- 英
- pulmonary edema
- 同
- 肺浮腫
- 関
概念
病型
病因
治療
- HIM.1706
- 利尿薬
- 硝酸薬
- モルヒネ
- ACE阻害薬
- その他の薬物:
- 処置:座位(HIM.1707)。semi-fowler位
- ジギタリス配糖体
- 大動脈内バルーンパンピング IABP
- 頻脈の治療と房室再同期
- 肺胞液体クリアランスの刺激:βアゴニストの投与
- YN.I-123
- O2、PEEP
- semi Fowler位
- アミノフィリン、モルヒネ、フロセミド、時北リス、ドパミン、水制限
国試
- 心筋梗塞→左心不全→肺水腫:100D39、100D40
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肺水腫 |
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
J81. |
ICD-9 |
514 |
DiseasesDB |
11017 |
MedlinePlus |
000140 |
eMedicine |
med/1955 radio/581 |
MeSH |
D011654 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
テンプレートを表示 |
肺水腫(はいすいしゅ、pulmonary edema)とは、肺の実質(気管支、肺胞)に水分が染みだして溜まった状態をいう。溜まった水分により呼吸が障害され、呼吸不全に陥る。
目次
- 1 概要
- 2 原因
- 3 症状
- 4 検査所見
- 5 治療
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
概要[編集]
肺にはガス交換のための毛細血管が無数に走っている。毛細血管には元々小さな穴が開いており、血液中の水分(血漿)が血管外に染みだして灌流することにより、周囲の細胞に酸素や栄養分を補給し、老廃物を回収している。正常な状態では染み出す量と戻る量はつり合っているが、何らかの原因でバランスが崩れて染み出す量が上回ると、細胞のまわりは水浸しになり、やがて肺胞や気管支に水が溜まっていく。この状態が肺水腫である。
原因[編集]
肺水腫になるメカニズムには主に心臓疾患を原因とする内因性と外傷等を原因とする外因性がある。
内因性には3つの原因が考えられる。
- 血管内圧の上昇
- 毛細血管の内圧が上昇して、水分が外に押し出される状態。左心不全や僧帽弁狭窄症などが原因となる。
- 血漿膠質浸透圧の低下
- 血液中のタンパク質(アルブミン)が減少することにより血管内に水分を留めておけなくなり、血管外に流出する状態。肝硬変やネフローゼ症候群などが原因となる。
- 血管透過性の亢進
- 血管壁が水分を通しやすくなり、血管外へ漏出する状態。重症肺炎などが原因となる。
外因性には有毒ガスの吸入や感電、重症外傷が多い。
- 窒息剤、びらん剤などの化学兵器による物
- 感電、重症外傷による心不全、肺の毛細血管の損傷による物
- 薬物、覚せい剤の加熱吸引、燐化水素の吸引、サイアザイド系(チアジド系)利尿薬による急性アレルギーによる物
症状[編集]
検査所見[編集]
- 聴診 - 肺野全体に水泡性ラ音が聴取される。
- 胸部単純X線撮影 - 肺野全体の透過性が低下し、真っ白になる。肺葉間に水分が溜まり、vanishing tumorと呼ばれる腫瘤影がみられる。心不全を合併する場合は心陰影の拡大がみられる。
治療[編集]
原因疾患の治療とともに、肺に溜まった水を引く治療が必要である。
- 酸素投与 - 呼吸不全の対症療法。
- 利尿薬 - 体内の水分を尿として強制的に出すことにより、肺から水を引き出す。
- 強心薬 - 心不全を改善する。
関連項目[編集]
- 浮腫
- 心不全
- 呼吸不全
- ARDS
- ショック性肺症候群
外部リンク[編集]
|
ウィキメディア・コモンズには、肺水腫に関連するカテゴリがあります。 |
UpToDate Contents
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- 1. 非心原性肺水腫 noncardiogenic pulmonary edema
- 2. 心原性肺水腫の病態生理 pathophysiology of cardiogenic pulmonary edema
- 3. 神経原性肺水腫 neurogenic pulmonary edema
- 4. 急性非代償性心不全の治療:治療の要素 treatment of acute decompensated heart failure components of therapy
- 5. 高地肺水腫 high altitude pulmonary edema
Japanese Journal
- 患者,輸血製剤の双方に抗白血球抗体を検出した輸血関連急性肺障害の1症例
- 心原性肺水腫 (特集 NPPV(非侵襲的陽圧換気)の現状と課題)
- うっ血性心不全でフラットキープの指示が出ていますが,肺水腫による呼吸困難感があります.
Related Links
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★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、43、44の問いに答えよ。
- 57歳の男性。発熱と咳とを主訴に来院した。
- 現病歴 : 最近、仕事が忙しくて十分睡眠がとれない状況が続いていた。6日前から咳嗽と喀痰とが出現し徐々に増悪してきた。喀痰は黄色で膿性。3日前からは39℃台の発熱も加わり、全身倦怠感も出現してきた。胸痛と呼吸困難とはなかった。
- 既往歴 : 40歳時、健康診断で尿糖陽性を指摘されたが放置していた。
- 現症 : 意識は清明。身長163cm、体重62kg。体温39.2℃。呼吸数24/分。脈拍104/分、整。血圧146/84mmHg。胸部聴診で右下肺野にcoarse cracklesを聴取する。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖1+。血液所見:赤血球440万、Hb14.2g/dl、Ht44%、白血球14,500(後骨髄球2%、桿状核好中球20%、分葉核好中球45%、好酸球3%、単球5%、リンパ球25%)。
- 血清生化学所見:血糖124mg/dl、総蛋白6.6g/dl、尿素窒素18mg/dl、クレアチニン1.2mg/dl、総ビリルビン0.8 mg/dl、AST40単位、ALT35単位、LDH350 単位(基準176~353)。CRP15.6mg/dl。胸部エックス線写真を以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [099C043]←[国試_099]→[099C045]
[★]
- 次の文を読み、28~30の問いに答えよ。
- 68歳の男性。呼吸困難を訴えて来院した。
- 現病歴 : 4年前に慢性閉塞性肺疾患の診断を受け、定期的に診察を受けている。1週前に上気道炎に罹患し、その後呼吸困難が増悪した。
- 既往歴 : 特記すべきことはない。
- 生活歴:喫煙歴は40本/日を20歳から40年間。
- 現症 : 意識は清明。身長168cm、体重58kg。呼吸数24/分。脈拍120/分、整。血圧130/90mmHg。両側頚静脈の怒張を認める。胸部の聴診でⅡ音の亢進を認め、両肺に軽度のwheezesを聴取する。腹部では肝を右肋骨弓下に6cm触知する。下肢に浮腫を認める。神経学的所見に異常はない。
- 検査所見 : 血液所見:赤血球460万、Hb 15.0g/dl、Ht44%、白血球12,500、血小板42万。血清生化学所見:血糖170mg/dl、Na138mEq/l、K3.5mEq/l、Cl 110mEq/l。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.36、PaO2 54Torr、PaCO2 72Torr、BE+11mEq/l。
- 治療経過 : 経鼻酸素5l/分を開始し、静脈路を確保して利尿薬を投与した。30分後に意識レベルが低下してきた。
[正答]
※国試ナビ4※ [098C028]←[国試_098]→[098C030]
[★]
- 68歳の女性。易疲労感と咳嗽とを主訴に来院した。6か月前から左上葉肺癌で抗癌化学療法と放射線療法とを受けていた。2か月前に治療は終了し経過観察されている。2週間前から易疲労感と乾性咳嗽があり、次第に悪化したため受診した。身長 160cm、体重 58kg。体温 36.6℃。脈拍 88/分、整。血圧 126/80mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 96%(room air)。眼瞼結膜は軽度貧血様である。心音に異常を認めないが、左胸部で気管支呼吸音と軽度のwheezesを聴取する。血液所見:赤血球 389万、Hb 10.2g/dL、Ht 32%、白血球 5,800、血小板 25万。血液生化学所見:総蛋白 6.7g/dL、アルブミン 3.7g/dL、総ビリルビン 0.3mg/dL、AST 16U/L、ALT 13U/L、LD 273U/L(基準 176~353)、クレアチニン 0.9mg/dL、Na 143mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 105mEq/L、CEA 4.8ng/mL(基準 5以下)。CRP 1.3mg/dL。胸部エックス線写真(別冊No. 6A)と肺野条件の胸部CT(別冊No. 6B)とを別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111E040]←[国試_111]→[111E042]
[★]
- 次の文を読み、26、27の問いに答えよ。
- 19歳の女性。5日前からの嘔気と嘔吐とを主訴に来院した。
- 現病歴:症状は早朝と空腹時とに悪化する傾向がある。下痢や腹痛はない。
- 既往歴・生活歴:特記すべきことはない。最終月経は35日前から5日間。
- 現症:意識は清明。身長162cm、体重58kg。体温36.8℃。脈拍72/分、整。血圧102/68mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知せず、圧痛や抵抗を認めない。
- 検査所見:血液所見と血液生化学所見とに異常を認めない。
- 嘔気と嘔吐とが改善しないため1週後再受診した。意識は清明。体重56kg。体温37.2℃。脈拍108/分、整。血圧92/60mmHg。皮膚と口腔粘膜とは乾燥している。甲状腺に腫大と圧痛とを認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知せず、圧痛や抵抗を認めない。最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102F026]←[国試_102]→[102F028]
[★]
- 64歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。 4日前に左胸痛と息切れとが出現し、次第に増悪してきたため受診した。
- 体温36.2℃。脈拍100/分、整。血圧120/80mmHg。呼吸数20/分。 SpO2 92%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頚部リンパ節を触知しない。左胸部に呼吸音を聴取しない。
- 血液所見:赤血球420万、 Hb13.0g/dl、 Ht37%、白血球4,400(桿状核好中球5%、分葉核好中球60%、好酸球1%、好塩基球2%、単球7%、リンパ球25%)、血小板21万。CRP0.4mg/dl。来院時の胸部エックス線写真(別冊No. 4A)を別に示す。入院後、胸腔ドレーンを挿入したところ、直後から咳嗽と泡沫状の喀痰とが出現した。この時点の胸部エックス線写真(別冊No. 4B)を別に示す。
- 胸腔ドレーン挿入後の病態として正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106B043]←[国試_106]→[106B045]
[★]
- 88歳の女性。急に発症した右上下肢の麻痺を主訴に来院した。頭部 MRIで脳梗塞と診断された。入院後、脳梗塞の治療と経管栄養とを行っていた。時々嘔吐があり、むせることがあった。入院後 14日から 37℃台の発熱があり、咳嗽もみられ、胸部エックス線写真では両側下肺優位の浸潤影を認めた。抗菌薬を投与したが奏効せず、呼吸不全で入院後 28日に死亡した。死因や肺病変の診断を目的に病理解剖を行った。病理解剖の肺組織の H-E染色標本 (別冊 No.9A、B)を別に示す。
- 診断として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108E045]←[国試_108]→[108E047]
[★]
- 55歳の男性。夜間、突然の呼吸困難のため搬入された。5年前に拡張型心筋症の診断を受けている。喘鳴が著明でピンク色の泡沫状喀痰排出があった。マスクで酸素投与(6l/分)を開始した。呼吸数24/分。脈拍124/分、整。血圧98/78mmHg。動脈血ガス分析(自発呼吸):pH 7.28、Pa O2 68 Torr、Pa CO2 52 Torr。胸部エックス線写真は両側肺門部を中心に蝶形陰影を呈する。
[正答]
※国試ナビ4※ [103C024]←[国試_103]→[103C026]
[★]
- 18歳の女子。運動時の息切れと動悸とを主訴に来院した。3か月前から同症状を自覚している。呼吸数14/分。脈拍88/分、整。血圧120/72mmHg。右背部に連続性血管性雑音を聴取し、深吸気で増強する。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH7.41、PaO2 72.6Torr、PaCO2 33.6Torr。胸部エックス線写真を以下に示す。
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097D012]←[国試_097]→[097D014]
[★]
- 2歳の男児。熱傷の治療のため父親に伴われて来院した。昨晩9時ころ、山奥のキャンプ場で、熱湯で胸部と右上肢とに熱傷を受けた。冷水で冷やした後、今朝早く下山した。元気がなくぐったりしている。体温39℃。脈拍160/分、整。血圧78/40mmHg。熱傷面積は約20%で水疱形成がみられる。血液所見:赤血球560万、Hb18g/dl、Ht55%、白血球10,700、血小板36万。
[正答]
※国試ナビ4※ [097I033]←[国試_097]→[097I035]
[★]
- 36歳の女性。脊髄腫瘍のため1か月前から歩行不能であった。腫瘍摘出手術の翌朝、突然呼吸困難を自覚した。体温37.2℃。呼吸数28/分。脈拍100/分、整。血圧90/72mmHg。II音の亢進を認める。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH7.47、PaO2 50Torr、PaCO2 33Torr。胸部造影CTを以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G016]←[国試_101]→[101G018]
[★]
- 35歳の男性。潰瘍性大腸炎のため中心静脈栄養を開始することとなった。右鎖骨下静脈を穿刺して中心静脈路を確保した後、確認のため胸部エックス線撮影を行おうとしたところ呼吸困難を訴えた。右胸部で打診上鼓音であり、呼吸音が減弱している。考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102C022]←[国試_102]→[102C024]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108H015]←[国試_108]→[108H017]
[★]
- 4か月の乳児。鼠径ヘルニアの手術のため入院した。気管挿管による全身麻酔を開始したが、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)が徐々に低下してきた。
[正答]
※国試ナビ4※ [100I020]←[国試_100]→[100I022]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [112E008]←[国試_112]→[112E010]
[★]
- 胸部手術の合併症と症候の組合せで誤っているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101B103]←[国試_101]→[101B105]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [099D116]←[国試_099]→[099D118]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [097E035]←[国試_097]→[097E037]
[★]
- 小児で吸気時・呼気時の両方の胸部エックス線撮影を行うことが診断に最も有用なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095E031]←[国試_095]→[095E033]
[★]
- 胸部エックス線写真でKerley線が見られるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [103I005]←[国試_103]→[103I007]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100G092]←[国試_100]→[100G094]
[★]
- ☆case34 てんかん発作
- ■症例
- 23歳 アフリカ-カリブ系 女性 銀行の店員
- 主訴:てんかん発作
- 現病歴:強直間代発作を2回起こしたところを母親が目撃していた。娘の行動は次第におかしくなり、また娘は自分のことを話している声が聞こえていた(幻聴)。最近、頭痛を訴えていた。体重が減少し、脱毛があった。盗汗と主に足と手の小関節に及ぶflitting 関節痛を訴えていた。服用薬なし。タバコ1日5-10本、アルコール10 unit/week(缶ビール(350ml)6本弱)
- 既往歴:特記なし(medical or psychiatric history)
- 家族歴:
- 生活歴:
- ・身体診断
- 意識:眠そうだが痛みに反応。頚部硬直:なし。頭髪:薄く斑状。体温38.5℃。リンパ節:たくさんの部位で触知。
- 心拍:104/分、整。血圧:164/102 mmHg。心血管系、呼吸器系、腹部:異常なし。
- 神経所見:focal anormalityなし(局所性異常)。乳頭浮腫:認めず。
- ・検査
- (血液生化学)
- 上昇:erythrocyte sedimentation rate、urea、creatinine
- 低下:hemoglobin、white cell count、platelet
- 正常:mean corpuscular volume、sodium、potassium、glucose
- (腰椎穿刺)
- 上昇:leukocytes、CSF protein
- 正常:CSF glucose
- (尿検査)
- 蛋白:+++。血尿:+++。赤血球:++。赤血球円柱:あり。
- (その他)
- 胸部X線:異常なし。ECG:洞性頻脈。頭部CT:正常。CSFグラム染色:陰性(光顕レベルで細菌なし)
- ■glossary
- fall out (毛髪などが)抜ける
- night sweat 盗汗、寝汗
- tonic-clonic generalized seizure 全般性強直間代発作
- flit vi (鳥・蝶など)すいすい/ひらひら飛ぶ、飛び回る、飛翔する。(人が)軽やかに通る、行き交う。(時が)(飛ぶように)すぎる。(幻想など)去来する、よぎる、(表情が)かすめる
- drowsy adj. 眠い。眠そうな。眠気を誘う。ものうい。眠ったような
- stiffness n. 堅いこと、堅ぐるしさ、がんこさ
- delirium tremens 振戦譫妄
- hypertensive encephalopathy 高血圧性脳症
- alopecia 脱毛症
- African-Caribbean アフリカ-カリブ系
- fit n. (病気の)発作。引きつけ、痙攣。(感情の)激発、一時的興奮、気まぐれ
- chorea n. 舞踏病
- recreational drug 耽溺性があり乱用される脱法薬物
- urgent adj. (物・事が)急を要する、緊急の、背拍質(pressing)。(~を)緊急に必要とする(in)。(S is ~ (with O1) for [in] O2)(人が)(O1(人)に)O2(物・事)をしつこく求める。(人に/~するように)催促する(for/to do)。(要求などが)執拗な。
- □てんかん発作
- ・新規発生したてんかん発作の原因(ICU.805-806)
- ・薬物中毒(テオフィリンなど)
- ・薬物からの離脱(アルコールなど)
- ・感染症(髄膜炎、膿瘍など)
- ・頭部外傷
- ・虚血障害(虚血あるいはびまん性)
- ・占拠性病変(腫瘍あるいは血腫)
- ・代謝性障害(肝性脳症、尿毒症性脳症、敗血症、低血糖、低ナトリウム血症、低カルシウム血症など)
- ・合併症(ICU.805-806)
- ・全身性てんかん発作の場合:高血圧、乳酸アシドーシス、高体温、呼吸障害、誤嚥、肺水腫、横紋筋融解、自傷、不可逆性の神経学的障害(30分間以上てんかん発作が持続した場合)
- ■可能性の高い診断
- 全身性エリテマトーデス systemic lupus erythematosus(SLE)
- ■鑑別診断のポイント
- 自己免疫疾患は多彩な症状を示す。そのため、個々の症状に着目して鑑別診断をあげるのではなく、症状や検査値の異常を総合的に見て判断する必要がある。
- ■解答
- (第1パラグラフ)SLEの病態
- 精神症状:(SLEは脳で血管炎を呈することで生じる)うつ(depression)、統合失調症様の精神病、痙攣(fits)、舞踏病(chorea)、脳梗塞/脊髄梗塞
- 脳脊髄液:白血球増多(leukopenia)、蛋白増加
- 血液:自己免疫性溶血貧血(Coombs'-positive hemolytic anemia)がありうる。白血球減少と血小板減少症は普通にみられる。
- 腎症状:ループス腎炎は普通に見られ、顕微鏡的血尿・タンパク尿、ネフローゼ、あるいは腎不全が現れるかもしれない。
- 関節症状:変形を伴わない関節痛(PIP関節(近位指節間関節)、MP関節(中手指節関節)、手関節)
- (第2パラグラフ)SLEの確定診断のための検査・治療
- ・すぐにすべきことは降圧薬、抗痙攣薬の投与
- ・確定診断のために次の検査を行っていく(もっとも、症例の提示された所見で(日本の?)SLEの診断基準を満たすけど)
- ・検疫血清検査:抗DNA抗体、C3、C4
- ・腎生検:ループス腎炎の程度を把握
- ・治療:活動性の感染がないことを確認 ← 薬物療法ではステロイドや免疫抑制薬を使うため
- ・ステロイド静脈内投与、あるいはシクロホスファミドなどの細胞毒性薬(cytotoxic agents)の投与
- ・重症、治療抵抗性だったら血漿交換を行う。
- ■鑑別診断 頭痛/精神病的様態(psychiatric features)/痙攣
- ・髄膜炎、脳炎
- ・レクリエーショナルドラッグの中毒(例えばコカイン)
- ・脳腫瘍
- ・急性のアルコール禁断症状:振戦譫妄
- ・高血圧脳症
- ■KEYPOINT
- ・SLEは特に若いアフリカ系-カリブ系に普通に一般的
- ・SLEでは主に神経症状と精神症状をを伴って現れることがある
- ・白血球低下と血小板の低下はしばしばSLEを示唆する
- □tonic-clonic seizure 強直間代発作
- 意識消失とともに全身の随意筋に強直痙攣が生じ(強直痙攣期tonic convulsion)、次いで全身の筋の強直と弛緩とが律動的に繰り返される時期(間代痙攣期clonic convulsion)を経て、発作後もうろう状態を呈する一連の発作。
- □350ml アルコール5%
- 350x0.05/10=1.75 unit
- □細胞毒性薬
- 免疫抑制薬や抗腫瘍薬として用いられる。
- antimetabolites
- アザチオプリン azathioprine
- メトトレキセート methotrexate
- ミコフェノール酸 mycophenolic acid, ミコフェノール酸モフェチル mycophenolate mofetil
- レフルノミド leflunomide
- alkylating agents
- シクロホスファミド cyclophosphamide
[★]
- distress
- 英
- acute respiratory distress syndrome, ARDS
- 同
- 急性呼吸窮迫症候群、成人呼吸促迫症候群 adult respiratory distress syndrome
- 関
- 肺水腫
概念
- 様々な原因に続発する急性の肺損傷であり、その本態は血管内皮細胞が傷害されて生じた透過性肺水腫
- 侵襲により肺の非特異的炎症と肺微小血管内皮の透過性が亢進した非心原性肺水腫
- 心不全は除外する必要がある
病因
- IMD.743
- 胃内容物の誤嚥:22-36%
- 肺挫傷:17-22%
- 敗血症:35-45%
- 頻回の輸血:5-36%
- 多発性長管骨骨折:-%
- ICU.364
ARDSの原因と死亡率
- ICU.364
|
発生率(%)
|
死亡率(%)
|
敗血症
|
41
|
50
|
大量輸血
|
36
|
35
|
肺挫傷
|
22
|
12
|
胃内容誤嚥
|
22
|
21
|
多発骨折
|
11
|
9
|
薬物過量
|
9
|
4
|
全ての高リスク状態
|
26
|
19
|
疫学
病理
- 病理学的にはびまん性肺胞障害(DAD)である。
症状
診断
診断基準
- 1. 急性発症,
- 2. 胸部X線写真で両側浸潤影,
- 3. PaO2/FIO2≦200 50%O2を吸入させてもPaO2 100 mmHgにしかならないというイメージか
- 4. 左心不全の否定
- 上記を満たし、PaO2/FIO2≦300の軽症例は急性肺損傷 ALI acute lung injury、
ARDSとALI
|
経過
|
酸素化
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単純胸部X線
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肺動脈楔入圧
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ALI
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急性
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PaO2/FIO2≦300mmHg
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両側性の浸潤影
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≦18mmHg or 理学的に左房圧上昇を認めない
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ARDS
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急性
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PaO2/FIO2≦200mmHg
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両側性の浸潤影
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≦18mmHg or 理学的に左房圧上昇を認めない
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鑑別診断
検査
治療
- ICU.368- YN.I-121 参考3
- 呼吸管理:気管挿管し人工呼吸管理とする。 ⇔ 急性肺障害ではNIPPVでよい(低いPEEPで良いから。ARDSの場合はは高いPEEPが要求されるのであろう)。
- 低容量換気とする(機能している肺は減少しており、高用量換気では過膨張による末梢の肺胞を破壊しうる)。
- 管理目標:予測体重を利用した6ml/kgの一回換気量を維持する。30cmH2O未満の呼気終末プラトー圧を維持する。重症呼吸性アシドーシスを避ける。
- 高二酸化炭素許容:Paco2が60-70mmHgで動脈血pH 7.2-7.25ならば大多数の患者で安全。
- PaO2=50-80 or SpO2=88-95%となるように管理。
- PEEP:5-7cmH2Oを付与。
Oxygenation will be maintained in the target ranges using the following PEEP/FiO2 combinations:
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FiO2
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0.3
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0.4
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0.4
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0.5
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0.5
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0.6
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0.7
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0.7
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0.7
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0.8
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0.9
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0.9
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0.9
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1
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1
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PEEP(cmH2O)
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5
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5
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8
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8
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10
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10
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10
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12
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14
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14
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14
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16
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18
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18
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20-24
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- 循環管理:過剰輸液は肺水腫を増悪させるし、利尿剤による循環血液量減少は静脈圧低下から、(人工陽圧換気により)静脈還流量が減少し心拍出量の減少に繋がる。
- 心拍出量の維持のために輸液を行うが、輸液投与の適応がなければ、ドブタミンを投与する。(△血管拡張薬(肺内シャントを増加させガス交換を悪化させる。×ドパミン(肺静脈を収縮させる))
- 血液浄化療法:エンドトキシン吸着療法 + 血液透析:持続的血液濾過透析 敗血症性ショックに対して
- 薬物治療:
-
- (急性期?)ニューモシスチス肺炎、脂肪塞栓、敗血症性ショック。
- (発症後7-14日後)線維増殖期であり、生存率を改善する。コラーゲン分解を促進して線維化を防ぐ。
参考
- http://images.emedicinehealth.com/images/4453/4453-13253-51571-51631.jpg
- http://en.wikipedia.org/wiki/File:AARDS_X-ray_cropped.jpg
- 2. What Is ARDS? - NHLBI, NIH
- http://www.nhlbi.nih.gov/health/health-topics/topics/ards/
- 3. "Clinical Centers for the Clinical Network for the Treatment of the Adult Respiratory Distress Syndrome (ARDS)"
- http://www.nhlbi.nih.gov/funding/inits/archive/HR-01-01.htm
[★]
- 英
- heart failure, HF, cardiac failure CF, cardiac insufficiency
- 関
定義
- 心臓のポンプ能が低下しているために、十分な心拍出量が得られない状態を指す (EPT.115)
- 心筋の機能が低下し、末梢組織の酸素需要量に見合うだけの血液を駆出できなくなった状態。
- 心臓に器質的あるいは機能的異常が生じて、心臓のポンプ機能力が低下し、主要臓器の酸素需要量に見合うだけの血液を拍出できない病態(YN)。全ての心疾患の「終末像」である。あくまでも終末像のため、死亡診断書に死因と記載するのは不適切である。
分類
病期
原因
場所
病態の分類
病期分類
- No limitation of physical activity. Ordinary physical activity does not cause undue fatigue, palpitation, or dyspnea (shortness of breath).
- Slight limitation of physical activity. Comfortable at rest, but ordinary physical activity results in fatigue, palpitation, or dyspnea.
- Marked limitation of physical activity. Comfortable at rest, but less than ordinary activity causes fatigue, palpitation, or dyspnea.
- Unable to carry out any physical activity without discomfort. Symptoms of cardiac insufficiency at rest. If any physical activity is undertaken, discomfort is increased.
原因
- 虚血性心疾患、弁膜疾患、高血圧精神疾患、心筋虚血の順に多い。(IMD.790)
- 誘因としては過労、ストレス、感染、心拍数の異常、不整脈、水分・塩分の過剰摂取がある。
増悪因子
- ストレス
- 感染症:頻脈→心筋酸素需要↑
- 貧血 :心拍出量↑
- 妊娠 :心拍出量↑、体液量↑
- 甲状腺機能亢進症:甲状腺ホルモン(心臓のカテコラミン受容体増加)の陽性変力効果、陽性変時効果→心筋酸素需要↑
- 血圧上昇 :圧負荷
- 頻脈性不整脈:心筋酸素需要↑
table 9.3. 代償されている心不全において症状を誘発させる要因 PHD.240
- 代謝的需要の増加 → 心筋が十分に収縮できなくなる
- コントロールされていない高血圧 ←左心系
- 肺塞栓症 ← 右心系
- 陰性変力作用を持つ薬物
- 心筋虚血 or 心筋梗塞
- アルコールの摂取
症状
心不全の身体所見 IMD.791改変
- 右心不全での胸水:左心不全の後方障害で起こるが、右心不全でも上大静脈圧上昇により奇静脈系が上昇して胸水貯留を認める
- the pleural veins drain into both the systemic and pulmonary veous beds.(PHD.243)
治療
参考
- 2006年改訂版:http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2006_maruyama_h.pdf
- 2011年改訂版:http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2011_izumi_h.pdf
- 2. 慢性心不全治療ガイドライン(2010年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_matsuzaki_h.pdf
[★]
- 英
- dyspnea (M)
- 関
- 呼吸、呼吸苦、呼吸不全
概念
- 息が苦しいという自覚症状。呼吸時の不快な感覚である。呼吸苦とも記載されることがあるが、呼吸困難とする。息切れも同義とされている。
- 呼吸困難という自覚症状があるにもかかわらず、必ずしも呼吸不全という客観的な病態に陥っていないことがあるので注意。
原因疾患
鑑別診断
IMD
胸痛と呼吸困難
- 参考1
- 気胸、肺炎、胸膜炎、慢性閉塞性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患の悪化、肺癌などの肺疾患、心不全
参考
- 1. 肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2009年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_andoh_h.pdf
[★]
- 英
- chronic renal failure, CRF
- 関
- 腎不全、急性腎不全
概念
- 数ヶ月から数十年に及ぶ緩徐な経過で腎機能障害が進行し、末期腎不全に至る不可逆的疾患。
- 濾過される原尿の量が減少するので、血液中の不要物を排泄したり、電解質・水分の調節能が低下する。
定義 (日本人腎臓学会 CKD診断ガイド)
- 1.-2.のいずれか、または両方が3ヶ月以上持続する。
- 1. 尿異常、画像診断、血液、病理で腎障害の存在が明らか。特に尿蛋白が存在
- 2. GFR < 60 ml/min/1.73m3
病態
- カリウム↑:GFR低下によりカリウム分泌が不十分となる。
- リン↑:近位尿細管での排泄障害(YN.E-25)?、酸分泌障害?
- カルシウム↓:尿細管機能低下???により、PTHの作用を受けて遠位尿細管で再吸収されるべきカルシウムが排泄される。
- 細胞性免疫能の低下 → 結核のリスク(FSRFでは正常人比10倍)
- 出血傾向 → 尿毒症により凝固系機能低下
- 低カルシウム血症:
- 尿細管での再吸収不全、1,25-dihydroxy-vitamin D3不足により腸管からのCa吸収低下、無機リン増加によりカルシウムの減少([Ca][P]積が一定になるように保たれているらしい)、骨のPTHに対する感受性低下???(なぜ?)
慢性腎不全におけるカルシウムリン代謝
- PRE.355
- 上記の病態と矛盾する点があり。
症状
- 脳 :不眠、意識障害、麻痺
- 眼 :眼底出血、視力低下
- 口 :アンモニア臭
- 心臓:心膜炎、心筋症、心タンポナーデ
- 肺 :呼吸困難、咳、血痰
- 胃腸:嘔気、食欲低下、潰瘍
- 腎臓:
尿量減少? 尿濃縮能障害、等張尿(多尿、夜間尿)
- 血管:高血圧、動脈硬化
- 血液:貧血、高カリウム血症
- 末梢神経:感覚異常
- 皮膚:掻痒感
- 骨:腎性骨異形成症
検査
血液検査
治療
- 炭酸カルシウム製剤などのリン吸着薬。消化管の中で不溶性の塩を形成
国試
[★]
- 英
- interstitial pulmonary edema
- 同
- 組織間肺水腫
- 関
- 肺水腫、肺胞性肺水腫
[★]
- 英
- alveolar pulmonary edema
- 関
- 肺水腫、間質性肺水腫
[★]
- 英
- neurogenic pulmonary edema
- 関
- 肺水腫
[★]
- 英
- permeability pulmonary edema
[★]
- 関
- がん、腫瘍、腫瘤、良性新生物
[★]
- 英
- edema, hygroma
- 同
- 浮腫
[★]
- 英
- lung liquid
- 同
- 肺液