IRE. 652,660 SMB. 163,173,601 IMD 1096 -~下痢の原因 .552 HIM 123t,128,814,814t,957
-typhoid fever
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2018/02/06 09:31:45」(JST)
腸チフス | |
---|---|
バラ疹と呼ばれる腹部や胸部にピンク色の斑点が現れる症状
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分類および外部参照情報 | |
診療科・ 学術分野 |
感染症内科学[*] |
ICD-10 | A01.0 |
ICD-9-CM | 002 |
DiseasesDB | 27829 |
eMedicine | oph/686 med/2331 |
MeSH | D014435 |
腸チフス(ちょうチフス)は、サルモネラの一種であるチフス菌 (Salmonella enterica var enterica serovar Typhi) によって引き起こされる感染症の一種である。一般のサルモネラ感染症とは区別され、チフス性疾患と総称される。治療後も1年間ほどチフス菌を排出する場合がある。
感染源は汚染された飲み水や食物などである。潜伏期間は7〜14日間ほど。衛生環境の悪い地域や発展途上国で発生して流行を起こす伝染病であり、発展途上国を中心にアフリカ、東アジア、東南アジア、中南米、東欧、西欧などで世界各地で発生が見られる。
日本では感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の施行時に2類感染症に指定されていたが、2006年(平成18年)12月8日公布の「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律」により3類感染症に変更となった[1]。
日本において「チフス」と呼ばれる疾患には、もともと腸チフスのことであった。現在はそれに加えてパラチフス、発疹チフスが見つかっている。このうち腸チフスとパラチフスはともにサルモネラに属する菌株による疾患である。ながらく原因病原体がわからなかったため、様々な呼称でよばれていたが現在は発疹チフスに統一されている。発疹チフスはリケッチアの一種である発疹チフスリケッチア (Rickettsia prowazekii) による疾患である。これらの疾患は症状が似ているため発疹チフスや腸結核と同一の病気と考えられ混乱していたが現在は病原菌が全く異なる別の病気であることがわかっている。チフスという名称はもともと、チフスのときに見られる高熱による昏睡状態のことを、ヒポクラテスが「ぼんやりした、煙がかかった」を意味するギリシア語 typhus と書き表したことに由来する。以後、発疹チフスと症状がよく似た腸チフスも同じ疾患として扱われていたが、1836年に W. W. Gerhard が両者を別の疾患として扱うように提唱した。しかし、そのときも W. W. Gerhard は結局病原体をまったく見つけることができず、現実は混乱に拍車を掛けただけであった。それぞれの名称は、発疹チフスが英語名 typhus、ドイツ語名 Fleck typhus、腸チフスが英語名 typhoid fever、ドイツ語名 Typhus となっており、各国語それぞれで混同が起こりやすい状況になっている。日本では医学分野でドイツ語が採用されていた背景から、これに準じた名称として「発疹チフス」「腸チフス」と呼び、一般に「チフス」とだけ言った場合には、これにパラチフスを加えた3種類を指すか、あるいは腸チフスとパラチフスの2種類のことを指して発疹チフスだけを別に扱うことが多い。ただし、英語に準じて腸チフスを「チフス熱」という呼ぶこともまれにある。
主に経口感染で、無症状病原体保有者や腸チフス発症者の大便や尿に汚染された食物、水などを通して感染する。これらは手洗いの不十分な状態での食事や、糞便にたかったハエが人の食べ物で摂食活動を行ったときに、病原体が食物に付着して摂取されることが原因である。ほかにも接触感染や性行為、下着で感染する。胆嚢保菌者の人から感染する場合が多い。ネズミの糞から感染することもある。上下水道が整備されていない発展途上国での流行が多く、衛生環境の整った先進諸国からの海外渡航者が感染し、自国に持ち帰るケース(輸入感染症)も多く見られる。
日本でも昭和初期から終戦直後までは腸チフスが年間約4万人発生していた。その後、環境衛生状態の改善によって次第に減少し、1990年代に入ってからは腸チフス・パラチフスを併せて年間約100例程度で推移し、そのほとんどは海外からの輸入事例で、海外旅行が日常化したことにより増加傾向にある[2]。
1993年、首都圏で50名の腸チフス患者[2]。
2013年、日本では感染経路不明な海外渡航歴の無い患者の発生増加が報告されている[3]。
2014年9月10日、東京都千代田区麹町のカレー(インド料理)店「DIPMAHAL(ディップマハル)」が原因となった集団食中毒が確認された。国が統計を取り始めた2000年以降初めての腸チフスによる集団食中毒となった[4]。海外に帰国していた従業員が感染したのち潜伏期間中に再入国、調理等に携わっていたため、このような事態を招いたと判明している[5]。千代田保健所は同店を同日から3日間の営業停止処分とした[6]。
腸チフスは、サルモネラの一菌型(血清型)であるチフス菌の感染によって起こる。食物とともに摂取されたチフス菌は腸管から腸管膜リンパ節に侵入してマクロファージの細胞内に感染する。このマクロファージがリンパ管から血液に入ることで、チフス菌は全身に移行し、菌血症を起こす。その後、チフス菌は腸管に戻り、そこで腸炎様の症状を起こすとともに、糞便中に排泄される。
感染後、7〜14日すると症状が徐々に出始める。腹痛や発熱、関節痛、頭痛、食欲不振、咽頭炎、空咳、鼻血を起こす。3〜4日経つと症状が重くなり、40度前後の高熱を出し、下痢(水様便)、血便または便秘を起こす。バラ疹様皮疹と呼ばれる腹部や胸部にピンク色の斑点が現れる症状を示す[7]。腸チフスの発熱は「稽留熱(けいりゅうねつ)と呼ばれ、高熱が1週間から2週間も持続するのが特徴で、そのため体力の消耗を起こし、無気力表情になる(チフス顔貌)。また重症例では、熱性譫妄などの意識障碍や難聴を起こしやすい。2週間ほど経つと、腸内出血から始まって腸穿孔を起こし、肺炎、胆嚢炎、肝機能障碍を伴うこともある。
パラチフスもこれとほぼ同様の症状を呈するが、一般に腸チフスと比べて軽症である。
腸チフスのワクチンにはパラチフスの予防効果は無く、腸チフスのワクチンとして弱毒生ワクチン(4回経口接種)と注射ワクチン(1回接種)が存在するが、日本では未承認。そのため日本国内でワクチン接種する際は、ワクチン個人輸入を取り扱う医療機関に申し込む必要がある。経口生ワクチンを取り扱っている医療機関は非常に少なく、輸入ワクチンを取り扱っている医療機関の多くは不活化である注射型のものを採用している。有効期間は経口ワクチンが5年、不活化Viワクチンが2〜3年間程と言われている。そのほかは手洗いや食物の加熱によって予防できる。なお、経口生ワクチンを選択した場合、経口のコレラワクチン(新型コレラワクチン)の同日接種は6時間間隔をあけてからの服用が望ましい。ワクチンの効力が出るには接種完了後2週間ほどかかる。
治療は対象株に感受性のある抗菌剤を用い、ニューキノロン系抗菌薬が第一選択薬となる。しかし、ニューキノロン系薬の効果が望めない症例では第3世代セフェム系抗菌薬を使用することがある。
鑑別を必要とする疾患は、パラチフス、A型肝炎、マラリア、チクングニア熱、デング熱、つつが虫病である[2]
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C
第一章 環境衛生検査等
(環境衛生検査)
第二章 健康診断
第一節 就学時の健康診断
(方法及び技術的基準)
第二節 児童生徒等の健康診断
(時期)
(検査の項目)
(感染症の種類)
(出席停止の期間の基準)
第四章 学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の職務執行の準則
(学校医の職務執行の準則)
(学校歯科医の職務執行の準則)
(学校薬剤師の職務執行の準則)
診断 | 診断診断例 n=192 |
早期診断例 n=67 |
中期診断例 n=38 |
後期診断例 n=87 | ||
感染症 | 57(29.7) | 25(37.3) | 12(31.6) | 20(23.0) | ||
細菌性 | 43 | 1.8 | 8 | 17 | ||
心内膜炎 | 11 | 9 | 1 | 1 | ||
結核 | 8 | 0 | 0 | 8 | ||
尿跨感染症(1) | 6 | 3 | 1 | 2 | ||
腹腔内膿瘍 | 5 | 2 | 2 | 1 | ||
骨・関節感染 | 4 | 2 | 1 | 1 | ||
その他の細菌感染 | 9 | 2 | 3 | 4 | ||
ウイルス性 | 10 | 5 | 3 | 2 | ||
CMV | 6 | 2 | 3 | 1 | ||
EpsteinーBarrウイルス | 3 | 3 | 0 | 0 | ||
HIV | 1 | 0 | 0 | 1 | ||
寄生虫性(2) | 4 | 2 | 1 | 1 | ||
悪性新生物 | 29(15.1) | 5(7.5) | 6(15.8) | 18(20.7) | ||
血液疾患 | 22 | 2 | 6 | 14 | ||
非Hodgkinリンパ腫 | 9 | 0 | 2 | 7 | ||
Hodgkin病 | 5 | 1 | 1 | 3 | ||
白血病 | 6 | 0 | 3 | 3 | ||
血管免疫芽球性リンパ酔症 | 2 | 1 | 0 | 1 | ||
固形癌 | 7 | 3 | 0 | 4 | ||
腺癌 | 5 | 2 | 0 | 3 | ||
その他(3) | 2 | 1 | 0 | 1 | ||
非感染性炎症性疾患 | 68(35.4) | 22(32.8) | .6) | 34(39.1) | ||
結合織疾患 | 35 | 15 | 6 | 14 | ||
成人Still病 | 18 | 5 | 4 | 9 | ||
SLE | 8 | 5 | 1 | 2 | ||
リウマチ性多発性筋痛症 | 3 | 3 | 0 | 0 | ||
関節リウマチ | 2 | 0 | 0 | 2 | ||
Sjogren症候群 | 2 | 1 | 0 | 1 | ||
その他(4) | 2 | 1 | 1 | 0 | ||
血管炎症候群 | 19 | 5 | 3 | 11 | ||
巨細胞性動脈炎 | 11 | 4 | 3 | 4 | ||
Wegener肉芽腫症 | 2 | 1 | 0 | 1 | ||
結節性多発性動脈炎 | 2 | 0 | 0 | 2 | ||
その他(5) | 4 | 0 | 0 | 4 | ||
肉芽腫性疾患 | 14 | 2 | 3 | 9 | ||
サルコイドーシス | 10 | 0 | 2 | 8 | ||
Crohn病 | 4 | 2 | 1 | 1 | ||
その他 | 39(18.1) | 15(22.4) | 8(21.1) | 15(17.2) | ||
亜急性甲状腺炎 | 6 | 3 | 1 | 2 | ||
Addison病 | 2 | 0 | 1 | 1 | ||
心筋梗塞後症候群 | 2 | 1 | 0 | 1 | ||
肺動脈塞栓症 | 2 | 1 | 0 | 1 | ||
習慣性高体温症 | 11 | 6 | 3 | 2 | ||
薬剤熱 | 4 | 3 | 0 | 1 | ||
詐熱 | 1 | 1 | 0 | 0 | ||
その他(6) | 10 | 0 | 3 | 7 |
エンテロバクター属 Enterobacter エシェリキア属 Escherichia クレブシエラ属 Klebsiella プロテウス属 Proteus サルモネラ属 Salmonella セラチア属 Serratia シゲラ属 Shigella エルシニア属 Yersinia
属 | 菌種 | 日和見 感染菌 |
感染症 |
Citrobacter | Citrobacter freundii | 尿路感染、骨髄炎、下痢 | |
Edwardsiella | Edwardsiella tarda | ○ | 腸管外感染症 |
Enterobacter | Enterobacter aerogenes | ○ | 肺炎、尿路感染 |
Enterobacter cloacae | |||
Enterobacter gergoviae | |||
Enterobacter sakazakii | 新生児敗血症、髄膜炎 | ||
Escherichia | Escherichia coli | 下痢、腸炎、腸管外感染症(尿路感染症、骨髄炎) | |
Hafnia | Hafnia alvei | 腸管外感染症 | |
Klebsiella | Klebsiella oxytoca | 下痢 | |
Klebsiella pneumoniae | ○ | 肺炎、尿路感染 | |
Kluyvera | Kluyvera ascorbata | ○ | |
Kluyvera cryocrescens | |||
Morganella | Morganella morganii | 尿路感染症 | |
Proteus | Proteus mirabilis | ○ | 尿路感染症 |
Proteus vulgaris | |||
Providencia | Providencia alcalifaciens | 尿路感染症、下痢 | |
Providencia rettgeri | 尿路感染症、下痢 | ||
Providencia stuartii | 尿路感染症 | ||
Salmonella | Salmonella enterica | 腸チフス、急性胃腸炎(食中毒) | |
Serratia | Serratia liquefaciens | ○ | |
Serratia marcescens | |||
Shigella | Shigella boydii | 細菌性赤痢 | |
Shigella dysenteriae | |||
Shigella flexneri | |||
Shigella sonnei | |||
Yersinia | Yersinia enterocolitica | 急性胃腸炎(食中毒)、回腸末端炎、結節性紅斑 | |
Yersinia pestis | ペスト | ||
Yersinia pseudotuberculosis | 腸間膜リンパ節炎、関節炎 |
↓拡張
症状 | 潜伏期間 | 主な疾患 |
下痢(±発熱) | 短い(1週間以内) | 細菌性赤痢、コレラ、旅行者下痢症 |
比較的長い・長い(1~2週間またはそれ以上) | アメーバ赤痢、ランブル鞭毛虫症(ジアルジア症)、クリプトスポリジウム症、回虫症、鉤虫症、糞線虫症、条虫症、住血吸虫症 | |
発熱(±発疹) | 短い(1週間以内) | デング熱、黄熱、紅斑熱、ペスト、サルモネラ症 |
比較的長い(1~2週間) | ウイルス性出血熱(ラッサ熱、エボラ出血熱、マールブルグ病など)日本脳炎、急性灰白髄炎(ポリオ)、ツツガ虫病、腸チフス、パラチフス、ブルセラ症、マラリア、トリパノソーマ症(アフリカ睡眠病、シャーガス病) | |
長い(2週間以上) | 各種肝炎(A,B,C,E型)、マラリア(熱帯熱マラリア以外)、アメーバ性肝膿瘍、カラアザール(内臓リーシュマニア症) | |
発疹(+発熱) | 短い(1週間以内) | デング熱、紅斑熱 |
比較的短い(1~2週間) | ウイルス性出血熱、ツツガ虫病、腸チフス、パラチフス | |
皮膚炎/移動性皮膚腫瘤 | 皮膚リーシュマニア症、オンコセルカ症、鉤虫症、顎口虫症、旋毛虫 |
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