出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2018/11/25 17:15:00」(JST)
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人間関係 |
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恋愛的な出来事 |
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気持ちと感情 |
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習慣 |
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虐待 |
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母親(ははおや)とは、女親のことである[1]。
お母さんと一般には言い、親しみをこめて「かあさん」「かあちゃん」「お袋」(おふくろ)などと呼ばれる場合もある。「母」という漢字の成り立ちは「女」に2つの乳房を加えた象形文字であり、子への哺乳者、授乳者であることを意味する。
お母さんという呼称は、
にも用いられる。2, 3の場合は、話者が子の立場に自らを擬して言うという特徴がある。4の場合はおば(いとこのお母さん)やいとこおば(はとこのお母さん)など傍系尊属にあたる女性を指す場合もある。
幼児語で母親のことを「ママ」ということがあり、「ママ」の語は別項目で述べるように母親のイメージから発展して意味が多様化していくことになる。
血縁関係上の母親は「実母」・「生母」、養子縁組による母親は「養母」、母親が死別または離婚し父親が再婚したが、母親と養子縁組をしていない場合は「継母」(ままはは)と称される。
何らかの事業(他国からの独立、宗教活動、重要な発明など)の創始や発展に重要な役割を果たした女性もしくは無生物を母になぞらえ「~の母」と呼ぶことがある。
また、その地域においてなやみごとの相談相手になって一種のカリスマ的存在になった占い師などを「~の母」と呼ぶことがある。寮などで寮生の食事や生活全般の世話を任された女性を「寮母」と呼ぶ。
王妃や皇后のことを「国母」と呼ぶことがある。
看護学には「母性看護学」という分野がある。母性看護学上の母性とは、「次世代を産み育てる」という女性に備わった生理的・身体的機能の特徴のことを指し、生物学的特性だけでなく、女性が成長していく過程で形成されていく精神的、あるいは社会的特性もその概念に含んでいる[1]。こうした母性に係る女性の健康事象の全体を対象とするのが母性看護学で、女性の各年代における母性の特性をとらえ、母性としての機能が健全に発揮できるよう、女性の一生を通じてはたらきかける看護を、実践し、研究している。
心理学者の河合隼雄は子育てにおける伝統的な父母の役割の違いを、それぞれを父性的、母性的と呼び、父性は善と悪を区別して指導する傾向、母性は善悪の分け隔てなくすべてを包み込む傾向のことと説明している。なお、これは、父親が父性のみを、母親が母性のみを有しているというものではなく、たとえば母親が激しく子を叱るときに父親が子を擁護する側に回るというような場合がよくあるが、この時、一時的に父親が母性的な役割を果たしているとみなすことができるとしている。
「女性=母性」ととらえ、経営者としての女性から「母性」を「万人に降り注ぐ愛の力」だと積極的に認識することで仕事に活かそうという経営思想がある。男女の性差を、むしろ自然から与えられた素晴らしいものと考えることで、かえって社会で女性(=母性)の力を発揮できる、ということである。また家庭においては女性が自ら「子育ては100パーセント母親の責任」と考えることで、かえって父親のサポートの一つ一つを心から感謝することが出来、その結果として、結局「半分・半分の育児」を口で主張するよりも多くの父親のサポートを得られ、子供からの尊敬も受けられる、ということである。母性の重視は「働く女性」を否定するものでないのと同時に、また「働く女性」を家庭の家事や育児に専念する専業主婦よりも価値を高いと考えるものでもないのである[2]。
近年、少子化の影響もあり「女性は自らの生物学的『性』をもっと大切にせよ」というメッセージを積極的に発する著作も見られる[3]。一方、医学・動物学の観点からも、母性には他の本能と同様に個人差があり[4]、普遍的な母性の強調は、「『身体が発する声』に耳を傾けようと試みても、そんな声などいっこうに聞こえてこないという授乳経験の無いタイプの女性」や「妊娠・出産がさまざまな要因でかなわない女性」たちへの配慮に欠けるとする意見もある[5]。
フェミニストの中には、母性は女性固有の能力であるため、これを基準に女性を評価する事が性差別、ジェンダー・ハラスメントに相当すると主張する者がいる。例えば、子供を産めない女性を「身体的母性の劣る女性」、子供を産まない女性を「精神的母性に劣る女性」として評価する場合などである。さらに、母性そのものを考えること自体が、性差別の根本的な原因であると主張するフェミニストもいる。
戦前世代のフェミニストの代表格である平塚らいてうらは母性を重視し、国家による保護を主張。これに対し与謝野晶子は反発、母性保護論争が起こる。
戦後フェミニストらは一般に母性の偏重、押し付けには異議を唱える傾向が見られる。
なお1979年に採択され日本も1985年に批准した女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約は「母性の保護」は差別とみなされず、[6]かつ妊娠又は母性休暇を理由とする解雇を制裁を科して禁止することを明記している。[7]
母性には、字義どおりの意味のほかに、社会の中での女性の位置づけ(ジェンダー)や役割(ジェンダーロール)と密接に関連して、多岐にわたる文化的側面が付随する。この意味では、フェミニズムや女性学にとって受け容れがたいものとなっており、さまざまな論点を用いて論争の的となった(アグネス論争を参照)。1990年代に入ってからは、母性をフェミニズムの立場から再定義し、積極的にフェミニズムの中に位置づけようという動きが、フランスのフェミニズムを中心に盛り上がりつつある。
女性に対する母性の押しつけが児童虐待につながることもあるのではないかというフェミニストの主張に対し、保守派の一部は、母性を否定する結果、出産や育児に対してネガティヴな印象を女性に与え、少子化や児童虐待の遠因となっていると主張している。
反フェミニズムの立場をとる神名龍子は自身のHPにおいて「人間の行動(「母性」も含めて)の基本となるのは、単純素朴な生理的欲求と、様々な価値観である。この価値観は、突き詰めていえば各人の経験によって構成されると考えられる。だから、その意味では「母性」が社会的・文化的に作られたというのは、間違いではない。ただし、「社会的・文化的な要因によってのみ」作られたというなら間違いである。人間の経験は、その身体を無視しては成立しないからだ。」として、「母性は文化的・社会的に作られたもの」とするフェミニストらに反論した。
なお、アメリカやヨーロッパにおける母性観と、日本その他の国における母性観の文化的・歴史的な差異もあるので、一概に「母性」をひとくくりにして議論するのは極端な結果を招く恐れがあり、医学的・客観的な事実に基づいた議論を進めるために、医学と連携した研究の必要性が高まっているとしている[8]。
【医科学】
【社会学】
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ウィキデータには母親のプロパティであるp25があります。(使用状況) |
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