- 27歳の女性。「訳の分からないことを言う」と父親に連れられて来院した。左前腕に数多くの注射痕が認められる。半年前から、同棲相手が歓楽街で買って使っていた薬を自分も使うようになった。薬は自分で静脈に注射していたと言う。当初は気分が高揚し、疲労感がなくなり、頭の回転が良くなるなど、快感を体験できていた。しかし、1か月前からは「殺してやる」という幻聴が現れ、いつもやくざにつけねらわれているという妄想にとりつかれている。
- 正しいのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G058]←[国試_101]→[101G060]
★リンクテーブル★
[★]
- 28歳の女性。急性骨髄性白血病のため、HLA一致の兄から同種骨髄移植を受け、70日が経過している。急性GVHDは皮膚のみI度であったが、移植後56日から38℃前後の発熱と持続する咳とが出現し、右背部痛も伴うようになった。意識は清明。体温38.4℃。脈拍96/分、整。血圧122/74mmHg。心雑音はない。右中肺野にcoarse cracklesを聴取する。肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球324万、Hb10.1g/dl、Ht31%、網赤血球1.2%(12‰)、白血球3,600(桿状核好中球5%、分葉核好中球36%、好酸球3%、好塩基球1%、単球12%、リンパ球43%)、血小板7.3万。血清生化学所見:総蛋白6.1g/dl、アルブミン3.2g/dl、尿素窒素18mg/dl、クレアチニン1.0mg/dl、尿酸4.1mg/dl、総ビリルビン1.2mg/dl、直接ビリルビン0.4mg/dl、AST32IU/l、ALT391U/l、LDH320IU/l(基準176~353)、ALP116IU/l(基準260以下)、Na134mEq/l、K4.2mEq/l、Cl 102mEq/l。免疫学所見:CRP12.8mg/dl、β-D-グルカン35pg/ml(基準20以下)、ツベルクリン反応陰性。胸部エックス線写真を以下に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G057]←[国試_101]→[101G059]
[★]
- 38歳の男性。職場の課長から、最近疲れている様子で欠勤や遅刻も多いので指導してほしいという相談を受け、産業医が面接した。半年前の本年4月、係長に昇進し、はじめは意欲を持って業務をこなしてきた。6月からはいつも気分が憂うつで、気力が失せてきた。8月からは就床しても仕事のことを考えて寝つけないことが多く、朝起きるのもつらくなった。以前は、休日には欠かさず子供と近所の公園で遊んでいたが、最近は家でごろごろするだけになった。上司に叱責された翌朝には会社に行くのがおっくうで、気が付くと会社とは逆方向の電車に乗っていたこともある。
- 産業医の発言として適切なのはどれか。
- a. 「特に異常がないので様子を見ましょう」
- b. 「弱音を吐かずにもっとがんばりましょう」
- c. 「心の病気であることを課長に報告しておきます」
- d. 「いっそのこと死んでしまいたい、と思うことはありますか」
- e. 「仕事が向いていないので係長職をはずしてもらいましょう」
[正答]
※国試ナビ4※ [101G059]←[国試_101]→[101H001]
[★]
- 英
- analeptic psychosis
- 同
- 覚せい剤精神病、アンフェタミン精神病 amphetamine psychosis
- 関
- 覚醒剤
- KPS.458 PSY.405
- DSM-IV-TRではアンフェタミン誘発性精神病性障害と記載されている。
- 覚醒剤の連用により統合失調症に類似した精神状態を呈するようになる。
- 気分障害、幻覚(幻聴>幻視。その他幻臭、幻味、幻触)、妄想(関係妄想、被害妄想、注察妄想、追跡妄想)
- 覚醒剤の中止により多くは1ヶ月以内に軽快するが、残存する例もある。
- 統合失調症との差異:本疾患では感情の平板化と無論理思考が認められない。また、本疾患では疎通性が保たれている例が多い。
- 治療:短期間の抗精神病薬(ハロペリドール)の使用。
- 予後:本疾患では覚醒剤を中断して精神症状が消失した後、少量の覚醒剤の使用(逆耐性)により覚醒剤使用時と同じ異常体験が出現することがある(フラッシュバック)。同様のことは知覚刺激、ストレスなども引き金になりうる。
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国試