カンピロバクター属
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| カンピロバクター | 
| C. フェタスの電子顕微鏡写真 | 
| 分類 | 
| 
| ドメイン | : | 真正細菌 |  
| 門 | : | プロテオバクテリア門 Proteobacteria
 |  
| 綱 | : | εプロテオバクテリア綱 Epsilonproteobacteria
 |  
| 目 | : | カンピロバクター目 Campylobacterales
 |  
| 科 | : | カンピロバクター科 Campylobacteraceae
 |  
| 属 | : | カンピロバクター属 Campylobacter
 |  | 
| 学名 | 
| Campylobacter Sebald and Véron 1963
 | 
| 種 | 
|  | 
カンピロバクター(Campylobacter)は、グラム陰性でらせん状に湾曲した形態を示す真正細菌の一属の総称である。一般的には1982年に食中毒菌として指定された Campylobacter jejuni と Campylobacter coli を指すなどカンピロバクター症の原因菌として呼ばれることが多い。
学名はギリシア語で「曲がった」を意味する形容詞καμπύλοςと、ラテン語で「細菌」を意味するbacterを合成したもので、「曲がった細菌」という意味を持つ。ラテン語の発音を転写すると、カンピュロバクテール(カンピロバクテル)である。
菌体は、長さ0.5 - 5µm、幅0.2 - 0.8µm程度の桿状であるが、全体がらせん状に1 - 2回ねじれたらせん菌であり、顕微鏡下ではS字状、またはカモメ状(seagull)に観察される。芽胞を形成せず、菌体の一端または両端に一本の極鞭毛を持ち、運動性がある。微好気性または嫌気性で、酸素濃度 3 - 15% 及び 30 - 37℃の条件で増殖する。菌種によっては二酸化炭素や水素ガスを発育に必要とするものがあるが、至適条件は菌株により異なる。乾燥には弱い。
目次
- 1 生態
- 2 カンピロバクター属菌
- 3 関連項目
- 4 脚注・参考文献
- 5 外部リンク
 
生態
カンピロバクター属菌は一般に動物の腸管、生殖器、口腔などに常在する、獣医師の間では家畜類の流産菌として約100年前から知られていた[1]。2007年現在、カンピロバクター属は17菌種 6亜種 3生物型を確認している[2]。一部 C. jejuni , C. coliはヒトの食中毒の原因となる。増殖に際し、炭素源としてアミノ酸や有機酸を利用し炭水化物は利用しない。また、硝酸塩を還元する[1]。
近年、世界的にキノロン系およびテトラサイクリン系薬剤に対する耐性獲得が報告されている。1993年 - 1994年の調査によれば耐性頻度は15% [3][4]。特に、薬剤投与歴のないヒトの下痢患者から耐性菌が分離されており、家畜由来の耐性菌であると考えられている[1]。
カンピロバクター属菌
- C. coli、C. concisus、C. curvus、C. fetus(タイプ種)、C. gracilis、C. helveticus、C. hominis、C. hyointestinalis、C. insulaenigrae、C. jejuni、C. lanienae、C. lari、C. mucosalis、C. rectus、C. showae、C. sputorum、C. upsaliensis
代表的菌種
- カンピロバクター・ジェジュニ (Campylobacter jejuni)
- 長さ0.5 - 5µm、幅0.2 - 0.4µm
- カンピロバクター・コリと共に、ヒトに胃腸炎症状を主とするカンピロバクター症を引き起こす。ヒトに感染するカンピロバクターの大半がこれである。続発的にギラン・バレー症候群を起こすことがある。
- 家畜、野鳥、野生動物、ヒトを宿主とする。
- カンピロバクター・コリ (Campylobacter coli)
- カンピロバクター・ジェジュニと同様の症状を引き起こす。ジェジュニと同じく、ヒトに感染して症状を引き起こすが、患者の糞便から検出されるのはまれである。
- 家畜、野鳥、サル、ヒトを宿主とする。
- カンピロバクター・フェタス (Campylobacter fetus)
- ヒトに感染すると、敗血症や心内膜炎、関節炎や髄膜炎を引き起こす。
- ウシ、ヒツジ、カメ、ヒトを宿主とする。
- Campylobacter sputrum
- ウシ、ヒトを宿主とする。
関連項目
脚注・参考文献
- ^ a b c カンピロバクター感染症 モダンメディア 51巻3号 2005
- ^ Campylobacter 属の分類 国立感染症研究所 感染症情報センター
- ^ カンピロバクター腸炎 The Topic of This Month Vol.20 No.5(No.231) 国立感染症研究所 感染症情報センター
- ^ キロノン剤に対する耐性株 1997年カンピロバクター血清型別レファレンスグループ
 
- 吉田眞一、柳雄介、吉開泰信編『戸田新細菌学』改訂33版(南山堂、2007年)ISBN 9784525160135
外部リンク
- カンピロバクターの分類と現状 (IASR Vol.27 p 170-171:2006年7月号) 国立感染症研究所 感染症情報センター
- 牛レバーはどの程度カンピロバクターに汚染されているのですか? 厚生労働省
- 百瀬愛佳:食品のカンピロバクター標準試験法 日本食品微生物学会雑誌 Vol.30 (2013) No.2 p.93-97, JOI:DN/JST.JSTAGE/jsfm/30.93
 
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 海外におけるカンピロバクター対策とわが国における適用性
- 岡村 雅史,内田 幸治,平良 和代,橋本 信一郎,森腰 俊亨,山木 陽介,渡邊 理
- 鶏病研究会報 47(1), 12-19, 2011-05-25
- NAID 10028219543
 
 
- カンピロバクター食中毒はなぜ減らないか?--キユーピーニュース2011年6月30日(第448号より)
 
Related Links
- A2 カンピロバクターは、家畜の流産あるいは腸炎原因菌として獣医学分野で注目されていた菌で、ニワトリ、ウシ等の家きんや家畜をはじめ、ペット、野鳥、野生動物などあらゆる動物が保菌しています。1970年代に下痢患者 ...
- 下痢等の症状があるか、もしくは一見健康そうな家畜(牛、豚、鶏)、あるいはペット(犬、猫)などの腸管内にもカンピロバクターは存在し、これらの動物の排泄物により汚染された食品や水を介して人に感染します。
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★リンクテーブル★
  [★]
- 58歳の女性。嘔吐、腹痛および下痢を主訴に来院した。今朝、自分で弁当を作って夫とピクニックへ行き、昼食の弁当とともに、道沿いで採った山菜、キノコ及び釣った魚をキャンプ場で焼いて食べた。その後、湧き水を沸かしてお茶を飲んだ。約1時間後、目の前が暗くなり、冷や汗をかいて涙が止まらなくなった。約4時間後から吐き気と腹痛とを自覚するとともに下痢が始まり、水を飲んでは嘔吐することを繰り返した。 7時間後、手掌に軽度のしびれを自覚し、頭がぼーっとするようになったため受診した。同行した62歳の夫も下痢をしたという。同じ弁当を昼に勤務先で食べた娘には特に症状がなかった。体温37.2℃。脈拍52/分、整。血圧114/58mmHg。発汗を認める。瞳孔径は両側2mmである。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、腹部全体に軽度の圧痛を認める。肝・脾を触知しない。腸雑音の亢進を認める。便は下痢便で、潜血を認めない。
- 原因として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106D027]←[国試_106]→[106D029]
  [★]
- 9歳の男児。発熱、腹痛および下痢を主訴に来院した。夏休みに少年野球の合宿に参加していた。合宿から帰宅した翌日の昼から38℃台の発熱、強い腹痛および頻回の水様下痢があり、血便が認められることもあったという。診察の結果、入院が必要と判断された。さらに患児以外の6名の少年が同様の症状を訴え入院となった。症状を有する全員が前日の昼に合宿打ち上げのバーベキューパーティーで鶏肉を食べたという。入院時の血液所見:赤血球425万、Hb 13.5g/dl、Ht 42%、白血球13,200(桿状核好中球8%、分葉核好中球66%、単球3%、リンパ球23%)、血小板24万。CRP 9.3mg/dl。腹部は平坦、軟で、腸雑音は軽度亢進している。臍周囲に圧痛を認める。入院2日目に腹痛と血便とは消失し、体温も37℃台と解熱傾向にある。
- 原因と考えられるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [107D056]←[国試_107]→[107D058]
  [★]
- 58歳の男性と55歳の女性の夫婦。本日午後11時に、下痢、嘔吐および腹痛を主訴に夫婦とも救急車で搬入された。夫は長期出張から午後8時に帰ったばかりであり、午後9時に夫婦揃って夕食をとった。妻によると献立は鍋物で、具材は冷凍にしておいた牡蠣、スーパーで本日午後に買った豆腐と野菜(春菊、ねぎ、もやし)であった。その他に米飯と市販の漬物と昨日妻が採った山菜の天ぷらで夫婦で同じ物を食べたという。午後10時ころより夫婦とも腹痛が出現し、症状が増悪したため救急車を要請した。
- 原因と考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110I044]←[国試_110]→[110I046]
  [★]
- 54歳の女性。早朝から腹痛、嘔吐および頻回の下痢が出現し来院した。一昨日夕食にすき焼きと生卵とを食べた。夫にも同様の症状がある。体温37.6℃。脈拍88/分、整。腹部全体に腸雑音の亢進がある。血液所見:赤血球395万、Hb 12. 9g/dl、Ht39%、白血球9,900、血小板26万。CRP5.2mg/dl(基準0.3以下)。最も考えられる起因菌はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [096D057]←[国試_096]→[096D059]
  [★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098G018]←[国試_098]→[098G020]
  [★]
- a 食中毒患者を診断したとき保健所長に届け出る。
- b サルモネラ菌による食中毒で発熱を起こすことはない。
- c 黄色ブドウ球菌食中毒の予防には食品の食前加熱が有効である。
- d カンピロバクターによる食中毒の潜伏期間は2~3週間である。
- e 我が国での食中毒による患者数では腸炎ビブリオによるものが最も多い。
 
[正答]
※国試ナビ4※ [114C011]←[国試_114]→[114C013]
  [★]
- 30歳の男性。吐き気と下痢とを主訴に来院した。午後10時に焼肉とおにぎりとを食べた。午前1時から嘔吐し始め、水様下痢を伴うようになり次第に増悪したため午前3時ころ受診した。体温36.2℃。脈拍80/分、整。
- 原因菌として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106I051]←[国試_106]→[106I053]
  [★]
- 14歳の男子。修学旅行の第2日の昼食に弁当を食べ、2時間ほどして水様性下痢と激しい嘔気・嘔吐とがあり、その後腹痛が出現してきたため来院した。発熱はなく、血便もない。同じ症状を訴えている同級生が多い。考えられる原因菌はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095G058]←[国試_095]→[095G060]
  [★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
 
  [★]
  [★]
- 関
- 食中毒
細菌性食中毒
|  |  | 科 | 属 | 種 | 法律 | 特徴 | 季節性 | 感染 | 毒素 | 症状 | 原因食品 | 潜伏期間 | 経過 | 治療 | 予防 | 
| 感染型 | グラム陰性桿菌 | 腸内細菌科 | サルモネラ属 |  | 再興感染症 |  |  | 新生児・乳児での接触感染 | 菌体内毒素 | 下痢(粘液、水様で緑色)、嘔吐、腹痛、急激な発熱(38-40℃) | レバー刺身、生肉、焼き鳥、生卵、ハム、ソーセージ、魚肉練り製品、乳製品、あん | 6-48時間(平均12時間) | 1-3日 | 対症療法 | 加熱、二次感染の予防(ネズミ、ゴキブリの駆除) | 
| グラム陰性らせん菌 |  | カンピロバクター属 | Campylobacter jejuni |  |  | 初夏(5-6月) | まな板、包丁などによる2次感染 | 菌体内毒素 | 下痢(水樣、腐敗臭)、腹痛、嘔吐、発熱、まれに敗血症 | 肉類、生乳、水(家畜の屎尿による汚染) | 2-5日(まれに10日) | 1-2週間 | 対症療法、エリスロマイシン | 加熱、ペットからの感染予防 | 
|  | Campylobacter coli |  |  | 
| グラム陰性桿菌 | 腸内細菌科 | サルモネラ属 | チフス菌 |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  | 
| グラム陰性桿菌 | 腸内細菌科 | サルモネラ属 | パラチフス菌 |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  | 
| グラム陰性桿菌 | 腸内細菌科 | シゲラ属 | 赤痢菌 |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  | 
| 生体内毒素型 | グラム陰性桿菌 | ビブリオ科 | ビブリオ属 | コレラ菌 |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  | 
| グラム陰性桿菌 | 腸内細菌科 | エシェリキア属 | 腸管出血性大腸菌 | 3種感染症 |  |  | 経口感染 | ベロ毒素 | 激しい腹痛を伴う頻回の水樣便、溶血性尿毒症候群や脳症の合併により重症化 | 加熱不足の牛肉の摂食(牛乳、フルーツ、汚染野菜) | 3-4日 |  |  | 75℃1分の加熱で菌は死滅する | 
| グラム陰性桿菌 | ビブリオ科 | ビブリオ属 | 腸炎ビブリオ |  | 耐熱性毒素、好塩菌、真水、酸に弱い | 夏季 | 生板・包丁などによる二次感染。成年男子に多い |  | 激しい下痢(水様、粘血便)、上腹部激痛、発熱(-38℃) | 刺身、漬け物 | 10-20時間(平均13時間) | 2-3日 | 対症療法 | 加熱(60℃, 10分)、冷蔵(10℃以下)、水洗い。まな板、包丁の洗浄 | 
| グラム陽性桿菌 |  | クロストリジウム属 | ウェルシュ菌 |  | 土壌、水、ヒトおよび動物の腸管に常在、嫌気性菌、芽胞形成 |  |  | エンテロトキシン | 下痢、腹痛、吐き気 | 畜肉および魚肉とその加工品、動物性蛋白質を用いて調理後、長期保存されていた食品(カレー、シチューなど) | 8-22時間 |  |  | 肉類、魚介類の脹内容物からの汚染防止。長時間保存する場合、加熱調理後冷蔵庫内にて保存。再加熱を十分に行う。 | 
| 毒素型 | グラム陽性桿菌 |  | バシラス属 | セレウス菌 |  | 芽胞形成、芽胞形態で自然に広く存在。食品腐敗変敗細菌 |  |  | エンテロトキシン | 嘔吐型: 吐き気、嘔吐 | 米飯、チャーハン、スパゲティ | 1-5時間 |  |  | 低温保存、長期保存を避ける | 
|  |  |  |  | 下痢型: 下痢 | 食肉製品、スープ、プリン、野菜 | 8-12時間 |  |  | 
| グラム陽性桿菌 |  | クロストリジウム属 | ボツリヌス菌 |  | 嫌気性細菌、致命率が高い。芽胞形成。 |  |  | ボツリヌス毒素(80℃, 数分で無毒化) | 悪心、吐き気、めまい、頭痛、腹痛、下痢。眼症状(眼瞼下垂、複視、視力低下、瞳孔散大)、神経・筋症状(言語障害、嚥下障害、呼吸困難) | 缶詰、瓶詰(魚、獣肉、野菜、果実)、いずし、ハム、ソーセージ、からしレンコン) | 12-36時間 |  | 抗毒素血清治療 | 野菜などの水洗い、魚の内臓による汚染を防ぐ | 
| グラム陽性球菌 |  | スタフィロコッカス属 | 黄色ブドウ球菌 |  | ヒト常在菌(皮膚、口腔、粘膜、鼻咽頭粘膜)。化膿傷、咽頭炎、ニキビ、風邪の症状時には病巣となる |  |  | 耐熱性エンテロトキシン | 激しい吐き気、嘔吐、腹痛、下痢 | おにぎり、柏餅、シュークリーム、生クリーム | 0.5-6時間 | 1-3日 |  | 化膿巣のある人を調理に従事させない。低温保持(5℃以下) | 
食中毒菌
|  | 起炎菌 | 潜伏期間 | 原因食 | 発熱 | 腹痛 | 嘔気・嘔吐 | 下痢 | その他 | 
| 感染性食中毒 | 腸炎ビブリオ | 5-24hr 平均10hr
 | 魚介類(加工品) 6-9月に多い
 | ++ | +++ | ++ | +++ | ショック 心筋障害
 | 
| サルモネラ | 7-72hr 平均12-24hr
 | 肉、卵、サラダ | +++ | ++ | + | ++ | ショック 敗血症
 | 
| カンピロバクター | 2-5日 | 鶏肉、牛肉、牛乳 5-7月に多い
 | ++ | + | ++ | ++ |  | 
| 病原性大腸菌 | 1-3日 平均24hr
 | 牛肉が多い | ++ | + | ++ | + |  | 
| 毒素性食中毒 | ブドウ球菌 | 0.5-6hr 平均3hr
 | 乳製品、かまぼこ、氷小豆、 夏季に多い
 | ± | + | +++ | + | エンテロトキシンによるショック | 
| ボツリヌス菌 | 2hr-8日 | いずし、キャビア | - | + | + | ± | 神経症状 眼症状
 | 
  [★]
- 英
- pyrexia
- 同
- 熱 fever, thermogenesis
- 関
- 熱型、≠高体温(体温調節機構の破綻による)、不明熱
- ジェネラリスト診療が上手になる本 p.9
概念
分類
- 微熱:37.5℃以上 37.0~37.9℃(YN.)
- 発熱:38.0℃以上
- ジェネラリスト診療が上手になる本 p.9
- 37.1~38.0℃:微熱
- 38.1~38.5℃:軽度発熱
- 38.6~39.0℃:中等度発熱
- 39.1℃~:高熱
小児
病態生理
- 発熱サイトカイン(IL-1, TNF)が視床下部に作用してPGE2の産生を亢進し、PGE2により体温調節中枢を司る細胞内のcAMP濃度が上昇することでの体温セットポイントがあがる。
熱源の精査
- 咽頭、肺、胆道系、泌尿器系、皮膚・軟部組織(蜂窩織炎、褥瘡)
疾患と発熱
膠原病と発熱
発熱40℃(PMID 8107744)
発熱の後に関節炎(PMID 8107744)
原因不明の熱の鑑別
- 感染症
- 腫瘍
- 膠原病
- 薬剤熱 → 比較的元気、比較的徐脈、比較的CRP
- 体温1℃上昇に付き心拍数20上がる。これ以上の上昇が見られる場合、敗血症を疑う。  ←  1℃に付き10上がるという資料もあり(比較的徐脈)
発熱を伴う内科的緊急疾患
- 内科レジデントの鉄則 第2版 p.6
院内における発熱の鑑別疾患
- 感染性 :肺、泌尿器、褥瘡、クロストリジウム・ディフィシル感染症、カテーテル関連感染症
- 非感染性:薬剤熱、偽痛風、深部静脈血栓症
小児科における発熱の原因
| 年齢 | 原因 | 
| 乳児(生後3ヶ月未満) | 敗血症、細菌性髄膜炎、尿路感染症、肺炎、B群溶連菌感染、グラム陰性桿菌 | 
| 乳児(生後3ヶ月以降) | ウィルス感染(突発性発疹などの発疹性疾患)、中耳炎、尿路感染症、消化器・呼吸器疾患、川崎病 | 
| 幼児、学童期 | 溶連菌感染症、伝染性単核球症、膠原病、factitious fever(詐病)、学校での感染症の流行 | 
- 乳児における中耳炎、尿路感染症は症状が発熱であることが多く原因が追及しづらい。鼓膜を観察したり、尿の培養をすることが重要かもしれない。
小児における発熱
- SPE.63
新生児・乳児における発熱
see also step beyond resident 2 救急で必ず出会う疾患編 p.20
- 3ヶ月未満は免疫力が弱く重症細菌感染症にかかりやすい。
- 生後   :対処
- 0-1ヶ月 :入院。血液検査・各種培養検査を。
- 2-3ヶ月 :外来で小児科医が診察し、血液検査で細菌感染が疑われれば入院
- 4-6ヶ月 :外来で小児科医が診察し、発熱以外に所見がなければ、十分な水分摂取を指示し、翌日再診を。
- 6ヶ月以降:食欲・機嫌がよければ、翌日再診を。
漢方医学
[show details]
- 臨床医の漢方治療指針より
|  | 実熱 | 虚熱 | 
| 発病 | 急速に発病 | 緩徐に発病 | 
| 症状 | 悪寒、高熱 顔面紅潮
 苦痛あり、四肢運動多
 声大きく明瞭
 口渇強い
 便秘
 色調濃い尿
 | 軽度悪寒、熱覚 顔面蒼白
 苦痛少なく、静かに臥床
 声小さい
 口渇少ない
 軟便、下痢
 薄い色調の尿
 | 
| 脈 | 早く大きく、緊張 | 小さく早く、緊張なし | 
| 舌苔 | 厚くて乾燥、白~黄~褐色 | 薄くて白い、無苔、鏡面舌 | 
| その他 | 頭痛、関節痛、無汗~発汗 | 倦怠感、眩暈感、盗汗 | 
| 実熱 | 麻黄湯 | 悪寒、発熱、頭痛、関節痛 | 
| 葛根湯 | 悪寒、発熱、頭痛、肩背部のこり | 
| 小柴胡湯 | 午後からの発熱、食欲不振、口の苦み | 
| 柴胡桂枝湯 | 詳細孤島の症状、関節痛、腹痛 | 
| 大柴胡湯 | 胆嚢炎、便秘 | 
| 柴陥湯 | 詳細孤島の症状、咳嗽、胸痛 | 
| 黄芩湯 | 発熱、腹痛、下痢 | 
| 虚熱 | 桂枝湯 | 発熱、軽度の頭痛、発汗 | 
| 桂麻各半湯 | 発熱、発疹 | 
| 参蘇飲 | 発熱、食欲不振、咳嗽、あつがる | 
| 柴胡桂枝乾姜湯 | 微熱、上半身の自汗、盗汗、食欲不振、背部の冷汗 | 
| 竹じょ温胆湯 | 発熱、咳嗽、不眠 | 
| 補中益気湯 | 微熱、倦怠感、食欲不振、盗汗 | 
| 滋陰降火湯 | 微熱、下半身の脱力感、盗汗、咳嗽 | 
| 滋陰至宝湯 | 微熱、倦怠感、食欲不振、精神不安定状態 | 
| 真武湯 | 陰病、微熱、食欲不振、倦怠感、いつも寝ている | 
| 麻黄細辛附子湯 | 陰病、微熱、寒がる | 
 
  [★]
- 英
- food poisoning, foodborne intoxication
- 同
- 食あたり、食品中毒
- 関
- 食品衛生法
定義
- 食品や水の媒介によって起こる急性胃腸炎および神経障害などの中毒症の総称
原因
毒物
寄生
原因
| 微生物 | 細菌 | 感染型 | 感染型 | 
| 生体内毒素型 | 
| 毒素型 |  | 
| ウイルス |  |  | 
| 真菌 |  |  | 
| 自然毒 | 植物性 |  |  | 
| 動物性 |  |  | 
| 化学物質 | 食品添加物、農薬、有害物質 |  |  | 
| その他 | 寄生虫 |  |  | 
- →食中毒菌
原因物質、原因食品の判明率
参考
予防
  [★]
- 英
- infectious colitis
  [★]
- 英
- Campylobacter
- 関
- 細菌
- らせん状グラム陰性菌
- 人畜共通感染症
- コルク栓抜き様運動
- 微好気性細菌:酸素濃度3-5%下で良好な増殖
- 診断:分離培養 Skirrow培地(ポリミキシンB,トリメトプリム,バンコマイシンなど)
カンピロバクター属
  [★]
- 英
- Campylobacter infection
- 同
- Campylobacter感染症、カンピロバクター感染、カンピロバクター症 campylobacteriosis
- 関
- カンピロバクター属、カンピロバクター腸炎
  [★]
- ラ
- Campylobacter fetus、C. fetus
- 関
- カンピロバクター・フィタス
  [★]
- ラ
- Campylobacter fetus
- 関
- カンピロバクター・フィータス
  [★]
- ラ
- Campylobacter rectus、C. rectus
  [★]
- 関
- ST合剤
スルファメトキサゾールとトリメトプリムの合剤
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/6290100D1088_1_01/6290100D1088_1_01?view=body
- ニューモシスチス肺炎予防のためのスルファメトキサゾール・トリメトプリム投与量の検討
- http://www.jrs.or.jp/quicklink/journal/nopass_pdf/ajrs/006020053j.pdf
  [★]
- 英
- donkey
- 関
- ウマ、シマウマ、ウマ科、ラバ