閉塞性血栓性血管炎
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/09/07 11:51:08」(JST)
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閉塞性血栓性血管炎(へいそくせいけっせんせいけっかんえん、ラテン語Thromboangiitis Obliterans: TAO)は、末梢動脈に閉塞性の内膜炎を起こし、末梢部に潰瘍や壊疽を引き起こす病気。フェリックス・フォン・ヴィニヴァルターによって報告された。
一般に、発見者であるレオ・ビュルガーにちなんだ名前であるBuerger's diseaseとして、ビュルガー病(ドイツ語読み)或いはバージャー病(英語読み)で知られている。
日本においては、14番目の特定疾患治療研究対象疾患(難病)に定められており、国からの治療費等の補助が受けられる。
目次
- 1 病態
- 2 疫学
- 3 症状
- 4 治療
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
病態[編集]
末梢動脈に血栓を生じ、それが結合組織に置き換えられて動脈が閉塞し血流の途絶を招き、結果的に末梢部の壊死を引き起こす。
東京医科歯科大学の研究調査により、病変部位より高率に歯周病菌スピロヘータ属 Treponema denticola が発見されていることが報告され、発症との因果関係が注目されている。
疫学[編集]
男性患者が9割であり、女性は少ない。20歳から50歳まで特に30代の喫煙者でストレスが過多な患者に多発。受動喫煙者を含めるとほぼ全員が喫煙に関与していると言う。日本には約1万人の罹患者がいるとされる。近年日本での患者は減少気味。
症状[編集]
- 遊走性静脈炎 : 静脈に炎症(静脈炎)が見られる。静脈炎の部分は痒みを伴う。静脈炎があちこちに移動するので遊走性静脈炎という。
- 血流不足による虚血によって、末梢部の痺れ、冷感、部位の蒼白化、潰瘍、短距離の歩行で間欠跛行、激しい安静時疼痛、指趾の難治性潰瘍や壊死が起こる。
- 寒冷曝露によるレイノー症状が認められる。
- 下肢動脈に好発する。
- 末梢動脈拍動の消失。(ドップラー血流計では確認できる場合あり)
- 確定診断には血管造影が用いられる。
治療[編集]
将来的に内膜炎が血管閉塞を引き起こし末梢を壊死させるのを防ぐ為に、血管の収縮を招くストレスに晒さない事が求められる。寒気を避け、温浴、マッサージ、運動等で血流を良くする事が求められる。また患部を清潔に保つ事も効果があるとされる。 喫煙は血管収縮を招く事から、絶対禁止が求められる。禁煙を遵守しない場合、足趾や下肢切断等に至る場合が多い。歯周病治療および口腔内ケアの徹底が望まれる。 医学的にもプロスタグランジンなど血小板凝縮抑制や血管拡張、血管バイパス形成等による血行再建手術、交感神経節切除などの対症療法が主流であるが、病変が末梢部にあるので血行再建手術は難しいとされる。現在自己造血幹細胞を用いた再生医療が試みられている。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 難病情報センター特定疾患情報
- Emedicine
- 財団法人 先端医療振興財団
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疾患 |
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病態・症候 |
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所見・検査 |
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治療 |
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外科的治療
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冠動脈大動脈バイパス移植術 | 経皮的冠動脈形成術 | 植え込み型除細動器 | バチスタ手術 | 人工心臓 | 心臓ペースメーカー
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内科的治療
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心臓作動薬
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抗不整脈薬
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Ia群: プロカインアミド, キニジン
Ib群: リドカイン, フェニトイン
Ic群: フレカイニド, プロパフェノン
II群: 交感神経β受容体遮断薬(プロプラノロールなど)
III群: アミオダロン, ソタロール
IV群: カルシウム拮抗剤(ベラパミル, ジルチアゼムなど)
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心不全治療薬
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利尿薬 | 血管拡張薬 | 強心配糖体 | 強心剤
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狭心症治療薬
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交感神経β受容体遮断薬 | 硝酸薬
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血管作動薬
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高血圧治療薬
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利尿薬 | 交感神経β受容体遮断薬 | レニン-アンジオテンシン系 (ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬) | カルシウム拮抗剤 | アドレナリン作動薬 | 脂質降下薬
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循環器系の正常構造・生理 |
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Japanese Journal
- 幹細胞筋肉内投与による足救済 (特集 形成外科領域の臨床再生医学 update)
- 血管炎症候群 (日常診療に使えるガイドライン特集--より良い診療を目指して) -- (疾患編 心臓・血管)
Related Links
- HOME >> 病気の解説(一般利用者向け) >> ビュルガー病(バージャー病)(公費対象) ... Leo Buergerによって初めて報告されたことから、報告者の名前をつけてバージャー 病(英語読み)、あるいはビュルガー病(ドイツ語読み)と名づけられた病気で、閉塞性 ...
- 発症には喫煙が強く関与しており、喫煙による血管攣縮が誘因になると考えられている。 最近の疫学調査では患者の93%に明らかな喫煙歴を認め、間接喫煙を含めるとほぼ全 例が喫煙と関係があると考えられる。歯周病との関連が疑われ検討が行われている。
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★リンクテーブル★
[★]
- 38歳の男性。右下腿の安静時痛を主訴に来院した。1年前から歩行時の痛みを自覚していたが、休むと軽快するため放置していた。最近、痛みを感じるまでの歩行距離が短くなり、安静時痛が出現するようになった。喫煙40本/日を18年間。
- 糖尿病や高血圧を指摘されたことはない。身長170cm、体重65kg。脈拍76/分、整。血圧124/76mmHg。右下腿から足にかけて腫脹と発赤とを認める。右大腿動脈造影写真を以下に示す。
- 対応として誤っているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G023]←[国試_101]→[101G025]
[★]
[★]
- 英
- IgA nephropathy, immunoglobulin A nephrophathy
- 同
- IgAメサンギウム腎症 IgA mesangial nephropathy、免疫グロブリンA腎症 イムノグロブリンA腎症 immunoglobulin A nephropathy、IgA腎炎 IgA nephritis、IgA糸球体腎炎 IgA glomerulonephritis、Berger's disease、バージャー病 ベルガー病 ベルジェ病 Berger's disease Berger disease Berger病 Berger nephropathy
- 関
- 一次性糸球体疾患。
[show details]
- first aid step1 2006 p.385(Glomerular pathology)
定義
- → 同様の症状を示す、紫斑病性腎炎(Henoch-Schonlein purpura)、肝硬変、肺疾患とは区別する!!
疫学
- 日本-原発性糸球体腎炎の50-70% (約40%とする文献もある)。フランス-原発性糸球体腎炎の約20%
- 発症年齢:小児から成人まで認められる。20歳代に好発。男性が若干多い(男女比 3-6:1)
- 若年の新規透析患者の原因(約40%)として重要である。 → 透析導入原疾患の第2位
- 慢性糸球体腎炎のなかで最多(約半数)。
病因
- 免疫複合体型腎炎
- IgAを含む免疫複合体が糸球体に沈着し → 補体を活性化 → 腎炎
- 抗原:細菌、ウイルス、食物蛋白など
- begin as an episode of gross hematuria that occurs within 1 or 2 days of a nonspecific upper respiratory tract infection
病態
- 抗原と結合したIgAからなる免疫複合体が糸球体内皮下とメサンギウム領域に蓄積し腎炎像がみられる。(PRE.245) → 炎症により部分的に糸球体が破綻し血尿をきたす?
- 糸球体腎炎症状が主であって、蛋白尿は軽度。ネフローゼに至ることは稀
病理
- メサンギウム増殖性糸球体腎炎の像が見られる。
- 光学顕微鏡:メサンギウム増殖
- 蛍光顕微鏡:IgAが顆粒状にメサンギウムに沈着。C3, IgG, IgMの沈着が見られることがある
[show details]
メサンギウムにIgAが沈着する疾患
検査
- 蛋白尿は血尿に比べ軽度 ← ネフローゼ優位ではない?
診断
鑑別診断
治療
- 参考2
- 1. ACE阻害薬、アンジオテンシン受容体阻害薬
- 2. 糖質コルチコイド
- 3. 免疫抑制薬
- SPE.596
- 組織障害が軽い例:抗血小板薬、柴苓湯、ACE阻害薬、ARB
- 組織障害が強い例:副腎皮質ステロイド、抗凝固薬、抗血小板薬、免疫抑制薬の組み合わせ。
予後
- 著明な蛋白尿や腎機能低下をきたさない患者は完全に寛解するかもしれないが、ほとんどの患者ではゆっくり着実に進行する。
- 蛋白尿の持続 ± 高血圧 ± 血清Crの上昇 を下している患者は20年の経過で20-30%が末期腎不全に陥り、そのほかの20%は腎機能が低下する。
- 予後不良の腎組織像は、(稀)半月体の形成、糸球体の瘢痕化、尿細管質の萎縮、および間質の線維化である。
予後予測因子
- YN.E-43
- 血圧>160/95 mmHg、血清Cr>1.5 mg/dL、Ccr<50、尿蛋白>2g/日
予後不良因子
- 蛋白尿の持続、高血圧、高血清Cr、血清蛋白低値、高度な腎組織障害
参考
- http://www.jsn.or.jp/jsn_new/iryou/free/kousei/pdf/44_7.pdf
- 2. [charged] Treatment and prognosis of IgA nephropathy - uptodate [1]
国試
[show details]
[★]
- 英
- acute arterial occlusion
- 同
- 急性動脈閉塞
- 関
- 動脈閉塞症
病因
- ガイドライン1改変
臨床的分類
|
予後
|
臨書所見
|
ドプラ聴診器所見
|
|
知覚消失
|
筋力低下
|
動脈
|
静脈
|
I
|
viable (下肢循環が維持されている状態)
|
ただちに下肢生命が脅かされることはない
|
|
なし
|
聞こえる
|
聞こえる
|
IIa
|
threatened viability (下肢生命が脅かされる状態)/marginally(境界型)
|
早急な治療により救肢が可能
|
軽度(足趾)/なし
|
なし
|
(しばしば) 聞き取れない
|
聞き取れる
|
IIb
|
threatened viability (下肢生命が脅かされる状態)/immediately(緊急型)
|
ただちに血行再建することにより救肢が可能
|
足趾以外にも 安静時痛を伴う
|
軽度~中等度
|
聞き取れない
|
聞き取れる
|
III
|
irreversible (不可逆的な状態)
|
組織大量喪失または、恒久的な神経障害が避けられない
|
重度 知覚消失
|
重度 麻痺(筋硬直)
|
聞き取れない
|
聞き取れない
|
治療
- ガイドライン1 SSUR.421 YN.C-152
- 急性動脈閉塞症の診断がつけばすぐに血栓形成の進展、およびこれによる再閉塞を予防するためにヘパリンを投与。
- 急性下肢虚血の臨床的分類(TASC区分?)I, IIaでは経カテーテル直接血栓溶解療法(catheter directed thrombolysis, CDT)を考慮
- TASC区分IIbでは外科的血行再建の適応(フォガティカテーテルによる血栓除去など)
- TASC区分IIIやTASC区分IIb以上で血栓塞栓除去術が奏効しない例において、肢切断が行われる。
合併症
予後
- ガイドライン1
- 動脈閉塞から6時間以内であれば高率に救肢可能であり、血栓塞栓除去術の良い適応。
- 24時間を経過すると約20%の症例で肢切断を要する。
- 死亡率は15-20%
ガイドライン
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_shigematsu_h.pdf
- 2. INTER-SOCIETY CONSENSUS FOR THE MANAGEMENT OF PERIPHERAL ARTERIAL DISEASE (TASC II)
- http://www.tasc-2-pad.org/upload/SSRubriqueProduit/Fichier2/597.pdf
[★]
- 英
- thromboangiitis obliterans TAO
- 同
- バージャー病、ビュルガー病、Buerger病、Buerger's disease, Buerger disease
- 関
- 下腿潰瘍、血管炎、血管内膜炎、難病。≠Berger disease
概念
- 特定疾患治療研究事業に指定されている難病
- 若い男性かつ喫煙者に好発する血管炎であり、細い動脈(前腕の動脈や下腿の動脈)を冒す。動脈壁、特に中膜が肥厚し、血管内腔を狭窄させる。
疫学
病因
- 喫煙、感染、栄養障害、自己免疫(HLAとの関連)、血管内皮細胞の活性化などが考えられている。
- 高血圧、高脂血症、糖尿病は関係ない(?) ← 診断基準で除外されている。
増悪因子
病態
身体所見
- 参考1
- 視診:肢端の筋萎縮、脱毛、爪の発育不良、遊走性静脈炎、表在静脈に沿う色素沈着
- 聴診:腸骨動脈、大腿動脈、膝窩動脈の雑音の有無
- 触診:肢端の皮膚温低下、末梢動脈拍動の減弱有無
- 負荷テスト:アレンテスト、下肢挙上下垂テスト
検査
- 血管造影:先細り、corkscrew状側副路、多発性分節的閉塞
診断
診断基準
- 参考1
- 1. 50歳未満の発症
- 2. 喫煙歴を有する
- 3. 膝窩動脈以下の閉塞がある
- 4. 脈閉塞がある、または遊走性静脈炎の既往がある。
- 5. 高血圧症、高脂血症、糖尿病を合併しない。
- 以上の5項目を満たし、膠原病の検査所見が陰性の場合,バージャー病と診断できるが、女性例、非喫煙者では鑑別診
断を厳密に行う。
鑑別
|
ASO
|
TAO
|
好発年齢と性差
|
中高年の男性 (50歳以上)
|
若年男性 (20-40歳)
|
全身性合併症 (基礎疾患)
|
高血圧,糖尿病,脂質異常症
|
なし
|
好発部位
|
大動脈分枝部~大腿動脈 (下肢の中枢側)
|
膝窩動脈以下 (下肢の末梢側)
|
遊走性静脈炎
|
なし
|
あり
|
喫煙
|
危険因子の一つ
|
増悪
|
血管造影
|
虫食い像、動脈壁硬化
|
先細り像、Corkscrew状側副路。多発性分節的閉塞(閉塞は途絶状)
|
石灰化
|
多い
|
少ない
|
予後
|
不良
|
良好
|
参考
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2008_ozaki_h.pdf
国試
[★]
- 英
- human leucocyte antigen, HLA
- 同
- ヒト白血球型抗原、HLA抗原 HLA antigen、ヒト組織適合性白血球抗原 human histocompatibility leukocyteantigen
- 主要組織適合抗原 MHC ← 免疫との関連はこちらを参照
- 関
- 骨髄バンク、HLA抗原
疾患との関連
出典不明
強直性脊椎炎
|
B27
|
関節リウマチ
|
DR4
|
重症筋無力症
|
DR9,DQ3
|
尋常性天疱瘡
|
A26,DR4
|
バセドウ病
|
DR5
|
I型糖尿病(インスリン依存性糖尿病)
|
B54,DR4,DR9,DR53,DQ4
|
グレーブス病
|
DR5
|
ベーチェット病
|
B51
|
原田病
|
DR4,DR53
|
潰瘍性大腸炎
|
B52,DR2
|
クローン病
|
DR4,DQ3
|
高安病
|
B52,DR2,DQ1
|
バージャー病
|
B52,DR2,DQ1
|
ナルコレプシー
|
DR2
|
first aid step1 2006 p.191
まとめ
[★]
- 英
- disease、sickness
- 関
- 疾病、不調、病害、病気、疾患
[★]
- 英
- jar
- 関
- 広口瓶