I Inflammatory
- 感染性関節炎(細菌性関節炎(化膿性関節炎・淋菌性関節炎・結核性関節炎・嫌気性菌関節炎 )、真菌性関節炎、スピロヘータ関節炎(梅毒性関節炎・ライム関節炎)、マイコプラズマ関節炎、ウイルス性関節炎)
- N Neoplastic disorders
- 骨原性肉腫 osteogenic sarcoma
- 巨細胞腫 giant cell tumors
- D Degenerative disorders
- degenerative joint disease
- 変形性関節症 osteoarthritis
- I Intoxication
- 痛風 gout (uric acid)
- 偽痛風 pseudogout (calcium pyrophosphate)
- ループス症候群 lupus syndrome of hydralazine (Apresoline) and procainamide
- gout syndrome of diuretics
- C Congenital and acquired malformations bring to mind the joint deformities of tabes dorsalis and syringomyelia and congenital dislocation of the hip. Alkaptonuria is also considered here.
- A Autoimmune indicates
- 関節リウマチ RA
- 血清病 serum sickness
- 全身性エリテマトーデス lupus erythematosus
- リウマチ熱 rheumatic fever
- ライター症候群 Reiter syndrome
- 潰瘍性大腸炎 ulcerative colitis
- クローン病=限局性回腸炎 regional ileitis
- 乾癬性関節炎 psoriatic arthritis
- リウマチ性多発筋痛症 polymyalgia rheumatica
- T Trauma
- E Endcrine
- 先端肥大症 acromegaly
- 閉経 menopause
- 糖尿病 diabetes mellitus
- ■関節炎の分類
- ・炎症部位の数
- 単関節炎:痛風、偽痛風、離断性骨軟骨炎、血行性の化膿性関節炎のほとんど
- 多関節炎:リウマチ性疾患、ウイルス性疾患、白血病での関節症状、易感染性宿主における血行性の化膿性関節炎
- ■関節リウマチ
- 診断基準
- 関節症状
- 朝のこわばり、疼痛、腫脹、関節の動揺、関節可動域制限、変形(手指、足趾、膝関節)。(SOR.211)
- 手指の近位指節間関節(PIP関節)、中手指節関節(MP関節)。遠位指節間関節(DIP関節)に初発することは稀。(SOR.211)
- 左右対称性に生じることが多い。手関節、足趾、膝関節に初発する。(SOR.211)
- 関節外症状
- 全身症状:発熱
- 皮膚症状:リウマトイド結節(肘の伸側、後頭部、手指)
- 眼症状:上胸膜炎(10日の経過で治癒)、強膜炎(予後不良)。稀に角膜穿孔
- 血液障害:(高頻度)貧血、白血球減少(Felty病。DMARDs投与中の場合は薬剤性の骨髄抑制を考慮)
- アミロイドーシス:ネフローゼや下痢を来した症例で疑う。アミロイド蛋白はAA
- 腎障害:稀。アミロイドーシスの続発症か薬剤性を考慮。
- 呼吸器症状:間質性肺炎の合併多い。下肺野に好発。通常無症状。メトトレキセートなどの使用により薬剤性の急性間質性肺炎を生じることがある。
- 心・血管障害:リンパ管炎による難治性の浮腫。
- 神経症状:環軸関節亜脱臼により項部痛や脊髄症上が出現しうる。
- 骨粗鬆症
- 腱鞘滑膜炎:手指、手関節、足関節
- ■両側性多関節炎の鑑別疾患
- OA:遠位指節間関節を冒すのが特徴的で、近位指節間関節、中手指節関節を冒しうる。
- RA:
- SLE:軽度、症状の程度が変動する非びらん性の関節炎
- gout:単関節炎からはじまる。
- 血清陰性関節炎:強直性脊椎炎、感染、ライター病:中~大関節に非対称性の関節炎。仙腸関節と遠位指節間関節にも関節炎
- 急性ウイルス性関節炎:風疹。
- ■KEY POINTS
- ・RAでは遠位指節間関節は冒されない傾向がある。
- ・RAの全身症状は関節症状に先行することがある。
- ・RAの活動性と貧血及びESRは相関している。
- ・NSAIDsは腎機能に悪影響を与えることがある。
- ■initial plan
- Dx 1. 単純X線写真
- ・亜脱臼、関節周囲の骨萎縮(傍関節性骨骨粗鬆症,juxta-articular osteoporosis)、関節裂隙の狭小化、関節辺縁のびらん(bony erosion)
- ・初期のRAで第5趾に骨びらんが一般的に見られる。
- ・血液検査
- ・RF、抗DNA抗体
- Tx 1. 鎮痛薬
- ・NSAIDs:鎮痛とこわばりの軽減
- 2. DMARDs(メトトレキセート、レフルノミド、金製剤、ペニシラミン)
- ・NSAIDsで症状が治まらない場合に考慮
- 3. 抗TNF抗体
- ・重症のRAで効果がある場合がある。
- ■参考文献
- SOR 標準整形外科学 第10版 医学書院
- DIF Differential Diagnosis in Primary Care Fourth Edition版 Lippincott Williams & Wilkins
[★]
- ☆case16 膝の痛み
- ■glossary
- indigestion 消化障害、消化不良
- ■症例
- 80歳 男性
- 主訴:左膝の痛みと腫脹
- 現病歴:左膝の痛みを2日前から認めた。膝は発熱・腫脹しており、動かすと疼痛を生じる。時々胸焼けと消化不良が見られる。6ヶ月前のhealth checkで、高血圧(172/102mmHg)と血中クレアチニンが高い(正常高値)こと以外は正常といわれた。その4週間数回血圧を測定したが、高値が継続したため、2.5mg bendrofluamethizide(UK)/ベンドロフルメチアジドbendroflumethiazide(US)で治療を開始した。最近の血圧は138/84 mmHgであった。
- 喫煙歴:なし。
- 飲酒歴:一週間に平均4unit。
- 既往歴:股関節に中程度(mild)の変形性関節症
- 家族歴:特記なし
- 服薬歴:アセトアミノフェン(股関節の疼痛に対して)
- 身体所見 examination
- 血圧 142/86mmHg。体温37.5℃。脈拍88/分。grade 2 hypertensive retinopathy(高血圧症性網膜症)。心血管系、呼吸器系に検査場異常なし。手にDIPにヘバーデン結節なし。
- 左膝が発熱し腫脹している。関節内に液、patellar tap陽性。90℃以上膝関節を屈曲させると痛みを生じる。右の膝関節は正常に見える。
- 検査 investigation
- 生化学:白血球増多、ESR上昇、尿素高値、グルコース高値
- 単純X線:関節間隙やや狭小。それ以外に異常は認めない。
- ■problem list
- #1 左膝の痛み
- #2 胸焼け
- #3 消化不良
- #4 高血圧
- #5 クレアチニン正常高値
- #6 股関節の変形性リウマチ
- #7 高血圧性網膜症
- ■考え方
- ・関節痛の鑑別診断を考える。
- ・VINDICATEで考えてみてもよいでしょう。
- ・関節痛の頻度としては 外傷>慢性疾患(OAなど)>膠原病>脊椎疾患>悪性腫瘍
- ■関節痛の鑑別疾患
- DIF 282
- V Vascular 血友病 hemophilia, 壊血病 scurvy, 無菌性骨壊死 aseptic bone necrosis (Osgood-Schlatter diseaseとか)
- I Inflammatory 淋疾 gonorrhea, ライム病 lyme disease, 黄色ブドウ球菌 Staphylococcus, 連鎖球菌 Streptococcus, 結核 tuberculosis, 梅毒 syphilis, 風疹 rubella, 単純ヘルペス herpes simplex, HIV human immunodeficiency virus, サイトメガロウイルス cytomegalovirus
- N Neoplastic disorders 骨原性肉腫 osteogenic sarcoma, 巨細胞腫 giant cell tumors
- D Degenerative disorders degenerative joint disease or 変形性関節症 osteoarthritis
- I Intoxication 痛風 gout (uric acid), 偽痛風 pseudogout (calcium pyrophosphate), ループス症候群 lupus syndrome of hydralazine (Apresoline) and procainamide, gout syndrome of diuretics
- C Congenital and acquired malformations bring to mind the joint deformities of tabes dorsalis and syringomyelia and congenital dislocation of the hip. Alkaptonuria is also considered here.
- A Autoimmune indicates (多い)関節リウマチ RA (可能性)血清病 serum sickness, 全身性エリテマトーデス lupus erythematosus, リウマチ熱 rheumatic fever, ライター症候群 Reiter syndrome, 潰瘍性大腸炎 ulcerative colitis, クローン病=限局性回腸炎 regional ileitis, 乾癬性関節炎 psoriatic arthritis (老人であり得る)リウマチ性多発筋痛症 polymyalgia rheumatica
- T Trauma 外傷性滑膜炎 traumatic synovitis, tear or rupture of the collateral or cruciate ligaments, 亜脱臼 subluxation or laceration of the meniscus (semilunar cartilage), 脱臼 dislocation of the joint or patella, a 捻挫 sprain of the joint, and fracture of the bones of the joint.
- E Endcrine 先端肥大症 acromegaly, 閉経 menopause, 糖尿病 diabetes mellitus
- ■答え
- 骨格筋系-関節炎-単関節炎-急性単関節炎
- 痛風 尿酸 → 発熱、ESR↑、白血球↑
- 偽痛風 ピロリン酸カルシウム
- 高齢女性でチアジド系利尿薬の使用により痛風が誘発されやすい。特に腎機能低下、糖尿病の人はこのリスクが高まる。
- ■(BSTからの知識「)循環器領域での利尿薬
- ・心不全の治療において、循環血漿量を減らし、心臓の前負荷を軽減する。
- ・利尿薬は高尿酸血症を起こす。(けど、心不全の治療において高尿酸血症になったからといって痛風を発症している患者はみたことない)
- ・電解質異常を起こしやすいので、血液生化学の検査でモニタして注意する。たとえば低Kで不整脈のリスクが高まる。
- ・チアジド系の利尿薬は血糖を上げるし、尿酸を上げる
- ・長期の使用で腎機能を低下させる
- ■initial plan
- Dx 1. 関節液の吸引:関節液の一般検査、生化学検査、培養検査、
- ・白血球が増加していれば急性炎症性であることを示す。
- ・偏光顕微鏡で関節液を検鏡する。
- ・尿酸の結晶:針状結晶。negatively birefringent
- ・ピロリン酸カルシウムの結晶:positively birefringent
- Tx 1. 関節液の吸引:炎症が軽度改善
- 2. NSAIDによる疼痛管理
- 3. PPI:NSAID潰瘍を予防するため
- 4. ACE inhibitorの導入