- 英
- infusion, transfusion
- 同
- 輸注
種類
- NSU. 731
-
- 維持輸液剤:一日の水・電解質バランスを保つべく作成される
- 輸液期間が長くなる場合に用いられる。
- Na+, Cl-は少なく、K+、HPO4-ブドウ糖を含む
乳幼児
- 1. 脱水になりやすい。
- 2. 腎機能が未熟。(K排泄能が低い)
- 3. 低血糖になりやすい
輸液量
- 新生児:80-120 ml/kg/日 ← 成人よりも多い
- 乳児下痢症に対する初期輸液:Na 90mEq/l, Cl 70mEql/L, ブドウ糖 2.6%, 乳酸 20mEq/L
投与量の計算
- 体重には身長とBMI22としたときの標準体重を用いる。
- 尿量 + 不感蒸泄(700ml) + 代謝水(5ml x 体重)
乳幼児
- 小児の薬の選び方・使い方
- 10kg以下 100ml/hr
- 10-20kg 200ml/hr
- 20-30kg 300ml/hr
- 30-40kg 400ml/hr
- 成人用のクレンメ:20滴で1ml (1滴 50ul)
- 小児用のクレンメ:60滴で1ml
- x (ml/hr) = 20x (滴/時) = x/3 (滴/分) = x/180 (滴/秒)
- ∴ x (ml/hr) で輸液するためには 180/x (秒/滴) となるようにクレンメの滴下速度を調節する。
WordNet
- a solution obtained by steeping or soaking a substance (usually in water) (同)extract
- the process of extracting certain active properties (as a drug from a plant) by steeping or soaking (usually in water)
- (medicine) the passive introduction of a substance (a fluid or drug or electrolyte) into a vein or between tissues (as by gravitational force)
- the act of infusing or introducing a certain modifying element or quality; "the teams continued success is attributable to a steady infusion of new talent"
PrepTutorEJDIC
- 〈U〉(…を…に)教え込むこと,(…の)鼓吹,注入《+『of』+『名』+『into』+『名』》 / 〈C〉水(湯)に浸してできたもの;振り出し汁
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/09/25 14:08:06」(JST)
[Wiki ja表示]
輸液(ゆえき)とは、水分や電解質などを点滴静注により投与する治療法である。血液成分の投与については輸血を参照のこと。
目次
- 1 目的
- 2 適応
- 3 輸液製剤
- 3.1 輸液製剤について
- 3.2 主な輸液製剤の組成
- 4 輸液量
- 4.1 単位換算
- 4.2 基礎輸液と維持輸液
- 4.3 維持輸液の考え方
- 4.4 外科的分野
- 4.5 小児科的分野
- 5 輸液速度
- 6 脱水に対する治療
- 7 電解質の補正
- 8 関連項目
- 9 参考文献
- 10 外部リンク
目的[編集]
- 失われた水分および電解質の補充
- 直接静脈内へ投与するため、速やかな補充が可能である。
- 急激に喪失した血液の置換
- 大量出血などで循環血漿量が減少すると有効な循環が保てなくなる(出血性ショック)ため、血漿の不足分を一時的に置換する目的で輸液が行われる。
- 経口摂取の代替
- 口から水分や食事が摂れない場合に、水分・電解質・栄養素などの補充を目的に輸液が行われる。輸液ですべてをまかなう栄養法を完全静脈栄養法(TPN)と呼ぶ。詳しくは高カロリー輸液を参照のこと。
- 静脈路の確保
- 静脈注射のルートを維持するために輸液が行われることがある。静脈路確保も参照のこと。
適応[編集]
- 下痢・嘔吐・絶食などによる脱水状態。
- 急激な出血などで循環血液量が不十分になっている場合。
- 何らかの理由で食事(経腸栄養,EN: enteral nutrition)ができない場合。これは経口にかぎらず、経鼻胃管、経胃瘻、経腸瘻から食事の投与ができない場合も同様である。脱水症とならないためには食事で摂取できるはずの水分、電解質を持続的に投与する必要がある。
輸液製剤[編集]
輸液製剤について[編集]
輸液製剤はNa濃度によって何号液という呼び方をする。これは0.9%生理食塩水1に対していくつの5%ブドウ糖液を混ぜたかによって分類される。便宜上、生理食塩水を0号液と呼べば、すっきりと整理できる。低張複合電解質液には、1〜4号液が該当する。なお、こういった輸液製剤は日本医学独自のものである。
- 0.9%生理食塩水
- 細胞外液と浸透圧が等しい食塩水である。これで細胞外液を補充しようとするとクロールイオンが過剰に補給されることとなりアシドーシスとなることが知られている。基本的には細胞外液に分布し、細胞内液にはあまり分布しないと考えられている。細胞内に分布する場合は細胞内脱水などがあり、細胞外液から細胞内液への移動があるときである。
- 5%ブドウ糖液
- ブドウ糖が速やかに吸収されるため細胞外に水を供給する作用をもつ。ブドウ糖自体は浸透圧の調整用であり、エネルギー源としては殆ど役に立たない量である。心不全患者に点滴で薬を投与する場合もよく用いる。あくまで体内に水分を補充するので細胞外液にも細胞内液にも均等に分布するため、細胞外液をとくに補充したいときには向かない。
- リンゲル液
- 細胞外液と似た電解質組成の製剤。0号液である。アルカリ化剤として乳酸塩や酢酸塩が配合されていることが多い。細胞外液の補充に用いられる。ラクテック®など。ショック時のバイタルサインの安定化には最も効果的な輸液製剤である。生理食塩水にカリウムやカルシウムを加えたのがリンゲル液であるが、リンゲル液でもクロールイオンが過剰となることが知られている。そこで酢酸や乳酸などを加えてクロールイオン量を抑えている。酢酸リンゲル液としてヴィーンF®、乳酸リンゲルとしてラクテック®がある。注射ではなく経口摂取でも脱水症状時の水分補給に効果があり、かつては長時間の手術後で疲労した医師が飲んだ例もあったという。いわゆるスポーツドリンクは、リンゲル液を元にして、飲みやすいように食味を調整したものであるが、この逸話が開発のヒントになったという。
- 1号液
- 開始液。カリウムを含まないため、高カリウム血症が否定できない場合にまず用いられる。ソリタT1号®などである。病態不明で腎機能がわからないとき利尿がつくまで1号液を用い、利尿がついてから目的にあわせて輸液製剤を変更するということはよく用いられる手法である。但し、小児の肥厚性幽門狭窄症では始めからKを投与した方がよいとされている。
- 2号液
- 脱水の治療では使いやすいといわれている。
- 3号液
- 維持液。通常の状態で必要とされる電解質をバランスよく含む製剤。食事がとれない場合の維持輸液に用いられる。ソリタT3号®など。3号液は基本的に尿など体が排出するような水分の組成にあわせて作られている。すなわち3号液では基礎輸液の理論をそのまま輸液量として用いることができるという特徴がある。そのわかりやすさのため、維持輸液としては現場で最もよく使われる。
- 4号液
- 術後回復液 。
- 高カロリー液
- おおむね一日に必要な程度のカロリーを投与できる製剤。維持液に加えて高濃度のブドウ糖やアミノ酸を含む。浸透圧が高いため中心静脈ルートから投与される。フルカリック1号®など。
主な輸液製剤の組成[編集]
輸液のタイプ |
製剤名 |
Na(mEq/l) |
K(mEq/l) |
ブドウ糖 |
開始液 |
ST1 |
90 |
0 |
2.6% |
開始液 |
KN1A |
77 |
0 |
2.5% |
細胞外液補充液 |
ラクテック |
130 |
4 |
0 |
細胞外液補充液 |
ヴィーンD |
130 |
4 |
5% |
維持液 |
ST3 |
35 |
20 |
4.3% |
維持液 |
KN3B |
50 |
20 |
2.7% |
輸液量[編集]
輸液量のオーダーの決め方は以下のプロセスで行うことが一般的である。
- ナトリウム量(電解質量)を決める
- 輸液製剤を決める
- 輸液量を決める
輸液とは身体が一番必要とする水と電解質を補うことである。細胞外液量を増やすには水分だけでなく電解質も一緒に考えなければならない。これは浸透圧 などの影響を考えないといけないからである。体内に、水分を蓄えるためにはナトリウムの全体量の方が重要であって輸液量、即ち水の量というのは、もう一つ遅れてついてくる。こういったことは正論だがNaの必要量というのも食生活によってNa排出量などが異なることから、経験的に無難な量を選び調節していくしかない。日本人に限っていえば、その経験則はかなり広く知られている。
輸液量の目安としては正常の腎機能ならば尿濃縮力、尿希釈力の限界を考えればわかりやすい。結果を述べると1日当たり最低700ml、最大10000ml尿として排出することができるのでこの範囲ならば特に合併症がなければ問題は起こりにくいといわれている。
単位換算[編集]
様々な輸液理論を参照するために、まずは単位について纏めておく。
- 1g塩化ナトリウム=17mEq(1価なのでmmolとしてもよい)
- 3g塩化ナトリウム=50mEq
- 1g塩化カリウム=13mEq
単位換算から心不全では生理食塩水を用いるのが好ましくない理由がわかる。生理食塩水とは0.9%の食塩水である。154mEq/Lの電解質を含む。 一方、心不全の患者は基本的に塩分制限3gである。体内への水分貯留をさけるために水ではなく塩を制限している。もし生食で輸液をすると1本(500ml)で4.5gと超えてしまう。
日本人の経口塩化ナトリウム摂取量は12g/dayであるといわれている。よって正常で12g/dayであり、軽度制限で6g/day、中等度制限3g/dayで重度制限0g/dayであるとされている。それを参考に無難な量として4.5g前後で考える。等量として75mEqである。この論理に数理モデルなどはなく経験則である。
基礎輸液と維持輸液[編集]
- 維持輸液といわれる3号液は基本的に尿など体が排出するような水分の組成にあわせて作られている。すなわち3号液では以下のような理論に基づき輸液量を計算するというが可能である。
- 日本人では浅野によるバランスシートが有名である。それによると、体重60kgの日本人の収入は飲料1200ml、食品800ml、代謝水200mlがあり合計2200である。支出は尿1200ml、不感蒸泄900ml、大便100mlで合計2200である。代謝水とはTCAサイクルなどで発生する水であり、不感蒸泄とは肺や皮膚から蒸発する水である。汗は感蒸泄である、呼気中の水蒸気などのことである。
- 輸液とは基本的に食事ができないときに行う。食事ができないとき代謝水は増えることになるが、簡単のため以下の式をつくる。
- 輸液量+代謝水=尿量+不感蒸泄⇒輸液量=尿量+700ml
- 基礎輸液というのは予測尿量に700を加えたもの、あるいは予測尿量に不感蒸泄から200引いたものを上乗せしたもの。但し尿量過剰の時はそのまま尿量を用いない。
- 予測尿量は正常では尿量は大体1000から1500までである。腎不全のときは500くらいでよい。
- 維持輸液に関しては実際には輸液量は尿量の設定に仕方によって異なるので経験を頼りに頑張るしかない。無難な量はどれくらいか経験で決めていく。
維持輸液の考え方[編集]
維持輸液で必要なのは一日換算にして水分量は2000ml、NaはNaClとして4~6g(68~102mEq)、Kは20~40mEq、である。ST3はちょうどこの組成に一致するようにできている。体格などで、個々人適切な量は異なるが標準的な日本人ならばST3を2000ml点滴をすれば維持輸液は成り立つようになっている。もし自分で作成するのなら、生理食塩水500ml、5%ブドウ糖液1500mlに10%KClシリンジ1A(KCl一日量40mEq、2lにすれば20mEq/lである)を混注して作成すればよい。
外科的分野[編集]
周術期輸液[編集]
多くの患者に対応するため、水・電解質代謝異常を伴うような内科疾患(主に内分泌疾患)がないこと、呼吸不全、循環不全、腎不全といった病態が存在しないことを前提に記述する。このような疾患がある身体のホメオスタシスが狂い、独自の調節法が必要になるからである。
外科に関して言えば、維持輸液、喪失輸液、欠乏輸液の3つの要素に分けて考える。
- 維持輸液
- 健康な成人が飲まず、食わずで一日を過ごすための輸液である。3号液で通常は前日の尿量+600mlで行うことが多い。
- 喪失輸液
- 処置によって体液が喪失されることが予想される場合は喪失輸液を考慮する。最も多いのはドレーンによる体液喪失である。
- 維持輸液に加えて喪失輸液または欠乏輸液を行う際は、2号液を用いるのが便利である。
- 欠乏輸液
- もともと脱水がある場合はその分の体液を補充することが望ましい。しかし、欠乏量がどれくらいであったかということを把握するのは難しい。体重変化で行うこともあるが、基本的にはよくわからないので、安全係数をかけて、予測脱水量よりも少なめに輸液をするのが慣習である。安全係数は1/2を用いることが多い。
外科領域では
- 1日の輸液量=維持量+喪失量+欠乏量×1/2(安全係数)
を用いることができる。しかし、輸液の処方の組み方は医師によってかなりのバリエーションがあり、どれが望ましいとはなかなか言えない。自分が管理しやすい処方を心がけるべきである。治すのは検査数値ではなくあくまでも患者である。
手術中[編集]
手術中の輸液に関しては様々な理論が存在する。末梢静脈は輸液以外にも薬剤の投与などに必要不可欠であるため輸液の都合だけで投与量を決定できないことも多々あるが目安として以下の経験則が使える。なお、ここでは輸液製剤は細胞外液補充液である。
|
|
開腹術 |
5~15ml/kg/hour |
開胸術 |
3~8ml/kg/hour |
脳外科手術 |
2~5ml/kg/hour |
小手術 |
0~2ml/kg |
これらの経験則と言えば経験則だがある程度の理論は存在する。以下の内容を踏まえ微調整していくことが大切である。
- 術前の欠乏量と術中維持量
- 入院して手術を行う場合、前日の夜から絶飲食となる場合が多い。そのため、手術時は脱水状態となっている。そのため前日からの欠乏量と、術中の維持輸液を行う必要がある。その量は、輸液製剤を細胞外液補充液として4-2-1ルールとして纏められている。
-
- 4-2-1ルール
|
|
体重10kgまで |
4ml/kg/hour |
体重10~20kg |
2ml/kg/hour |
体重20kg以上 |
1ml/kg/hour |
- 例えば体重60kgを想定した場合は、
- 60=10+(20-10)+(60-20)
- であるので4-2-1ルールを適用し、
- 10×4+(20-10)×2+(60-20)×1=100ml/hour
- となり、絶飲食の時間が15時間とすると
- 100×15=1500ml
- の量を手術の早期で補給すればよいということとなる。
- 血管外液の代償
- 麻酔薬は静脈を拡張させ、血管容量を増加させるため、血圧を安定化させるために輸液が必要と考えられている。麻酔導入時の血管内液代償は5~7ml/kg必要と考えられている。しかし麻酔が切れると血管容量はもとに戻るので、血圧が安定したら投与速度を修正する必要がある。
- 術中不感蒸泄
- 1~2ml/kg/hourで細胞外液を補充する。
- サードスペース
- 手術侵襲にもよるが小手術で1~2ml/kg/hour、開胸、開腹手術の場合は4~6ml/kg/hour必要とされている。
さらに以下のものも考慮する。
- 術中喪失量
- 腹水や出血によるものである。以下の内容を覚えておくと便利である。
- 循環血液量は大体70ml/kgで概算される。即ち50kgの成人なら3500mlである。
- 100mlの出血でHtは1%低下する。逆に100mlの輸血でHtは1%上昇する。
- 300mlの出血でHtは3%低下しHbは1低下する。
手術中は出血量が測れるため問題はないが、出血した場合は血液生化学の所見から輸液量を調整することがある。なお、一般的にショックがおこった場合は0号液即ち生理食塩水を用いる。また、手術中電解質を大量に投与し、術後電解質の投与量を少なくしたいときのために4号液というものが存在する。4号液はこのような用途のため、術後回復液といわれることもある。
- その他
小児科的分野[編集]
小児科においては成人と異なる輸液管理を行う。
- 初期輸液
小児の脱水は緊急事態であるので輸液治療を行う。高度の脱水は生命を脅かすこともある。1号液を用いるのが一般的である。体重別に目安があり、
参考体重(Kg) |
輸液速度(ml/hr) |
10以下 |
100 |
10~20 |
200 |
20~30 |
300 |
30~40 |
400 |
排尿が認められるまでこの速度で輸液を行う。3時間経過しても利尿が得られない場合は小児科専門医の下で入院が必要となる場合が多い。予め採血をしておくと3時間の経過で検査結果がわかり診断にいたる事もある。軽度脱水の場合は初期輸液のみで帰宅させることもある。
- 維持輸液
年齢別の維持輸液量の目安を示す。腎機能、心機能、内分泌異常、体液喪失が存在する場合はこのかぎりではないので注意が必要である。一般にナトリウムは65mEq/m2/day、カリウムは100mEq/m2/day必要と考えられるため、3号液を用いると以下の量が目安となる。
|
参考体重(Kg) |
輸液量(ml/Kg/day) |
目安輸液量(ml/day) |
新生児 |
3 |
65 |
200 |
乳児(1歳以下) |
9 |
100 |
900 |
幼児 |
12 |
70~80 |
900 |
園児 |
15 |
70~80 |
1200 |
学童 |
30 |
50~60 |
1800 |
成人 |
50 |
40~50 |
2000 |
学童、乳児には相当な体重幅があるため、計算式によって導くのが一般的である。図で示すとわかりやすいが、幼小のころは体重あたりに多くの水分が必要とされることがわかる。
輸液速度[編集]
平成17年3月25日の厚生労働省の告示により、輸液ラインの規格はISOに統一される。
|
輸液セットの種類 |
これまで |
15滴/ml、19滴/ml、20滴/ml、60滴/ml |
統一後は |
20滴/ml、60滴/ml・・・のみ |
2のべき乗の法則という法則がひろく知られている。(表:20滴/mlの輸液ラインを用いた場合)
名称 |
輸液速度 |
ml/min |
滴数/min |
ml/h |
適用 |
第0度 |
very slow |
1 |
20 |
60 |
小児、高張液など |
第1度 |
slow |
2 |
40 |
120 |
維持輸液 |
第2度 |
moderate |
4 |
80 |
250 |
維持輸液と補充輸液 |
第3度 |
rapid |
8 |
160 |
500 |
補充 |
第4度 |
very rapid |
16 |
320 |
1000 |
緊急輸液 |
第5度 |
extremely rapid |
32 |
640 |
2000 |
緊急輸液 |
維持が目的ならば1時間で100mlが通常であるので、500mlパックならば5時間で行う。上図では1時間120mlとなり500mlパックを4時間位でやるべきとなるが、臨床経過上そこまで大きな差を感じることは少ない。特に重篤な疾患がない場合はある程度あっていれば大きな影響はないとされている。
脱水に対する治療[編集]
脱水の評価には様々な指標があるが、絶対的なものではなくそれらを組み合わせて評価するべきである。嘔吐、下痢があり食事や水の摂取が十分でなければ脱水があると考えてよい。腎機能や心機能に問題がなければ細胞外液500mlを2時間程度で輸液すると自覚症状(だるさなど)が改善する。その他の所見としては、口腔粘膜の乾燥、ツルゴールの低下、仰臥位での外頚静脈の不可視などがあげられる。血液学的な所見では血清アルブミンの相対的高値やBUN/Cr>20,などが脱水を示唆する所見である。尿所見では尿浸透圧>500mOsm/Lや尿比重>1.020,部分排泄率としてはFENa<1,FEUN<35などが有名である。但し、部分排泄率は乏尿を伴っていない場合は指標とならないことに注意が必要である。
電解質の補正[編集]
輸液を用いて電解質の補正を行うことはよくある。リンクを参照すること。
- ナトリウムの異常
- 高ナトリウム血症
- 低ナトリウム血症
- カリウムの異常
- 高カリウム血症
- 低カリウム血症
関連項目[編集]
- 輸血
- 点滴静脈注射
- 経口補水塩
- 周術期管理
- 九州大学生体解剖事件
参考文献[編集]
- 輸液を学ぶ人のために 第3版 ISBN 426034286x
- 外科必修マニュアル 羊土社 ISBN 4897063434
- 水・電解質と酸塩基平衡 南江堂 ISBN 452422422x
外部リンク[編集]
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 塚越 浩志,富澤 直樹,小川 哲史,池谷 俊郎,田中 俊行,坂元 一郎,安東 立正,高橋 栄治,中野 実,須納瀬 豊,竹吉 泉,Tsukagoshi Hiroshi,Tomizawa Naoki,Ogawa Tetsushi,Ikeya Toshiro,Tanaka Toshiyuki,Sakamoto Ichiro,Ando Tatsumasa,Takahashi Eiji,Nakano Minoru,Sunose Yutaka,Takeyoshi Izumi
- The Kitakanto medical journal 62(1), 59-63, 2012-02-01
- … 症例は14歳男性.2003年5月,交通事故で上腹部を強打.来院時,収縮期血圧60mmHg,脈拍130回/分で,急速輸液で血圧上昇したため,造影CT検査を行いIIIb型肝損傷を認めた. …
- NAID 120003850424
- 医療安全からみたICT活用の効果と課題 : 医療安全管理者に対する意識調査から
- 堀込 由紀
- 上武大学看護学部紀要 7(1), 1-18, 2011-12-28
- … その結果、「患者認証システム」は、8割の施設が導入しており、バーコード認証が主流で、導入している施設すべてが輸液輸血投与時に利用していた。 …
- NAID 110008802961
- 目的を明確にすることで、"わからない"が"わかる"ように! この輸液で何するの? : 臨床輸液の基本戦略(テーマ 6)急性肝不全に対する輸液療法
- 長江 秀之
- Clinic note : journal of clinical daily treatment for small animals 7(11), 72-77, 2011-11
- NAID 40019058890
Related Links
- ウィキペディアは医学的助言を提供しません。免責事項もお読みください。 輸液(ゆえき) とは、水分や電解質などを点滴静注により投与する治療法である。血液成分の投与 については輸血を参照のこと。 目次. 1 目的; 2 適応; 3 輸液製剤. 3.1 輸液製剤 について ...
- 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』. 移動: 案内, 検索. Star of life caution.svg. ウィキペディアは医学的助言を提供しません。免責事項もお読みください。 高カロリー輸液(こう-ゆえき) TPN(Total Parenteral Nutrition)は輸液の一種である。 目次 ...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ソルデム3PG輸液 (200mL)
組成
成分・分量〉
有効成分 1袋 200mL中
- ブドウ糖 20.00g
塩化ナトリウム 0.234g
塩化カリウム 0.298g
リン酸二カリウム 0.232g
リン酸二水素カリウム 0.044g
L-乳酸ナトリウム液 0.896g
(L-乳酸ナトリウムとして) (0.448g)
添加物 1袋 200mL中
電解質量〉 1袋 200mL中
- Na+ 8mEq
K+ 7mEq
Cl- 8mEq
L-Lactate- 4mEq
Phosphate 1.6mmol
熱量〉 1袋 200mL中
禁忌
- 乳酸血症の患者
[乳酸血症が悪化するおそれがある.]
- 高カリウム血症,乏尿,アジソン病,重症熱傷,高窒素血症のある患者
[高カリウム血症が悪化又は誘発されるおそれがある.]
- 高リン血症,低カルシウム血症,副甲状腺機能低下症の患者
[高リン血症又は低カルシウム血症が悪化又は誘発されるおそれがある.]
効能または効果
- 本剤はマグネシウムを含まない電解質・糖液であり,経口摂取不能又は不十分な場合の水分・電解質の補給・維持,エネルギーの補給に維持液として用いる.
- 通常成人,1回500mL〜1000mLを点滴静注する.投与速度は,通常成人ブドウ糖として1時間あたり0.5g/kg体重以下とする.
なお,年齢,症状,体重により適宜増減する.
慎重投与
- 高カリウム血症を伴わない腎不全のある患者
[腎不全病態が悪化するおそれがある.]
- 心不全のある患者
[心不全が悪化するおそれがある.]
- 重篤な肝障害のある患者
[乳酸血症が誘発されるおそれがある.]
- 閉塞性尿路疾患により尿量が減少している患者
[水及び電解質が蓄積するおそれがある.]
- 糖尿病の患者
[高血糖が悪化又は誘発されるおそれがある.]
★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、59-61の問いに答えよ。
- 81歳の男性。発熱と歩行困難とを主訴に救急外来を受診した。
- 現病歴 5か月前から排尿困難を自覚し、 1か月前から腰痛が出現した。1週前から歩行困難となり、食思不振と発熱とを認めた。
- 既往歴 50歳時から高血圧症のため降圧薬を服用している。
- 生活歴 喫煙は20本/日を60年間。飲酒は機会飲酒。
- 現 症 意識は清明。身長161cm、体重48kg。体温38.0℃。脈拍84/分、整。血圧156/84mmHg。眼瞼結膜に貧血を認める。眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。上腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腹部正中は小児頭大に膨隆している。両側腰背部(肋骨脊柱角)に叩打痛を認める。直腸措診で表面不整で腫大した石様硬の前立腺を触知し、圧痛を認めない。陰嚢と陰茎とに異常を認めない。両下肢の感覚鈍麻と筋力低下とを認め、立つことができない。膝蓋腱反射は消失している。
- 検査所見 尿所見:蛋白1 +、糖(-)、沈渣に赤血球10-20/1視野、白血球多数/1視野。血液所見:赤血球 257万、Hb 7.8g/dl、Ht 24%、白血球 9,200、血小板 11万。血液生化学所見:血糖 96mg/dl、総蛋白 6.1g/dl、アルブミン 3.1g/dl、尿素窒素 28mg/dl、クレアチニン 1.8mg/dl、尿酸 6.4mg/dl、総コレステロール 150mg/dl、トリグリセリド 68mg/dl、総ビリルビン 0.3mg/dl、直接ビリルビン 0.1mg/dl、AST 20IU/l、ALT 12IU/l、LD 240IU/l(基準176-353)、ALP 562IU/l(基準115-359)、Na 135mEq/l、K 4.5mEq/l、Cl 107mEq/l。CRP 5.8mg/dl。
- a 導尿
- b 輸液
- c 抗菌薬投与
- d 抗癌化学療法
- e 抗男性ホルモン療法
[正答]
D
- 化学療法は前立腺癌の1st lineの治療とはなっていない。
治療法
|
良い適応と特徴
|
待機療法
|
グリソンスコアが6かそれ以下でPSAが20ng/ml以下、病期T1c-T2b
|
手術療法
|
期待余命が10年以上でPSA<10ng/ml, グリソンスコア7以下、かつ病期T1c-T2b
|
放射線治療(外照射法)
|
局所前立腺がん、局所進行前立腺がん 緩和としても使用される
|
密封小線源治療(組織内照射法)
|
グリソンスコアが6かそれ以下でPSAが10ng/ml以下、病期T1c-T2b
|
内分泌療法
|
遠隔転移を有する例に第一選択。治療抵抗性が出現しうる
|
- 転移を有する例では内分泌療法が第一選択となる。
※国試ナビ4※ [105B060]←[国試_105]→[105B062]
[★]
- 次の文を読み、7~9の問いに答えよ。
- 2歳3か月の男児。発熱、意識障害およびけいれんを主訴に救急車で搬送された。
- 現病歴 : 3日前から発熱、不機嫌および食思不振を認めた。昨日夕方から本日にかけて頻回に嘔吐があった。次第に意識が低下し、母親の呼びかけに対してやっと開眼する程度であったが、本日昼からけいれんが頻発し、刺激に反応しなくなった。
- 出生・発達歴:在胎40週、出生体重3,200g。首の坐りは3か月。寝返りは6か月。坐位は7か月。つかまり立ちは9か月、歩行は13か月。
- 既往歴 : 生後7か月のとき、発熱と同時に強直性けいれんを認めた。けいれんの持続は2分で、自然に止まった。脳波検査を受けたが異常は指摘されず、治療も受けていない。
- 現症 : 身長86cm、体重12.5kg。体温39.2℃。呼吸数30/分。脈拍128/分、整。血圧106/68mmHg。顔つきは無表情。けいれんは認めない。外表奇形は認めない。皮膚は湿潤しており、皮疹を認めない。大泉門は閉鎖し眼瞼結膜に貧血はなく、眼球結膜に黄疸を認めない。仰臥位で頭部を持ち上げると抵抗がある。咽頭は軽度発赤。表在リンパ節は触知しない。呼吸音は正常である。不整脈と心雑音とは認めない。腹部は平坦、軟で、腫瘤は触知しない。
- 検査所見 : 血液所見:赤血球420万、Hb11.8g/dl、Ht39%、白血球24,000(好中球72%、好酸球1%、単球6%、リンパ球21%)、血小板18万。
- 血清生化学所見:総蛋白7.1g/dl、アルブミン4.6g/dl、尿素窒素12mg/dl、クレアチニン0.6 mg/dl、アンモニア28μg/dl(基準18?048)、AST28単位、ALT12単位、LDH365単位(基準176?0353)、アルカリホスファターゼ120単位(基準260以下)、Na134mEq/l、K4.2mEq/l、Cl 98mEq/l。CRP13.6mg/dl。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [099I008]←[国試_099]→[099I010]
[★]
- 次の文を読み、7~9の問いに答えよ。
- 46歳の男性。背部に放散する激しい腹痛を主訴に来院した。
- 現病歴 : 昨日の夕方に大量飲酒した。夜半から背部に放散する上腹部痛が出現した。今朝から疼痛がさらに増強し、腹部全体に広がり、冷汗も出現した。
- 既往歴 : 6年前腹部超音波検査で胆石を発見されたが放置している。3年前から高血圧症でカルシウム拮抗薬を投与されている。
- 嗜好 : 32歳時から1日平均約3合の日本酒を毎日飲酒している。
- 現症 : 身長165cm、体重76kg。体温37.8℃。呼吸数34/分。脈拍124/分、整。血圧76/48mmHg。心肺に異常所見はない。腹部では、全体に圧痛を認め、反跳痛も認める。左背部に叩打痛を認める。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白1+、糖(-)。血液所見:赤血球391万、Hb12.7g/dl、Ht38%、白血球11,800。血清生化学所見:血糖215mg/dl、総蛋白6.2g/dl、アルブミン3.3 g/dl、尿素窒素50mg/dl、クレアチニン2.0mg/dl、総ビリルビン1.0 mg/dl、GOT62単位(基準40以下)、GPT76単位(基準35以下)、LDH760単位(基準176~353)、アルカリホスファターゼ296単位(基準260以下)、γ-GTP320単位(基準8~50)、アミラーゼ1,560単位(基準37~160)、Na133mEq/l、K5.0mEq/l、Cl 100mEq/l、Ca 7.2mg/dl、CRP 38mg/dl(基準0.3以下)。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air)PO2 60.6 Torr、base excess -5mEq/l。
[正答]
※国試ナビ4※ [095H006]←[国試_095]→[095H008]
[★]
- 次の文を読み、13~15の問いに答えよ。
- 68歳の男性。腹部の膨満、腹痛、嘔吐および衰弱を主訴に家族に伴われて来院した。
- 現病歴 : 3日前から左下腹部を中心とする強い腹痛と嘔吐とを繰り返し、次第に腹部の膨隆が目立つようになってきた。この間、排ガスと排便とはみられず、排尿も2日前からは少量ずつ2、3回あったのみであった。また少量の水分を摂取したのみで経口摂取はほとんどしていなかった。
- 既往歴 : 5年前から170/90mmHg程度の高血圧症を指摘されていたが、症状がないため放置していた。手術歴はない。
- 現症 : 意識は清明であるが受け答えは緩慢である。身長169cm、体重56kg。体温36.8℃。臥位で脈拍108/分、整。血圧114/78mmHg。腹部は膨隆し、左下腹部を中心として金属性腸雑音を聴取する。打診では腹部全体にわたって鼓音を呈する。肝・肺を触知せず、圧痛や抵抗を認めない。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球360万、Hb10.8g/dl、Ht34%、白血球12,000、血小板25万。血清生化学所見:総蛋白6.0g/dl、尿素窒素38mg/dl、クレアチニン1.3mg/dl、AST33単位(基準40以下)、ALT32単位(基準35以下)、CK35単位(基準10~40)、Na128mEq/l、K3.6mEq/l、Cl83mEq/l。来院時の腹部エックス線単純写真を以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [097C013]←[国試_097]→[097C015]
[★]
- 52歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。
- 現病歴 : 半年前から夕方になると足背部が腫れることに気付いた。下肢のむくみは次第に増強して大腿にも広がり、体重が10kg増加した。5日前から睡眠中に胸苦しくなり目覚めるようになった。坐っていると呼吸が少し楽になる。
- 既往歴 : 35歳で生命保険加入時に尿糖を指摘された。
- 現症 : 意識は清明。身長166cm、体重78kg。体温36.5℃。呼吸数24/分。脈拍112/分、整。血圧168/90mmHg。心雑音はなく、両肺野にcoarse cracklesを聴取する。腹部は軽度膨隆し、肝を右肋骨弓下に3cm触知する。両下肢に著明な浮腫を認める。膝蓋腱反射は両側とも減弱している。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白3+、糖1+、ケトン体(-)、潜血(-)、沈渣に赤血球2~3/1視野、白血球2~3/1視野。
- 血液所見:赤血球311万、Hb9.4g/dl、Ht30%、白血球5,000、血小板22万。
- 血清生化学所見:血糖182mg/dl、総蛋白4.8g/dl、アルブミン2.0g/dl、尿素窒素32mg/dl、クレアチニン2.8mg/dl、AST36単位、ALT24単位、LDH350単位(基準176~353)、Na130mEq/l、K5.0 mEq/l、Cl 102mEq/l。
- a. 輸液
- b. 輸血
- c. 血液透析
- d. 利尿薬投与
- e. 副腎皮質ステロイド薬投与
[正答]
※国試ナビ4※ [099C033]←[国試_099]→[099C035]
[★]
- 75歳の男性。胃癌の手術後に在宅療養を行っている。年前に胃癌で胃全摘術を受けた。1年前に腹膜播腫、肺および肝転移を診断されたが、抗癌化学療法は選択しなかった。訪問診療で経過は安定していたが、1週間前から食欲不振が出現し、在宅で1日 1,700mLの維持輸液が開始された。その後徐々に床上で過ごすことが多くなり、昨日から呼吸困難を訴えるようになった。排尿は1日4、5回で、1回尿量 100mL程度である。妻と長男夫婦との4人暮らしで、患者本人と家族は自宅での療養の継続を希望している。身長 165cm、体重 43kg。体温 36.2℃。脈拍 96/分、整。血圧 118/76mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 96%(room air)。両側胸部にcoarse cracklesと軽度のwheezesを聴取する。上腹部に径3cmの腫瘤を触知するが圧痛はない。両下腿に著明な浮腫を認める。血液所見(2週間前):赤血球 308万、Hb 7.4g/dL、Ht 28%、白血球 10,300、血小板 18万。血液生化学所見(2週間前):総蛋白 5.8g/dL、アルブミン 2.3g/dL、尿素窒素 26mg/dL、クレアチニン 1.3mg/dL、血糖 89mg/dL、Na 134mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 95mEq/L。
- まず行うべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113B037]←[国試_113]→[113B039]
[★]
- 次の文を読み、1~3の問いに答えよ。
- 68歳の男性。激しい腹痛と嘔吐とを主訴に来院した。
- 現病歴 : 2日前から食後に軽度の腹痛を自覚していたが放置していた。3時間前から激しい腹痛となり、嘔吐を伴うようになった。
- 既往歴 : 60歳時に開腹による胆嚢摘出術を受けた。
- 現症 : 身長162cm、体重58kg。体温36.8℃。脈拍100/分、整。血圧134/86mmHg。上腹部は膨隆し、金属音を聴取する。右上腹部に軽度の圧痛がある。鼠径部にヘルニアは認めない。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球430万、Hb13.8g/dl、Ht41%、白血球8,900、血小板32万。
- 血清生化学所見:総蛋白7.2g/dl、アルブミン4.8g/dl、尿素窒素18mg/dl、クレアチニン1.0mg/dl、AST36単位(基準40以下)、ALT30単位(基準35以下)、LDH340単位(基準176~353)、アルカリホスファターゼ268単位(基準260以下)、CK48単位(基準10~40)、Na140mEq/l、K4.5mEq/l、Cl102mEq/l。CRP0.4mg/dl(基準0.3以下)。
- 腹部エックス線単純写真立位像を以下に示す。
- a. 酸素吸入
- b. 輸液
- c. 新鮮凍結血漿輸血
- d. 血液吸着・濾過
- e. 減圧チューブ挿入
[正答]
※国試ナビ4※ [098C002]←[国試_098]→[098C004]
[★]
- 次の文を読み、41、42の問いに答えよ。
- 78歳の男性。全身倦怠感と尿量の減少とを訴えて来院した。
- 現病歴 : 昨日山菜を採りに行き、道に迷い歩き回った。足腰が痛くなり山中で座り込んでいるところを家族に今朝発見された。全身倦怠感があり、尿量も少なくなっている。
- 既往歴 : 69歳から前立腺肥大で加療中である。
- 現症 : 意識は清明。身長162cm、体重57kg。体温36.9℃。脈拍112/分、整。血圧86/54mmHg。皮膚は乾燥している。胸部に異常を認めない。腹部は平坦で、肝・肺を触知しない。下腿に浮腫はない。直腸診で腫大した前立腺を触知する。
- 検査所見 : 尿所見:比重1.035、蛋白(±)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に異常はない。血液所見:赤血球512万、Hb16.4g/dl、Ht48%、白血球8,60、血小板22万。血清生化学所見:尿素窒素78mg/dl、クレアチニン2.8mg/dl、尿酸11.2mg/dl、AST35単位(基準40以下)、ALT20単位(基準35以下)、LDH350単位(基準176~353)、CK45単位(基準10~40)、Na140mEq/l、K5.0mEq/l、Cl104mEq/l、Ca9.2mg/dl、P3.0mg/dl。
- a. 利尿薬投与
- b. 非ステロイド性抗炎症薬投与
- c. 副腎皮質ステロイド薬投与
- d. 輸液
- e. 膀胱穿刺
[正答]
※国試ナビ4※ [097F041]←[国試_097]→[097F043]
[★]
- 32歳の女性。腹痛と悪心を主訴に来院した。毎年、健診は受診しているが、これまで異常を指摘されたことはない。日前から37℃台の発熱と咽頭痛があったが、軽い感冒と考えてそのままにしていた。昨日夜から上腹部痛と悪心を自覚し、今朝になり受診した。意識は清明。身長 158cm、体重 46kg。脈拍 96/分、整。血圧 102/58mmHg。腹部に圧痛は認めない。尿所見:蛋白 (-)、糖 3+、ケトン体 3+。血液所見:赤血球 510万、Hb 15.0g/dL、Ht 45%、白血球 11,500、血小板 27万。血液生化学所見:クレアチニン 1.2mg/dL、アミラーゼ 270U/L(基準 37~160)、空腹時血糖 328mg/dL、HbA1c 6.2%(基準 4.6~6.2)、トリグリセリド 388mg/dL、LDLコレステロール 58mg/dL、HDLコレステロール 28mg/dL、血清総ケトン体 1,885μmol/L(基準 130以下)。CRP 2.0mg/dL。動脈血ガス分析:pH 6.99、PaCO2 22.1Torr、PaO2 83.5Torr、HCO3- 5.2mEq/L。腹部単純CTで異常を認めない。生理食塩液の輸液を開始した。
- 次に行うべきなのはどれか。
- a 輸液のみで経過をみる。
- b スルホニル尿素薬を投与する。
- c フィブラート系薬を投与する。
- d 持効型インスリンを皮下注射する。
- e 速効型インスリンを持続静注する。
[正答]
※国試ナビ4※ [113D022]←[国試_113]→[113D024]
[★]
- 45歳の男性。全身倦怠感を主訴に来院した。 20歳から毎日飲酒するようになり、日本酒を1日4合飲んでいた。その後、飲酒量は増えたものの仕事に支障をきたすことはなかった。 35歳時に職場の定期健康診断で肝機能障害を指摘され、産業医から内科受診と禁酒とを繰り返し勧められたが、受診せず飲酒を続けていた。 2か月前に仕事上のトラブルがあり、飲酒量が急激に増加した。 5日前からは、朝から飲酒し仕事に行かなくなった。 3日前から全身倦怠感が強くなり、増悪してきたため受診した。外来で肝機能障害が認められ、入院することになった。入院後3日、「ここは火葬場で、周りの人間が自分を燃やそうとしている」と言い、興奮し始めた。発汗が著明である。租大な手指振戦を認める。時々、穏やかに対応することもあるが、自分の居る場所が病院であることを理解できず困惑している様子である。
- 現時点の対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106I045]←[国試_106]→[106I047]
[★]
- 次の文を読み、1~3の問いに答えよ。
- 34歳の男性。急速に強くなった腹痛のため搬入された。
- 現病歴: 昨日、夕食を午後8時に摂取した。午後11時ころに臍部を中心とした腹痛があり、最初は普通便、続いて水様便が始まり、夜間にも3回排便があった。妻もその頃から下痢を認めていた。今朝は朝食を摂取せず出社した。出社後、腹痛が周期性となり、血液の混じった粘液便を2回認めた。痛みのためうずくまっていたため、同僚が救急隊を要請した。
- 既往歴: 特記すべきことはない。
- 生活歴: 飲酒はビール1本を週に1回。喫煙はない。最近1年の海外渡航歴はない。
- 現症: 意識は清明。顔貌は苦悶様。身長165cm、体重64kg。体温38.3℃。脈拍96/分、整。血圧106/80mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [101E002]←[国試_101]→[101E004]
[★]
- 7か月の乳児。嘔吐と下痢とを主訴に母親に連れられて来院した。昨日未明から頻回の嘔吐が始まり、夕方からは水様下痢も始まった。尿は昨晩から出ておらず、ぐったりしている。身長 61 cm、体重 6.3 kg(1週前は 7.0kg)。体温 38.2℃。心拍数140/分、整。血圧 72/56 mmHg。呼吸数 20/分。 SpO2 98% ( room air)。全身状態は不良。大泉門は陥凹。項部硬直を認めない。咽頭に発赤を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は陥凹し、軟で肝・脾を触知しない。皮膚のツルゴールは低下している。血液所見:赤血球 460万、 Hb 15.0g/dl、Ht 45%、白血球 11,000(分葉核好中球 53%、好酸球 3%、好塩基球 2%、単球 2%、リンパ球 40% )、血小板22万。血液生化学所見:総蛋白 7.8 g/dl、アルブミン 5.0 g/dl、尿素窒素 24 mg/dl、クレアチニン 0.4 mg/dl、血糖 80 mg/dl、Na 128 mEq/l、K 4.2 mEq/l、Cl 88 mEq/l。直ちに輸液を開始した。
- 輸液の組成として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108G056]←[国試_108]→[108G058]
[★]
- 18歳の男子。自家用車でスピードの出し過ぎのため、カーブを曲がりきれずに塀に激突し、救急車で来院した。
- 右上腹部に軽度の鈍痛を訴える。意識は清明。呼吸数24/分。脈拍112/分、整。血圧120/84mmHg。右前胸部と上腹部とに擦過傷と皮下出血とを認める。
- 血液所見:赤血球345万、Hb10.5g/dl、Ht32%、白血球8,500、血小板26万。血清生化学所見:総蛋白7.2g/dl、アルブミン4.0g/dl、尿素窒素10mg/dl、クレアチニン0.6mg/dl、総ビリルビン0.8mg/dl、AST135単位(基準40以下)、ALT222単位(基準35以下)、LDH440単位(基準176~353)。
- 胸部エックス線写真で右第9肋骨に骨折を認める。腹部造影CTを以下に示す。
- この患者の治療方針として適切なのはどれか。
- a. 輸液で注意深く観察する。
- b. 直ちに濃厚赤血球輸血を行う。
- c. 腹腔穿刺ドレナージを行う。
- d. 開腹ドレナージを行う。
- e. 肝右葉切除術を行う。
[正答]
※国試ナビ4※ [098A031]←[国試_098]→[098A033]
[★]
- 次の文を読み、31、32の問いに答えよ。
- 76歳の女性。頭痛、嘔気および嘔吐を訴え、起き上がれないため搬入された。
- 現病歴 : 定時に起床しないため家人が訪室したところ、「つらくて起きられない」と訴えた。昨夜は通常通り就寝した。
- 既往歴 : 30歳から高血圧の治療を受けている。
- 生活歴・家族歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 意識は清明。身長150cm、体重38kg。体温35.7℃。脈拍120/分、整。血圧 86/64mmHg。眼瞼結膜に異常を認めない。顔色は不良で、苦悶顔貌。目を閉じて側臥位をとっている。開眼で嘔気が増強する。前胸部で皮膚ツルゴールが低下し、口腔内は乾燥している。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部はやや膨隆し、臍周囲に圧痛がある。打診では鼓音を認める。
[正答]
※国試ナビ4※ [103H030]←[国試_103]→[103H032]
[★]
- 43歳の男性。右の側腹部痛を主訴に来院した。今朝、明け方に急に右の側腹部から鼠径部へかけて強い痛みが間欠的に起こり、救急外来を受診した。肉眼的に血尿を認め、嘔吐を1回した。尿所見:蛋白1+、糖(-)、潜血3-と、沈さに赤血球多数/1視野、白血球10~20/1視野。血液所見:赤血球525万、Hb14.6g/dl、Ht43%、白血球9,100、血小板34万。血液生化学所見:総蛋白7.6g/dl、アルブミン4.5g/dl、尿素窒素29.0mg/dl、クレアチニン1.3mg/dl、尿酸7.3mg/dl、総コレステロール244mg/dl、トリグリセライド154mg/dl、総ビリルビン0.3mg/dl、AST 24IU/I、ALT 17IU/l、LDH 264lU/l(基準176~353)、ALP 201IU/l(基準260以下)、Na 142mEq/l、K 4.5mEq/l、Cl 1O6mEq/l。
- 対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [102D054]←[国試_102]→[102D056]
[★]
- 次の文を読み、33、34の問いに答えよ。
- 42歳の男性。腹痛と嘔吐とを主訴に来院した。
- 現病歴: 3日前から間欠的に腹痛が出現し、嘔吐を繰り返した。昨日から腹痛は持続的となり、今朝から38℃台の発熱を認める。3日前から排ガスと排便とがない。
- 既往歴:28歳時に胆嚢摘出術を受けた。
- 現症:身長172cm、体重65kg。体温38.4℃。脈拍124/分、整。血圧96/62mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤沈80mm/1時間、赤血球520万、Hb16.5g/dl、白血球18,000、血小板34万。血液生化学所見:総蛋白6.8g/dl、アルブミン3.5g/dl、AST45IU/l、ALT50IU/l。CRP18.0mg/dl。腹部エックス線単純写真立位像を以下に示す。
- a. 絶飲食
- b. 輸液
- c. 下剤投与
- d. 抗菌薬投与
- e. 胃管挿入
[正答]
※国試ナビ4※ [102H033]←[国試_102]→[102H035]
[★]
- 57歳の男性。今朝から始まった肉眼的血尿を主訴に来院した。既往歴に特記すべきことはない。喫煙は20本/日を37年間。意識は清明。身長163cm、体重60kg。体温36.2℃。脈拍72/分、整。血圧 136/84mmHg。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。直腸診で前立腺はくるみ大で、硬結と圧痛とを認めない。尿所見:蛋白1+、糖(-)、潜血3+、沈渣に赤血球多数/1視野、白血球5~10/1視野。血液所見:赤血球486万、Hb 15.2g/dl、Ht 45%、白血球 6,300、血小板 28万。血液生化学所見:総蛋白 7.2g/dl、アルブミン 4.5g/dl、尿素窒素 20mg/dl、クレアチニン 0.9mg/dl、尿酸 7.1mg/dl、AST 26IU/l、ALT 18IU/l、LD<LDH> 258IU/l(基準176~353)、ALP 212IU/l(基準115~359)、Na 143mEq/l、K 4.6mEq/l、Cl 104mEq/l。免疫学所見:CRP 0.2mg/dl、PSA 1.2ng/dl(基準4.0以下)。
- 対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103C023]←[国試_103]→[103C025]
[★]
- 38歳の女性。無月経と吐き気とを主訴に来院した。最終月経は8週前、月経周期は28-40日である。 1週前から、早朝に悪心を自覚するようになったが、嘔吐に至ったことはない。水分は摂取できている。 2週前に一度、少量の褐色帯下がみられた。体温37.2℃。脈拍80/分、整。血圧114/72mmHg。膣鏡診上、膣分泌物は白色で子宮口は閉鎖している。子宮と付属器とに圧痛を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ケトン体(-)。尿妊娠反応陽性。血液所見:赤血球400万、 Hb12.0g/dl、 Ht38%、白血球8,500、血小板21万。 CRP0.5mg/dl。経膣超音波検査で子宮内に直径20mmの胎嚢と心拍動を有する胎芽とを認め、左付属器に径3cmの嚢胞性腫瘤を認める。
- 現時点の対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106C017]←[国試_106]→[106C019]
[★]
- 次の文を読み、62~64の問いに答えよ。
- 30歳の男性。交通事故のため搬入された。乗用車を運転中、急停止した大型トラックに追突し、腹部をハンドルで強打した。
- 既往歴・家族歴 : 特記すべきことはない。
- 現 症 : 意識は清明。身長173cm、体重68kg。体温37.8℃。呼吸数30/分。脈拍116/分、整。血圧 106/64mmHg。顔面は蒼白。上腹部に圧痛を認める。右前腕に腫脹を認める。
- 検査所見 :血液所見:赤血球350万、Hb11.6g/dl、Ht39%、白血球 10,200、血小板 15万。血液生化学所見:血糖 110mg/dl、総蛋白 6.0g/dl、総ビリルビン0.8mg/dl、AST 23 IU/l、ALT 16 IU/l、LD 252 IU/l(基準176~353)、ALP 230 IU/l(基準115~359)。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.42、PaO2 68 Torr、PaCO2 32 Torr。
[正答]
※国試ナビ4※ [103E061]←[国試_103]→[103E063]
[★]
- 65歳の男性。大腸癌の手術後で入院中である。2週間前に右腹部の腫瘤と疼痛とを自覚して受診した。来院時、身長 165cm、体重 64kg。脈拍 64/分、整。血圧 140/88mmHg。右側腹部に可動性のある径5cmの腫瘤を触知した。腹部CTで上行結腸の不整な壁肥厚と上腸間膜静脈周囲のリンパ節腫大を認め、大腸内視鏡検査と生検で上行結腸癌と診断された。入院後、リンパ節郭清を伴う右半結腸切除術が行われた。現在、手術終了から16時間が経過している。脈拍 104/分、整。血圧 108/80mmHg。腹部は軟だが、やや膨隆している。腸雑音は低下している。16時間尿量 560mL、尿比重 1.020。経鼻胃管からの16時間排液量は1,200mLで性状は淡黄色混濁である。
- 行うべき処置はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111I043]←[国試_111]→[111I045]
[★]
- ■症例
- 72歳 女性
- 現病歴:胸部の感染症にドキシサイクリンをGPに処方された。関節リウマチに長期間罹患しており、9年間、1日7mgのプレドニゾロンを服用している。関節痛のため時々パラセタモールを服用。GPが測定した血圧は138/82mmHgであった。抗菌薬を服用し始める2日前からはじまって5日間熱っぽく、食欲不振であり、ベットから動けないでいる。水は十分に飲ませている。5日目に傾眠傾向となり、起こすことが困難になったため、救急車で救急部に連れてきた。
- 主訴:傾眠
- 生活歴:単身。退職した娘が世話をするために引っ越してきている。
- 家族歴:なし。
- 身体所見 examination
- 小柄である(50kgと評価された)が、最近になって体重が減少したということはない。体温38.8℃。眠たそうであり、命令には応じる。簡単な質問にしか答えない。全身性に筋緊張低下。局所神経症状無し。脈拍:118/min。血圧:104/68mmHg。頚静脈圧上昇せず。足首に腫脹無し。肺底部にcrackles(ラ音)とwheezes(笛音)を認める。関節にわずかに活動性の炎症と変形が認められる。これは関節リウマチの既往と合う所見である。
- 検査 investigation
- ヘモグロビン:軽度低下。MCV:正常。白血球増多。ナトリウム低下。カリウム正常。尿素上昇。クレアチニン上昇。
- 問題0. □と○に入る言葉を述べよ
- 1) 傾眠とは□□障害に含まれる
- 2) 傾眠とは、刺激を与えなければ□□が低下するが、刺激を与えれば○○する状態である。
- 問題1. 患者に関連する以下の事項のうち何が傾眠と関係あるのだろうか?2つ選べ。
- 1) ドキシサイクリンの副作用
- 2) 関節リウマチの重症化
- 3) プレドニゾロンの服用歴
- 4) パラセタモールの服用歴
- 5) 胸部感染症
- 問題2. 異常な検査所見をどう説明しますか?口頭で述べてください。ぶっちゃけ、やや低血圧であることと、ナトリウム低値が着目点です。腎機能低下は二次的なものです。
- ■意識障害
- 意識障害 (PSY.38)
- 単純な意識障害
- 明識困難状態 < 昏蒙 < 傾眠 < 昏眠 < 昏睡
- ■傾眠
- 昏睡状態の分類の一つ
- ・somnolence
- 放置すれば意識が低下し、眠ったようになるが、刺激で覚醒する。病的な場合にのみ用いられる。(BET.130)
- sleepiness; also, unnatural drowsiness. A depressive mental state commonly caused by encephalitis, encephalomalacia, hepatic encephalopathy, hypoxia and some poisonings, e.g. Filix mas, the male fern.
- (Saunders Comprehensive Veterinary Dictionary, 3 ed. c 2007 Elsevier, Inc. All rights reserved)
- ・drowsiness
- 正常、病的の区別無く眠り込む状態(BET.130)
- a decreased level of consciousness characterized by sleepiness and difficulty in remaining alert but easy arousal by stimuli. It may be caused by a lack of sleep, medications, substance abuse, or a cerebral disorder.
- (Mosby's Medical Dictionary, 8th edition. c 2009, Elsevier.)
- ■意識障害を呈する患者に対してどのような疾患を鑑別に挙げるべきか?
- 1. 脳原発の疾患(一次性)
- a. テント上病変(脳幹の圧迫性病変ないし脳ヘルニアをきたす疾患)
- 1) 脳血管障害:脳出血、脳梗塞
- 2) 硬膜下血腫
- 3) 脳腫瘍:原発性、転移性
- 4) 脳膿瘍
- b. テント下病変(脳幹網様体の障害)
- 1) 脳幹出血、脳幹梗塞、小脳出血、小脳梗塞、脳腫痛、多発性硬化症など
- c. びまん性病変
- 1) くも膜下出血、中枢神経感染症:髄膜炎、脳炎、 播種性血管内凝固症候群など
- 2. 全身疾患に伴う病態(二次性)
- a. 代謝性またはびまん性病変
- 1) ショック:心筋梗塞、大出血など
- 2) 薬物、毒物
- 3) 無酸素ないし低酸素血症
- 4) DIC、全身性感染症:敗血症など
- 5) 肝不全、腎不全、糖尿病性高血糖、重症肝炎、内分泌疾患など
- 6) 低血糖、ビタミンB1欠乏: Wernicke脳症
- 7) 脳振盪、てんかん大発作後
- 8) 酸塩基平衡および電解質異常
- 9) 栄養障害
- 10) 低体温症
- b. 心因性無反応
- 1) ヒステリー、統合失調症
- ■低ナトリウム血症
- 血清ナトリウムが134mEq/L以下の病態。(正常の下限は135mEq/Lとされる)
- ・病因 ICU.525
- 循環血減少性低ナトリウム血症
- 利尿・副腎不全 :尿中Na > 20mEq
- 嘔吐・下痢 :尿中Na < 20mEq
- 等容量性低ナトリウム血症:細胞外液は増加していないが、水の方が多くなった状態。臨床的に浮腫が無い。
- SIADH :尿浸透圧 > 100 mOsm/L
- 心因性多飲症 :尿浸透圧 < 100 mOsm/L
- 循環血増加性低ナトリウム血症:細胞外液にナトリウムと水が増加しており、なおかつ水の方が多い病態
- 腎不全 :尿中Na > 20mEq
- 心不全・肝不全 :尿中Na < 20mEq
- ・症状
- 全身 :無力感、全身倦怠感
- 消化器:食欲不振、悪心・嘔吐
- 神経 :意識障害(傾眠、昏睡)
- 筋 :痙攣、腱反射低下、筋力低下
- ■アルドステロン
- 1. 腎の接合尿細管と集合管、唾液腺、乳腺、汗腺等に働いてNa+の再吸収を促進し、K+の排出(分泌)を促進する (SP.791,792 によれば、腎接合尿細管を含む)
- 2. 腎集合管でH+の排出(分泌)を促進する。
- Na+/K+-ATPase活性↑@遠位尿細管・皮質集合管 → 管腔側K↑ → K再吸収/H+分泌 (QB CBT vol2 p.360)
- ■副腎皮質球状層から分泌されるアルドステロンの分泌制御
- 1. レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系
- 2. 血清カリウム濃度上昇
- 3. ACTH(寄与は小さい)
- ■低アルドステロン症の症状と臨床検査
- 症状
- 脱水、低血圧、代謝性アシドーシス
- 検査
- 低ナトリウム血症、高カリウム血症
- 尿中ナトリウム高値、尿中カリウム低値
- 血中HCO3-低下
- ■起こっていることは何か?
- ステロイドの突然の中断による急性の副腎不全。特に低アルドステロン症が前面に出た病態。
- 副腎不全の原因(病期による分類)(BPT.793)
- 急性:ウォーターハウス・フリーデリクセン症候群、長期コルチコイド療法の突然の中断、慢性副腎不全患者へのストレス
- 慢性:(major)自己免疫性副腎炎、結核、後天性免疫不全症候群、転移性疾患(metastatic disease)
- (minor)全身性アミロイドーシス、真菌感染、ヘモクロマトーシス、サルコイドーシス
- 症状:
- グルココルチコイドの欠乏 :易疲労感、食欲不振、悪心・嘔吐、体重減少、脱力、嗜眠、低血圧
- ミネラルコルチコイドの欠乏:低血圧、低Na血症、高K血症、味覚の変化(塩分の故意食事を好むようになる)
- ■答え
- (第一パラグラフ)診断とその根拠
- ・二次性急性低アルドステロン症 secondary acute aldosteronism
- ・病因:本症例では、長期にわたるステロイドホルモンの使用により視床下部-下垂体-副腎軸の不全を来した。ステロイドホルモンを長期に使用している状態でステロイドホルモンの需要が高まったとき(感染、外傷(手術))、あるいは嘔吐などで経口ステロイドを服用できないときに起こる。
- ・症状:本症例では傾眠と低血圧として症状が現れている。
- (第二パラグラフ)
- ・本疾患の低ナトリウム血症の解釈 → (1)ナトリウム摂取の低下、(2)水分摂取による希釈
- ・視床下部-下垂体-副腎軸は障害を受けておらずナトリウムを補充する治療をすべき。
- ・一次性急性低アルドステロン症(addisonian crisis)では、鉱質コルチコイドと糖質コルチコイドの分泌不全がおこり、低ナトリウム血症と高カリウム血症を来す。
- ・二次性急性低アルドステロン症はしばしば間違ってaddisonian crisisと呼ばれる。
- (第三パラグラフ)
- ・感染の拡散も考慮すべき;一次部位が脳で髄膜炎か脳膿瘍を伴っている、あるいは局所的に肺膿瘍あるいは膿胸を起こしている。
- ・高齢とステロイドの服用ということで免疫力がある程度低下している。
- ・ステロイドの量が多いかもしれない。
- (第四パラグラフ)
- ・治療はすぐに経験的治療であるヒドロコルチゾンと生理食塩水の輸液を行う。
- ・患者は(治療に?)反応し、5時間以内に意識レベルは正常となった。そして血圧は上昇し136/78mmHgとなった。胸部X線では両側の肺に肺炎に一致する陰影が見られたが、それ以外に異常は認められなかった。
- ■KEY POINTS
- ・二次性低アルドステロン症はmedical emergency(医学的な緊急事態)である、すぐに経験的治療を行うことが求められる。
- ・長期にわたりステロイドを投与されている患者では、以下の時にステロイドを増量すべき;別の疾患を発症したとき。嘔吐を反復する場合には全身投与に切り替える。
- ■低アルドステロン症ってなによ
- http://enotes.tripod.com/hypoaldosteronism.htm
- ・時々、低アルドステロン症は副腎不全の唯一の、あるいは支配的な徴候である
- ・アルドステロンの生合成の障害 → まれ
- ・アルドステロン生合成の部分的欠損 → 21-ヒドロキシラーゼ欠損による先天性副腎皮質過形成の症状としての低アルドステロン症
- ▲特発性低アルドステロン症 idiopathic hypoaldosteronism
- 症状:高カリウム血症に続発する心ブロック、顕著な低ナトリウム血症の有無を問わず血液量不足に続発する体位性低血圧。
- 検査:血清アルドステロン低値。尿中アルドステロン低値。血清レニン高値。
- ▲低レニン低アルドステロン症
- 特発性低アルドステロン症より一般的な低アルドステロン症
- 疫学:45歳以上の慢性腎臓病。
- 病因:
- ・腎臓病患者において腎臓の間質、尿細管に障害が存在 → レニン分泌能が低下。
- ・レニン分泌が低下する原因は分からないけど傍糸球体装置における障害が常に寄与している。
- ・NSAIDによるプログラスタンジン欠乏は、可逆的な低レニン低アルドステロン症の原因である。SP.793によればレニン分泌刺激 → Na+再吸収を亢進 だそうな。
- ・ヘパリン、カルシウムチャネルブロッカー、βブロッカーも原因となる。
- 症状:
- ・腎臓の障害が原因の低レニン低アルドステロン症患者では糖尿病が一般的みられる所見である。
- ・顕著な特徴は、慢性的で著明な高カリウム血症である。これは高血糖で突然に悪化する。???
- ・高Cl性代謝性アシドーシス+正常or低ナトリウム血症が常に存在
- 増悪因子:ナトリウム制限
- 検査:高カリウム血症、体液量の減少、かつ低ナトリウム血症が存在しているにもかかわらず低レニンであることが特徴的。
[★]
- 英
- hypoglycemics
- 同
- hypoglycemic agent、antidiabetic agent、antidiabetic drug、antidiabetics、glucose-lowering agent、hypoglycemic、hypoglycemic drug、hypoglycemics
- 関
- [[]]
投稿記事
k氏より
インスリンの抽出は大変意図的に行われたのに対し、スルフォニルウレア薬(SU)は偶然に見つかりました。で、1950年代にはじめに二型糖尿病の患者に使われるようになりました。いまでは20種類くらいのSUが広く世界で使われています。
1997にはメグリチニドが臨床適用されました。食後高血糖の治療薬としてはじめて使用された薬です。
メタフォルミンというビグアナイド薬(BG)は、ヨーロッパで広く使われていましたが、1995年にアメリカでも認可されました。
チアゾリジン1997年に市場導入され、二番目にメジャーなインスリン刺激薬として使用されています。この種類の薬には、広汎な肝障害を起こしにくく、世界中で使われています。
スルフォニルウレア薬 SU薬
膵臓のβ細胞の刺激によって、インスリンを放出させ、血糖値を下げます。
治療が長引くと、インスリン分泌というSUのβ細胞刺激性の効果が薄れてきますが、β細胞上のSU受容体のダウンレギュレーションによるものです。また、SUはソマトスタチンの放出を刺激します。ソマトスタチンはグルカゴン分泌を抑制しているので、これも関係SUの糖を下げる効果と関係しています。
SUはATP感受性Kチャンネルを抑制します。Kレベルが下がると、まく表面における、脱分極を促し、電位依存性カルシウムチャンネルを通じたカルシウムイオンの流入を促進します。
SUには無視できない膵臓外作用があるという議論があります。確かにありうべきことですが、2型糖尿病の患者の治療においては、それほど重要なことではないようです。
SU薬はそれぞれが似たような作用スペクトラムを持っているので、薬物動態的な特性がここの薬を区別する手がかりです。腸管からのSU薬の吸収の割合は薬によって違いますが、食物や、高血糖は、この吸収を抑制します。高血糖はそれ自身、腸管の運動を抑制するので、ほかの薬の吸収も阻害します。血漿濃度が効果的な値にまで達する時間を考えると、半減期の短いSUは、食前三十分に投与するのが適切です。SU薬は90から99パーセントくらい血中たんぱく質と結合し、特にアルブミンと結合します。
第一世代のSUは半減期や分布において、大きく違っています。この半減期や作用時間の不一致の理由はいまだはっきりしていません。
SUはすべて肝臓で代謝を受け、尿中に排泄されます。なので、肝不全、腎不全患者には要注意で処方します。
めったにありませんが、第一世代服用患者では、4パーセントの割合でおきます。第二世代ではもっと少ないでしょう。低血糖による昏睡がしばしば問題になります。腎不全や肝不全がある高齢者の患者でおきやすいです。
重症の低血糖は脳血管障害も起こしうる。急性の神経障害が見つかった高齢患者では血中グルコースレベルを測るのが大事です。半減期の長いSUもあるので、24から48時間のグルコースを輸液します。
第一世代は多くの薬物と相互作用を持っています。
ほかに、吐き気嘔吐、胆汁うっ滞性黄疸、脱顆粒球症、再生不良性・溶血性貧血、全身性のアレルギー症状があります。
SUが心血管障害による死亡率を上げるのかについては議論の余地あり。
SUは、食事療法だけでは十分なコントロールを得られない2型糖尿病患者の血糖コントロールに用いられます。禁忌はtype 1 DM(diabetes mellitus:糖尿病)、妊婦、授乳中の患者、腎障害や肝障害の患者です。
普通の患者なら五割から八割くらい、経口の糖尿病治療薬が効きます。インスリン療法が必要になる患者もいます。
トルブタマイドの一日量は500ミリグラムで、3000ミリグラムが最大の許容量です。SUの治療成績の評価は患者の様子を頻繁に観察しながら、行います。
SUとインスリンの併用療法はtype 1, type 2 両方の糖尿病で用いられていますが、βセルの残存能力がないとうまくいきません。
レパグリニドはメグリチニドクラスの経口インスリン分泌促進物質です。化学構造上、SUとは異なっており、安息香酸から分離されたものです。
SU薬と同様にレパグリニドは膵臓βセルにおけるATP依存性Kチャンネルを閉じることによりインスリン分泌を促進します。AEもSU薬と同様、低血糖です。
Dふぇにるアラニンから分離された薬。レパグリニドよりもSEとして低血糖が認められづらいです。
メトフォルミンとフェノフォルミンは1957年に市場導入され、ブフォルミンが1958年に導入されました。ブフォルミンは使用が制限されていますが、前者二つは広く使われています。フェノフォルミンは1970年代に乳酸アシドーシスのAEによって市場から姿を消しました。メトフォルミンはそのようなAEは少なく、ヨーロッパカナダで広く使われています。アメリカでは1995年に使用可能に。メトフォルミンは単独かSUと併用して使われます。
ものの言い方によると、メトフォルミンは抗高血糖であって、血糖を下げる薬ではありません。膵臓からのインスリン放出は促さないので、どんな大容量でも低血糖は起こしません。グルカゴン・コルチゾール・成長ホルモン・ソマトスタチンにも影響なし。肝での糖新生を抑制したり、筋や脂肪におけるインスリンの働きを増すことで、血糖を押さえます。
小腸から吸収。安定な構造で、血中の蛋白と結合しないで、そのまま尿中に排泄。半減期は二時間。2.5グラムを食事と一緒に飲むのがアメリカで最もお勧めの最大用量。
メトフォルミンは腎不全の患者には投与しないこと。肝障害や、乳酸アシドーシスの既往、薬物治療中の心不全、低酸素性の慢性肺疾患なども合併症として挙げられる。乳酸アシドーシスはしかしながら、めちゃくちゃまれである。1000人年(たとえば100人いたら、10年のうちにという意味の単位。または1000人いたら1年につき、ということ。)につき0.1という割合。
メトフォルミンの急性のAEは患者の20パーセントに見られ、下痢、腹部不快感、吐き気、金属の味、食欲不振などです。メタフォルミンを飲んでいる間はビタミンB12や葉酸のきゅうしゅうが 落ちています。カルシウムをサプリで取ると、ビタミンB12の吸収が改善されます。
血中乳酸濃度が3ミリMに達するとか、腎不全・肝不全の兆候が見られたら、メタフォルミンは中止しましょう。
PPARγに効く。(ペルオキシソーム・プロライファレーター・アクチベイティッド・受容体、つまりペルオキシソーム増殖活性受容体みたいな。)PPARγに結合して、インスリン反応性をまして、炭水化物とか、脂質の代謝を調整します。
ロジグリタゾンとピオグリタゾンは一日一度。チアゾリジンは肝にて代謝され、腎不全のある患者にも投与できますが、活動性の肝疾患があるときや肝臓のトランスアミナーゼが上昇しているときは、使用しないこと。
ロジグリタゾンはCYP2C8で代謝されますがピオグリタゾンはCYP3A4とCYP2C8で代謝されます。ほかの薬との相互作用や、チアゾリジン同士の相互作用はいまだ報告されていませんが、研究中です。
ピオグリタゾンとロジグリタゾンは肝毒性とはめったに関係しませんが、肝機能をモニターする必要があります。心不全のある患者はまずそちらを治療してから。
αGIは小腸の刷子縁におけるαグルコシダーゼの働きを阻害することによって、でんぷん・デキストリン・ダイサッカリダーゼの吸収を抑制します。
インスリンを増やす作用はないので、低血糖もおきません。吸収がよくない薬なので、食事の開始と一緒に飲むとよいです。
アカルボースとミグリトールは食後高血糖の抑制に使われます。
αGIは用量依存性に、消化不良・ガス膨満・下痢などをきたします。αGIとインスリンを併用中に低血糖症状が出たら、、グルコースを補充します。
経口から、グルコースが静脈を通ると、インスリンが上がることがわかっていました。消化管の上部からはGIP、消化管下部からはGLP1というホルモンが出ていて、糖依存性のインスリン放出を促していることがわかりました。これらのホルモンはインクレチンといわれています。この二つのホルモンは別の働き方でインスリンの放出を促進します。GIPはtype 2 DMではインスリン分泌を促進する能力がほとんど失われています。一方でGLP1は糖依存性のインスリン分泌を強く促しています。つまりtype 2 DMの治療ではGIPをターゲットにすればよいということになります。GLPはグルカゴンを抑制し。空腹感を押さえ、食欲を抑えます。体重減少も実現できます。この長所を相殺するように、GLP1は迅速にDPPIV(ヂペプチジルペプチダーゼ4エンザイム)によって負活化されます。つまり、GLP1を治療に使うなら、連続的に体に入れなければなりません。GLP1受容体のアゴニストが研究され、これはDPPIVにたいして抵抗性があります。
そのほかのGLP1療法のアプローチに仕方としては、DPPIVプロテアーゼの不活性化で、それによってGLP1の循環量を増やそうとするものです。type 2 DM治療に新しい薬がでるかもしれないですね。
[★]
- ☆case75 自宅での意識消失
- ■症例
- 21歳 男性
- 主訴:意識消失
- 現病歴:男性のアパートで意識を失っている所を彼女に発見され、午後5時に搬送された。彼女が最後に彼に会ったのは午後8時で、クリスマスの買い物をして帰宅した時であった。翌日午後、彼女が彼に会いに行った所、彼がお風呂の床で意識を失っているのを見つけた。彼女によれば、前日変わった様子(unusal mood)はなかった。彼は心理学の期末試験が1週間に迫っておりこのことを心配していたが、勉強はうまくいっているようだった。また以前の試験に問題はなかった。
- 喫煙歴:なし。
- 飲酒歴:機会飲酒 10 units/week(1週間に350mlビール6本弱)
- 既往歴:なし
- 家族歴:父と2人の兄弟のうち1人が糖尿病
- 服薬歴:以前、エクスタシー錠剤を服用していたが、静脈注射の薬はやったことがない。
- 身体所見 examination
- 顔貌 青白。注射痕は認められない。脈拍 92/分、血圧 114/74 mmHg、呼吸数 22/分。心血管系、呼吸器系に異常を認めず。神経系 命令に従わないが、痛みに反応して適切に手を引っ込める(GCS M4)。腱反射(+)・対称性、足底反射(-)。瞳孔散大、対光反射(+)。眼底 視神経円板腫脹
- ■鑑別診断をあげるためのkeyword(司会者用)
- ・24時間以内に来した意識消失、糖尿病の家族歴、冬、風呂、精神疾患リスク(試験で悩んでいる。薬物の服用歴)、顔色、脈拍、血圧、呼吸数、腱反射、病的反射、瞳孔、眼底(司会者用)
- ■keywordからどういう疾患を考えるか?
- 真っ先にあげたいもの
- ・二次的な脳圧亢進
- ・糖尿病
- ・薬物中毒、中毒物質の摂取・吸引
- ・神経疾患(てんかんなど)の発作
- ・24時間以内に来した意識消失
- ・クモ膜下出血:局所神経症状、硝子体下出血(subhyaloid hemorrhage)。
- ・糖尿病の家族歴
- ・低血糖発作
- 低血糖による昏睡は早いが糖尿病の新規症状として起こらない。まれにインスリノーマによる低血糖による昏睡があり得る。
- ・糖尿病性ケトアシドーシス diabetic ketoacidosis DKA
- 極度のインスリン欠乏とコルチゾールやアドレナリンなどインスリン拮抗ホルモンの増加により、(1)高血糖(≧250mg/dl)、(2)高ケトン血症(β-ヒドロキシ酪酸の増加)、アシドーシス(pH7.3未満)をきたした状態。(糖尿病治療ガイド 2008-2009 p.66)
- ・高浸透圧性非ケトン性昏睡 nonketotic hyperosmolar coma
- DM type 2
- 50歳以上に好発し、インスリン非依存性糖尿病*患者が腎不全や中枢神経障害、悪性腫瘍、消化器疾患、呼吸器感染などを合併するときに多くみられ、ステロイドや利尿薬の投与、輸液や高カロリー補給、人工透析などの際に医原性に起きやすい。
- 高血糖性の昏睡は発症が早くない。その前に口渇や多尿があるはず。
- → 否定するための検査 → 血糖測定
- ・風呂
- ・脳出血
- ・冬だし、風呂(脱衣所のことか)にガスヒーターがあったら疑わしい。
- ・精神疾患リスク(試験で悩んでいる。薬物の服用歴)
- (最も多いのが)薬物中毒(鎮静薬、アスピリン、アセトアミノフェン)
- (意識障害で運ばれてきたときに考えるべきなのが)一酸化中毒
- 一酸化中毒の場合の顔色は蒼白(cherry-red colorと言われてきたが)。眼底所見:(severe CO中毒で)乳頭浮腫
- ・顔色
- ・脈拍、血圧、呼吸数
- ・腱反射、病的反射
- 腱反射が亢進していたら、上位運動ニューロンの障害を考慮する。腱反射亢進と意識障害が共存していれば、障害部位は脊髄の伝導路ではなくむしろ脳幹・大脳皮質に障害があると考えることができる。
- ・瞳孔
- 瞳孔が散大していれば交感神経興奮、副交感神経の麻痺:フェニレフリン・エピネフリン・コカインなど交感神経刺激、動眼神経麻痺、脳死の徴候
- 瞳孔が縮瞳していれば副交感神経興奮、オピオイド受容体への刺激:麻薬中毒、有機リン中毒、橋出血、脳幹部梗塞(脳底動脈閉塞症など)
- ・眼底 (IMD.71)
- 視神経円板(=視神経乳頭)の腫脹は乳頭浮腫(papilledema, DIF.342)を反映。乳頭浮腫の発生機序は軸索輸送障害や静脈還流うっ滞である。原因として頭蓋内疾患が最も多い。頭蓋外の疾患(高血圧、視神経炎、偽性脳腫瘍)。
- 乳頭浮腫 papilledema DIF.243
- V 動静脈奇形、高血圧による脳血圧脳症・頭蓋内出血、クモ膜下出血、硬膜下血腫
- I 脳膿瘍、慢性経過の髄膜炎(細菌性×)、敗血症による血栓や静脈洞血栓
- N 脳腫瘍
- D -
- C 動静脈奇形、水頭症、頭蓋奇形(尖頭症などによる)、血友病、時にSchilder disease
- A ループス脳炎、動脈周囲炎
- T 急性期の硬膜外血腫や硬膜下血腫ではない。慢性硬膜下血腫ならありうる。
- E 褐色細胞腫による悪性高血圧、偽性脳腫瘍(=特発性頭蓋内圧亢進症)(肥満・無月経・感情障害(emotionally disturbed)をきたした女性に多い)
- ■問題
- 症例だけでは絞れないので、最も疑われる疾患をあげ、鑑別診断を列挙し、検査、治療を考えていくことにします。
- ■一酸化炭素中毒
- ■オチ
- 血中carboxyhemoglobinを測定したところ32%。高レベルの酸素投与でゆっくりだが、48時間で完全に回復。脳浮腫にたいするマンニトールや高圧酸素療法も考慮する。問題は4年間点検されていないガス温水器の不完全燃焼だったとさ。
- ■KEY POINTS
- ・薬物中毒は若い人の意識消失の最も一般的な原因だけど、他の診断もいつも考慮しておく。
- ・一酸化炭素ヘモグロビンレベルは屋内や車内、あるいはよく分からない煙に暴露した意識消失患者で測るべき
- ・一酸化中毒による重度の低酸素血症ではチアノーゼを欠く。
- ■initial plan(救急だからのんびりやってられないだろうけど)
- A.
- 1. 呼吸器系、循環器系の安定を確認
- 2. 血液ガス検査
- 3. 血液生化学(電解質(Na,Ca)、血糖)
- □ビール1本 = 350ml アルコール5%: 350 (ml/本) x 0.05 / 10 (ml/unit) =1.75 (unit/本)
- ■参考文献
- DIF Differential Diagnosis in Primary Care Fourth Edition版 Lippincott Williams & Wilkins
[★]
- 英
- NST
- 関
- 栄養サポート
栄養サポートチーム(NST:Nutrition Support Team)とは、職種の壁を越え、栄養サポートを実施する多職種の集団(チーム)である。栄養サポートとは、基本的医療のひとつである栄養管理を、症例個々や各疾患治療に応じて適切に実施することである。<ref name=A>東口高志 『NST完全ガイド』照林社、2005年</ref>
NSTは1960年代の中心静脈栄養(TPN)の開発普及とともに誕生し、欧米を中心に世界各地に広がった。日本ではその普及が容易でなく、1998年のPPM方式の考案が契機となり、全国の医療施設に広がった。2006年4月の診療報酬改定により、多くの病院でNSTが立ち上がることとなった。<ref name=A>東口高志 『NST完全ガイド』照林社、2005年</ref>
この項では日本におけるNSTについて述べる。
NSTの歴史
1968年、米国のダドリック(Dudrick)らによって、中心静脈栄養法(Total Parenteral Nutrition)が開発され、全米に普及した。同時期に、医師・薬剤師・看護師などの栄養管理を専門とするメディカル・スタッフが各施設で求められるようになり、栄養管理チーム構築の始まりとされる。一方、同時期にブラックバーンにより栄養アセスメントが初めて体系化された。
1973年、米国ボストンシティ病院に初のNSTが本格的に誕生した。同時期に、マサチューセッツ総合病院ではフィッシャー教授がNSTをHyperalimentation Unitという名称で構築していた。
NSTは中心静脈栄養法の普及と相まって全米、ヨーロッパ諸国に広がった。
欧米ではNSTは診療部門の一つとして設立されていることが多い。施設内の全ての症例に対して提言・発言する権利を与えられ、中心静脈栄養法の施行にもNSTの承認を必要とするなどの規定が設けられたりしている。NSTが医療の質の向上や医療費の削減に貢献することを全ての医療従事者が認識している。<ref name=B>東口高志、『NSTの運営と栄養療法』医学芸術社、2006年</ref>
日本においても、中心静脈栄養法の普及と同時にNSTが導入されたが、数施設で単科・少数科での活動であったり、全科型でも中心静脈栄養法の管理が中心であった。<ref name=B>東口高志、『NSTの運営と栄養療法』医学芸術社、2006年</ref>栄養管理の有用性が認識されていなかった為、経費のかかる専属チームの設立は考えられていなかった。
全科型のNSTの発足は、PPM(Potluck Party Method)方式によるNSTが、1998年6月に鈴鹿中央総合病院に、2000年7月に尾鷲総合病院に設置されたものが日本初である。<ref name=B>東口高志、『NSTの運営と栄養療法』医学芸術社、2006年</ref>
現在日本でもNST活動の有用性は認識されており、2004年5月に病院機能評価項目Ver5.0の中にNSTの設立が取り上げられ、2005年末には全国で約700施設でNSTが設立されている。また、2006年4月の診療報酬改定に伴い、栄養管理実施加算が新設された。この加算が求めるものは、全科型のNST活動であり、全国の医療施設がNSTを積極的に設立するきっかけとなった。
組織と役割
NSTは職種の壁を越えたチーム医療であり、多職種のメンバーで組織される。主な職種は以下の通りである。
これらのチームによって、患者に対して栄養状態の評価・判定を行い、適正な栄養補給を実施し、さらに経緯を確認しながら栄養を改善することを目的に組織される。
NSTの補助組織
適切な栄養療法を基盤として、より大きな治療効果や予防効果をもたらす補助組織(ワーキングチーム)やコラボレーション組織の育成が必要となる。
- 褥瘡チーム
- 摂食・栄養障害チーム
- 呼吸療法チーム
- 感染症対策チーム
- 生活習慣病対策チーム
- 病院食改善チーム
NSTにおける各職種の役割
医師の役割
看護師の役割
カテーテルの管理、栄養・食事のチェック、身体測定、NST診療録の管理などがあるが、中でも重要な役割は、①患者の身体状況を確認し、正確な情報をチームにアドバイスすること、②患者に栄養状態の実状を把握してもらい、協力してもらうことであろう。
薬剤師の役割
第一に、輸液製剤の無菌的な調製があげられる。また、薬学的見地より栄養状態、処方内容を検討すること。特に輸液製剤、経腸栄養剤と薬剤との相互作用の検討、消毒剤と消毒方法の検討と医療従事者及び患者、患者家族への教育がある。<ref name=C>島田慈彦ら 『実践静脈栄養と経腸栄養』エルゼビア・ジャパン、2003年</ref>。
管理栄養士の役割
NSTにおいて管理栄養士は患者の食事摂取量や摂取状況など情報を元に食事量や食事形態の調節を行う
臨床検査技師の役割
リハビリテーションスタッフの役割
その他
日本静脈経腸栄養学会(JSPEN)、日本病態栄養学会、日本栄養療法推進協議会などがNST認定施設、NST専門療法士などの認定を行っている。
参考文献
テンプレート:脚注ヘルプ
<references/>
外部リンク
保険点数
- 2010年4月の診療報酬改定により栄養サポートチーム加算(NST加算)がなされるようになり、患者にNSTを行うことにより診療報酬点数が200点/週/人が加算される。(参考1)
参考
- http://www.kondateman-club.com/modules/tinyd2/index.php?id=10
- http://www007.upp.so-net.ne.jp/m-m-office/nst.pdf
[★]
- 英
-
- 関
- インフュージョン、温浸、注入、注入液、滴下、輸液、滴下注入、点滴注入、静脈点滴、経静脈内投与、点滴静注、点滴薬、輸液剤、点滴静脈内注射、点滴静脈内投与、点滴注射、点滴静脈内注入