- 英
- supine position、dorsal position、face-up position、supine
- 関
- 背臥位
WordNet
- lying face upward (同)resupine
PrepTutorEJDIC
- あおむけに寝た / 怠惰な,無精な
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/12/08 09:50:40」(JST)
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仰臥位(ぎょうがい、羅: supinus、英: supine position[1][2])または背臥位(はいがい、独: Rückenlage[1]、英: dorsal position[2])とは、主にヒトの解剖学やその応用である介護・看護学、スポーツ医学やその他分野(人間工学など)における体位の表現のひとつ。身体の長軸を重力ベクトルに対して水平に静止させた水平位(horizontal position)の一種であり[1]、背部を地につけ臥床させた、いわゆる仰向け(あおむけ)に寝た姿勢のことである[2]。歯科など、座位と水平位を頻繁に変換する領域では、水平位を仰臥位とほぼ同義な用語として用いることも多い。この体位において、顔面は天を向け[1]、上肢は体幹側で自然に伸展させるのが一般的である[1][2]。下肢は左右に少し開いて自然に伸展させるか[1][2]、膝の下に枕などを敷き少し屈曲させ[3]、足関節は中間位(底屈・背屈させない)とすると筋肉への負荷が少ない[2]。また、脊柱の彎曲に沿って、頭頸部や大腿部、および足底部(踵骨隆起)を枕で支えることもある[3]。
重心が低くモーメントとして安定しており、背部が基底面となり身体の支持面も広いことから物理学的・生理学的な静止状態を得られやすい体位である[2]。また、全身の筋肉の緊張が最小で、骨格や腱などの運動器系に対する重力負荷がほとんどないことから、生体エネルギーの消耗を最も節約できる体位とされている[3]。
循環器系に関しては、頭部・体幹・四肢の各部が心臓とほぼ同じ高さになるため、全身の体循環、殊に腹部内臓の血流量が上昇する[2]。同時に右心への静脈環流量も増加し心臓の容量負荷が増大するため、特に心肺機能の低下時には注意が必要である[2]。
休息時、就寝時にとる自然な体位であり[1]、安静が必要な患者や被介助者にも適している[2]。内科的な診察・処置の際や、外科手術の際に、好んで用いられるが[2]、座位、伏臥位、膝胸位、砕石位などの他の体位との使い分けも適宜なされている[3]。
この姿勢をとる者自身の意志の有無によって、「能動的仰臥位」と「受動的仰臥位」とに分類することができる。後者は、衰弱や意識障害などが原因となり、自身の意志のみでは仰臥位から他の体位に変わることが不可能になった状態を指す[4]。
長時間の臥床の際は、有害事象の可能性を考慮する必要がある。有害事象として代表的なものに褥瘡があり、背部、臀部および踵部に好発する[2]。特に仰臥位では第2仙椎に重心があるため、仙骨部の褥瘡は頻度が高い[1]。褥瘡を防止するためには、体位変換を適切に行うことが必要である[2]。さらに術後の際や意識障害がある場合などでは、気道閉塞や誤飲も念頭におき、枕を外すなどして頭部の向きに注意する必要がある[2]。
脚注
- ^ a b c d e f g h 内薗耕二・小坂樹徳(監修)『看護学大辞典』第四版、メヂカルフレンド社、1994年11月、449頁。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 張替直美「仰臥位」『看護学辞典』日本看護学協会、2003年3月、150頁。
- ^ a b c d 大橋優美子ら(監修)『看護学学習辞典』第2版、学習研究社、2002年11月、796-799頁
- ^ 武内重五郎『内科診断学』改定15版、南江堂、1997年5月、p60。
関連項目
- 解剖学における方向の表現
- 伏臥位 - 腹を地面側にした逆の姿勢。うつ伏せ。
- 側臥位 - 体を横にした姿勢。
- 仰臥位低血圧症候群(英語版)
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 仰臥位から座位への姿勢変換が自律神経系活動におよぼす影響
- 『CTガイド下肺穿刺後に心腔内空気栓を生じた2症例』について
- 渡橋 和政,松浦 陽介
- 日本呼吸器外科学会雑誌 = The journal of the Japanese Association for Chest Surgery 25(5), 582-583, 2011-07-15
- … 一方で,御存知のことと思われますが,CTガイド下肺穿刺は,腫瘍の局在により,体位を変えて行います.上述で,心尖部からの2腔断面像描出は容易としましたが,描出の容易な左側臥位〜仰臥位を常に取る訳ではありませんので,その場合にどこまで十分な描出が可能であるかは,検討課題と思われます(腫瘍が背側に位置する様な場合では,腹臥位で穿刺を行うため,経胸壁心エコーは利用も出来ない状況となりま …
- NAID 10029125922
- PS-043-6 仰臥位MRIによる断端陰性化の試み(PS-043 ポスターセッション(43)乳腺:画像診断-3,第111回日本外科学会定期学術集会)
- 河手 敬彦,海瀬 博史,山田 公人,緒方 昭彦,上田 直子,小田 美規,小松 誠一郎,木村 芙英,細永 真理,河合 佑子,宮原 か奈,河野 範男
- 日本外科学会雑誌 112(臨時増刊号_1・2), 580, 2011-05-25
- NAID 110008684615
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- 次の文を読み、30、31の問いに答えよ。
- 29歳の男性。動悸と労作時呼吸困難とを主訴に来院した。
- 現病歴: 学生のころから心雑音を指摘されていたが放置していた。1週前から誘因なく階段での息切れを自覚し次第に増悪した。
- 既往歴: 幼少時から背が高い。両腕が長く既製服を着用できない。強度の近視がある。
- 現 症: 意識は清明。身長 182cm。体重 52 kg。痩せ型で両側前腕と手指が長い。体温 36.6℃。脈拍 96/分、整。血圧 116/48mmHg。第2肋間胸骨右縁に3/6度の収縮期雑音と心尖部に放散する3/6度の拡張期雑音とを認める。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。両下腿に浮腫を認めない。
- 検査所見: 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 430万、Hb 14.1 g/dl、白血球 6,800、血小板 28万。血液生化学所見:総蛋白 7.2 g/dl、アルブミン 4.8 g/dl、AST 30 IU/l、ALT 24 IU/l、尿素窒素 18 mg/dl、クレアチニン 1.0 mg/dl、総コレステロール 182 mg/dl。CRP 0.3 mg/dl。
- この患者の拡張期雑音を最も強く聴取するのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103F029]←[国試_103]→[103F031]
[★]
- 次の文を読み、37、38の問いに答えよ。
- 18歳の男子。昨夜から喘鳴を伴う呼吸困難があり、今朝から意識混濁が出現したため救急車で搬入された。
- 現症 : 意識JCS20。体温37.6℃。呼吸数30/分。脈拍140/分、整。血圧130/92mmHg。努力性胸式呼吸で呼気の延長が著明である。口唇と爪床とにチアノーゼを認める。貧血と黄疸とはない。肺野は呼気時に喘鳴がある。心音は肺動脈領域でⅡ音の亢進が認められる。腹部は平坦、軟で圧痛はない。
- 検査所見 : 血液所見:赤血球518万、Hb16.3g/dl、Ht49%、白血球13,600、血小板33万。血清生化学所見:血糖138mg/dl、総蛋白7.5g/dl、クレアチニン1.0mg/dl、総ビリルビン1.0mg/dl、AST〈GOT〉35単位(基準40以下)、ALT〈GPT〉31単位(基準35以下)、LDH183単位(基準176~353)、CK70単位(基準10~40)。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.00、PaO2 37Torr、PaCO2 67Torr、HCO3- 17mEq/l、BE -7.7mEq/。胸部エックス線写真で心拡大はない。
[正答]
※国試ナビ4※ [096F036]←[国試_096]→[096F038]
[★]
- 28歳の女性。腹痛を訴えて来院した。
- 2日前から心窩部に重苦しい痛みが出現し、嘔気があった。体温は37.4℃であった。
- 今朝から痛みは右下腹部に移動し、我慢できないほど強くなった。階段を降りるときには、右下腹部に痛みが響く。下痢はなく、2日前に排便があった。月経は1週前に終わっている。24歳時に帝王切開で出産した。
- 意識は清明。体温37.8℃。脈拍104/分、整。血圧136/86mmHg。血液所見:赤血球390万、Hb11.9g/dl、Ht35%、白血球18,000。
- この患者で可能性が最も高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098F013]←[国試_098]→[098F015]
[★]
- 62歳の女性。回転性めまいを主訴に来院した。3日前に美容院で洗髪のため仰臥位で懸垂頭位になった時に突然、回転性めまいが出現した。回転性めまいは十数秒で消失した。難聴や耳鳴りはなく、嘔気もなかった。その後、就寝時の寝返りで同様の回転性めまいが生じた。意識は清明。体温36.0℃。脈拍80/分、整。血圧136/82mmHg。純音聴力検査で異常を認めない。頭部単純MRIで異常を認めない。頭位眼振、頭位変換眼振所見(別冊No.11)を別に示す。
- 治療として最も適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104E054]←[国試_104]→[104E056]
[★]
- 2歳6か月の男児。発熱と不機嫌とを主訴に来院した。一昨日から不機嫌で、39℃台の発熱を認める。身長90cm、体重12.2kg。体温38.8℃。呼吸数36/分。脈拍120/分、整。血圧106/68 mmHg。意識は傾眠状態。顔色不良で顔親は無欲状である。咽頭発赤を認めるが、鼓膜の発赤はない。仰臥位で頭部を前屈させると抵抗を感じる。股関節を屈曲位にして膝関節を他動的に伸展すると抵抗があり伸展できない。
- この患児でみられるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [104E043]←[国試_104]→[104E045]
[★]
- 56歳の男性。30分前からの胸部圧迫感を主訴に来院した。モニター心電図とパルスオキシメーターを装着し仰臥位で診療を始めた直後に意識を消失し、いびきをかきはじめ不規則な呼吸となった。頚動脈拍動は触知せず、心電図上の心拍数は36/分である。パルスオキシメーターはエラーを表示している。
- 処置としてまず行うのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104F020]←[国試_104]→[104F022]
[★]
- 31歳の初産婦。骨盤位で選択的帝王切開を受けるため妊娠38週に入院した。手術室で静脈路確保後に側臥位で脊髄くも膜下麻酔を施行された。皮膚切開予定部位の消毒のため仰臥位となったところ、3分後に悪心を訴えた。意識は清明。呼吸数 18/分。脈拍 96/分、整。血圧86/56mmHg。SpO2 98%(room air)。胎児心拍数 120/分。
- 輸液速度を速めるのと同時に行うのはどれか。
- a 気管挿管
- b 笑気の吸入
- c 半坐位への体位変換
- d アドレナリンの静注
- e 患者左側方向への子宮の用手的移動
[正答]
※国試ナビ4※ [109A020]←[国試_109]→[109A022]
[★]
- 21歳の男性。発熱と咳嗽を主訴に来院した。体温 39.2℃。脈拍 108/分、整。血圧 120/70mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 97%(room air)。血液検査のため、右肘正中皮静脈に採血針を穿刺した直後に気分不快を訴えた。顔面蒼白となり、全身に発汗を認めたため、直ちに採血を中止した。
- 次に行うべき処置はどれか。
- a 仰臥位にして下肢を挙上する。
- b 採血部位に冷湿布を貼付する。
- c アドレナリンを静脈投与する。
- d 呼吸回数を増やすように指導する。
- e 採血部位に局所麻酔薬を皮下注射する。
[正答]
※国試ナビ4※ [113B036]←[国試_113]→[113B038]
[★]
- 32歳の女性。咽頭痛と呼吸困難とを主訴に来院した。昨夜から咽頭痛が出現し、強い嚥下痛のため食事がとれなくなった。今朝から呼吸困難を自覚し、その後、急激に増悪している。体温38.9℃。苦しくて横になれず、吸気時に強い喘鳴がある。喉頭内視鏡写真(別冊No.3)を別に示す。
- a 仰臥位安静
- b 内視鏡的鉗子生検
- c 抗ウイルス薬投与
- d 輪状甲状軟骨間膜切開
- e 経鼻経腸栄養チューブ挿入
[正答]
※国試ナビ4※ [105H025]←[国試_105]→[105H027]
[★]
- a 頚部の筋群の硬さを触診で確認する。
- b 頭部を左右に振って眼振の出現を確認する。
- c 首を一側に回旋した際の対側上肢のしびれを確認する。
- d 仰臥位で頚部を他動的に前屈するときの抵抗感を確認する。
- e 仰臥位で股関節と膝関節を90度屈曲位にするときの筋硬直を確認する。
[正答]
※国試ナビ4※ [104H002]←[国試_104]→[104H004]
[★]
- 25歳の男性。暴漢にナイフで大腿部を刺され救急車で来院した。大量の動脈性出血を認める。
- 直ちに行うべき処置はどれか。
- (1) 仰臥位として頭を低くする。
- (2) 静脈路を確保する。
- (3) 出血部の直接圧迫止血を行う。
- (4) 止血薬を投与する。
- (5) 鉗子による止血を行う。
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096I046]←[国試_096]→[096I048]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108G025]←[国試_108]→[108G027]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108H015]←[国試_108]→[108H017]
[★]
- 72歳の女性。早朝、呼吸困難のため搬入された。以前から高血圧を指摘されていた。搬入時の血圧220/140mmHg。呼吸困難で会話もままならない。ピンク色の泡沫状喀痰がみられる。
- 診察時の患者の体位として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105F022]←[国試_105]→[105F024]
[★]
- a 5(Normal)
- b 4(Good)
- c 3(Fair)
- d 2(Poor)
- e 1(Trace)
[正答]
※国試ナビ4※ [104H016]←[国試_104]→[104H018]
[★]
- (1) 非妊婦に比べ胃での食物排出時間が遅延する。
- (2) 非妊婦に比べ同程度の出血量ではショックを起こしにくい。
- (3) 仰臥位では硬膜外麻酔による低血圧が生じにくい
- (4) 脊椎麻酔では第7胸髄分節まで無痛でも怒責可能である。
- (5) 第10胸髄から第1腰髄までブロックすると分娩第1期の産痛は除去される。
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108B027]←[国試_108]→[108B029]
[★]
- a 顎を上げて食べる。
- b 鎮咳薬を投与する。
- c 仰臥位で食べる。
- d 食べ物にとろみをつける。
- e 固形物と水分を一緒に嚥下する。
[正答]
※国試ナビ4※ [111D060]←[国試_111]→[111E002]
[★]
- 睡眠薬を大量に内服した患者に胃洗浄を行うのに適切な体位はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097B029]←[国試_097]→[097B031]
[★]
- 直腸・肛門診察を行う際の体位で最も適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106H005]←[国試_106]→[106H007]
[★]
- 英
- half axial projection
- 同
- タウン撮影 タウン撮影法, Towne撮影, Towne撮影法, Towne's projection、タウン法、半軸位像
- 関
- [[]]
概念
- 後頭骨(骨折)や側頭骨錐体部、内耳道、大後頭孔などの評価に適している。
参考
- http://www.bmj.com/content/308/6920/46/F5.large.jpg
- 英
- Towne projection
[★]
- 英
- dorsal position
- 同
- 仰臥位 supine position
- 対
- 腹臥位、伏臥位
- 日
- はいがい
[★]
- 関
- face-up position、supine、supine position
[★]
- 関
- dorsal position、face-up position、supine
[★]
- 関
- dorsal position、supine、supine position
[★]
- supine
- 英
- supine hypotensive syndrome SHS
- 関
- 低血圧
病因
- 静脈還流量の減少 → 心拍出量の減少 → 血圧低下
症状
- 腰部の脊髄くも膜下麻酔(脊椎麻酔)では血圧降下が高度となる
- 頻脈、悪心・嘔吐、冷汗、不安感、多呼吸、顔面蒼白など
治療
[★]
- 英
- passive supine position
[★]
- 英
- active supine position
[★]
- 英
- decubitus position、decubitus
- 関
- 褥瘡