高血圧
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高血圧 |
分類及び外部参照情報 |
動脈性高血圧を示している自動血圧計(158mmHgの最高血圧、99mmHgの最低血圧、80bpmの心拍数を表示している)
|
ICD-10 |
I10.,I11.,I12.,
I13.,I15. |
ICD-9 |
401.x |
OMIM |
145500 |
DiseasesDB |
6330 |
MedlinePlus |
000468 |
eMedicine |
med/1106 ped/1097 emerg/267 |
MeSH |
D006973 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
テンプレートを表示 |
高血圧(こうけつあつ、Hypertension)とは、血圧が正常範囲を超えて高く維持されている状態である。高血圧自体の自覚症状は何もないことが多いが、虚血性心疾患、脳卒中、腎不全などの発症リスクとなる点で臨床的な意義は大きい。生活習慣病のひとつであり、肥満、高脂血症、糖尿病との合併は「死の四重奏」「syndrome X」「インスリン抵抗性症候群」などと称されていた。これらは現在メタボリックシンドロームと呼ばれる。
目次
- 1 定義(診断)
- 2 リスク分類
- 3 原因
- 4 分類
- 5 高血圧の合併症
- 5.1 脳血管障害
- 5.2 心臓疾患
- 5.3 腎臓疾患
- 5.4 血管疾患
- 5.5 急性症状
- 5.6 代謝内分泌疾患
- 6 診断
- 7 管理・治療
- 7.1 薬物療法(降圧薬)
- 7.2 食事療法
- 7.3 禁煙
- 7.4 生活習慣
- 8 脚注
- 9 参考文献
- 10 関連項目
- 11 外部リンク
定義(診断)[編集]
日本高血圧学会では高血圧の基準を以下のように定めている。
成人における血圧値の分類(mmHg)
分類 |
収縮期血圧 |
|
拡張期血圧 |
至適血圧 |
<120 |
かつ |
<80 |
正常血圧 |
<130 |
かつ |
<85 |
正常高値血圧 |
130 - 139 |
または |
85 - 89 |
Ⅰ度(軽症)高血圧 |
140 - 159 |
または |
90 - 99 |
Ⅱ度(中等症)高血圧 |
160 - 179 |
または |
100 - 109 |
Ⅲ度(重症)高血圧 |
≧180 |
または |
≧110 |
収縮期高血圧 |
≧140 |
かつ |
<90 |
すなわち、収縮期血圧が140mmHg以上または拡張期血圧が90以上に保たれた状態が高血圧であるとされている。しかし、近年の研究では血圧は高ければ高いだけ合併症のリスクが高まるため、収縮期血圧で120未満が生体の血管にとって負担が少ない血圧レベルとされている。
ここで注意すべきは、血圧が高い状態が持続することが問題となるのであり、運動時や緊張した場合などの一過性の高血圧についての言及ではないということである。高血圧の診断基準は数回の測定の平均値を対象としている。運動や精神的な興奮で一過性に血圧が上がるのは生理的な反応であり、これは高血圧の概念とはまた違うものである。
血圧は1日の中でも変動している。そのため、計測する時間帯には正常値の基準を満たしているものの、その他のほとんどの時間帯には高血圧となっている場合がある。これを仮面高血圧と呼ぶ。また降圧剤が処方されている場合でも、その効果が切れている時間帯では安全域を外れている場合もある。この点にも留意する必要がある。逆に、普段は正常血圧なのに診察室で医師が測定すると血圧が上昇して、高血圧と診断されてしまう場合もあり、“白衣高血圧”とよばれる。
糖尿病患者では起立性低血圧の症例が有るため、座位だけでなく臥位・立位でも測定する。
上腕の血圧測定結果で左右の血圧差が生じることがある。血圧差は、上腕動脈或いは鎖骨下動脈の病変に起因すると考えられ、差が10mmHg以上の患者は心血管疾患による死亡リスクが有意に高い[1][2]。また、家庭で測定を行う場合は高い側の腕で測定を行うことが推奨されている[3]。
- 日本高血圧学会によれば「家庭血圧測定条件設定の指針」で、
- 測定部位:上腕が推奨。手首、指血圧計の使用は避ける。
- 朝の場合は、起床後1時間以内、排尿後、服薬前、朝食前の安静時、座位1 - 2分後に測定。
- 夜の場合は就床前の安静時、座位1 - 2分後に測定。
- 朝夜の、任意の期間の平均値と標準偏差によって評価。
- 家庭血圧は135/85 mmHg以上は治療対象、125/75 mmHg未満を正常血圧。
などとしている。
- 分類呼称について
- 従来の分類呼称では、軽症/中等症/重症していたが、「軽症高血圧であってもリスクを層別化した際に高リスクと判定され、重症高血圧と同程度の治療を必要とする可能性が想定されている」事から、軽症をⅠ度/中等症をⅡ度/重症をⅢ度へと『高血圧治療ガイドライン2009』では変更している[4]。
リスク分類[編集]
血圧以外のリスク要因を加味し下記のように層別化される。
(診察室)血圧に基づいた脳心血管リスク層別化。高血圧治療ガイドライン2009より引用[5]
分類 |
正常高値血圧
130-139/80-89 |
Ⅰ度高血圧
140-159/90-99 |
Ⅱ度高血圧
160-179/100-109 |
Ⅲ度(高血圧
≧180/≧110 |
リスク第一層
(危険因子なし) |
付加リスク無し |
低リスク |
中等リスク |
高リスク |
リスク第二層
(糖尿病以外の危険因子が2個まで、
メタボリックシンドロームがある) |
中等リスク |
中等リスク |
高リスク |
高リスク |
リスク第三層
(糖尿病、慢性腎臓病、臓器障害/心血管病
3個以上の危険因子のいずれか) |
高リスク |
高リスク |
高リスク |
高リスク |
*リスク第二層のメタボリックシンドロームは予防的な観点から以下のように定義する。正常高値以上の血圧レベルと腹部肥満(男性85cm以上,女性90cm以上)に加え,血糖値異常(空腹時血糖110-125mg/dL,かつ/または糖尿病に至らない耐糖能異常),あるいは脂質代謝異常のどちらかを有するもの。両者を有する場合はリスク第三層とする。他の危険因子がなく腹部肥満と脂質代謝異常があれば血圧レベル以外の危険因子は2個であり,メタボリックシンドロームとあわせて危険因子3個とは数えない。
原因[編集]
高血圧は原因が明らかでない本態性高血圧症とホルモン異常などによって生じる二次性高血圧に分類される。 本態性高血圧の原因は単一ではなく、両親から受け継いだ遺伝的素因が、生まれてから成長し、高齢化するまでの食事、ストレスなどの様々な環境因子によって修飾されて高血圧が発生するとされる(モザイク説)。
- 動脈硬化症による脳内酸欠:一般的に病院で高血圧と診断される大部分の原因は、上行大動脈の動脈硬化症による脳内酸欠を防ぐため、血圧が上がっている状態のことをいう。
- 遺伝:両親の一方あるいは両方が高血圧であると高血圧を発症しやすい。
- 塩分[6]:日本人の高血圧の発生には食塩過剰摂取の関与が強いとされる。日本人の食塩摂取量は1日平均12gであり、欧米人に比べて多い。日本人の食塩嗜好は野菜の漬け物、梅干し、魚の塩漬けなど日本独自の食生活と関連があるが、2004年版に発行された日本の高血圧治療ガイドラインでは1日6g未満という厳しい減塩を推奨している。食塩(塩化ナトリウム)だけでなく重曹(炭酸水素ナトリウム)などを含む食品および胃腸薬の摂取に対しても注意が必要。
食塩の過剰摂取が高血圧の大きなリスクとなるのは、身体の電解質調節システムに原因がある。細胞外液中でナトリウムをはじめとする電解質の濃度は厳密に保たれており、この調節には腎臓が大きな役割を果たしている。すなわち、濃度が正常より高いと飲水行動が促され、腎では水分の再吸収が促進される。反対に、濃度が低い場合は腎で水分の排泄が進む。
- 結果として、血中のナトリウムが過剰の場合は、濃度を一定に保つため水分量もそれに相関して保持され、全体として細胞外液量が過剰(ハイパーボレミア:hypervolemia)となるのである。腎のナトリウム排泄能(通常、ナトリウム0.15-0.3mol/日[7]、食塩9-18g/日に相当)を超えて塩分を摂取している場合、上記のメカニズムで体液量が増加して高血圧を来す。ナトリウム過剰で高血圧をきたしやすい遺伝素因も存在することが確認されている。
- ストレスや肥満、飲酒なども高血圧の発症に関与するとされる。
- 血圧反射機能の障害なども高血圧の発症に関与するとされる。
- 食塩感受性高血圧の病態については、諸説あるが、名古屋市立大学医学部の木村玄次郎教授の説では摂取したナトリウムを腎から排泄しきれず、夜間も腎臓でナトリウム排泄のため多くの血流を要するnon-dipper型高血圧(夜間高血圧)が良い説明モデルとなる。non-dipper型高血圧ではナトリウム排泄を促進する利尿剤を投与することでnon-dipper型がdipper型へと変化することが認められており、ナトリウム排泄が食塩感受性の有無を規定する因子のひとつと論じている。
アンジオテンシンはポリペプチドの一種で、昇圧作用を持つ生理活性物質である。アンジオテンシンI~IVの4種がある。うち、アンジオテンシンII〜IVは心臓収縮力を高め、細動脈を収縮させることで血圧を上昇させる。腎臓の傍糸球体細胞から分泌されるレニンの作用によって、アンジオテンシノーゲンからアミノ酸10残基から成るアンジオテンシンI が作り出され、これがアンジオテンシン変換酵素、キマーゼ、カテプシンGの働きによってC末端の2残基が切り離され、アンジオテンシンII に変換される。 アンジオテンシンIIはACE2により、血管拡張作用と抗増殖作用を有するヘプタペプチドであるアンジオテンシン-(1-7)へと変換される。 アンジオテンシンI は昇圧作用を有さず、アンジオテンシンII が最も強い活性を持つ。(アンジオテンシンIII は II の4割程度の活性で、IV は更に低い)。 アンジオテンシンII は副腎皮質にある受容体に結合すると、副腎皮質からのアルドステロンの合成・分泌が促進される。このアルドステロンの働きによって、腎集合管でのナトリウムの再吸収を促進し、これによって体液量が増加する事により、昇圧作用をもたらす[8]。また、脳下垂体に作用し利尿を抑えるホルモンである抗利尿ホルモンであるバソプレッシン(ADH)の分泌を促進し、水分の再吸収を促進することにより、昇圧作用をもたらす[9]。
脂肪細胞が肥大化すると、血圧に関連して次のことが起こる。
1)過剰に分泌されたレプチンが交感神経の活動を亢進させ、血管を収縮させること等により、血圧を上昇させる[10]。
2)レニン-アンジオテンシン系の活性化
アンジオテンシノーゲンは肝臓で産生されるが、肥大化脂肪細胞からも産生、分泌される。アンジオテンシノーゲンから生成されたアンジオテンシンⅡは、副腎皮質球状帯に作用してナトリウムの再吸収を促進するアルドステロンの分泌を促進し体内に水分を貯留する[11]。また、脳下垂体に作用し利尿を抑えるホルモンである抗利尿ホルモンであるバソプレッシン(ADH)の分泌を促進し同じく体内に水分を貯留する[12]。
これらのことにより高血圧を招く。肥満患者において高血圧症が多いのはこのためである[13]。
肥満によるインスリン抵抗性は高インスリン血症をきたす。高インスリン血症は、腎尿細管へ直接作用してナトリウム貯留を引き起こし、これが水分を貯留し結果として血糖値を下げる作用につながるが、水分の貯留により高血圧を発症させることとなる[14]。
分類[編集]
本態性高血圧症[編集]
- 本態性高血圧(原発性高血圧) 原因は単一ではなく、両親から受け継いだ遺伝素因に加えて、生後の成長過程、加齢プロセスにおける食事、ストレスなどの様々な生活習慣がモザイクのように複雑に絡みあって生じる病態(モザイク説)。高血圧患者の9割以上を占める。
-
- 食塩感受性高血圧は、遺伝的素因と食塩摂取過剰を兼ね持つもので、本態性高血圧の一部を占める。
二次性高血圧[編集]
- 二次性高血圧 明らかな原因疾患があって生じる高血圧をいい、以下のような疾患が原因となる。頻度は少ないが手術などによって完治する確率が高いのでその診断は重要である。
- 大動脈縮窄症 先天性疾患
- 腎血管性高血圧 腎動脈の狭窄があり、血流量の減った腎でレニンの分泌が亢進することで起きる。
- 腎実質性高血圧 腎糸球体の障害により起こる。
- 原発性アルドステロン症 (primary aldosteronism; PA) 副腎皮質の腫瘍からアルドステロンが過剰に分泌されるため起こる。
- 偽性アルドステロン症 グリチルリチン酸により、11-βHSD2活性が抑制され、コルチゾール代謝の阻害→コルチゾールの残存→ミネラルコルチコイド受容体刺激となる。
- Apparent Mineralocorticoid Excess症候群(AME症候群) 11-βHSDの異常からおこる常染色体劣性遺伝疾患。
- Liddle症候群 低カリウム血症、代謝性アルカローシスを来す常染色体優性の遺伝性高血圧症。Epethelial Sodium Channel; ENaCの異常から生じる。
- クッシング症候群 副腎皮質の腫瘍からコルチゾールが過剰に分泌されるため起こる。
- 褐色細胞腫 副腎髄質や神経節の腫瘍からアドレナリンまたはノルアドレナリンが過剰に分泌されるため起こる
- 大動脈炎症候群 膠原病の一つ。
- 甲状腺機能異常 甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症
- 妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症より改名)。
- 高カルシウム血症
この他、脳血管障害の急性期に著明な高血圧を来すことが知られている。脳出血では応急的な降圧が必要だが、脳梗塞では寧ろ脳血流を保てなくなる恐れがある為、降圧は行われない。
高血圧の合併症[編集]
高血圧が持続すると強い圧力の血流が動脈の内膜にずり応力を加えると同時に血管内皮から血管収縮物質が分泌されることで、血管内皮が障害される。この修復過程で粥腫(アテローム)が形成され、動脈硬化の原因となる。慢性的疾患は大きく 「脳血管障害」、「心臓疾患」、「腎臓疾患」、「血管疾患」の4つに分類され、高血圧によって生じる動脈硬化の結果、以下のような合併症が発生する。
脳血管障害[編集]
- 脳卒中
- 脳出血と脳梗塞およびクモ膜下出血に分類されるが、高血圧と関連が深いのは前2者である。脳出血は高血圧ともっとも関連するが、最近は降圧薬治療がうまく行われるようになったため、その頻度は減少してきている。一方、脳梗塞の頻度はむしろ増加し、その発症年齢も高齢化している。脳卒中の結果として片麻痺、失語症、認知症など寝たきりの原因となりやすい後遺症を残すため、社会的、経済的観点からも高血圧の予防はきわめて重要である。脳卒中の発症を予測する上では、収縮期血圧(Systolic Blood Pressure;SBP)が性や人種に関係なく、脈圧・拡張期血圧 (Diastolic Blood Pressure;DBP) などと比べ、最も重要な因子であるという論文が American Journal of Hypertensionの2007年3月号に掲載された。また日本人でも収縮期血圧のみが脳卒中および心筋梗塞の長期リスクの評価指標に適しているとの報告がなされた (Circulation. 2009;119:1892-1898)。
心臓疾患[編集]
- 虚血性心疾患
- 心筋梗塞や狭心症などの冠動脈の硬化によって心筋への血流が阻害されることで、心筋障害をきたす疾患群をいう。高血圧が虚血性心疾患の重大な危険因子であることは間違いがないが、高コレステロール血症、喫煙、糖尿病、肥満などの関与も大きい。最近は腹部内臓型肥満に合併した高血圧や高トリグリセライド血症、耐糖能異常などが冠動脈疾患のリスクであるとされ、メタボリック症候群として注目されている。
- 心肥大、心不全
- 高血圧が持続すると心臓の仕事量が増えて、心筋が肥大してくる。肥大した心筋はさらに高血圧の負荷によって拡張し、最終的には心不全に陥る。また肥大した心筋では冠動脈からの血流も減少するために、虚血に陥りやすく、不整脈、虚血性心疾患の大きなリスクとなる。
腎臓疾患[編集]
- 腎障害
- 腎臓の糸球体は細動脈の束になったものであり、高血圧によって傷害される。また、糸球体高血圧がレニン-アンギオテンシン系を賦活するためさらに血圧を上昇させる。糸球体は廃絶すると再生しないため、糸球体障害は残存糸球体への負荷をさらに強めることとなる。最終的には腎不全となり人工透析を受けなければならず、やはり社会的、経済的な負担は大きく、その進展予防は重要である。
血管疾患[編集]
- 動脈瘤
- 胸部や腹部の大動脈の壁の一部が動脈硬化性変化によって薄くなり、膨隆した状態を大動脈瘤という。内径が5cm以上になると破裂する可能性が高くなるので、手術適応となる。また血管壁の中膜が裂けて、裂け目に血流が入り込み、大血管が膨隆する状態を;解離性大動脈瘤 といい、生命を脅かす危険な状態である。
- 閉塞性動脈硬化症
- 主に下肢の動脈が、動脈硬化によって著しく狭小化するか、あるいは完全に閉塞した状態をいう。数十メートル歩くとふくらはぎが痛くなり、立ち止まると回復する場合には、この疾患を疑う。
- 眼障害
- 高血圧性網膜症や、網膜動脈・網膜静脈の閉塞症、視神経症など様々な眼障害を合併する。
急性症状[編集]
- 高血圧緊急症
- 慢性的な影響とは別に、急激な高血圧により脳圧が亢進し頭痛・視力障害などの急性症状を引き起こした状態は高血圧緊急症、または高血圧脳症と呼ばれる。治療として降圧薬および脳圧降下薬が投与される。
- 血圧降下により症状が消失することにより診断される。
- 食後低血圧
- 腸が食物消化をするためには多くの血流が必要になる。そのため腸に大量の血液が集まると、腸以外の血圧は低下していくが、血圧維持のために自律的に「心拍増」、「他の部位の血管収縮」など作用により血圧を上昇させる。しかし、後述の起こしやすい人や血圧降下薬剤を服用している場合、血流は正常に腸へ集まるが薬剤の効果により血圧上昇が抑制され、結果的に低血圧の症状としてめまいが発生することがある。血圧低下は一時的な物で、血流の腸への集中が解消されると低血圧症状も解消する[15]。高血圧な人、高齢者や自律神経系を管理する脳部位に障害を有する人(パーキンソン病、多系統萎縮症、糖尿病)は起こしやすい。
代謝内分泌疾患[編集]
- 高尿酸血症
- 国立病院機構九州医療センターの研究によると、閾値を男性で尿酸値7.0mg/dL以上、女性で6.2mg/dL以上としたとき高血圧症患者が高尿酸血症を合併症とする率は男性 34.1%、女性 16.0%で認められ、約9割は排泄低下型の高尿酸血症であった[16]。
診断[編集]
血圧は変動しやすいので、高血圧の診断は少なくとも2回以上の異なる機会における血圧測定値に基づいて行われるべきである。最近は家庭血圧計が普及しているが、家庭で自分自身で測定した血圧値の方が、診察室で医師や看護師によって測定した血圧値よりも将来の脳卒中や心筋梗塞の予測に有用であるとする疫学調査結果が相次いで報告されている。診察室での血圧測定では、白衣高血圧(医師による測定では本来の血圧より高くなる現象)や仮面高血圧(普段は高血圧なのに、診察室では正常血圧となる現象)が生じるため、必ずしも本来の血圧値を反映していないという考え方が普及している。家庭での正常血圧値は診察室での血圧値よりもやや低いために、家庭血圧では135/80mmHg以上を高血圧とする。家庭では朝食前に2回血圧を測定することが望ましい。心筋梗塞や脳卒中の発症は朝起床後に多発することから、早朝の高血圧管理が重要である。(早朝高血圧) 脳卒中や心筋梗塞の発症には高血圧のみならず、喫煙、高脂血症、糖尿病、肥満などの他の危険因子も関与するために、危険因子や合併症も考慮した高血圧の層別化によって将来の脳卒中、心筋梗塞の危険度の予測能が高まる。 動脈硬化の診断や、腎機能、血圧反射機能などの自律神経機能等の診断も病態の把握に重要であり、動脈硬化の定量診断には脈波伝播速度計測なども行われている。血圧反射機能診断のためには、血圧変化に対する心拍反応や、動脈の血圧反射機能を診断する方法論も提案されている。精密な病態の診断が最適な治療には不可欠である。
管理・治療[編集]
ガイドラインに定められた期間を食事療法や運動療法を行い、それでも140/90mmHgを超えている場合は降圧薬による薬物治療を開始する。近年は大規模臨床試験がいくつも出そろい、高血圧治療指針(ガイドライン)では科学的根拠に基づいた降圧薬の選択を推奨している。
日本では依然として主治医の裁量ではあるが、その裁量を欧米の医療に即している医師と、上記のうちいくつかを改変した日本独自の考え方をもつ医師がいる(こちらのほうが多い)。日本独自の考え方としては、
- Ca受容体拮抗薬は副作用が少なく血圧を大きく下げるため、多くの場合で有用である。エビデンスが豊富で、危険因子として特に比重の高い脳出血は、同剤の開発前後で明らかに減少している。虚血性心疾患においても、日本人では冠攣縮型狭心症の関与が大きく、Ca受容体拮抗薬が有効である。
- 降圧利尿薬は廉価であるが、耐糖能の悪化や尿酸値上昇、低カリウム血症といった副作用により、敬遠する医師が多かった。しかし多くの臨床試験によってACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬などの最近の高価な降圧薬と同等か、それ以上の脳卒中、心筋梗塞予防、心不全改善、腎保護効果が明らかになっており、最近見直され処方する医師が増えている(例:インダパミドの項参照)。
- 日本の医療は国民皆保険でありコストを考える必要はあまりないため、たとえリスクの低い患者であっても最初から高価で切れ味の良いACE阻害薬やAII拮抗薬から始めても良いが、降圧利尿薬の選択をいつも考慮する。
薬物療法(降圧薬)[編集]
詳細は「高血圧治療薬」を参照
- なにもリスクがない患者では、コストが安い利尿薬やカルシウム拮抗薬を第一選択とする。60歳未満ではACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、β遮断薬なども用いられる。
- 降圧利尿薬は古典的な降圧薬であるが、低カリウム血症、耐糖能悪化、尿酸値上昇などの副作用にもかかわらず、最近の大規模臨床試験の結果では、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、Ca拮抗薬などの新しい世代の降圧薬に劣らない脳卒中、心筋梗塞予防効果が証明されており、米国では第一選択薬として強く推奨されている。降圧利尿薬は痛風の患者には使用するべきではない。また緑内障の発症を著しく促すことも最近明らかになっている。
- 糖尿病や腎障害の患者では、ACE阻害薬またはAII拮抗薬を第一選択とするが、これらの合併症がある場合には、130/80mmHg未満の一層厳格な降圧が必要とされるために長時間作用型Ca拮抗薬の併用も不可欠である。腎障害が高度な場合にはACE阻害薬やアンジオテンシンII受容体拮抗薬は用いることができない。
- 心不全の患者では、ループ利尿薬に加えて、ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬の併用が有効である。最近βブロッカーの少量追加、K+保持性利尿薬も有効であるとのエビデンスも蓄積されている。
- 虚血性心疾患の患者では、従来はβブロッカーが第一選択であったが、最近はACE阻害薬またはAII拮抗薬や長時間作用型Ca受容体拮抗薬の有用性も証明されている。特に、冠動脈のれん縮による狭心症合併例では長時間作用型Ca拮抗薬が有効である。
- 高齢者高血圧に関して、以前は根拠がないままに積極的な降圧は必要がないとされていたために、2000年版の日本の高血圧治療ガイドラインでも高齢者では高めの降圧目標値が設定されてきた。しかし最近の大規模臨床試験では、年齢に関わりなく積極的な降圧が必要であることを明らかにしており(HYVET studyなど)、欧米の高血圧治療ガイドラインでは年齢による降圧目標値の設定は行っていない。また日本の高血圧治療ガイドラインも、2004年版では高齢者高血圧も140/90mmHg未満までの降圧が必要であるというように変更された。
- 慢性腎臓病を合併した高血圧の治療については、2008年に日本腎臓学会・日本高血圧学会から共同でガイドラインが発表された。第1選択はレニン-アンジオテンシン系抑制薬とされ、第2選択は利尿薬またはCa拮抗薬、第3選択はCa拮抗薬または利尿薬とされている。[17]
- 妊婦に対しては、多くの降圧薬に催奇形性があるか、ある恐れがあり、ヒドララジン、αメチルドーパのみを使用する。
- αブロッカーは、基本的に推奨されないが、前立腺肥大症を合併している患者などでは有用かもしれない。しかし、 αブロッカーは最近の大規模臨床試験では最も古典的な降圧薬である降圧利尿薬よりも脳卒中や心不全予防効果が劣ることが明らかになり[18]、最近の欧米の治療ガイドラインでは第一選択薬から外されている。
食事療法[編集]
- 減塩1g/日ごとに収縮期血圧が約1mmHg減少するとの報告があり、原因によらず、ほぼ全ての高血圧で塩分(塩化ナトリウム)摂取制限は必須である。2006年の米国心臓協会(AHA)の勧告による食塩換算値の理想的な摂取量は3.8g/日とされているが、日本では目標値として6g/日が用いられている。食品の含有量が食塩(塩化ナトリウム:NaCl)でなくナトリウム (Na) の表示の場合は、2.5倍して塩化ナトリウムに換算する。健康ブームに乗って「この天然塩はミネラル豊富なため多く摂っても高血圧にならない」などの宣伝が散見されるが、このような文言をうのみにすることは危険である。上記メカニズムにより、問題は塩の質ではなくナトリウムの量である。また、炭酸水素ナトリウム(重曹)もナトリウム源となる。調味料として塩分をほとんど摂取しないヤノマミ族には高血圧を発症するものはおらず、健康に生活している[19]ことから、日常生活で醤油・味噌を用いる日本では調味料としての食塩の摂取下限はないと考えられている。
- 早朝スポット尿検査からもカリウム摂取は重要と考えられている[20]。カリウム摂取量が多い成人ほど収縮期および拡張期血圧が有意に低く、脳卒中リスクも低いことが報告されている[21]。2012年WHO は、カリウム摂取のガイドラインを初めて発表し、推奨摂取量を90mmol/日(3519mg)以上とした[21]。(カリウム 1mmol = 39.1mg)
- 酒の摂取では一時的な血管拡張により降圧するが、飲酒習慣は血圧を上昇させることはよく知られている。毎日の飲酒習慣は 10歳の加齢に相当する血圧値を示す[22]。降圧効果は1 - 2週間以内に現れる。大量飲酒者は急に飲酒の制限を行うと血圧上昇をすことがあるが、飲酒制限の継続により数日後から血圧は下がる。
- エタノール換算量は、男性が20 - 30ml/日(日本酒換算1合前後)、女性が10 - 20ml/日、これ以下にするべきである[22]。
禁煙[編集]
- 喫煙など動脈硬化を促進する生活習慣も断つ必要がある。喫煙はβ遮断薬の降圧効果を減じる作用がある[23]。
生活習慣[編集]
- 疫学研究から寒冷が血圧を上げることが示され、季節では冬季に血圧が高い。高血圧患者では冬季の寒冷刺激を緩和するために、トイレや浴室などの暖房も望まれる。入浴は熱すぎる風呂、冷水浴、サウナは避けるべきである。便秘に伴う排便時のいきみは、血圧を上昇させるので避ける。
- 夕食後から就寝までの時間が2時間未満の集団と、3-4時間空けた集団のロジスティック回帰分析を行った結果、3-4時間空けると高血圧の予防につながる可能性が示唆された[24]。
脚注[編集]
- ^ 上腕血圧の左右差が大きいと死亡リスク上昇の可能性 第21回欧州高血圧学会:学会ダイジェスト日経メディカルオンライン 記事:2011年6月24日 閲覧:2011年6月27日
- ^ 一般地域住民における上腕血圧の 左右差に関する特徴と関連要因 (PDF)
- ^ 高血圧疾病一覧国立循環器病情報サービス
- ^ 高血圧治療ガイドラインの改訂に関する記述 日本心臓財団メディアワークショップ
- ^ 高血圧治療ガイドライン2009
- ^ 塩分の摂り過ぎによる血圧上昇の仕組み
- ^ Reference range list from Uppsala University Hospital ("Laborationslista"). Artnr 40284 Sj74a. Issued on April 22, 2008
- ^ 塩分の摂りすぎによる血圧上昇のしくみを解明 東大病院研究トピックス 藤田敏郎
- ^ 利尿を抑えるホルモン"バソプレシン"の脳の中の新たな作用を発見、自然科学研究機構 生理学研究所 岡田泰伸ほか
- ^ レプチンと心血管病変 小川佳宏日本内科学会雑誌 第90巻 第4号・平成13年4月10日
- ^ 研究トピックス 塩分の摂りすぎによる血圧上昇のしくみを解明東大病院 医学系研究科/医学部附属病院 腎臓・内分泌内科 藤田敏郎ほか
- ^ 利尿を抑えるホルモン"バソプレシン"の脳の中の新たな作用を発見自然科学研究機構 生理学研究所 岡田泰伸ほか
- ^ 脂肪細胞とインスリン抵抗性星薬科大学オープンリサーチセンター 鎌田勝雄
- ^ 糖尿病の基礎知識星薬科大学オープンリサーチセンター 鎌田勝雄
- ^ 食後低血圧 メルクマニュアル家庭版
- ^ 高血圧患者の高尿酸血症合併日経メディカルオンライン 2008.10.13
- ^ CKD診療ガイド高血圧編,p.9,東京医学社(2008)
- ^ The ALLHAT collaborative research group. JAMA 288:2981-2997, 2002
- ^ http://www.lib.nakamura-u.ac.jp/syoku/12.htm#12
- ^ M.J. O'Donnell, et al. JAMA, 2011, 306(20); 2229-2238.
- ^ a b カリウム摂取量が多いほど血圧が低く、脳卒中リスクも低い日経メディカルオンライン 記事:2013.4.18 閲覧:2013.4.18
- ^ a b 生活習慣の修正 -節酒-日本高血圧学会 (Minds医療情報サービス)
- ^ 生活習慣の修正 -禁煙-日本高血圧学会 (Minds医療情報サービス)
- ^ 勤労者の夕食終了から就寝時間までの間隔と健康状態との関係 日本栄養・食糧学会誌 Vol.66 (2013) No.4 p.185-193
参考文献[編集]
- 『高血圧治療ガイドライン2009【日本高血圧学会高血圧治療GL作成委員会/医療・GL(09年)】』 日本高血圧学会 (Minds医療情報サービス)
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 日本高血圧学会|The Japanese Society of Hypertension
- 日本妊娠高血圧学会
- 高血圧メルクマニュアル家庭版
- 塩を減らそうプロジェクト
- 血圧ドットコム
- 高血圧厚生労働省
- 高血圧症 家庭の医学 - Yahoo!ヘルスケア
- 血圧情報局
心血管疾患 |
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疾患 |
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心疾患
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不整脈
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徐脈性
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洞不全症候群 | 房室ブロック | 脚ブロック(右脚ブロック · 完全右脚ブロック · 左脚ブロック)
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頻脈性
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上室性
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洞性頻脈(en) | 心房細動 | 心房粗動(en) | ブルガダ症候群 | QT延長症候群 | WPW症候群
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心室性
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心室細動 | 心室頻拍
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虚血性疾患
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弁膜症
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僧帽弁狭窄症 | 僧帽弁閉鎖不全症 | 三尖弁狭窄症 | 三尖弁閉鎖不全症 | 大動脈弁狭窄症 | 大動脈弁閉鎖不全症
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・心膜疾患
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心臓発作 | 心臓肥大 | 心停止 | 心肺停止
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所見・検査 |
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血圧計 | 聴診 | 心雑音 | 心電図 | 心電図モニタ | 心臓超音波検査 | 胸部X線写真 | 胸部X線CT | 心臓カテーテル検査(肺動脈カテーテル) | 心臓核医学検査
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治療 |
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外科的治療
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冠動脈バイパス術(CABG)
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CABG | off-pump CAB(en) | MIDCAB(en) | TECAB(en)
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弁膜症手術
|
弁置換術(en) | 弁形成術(en) | 弁輪形成術 | 交連切開術(en)
|
|
大動脈手術
|
大動脈人工血管置換術 | 大動脈基部置換術 (Bentall, David) | ステントグラフト内挿術(en)
|
|
小児心臓外科
|
先天性心疾患手術
|
|
心不全外科
|
心移植術 | 補助人工心臓装着術 | バチスタ手術
|
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不整脈外科
|
メイズ手術(en) | ペースメーカー | 植え込み型除細動器
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末梢血管手術
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末梢動脈血行再建術 | 末梢静脈血行再建術 | 静脈抜去術(en) | 静脈血栓摘除術(en) | 内シャント作成術
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内科的治療
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循環作動薬
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抗不整脈薬
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Ia群: プロカインアミド, キニジン
Ib群: リドカイン, フェニトイン
Ic群: フレカイニド(en), プロパフェノン(en)
II群: 交感神経β受容体遮断薬(プロプラノロールなど)
III群: アミオダロン, ソタロール(en)
IV群: カルシウム拮抗剤(ベラパミル, ジルチアゼムなど)
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心不全治療薬(en)
|
利尿薬 | 血管拡張薬 | 強心配糖体 | 強心剤 | PDEⅢ阻害薬
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狭心症治療薬
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交感神経β受容体遮断薬 | 硝酸薬
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|
高血圧治療薬
|
利尿薬 | 交感神経β受容体遮断薬 | レニン-アンジオテンシン系 (ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬(en)) | カルシウム拮抗剤 | アドレナリン作動薬 | 脂質降下薬
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血管内治療
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Japanese Journal
- 途上国における予防医療を実現するポータブルヘルスクリニックシステムの構築
- 野原 康伸,Zahidul Ripon,Rafiqul Islam,Partha Ghosh,井上 創造,Ashir Ahmed,中島 直樹
- 情報処理学会研究報告. UBI, [ユビキタスコンピューティングシステム] 2013-UBI-39(6), 1-6, 2013-07-24
- … 近年,途上国においても,感染症や栄養失調といった伝統的な疾患に代わり,糖尿病や高血圧症をはじめとする生活習慣病が急激に増加しており,その予防が大きな課題となっている.途上国は人員・設備とも医療インフラが不足している一方で,携帯電話網が急激に普及してきているなど,情報通信技術が貢献できる役割は大きいと考えられる.我々は途上国のひとつであるバングラデシュにおいて,ポータブルヘルスクリニック …
- NAID 110009591632
- 肺高血圧の治療により労作時呼吸困難が憎悪した間質性肺炎の一例
- 増渕 裕朗,須賀 達夫,神戸 将彦,相澤 智弘,上野 学,原 健一郎,青木 史暁,青木 望,前野 敏孝,倉林 正彦,Masubuchi Hiroaki,Suga Tatsuo,Kanbe Masahiko,Aizawa Tomohiro,Ueno Manabu,Hara Kenichiro,Aoki Fumiaki,Aoki Nozomi,Maeno Toshitaka,Kurabayashi Masahiko
- The Kitakanto medical journal 63(2), 159-164, 2013-05-01
- … 10月,肺高血圧症の合併による労作時呼吸困難の増悪を認め.ボセンタンとシルデナフィルの治療を導入した.治療開始後,肺血管抵抗は著明に改善したが,呼吸困難はむしろ増悪し,症状の日内変動を認めた.この原因として,ボセンタンとシルデナフィルによる肺血管床の拡張により,換気・血流不均衡が増悪したことが考えられた.肺高血圧症は間質性肺炎の予後不良因子の一つである.その治療によっ …
- NAID 120005231549
- 加藤 慎二郎,小谷 智生,高本 憲男,松本 敬子
- 日本保険医学会誌 111(1), 10-26, 2013-03-29
- 当社医師扱の新契約無条件体をコントロールとして,第1傷病(欠陥)コードが高血圧(治療中と既往を除く)である契約の重大疾患罹患リスクとその生命予後を調査した。対象の経過契約件数は,死亡保険20.9万件(54.0±9.8歳),特定疾病保険8.3万件(49.4±9.6歳)であった。死亡指数は,137%(95%信頼区間 129%-145%),死因別には,心疾患237%と脳血管疾患278%が有意に増加し,悪 …
- NAID 110009603872
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- 本態性高血圧(原発性高血圧) 原因は単一ではなく、両親から受け継いだ遺伝素因に 加えて、生後の成長過程、加齢プロセスにおける食事、ストレスなどの様々な生活習慣 がモザイクのように複雑に絡みあって生じる病態( ...
- 原因のはっきりしない高血圧症で、約9割の患者が本態性高血圧と診断されています。 ... 高血糖、脂質異常のうちいずれか2つ以上をあわせもった状態で、過剰な内臓脂肪の 蓄積は、高血圧症や、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を併発しやすくなります。
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★リンクテーブル★
[★]
- 78歳の男性。悪心と嘔吐とを主訴に来院した。
- 現病歴: 1年前に肺癌と診断され、右上葉切除術と抗癌化学療法とを受けた。その後、定期的に通院をしていたが、 1か月前に背部から右の側胸部にかけて疼痛が出現した。外来受診の際、骨シンチグラフィで胸椎と右肋骨とに骨転移巣が判明した。疼痛に対して消炎鎮痛薬を処方された。その後も疼痛が増悪し、呼吸困難が出現したため、昨日の外来受診時にオピオイドの処方が追加された。昨夕からオピオイドの内服を開始したが、吐き気が出現し食物を嘔吐したため、家族に伴われて来院した。頭痛や腹痛はないという。
- 既往歴: 65歳時から高血圧症と脂質異常症とで治療中。
- 生活歴:喫煙は20本/日を57年間。 1年前の手術時から禁煙している。
- 家族歴 :兄が肺癌のため75歳で死亡。
- 現 症:意識は清明。身長168cm、体重57kg。体温36.8℃。脈拍72/分、整。血圧128/72 mmHg。呼吸数20/分。 SpO2 93 %(room air)。眼瞼結膜に貧血を認めない。眼球結膜に黄染を認めない。咽頭に異常を認めない。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。圧痛を認めない。腸雑音は低下している。背部と右肋骨部とに圧痛を認める。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球402万、Hb11.9g/dL、 Ht36%、白血球9,300、血小板39万。血液生化学所見:アルブミン 3.2g/dL、クレアチニン 0.8mg/dL、 AST 28IU/L、 ALT 26IU/L、 LD 421IU/L(基準176-353)、 ALP 403IU/L(基準115-359)、アミラーゼ 150IU/L(基準37-160)、CK 42IU/L(基準30-140)、 Na 131mEq/L、 K 4.4mEq/L、 Cl 97mEq/L、 Ca 9.7mg/dL、 P 2.5mg/dL。 CRP 3.4mg/dL。胸部エックス線写真で浸潤影を認めない。腹部立位エックス線写真ではガス像がやや多いが、鏡面形成を認めない。
- この患者の骨転移による疼痛のコントロールに有効なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106H035]←[国試_106]→[106H037]
[★]
- 次の文を読み、56~58の問いに答えよ。
- 67歳の男性。人間ドックで異常を指摘され来院した。
- 現病歴:5年前に退職してから健康診断を受けていなかった。妻に勧められて初めて受診した人間ドックで肥満、耐糖能障害および脂質異常症を指摘され、妻とともに来院した。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:父親が胃癌。
- 現症:意識は清明。身長 170cm、体重 80kg。体温 36.5℃。脈拍 68/分、整。血圧 130/94mmHg。呼吸数 18/分。眉弓部の膨隆、下顎の突出、鼻と口唇の肥大および巨大舌を認める。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。咽頭に発赤を認めない。頸静脈の怒張を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。手足の体積の増大を認める。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腱反射に異常を認めない。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ケトン体(-)、潜血(±)、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 487万、Hb 14.6g/dL、Ht 43%、白血球 4,000、血小板 23万、PT 115%(基準 80~120)。血液生化学所見:総蛋白 7.2g/dL、アルブミン 4.2g/dL、総ビリルビン 0.6mg/dL、AST 21IU/L、ALT 28IU/L、LD 185IU/L(基準 176~353)、ALP 277IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 34IU/L(基準 8~50)、アミラーゼ 76IU/L(基準 37~160)、CK 135IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 14mg/dL、クレアチニン 0.7mg/dL、尿酸 5.9mg/dL、血糖 127mg/dL、HbA1c 7.0%(基準 4.6~6.2)、トリグリセリド 162mg/dL、HDLコレステロール 75mg/dL、LDLコレステロール 146mg/dL、Na 142mEq/L、K 4.6mEq/L、Cl 102mEq/L、Ca 9.3mg/dL、P 4.0mg/dL、TSH 0.6μU/mL(基準 0.4~4.0)、FT4 1.1ng/dL(基準 0.8~1.8)。心電図に異常を認めない。胸部エックス線写真で心胸郭比 54%。頭部エックス線写真(別冊No. 8)を別に示す。頭部MRIで下垂体に限局した腫瘤を認める。
- 今後の経過中に起こりうる合併症として考えにくいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109B057]←[国試_109]→[109B059]
[★]
- 78歳の男性。悪心と嘔吐とを主訴に来院した。
- 現病歴: 1年前に肺癌と診断され、右上葉切除術と抗癌化学療法とを受けた。その後、定期的に通院をしていたが、 1か月前に背部から右の側胸部にかけて疼痛が出現した。外来受診の際、骨シンチグラフィで胸椎と右肋骨とに骨転移巣が判明した。疼痛に対して消炎鎮痛薬を処方された。その後も疼痛が増悪し、呼吸困難が出現したため、昨日の外来受診時にオピオイドの処方が追加された。昨夕からオピオイドの内服を開始したが、吐き気が出現し食物を嘔吐したため、家族に伴われて来院した。頭痛や腹痛はないという。
- 既往歴: 65歳時から高血圧症と脂質異常症とで治療中。
- 生活歴:喫煙は20本/日を57年間。 1年前の手術時から禁煙している。
- 家族歴 :兄が肺癌のため75歳で死亡。
- 現 症:意識は清明。身長168cm、体重57kg。体温36.8℃。脈拍72/分、整。血圧128/72 mmHg。呼吸数20/分。 SpO2 93 %(room air)。眼瞼結膜に貧血を認めない。眼球結膜に黄染を認めない。咽頭に異常を認めない。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。圧痛を認めない。腸雑音は低下している。背部と右肋骨部とに圧痛を認める。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球402万、Hb11.9g/dL、 Ht36%、白血球9,300、血小板39万。血液生化学所見:アルブミン 3.2g/dL、クレアチニン 0.8mg/dL、 AST 28IU/L、 ALT 26IU/L、 LD 421IU/L(基準176-353)、 ALP 403IU/L(基準115-359)、アミラーゼ 150IU/L(基準37-160)、CK 42IU/L(基準30-140)、 Na 131mEq/L、 K 4.4mEq/L、 Cl 97mEq/L、 Ca 9.7mg/dL、 P 2.5mg/dL。 CRP 3.4mg/dL。胸部エックス線写真で浸潤影を認めない。腹部立位エックス線写真ではガス像がやや多いが、鏡面形成を認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [106H034]←[国試_106]→[106H036]
[★]
- 次の文を読み、65-67の問いに答えよ。
- 45歳の男性。めまい、嘔気および嘔吐を主訴に来院した。
- 現病歴 24歳から毎年健康診断を受けていたが、異常を指摘されたことはなかった。直近では6月14日に健康診断を受け、空腹時血糖98mg/dl、HbA1c5.1%であった。7月25日ころから軽い咳が出現し、7月30日に突然、口渇、多飲および多尿が出現した。8月1日にめまいが出現し、熱中症ではないかと自己判断して、スポーツ飲料を4リットル飲んだ。その夜から嘔気と嘔吐とが出現し、8月2日に受診した。
- 既往歴 5年前に痔瘻の手術。
- 生活歴 喫煙は20歳から15本/日を17年間。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴 父が高血圧症、高尿酸血症および糖尿病で治療中である。母は胆嚢摘出術を受けている。
- 現症 意識は清明。身長171cm、体重58kg。体温36.8℃。呼吸数22/分。脈拍64/分、整。血圧102/68mmHg。甲状腺の腰大を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
- 検査所見 尿所見:蛋白(-)、糖3+、ケトン体2+。血液所見:赤血球 468万、Hb 13.9g/dl、Ht 42%、白血球 12,300(好中球75%、好酸球1%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球17%)、血小板27万。血液生化学所見:血糖 610mg/dl、HbA1c 5.8%(基準4.3-5.8)、総蛋白 7.5g/dl、アルブミン 3.9g/dl、尿素窒素 12mg/dl、クレアチニン 0.6mg/dl、尿酸 6.9mg/dL、総コレステロール 246mg/dl、トリグリセリド 190mg/dl、総ビリルビン 0.9mg/dl、AST 10IU/l ALT 16IU/l、LD 177IU/l(基準176-353)、ALP 174IU/l(基準115-359)、アミラーゼ 950IU/l(基準37-160)、Na 131mEq/l、K 4.4mEq/l、Cl 97mEq/l。CRP 1.0mg/dl。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.25、PaCO2 28Torr、PaO2 102Torr、HCO3- 12mEq/l。
[正答]
※国試ナビ4※ [105G066]←[国試_105]→[105G068]
[★]
- 次の文を読み、65-67の問いに答えよ。
- 45歳の男性。めまい、嘔気および嘔吐を主訴に来院した。
- 現病歴 24歳から毎年健康診断を受けていたが、異常を指摘されたことはなかった。直近では6月14日に健康診断を受け、空腹時血糖98mg/dl、HbA1c5.1%であった。7月25日ころから軽い咳が出現し、7月30日に突然、口渇、多飲および多尿が出現した。8月1日にめまいが出現し、熱中症ではないかと自己判断して、スポーツ飲料を4リットル飲んだ。その夜から嘔気と嘔吐とが出現し、8月2日に受診した。
- 既往歴 5年前に痔瘻の手術。
- 生活歴 喫煙は20歳から15本/日を17年間。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴 父が高血圧症、高尿酸血症および糖尿病で治療中である。母は胆嚢摘出術を受けている。
- 現症 意識は清明。身長171cm、体重58kg。体温36.8℃。呼吸数22/分。脈拍64/分、整。血圧102/68mmHg。甲状腺の腰大を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
- 検査所見 尿所見:蛋白(-)、糖3+、ケトン体2+。血液所見:赤血球 468万、Hb 13.9g/dl、Ht 42%、白血球 12,300(好中球75%、好酸球1%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球17%)、血小板27万。血液生化学所見:血糖 610mg/dl、HbA1c 5.8%(基準4.3-5.8)、総蛋白 7.5g/dl、アルブミン 3.9g/dl、尿素窒素 12mg/dl、クレアチニン 0.6mg/dl、尿酸 6.9mg/dL、総コレステロール 246mg/dl、トリグリセリド 190mg/dl、総ビリルビン 0.9mg/dl、AST 10IU/l ALT 16IU/l、LD 177IU/l(基準176-353)、ALP 174IU/l(基準115-359)、アミラーゼ 950IU/l(基準37-160)、Na 131mEq/l、K 4.4mEq/l、Cl 97mEq/l。CRP 1.0mg/dl。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.25、PaCO2 28Torr、PaO2 102Torr、HCO3- 12mEq/l。
[正答]
※国試ナビ4※ [105G065]←[国試_105]→[105G067]
[★]
- 次の文を読み、65-67の問いに答えよ。
- 45歳の男性。めまい、嘔気および嘔吐を主訴に来院した。
- 現病歴 24歳から毎年健康診断を受けていたが、異常を指摘されたことはなかった。直近では6月14日に健康診断を受け、空腹時血糖98mg/dl、HbA1c5.1%であった。7月25日ころから軽い咳が出現し、7月30日に突然、口渇、多飲および多尿が出現した。8月1日にめまいが出現し、熱中症ではないかと自己判断して、スポーツ飲料を4リットル飲んだ。その夜から嘔気と嘔吐とが出現し、8月2日に受診した。
- 既往歴 5年前に痔瘻の手術。
- 生活歴 喫煙は20歳から15本/日を17年間。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴 父が高血圧症、高尿酸血症および糖尿病で治療中である。母は胆嚢摘出術を受けている。
- 現症 意識は清明。身長171cm、体重58kg。体温36.8℃。呼吸数22/分。脈拍64/分、整。血圧102/68mmHg。甲状腺の腰大を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
- 検査所見 尿所見:蛋白(-)、糖3+、ケトン体2+。血液所見:赤血球 468万、Hb 13.9g/dl、Ht 42%、白血球 12,300(好中球75%、好酸球1%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球17%)、血小板27万。血液生化学所見:血糖 610mg/dl、HbA1c 5.8%(基準4.3-5.8)、総蛋白 7.5g/dl、アルブミン 3.9g/dl、尿素窒素 12mg/dl、クレアチニン 0.6mg/dl、尿酸 6.9mg/dL、総コレステロール 246mg/dl、トリグリセリド 190mg/dl、総ビリルビン 0.9mg/dl、AST 10IU/l ALT 16IU/l、LD 177IU/l(基準176-353)、ALP 174IU/l(基準115-359)、アミラーゼ 950IU/l(基準37-160)、Na 131mEq/l、K 4.4mEq/l、Cl 97mEq/l。CRP 1.0mg/dl。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.25、PaCO2 28Torr、PaO2 102Torr、HCO3- 12mEq/l。
- a 感染
- b 低栄養
- c 飲水過多
- d ホルモン欠乏
- e ホルモン不応
[正答]
※国試ナビ4※ [105G064]←[国試_105]→[105G066]
[★]
- 次の文を読み、 66~ 68の問いに答えよ。
- 72歳の女性。労作時呼吸困難を主訴に来院した。
- 現病歴:約半年前から労作時の呼吸困難を自覚していた。当初は階段や急な坂を登る時のみであったが次第に悪化し、より軽い労作でも呼吸困難を感じるようになった。現在では 2. 3分の平地歩行でも呼吸困難を自覚するようになったが、安静時には症状はない。
- 既往歴: 20歳時に副鼻腔炎手術。 38歳時に子宮筋腫手術。 10年前から高血圧症に対し内服治療中。
- 生活歴:喫煙歴はない。 1年前から室内でネコを飼っている。
- 家族歴:夫が 3年前に肺癌で死亡。
- 現症:意識は清明。身長 152 cm、体重 52 kg。体温 36.1℃。脈拍 88/分、整。血圧 122/68 mmHg。呼吸数 18/分。 SpO2 97% ( room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張と口唇のチアノーゼとを認めない。心雑音を聴取しないが胸骨左縁第 2肋間で II音の亢進を認める。呼吸音は正常で、呼吸副雑音を聴取しない。腹部診察で異常を認めない。下腿に浮腫を認めない。
- 検査所見:尿所見:蛋白 (-)、糖 (-)。血液所見:赤血球 396万、 Hb 13.0 g/dl、Ht 38%、白血球 6,800、血小板 23万、 Dダイマー 3.6 μg/ml(基準 1.0以下 )。血液生化学所見:総蛋白 7.2 g/dl、アルブミン 4.2 g/dl、総ビリルビン 0.7 mg/dl、AST22 IU/l、ALT 20 IU/l、LD 256 IU/l(基準 176.353)、尿素窒素 10 mg/dl、クレアチニン 0.6 mg/dl、Na 139 mEq/l、K 4.9 mEq/l、Cl 109 mEq/l、脳性ナトリウム利尿ペプチド〈BNP〉140 pg/ml(基準 18.4以下 )。 CRP 0.2 mg/dl。
- 胸部エックス線写真 (別冊 No. 16)を別に示す。
- 認められるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [108E065]←[国試_108]→[108E067]
[★]
- 67歳の男性。全身の衰弱を心配した家族に伴われて来院した。
- 現病歴: 3か月前から徐々に体重が減少し、 2か月前から外出できなくなり、 1週前からは家族の介助がないと立ち上がれなくなった。患者本人は受診を嫌がっていたが、 2日前からはほとんど食事が摂れず、トイレまで歩くこともできなくなったため受診に同意した。
- 既往歴:健康診断は受けていない。
- 生活歴:喫煙は60本/日を47年間。飲酒は日本酒1-2合/日を47年間。
- 家族歴 :父親が高血圧症で、脳梗塞のため82歳で死亡。
- 現 症:意識は清明。身長165cm、体重42kg。体温37.6℃。脈拍120/分、整。血圧96/62mmHg。呼吸数16/分。 SpO2 95%(room air)。眼瞼結膜に貧血を認めない。頸静脈の怒張を認めない。右の前胸部、背部および側胸部で呼吸音が減弱している。 coarse cracklesを聴取しない。皮膚のツルゴールが低下している。下腿に浮腫を認めない。
- 検査所見:血液所見:赤血球394万、 Hb13.1g/dL、 Ht40%、白血球11,700(好中球85%、好酸球1%、単球6%、リンパ球8%)、血小板50万。血液生化学所見:随時血糖181mg/dL、 HbA1c6.5%(基準4.3-5.8)、総蛋白7.3g/dL、アルブミン2.3g/dL、尿素窒素28mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、尿酸3.8mg/dL、総ビリルビン0.3mg/dL、 AST47IU/L、 ALT28IU/L、LD391IU/L(基準176-353)、ALP435IU/L(基準115-359)、 γ-GTP44IU/L(基準8-50)、 Na133mEq/L、 K5.0mEq/L、 Cl93mEq/L、 Ca9.6mg/dL。 CRP24mg/dL。胸部エックス線写真(別冊No. 4)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [106F028]←[国試_106]→[106F030]
[★]
- 67歳の男性。全身の衰弱を心配した家族に伴われて来院した。
- 現病歴: 3か月前から徐々に体重が減少し、 2か月前から外出できなくなり、 1週前からは家族の介助がないと立ち上がれなくなった。患者本人は受診を嫌がっていたが、 2日前からはほとんど食事が摂れず、トイレまで歩くこともできなくなったため受診に同意した。
- 既往歴:健康診断は受けていない。
- 生活歴:喫煙は60本/日を47年間。飲酒は日本酒1-2合/日を47年間。
- 家族歴 :父親が高血圧症で、脳梗塞のため82歳で死亡。
- 現 症:意識は清明。身長165cm、体重42kg。体温37.6℃。脈拍120/分、整。血圧96/62mmHg。呼吸数16/分。 SpO2 95%(room air)。眼瞼結膜に貧血を認めない。頸静脈の怒張を認めない。右の前胸部、背部および側胸部で呼吸音が減弱している。 coarse cracklesを聴取しない。皮膚のツルゴールが低下している。下腿に浮腫を認めない。
- 検査所見:血液所見:赤血球394万、 Hb13.1g/dL、 Ht40%、白血球11,700(好中球85%、好酸球1%、単球6%、リンパ球8%)、血小板50万。血液生化学所見:随時血糖181mg/dL、 HbA1c6.5%(基準4.3-5.8)、総蛋白7.3g/dL、アルブミン2.3g/dL、尿素窒素28mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、尿酸3.8mg/dL、総ビリルビン0.3mg/dL、 AST47IU/L、 ALT28IU/L、LD391IU/L(基準176-353)、ALP435IU/L(基準115-359)、 γ-GTP44IU/L(基準8-50)、 Na133mEq/L、 K5.0mEq/L、 Cl93mEq/L、 Ca9.6mg/dL。 CRP24mg/dL。胸部エックス線写真(別冊No. 4)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [106F027]←[国試_106]→[106F029]
[★]
- 次の文を読み、7~9の問いに答えよ。
- 67歳の男性。胸部圧迫感を主訴に来院した。
- 現病歴 : 50歳時から高血圧と糖尿病とを指摘され近医で投薬を受けている。最近の血圧は150~160/90~94mmHgで空腹時血糖は140~160mg/dlであった。5時間程前労作中に強い胸痛を自覚した。胸痛は20分程で消失したものの胸部圧迫感が持続するため救急外来を受診し入院した。心電図の異常を指摘されたことはない。
- 既往歴 : 特記すべきことはない。
- 生活歴:喫煙 : 30年前から現在まで20本/日。
- 現症 : 身長165cm、体重78kg。脈拍72/分、整。血圧152/92mmHg。皮膚は冷たく湿潤している。頚静脈の怒張はない。心雑音はなく、肺野でラ音を聴取しない。腹部に特記すべき所見はなく、下肢に浮腫を認めない。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖1+。血液所見:赤血球530万、Hb15.6g/dl、Ht46.3%、白血球10,000、血小板25万。血清生化学所見:血糖243mg/dl、総蛋白6.5g/dl、アルブミン4.0g/dl、尿素窒素13mg/dl、クレアチニン0.9mg/dl、尿酸5.3mg/dl、総コレステロール170mg/dl、HDLコレステロール45mg/dl(基準35~60)、トリグリセライド101mg/dl(基準50~130)、AST44単位(基準40以下)、ALT30単位(基準35以下)、LDH302単位(基準176~353)、CK453単位(基準10~40)。CRP0.4mg/dl(基準0.3以下)。胸部エックス線写真で心胸郭比58%で肺野に異常を認めない。心エコー図で左室駆出率57%、前壁の運動低下を認めた。来院時の心電図と緊急で行われた冠動脈造影写真とを以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [097C008]←[国試_097]→[097C010]
[★]
- 22歳の女性。運動時の疲労感と「理由もなく氷が食べたくなる」ことを主訴に受診した。
- 現病歴:受診3か月前の1月から、運動時の疲労感が強いことを自覚するようになった。所属している大学剣道部の最後の大会を夏に控え、特に熱心に練習していたので、そのための疲労感だろうと考えていた。 4月になると、軽い稽古だけで今までよりも強い疲労感を感じるようになったが、 3月にあった春合宿の疲労が残っているものと考えてそのままにしていた。ただ、暑くもないのに氷が食べたくなるときが増えたことは気になっていた。本日、大学内の医務室前を通りがかったとき、偶然「寒い日でも氷が食べたくなったときは医務室へ相談を! 」と書かれたポスターが目に入り、心配になったため受診した。
- 既往歴: 12歳時に虫垂炎の手術を受けた。
- 生活歴 : 喫煙・飲酒はしない。
- 家族歴:母(48歳)が脂質異常症で内服加療中。父(52歳)は高血圧症で内服加療中。妹(18歳)と弟(15歳)とは健康である。
- 月経歴 :初経13歳。周期28日型、整。
- 現 症:意識は清明。身長152cm、体重40kg。体温36.8℃。脈拍96/分、整。血圧100/60mmHg。呼吸数20/分。眼瞼結膜はやや蒼白である。眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
- 内服薬による治療を行う場合、同時に摂取することでこの内服薬の生体への吸収効率を上昇させるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106E065]←[国試_106]→[106E067]
[★]
- 22歳の女性。運動時の疲労感と「理由もなく氷が食べたくなる」ことを主訴に受診した。
- 現病歴:受診3か月前の1月から、運動時の疲労感が強いことを自覚するようになった。所属している大学剣道部の最後の大会を夏に控え、特に熱心に練習していたので、そのための疲労感だろうと考えていた。 4月になると、軽い稽古だけで今までよりも強い疲労感を感じるようになったが、 3月にあった春合宿の疲労が残っているものと考えてそのままにしていた。ただ、暑くもないのに氷が食べたくなるときが増えたことは気になっていた。本日、大学内の医務室前を通りがかったとき、偶然「寒い日でも氷が食べたくなったときは医務室へ相談を! 」と書かれたポスターが目に入り、心配になったため受診した。
- 既往歴: 12歳時に虫垂炎の手術を受けた。
- 生活歴 : 喫煙・飲酒はしない。
- 家族歴:母(48歳)が脂質異常症で内服加療中。父(52歳)は高血圧症で内服加療中。妹(18歳)と弟(15歳)とは健康である。
- 月経歴 :初経13歳。周期28日型、整。
- 現 症:意識は清明。身長152cm、体重40kg。体温36.8℃。脈拍96/分、整。血圧100/60mmHg。呼吸数20/分。眼瞼結膜はやや蒼白である。眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
- この患者に対する医療面接で、重要度が低い情報はどれか。
- a 経血量
- b 便の色調
- c 偏食の有無
- d 貧血の家族歴
- e 氷を食べたくなる時間帯
[正答]
※国試ナビ4※ [106E063]←[国試_106]→[106E065]
[★]
次の文を読み、 28、 29の問いに答えよ。
- 32歳の男性。風邪が治らないことを主訴に来院した。
- 現病歴: 8日前に全身倦怠感と咽頭痛とが出現した。風邪をひいたと考え、数日は睡眠を長めにとって様子をみていたが、改善しなかった。 4日前から耳閉感が出現し、 37.5℃の発熱もみられた。 2日間仕事を休み、市販の総合感冒薬を服用していたが、症状が改善しないため受診した。鼻汁、鼻閉感および咳はない。頭痛はないが、頸部から後頭部にかけて重たい感じがあるという。
- 既往歴:スギ花粉症。
- 生活歴:妻との2人暮らし。事務職。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:父親が高血圧症で薬物治療中。母親が糖尿病で食事療法中。
- 現 症:意識は清明。身長165cm、体重60kg。体温37.4℃。脈拍88/分、整。血圧126/80mmHg。咽頭粘膜に発赤を認めない。口蓋扁桃は軽度に腫大している。両側の胸鎖乳突筋の後縁に、径1cmの軟らかく圧痛のないリンパ節を2、 3個ずつ触知する。
- 肝と脾との腫大をみるために腹部診察を行おうとしたところ、患者が「おなかの診察までするのですか」と尋ねた。
- a 他の医師に交代することを患者に提案する。
- b 腹部の診察は行わずに身体診察を終了する。
- c 質問には返答せず、そのまま腹部の診察を続ける。
- d 診察を中断し、腹部診察の必要性について説明する。
- e 身体診察では医師の指示に従う必要があると説明する。
[正答]
※国試ナビ4※ [106C028]←[国試_106]→[106C030]
[★]
- 次の文を読み、31、32の問いに答えよ。
- 82歳の女性。意味不明な言動を心配した家族に伴われて来院した。
- 現病歴:1週前までは特に変わった様子はなかった。数日前から食欲が低下し、昨日の朝からつじつまの合わない言動がみられるようになった。今朝はパジャマのまま外出してしまい、連れ戻そうとすると大声で騒ぐため、心配した家族に連れられて受診した。
- 既往歴:60歳時に甲状腺癌で甲状腺・副甲状腺全摘術を受けた。術後から甲状腺ホルモン、活性型ビタミンD及びカルシウム剤を服用している。65歳時から高血圧症で服薬加療中。最近は腎機能障害と高血糖とを指摘されている。
- 生活歴:娘の家族と同居。
- 家族歴:母親が脳卒中のため75歳で死亡。
- 現症:体温36.0℃。脈拍64/分、整。血圧152/74mmHg。呼吸数16/分。舌と皮膚とは乾燥している。開眼しているが、質問に対して返答せず、意味不明の発言を繰り返す。
- 検査所見:血液所見:赤血球367万、Hb 10.5g/dl、Ht 33%、白血球4,200、血小板22万。血液生化学所見:随時血糖167mg/dl、HbA1c(NGSP)6.0%(基準4.6~6.2)、総蛋白6.4g/dl、アルブミン3.3g/dl、総コレステロール212mg/dl、尿素窒素40mg/dl、クレアチニン1.7mg/dl、尿酸8.0mg/dl、Na 142mEq/l、K4.5mEq/l、Cl 100mEq/l、Ca 13.0mg/dl。CRP 0.5mg/dl。
- この精神障害に特徴的なのはどれか。
- a 睡眠は良好である。
- b 記銘力は保たれる。
- c 意識は清明である。
- d 症状は変動しやすい。
- e 根本的な改善は期待できない。
[正答]
※国試ナビ4※ [107H031]←[国試_107]→[107H033]
[★]
- 22歳の女性。運動時の疲労感と「理由もなく氷が食べたくなる」ことを主訴に受診した。
- 現病歴:受診3か月前の1月から、運動時の疲労感が強いことを自覚するようになった。所属している大学剣道部の最後の大会を夏に控え、特に熱心に練習していたので、そのための疲労感だろうと考えていた。 4月になると、軽い稽古だけで今までよりも強い疲労感を感じるようになったが、 3月にあった春合宿の疲労が残っているものと考えてそのままにしていた。ただ、暑くもないのに氷が食べたくなるときが増えたことは気になっていた。本日、大学内の医務室前を通りがかったとき、偶然「寒い日でも氷が食べたくなったときは医務室へ相談を! 」と書かれたポスターが目に入り、心配になったため受診した。
- 既往歴: 12歳時に虫垂炎の手術を受けた。
- 生活歴 : 喫煙・飲酒はしない。
- 家族歴:母(48歳)が脂質異常症で内服加療中。父(52歳)は高血圧症で内服加療中。妹(18歳)と弟(15歳)とは健康である。
- 月経歴 :初経13歳。周期28日型、整。
- 現 症:意識は清明。身長152cm、体重40kg。体温36.8℃。脈拍96/分、整。血圧100/60mmHg。呼吸数20/分。眼瞼結膜はやや蒼白である。眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
[正答]
※国試ナビ4※ [106E064]←[国試_106]→[106E066]
[★]
- 次の文を読み、31、32の問いに答えよ。
- 82歳の女性。意味不明な言動を心配した家族に伴われて来院した。
- 現病歴:1週前までは特に変わった様子はなかった。数日前から食欲が低下し、昨日の朝からつじつまの合わない言動がみられるようになった。今朝はパジャマのまま外出してしまい、連れ戻そうとすると大声で騒ぐため、心配した家族に連れられて受診した。
- 既往歴:60歳時に甲状腺癌で甲状腺・副甲状腺全摘術を受けた。術後から甲状腺ホルモン、活性型ビタミンD及びカルシウム剤を服用している。65歳時から高血圧症で服薬加療中。最近は腎機能障害と高血糖とを指摘されている。
- 生活歴:娘の家族と同居。
- 家族歴:母親が脳卒中のため75歳で死亡。
- 現症:体温36.0℃。脈拍64/分、整。血圧152/74mmHg。呼吸数16/分。舌と皮膚とは乾燥している。開眼しているが、質問に対して返答せず、意味不明の発言を繰り返す。
- 検査所見:血液所見:赤血球367万、Hb 10.5g/dl、Ht 33%、白血球4,200、血小板22万。血液生化学所見:随時血糖167mg/dl、HbA1c(NGSP)6.0%(基準4.6~6.2)、総蛋白6.4g/dl、アルブミン3.3g/dl、総コレステロール212mg/dl、尿素窒素40mg/dl、クレアチニン1.7mg/dl、尿酸8.0mg/dl、Na 142mEq/l、K 4.5mEq/l、Cl 100mEq/l、Ca 13.0mg/dl。CRP 0.5mg/dl。
- この精神障害の原因として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107H030]←[国試_107]→[107H032]
[★]
- 76歳の女性。一過性意識障害と四肢冷感とを主訴に来院した。2日前に前頚部に突然痛みが出現し、その後胸痛が加わったため早めに就寝した。背部痛で一時覚醒したが、翌朝には胸痛と背部痛とは軽減していた。かかりつけの診療所を受診し、高血圧に対してβ遮断薬を処方された。本日の午前3時ころ排尿後に約5分間意識消失した。意識回復後、四肢冷感と倦怠感とが持続したため 午前10時独歩で受診した。52歳時に高血圧症、74歳時に糖尿病を指摘されている。意識は清明。体温 35.8℃。脈拍 72/分、整。血圧 104/80mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2) 96%。胸部と腹部とに異常を認めない。神経学的所見に異常を認めない。血液所見: 赤血球 418万、Hb 12.7g/dl、Ht 40%、白血球 9,300、血小板 13万。血液生化学所見: 血糖 229mg/dl、尿素窒素 23mg/dl、クレアチニン 1.0mg/dl、AST 98 IU/l ALT 50IU/l、LD 526IU/l(基準176-353)、ALP 189IU/l(基準115-359)、CK 215IU/l(基準30-140)、CK-MB 15IU/l(基準20以下)、Na 135mEq/l、K 4.8mEq/l、Cl 100mEq/l。CRP 2.1mg/dl。胸部エックス線写真(別冊No.2A)と12誘導心電図(別冊No.2B)とを別に示す。
- 次に行うのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104F019]←[国試_104]→[104F021]
[★]
- 69歳の男性。飲食店経営者。人間ドックで胸部エックス線写真の異常陰影を指摘されたため来院した。 58歳から高血圧症のため内服治療中である。喫煙は20本/日を40年間。意識は清明。身長164cm、体重70kg。体温36.8℃。脈拍72/分、整。血圧148/72mmHg。呼吸数12/分。頚部リンパ節と鎖骨上リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球430万、 Hb15.3g/dl、 Ht42%、白血球8,100、血小板20万。血液生化学所見:総蛋白7.9g/dl、アルブミン4.6g/dl、尿素窒素12mg/dl、クレアチニン0.8mg/dl、総ビリルビン1.0mg/dl、 AST51IU/l、 ALT38IU/l、 LD217IU/l (基準176-353)。免疫学所見: CRP0.lmg/dl。 CEA8.3ng/ml(基準5以下)。肺機能検査所見: %VC92%、 FEV1.0% 75%。心電図に異常を認めない。気管支鏡検査で右B3から擦過細胞診を行いクラスV陽性(腺癌)と判定された。精査の結果、所属リンパ節転移と遠隔転移とを認めなかった。胸部エックス線写真で右上肺野の結節影と左第一肋軟骨の石灰化とを認めた。胸部エックス線写真(別冊No. 16A)と胸部単純CT(別冊No. 16B)とを別に示す。
- 第一選択になる治療法として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106D043]←[国試_106]→[106D045]
[★]
- 63歳の女性。 「鼻血を止める方法を教えてください」と救急外来に電話があった。
- 現病歴:本日19時から、自宅で特に誘因なく鼻出血が出現した。 30分たっても止血しないため、救急外来に電話したという。
- 既往歴:約10年前に高血圧症と診断され、自宅近くの診療所で降圧薬を処方されている。
- 患者は20時30分頃来院した。助言に従い止血を試みたが、効果がみられなかったという。
- 生活歴:特記すべきことはない。
- 家族歴 :父親が高血圧性脳出血のため76歳で死亡。
- 現 症:意識は清明。脈拍88/分、整。血圧166/80mmHg。左鼻孔からの出血を認め、しばしば口腔内に溜まった血液を吐き出している。他の身体所見に異常を認めない。
- 救急外来担当医が耳鼻咽喉科医師に対応を要請している間に、座って待機していた患者が床にうずくまった。呼びかけに対する反応は明確でなく、顔面は蒼白で冷汗を認める。脈拍56/分、整。血圧104/72mmHg。呼吸数16/分。胸部聴診で呼吸音に異常を認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [106F030]←[国試_106]→[106G001]
[★]
- 次の文を読み、 37、 38の問いに答えよ。
- 69歳の女性。発熱を主訴に来院した。
- 現病歴: 2週前から 38℃台の発熱が出現し、非ステロイド性抗炎症薬を内服し、解熱と発熱とを繰り返していた。その後、徐々に食欲が減退し、最近 1週間は発熱時は 39℃を超えるようになった。かかりつけ医で胸部エックス線撮影と尿検査とを行い、異常を指摘されなかった。受診前日に 2回軟便があった。咽頭痛、咳、痰および排尿痛はない。
- 既往歴:高血圧症で治療中。
- 生活歴:海外渡航歴とペット飼育歴とはない。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:意識は清明。体温 38.4℃。脈拍 96/分、整。血圧 160/66 mmHg。呼吸数 20/分。 SpO2 96% ( room air)。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。項部硬直を認めない。心尖部に III /VIの汎〈全〉収縮期雑音を認める。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。脊椎棘突起の叩打痛を認めない。肋骨脊柱角に叩打痛を認めない。四肢に浮腫を認めない。経胸壁心エコー検査では僧帽弁の逆流と僧帽弁の疣贅とを認めた。
- 診断に有用な検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108H036]←[国試_108]→[108H038]
[★]
- 英
- diuretic, diuretics
- 関
- 尿細管
適応
利尿薬の種類 (GOO.744)
利尿薬の例
-
利尿薬の作用部位
- ホルモンと利尿薬の作用部位についての簡単なまとめは→尿細管
参照
- http://hobab.fc2web.com/sub4-Diuretics.htm
[★]
- ☆case79 混乱
- 79歳 女性
- 主訴:混乱
- 現病歴:5年前より高血圧と診断され薬物で加療中であった。混乱がひどくなってきたと訴え娘と来院。娘の話では3週間前より混乱の症状が始まっており、以前は認知機能に問題は無かった。患者は食欲の減退、頭痛、筋痙攣(muscle cramp)も訴えていた。高血圧の治療は診断時よりアテノロールを服用していたが四肢の冷感をうったえて2ヶ月前に中止、ベンドロフルメチアジド1日2.5mgに切り替え特に問題なかった。
- 生活歴:単身であり、近くに娘が住んでいる。
- 嗜好歴:飲酒、喫煙共に無し。
- 服用薬:服用薬無し。近所の薬品屋で購入したビタミン剤は飲んでいる。
- 身体所見 examination
- 皮膚のツルゴール正常。脈拍 80/分、整。血圧 146/90 mmHg。頚静脈圧:正常。異常心音認めず。末梢の浮腫無し。呼吸器系、消化器系異常なし。abbreviated mental test scoreは6/10。時間と場所の見当識無し。局所神経症状無し。眼底に銀線動脈とarteriovenous nippingを認める。乳頭浮腫は認めない。
- 検査所見 investigations
- 低ナトリウム血症、軽度の低カリウム血症、クレアチニン軽度低下、尿浸透圧低下。
- 問診(S)
- 混乱(程度は次第に重度に)
- 食欲減退
- 頭痛
- 筋痙攣
- 高血圧
- アテノロール服用(5年前より2ヶ月前まで。服用により四肢が出る)中止後、ベンドロフルメチアジド服用
- 身体所見(O)
- 高血圧(146/90mmg) → Japanの基準だとI度高血圧(YN.C-162)
- abbreviated mental test score: 6/10 → 認知症/譫妄疑い
- 眼底にsilver-wiringとarteriovenous nippingを認め乳頭浮腫を認めない (YN.C-165)
- (陰性所見)
- ツルゴールは正常 → 脱水を否定
- 高血圧以外の循環器疾患は否定的?、呼吸器、消化器系は正常らしい
- 場所にと時間に関する見当識がないのでJCSだと2
- 局所神経症状なし → 中枢神経系の疾患は考えづらい?
- 検査(O)
- 低ナトリウム血症、軽度の低カリウム血症、クレアチニン軽度低下、尿浸透圧低下。
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- ■チアジド系利尿薬
- ・副作用は?
- 低カリウム血症、耐糖能低下、高尿酸血症、高カリウム血症、アルカローシス、GFR↓。(YN.C-62)
- ・禁忌は?
- 無尿、腎不全、糖尿病、高脂血症。(YN.C-62)
- ・特徴(医学用語辞典より)
- ・降圧利尿薬として本態性高血圧症に対する第一選択薬の1つとして用いられる。
- ・有効率が高いこと、至適用量の個人差が少ないこと、効果の発現が緩徐で過度の降圧を来さないことなどの利点を有している。
- ・ベンドロフルメチアジド bendroflumethiazide
- チアジド系利尿薬の一種
- ■アテノロール(YN.C-64)
- ・β1選択性β遮断薬。
- ・心臓のβ1受容体に選択的に作用し、本態性高血圧症、狭心症、頻脈性不整脈に対して有用性が認められている。
- ■学習事項
- ・混乱(confusion)をきたす疾患を鑑別してみよう
- ■abbreviated mental test score (en wikipediaより)
- ・1972年にHodkinsonが老人の認知症の可能性について、迅速に評価できる手法として紹介。
- ・認知症以外にも、混乱や認知機能障害の評価にも使われている。
- ・10の項目があって、答えられると1点。6点以下でdelirium(譫妄)やdementia(認知症)が疑われる。
- ・年齢、今何時、住所を覚えてもらい最後に聞く、今何年、病院名/家の住所、二人の人の認知、誕生日、世界大戦が始まった年、現在の王?の名前、20から1までカウントダウン
- ■診断
- 利尿薬による低ナトリウム血症
- 利尿剤による低ナトリウム血症は治療開始後2,3週間以内に起こりやすい。
- NSAIDも服用している老年女性に多い(NSAIDは水の排泄を抑制)
- メカニズム?:NSAIDはプロスタグランジンの生成を阻害 → レニン分泌↓ → 輸出細動脈は拡張したまま → GFR低下 → 水の排泄がうまくいかないのだろうか。
- ■血漿浸透圧を計算してみよう
- 2 x ([Na+] + [K+]) + [urea] + [glucose] [単位:mOsmol/kg]
- ■低ナトリウム血症(YN.D-138)
[★]
- 英
- second heart sounds, S2
- 関
- 心音
まとめ
II音増大
- MSとASとでは、同じstenosisでも心音の大きさに関与の仕方が違うんですね。
- 拡張期における大動脈圧、肺動脈圧が高い → 弁に衝突する血液の流速が早い → 弁の閉鎖音が大きい
- 大動脈弁が閉じるとき、拡張期早期 back pressureが高い?
- 拡張期に大動脈弁を挟んだback pressureが高いから?
II音減弱
分裂音
- PHD.33-35
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横隔膜の相対的位置
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II音
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呼気
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expiration
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 ̄
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single sound
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吸気
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inspiration
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_
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| |
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splitting sound
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- (1)吸気時には、肺の血管抵抗性が低下 → 拡張期におけるP弁へのback pressureは呼気時と比べ比較的低下する →P弁の開放時間が延長
- (2)吸気時には、肺静脈が拡張 → 左房・左室への血液還流量が減少 → 左室を充満する血液量減少 → 一回拍出量減少 → 駆出時間の短縮 → A弁の開放時間が短縮
- right bundle branch block(RBBB), pulmonic stenosis(PS)
- IIAが早まる:MR, VSD
- IIPが遅れる:RBBB, PS, pulmonary hypertension
[★]
トコフェロール、ビタミンA
適応
副作用
消化器
- 0.1~5%未満 食欲不振、胃部不快感、胃痛、悪心、下痢、便秘
過敏症
肝臓
- 0.1%未満 肝機能障害 (AST (GOT)、ALT (GPT) の上昇等)
その他
- 0.1%未満 温感、潮紅
- 頻度不明 顔面浮腫、浮腫
臨床効果
- 高血圧症:しびれ感、めまい感、首筋や肩のこり、頭痛、不眠、耳鳴、息切れ、抑鬱、四肢冷感などの随伴症状を改善
- 脂質異常症:T-CHO低下、HDL-C上昇
- 末梢循環障害:閉塞性動脈硬化症などの末梢循環障害に対して有用性
薬効薬理
- (1) 加齢ラットやコレステロール負荷ラットの実験でコレステロールの代謝回転を高めることにより、血中総コレステロール値を低下させる。これは本薬がコレステロールの異化・排泄を高めるためと考えられる。さらに過酸化脂質、中性脂肪も低下させる。
- (2) ヒトの血中総コレステロールを低下させ、リポ蛋白代謝において血中HDL‐コレステロールを上昇させる。
- (1) 本薬の微小循環系賦活作用は、神経系を介さず、血管平滑筋に直接作用し、血管運動性を維持しながら耳殼血流を増加させることが無麻酔ウサギの実験で認められている。
- (2) ヒトの末梢循環不全に対する改善作用は、ビタミンEとニコチン酸との併用よりも明らかに優れている。
- 3. 血管強化作用 ヒトの毛細血管の透過性亢進を改善し、紫斑数を減少させることが認められている。
- 4. 血小板凝集抑制作用
- (1) ヒトの凝集能が亢進している血小板に対するアドレナリン凝集、アラキドン酸凝集、コラーゲン凝集、ADP凝集のいずれにおいても血小板凝集抑制が認められている。
- (2) ヒトの多血小板血漿に対するアラキドン酸凝集、コラーゲン凝集において血小板凝集抑制作用をトコフェロールニコチン酸エステル、トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールで比較した結果、トコフェロールニコチン酸エステルが強力な抑制効果を示した。
- 5. 血中酸素分圧上昇作用 ヒトにおいて低下した血中酸素分圧を上昇させることが認められている。
[★]
- 英
- carvedilol
- 商
- アーチスト、アテノート、アニスト、アーチワン, Coreg
- 関
- β受容体遮断薬
- 非選択的β遮断薬
- α1遮断作用。β遮断作用。
- α作用はわずからしい
- β遮断薬による脂質代謝への悪影響が少ない ←? (一般的にはβ2受容体遮断によりインスリン分泌低下。 β受容体遮断薬)
- 高血圧症(本態性高血圧症、腎実質性高血圧症)、狭心症
禁忌
- アーチスト
添付文書
- アーチスト錠1.25mg/アーチスト錠2.5mg/アーチスト錠10mg/アーチスト錠20mg
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2149032F1021_2_04/2149032F1021_2_04?view=body