- 48歳の男性。右上腹部の不快感を主訴に来院した。身体所見に異常はない。血液所見:Hb13.8g/dl、白血球5,800。血清生化学所見:総ビリルビン0.9mg/dl、AST30IU/l、ALT32IU/l、γ-GTP48IU/l(基準8~50)。免疫学所見:CRP0.1mg/dl、CA19-9 32U/ml(基準37以下)。腹部超音波写真を以下に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A028]←[国試_101]→[101A030]
★リンクテーブル★
[★]
- 55歳の女性。2週前からの褐色調尿を主訴に来院した。身長155cm、体重52kg。眼球結膜に黄染を認める。右肋骨弓下に肝を3cm、左肋骨弓下に脾を2cm触知する。血液所見:赤血球325万、Hb9.2g/dl、Ht30%、白血球5,400、血小板9万。血清生化学所見:総蛋白6.7g/dl、アルブミン3.8g/dl、IgG1,360mg/dl(基準960~1,960)、IgA150mg/dl(基準110~410)、IgM480mg/dl(基準65~350)、総ビリルビン3.2mg/dl、直接ビリルビン1.9mg/dl、AST62IU/l、ALT59IU/l、ALP782IU/l(基準260以下)、γ-GTP322IU/l(基準8~50)。免疫学所見:CRP0.3mg/dl、HBs抗原陰性、HCV抗体陰性、抗核抗体80倍(基準20以下)、抗ミトコンドリア抗体160倍(基準20以下)。
- この疾患に合併する頻度が高いのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A027]←[国試_101]→[101A029]
[★]
- 65歳の男性。2か月前からの上腹部不快感を主訴に来院した。血液所見:赤血球510万、白血球6,800。血清生化学所見:AST24IU/l、ALT15IU/l、アミラーゼ175IU/l(基準37~160)。CRP0.4mg/dl。腹部造影CTを以下に示す。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A029]←[国試_101]→[101A031]
[★]
- 英
- gallbladder adenomyomatosis, adenomyomatosis of gall bladder
- 同
- 胆嚢アデノミオマトーシス
- 関
- ロキタンスキー・アショフ洞、腺筋腫症、胆嚢、腺筋症 adenomyomatosis
概念
- 胆嚢粘膜の増生、筋層の肥厚、粘膜内憩室(ロキタンスキー・アショフ洞 Rokitansky-Aschoff sinus RAS。筋層を貫く)が特徴の病変
- 名前の通り粘膜上皮がadenomatous changeを来しているわけではないし、前癌病変でもない。
- 以前はgallbladder diverticulosis, cholecystitis glandularis proliferans, adenomyomatous hyperplasiaと記載されていた。
疫学
病因
病理
症状
検査
-胆嚢腺筋症
- 図:SRA.503 RNT.215
- 限局性・びまん性の壁肥厚
- 造影CTや胆嚢造影併用CTで壁内にRokitansly-Aschoff sinusの拡張が見られる
- 胆嚢造影では胆嚢の輪郭に沿って点状の造影剤の溜まりがみられる(SRA.503)
- 増殖した粘膜が肥厚して胆嚢壁内に入り込んで陥凹(Rokitansly-Aschoff sinus)を作る(RNT.215)
治療
- 症状がなければ経過観察。
- 胆嚢癌との鑑別ができない場合や腹痛が著明な場合は胆嚢摘出術の適応
国試