- 英
- dyslipidemia
- 同
- 高脂血症 hyperlipidemia、脂質代謝異常 lipoprotein disorders
- 関
- 高脂血症治療薬、リポ蛋白
定義
- 血清:
Total-CHO≧220 mg/dl。LDL-C≧140 mg/dl。TG≧150 mg/dl。HDL-C<40 mg/dl
病型
分類
原発性高脂血症のWHO分類
原発性高脂血症の型分類 (臨床検査法提要第32版 p.533)
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I型
|
II型
|
III型
|
IV型
|
V型
|
IIa型
|
IIb型
|
高カイロミクロン血症
|
高コレステロール血症
|
複合型高脂血症
|
異常βリポ蛋白血症
|
高トリグリセリド血症
|
複合型高トリグリセリド血症
|
増加リポ蛋白
|
CM
|
++
|
|
|
|
|
+
|
VLDL
|
|
|
+
|
|
+
|
+
|
IDL
|
|
|
|
+
|
|
|
LDL
|
|
+
|
+
|
|
|
|
血漿脂質
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TC
|
+
|
+++
|
++
|
++
|
/+
|
+
|
TG
|
+++
|
|
++
|
++
|
++
|
+++
|
TC/TG
|
<0.2
|
>1.6
|
不定
|
≒
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0.6-1.6
|
<0.6
|
病因
|
・LPL欠損 ・アポCII欠損 (外因性高脂血症)
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LDL受容体異常
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不明
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アポE異常 (E2/E2など)
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不明 (内因性高脂血症)
|
LPL欠損へテロ(一部) (外因性高脂血症 and (内因性混合型高脂血症)
|
臨床所見
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発症時期
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小児期
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小児期~成人
|
成人
|
成人
|
小児期~成人
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肝脾肥大
|
+++
|
-
|
+
|
+++ 脾のみ
|
+++
|
腹痛
|
+
|
|
|
+
|
+
|
膵炎
|
+
|
|
|
|
+
|
網膜脂血症
|
+
|
|
|
|
+
|
肥満
|
|
|
|
+
|
+
|
角膜輪
|
|
+
|
+
|
|
|
冠動脈疾患
|
まれ
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最も高率
|
高率
|
中程度
|
比較的まれ
|
黄色腫
|
発疹状
|
黄色板状 結節状 腱黄色腫
|
手掌線 結節状 発疹状
|
|
発疹状
|
耐糖能
|
正常
|
正常
|
正常
|
異常多い
|
異常多い
|
高尿酸血症
|
なし
|
なし
|
少ない
|
多い
|
多い
|
遺伝
|
劣性遺伝
|
優性遺伝
|
劣性遺伝
|
優性遺伝
|
不明
|
頻度
|
まれ
|
多い 500人中 1人(ヘテロ) 100万人中 1人(ホモ)
|
多い 200人中 1人
|
少ない 1万人中 2-3人
|
最も多い
|
まれ
|
血清静置試験
|
上層:乳濁
|
透明
|
わずかに混濁
|
混濁、 時にミルク状
|
混濁
|
上層:乳濁
|
下層:透明
|
下層:混濁
|
特徴
|
|
|
small dense LDL の存在
|
broad β
|
|
|
- 頻度:IIa > IIb > IV
- 遺伝(AR)I, III (AD)その他
- 症状
- 動脈硬化:IIa,IIb,III
- 膵炎:TG多い:I,IV,V
- TC優位に多いのがIIa, TG優位に多いのがIV
- リポ蛋白のパターンは、IIa + IV = IIb で IIIはその中間(IDL)。I + IV = V
|
治療方針の原則
|
カテゴリー
|
脂質管理目標値(mg/dL)
|
リスク群
|
LDL-C以外の主要危険因子
|
LDL-C
|
HDL-C
|
TG
|
一次予防
|
まず生活習慣の改善を 行った後、薬物治療の 適応を考慮する
|
I
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低リスク群
|
0
|
<160
|
≧40
|
<150
|
II
|
中リスク群
|
1~2
|
<140
|
III
|
高リスク群
|
3以上
|
<120
|
二次予防
|
生活習慣の改善とともに 薬物治療を考慮する
|
冠動脈疾患の既往
|
<100
|
- 加齢(男性≧45歳、女性≧55歳)、高血圧、糖尿病(耐糖能異常を含む)、喫煙、冠動脈疾患の家族歴、低HDL-C血症(<40mg/dL)
- 糖尿病、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症の合併はカテゴリーIIIとする。
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脂質異常症 |
分類及び外部参照情報 |
コレステロール
|
ICD-10 |
E78.0 |
ICD-9 |
272.0 |
DiseasesDB |
6226 |
eMedicine |
med/1073 |
MeSH |
D006937 |
脂質異常症(ししついじょうしょう、dyslipidemia)は、血液中に含まれる脂質が過剰、もしくは不足している状態を指す。
2007年7月に高脂血症から脂質異常症に改名された。
目次
- 1 診断基準による分類
- 1.1 高コレステロール血症/hypercholesterolemia
- 1.2 高LDLコレステロール血症
- 1.3 低HDLコレステロール血症
- 1.4 高トリグリセリド血症(高TG血症)
- 2 脂質についての血液検査の参考基準値
- 3 根本要因による分類
- 3.1 生活習慣に起因する脂質異常症
- 3.2 家族性脂質異常症
- 3.3 二次性脂質異常症
- 4 合併症
- 5 治療
- 5.1 食事療法
- 5.2 運動療法
- 5.3 投薬による治療
- 5.4 LDL吸着療法による治療
- 6 脂質異常症に由来する疾患
- 7 脚注
- 8 関連書籍
- 9 関連項目
- 10 外部リンク
|
診断基準による分類
高コレステロール血症、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高トリグリセリド血症といった種類があり、WHOの基準に基づき日本動脈硬化学会が診断基準を定めている[1]。
高コレステロール血症/hypercholesterolemia
血液中の総コレステロール値が高い(220mg/dL以上)タイプの脂質異常症である。生活習慣による脂質異常症の多くがこのタイプである。1997年の国民栄養調査では、日本人の男27%、女33%が該当する。フラミンガムスタディにおいて使用されたためこの値と生活習慣病との関連が注目されたという意味で重要だが、最近ではLDLのほうがあきらかに心血管リスクとの相関度が高いのでこの値の重要度は廃れている。現在WHO、アメリカ、日本のガイドラインは、いずれも総コレステロール値に注目していない。
高LDLコレステロール血症
コレステロールの担体である低比重リポ蛋白(LDL)が血液中に多く存在する(140mg/dL以上)タイプの脂質異常症である。現在世界最新のガイドラインである米国ATP-IIIによれば、コレステロールの検査値の中では唯一心血管疾患の絶対的リスクファクターであり、他の検査値であるHDL、トリグリセリドと比較して明らかに重要度が高い。
低HDLコレステロール血症
血液中の高比重リポ蛋白(HDL)が少ない(40mg/dL未満)タイプの脂質異常症である。特に女性において、心血管疾患の重要なリスクファクターとなりうる。1997年の国民栄養調査では、日本人の男16%、女5%が該当する。この病態は脂質が足りなくて起こるため、高脂血症から脂質異常症へと改名される主な理由となった。
高トリグリセリド血症(高TG血症)
血液中にトリグリセリドが多く存在する(150mg/dL以上)タイプの脂質異常症である。1997年の国民栄養調査では、日本人の男45%、女33%が該当する。内臓脂肪型肥満の人に多い。一時期(米国ATP-IIのころ)、その心血管疾患との関連が疑問視されたが、現在ではやはり関連はあると考える人が多い。RLP-C (Remnant-like lipoprotein particles-cholesterol) が、高TG血症における動脈硬化発症への関与が示唆されている。
脂質についての血液検査の参考基準値
項目 |
被験者のタイプ |
下限値 |
上限値 |
単位 |
最適範囲 |
中性脂肪 |
10 – 39 歳 |
54[2] |
110[2] |
mg/dL |
< 100 mg/dL[3]
or 1.1[3] mmol/L |
0.61[4] |
1.2[4] |
mmol/L |
40 – 59 歳 |
70[2] |
150[2] |
mg/dL |
0.77[4] |
1.7[4] |
mmol/L |
>60 歳 |
80[2] |
150[2] |
mg/dL |
0.9[4] |
1.7[4] |
mmol/L |
総コレステロール |
|
3.0[5] , 3.6[6][5] |
5.0[7][8], 6.5[6] |
mmol/L |
< 3.9 [3] |
120[9], 140[6] |
200[9], 250[6] |
mg/dL |
< 150 [3] |
HDLコレステロール |
女性 |
1.0[10], 1.2[7], 1.3[5] |
2.2[10] |
mmol/L |
> 1.0[10] or 1.6[5] mmol/L
> 40[11] or 60[12] mg/dL |
40[11] , 50[13] |
86[11] |
mg/dL |
HDLコレステロール |
男性 |
0.9[10][7] |
2.0[10] |
mmol/L |
35[11] |
80[11] |
mg/dL |
LDLコレステロール
(中性脂肪 >5.0 mmol/L
の場合無効) |
|
2.0[10], 2.4[8] |
3.0[8][7] , 3.4[10] |
mmol/L |
< 2.5 [10] |
80[11] , 94[11] |
120[11] , 130[11] |
mg/dL |
< 100[11] |
LDL/HDL比 |
|
n/a |
5[7] |
(unitless) |
根本要因による分類
生活習慣に起因する脂質異常症
喫煙や食生活の乱れ・運動不足・糖尿病などにより、血中脂質値が上昇した状態。食生活の改善や運動の習慣化などにより改善されることが多い。
家族性脂質異常症
LDLの代謝異常など先天的要因による脂質異常症で、治療回復が困難である。
- I型家族性脂質異常症
- 末梢組織が血液中を循環するリポ蛋白から脂肪酸を受け取る際に使われるリポ蛋白リパーゼ、あるいはそれを活性化するアポ蛋白であるapo C-IIの機能不全により、血液中の脂肪が末梢に行き渡らず、血液中に増えるために起こる。血中カイロミクロン濃度の増加が見られる。
- II型家族性脂質異常症
- LDLはLDL受容体を介して、末梢細胞に取り込まれるが、このLDL受容体を欠損あるいは障害を受けた場合に発症し、血中のLDLが増加するために発症する。
- III型家族性脂質異常症
- 末梢細胞によるリポ蛋白認識の際にマーカーとなるアポ蛋白 Eの3種の分子種(apo E2、E3およびE4)の内、正常型のE3に対して受容体への結合力の弱いE2を発現していると、カイロミクロンレムナントやIDLの血中からのクリアランスが低下してこれらが蓄積するために発症する。特徴的な症状には手掌線条黄色腫がある。
二次性脂質異常症
甲状腺機能低下症・ネフローゼ症候群・神経性食思不振症・一部の型の糖原病・リポジストロフィなどによる。閉経後や妊娠中も血清脂質が上昇する。
合併症
治療
体脂肪率の減少により大きく数値を低下させることが可能である。2-3kgの減量が大きな影響を与える。 治療内容はLDL-C値≧140mg/dl,TG≧150mg/dl,HDL-C<40mg/dlにてその他の動脈硬化のリスクファクターによって異なる。空腹時にTG<400mg/dlであれば、LDL-C=TC-HDL-TG/5という関係式も知っておくと便利である。LDL-Cが上昇している場合は甲状腺機能低下症、ネフローゼ症候群、ステロイドの使用状況も念頭におき、二次性であれば原疾患の治療を優先する。
食事療法
日常の生活強度に合った食事をする必要がある。目安は、
- 総エネルギー量(kcal)= 標準体重(kg) × 生活活動強度指数(kcal)
- 生活活動強度指数
- 軽労働(主婦・デスクワーク):25-30 kcal
- 中労働(製造・販売業・飲食店):30-35 kcal
- 重労働(建築業・農業・漁業):35-40 kcal
で計算し、食事量を決める。エネルギー量の計算は、80kcalを1単位として計算する方法が簡単で、一般的である。例えば、デスクワークの多い成人男性では、1500kcal~1600kcal(約20単位)ということになる。
その他、以下の点に注意して食事をすることが重要である。
- 毎日、いろいろな食品をとり混ぜて、バランスよく摂取する。
- アルコール、甘いものは控えめにする。
- 食物繊維をとる。
- 1日3食きちんと食べる。
食事療法でよく問題になる卵に関しては、2006年11月厚生労働省研究班が「卵を毎日食べても食べなくても、心筋梗塞になる危険度はあまり変わらない」との疫学調査を発表した。
運動療法
医者と相談してメニューを決めて実行する。いきなり激しい運動は避けるべきである。(内部リンク:運動療法も参照のこと)
投薬による治療
詳細は「脂質降下薬」を参照
スタチン系などの脂質降下薬(LLD : lipid lowering drug)である程度血中の中性脂肪やコレステロールを下げることができ、合併症の発症リスクが下がるとされる(→根拠に基づいた医療)。ただし、薬剤治療は脂質異常症の原因を解決するものではないので中止すればまた以前の値に戻ることが多く、そのことを指して「一生やめられない」と表現されることもある。これは、麻薬のように身体依存性があったり、ステロイド製剤のように急に中止できないという意味ではない。根本的なコントロールには生活改善が望まれるが、遺伝素因も大きいため必ずしも生活習慣だけで治療できるものではない。
- 高LDL-Cの治療
HMG-CoA阻害薬であるスタチン系が第一選択となる。重大な副作用としては肝障害と骨格筋障害が知られている。筋肉痛といった症状が出現することが多く、筋炎や横紋筋融解症は極めて稀である。筋疾患や甲状腺機能低下症が認められる場合は横紋筋融解症のリスクが高まるため注意が必要である。高齢者や肝機能障害、腎機能障害がある場合も注意が必要である。重症(目標値よりも50mg/dl以上高い)であればアルバスタチン(リピドール®)、ピタバスタチン(リバロ®)、ロスバスタチン(クレストール®)が選択されることが多く、軽症(目標値との差が30mg/dl以内)ならばプラバスタチン(メバロチン®)、シンバスタチン(リポバス®)、薬物相互作用が気になる場合はプラバスタチン(メバロチン®)、ピタバスタチン(リバロ®)が選択されることが多い。相互作用はマクロライド系抗菌薬、アゾール系抗真菌薬、カルシウム拮抗薬など多岐にわたる。
- 高TGの治療
フィブラートがよく用いられる。フィブラートにはHDL-Cを増加させる作用もある。肝障害、横紋筋融解症のリスクがあり、そのリスクは腎機能障害時に増悪する。また胆汁へのコレステロールが排出を促すため、胆石症を起こすことがあり、既往がある場合は注意が必要である。またSU剤やワーファリンとの相互作用も知られている。フェノフィブラート(リピディル®、トライコア®など)とベザフィブラート(ベサトール®SR、ベザリップ®など)が知られている。フェノフィブラートは尿酸低下作用もあるが、一過性の肝機能障害を起こしやすく、肝障害のある患者では避けられる傾向がある。
LDL吸着療法による治療
LDLアフェレーシスといわれ、重度の家族性脂質異常症を患う人などに行う治療法である。患者の血液を取り出し、LDLなど不要なものをろ過して体内に戻す方法で、血液中のコレステロール量は急激に減少するがすぐに元に戻ってしまうため、2週間に1度は治療を行う必要がある。しかし、これも根本的な解決には至らない。
脂質異常症に由来する疾患
- 動脈硬化症
- 自覚症状はない場合が多いが、血管壁に徐々にコレステロールが蓄積され動脈硬化症が進行することで血液の流れが悪くなる。特に頭蓋内の血管がつまり、脳の一部が死滅する脳梗塞や、心臓の冠動脈の血管が詰まる虚血性心疾患になりやすい。
- 高血圧、糖尿病、肥満とともに死の四重奏と俗称され、現在はメタボリック症候群といわれる。
- 膵炎
- 膵臓の病気。大量飲酒者では高トリグリセリド血症をきたし易く、よく発症する。また、リポ蛋白の一種のカイロミクロンが著しく上昇するリポ蛋白リパーゼ (LPL) 欠損症では、膵炎を来し易い。乳児で乳を呑んだあと腹痛を来すなどの場合、中鎖脂肪酸 (MCT) を主体とした治療用ミルクを必要とする。妊娠中に発症した場合、血液浄化療法によるカイロミクロンの除去や中心静脈栄養による厳密な脂肪制限を必要とする場合もある。
脚注
- ^ 動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2007年版日本動脈硬化学会
- ^ a b c d e f Blood Test Results - Normal Ranges Bloodbook.Com
- ^ a b c d Adëeva Nutritionals Canada > Optimal blood test values Retrieved on July 9, 2009
- ^ a b c d e f Derived from values in mg/dl to mmol/l, by dividing by 89, according to faqs.org: What are mg/dl and mmol/l? How to convert? Glucose? Cholesterol? Last Update July 21, 2009. Retrieved on July 21, 2009
- ^ a b c d Derived from values in mg/dl to mmol/l, using molar mass of 386.65 g/mol
- ^ a b c d Last page of Deepak A. Rao; Le, Tao; Bhushan, Vikas (2007). First Aid for the USMLE Step 1 2008 (First Aid for the Usmle Step 1). McGraw-Hill Medical. ISBN 0-07-149868-0.
- ^ a b c d e Reference range list from Uppsala University Hospital ("Laborationslista"). Artnr 40284 Sj74a. Issued on April 22, 2008
- ^ a b c Reference range (cholesterol) - GPnotebook
- ^ a b Normal Reference Range Table from The University of Texas Southwestern Medical Center at Dallas. Used in Interactive Case Study Companion to Pathologic basis of disease.
- ^ a b c d e f g h Royal College of Pathologists of Australasia; Cholesterol (HDL and LDL) - plasma or serum Last Updated: Monday, 6 August 2007
- ^ a b c d e f g h i j Derived from values in mmol/l, using molar mass of 386.65 g/mol
- ^ What Your Cholesterol Levels Mean. American Heart Association. Retrieved on September 12, 2009
- ^ American Association for Clinical Chemistry; HDL Cholesterol
関連書籍
- 専門医がやさしく教える高脂血症2(西崎統ほか、PHP研究所、2001年3月)
- 中性脂肪とコレステロール(石川俊次、主婦の友社、2000年7月)
- 高脂血症診療ガイド(村瀬敏郎、文光堂、2005年5月)
- コレステロールをみる・考える(齋藤康・山田信博編、南江堂、1999年7月)
- 高脂血症治療ガイド2004年版(日本動脈硬化学会編、日本動脈硬化学会、2004年7月)
関連項目
- フラミンガムスタディ - 1970年代から1万人近くに対して行った大規模な追跡調査。
- 動脈硬化症
- リポ蛋白
- 生活習慣病
- 代謝学
- 内分泌学
外部リンク
- 日本動脈硬化学会
- 家族性高コレステロール血症について(家族性高脂血症) 金沢大学馬渕教授
- 病気の解説のページ
- コレステロールゼミナール(コレゼミ) MSD株式会社
- コレステロールの異常 メルクマニュアル家庭版
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 脂質異常症と肥満の関係 (特集 肥満症に関する最新知識と今後の展望) -- (肥満の健康障害)
- 博士のアンテナ(第35回)脂質異常症の遠隔成績はいかに?
- プライマリケア・マスターコース 老年内科 標榜をめざして(第18回)高齢者における脂質異常症管理の問題点
- カラダご医見番・ライフスタイル編(Number 119)糖尿病リスクか心疾患か : 脂質異常症治療薬-○○スタチン
Related Links
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- 厚生労働省健康局よる疾患、検査・予防、食事、治療の解説。
- 脂質異常症は、血液中の脂質が増えすぎる病気なんだ. 脂質異常症というのは、血液中 の脂質、具体的にはコレステロールや中性脂肪(代表的なものはトリグリセリド)が、多 過ぎる病気のことです。「血液の中にアブラなんかあるの?」って思うかな。だけど、血液 ...
- アステラス製薬がお届けする脂質異常症(高脂血症)情報サイト。脂質異常症(高脂血 症)の原因や日常生活で注意すること、治療、Q&Aなどに関する詳しい情報をわかり やすくご紹介します。
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[★]
- 78歳の男性。悪心と嘔吐とを主訴に来院した。
- 現病歴: 1年前に肺癌と診断され、右上葉切除術と抗癌化学療法とを受けた。その後、定期的に通院をしていたが、 1か月前に背部から右の側胸部にかけて疼痛が出現した。外来受診の際、骨シンチグラフィで胸椎と右肋骨とに骨転移巣が判明した。疼痛に対して消炎鎮痛薬を処方された。その後も疼痛が増悪し、呼吸困難が出現したため、昨日の外来受診時にオピオイドの処方が追加された。昨夕からオピオイドの内服を開始したが、吐き気が出現し食物を嘔吐したため、家族に伴われて来院した。頭痛や腹痛はないという。
- 既往歴: 65歳時から高血圧症と脂質異常症とで治療中。
- 生活歴:喫煙は20本/日を57年間。 1年前の手術時から禁煙している。
- 家族歴 :兄が肺癌のため75歳で死亡。
- 現 症:意識は清明。身長168cm、体重57kg。体温36.8℃。脈拍72/分、整。血圧128/72 mmHg。呼吸数20/分。 SpO2 93 %(room air)。眼瞼結膜に貧血を認めない。眼球結膜に黄染を認めない。咽頭に異常を認めない。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。圧痛を認めない。腸雑音は低下している。背部と右肋骨部とに圧痛を認める。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球402万、Hb11.9g/dL、 Ht36%、白血球9,300、血小板39万。血液生化学所見:アルブミン 3.2g/dL、クレアチニン 0.8mg/dL、 AST 28IU/L、 ALT 26IU/L、 LD 421IU/L(基準176-353)、 ALP 403IU/L(基準115-359)、アミラーゼ 150IU/L(基準37-160)、CK 42IU/L(基準30-140)、 Na 131mEq/L、 K 4.4mEq/L、 Cl 97mEq/L、 Ca 9.7mg/dL、 P 2.5mg/dL。 CRP 3.4mg/dL。胸部エックス線写真で浸潤影を認めない。腹部立位エックス線写真ではガス像がやや多いが、鏡面形成を認めない。
- この患者の骨転移による疼痛のコントロールに有効なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106H035]←[国試_106]→[106H037]
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- 現病歴: 1年前に肺癌と診断され、右上葉切除術と抗癌化学療法とを受けた。その後、定期的に通院をしていたが、 1か月前に背部から右の側胸部にかけて疼痛が出現した。外来受診の際、骨シンチグラフィで胸椎と右肋骨とに骨転移巣が判明した。疼痛に対して消炎鎮痛薬を処方された。その後も疼痛が増悪し、呼吸困難が出現したため、昨日の外来受診時にオピオイドの処方が追加された。昨夕からオピオイドの内服を開始したが、吐き気が出現し食物を嘔吐したため、家族に伴われて来院した。頭痛や腹痛はないという。
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- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球402万、Hb11.9g/dL、 Ht36%、白血球9,300、血小板39万。血液生化学所見:アルブミン 3.2g/dL、クレアチニン 0.8mg/dL、 AST 28IU/L、 ALT 26IU/L、 LD 421IU/L(基準176-353)、 ALP 403IU/L(基準115-359)、アミラーゼ 150IU/L(基準37-160)、CK 42IU/L(基準30-140)、 Na 131mEq/L、 K 4.4mEq/L、 Cl 97mEq/L、 Ca 9.7mg/dL、 P 2.5mg/dL。 CRP 3.4mg/dL。胸部エックス線写真で浸潤影を認めない。腹部立位エックス線写真ではガス像がやや多いが、鏡面形成を認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [106H034]←[国試_106]→[106H036]
[★]
- 次の文を読み、 56-58の問いに答えよ。
- 75歳の男性。不穏状態のため家族に伴われて来院した。
- 現病歴 3年前からParkinson病の診断で内服治療中であった。 1週前から水様下痢と微熱とがあり、食欲がなく水分摂取も不十分であった。 3日前から内服をすべて中断している。昨日から39℃台の発熱が出現し、身体が硬くなって起き上がることができなくなった。眼前に小さな虫がいると言い、振り払うような動作を繰り返し、徐々に不穏状態となってきた。
- 既往歴 5年前から脂質異常症で内服治療中。
- 生活歴 72歳の妻との2人暮らし。喫煙は20歳から20本/日を30年間。飲酒は週に1回、日本酒2台程度。
- 家族歴 特記すべきことはない。
- 現 症 意識レベルはJCS II-20。身長164cm、体重52kg。体温39.2℃。脈拍124/分、整。血圧86/60mmHg。口腔内は乾燥している。四肢に強い筋強剛があり、右上肢に静止時振戦を認める。腱反射は正常である。
- 検査所見:血液所見:赤血球 508万、Hb 14.8g/dl、Ht 48%、白血球 9,500、血小板 22万。血液生化学所見:血糖 86mg/dl、HbA1c 5.1%(基準4.3-5.8)、総蛋白 7.2g/dl、アルブミン 3.8g/dl、尿素窒素 56mg/dl、クレアチニン 1.4mg/dl、尿酸 8.9mg/dl、総コレステロール 160mg/dl、トリグリセリド 156mg/dl、総ビリルビン 1.0mg/dl、 AST 86IU/l, ALT 40IU/l、 LD 420IU/l(基準176-353)、ALP 180IU/l(基準115-359)、CK 820IU/l(基準60-196)、Na 147mEq/l、K 4.2mEq/l、Cl 101mEq/l、Ca 9.2mg/dl。CRP 1.2mg/dl。胸部エックス線写真に異常を認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [105B057]←[国試_105]→[105B059]
[★]
- 次の文を読み、 56-58の問いに答えよ。
- 75歳の男性。不穏状態のため家族に伴われて来院した。
- 現病歴 3年前からParkinson病の診断で内服治療中であった。 1週前から水様下痢と微熱とがあり、食欲がなく水分摂取も不十分であった。 3日前から内服をすべて中断している。昨日から39℃台の発熱が出現し、身体が硬くなって起き上がることができなくなった。眼前に小さな虫がいると言い、振り払うような動作を繰り返し、徐々に不穏状態となってきた。
- 既往歴 5年前から脂質異常症で内服治療中。
- 生活歴 72歳の妻との2人暮らし。喫煙は20歳から20本/日を30年間。飲酒は週に1回、日本酒2台程度。
- 家族歴 特記すべきことはない。
- 現 症 意識レベルはJCS II-20。身長164cm、体重52kg。体温39.2℃。脈拍124/分、整。血圧86/60mmHg。口腔内は乾燥している。四肢に強い筋強剛があり、右上肢に静止時振戦を認める。腱反射は正常である。
- 検査所見:血液所見:赤血球 508万、Hb 14.8g/dl、Ht 48%、白血球 9,500、血小板 22万。血液生化学所見:血糖 86mg/dl、HbA1c 5.1%(基準4.3-5.8)、総蛋白 7.2g/dl、アルブミン 3.8g/dl、尿素窒素 56mg/dl、クレアチニン 1.4mg/dl、尿酸 8.9mg/dl、総コレステロール 160mg/dl、トリグリセリド 156mg/dl、総ビリルビン 1.0mg/dl、 AST 86IU/l, ALT 40IU/l、 LD 420IU/l(基準176-353)、ALP 180IU/l(基準115-359)、CK 820IU/l(基準60-196)、Na 147mEq/l、K 4.2mEq/l、Cl 101mEq/l、Ca 9.2mg/dl。CRP 1.2mg/dl。胸部エックス線写真に異常を認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [105B055]←[国試_105]→[105B057]
[★]
- 次の文を読み、 56-58の問いに答えよ。
- 75歳の男性。不穏状態のため家族に伴われて来院した。
- 現病歴 3年前からParkinson病の診断で内服治療中であった。 1週前から水様下痢と微熱とがあり、食欲がなく水分摂取も不十分であった。 3日前から内服をすべて中断している。昨日から39℃台の発熱が出現し、身体が硬くなって起き上がることができなくなった。眼前に小さな虫がいると言い、振り払うような動作を繰り返し、徐々に不穏状態となってきた。
- 既往歴 5年前から脂質異常症で内服治療中。
- 生活歴 72歳の妻との2人暮らし。喫煙は20歳から20本/日を30年間。飲酒は週に1回、日本酒2台程度。
- 家族歴 特記すべきことはない。
- 現 症 意識レベルはJCS II-20。身長164cm、体重52kg。体温39.2℃。脈拍124/分、整。血圧86/60mmHg。口腔内は乾燥している。四肢に強い筋強剛があり、右上肢に静止時振戦を認める。腱反射は正常である。
- 検査所見:血液所見:赤血球 508万、Hb 14.8g/dl、Ht 48%、白血球 9,500、血小板 22万。血液生化学所見:血糖 86mg/dl、HbA1c 5.1%(基準4.3-5.8)、総蛋白 7.2g/dl、アルブミン 3.8g/dl、尿素窒素 56mg/dl、クレアチニン 1.4mg/dl、尿酸 8.9mg/dl、総コレステロール 160mg/dl、トリグリセリド 156mg/dl、総ビリルビン 1.0mg/dl、 AST 86IU/l, ALT 40IU/l、 LD 420IU/l(基準176-353)、ALP 180IU/l(基準115-359)、CK 820IU/l(基準60-196)、Na 147mEq/l、K 4.2mEq/l、Cl 101mEq/l、Ca 9.2mg/dl。CRP 1.2mg/dl。胸部エックス線写真に異常を認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [105B056]←[国試_105]→[105B058]
[★]
- 22歳の女性。運動時の疲労感と「理由もなく氷が食べたくなる」ことを主訴に受診した。
- 現病歴:受診3か月前の1月から、運動時の疲労感が強いことを自覚するようになった。所属している大学剣道部の最後の大会を夏に控え、特に熱心に練習していたので、そのための疲労感だろうと考えていた。 4月になると、軽い稽古だけで今までよりも強い疲労感を感じるようになったが、 3月にあった春合宿の疲労が残っているものと考えてそのままにしていた。ただ、暑くもないのに氷が食べたくなるときが増えたことは気になっていた。本日、大学内の医務室前を通りがかったとき、偶然「寒い日でも氷が食べたくなったときは医務室へ相談を! 」と書かれたポスターが目に入り、心配になったため受診した。
- 既往歴: 12歳時に虫垂炎の手術を受けた。
- 生活歴 : 喫煙・飲酒はしない。
- 家族歴:母(48歳)が脂質異常症で内服加療中。父(52歳)は高血圧症で内服加療中。妹(18歳)と弟(15歳)とは健康である。
- 月経歴 :初経13歳。周期28日型、整。
- 現 症:意識は清明。身長152cm、体重40kg。体温36.8℃。脈拍96/分、整。血圧100/60mmHg。呼吸数20/分。眼瞼結膜はやや蒼白である。眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
- 内服薬による治療を行う場合、同時に摂取することでこの内服薬の生体への吸収効率を上昇させるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106E065]←[国試_106]→[106E067]
[★]
- 次の文を読み、55~57の問いに答えよ。
- 68歳の男性。血痰を主訴に来院した。
- 現病歴:3か月前から咳嗽があり、時々血痰も出現していた。最近血痰の回数が増加したため来院した。
- 既往歴:55歳時に胆石症で手術。
- 生活歴:中華料理店に50年間勤務。喫煙は20本/日を48年間。飲酒は日本酒5合/日を40年間。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:意識は清明。身長173cm、体重77kg。体温36.6℃。脈拍64/分、整。血圧134/82mmHg。呼吸数18/分。SpO2 93%(room air)。頸部リンパ節を触知しない。心音に異常を認めないが、呼吸音は右上前胸部で減弱している。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
- 検査所見:血液所見:赤血球468万、Hb 13.9g/dl、Ht 42%、白血球8,800(桿状核好中球20%、分葉核好中球45%、好酸球1%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球27%)、血小板15万。血液生化学所見:血糖130mg/dl、HbA1c(NGSP)7.4%(基準4.6~6.2)、総蛋白7.5g/dl、アルブミン3.9g/dl、尿素窒素12mg/dl、クレアチニン0.6mg/dl、尿酸6.9mg/dl、総コレステロール246mg/dl、トリグリセリド190mg/dl、総ビリルビン0.9mg/dl、AST 35IU/l、ALT 28IU/l、LD 198IU/l(基準176~353)、ALP 264IU/l(基準115~359)、γ-GTP 50IU/l(基準8~50)、アミラーゼ98IU/l(基準37~160)、CK 42IU/l(基準30~140)。CEA 3.5ng/ml(基準5以下)、SCC 9.7ng/ml(基準1.5以下)。CRP1.5mg/dl。心電図に異常を認めない。胸部エックス線写真(別冊No.5A)と胸部造影CT(別冊No.5B)とを別に示す。
- この疾患のリスクファクターはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107B056]←[国試_107]→[107B058]
[★]
- 22歳の女性。運動時の疲労感と「理由もなく氷が食べたくなる」ことを主訴に受診した。
- 現病歴:受診3か月前の1月から、運動時の疲労感が強いことを自覚するようになった。所属している大学剣道部の最後の大会を夏に控え、特に熱心に練習していたので、そのための疲労感だろうと考えていた。 4月になると、軽い稽古だけで今までよりも強い疲労感を感じるようになったが、 3月にあった春合宿の疲労が残っているものと考えてそのままにしていた。ただ、暑くもないのに氷が食べたくなるときが増えたことは気になっていた。本日、大学内の医務室前を通りがかったとき、偶然「寒い日でも氷が食べたくなったときは医務室へ相談を! 」と書かれたポスターが目に入り、心配になったため受診した。
- 既往歴: 12歳時に虫垂炎の手術を受けた。
- 生活歴 : 喫煙・飲酒はしない。
- 家族歴:母(48歳)が脂質異常症で内服加療中。父(52歳)は高血圧症で内服加療中。妹(18歳)と弟(15歳)とは健康である。
- 月経歴 :初経13歳。周期28日型、整。
- 現 症:意識は清明。身長152cm、体重40kg。体温36.8℃。脈拍96/分、整。血圧100/60mmHg。呼吸数20/分。眼瞼結膜はやや蒼白である。眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
- この患者に対する医療面接で、重要度が低い情報はどれか。
- a 経血量
- b 便の色調
- c 偏食の有無
- d 貧血の家族歴
- e 氷を食べたくなる時間帯
[正答]
※国試ナビ4※ [106E063]←[国試_106]→[106E065]
[★]
- 22歳の女性。運動時の疲労感と「理由もなく氷が食べたくなる」ことを主訴に受診した。
- 現病歴:受診3か月前の1月から、運動時の疲労感が強いことを自覚するようになった。所属している大学剣道部の最後の大会を夏に控え、特に熱心に練習していたので、そのための疲労感だろうと考えていた。 4月になると、軽い稽古だけで今までよりも強い疲労感を感じるようになったが、 3月にあった春合宿の疲労が残っているものと考えてそのままにしていた。ただ、暑くもないのに氷が食べたくなるときが増えたことは気になっていた。本日、大学内の医務室前を通りがかったとき、偶然「寒い日でも氷が食べたくなったときは医務室へ相談を! 」と書かれたポスターが目に入り、心配になったため受診した。
- 既往歴: 12歳時に虫垂炎の手術を受けた。
- 生活歴 : 喫煙・飲酒はしない。
- 家族歴:母(48歳)が脂質異常症で内服加療中。父(52歳)は高血圧症で内服加療中。妹(18歳)と弟(15歳)とは健康である。
- 月経歴 :初経13歳。周期28日型、整。
- 現 症:意識は清明。身長152cm、体重40kg。体温36.8℃。脈拍96/分、整。血圧100/60mmHg。呼吸数20/分。眼瞼結膜はやや蒼白である。眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
[正答]
※国試ナビ4※ [106E064]←[国試_106]→[106E066]
[★]
- 70歳の男性。右利き。言動が異常であることを心配した家族に伴われて来院した。 2日前、急に不可解な発言をするようになり、落ち着きがなくなった。昨日は症状がやや改善した印象であったが、今朝から奇妙な言動が続いている。 10年前から脂質異常症の治療を受けている。不整脈を指摘されたことがある。母親と兄とが高血圧症である。意識は清明。身長160cm、体重67kg。体温36.0℃。脈拍68/分、不整。血圧160/68mmHg。呼吸数17/分。項部硬直を認めない。脳神経系に異常を認めない。頸部で血管雑音を聴取しない。心雑音を聴取しない。呼吸音に異常を認めない。四肢に運動麻痺を認めない。発話量は多いが、質問とは無関係なことを答える。 「口を開けて舌を出して下さい」と指示を与えても別の動作をする。胸部エックス線写真上、心胸郭比58%であり、肺野に異常を認めない。心電図で心房細動を認める。頭部単純CT(別冊No. 12)を別に示す。
- この患者の病態として正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106D037]←[国試_106]→[106D039]
[★]
- 37歳の女性。右側のふくらはぎが痛むことを主訴に来院した。 1年前の職場の健康診断で脂質異常症を指摘されたため、その後は毎日4kmのウォーキングを継続していた。 1週前に社内の診療所で検査したところ、総コレステロール302mg/dL、トリグリセリド125mg/dLであり、改善していなかったため、同日に処方された治療薬の内服を開始した。 3日前から右ふくらはぎの痛みがあり、心配になって受診した。身長162cm、体重58kg。右上眼瞼に黄色腫を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。右側下腿を把持すると強い疼痛を認める。血液生化学所見:尿素窒素31mg/dL、クレアチニン1.1mg/dL、尿酸7.2mg/dL、総コレステロール256mg/dL、トリグリセリド131mg/dL、総ビリルビン0.9mg/dL、 AST45IU/L、 ALT40IU/L、 LD203IU/L(基準176-353)、 ALP288IU/L(基準115-359)、 γ-GTP12IU/L(基準 -50)、 CK1,889IU/L(基準30-140)、 Na 137mEq/L、 K 4.4mEq/L、 Cl97mEq/L。
- この患者に投与された可能性が最も高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106G041]←[国試_106]→[106G043]
[★]
- 次の文を読み、30、31の問いに答えよ。
- 77歳の男性。発熱と咳とを主訴に来院した。
- 現病歴 1週前から咳と黄色の喀痰とを自覚していた。2日前から発熱があり、倦怠感が強くなったため受診した。胸痛と呼吸困難とはなかった。
- 既往歴 5年前から糖尿病と脂質異常症とで内服治療中。
- 生活歴 喫煙歴はない。飲酒は日本酒1合/日を50年間。
- 家族歴 特記すべきことはない。
- 現症 意識は清明。身長165cm、体重72kg。体温38.6℃。呼吸数28/分。脈拍104/分、整。血圧152/90mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)93%。眼瞼結膜に貧血を認めない。眼球結膜に黄染を認めない。咽頭に異常を認めない。心音に異常を認めない。呼吸音は右背部で減弱している。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。肝・脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [105F029]←[国試_105]→[105F031]
[★]
- 次の文を読み、30、31の問いに答えよ。
- 77歳の男性。発熱と咳とを主訴に来院した。
- 現病歴 1週前から咳と黄色の喀痰とを自覚していた。2日前から発熱があり、倦怠感が強くなったため受診した。胸痛と呼吸困難とはなかった。
- 既往歴 5年前から糖尿病と脂質異常症とで内服治療中。
- 生活歴 喫煙歴はない。飲酒は日本酒1合/日を50年間。
- 家族歴 特記すべきことはない。
- 現症 意識は清明。身長165cm、体重72kg。体温38.6℃。呼吸数28/分。脈拍104/分、整。血圧152/90mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)93%。眼瞼結膜に貧血を認めない。眼球結膜に黄染を認めない。咽頭に異常を認めない。心音に異常を認めない。呼吸音は右背部で減弱している。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。肝・脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。
- この患者がその後重篤な転帰をきたす可能性を示唆するのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105F030]←[国試_105]→[105G001]
[★]
- 62歳の女性。数日前からの息切れと全身倦怠感とを主訴に来院した。心不全の治療のために専門外来に通っていたが、症状が安定したので3か月前に自宅近くの診療所を紹介された。同診療所を受診した際、新たに脂質異常症、変形性膝関節症および不眠症と診断され、それぞれに対し3週前から薬物療法が開始されたという。意識は清明。体温36.2℃。脈拍96/分、整。血圧122/88mmHg。呼吸数16/分。眼瞼結膜に貧血を認めない。眼球結膜に黄染を認めない。頸静脈の怒張を認める。心尖部でIII音を聴取する。両側の胸部にcoarse cracklesを聴取する。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝を2cm触知する。脾を触知しない。両側の下腿に圧痕性浮腫を認める。
- この病態の原因になった内服薬として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106G049]←[国試_106]→[106G051]
[★]
- 76歳の女性。高血圧、脂質異常症および陳旧性心筋梗塞の定期受診のため来院した。 5年前に急性心筋梗塞と診断され、経皮的冠動脈インターベンションを受けている。以後、胸痛発作はないが、階段や長く歩いたときに息切れを感じている。脈拍 64 /分、整。血圧 122/80 mmHg。呼吸数 14/分。 SpO2 97% ( room air)。頸静脈の怒張を認めない。左側臥位で IV音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。両側の下肢に軽度の浮腫を認める。本日の心電図 (別冊 No. 16)を別に示す。
- 患者への説明として適切なのはどれか。
- a 「脈が速すぎるようです」
- b 「左脚ブロック]]が認められます」
- c 「心房細動]]の状態になっています」
- d 「高血圧による左室肥大が認められます」
- e 「心筋梗塞のあとが左心室の前側と下側にあります」
[正答]
※国試ナビ4※ [108A041]←[国試_108]→[108A043]
[★]
- 55歳の男性。胸痛を主訴に来院した。3年前から脂質異常症のため外来通院中である。今朝5時に圧迫感を伴う胸痛を布団の中で自覚したため受診した。胸痛は3分間続いたが受診時には自覚症状はない。脈拍72/分。血圧122/80mmHg。心音に異常を認めない。心電図検査を実施しようとしたところ急に胸痛が出現したが、ニトログリセリン錠の舌下投与で速やかに消失した。胸痛出現時と消失後の心電図(別冊No.15A、B)を別に示す。緊急に施行した冠動脈造影では冠動脈の閉塞や有意な狭窄は認められない。
- 治療薬で適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107I054]←[国試_107]→[107I056]
[★]
- 65歳の男性。1時間前からの胸内苦悶を主訴に来院した。10年前から脂質異常症を指摘され内服治療中である。意識は清明。呼吸数20/分。脈拍60/分、整。血圧108/72mmHg。12誘導心電図でII、III、aVF誘導でST上昇を認めた。直ちに緊急冠動脈造影を行ったところ、右冠動脈に99%の狭窄を認めたため、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行した。再潜流直後に脈拍が120/分に上昇しショック状態となり、意識レベルが低下した。
- この患者に発生した可能性が高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105E043]←[国試_105]→[105E045]
[★]
- 72歳の男性。繰り返す右上下肢の脱力発作を主訴に来院した。糖尿病、高血圧症および脂質異常症に対して内服治療中である。神系学的診察で異常を認めない。左頸部で血管雑音を聴取する。頭部 MRIで明らかな脳梗塞を認めない。左総頸動脈造影像 (別冊 No. 13)を別に示す。
- 治療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [108E057]←[国試_108]→[108E059]
[★]
- 78歳の男性。 3時間前から持続する胸痛と冷汗とを主訴に来院した。 1か月前に受けた健康診断では心電図の異常を指摘されなかった。 10年前から脂質異常症を指摘されている。喫煙は20本/日を50年間。脈拍88/分、整。血圧162/98mmHg。来院時の心電図(別冊No. 9)を別に示す。
- 診断として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106A030]←[国試_106]→[106A032]
[★]
- 32歳の男性。会社の健康診断で血清脂質異常を指摘されて来院した。父は40歳で突然死した。姉に高コレステロール血症がある。身長170cm、体重61kg、右上眼瞼内側に黄色い皮腫を認める。健康診断時の血清総コレステロール320mg/dl、トリグリセライド120mg/dl。
[正答]
※国試ナビ4※ [102E052]←[国試_102]→[102E054]
[★]
- 英
- lipoprotein, LP
- 同
- リポ蛋白質、リポタンパク、リポタンパク質、リポプロテイン
- 関
- アポリポ蛋白、脂質異常症、血漿リポタンパク、リポプロテイン(a)
型
|
密度 (g/mL)
|
電気移動度
|
産生部位
|
組成
|
主なアポ蛋白
|
|
脂 質
|
コ レ
|
リ 脂
|
蛋 白
|
AI
|
AII
|
AIV
|
B48
|
B100
|
CI
|
CII
|
CIII
|
E
|
apo(a)
|
Chylomicrons
|
< 0.95
|
Origin
|
腸
|
85
|
|
|
|
●
|
|
●
|
●
|
|
○
|
○
|
○
|
○
|
|
Chylomicron remnants
|
<1.006
|
Origin
|
腸
|
60
|
20
|
|
|
|
|
|
●
|
|
|
|
|
●
|
|
VLDL
|
<1.006
|
Pre-β
|
肝臓
|
55
|
20
|
|
|
|
|
|
|
●
|
●
|
●
|
●
|
●
|
|
IDL
|
1.006-1.019
|
β
|
VLDL由来
|
35
|
25
|
|
|
|
|
|
|
●
|
|
|
|
●
|
|
LDL
|
1.019-1.063
|
β
|
IDL由来
|
60
|
5
|
|
|
|
|
|
|
●
|
|
|
|
|
|
HDL
|
1.063-1.210
|
α
|
肝臓、腸、血漿
|
5
|
20
|
25
|
50
|
●
|
●
|
|
|
|
●
|
●
|
●
|
●
|
|
HDL2
|
1.063-1.125
|
α
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
HDL3
|
1.125-1.210
|
α
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
Lp(a)
|
1.050-1.090
|
α
|
肝臓
|
5
|
60
|
|
|
|
|
|
|
●
|
|
|
|
|
●
|
WIL TABLE 36-3
|
リポ蛋白
|
AI
|
AII
|
AIV
|
AV
|
B100
|
B48
|
CI
|
CII
|
CIII
|
E
|
apo(a)
|
D
|
平均血漿濃度 (mg/dL)
|
130
|
40
|
40
|
<1
|
85
|
Variable
|
6
|
3
|
12
|
5
|
Variable
|
10
|
染色体
|
11
|
1
|
11
|
11
|
2
|
|
19
|
19
|
11
|
19
|
6
|
3
|
分子量(kDa)
|
∼29
|
∼17 (dimer)
|
∼45
|
39
|
∼513
|
∼241
|
∼6.6
|
8.9
|
8.8
|
∼34
|
∼400-800
|
∼20
|
ペプチドの長さ(a.a.)
|
243
|
77
|
376
|
343
|
4536
|
2152
|
57
|
79
|
79
|
299
|
4000-6000
|
169
|
主な合成部位
|
肝臓 小腸
|
肝臓
|
小腸
|
肝臓
|
肝臓
|
小腸
|
肝臓
|
肝臓
|
肝臓
|
肝臓 脳 皮膚 精巣 脾臓
|
肝臓
|
肝臓 小腸
|
主な機能
|
・HDLの構造蛋白 ・LCATのCofactor ・コレステロールの逆転送に重要
|
・apo-Eの受容体への結合を妨げる (E-AII複合体形成による)
|
・細胞からのコレステロールの流出を促進する ・LCATの活性化 ・小腸からの脂質分泌を促進
|
・LPLを介した脂質分解の活性化 ・肝でのVLDL合成を妨げる?
|
・VLDL・LDLの構造蛋白 ・LDL受容体のリガンド
|
・カイロミクロンの構造蛋白
|
・レムナントの受容体への結合を調節する ・LCATを活性化する
|
LPLのcofactor
|
・レムナントの受容体への結合を調節する ・LPLを阻害する
|
・LDLとレムナント受容体のリガンド ・局所の脂質の再配分 ・コレステロール逆転送(apo-EをもったHDL)
|
血栓形成と線維素溶解を調節する
|
LCATの活性化?
|
- Functions and interrelationships of different classes of plasma lipoproteins
PNAS 1969 64:1128-1137
リポ蛋白の構成 QB CBT vol.1 p.140
- コレステロールが多いのがLDL。トリグリセリドが除去されることでVLD L→ IDL → LDL
- HDLは蛋白質が多い。HDLは末梢からコレステロールの逆転送のいわばキャリアーとなる。
参考
- http://www.jokoh.com/dandi/taisya.gif
[★]
- 英
- cholesterol
- 同
- コレステリン cholesterin
- 関
- lipoprotein
分子式
吸収
- カイロミクロンに含まれる脂質は、血管内皮に存在するリポ蛋白リパーゼ(LPL)により分解されて脂肪酸を遊離し、コレステロールの比が高いカイロミクロンレムナントとなる。
生合成
- acetyl-CoA→hydroxymethyl-glutaryl coenzyme A(HMG-CoA)-(HMG-CoA reductase)→mebaronate→・・・→コレステロール
- →コレステロールの生合成
体内循環
- 血液循環中のVLDLの脂質は、、血管内皮に存在するリポ蛋白リパーゼ(LPL)により分解されて脂肪酸を遊離し、コレステロールの比が高いIDL、LDLとなる。
- 組織からはコレステロール比型が高いHDLが放出され、そのまま肝臓に取り込まれるか、IDLにコレステロールを渡すことでコレステロールの逆輸送を行っている(内因性の抗動脈硬化作用)。
- 肝臓は血液循環からHDL, IDL, VDLを受容体を介して取り込む
排泄
- 肝臓でコレステロールは胆汁酸に変換され、胆汁として排出される
- see HBC.236
Lipoprotein
|
Source
|
Diameter (nm)
|
Density (g/mL)
|
Composition
|
Main Lipid Components
|
Apolipoproteins
|
Protein
|
Lipid
|
(%)
|
(%)
|
Chylomicrons
|
Intestine
|
90~100
|
< 0.95
|
1~2
|
98.99
|
Triacylglycerol
|
A-I, A-II, A-IV,1 B-48, C-I, C-II, C-III, E
|
Chylomicron remnants
|
Chylomicrons
|
45~150
|
< 1.006
|
6~8
|
92.94
|
Triacylglycerol, phospholipids, cholesterol
|
B-48, E
|
VLDL
|
Liver (intestine)
|
30~90
|
0.95~1.006
|
7~10
|
90~93
|
Triacylglycerol
|
B-100, C-I, C-II, C-III
|
IDL
|
VLDL
|
25~35
|
1.006~1.019
|
11
|
89
|
Triacylglycerol, cholesterol
|
B-100, E
|
LDL
|
VLDL
|
20~25
|
1.019~1.063
|
21
|
79
|
Cholesterol
|
B-100
|
HDL1
|
Liver, intestine, VLDL, chylomicrons
|
20~25
|
1.019.1.063
|
32
|
68
|
Phospholipids, cholesterol
|
A-I, A-II, A-IV, C-I, C-II, C-III, D,2 E
|
HDL2
|
|
10~20
|
1.063~1.125
|
33
|
67
|
|
|
HDL3
|
|
5~10
|
1.125~1.210
|
57
|
43
|
|
|
Preβ-HDL3
|
|
< 5
|
> 1.210
|
|
|
|
A-I
|
Albumin/free fatty
|
Adipose acids tissue
|
|
> 1.281
|
99
|
1
|
Free fatty acids
|
|
基準値
- 脂質異常症→ 血清:Total-CHO≧220 mg/dl。LDL-C≧140 mg/dl。TG≧150 mg/dl。HDL-C<40 mg/dl
参考
- http://rockymuku.sakura.ne.jp/naibunnpitunaika/koresutero-runotanninokannzann.pdf
[★]
- 英
- lipid-lowering drug, lipid-lowering agent
- 関
- 脂質異常症
|
Cho
|
TG
|
LDL-C↓
|
HDL-C↑
|
TG↓
|
副作用
|
HMG-CoA還元酵素阻害薬
|
Choの合成阻害 →LDL受容体増加
|
|
○
|
○
|
|
発疹、胃不快感、肝障害、 筋肉痛、筋脱力、横紋筋融解症
|
フィブラート系薬物
|
|
VLDL産生抑制 →VLDL,IDL異化促進
|
○
|
○
|
○
|
単独で、横紋筋融解症 腹痛、下痢、嘔吐などの腹部症状、肝障害
|
ニコチン酸系薬
|
VLDL分泌抑制
|
○
|
○
|
○
|
皮膚、特に顔面および上半身の紅潮、掻痒感 肝障害、胃腸障害、耐糖能の悪化、尿酸値上昇
|
陰イオン交換樹脂系薬物
|
胆汁酸再吸収抑制
|
|
○
|
|
|
腹部膨満感、便秘、肝障害
|
ビフェニル化合物
|
Choの胆汁排泄促進
|
|
○
|
|
|
肝障害、胃腸障害、耐糖能の悪化、尿酸値上昇発疹 まれにQT延長にともなう不整脈
|
EPA製剤
|
|
VLDL産生抑制 →VLDL異化促進
|
|
|
○
|
胃部不快感、腹痛、下痢などの腹部症状 肝障害、出血傾向
|
分類
|
脂質代謝への影響
|
副作用
|
LDL-C
|
TG
|
HDL-C
|
スタチン
|
↓↓↓
|
↓
|
↑
|
横紋筋融解症、筋肉痛や脱力感などミオパチー様症状、肝障害、認知機能障害、空腹時血糖値およびHbA1c値の上昇、間質性肺炎など
|
陰イオン交換樹脂
|
↓↓
|
↑
|
↑
|
消化器症状、脂溶性ビタミンの吸収障害。ジギタリス、ワルファリンとの併用ではそれら薬剤の薬効が減弱しうる。
|
小腸コレステロールトランスポーター阻害薬
|
↓↓
|
↓
|
↑
|
消化器症状、肝障害、CK上昇
|
フィブラート
|
↓
|
↓↓↓
|
↑↑
|
横紋筋融解症、肝障害など
|
ニコチン酸誘導体
|
↓
|
↓↓
|
↑
|
顔面潮紅や頭痛など(日本人では多いといわれている。少量から開始して漸増したり、アスピリンを併用することで副作用は回避可能なことがある)
|
プロブコール
|
↓
|
ー
|
↓↓
|
可逆性のQT延長や消化器症状など
|
多価不飽和脂肪酸
|
ー
|
↓
|
ー
|
消化器症状、出血傾向や発疹など
|
↓↓↓:≦-25% ↓↓:-25%< ≦-20% ↓:-20%< ≦-10% ー:-10%< ≦10% ↑:10%< ≦20% ↑↑:20%< ≦30%
|
[★]
- 英
- propofol infusion syndrome, PRIS
- 関
- プロポフォール
概念
- 集中治療分野における、長期間鎮静のためにプロポフォールが投与された患者の病態
- 集中治療における人工呼吸中の鎮静の目的でプロポフォール投与中に代謝性アシドーシス、横紋筋融解症、高カリウム血症、心不全が発現した症例が報告されており、このような病態をプロポフォール症候群と呼ぶ
- 4mg/kg•hr(60kgで24ml/hr)以上の高用量プロポフォールを48時間以上使用している患者で代謝性アシドーシス、徐脈を伴うショック(徐脈性不整脈)、横紋筋融解症、高脂血症、腫大肝・脂肪肝を呈する疾患
- 5mg/kg/hを48時間以上としている情報源あり
疫学
- 死亡率が高い
- 小児で多いが、成人でもまれならず
- PRISはまれではあるが、致死性合併症
診断基準
Brayによる小児PRISの診断基準
- 突発性もしくは比較的突発性に治療抵抗性の徐脈が発現し不全収縮(心静止)へ移行する
- 以下のうち少なくとも1項目を含む
- 脂質異常症の発現
- 肝腫大または剖検による肝臓の脂肪浸潤
- BE≦-10を呈する代謝性アシドーシス
- 横紋筋融解もしくはミオグロビン尿を伴う筋症状
リスク因子
PRIS発症に関する危険因子
- 高容量(>5mg/kg/h)、長時間(>48時間)のプロポフォール投与
- 乳幼児
- 上気道感染
- 多発外傷、頭部外傷
- 内因性ストレスの存在、カテコラミンやグルココルチコイドの投与
- 糖摂取の不足
PRIS発症時の所見
病態生理
検査
治療
予防
- プロポフォールを使用する際は4mg/kg•hrを越えないようにする
- 48時間以内でも除外しない。疑えば中止を考える。
- 使用中は心電図(徐脈に注意、ブルガダ変化も)、pH、CK、TGをモニタリング
- プロポフォールを漫然と長期投与しないように、鎮静レベルはRASSなどで評価
[★]
トコフェロール、ビタミンA
適応
副作用
消化器
- 0.1~5%未満 食欲不振、胃部不快感、胃痛、悪心、下痢、便秘
過敏症
肝臓
- 0.1%未満 肝機能障害 (AST (GOT)、ALT (GPT) の上昇等)
その他
- 0.1%未満 温感、潮紅
- 頻度不明 顔面浮腫、浮腫
臨床効果
- 高血圧症:しびれ感、めまい感、首筋や肩のこり、頭痛、不眠、耳鳴、息切れ、抑鬱、四肢冷感などの随伴症状を改善
- 脂質異常症:T-CHO低下、HDL-C上昇
- 末梢循環障害:閉塞性動脈硬化症などの末梢循環障害に対して有用性
薬効薬理
- (1) 加齢ラットやコレステロール負荷ラットの実験でコレステロールの代謝回転を高めることにより、血中総コレステロール値を低下させる。これは本薬がコレステロールの異化・排泄を高めるためと考えられる。さらに過酸化脂質、中性脂肪も低下させる。
- (2) ヒトの血中総コレステロールを低下させ、リポ蛋白代謝において血中HDL‐コレステロールを上昇させる。
- (1) 本薬の微小循環系賦活作用は、神経系を介さず、血管平滑筋に直接作用し、血管運動性を維持しながら耳殼血流を増加させることが無麻酔ウサギの実験で認められている。
- (2) ヒトの末梢循環不全に対する改善作用は、ビタミンEとニコチン酸との併用よりも明らかに優れている。
- 3. 血管強化作用 ヒトの毛細血管の透過性亢進を改善し、紫斑数を減少させることが認められている。
- 4. 血小板凝集抑制作用
- (1) ヒトの凝集能が亢進している血小板に対するアドレナリン凝集、アラキドン酸凝集、コラーゲン凝集、ADP凝集のいずれにおいても血小板凝集抑制が認められている。
- (2) ヒトの多血小板血漿に対するアラキドン酸凝集、コラーゲン凝集において血小板凝集抑制作用をトコフェロールニコチン酸エステル、トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールで比較した結果、トコフェロールニコチン酸エステルが強力な抑制効果を示した。
- 5. 血中酸素分圧上昇作用 ヒトにおいて低下した血中酸素分圧を上昇させることが認められている。