- 英
- infectious disease
- 関
- 感染、定着、感染症法
- 病原体から引き起こされる疾患
- 感染が成立して、宿主に病気が発症した状態
- →宿主が病原体を追い出そうとしている状態
地域別の感染症
参考になるリンク
- http://www.forth.go.jp/tourist/worldinfo/index.html
- Centers for Disease Control and Prevention
- http://www.cdc.gov/
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2017/05/23 17:09:19」(JST)
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感染症(かんせんしょう、英語:infectious disease)とは、寄生虫、細菌、真菌、ウイルス、異常プリオン等の病原体の感染により、「宿主」に生じる望まれざる反応(病気)の総称。
目次
- 1 総論
- 2 分類
- 2.1 感染場所による分類
- 2.2 病原体の種類による分類
- 2.3 病態からの分類
- 2.4 公衆衛生学的な分類
- 2.5 法的な分類
- 3 診断
- 4 治療
- 5 予防
- 6 非感染性疾患との関連
- 7 ヒト以外の感染症
- 8 関連項目
- 9 外部リンク
総論
「感染症の歴史」も参照
感染症の歴史は生物の発生と共にあり、有史以前から近代までヒトの病気の大部分を占めてきた。医学の歴史は感染症の歴史に始まったと言っても過言ではない。1929年に初の抗生物質であるペニシリンが発明されるまで根本的な治療法はなく、伝染病は大きな災害と捉えられてきた。
その後の微生物学・免疫学・薬理学・内科学・外科学・公衆衛生学の進歩を背景として感染症の診断・治療・予防を扱う感染症学が発展しつつある今日でも、世界全体に目を向けると感染症は未だに死因の約1/4を占める。特にマラリア・結核・AIDS・腸管感染症は発展途上国で大きな問題であり、感染症学のみならず保健学・開発学など集学的な対策が緊急の課題である。
先進国においては新興感染症・再興感染症に加えて、多剤耐性菌の蔓延やバイオテロの脅威が公衆衛生上の大きな課題として注目を集める一方、高度医療の発達に伴って手術後の患者や免疫抑制状態の患者における日和見感染が増加するなど、日常的にもまだまだ解決に向かっているとは言えない。
分類
感染場所による分類
- 脳など中枢神経
- 髄膜炎、脳炎など
- 顔
- 鼻炎、副鼻腔炎、咽頭炎、喉頭炎、眼窩蜂窩織炎など
- 首
- 喉頭蓋炎、咽頭後壁膿瘍、亜急性甲状腺炎、レミエール症候群など
- 肺・気管支
- 肺炎、気管支炎、結核など
- 心臓・血管
- 感染性心内膜炎、心外膜炎、心筋炎、感染性大動脈炎、敗血症など
- 腹部・消化器
- 胆嚢炎、胆管炎、肝炎、肝膿瘍、膵炎、脾膿瘍、胃炎・胃潰瘍、腸炎、虫垂炎、腸腰筋膿瘍、クラミジア肝周囲炎など
- 泌尿器
- 腎盂腎炎、膀胱炎、前立腺炎、膣炎、骨盤内感染症など
- 皮膚
- 蜂窩織炎、脂肪織炎、ガス壊疽、せつ、よう、伝染性膿痂疹(とびひ)、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、帯状疱疹、水痘、麻疹、風疹、皮膚白癬、疥癬など
- 関節、筋肉、骨
- 感染性関節炎、骨髄炎、筋膜炎、筋炎、脊椎カリエスなど
- リンパ節
- リンパ節炎
- 口腔
- 歯周炎、齲蝕、根尖性歯周炎、インプラント周囲炎など
病原体の種類による分類
- 真正細菌感染症
- レンサ球菌(A群β溶連菌、肺炎球菌など)、黄色ブドウ球菌(MSSA、MRSA)、表皮ブドウ球菌、腸球菌、リステリア、髄膜炎菌、淋菌、病原性大腸菌(O157:H7など)、クレブシエラ(肺炎桿菌)、プロテウス菌、百日咳菌、緑膿菌、セラチア菌、シトロバクター、アシネトバクター、エンテロバクター、マイコプラズマ、クロストリジウムなどによる各種感染症
- 結核・非結核性抗酸菌、コレラ、ペスト、ジフテリア、赤痢、猩紅熱、炭疽、梅毒、破傷風、ハンセン病、レジオネラ肺炎(在郷軍人病)、レプトスピラ症、ライム病、野兎病、Q熱など
- マイコプラズマ肺炎
- 発疹チフス、ツツガムシ病、日本紅斑熱など
- クラミジア肺炎、トラコーマ、性器クラミジア感染症、オウム病など
- 真菌感染症
- アスペルギルス症、カンジダ症、クリプトコッカス症、白癬菌症、ヒストプラズマ症、ニューモシスチス肺炎(旧名:カリニ肺炎)など
- 寄生性原虫感染症
- アメーバ赤痢、マラリア、トキソプラズマ症、リーシュマニア症、クリプトスポリジウムなど
- 寄生性蠕虫感染症
- エキノコックス症、日本住血吸虫症、フィラリア症、回虫症、広節裂頭条虫症など
- ウイルス感染症
- インフルエンザ、ウイルス性肝炎、ウイルス性髄膜炎、後天性免疫不全症候群 (AIDS)、成人T細胞性白血病、エボラ出血熱、黄熱、風邪症候群、狂犬病、サイトメガロウイルス感染症、重症急性呼吸器症候群 (SARS)、進行性多巣性白質脳症、水痘・帯状疱疹、単純疱疹、手足口病、デング熱、伝染性紅斑、伝染性単核球症、天然痘、風疹、急性灰白髄炎(ポリオ)、麻疹、咽頭結膜熱(プール熱)、マールブルグ出血熱、ハンタウイルス腎出血熱、ラッサ熱、流行性耳下腺炎、ウエストナイル熱、ヘルパンギーナ、チクングニア熱など
- プリオン病
- 牛海綿状脳症 (BSE)、クールー病、クロイツフェルト・ヤコブ病、致死性家族性不眠症 (FFI)、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群 (GSS) など
病態からの分類
- 一次感染と二次感染
- 最初の病原体による感染を一次感染、続いて別の病原体による感染を二次感染という。また、同一宿主に2種類以上の病原菌によって感染が起こることを混合感染という。二次感染の一例として、一次感染を抗生物質で排除してもその抗生物質抵抗性の常在菌が異常増殖を起こす菌交代現象がある。
- 局所感染と全身感染
- 病原体が侵入・定着部位に限局して病変を起こす場合を局所感染という。この病原体が血行性など全身に広がって症状が出た場合を全身感染という。
- 持続感染と不顕性感染と潜伏感染
- 持続感染:病原体が生体から完全に排除されずに症状が治まっている状態。そういった状態の人を保菌者という。
- 不顕性感染:病原体に感染しても発症しない場合をいう。
- 潜伏感染:病原体に感染してもすぐ症状が出るわけではない。感染しても発症していない状態をいう。その期間を潜伏期間という。
公衆衛生学的な分類
- 新興感染症
- 輸入感染症のうち、継続的に国内での発症が見られるようになったもの。
- 例:後天性免疫不全症候群
- 再興感染症
- 社会情勢の変化により、近年まで抑えられていた発症数が再び増加傾向を示すもの。
- 例:結核
- 人獣共通感染症
- ヒトとヒト以外の動物の両方に感染を生じ、予防対策に両者への介入を要するもの。
- 例:狂犬病、エキノコックス
- 伝染病
- 病気を起こした個体(ヒトや動物など)から病原体が別の個体へと到達し、連鎖的に感染者数が拡大するもの。
- 輸入感染症
- 旅行者や輸入食品を介して病原体が海外から持ち込まれ、国内では稀な感染症を生じるもの。
- 例:重症急性呼吸器症候群、デング熱、黄熱病
- 検疫伝染病
- 輸入感染症のうち一度国内に進入すると流行する危険のあるものは、検疫法によって検疫伝染病の指定されている。
- 例:コレラ、ペスト
法的な分類
感染症法による。
- 一類感染症
- 感染力・重篤度・危険性が極めて高く、早急な届出が必要になる
- エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、天然痘(痘瘡)、南米出血熱、ペスト、ラッサ熱、マールブルグ熱
- 二類感染症
- 感染力・重篤度・危険性が高く、早急な届出が必要になる
- 急性灰白髄炎、結核、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(SARS、コロナウイルスに限る)
- 三類感染症
- 感染力・重篤度・危険性は高くは無いものの、集団発生を起こす可能性が高い為、早急な届出が必要になる
- コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症(O-157など)、腸チフス、パラチフス
- 四類感染症
- 人同士の感染は無いが、動物・飲食物等を介して人に感染する為、早急な届出が必要になる
- E型肝炎、ウエストナイル熱、A型肝炎、エキノコックス症、黄熱、オウム病、鳥インフルエンザ(H5N1は除外)等41種
- 五類感染症
- 国家が感染症発生動向の調査を行い、国民・医療関係者・医療機関に必要な情報を提供・公開し、発生及び蔓延や伝染を防止する必要がある感染症
- インフルエンザ(鳥及び新型インフルエンザ等感染症を除く)、ウイルス性肝炎(A型及びE型を除く)、後天性免疫不全症候群(HIV・エイズ)、風疹、麻疹、破傷風等41種
- 新型インフルエンザ等感染症
- 新たに人から人に伝染する様になったウイルスを病原体にするインフルエンザ
- 指定感染症
- 既知の感染症の中で、上記の1-3類に分類されない感染症で、1-3類に準じる対応が必要な感染症(新型インフルエンザ)
- 新感染症
- 感染した人から他の人に伝染すると認められる疾病で、既知の感染症・症状等が明らかにそれまでの物とは異なり、その感染力と罹患した時の重篤性から判ずるに、極めて危険性が高い感染症
診断
感染症は痛み・発熱などを契機に気付かれることが多いが、これらの症状はまた腫瘍やアレルギーなど感染以外によっても惹き起こされるため、診断学を踏まえた問診や身体診察により適切に鑑別を絞り込むことによって、必要十分な検査による診断が可能となる。
身体診察による診断の例として、蜂巣炎での皮膚発赤のように視診で気付かれるもの、気管支炎での呼吸器雑音など聴診で気付かれるもの、虫垂炎でのMcBurney圧痛点や腸腰菌膿瘍におけるPsoas signやObturator signなど触診で気付かれるものがある。
- 微生物学的検査の例: グラム染色、抗酸菌染色、直接鏡検、培養、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
- 化学反応を用いた検査の例: ピロリ菌のウレアーゼ活性試験、大腸菌の尿中亜硝酸検出
- 免疫学的検査の例:
- 抗体価...EBウイルス、麻疹、風疹、インフルエンザなどで測定される。
- 抗原検査...肺炎球菌、レジオネラの尿中抗原など。
- 白血球の反応性...結核菌感染でのクオンティフェロンTB-2Gなど。
- 画像診断の例:
- エコー...肝膿瘍や感染性心内膜炎、亜急性甲状腺炎、血栓性静脈炎などで有用
- CT...脊椎カリエスや骨髄炎、頭蓋内膿瘍などで有用
- MRI...頭蓋内静脈洞感染、レミエール症候群、腸腰筋膿瘍などで有用
- レントゲン写真...肺炎、急性喉頭蓋炎、咽頭後壁膿瘍などで有用
- 内視鏡...食道カンジダ、赤痢アメーバなど
治療
感染症の多くは安静・休養・栄養・水分補給による免疫力の回復、あるいは体位ドレナージによる排痰促進や利尿などの補助療法を通じて自然に治癒するが、先進諸国においては治癒を早めたり、徹底したり、後遺症を予防したりする目的でしばしば抗生物質/抗菌薬による化学療法 (細菌)や、抗ウイルス治療が併用される。また、局所感染においては切開排膿やドレナージといった外科的治療が併用される。敗血症・ショック・全身性炎症反応症候群(SIRS)などを合併する重症感染症においては、ときに抗体製剤や血漿交換を併用する。
予防
- 宿主の免疫力を保つためには、日常から適切な栄養と休養を要する。しかし、例えば南北格差による貧困は、時にこれらを困難にする。
- 特定の病原体に対する免疫の向上には、ワクチンの予防接種が有効である。感染・発症・伝染・重症化を防ぐことが期待できる。
- 伝染病において、病原体を体内に侵入させないためには感染経路の遮断が有効であり、感染管理や消毒・滅菌などの要する。
- 集団発生を早期発見・予防するために、医療機関・地域・国家・世界の様々なレベルで感染症サーベイランスが行われる。
消毒と滅菌
- 消毒
- 病原微生物を殺すこと、または病原微生物の能力を減退させ病原性をなくすことである。よって、すべての微生物を殺すことではない。一般に消毒に用いられる物質を消毒剤という。
- 滅菌
- 病原体と非病原体の有無に関わらず、すべての微生物を死滅させる、あるいは除去すること。手術における滅菌は無菌操作と呼ばれる。
法・制度
日本
感染症を予防するための法律には以下のようなものがある。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(通称「感染症法」、1999年4月1日施行)
- 伝染病予防法・性病予防法・エイズ予防法(1999年3月31日に廃止)・結核予防法(2007年3月31日に廃止)を統合。
- 検疫法
- 予防接種法
- 学校保健法
非感染性疾患との関連
一部の感染症は非感染性疾患の発症に強い関連を持つことが、近年明らかになりつつある。
- ヒトパピローマウイルスによる子宮頚癌・外陰部癌
- B型肝炎・C型肝炎による肝細胞癌
- ヘリコバクター・ピロリ菌による胃癌
- エプスタイン・バール・ウイルスによるバーキットリンパ腫
- クラミジアによる動脈硬化
- 腸内細菌叢異常による炎症性腸疾患 (IBD)
ヒト以外の感染症
関連項目
- 微生物/病原体/感染/感染経路
- 伝染病/法定伝染病/学校伝染病
- 感染症学/感染管理/感染制御学/公衆衛生学/疫学/感染症サーベイランス/予防接種
- 医学/歯学/獣医学
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律/検疫法
- 感染症の歴史/
- 性行為感染症/性病
- SEIRモデル
外部リンク
- 国立感染症情報センター(IDSC)
- FORTH(海外感染症情報) - 厚生労働省検疫所
- アメリカ疾病管理予防センター(CDC)
- Disease Outbreak News - WHO
- 地球温暖化と感染症 いま、何がわかっているのか? (PDF) - 環境省地球環境局総務課研究調査室
- 感染性疾患: メルクマニュアル
腎・泌尿器系の疾患
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疾患 |
糸球体病変 |
急性糸球体腎炎 | IgA腎症 | 急速進行性糸球体腎炎 | 慢性糸球体腎炎
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ネフローゼ症候群 |
原発性 |
微小変化群 | 巣状糸球体硬化症 | 膜性腎症 | 膜性増殖性糸球体腎炎
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遺伝性腎炎 |
アルポート症候群 | 良性家族性血尿
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尿細管機能障害 |
ファンコーニ症候群 | バーター症候群 | ギッテルマン症候群 | リドル症候群 | 尿細管性アシドーシス | 腎性糖尿 | 尿細管間質性腎炎
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続発性腎障害 |
膠原病 |
全身性エリテマトーデス | 全身性強皮症 | シェーグレン症候群
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糖尿病性腎症 | 痛風腎 | クリオグロブリン血症 | アミロイドーシス | 溶血性尿毒症症候群
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腎循環障害 |
腎血管性高血圧症 | 腎梗塞 | クルミ割り現象
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泌尿器疾患 |
機能障害 |
膀胱尿管逆流 | 神経因性膀胱 | 水腎症 |
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先天異常 |
多発性嚢胞腎(常染色体優性多発性嚢胞腎 | 常染色体劣性多発性嚢胞腎) | 尿管異所開口 | 重複腎盂尿管 |ポッター症候群
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感染症 |
腎盂腎炎 | 腎膿瘍 | 膀胱炎 | 腎結核
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尿路結石 |
膀胱結石
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腫瘍 |
腎細胞癌 | 腎盂腫瘍 | 尿管腫瘍 | 前立腺肥大症 | 前立腺癌 | 精巣腫瘍 | 陰茎癌 |腎芽腫
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性器の疾患 |
前立腺炎 | 停留精巣 | 精巣捻転 | 包茎 | 勃起不全
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病態・症状 |
腎不全 |
急性腎不全 |
急性尿細管壊死
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慢性腎臓病 |
慢性腎不全 | 尿毒症
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尿所見異常 |
乏尿 | 無尿 | 多尿 | 頻尿 | 血尿 | タンパク尿 | 尿円柱
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尿閉 |陰嚢腫大
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検査 |
腎機能検査 |
糸球体濾過量 | クレアチニンクリアランス | ナトリウムクリアランス | 尿中ナトリウム排泄率 | 腎不全指数
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腹部X線写真 | 腎盂造影 | レノグラム | 腎生検
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腎・泌尿器系の正常構造・生理 |
腎臓 |
肉眼解剖 |
尿細管 |
近位尿細管 - ヘンレループ(下行脚 - 細い上行脚 - 太い上行脚) - 遠位尿細管 - 集合管 - 腎盤 ( - 尿管)
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腎循環 |
腎動脈 - 傍尿細管毛細血管 - 輸入細動脈 - (糸球体) - 輸出細動脈 - 直細動脈 - 腎静脈
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ゲロタ筋膜
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顕微解剖 |
ネフロン |
腎小体 |
糸球体 |
毛細血管 | 糸球体内メサンギウム細胞 | ボーマン嚢
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傍糸球体装置 |
緻密斑 | 傍糸球体細胞 | 糸球体外メサンギウム細胞
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尿細管
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生理学 |
アシドーシスとアルカローシス | 膠質浸透圧 | 糸球体濾過量 | 腎血漿流量 | クレアチニンクリアランス
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生化学 |
バソプレッシン | アルドステロン | 心房性ナトリウム利尿ペプチド | エリスロポエチン | レニン-アンジオテンシン系
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尿路 |
肉眼解剖 |
尿管 - 膀胱 - 尿道
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顕微解剖 |
移行上皮
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生殖器系 |
女性器 |
尿道 - 陰核 - 陰裂 - 陰核亀頭 - 陰核亀頭冠 - 陰核包皮 - 陰核小帯 - 外陰部 - Gスポット - 処女膜 - 陰唇 - 大陰唇 - 小陰唇 - 膣 - 膣口 - スキーン腺 (分泌:スキーン腺液) - バルトリン腺 (分泌:バルトリン腺液) - 子宮頸部 (分泌:子宮頚管粘液) - 子宮 - 子宮内膜 - 卵管 - 卵巣 - 中腎傍管 (ミュラー管) - 下り物 - 膣分泌液
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男性器 |
尿道 - 陰茎 - 陰茎亀頭 - 陰茎亀頭冠 - 海綿体 - 陰茎ワナ靭帯 - 陰茎包皮 - 陰茎小帯 - 陰嚢 - 精索 - 精巣上体 - 精細管 - セルトリ細胞 - 精巣輸入管 - 輸精管 - 精嚢 - 射精管 - 前立腺 (分泌:前立腺液) - 尿道球腺 (分泌:尿道球腺液) - 精巣網 - 精巣 - 中腎管 (ウォルフ管)
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 感染症 エボラの次は脳を侵すATCV-1 現代人の免疫力低下も発症の一因 (世界経済2015) -- (新興国と資本主義の未来)
- 感染症 「水際作戦」には限界あり 15年も続く感染症の恐怖 (特集 2015総予測 : バブルがやってくる!) -- (暮らし・社会)
- 症例 Mycobacterium fortuitumとMycobacterium aviumによる同時肺感染症の1例
- 麻疹・風疹のワクチン : 麻疹排除の維持と風疹排除に向けて
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- NIID国立感染症情報センターのサイトは 新しいサイトはhttp://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html になります。新サイトでは研究所の概要、おしらせ、感染症情報、研究・検査・病理対管理、サーベランス他の情報を提供しています。
- 感染症・予防接種情報について紹介しています。 ... 2014年01月08日更新 指定地域(鳥インフルエンザの発生のない国・地域)のリストを更新しました 2013年12月25日掲載
- 旅行に伴う感染症について ... 監修:海外勤務健康管理センター 所長代理 濱田篤郎先生
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- 次の文を読み、 56-58の問いに答えよ。
- 75歳の男性。不穏状態のため家族に伴われて来院した。
- 現病歴 3年前からParkinson病の診断で内服治療中であった。 1週前から水様下痢と微熱とがあり、食欲がなく水分摂取も不十分であった。 3日前から内服をすべて中断している。昨日から39℃台の発熱が出現し、身体が硬くなって起き上がることができなくなった。眼前に小さな虫がいると言い、振り払うような動作を繰り返し、徐々に不穏状態となってきた。
- 既往歴 5年前から脂質異常症で内服治療中。
- 生活歴 72歳の妻との2人暮らし。喫煙は20歳から20本/日を30年間。飲酒は週に1回、日本酒2台程度。
- 家族歴 特記すべきことはない。
- 現 症 意識レベルはJCS II-20。身長164cm、体重52kg。体温39.2℃。脈拍124/分、整。血圧86/60mmHg。口腔内は乾燥している。四肢に強い筋強剛があり、右上肢に静止時振戦を認める。腱反射は正常である。
- 検査所見:血液所見:赤血球 508万、Hb 14.8g/dl、Ht 48%、白血球 9,500、血小板 22万。血液生化学所見:血糖 86mg/dl、HbA1c 5.1%(基準4.3-5.8)、総蛋白 7.2g/dl、アルブミン 3.8g/dl、尿素窒素 56mg/dl、クレアチニン 1.4mg/dl、尿酸 8.9mg/dl、総コレステロール 160mg/dl、トリグリセリド 156mg/dl、総ビリルビン 1.0mg/dl、 AST 86IU/l, ALT 40IU/l、 LD 420IU/l(基準176-353)、ALP 180IU/l(基準115-359)、CK 820IU/l(基準60-196)、Na 147mEq/l、K 4.2mEq/l、Cl 101mEq/l、Ca 9.2mg/dl。CRP 1.2mg/dl。胸部エックス線写真に異常を認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [105B055]←[国試_105]→[105B057]
[★]
- 67歳の男性。全身の衰弱を心配した家族に伴われて来院した。
- 現病歴: 3か月前から徐々に体重が減少し、 2か月前から外出できなくなり、 1週前からは家族の介助がないと立ち上がれなくなった。患者本人は受診を嫌がっていたが、 2日前からはほとんど食事が摂れず、トイレまで歩くこともできなくなったため受診に同意した。
- 既往歴:健康診断は受けていない。
- 生活歴:喫煙は60本/日を47年間。飲酒は日本酒1-2合/日を47年間。
- 家族歴 :父親が高血圧症で、脳梗塞のため82歳で死亡。
- 現 症:意識は清明。身長165cm、体重42kg。体温37.6℃。脈拍120/分、整。血圧96/62mmHg。呼吸数16/分。 SpO2 95%(room air)。眼瞼結膜に貧血を認めない。頸静脈の怒張を認めない。右の前胸部、背部および側胸部で呼吸音が減弱している。 coarse cracklesを聴取しない。皮膚のツルゴールが低下している。下腿に浮腫を認めない。
- 検査所見:血液所見:赤血球394万、 Hb13.1g/dL、 Ht40%、白血球11,700(好中球85%、好酸球1%、単球6%、リンパ球8%)、血小板50万。血液生化学所見:随時血糖181mg/dL、 HbA1c6.5%(基準4.3-5.8)、総蛋白7.3g/dL、アルブミン2.3g/dL、尿素窒素28mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、尿酸3.8mg/dL、総ビリルビン0.3mg/dL、 AST47IU/L、 ALT28IU/L、LD391IU/L(基準176-353)、ALP435IU/L(基準115-359)、 γ-GTP44IU/L(基準8-50)、 Na133mEq/L、 K5.0mEq/L、 Cl93mEq/L、 Ca9.6mg/dL。 CRP24mg/dL。胸部エックス線写真(別冊No. 4)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [106F027]←[国試_106]→[106F029]
[★]
- 56歳の女性。皮疹と筋力低下とを主訴に来院した。半年前から階段の昇降がつらくなり、しゃがみ立ちが困難になった。最近、上眼瞼に紫紅色の浮腫が、肘と膝関節との伸側に紅斑が出現した。半年間で5kg体重が減少した。身長161cm、体重37kg。体温37.6℃。脈拍80/分、整。血圧104/62mmHg。前額部、鼻唇溝、後頭部および後頸部に紅斑を認める。右頭部と両膝窩とに大豆大のリンパ節を触知する。心雑音はない。両側下肺野にfine cracklesを聴取する。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。徒手筋力テストで、頸筋3,両側の上下肢筋4。神経学的に異常所見はない。尿所見:蛋白(-)。便潜血1+。血液所見:赤沈25mm/1時間、赤血球366万、Hb10.9g/dl、白血球6,200、血小板20万。血清生化学所見:空腹時血糖100mg/dl、尿素窒素10mg/dl、クレアチニン0.3mg/dl、AST50単位、ALT32単位、CK148単位(基準10~40)。免疫学所見:CRP0.1mg/dl、抗核抗体80倍(基準20倍以下)。
- この患者で予想される合併症はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [100F046]←[国試_100]→[100F048]
[★]
- 27歳の女性。「訳の分からないことを言う」と父親に連れられて来院した。左前腕に数多くの注射痕が認められる。半年前から、同棲相手が歓楽街で買って使っていた薬を自分も使うようになった。薬は自分で静脈に注射していたと言う。当初は気分が高揚し、疲労感がなくなり、頭の回転が良くなるなど、快感を体験できていた。しかし、1か月前からは「殺してやる」という幻聴が現れ、いつもやくざにつけねらわれているという妄想にとりつかれている。
- 正しいのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G058]←[国試_101]→[101G060]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108I014]←[国試_108]→[108I016]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098G018]←[国試_098]→[098G020]
[★]
- 海外で未知の感染症が発生し、人から人への感染が疑われる症例が初めて報告された。この感染症は発熱を主な症状とし、致命率が高いとの情報がある。症例報告があった地域から帰国し、自宅に帰った者に対し健康監視を行う場合の機関はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107G007]←[国試_107]→[107G009]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108G025]←[国試_108]→[108G027]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [097G018]←[国試_097]→[097G020]
[★]
- a 百日咳 - 特有の咳が消失するまで
- b 麻疹 - 発疹が消失するまで
- c 流行性耳下腺炎 - 耳下腺の腫脹が消失するまで
- d 風疹 - 発疹が消失するまで
- e 水痘 - すべての発疹が痂皮化するまで
[正答]
※国試ナビ4※ [106B011]←[国試_106]→[106B013]
[★]
- a 生活保護法による医療扶助
- b 労働基準法による業務上疾病の治療
- c 麻薬及び向精神薬取締法による措置入院
- d 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律による措置入院
- e 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律による結核患者の入院
[正答]
※国試ナビ4※ [108B001]←[国試_108]→[108B003]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [096E040]←[国試_096]→[096E042]
[★]
- 2010年(平成22年)から2016年(平成28年)までの日本の妊産婦死亡の原因別頻度を以下に示す。
- ①はどれか。ただし、①~⑤はa~eのいずれかに該当する。
- a 感染症
- b 肺血栓塞栓症
- c 産科危機的出血
- d 心・大血管疾患
- e 心肺虚脱型羊水塞栓症
[正答]
※国試ナビ4※ [113C006]←[国試_113]→[113C008]
[★]
- 我が国の慢性透析患者の近年の傾向で正しいのはどれか。
- a 腎移植数は減少に転じた。
- b 5年生存率は低下している。
- c 死亡原因として感染症の比率が増加している。
- d 糖尿病性腎症による透析導入数は減少している。
- e 糖尿病患者と非糖尿病患者との間で5年生存率に差がない。
[正答]
※国試ナビ4※ [107B006]←[国試_107]→[107B008]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100G021]←[国試_100]→[100G023]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107I014]←[国試_107]→[107I016]
[★]
- WHOが公表した2015年の低所得国と高所得国における主な死亡原因の割合を示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [112F019]←[国試_112]→[112F021]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105D012]←[国試_105]→[105D014]
[★]
- 公費医療について規定されているのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [107G031]←[国試_107]→[107G033]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099D032]←[国試_099]→[099D034]
[★]
- ■症例
- 72歳 女性
- 現病歴:胸部の感染症にドキシサイクリンをGPに処方された。関節リウマチに長期間罹患しており、9年間、1日7mgのプレドニゾロンを服用している。関節痛のため時々パラセタモールを服用。GPが測定した血圧は138/82mmHgであった。抗菌薬を服用し始める2日前からはじまって5日間熱っぽく、食欲不振であり、ベットから動けないでいる。水は十分に飲ませている。5日目に傾眠傾向となり、起こすことが困難になったため、救急車で救急部に連れてきた。
- 主訴:傾眠
- 生活歴:単身。退職した娘が世話をするために引っ越してきている。
- 家族歴:なし。
- 身体所見 examination
- 小柄である(50kgと評価された)が、最近になって体重が減少したということはない。体温38.8℃。眠たそうであり、命令には応じる。簡単な質問にしか答えない。全身性に筋緊張低下。局所神経症状無し。脈拍:118/min。血圧:104/68mmHg。頚静脈圧上昇せず。足首に腫脹無し。肺底部にcrackles(ラ音)とwheezes(笛音)を認める。関節にわずかに活動性の炎症と変形が認められる。これは関節リウマチの既往と合う所見である。
- 検査 investigation
- ヘモグロビン:軽度低下。MCV:正常。白血球増多。ナトリウム低下。カリウム正常。尿素上昇。クレアチニン上昇。
- 問題0. □と○に入る言葉を述べよ
- 1) 傾眠とは□□障害に含まれる
- 2) 傾眠とは、刺激を与えなければ□□が低下するが、刺激を与えれば○○する状態である。
- 問題1. 患者に関連する以下の事項のうち何が傾眠と関係あるのだろうか?2つ選べ。
- 1) ドキシサイクリンの副作用
- 2) 関節リウマチの重症化
- 3) プレドニゾロンの服用歴
- 4) パラセタモールの服用歴
- 5) 胸部感染症
- 問題2. 異常な検査所見をどう説明しますか?口頭で述べてください。ぶっちゃけ、やや低血圧であることと、ナトリウム低値が着目点です。腎機能低下は二次的なものです。
- ■意識障害
- 意識障害 (PSY.38)
- 単純な意識障害
- 明識困難状態 < 昏蒙 < 傾眠 < 昏眠 < 昏睡
- ■傾眠
- 昏睡状態の分類の一つ
- ・somnolence
- 放置すれば意識が低下し、眠ったようになるが、刺激で覚醒する。病的な場合にのみ用いられる。(BET.130)
- sleepiness; also, unnatural drowsiness. A depressive mental state commonly caused by encephalitis, encephalomalacia, hepatic encephalopathy, hypoxia and some poisonings, e.g. Filix mas, the male fern.
- (Saunders Comprehensive Veterinary Dictionary, 3 ed. c 2007 Elsevier, Inc. All rights reserved)
- ・drowsiness
- 正常、病的の区別無く眠り込む状態(BET.130)
- a decreased level of consciousness characterized by sleepiness and difficulty in remaining alert but easy arousal by stimuli. It may be caused by a lack of sleep, medications, substance abuse, or a cerebral disorder.
- (Mosby's Medical Dictionary, 8th edition. c 2009, Elsevier.)
- ■意識障害を呈する患者に対してどのような疾患を鑑別に挙げるべきか?
- 1. 脳原発の疾患(一次性)
- a. テント上病変(脳幹の圧迫性病変ないし脳ヘルニアをきたす疾患)
- 1) 脳血管障害:脳出血、脳梗塞
- 2) 硬膜下血腫
- 3) 脳腫瘍:原発性、転移性
- 4) 脳膿瘍
- b. テント下病変(脳幹網様体の障害)
- 1) 脳幹出血、脳幹梗塞、小脳出血、小脳梗塞、脳腫痛、多発性硬化症など
- c. びまん性病変
- 1) くも膜下出血、中枢神経感染症:髄膜炎、脳炎、 播種性血管内凝固症候群など
- 2. 全身疾患に伴う病態(二次性)
- a. 代謝性またはびまん性病変
- 1) ショック:心筋梗塞、大出血など
- 2) 薬物、毒物
- 3) 無酸素ないし低酸素血症
- 4) DIC、全身性感染症:敗血症など
- 5) 肝不全、腎不全、糖尿病性高血糖、重症肝炎、内分泌疾患など
- 6) 低血糖、ビタミンB1欠乏: Wernicke脳症
- 7) 脳振盪、てんかん大発作後
- 8) 酸塩基平衡および電解質異常
- 9) 栄養障害
- 10) 低体温症
- b. 心因性無反応
- 1) ヒステリー、統合失調症
- ■低ナトリウム血症
- 血清ナトリウムが134mEq/L以下の病態。(正常の下限は135mEq/Lとされる)
- ・病因 ICU.525
- 循環血減少性低ナトリウム血症
- 利尿・副腎不全 :尿中Na > 20mEq
- 嘔吐・下痢 :尿中Na < 20mEq
- 等容量性低ナトリウム血症:細胞外液は増加していないが、水の方が多くなった状態。臨床的に浮腫が無い。
- SIADH :尿浸透圧 > 100 mOsm/L
- 心因性多飲症 :尿浸透圧 < 100 mOsm/L
- 循環血増加性低ナトリウム血症:細胞外液にナトリウムと水が増加しており、なおかつ水の方が多い病態
- 腎不全 :尿中Na > 20mEq
- 心不全・肝不全 :尿中Na < 20mEq
- ・症状
- 全身 :無力感、全身倦怠感
- 消化器:食欲不振、悪心・嘔吐
- 神経 :意識障害(傾眠、昏睡)
- 筋 :痙攣、腱反射低下、筋力低下
- ■アルドステロン
- 1. 腎の接合尿細管と集合管、唾液腺、乳腺、汗腺等に働いてNa+の再吸収を促進し、K+の排出(分泌)を促進する (SP.791,792 によれば、腎接合尿細管を含む)
- 2. 腎集合管でH+の排出(分泌)を促進する。
- Na+/K+-ATPase活性↑@遠位尿細管・皮質集合管 → 管腔側K↑ → K再吸収/H+分泌 (QB CBT vol2 p.360)
- ■副腎皮質球状層から分泌されるアルドステロンの分泌制御
- 1. レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系
- 2. 血清カリウム濃度上昇
- 3. ACTH(寄与は小さい)
- ■低アルドステロン症の症状と臨床検査
- 症状
- 脱水、低血圧、代謝性アシドーシス
- 検査
- 低ナトリウム血症、高カリウム血症
- 尿中ナトリウム高値、尿中カリウム低値
- 血中HCO3-低下
- ■起こっていることは何か?
- ステロイドの突然の中断による急性の副腎不全。特に低アルドステロン症が前面に出た病態。
- 副腎不全の原因(病期による分類)(BPT.793)
- 急性:ウォーターハウス・フリーデリクセン症候群、長期コルチコイド療法の突然の中断、慢性副腎不全患者へのストレス
- 慢性:(major)自己免疫性副腎炎、結核、後天性免疫不全症候群、転移性疾患(metastatic disease)
- (minor)全身性アミロイドーシス、真菌感染、ヘモクロマトーシス、サルコイドーシス
- 症状:
- グルココルチコイドの欠乏 :易疲労感、食欲不振、悪心・嘔吐、体重減少、脱力、嗜眠、低血圧
- ミネラルコルチコイドの欠乏:低血圧、低Na血症、高K血症、味覚の変化(塩分の故意食事を好むようになる)
- ■答え
- (第一パラグラフ)診断とその根拠
- ・二次性急性低アルドステロン症 secondary acute aldosteronism
- ・病因:本症例では、長期にわたるステロイドホルモンの使用により視床下部-下垂体-副腎軸の不全を来した。ステロイドホルモンを長期に使用している状態でステロイドホルモンの需要が高まったとき(感染、外傷(手術))、あるいは嘔吐などで経口ステロイドを服用できないときに起こる。
- ・症状:本症例では傾眠と低血圧として症状が現れている。
- (第二パラグラフ)
- ・本疾患の低ナトリウム血症の解釈 → (1)ナトリウム摂取の低下、(2)水分摂取による希釈
- ・視床下部-下垂体-副腎軸は障害を受けておらずナトリウムを補充する治療をすべき。
- ・一次性急性低アルドステロン症(addisonian crisis)では、鉱質コルチコイドと糖質コルチコイドの分泌不全がおこり、低ナトリウム血症と高カリウム血症を来す。
- ・二次性急性低アルドステロン症はしばしば間違ってaddisonian crisisと呼ばれる。
- (第三パラグラフ)
- ・感染の拡散も考慮すべき;一次部位が脳で髄膜炎か脳膿瘍を伴っている、あるいは局所的に肺膿瘍あるいは膿胸を起こしている。
- ・高齢とステロイドの服用ということで免疫力がある程度低下している。
- ・ステロイドの量が多いかもしれない。
- (第四パラグラフ)
- ・治療はすぐに経験的治療であるヒドロコルチゾンと生理食塩水の輸液を行う。
- ・患者は(治療に?)反応し、5時間以内に意識レベルは正常となった。そして血圧は上昇し136/78mmHgとなった。胸部X線では両側の肺に肺炎に一致する陰影が見られたが、それ以外に異常は認められなかった。
- ■KEY POINTS
- ・二次性低アルドステロン症はmedical emergency(医学的な緊急事態)である、すぐに経験的治療を行うことが求められる。
- ・長期にわたりステロイドを投与されている患者では、以下の時にステロイドを増量すべき;別の疾患を発症したとき。嘔吐を反復する場合には全身投与に切り替える。
- ■低アルドステロン症ってなによ
- http://enotes.tripod.com/hypoaldosteronism.htm
- ・時々、低アルドステロン症は副腎不全の唯一の、あるいは支配的な徴候である
- ・アルドステロンの生合成の障害 → まれ
- ・アルドステロン生合成の部分的欠損 → 21-ヒドロキシラーゼ欠損による先天性副腎皮質過形成の症状としての低アルドステロン症
- ▲特発性低アルドステロン症 idiopathic hypoaldosteronism
- 症状:高カリウム血症に続発する心ブロック、顕著な低ナトリウム血症の有無を問わず血液量不足に続発する体位性低血圧。
- 検査:血清アルドステロン低値。尿中アルドステロン低値。血清レニン高値。
- ▲低レニン低アルドステロン症
- 特発性低アルドステロン症より一般的な低アルドステロン症
- 疫学:45歳以上の慢性腎臓病。
- 病因:
- ・腎臓病患者において腎臓の間質、尿細管に障害が存在 → レニン分泌能が低下。
- ・レニン分泌が低下する原因は分からないけど傍糸球体装置における障害が常に寄与している。
- ・NSAIDによるプログラスタンジン欠乏は、可逆的な低レニン低アルドステロン症の原因である。SP.793によればレニン分泌刺激 → Na+再吸収を亢進 だそうな。
- ・ヘパリン、カルシウムチャネルブロッカー、βブロッカーも原因となる。
- 症状:
- ・腎臓の障害が原因の低レニン低アルドステロン症患者では糖尿病が一般的みられる所見である。
- ・顕著な特徴は、慢性的で著明な高カリウム血症である。これは高血糖で突然に悪化する。???
- ・高Cl性代謝性アシドーシス+正常or低ナトリウム血症が常に存在
- 増悪因子:ナトリウム制限
- 検査:高カリウム血症、体液量の減少、かつ低ナトリウム血症が存在しているにもかかわらず低レニンであることが特徴的。
[★]
- ☆case34 てんかん発作
- ■症例
- 23歳 アフリカ-カリブ系 女性 銀行の店員
- 主訴:てんかん発作
- 現病歴:強直間代発作を2回起こしたところを母親が目撃していた。娘の行動は次第におかしくなり、また娘は自分のことを話している声が聞こえていた(幻聴)。最近、頭痛を訴えていた。体重が減少し、脱毛があった。盗汗と主に足と手の小関節に及ぶflitting 関節痛を訴えていた。服用薬なし。タバコ1日5-10本、アルコール10 unit/week(缶ビール(350ml)6本弱)
- 既往歴:特記なし(medical or psychiatric history)
- 家族歴:
- 生活歴:
- ・身体診断
- 意識:眠そうだが痛みに反応。頚部硬直:なし。頭髪:薄く斑状。体温38.5℃。リンパ節:たくさんの部位で触知。
- 心拍:104/分、整。血圧:164/102 mmHg。心血管系、呼吸器系、腹部:異常なし。
- 神経所見:focal anormalityなし(局所性異常)。乳頭浮腫:認めず。
- ・検査
- (血液生化学)
- 上昇:erythrocyte sedimentation rate、urea、creatinine
- 低下:hemoglobin、white cell count、platelet
- 正常:mean corpuscular volume、sodium、potassium、glucose
- (腰椎穿刺)
- 上昇:leukocytes、CSF protein
- 正常:CSF glucose
- (尿検査)
- 蛋白:+++。血尿:+++。赤血球:++。赤血球円柱:あり。
- (その他)
- 胸部X線:異常なし。ECG:洞性頻脈。頭部CT:正常。CSFグラム染色:陰性(光顕レベルで細菌なし)
- ■glossary
- fall out (毛髪などが)抜ける
- night sweat 盗汗、寝汗
- tonic-clonic generalized seizure 全般性強直間代発作
- flit vi (鳥・蝶など)すいすい/ひらひら飛ぶ、飛び回る、飛翔する。(人が)軽やかに通る、行き交う。(時が)(飛ぶように)すぎる。(幻想など)去来する、よぎる、(表情が)かすめる
- drowsy adj. 眠い。眠そうな。眠気を誘う。ものうい。眠ったような
- stiffness n. 堅いこと、堅ぐるしさ、がんこさ
- delirium tremens 振戦譫妄
- hypertensive encephalopathy 高血圧性脳症
- alopecia 脱毛症
- African-Caribbean アフリカ-カリブ系
- fit n. (病気の)発作。引きつけ、痙攣。(感情の)激発、一時的興奮、気まぐれ
- chorea n. 舞踏病
- recreational drug 耽溺性があり乱用される脱法薬物
- urgent adj. (物・事が)急を要する、緊急の、背拍質(pressing)。(~を)緊急に必要とする(in)。(S is ~ (with O1) for [in] O2)(人が)(O1(人)に)O2(物・事)をしつこく求める。(人に/~するように)催促する(for/to do)。(要求などが)執拗な。
- □てんかん発作
- ・新規発生したてんかん発作の原因(ICU.805-806)
- ・薬物中毒(テオフィリンなど)
- ・薬物からの離脱(アルコールなど)
- ・感染症(髄膜炎、膿瘍など)
- ・頭部外傷
- ・虚血障害(虚血あるいはびまん性)
- ・占拠性病変(腫瘍あるいは血腫)
- ・代謝性障害(肝性脳症、尿毒症性脳症、敗血症、低血糖、低ナトリウム血症、低カルシウム血症など)
- ・合併症(ICU.805-806)
- ・全身性てんかん発作の場合:高血圧、乳酸アシドーシス、高体温、呼吸障害、誤嚥、肺水腫、横紋筋融解、自傷、不可逆性の神経学的障害(30分間以上てんかん発作が持続した場合)
- ■可能性の高い診断
- 全身性エリテマトーデス systemic lupus erythematosus(SLE)
- ■鑑別診断のポイント
- 自己免疫疾患は多彩な症状を示す。そのため、個々の症状に着目して鑑別診断をあげるのではなく、症状や検査値の異常を総合的に見て判断する必要がある。
- ■解答
- (第1パラグラフ)SLEの病態
- 精神症状:(SLEは脳で血管炎を呈することで生じる)うつ(depression)、統合失調症様の精神病、痙攣(fits)、舞踏病(chorea)、脳梗塞/脊髄梗塞
- 脳脊髄液:白血球増多(leukopenia)、蛋白増加
- 血液:自己免疫性溶血貧血(Coombs'-positive hemolytic anemia)がありうる。白血球減少と血小板減少症は普通にみられる。
- 腎症状:ループス腎炎は普通に見られ、顕微鏡的血尿・タンパク尿、ネフローゼ、あるいは腎不全が現れるかもしれない。
- 関節症状:変形を伴わない関節痛(PIP関節(近位指節間関節)、MP関節(中手指節関節)、手関節)
- (第2パラグラフ)SLEの確定診断のための検査・治療
- ・すぐにすべきことは降圧薬、抗痙攣薬の投与
- ・確定診断のために次の検査を行っていく(もっとも、症例の提示された所見で(日本の?)SLEの診断基準を満たすけど)
- ・検疫血清検査:抗DNA抗体、C3、C4
- ・腎生検:ループス腎炎の程度を把握
- ・治療:活動性の感染がないことを確認 ← 薬物療法ではステロイドや免疫抑制薬を使うため
- ・ステロイド静脈内投与、あるいはシクロホスファミドなどの細胞毒性薬(cytotoxic agents)の投与
- ・重症、治療抵抗性だったら血漿交換を行う。
- ■鑑別診断 頭痛/精神病的様態(psychiatric features)/痙攣
- ・髄膜炎、脳炎
- ・レクリエーショナルドラッグの中毒(例えばコカイン)
- ・脳腫瘍
- ・急性のアルコール禁断症状:振戦譫妄
- ・高血圧脳症
- ■KEYPOINT
- ・SLEは特に若いアフリカ系-カリブ系に普通に一般的
- ・SLEでは主に神経症状と精神症状をを伴って現れることがある
- ・白血球低下と血小板の低下はしばしばSLEを示唆する
- □tonic-clonic seizure 強直間代発作
- 意識消失とともに全身の随意筋に強直痙攣が生じ(強直痙攣期tonic convulsion)、次いで全身の筋の強直と弛緩とが律動的に繰り返される時期(間代痙攣期clonic convulsion)を経て、発作後もうろう状態を呈する一連の発作。
- □350ml アルコール5%
- 350x0.05/10=1.75 unit
- □細胞毒性薬
- 免疫抑制薬や抗腫瘍薬として用いられる。
- antimetabolites
- アザチオプリン azathioprine
- メトトレキセート methotrexate
- ミコフェノール酸 mycophenolic acid, ミコフェノール酸モフェチル mycophenolate mofetil
- レフルノミド leflunomide
- alkylating agents
- シクロホスファミド cyclophosphamide
[★]
- 英
- dementia
- 同
- 痴呆、痴呆症、器質痴呆 organic dementia
- 関
- amyotrophic lateral sclerosis、ハチンスキー虚血スコア
定義
- いったん正常に発達した知的機能が持続的に低下し、複数の認知障害があるために社会生活に支障をきたすようになった状態。(参考1)
- 1. 知的機能が脳の器質性障害によって低下
- 2. 認知機能が選択的に障害された状態(PSY.312)
- 3. 記憶と判断力の障害を基本とする症候群(PSY.312)
認知症の概念
- 1. 記憶障害
- 2. 記憶以外の認知機能の障害
- 3. それらによる日常生活や職業生活の障害
- 4. 意識障害によらないこと
認知症と区別すべき病態
など
認知症の分類
-
-
- ピック病:行動の障害、人格変化。Pick球やPick細胞が存在
原因疾患
原因
- KPS.369
認知症症状
1. 中核症状
- 記憶障害:初期には記銘力、短期記憶から障害される。早期:エピソード記憶 → 重症:意味記憶
- 判断力低下
- 見当識障害
- 言語障害(失語)
- 失行
- 失認
2. 周辺症状
認知症と老化現象との違い
- 老化現象
- 体験の一部を忘れる ← ヒントを与えられると思い出せる
- 名前や日付などをとっさに思い出せる
- 日常生活に支障はない
- 物忘れに対して自覚がある
- 体験した全てを忘れる。最近の記憶がない ← ヒントを与えられてても思い出せない
- 時間や自分のいる場所が分からない
- 日常生活を営むことが困難
- 物忘れに対して自覚がない
検査
診断
|
アルツハイマー病
|
脳血管性認知症
|
ピック病
|
認知症
|
全般的認知症
|
まだら認知症
|
アルツハイマー病に類似。 早期には人格、注意力が障害され、 次第に記憶力も障害される。
|
人格
|
晩期に人格障害
|
保たれる
|
早期に人格障害
|
病識
|
なし(初期にはあり)
|
あり
|
なし
|
経過
|
進行性
|
動揺性、階段状に進行性
|
進行性
|
基礎疾患
|
特になし
|
高血圧、糖尿病、心疾患
|
特になし
|
画像検査
|
対称性の脳溝開大
|
脳実質内に脳梗塞巣
|
側頭葉と前頭葉の萎縮
|
機能画像検査
|
側頭葉、頭頂葉での代謝低下
|
前頭葉を中心とした多発性の脳代謝低下
|
前頭葉、側頭葉での代謝低下
|
treatable dementia
- 治療可能な認知症を診断しておく。根本的な治療が可能で、認知機能は可逆的である。
- → 治療できる認知症
治療
認知症高齢者を対象とした事業・施設
国試
[★]
- 英
- emerging infectious disease
- 関
- 感染症、再興感染症
- 新たにヒトでの感染が証明された疾患、あるいはそれまでその土地では存在しなかったが新たにそこでヒトの病気として現れてきたものなどとされています。原因が不明であった疾患のうち病原物質が明らかとなり、地域あるいは国際的に多くの人の健康に対して問題となるものも新興感染症の概念の中に含まれます。
一覧
-感染症
[★]
- 英
- vaccine
- 関
- 予防接種 immunization、感染症、感染症予防法、シードロット・システム。immunization
種類
副反応
風疹ワクチン
おたふくかぜワクチン
- 2-3週間後、まれに、発熱、耳下腺腫脹、咳、鼻水
- MMRの際に無菌性髄膜炎が数千人に一人
- 髄膜炎の症状:発熱、頭痛、嘔吐
学校伝染病、予防接種、ワクチン (学校伝染病、予防接種、ワクチン.xls)
日本で使われているワクチン
その他マイナーなワクチン
- 1ヶ月に1回、6ヶ月続けて。
- 適応は低体重児と免疫不全児だった気がする
接種間隔
参考
- 1. 国立感染症研究所 感染症情報センター:予防接種のページ
- http://idsc.nih.go.jp/vaccine/vaccine-j.html
- 2. 日本で接種可能なワクチンの種類 - 国立感染症研究所
- http://idsc.nih.go.jp/vaccine/atopics/atpcs003.html