- 英
- bacterial endocarditis, BE, BEC
- 関
- 心内膜炎
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 2006-2007年における国内の飼い主放棄犬での Erysipelothrix 属菌に対する抗体調査
- 高橋 敏雄,小川 孝,成嶋 理恵,内山 万利子,小佐々 隆志,嶋崎 智章,原田 和記,嶋崎 洋子
- 日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association 63(2), 136-139, 2010-02-20
- … 起因菌の分類学的研究に基づき、Erysipelothrix tonsillarumは、犬の細菌性心内膜炎の起因菌のひとつであることが報告されている。 …
- NAID 10026516369
- 山形大学医学部附属病院歯科口腔外科における周術期紹介患者に関する調査
- 高橋 雪絵,小林 武仁,石川 恵生,菊地 大樹,尾崎 尚,栗谷 忠知,橘 寛彦,櫻井 博理,冨塚 謙一,濱本 宜興
- 山形大学紀要. 医学 : 山形医学 27(1), 57-63, 2009-02-16
- … また、心臓血管手術を受けた患者の口腔内の観血的処置は細菌性心内膜炎の原因ともなる。 …
- NAID 110007341940
★リンクテーブル★
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[正答]
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[★]
- 英
- infective endocarditis, IE
- 関
- 心内膜炎、細菌性心内膜炎
概念
- 感染性心内膜炎は弁膜や心内膜、大血管内膜に細菌集蔟を含む疣腫(vegetation)(注1)を形成し、菌血症、血管塞栓、心障害など多彩な臨床症状を呈する全身性敗血症性疾患である。感染性心内膜炎はそれほど頻度の多い疾患ではないがいったん発症すれば、的確な診断の下、適切な治療が奏功しないと多くの合併症を引き起こし、ついには死に至る。(ガイドライン.1)
疫学
- 緑色連鎖球菌が感染性心内膜炎の原因として最多である。(YN.C-129)
- 院内発症:Streptococcus viridans > ブドウ球菌 > 腸球菌
- 院外発症:ブドウ球菌(Staphylococcus aureus > CNS ) > Streptococcus viridans
発症のメカニズム
- 非細菌性血栓性心内膜炎(nonbacterial thrombogenic endocarditis, NBTE)は次の2つの影響で生じるとされる;(1)弁膜疾患や先天性心疾患に伴う異常血流、(2)人工弁置換術語例など異物の影響。非細菌性血栓性心内膜炎の存在下で一過性の菌血症(医原性など)すると、NBTEに病原体が付着・増殖し疣腫が形成される。疣腫は僧帽弁の心房側、半月弁の心室など逆流血流がアル部位や、シャント血流や狭窄血流の異常ジェット血流が心内膜面にある所に認められる。(ガイドライン.1改変)
- ジェット血流の存在が発症に関わっているので、軽症の弁膜症の方がジェット血流を来しやすい。従って、心内膜炎も来しやすい。(QB.C-454)
リスクファクター
資料(1)より
- 人工弁置換患者:(感染性心内膜炎による?)手術例の3分の2を占める!
- 心内膜炎の既往を有する患者:再発しやすい
- 先天性心疾患:心房中隔欠損症(ASD)(二次口型)を除いてほとんどの先天性心疾患がハイリスク群となる。
- 大動脈二尖弁:0.5-1.0%に存在するとされ、また感染性心内膜炎患者の約20%程度が大動脈二尖弁
- 大動脈弁閉鎖不全症(AR)、僧帽弁閉鎖不全症(MR)、僧帽弁逸脱症(MVP)はリスクとなる
- ASはARよりリスクは小さいとされ、MSについてはハイリスクかは議論が分かれている。
- 閉塞型肥大型心筋症:ハイリスク群とのコンセンサスがある
- 中心静脈カテーテル留置患者
分類
経過
- 急性感染性心内膜炎:ブドウ球菌
- 亜急性感染性心内膜炎:緑色連鎖球菌、腸球菌、心筋
病原体を細菌に限定
宿主の要因
- native valve endocarditis:心内膜炎患者の60-80%を占める
- prosthetic valve endocarditis:Staphylococcus epidermidisが病原体であることが普通
- endocarditis in the setting of intravenous drug abuse:右心系の弁に起こりやすい
検査
臨床経過
- 菌血症が起こってから,症状の発現までの期間は短く、80%以上の例では2週間以内(ガイドライン.1)。
身体所見
- 感染性心内膜炎の身体所見JaRO → ジェーンウェー病変(Janeway斑)、ロス斑(Roth斑)、オスラー結節(Osler結節)
症状
亜急性感染性心内膜炎
- 非特異的な症状(発熱・全身倦怠感、食欲不振、体重減少、関節痛)が徐々に進展。
急性感染性心内膜炎
心臓外の合併症
- ガイドライン.1
- 頻度:27-45%
- 好発時期:発症後2週間
- 検査:CTなど
- 好発部位:中枢神経系(60-70%)、脾臓、腎臓、肺、末梢動脈、冠動脈、肝臓、腸間膜動脈
- 脾臓:脾梗塞、脾膿瘍、脾破裂
- 肺梗塞:IE全体の9-11%の頻度で見られる。右心系の疣腫(三尖弁、肺動脈弁、右室流出路)
- 腎障害
- 原因:疣贅による脳動脈の塞栓
- 頻度20-40%
- 感染性心内膜炎初発症状としての脳合併症:47%
- 種類:脳梗塞、一過性脳虚血発作、脳出血、脳動脈流、髄膜炎、脳膿瘍、てんかん発作
- 頻度:1.2-5.6%
- 症状:頭痛、知覚障害、脳神経症状
- 好発部位:中大脳動脈領域(二次分岐部)
診断
- 病歴:先天性心疾患、弁膜症の既往、抜歯・手術後の発熱の遷延
- 血液培養:起炎菌の検出
- 心エコー:疣贅
- 2. Duke criteria(HIM.792)
- ガイドライン.1より抜粋
IE 確診例
Ⅰ.臨床的基準
- 大基準2 つ,または大基準1 つと小基準3 つ,または小基準5 つ
(大基準)
-
- A.2回の血液培養で以下のいずれかが認められた場合
- B.つぎのように定義される持続性のIE に合致する血液培養陽性
- (i) 12 時間以上間隔をあけて採取した血液検体の培養が2 回以上陽性
- (ii)3 回の血液培養すべてあるいは4 回以上の血液培養の大半が陽性(最初と最後の採血間隔が1 時間以上)
- 2.心内膜が侵されている所見でAまたはB の場合(注4)
-
- (i) 弁あるいはその支持組織の上,または逆流ジェット通路,または人工物の上にみられる解剖学的に説明のできない振動性の心臓内腫瘤
- (ii)膿瘍
- (iII) 人工弁の新たな部分的裂開
- B.新規の弁閉鎖不全(既存の雑音の悪化または変化のみでは十分でない)
(小基準)(注5)
- 1.素因:素因となる心疾患または静注薬物常用
- 2.発熱:38.0℃以上
- 3.血管現象:主要血管塞栓,敗血症性梗塞,感染性動脈瘤,頭蓋内出血,眼球結膜出血,Janeway病変
- 4.免疫学的現象:糸球体腎炎,Osler結節,Roth斑,リウマチ因子
- 5.微生物学的所見: 血液培養陽性であるが上記の大基準を満たさない場合,またはIE として矛盾のない活動性炎症の血清学的証拠
Ⅱ.病理学的基準
- 菌: 培養または組織検査により疣腫,塞栓化した疣腫,心内膿瘍において証明,あるいは病変部位における検索:組織
学的に活動性を呈する疣贅や心筋膿瘍を認める
IE 可能性
- 大基準1 つと小基準1 つ,または小基準3 つ(注6)
否定的
- 心内膜炎症状に対する別の確実な診断,または
- 心内膜炎症状が4 日以内の抗菌薬により消退,または
- 4 日以内の抗菌薬投与後の手術時または剖検時にIE の病理学所見なし
- 注1) 本ガイドラインでは菌種の名称についてはすべて英語表記とし通例に従って Streptococcus viridans 以外はイタリック体で表示した.
- 注2) Staphylococcus aureus は,改訂版では,i)に含まれるようになった.
- 注3) 本項は改訂版で追加された.
- 注4) 改訂版では,人工弁置換例,臨床的基準でIE可能性となる場合,弁輪部膿瘍などの合併症を伴うIE,については,経食道心エコー図の施行が推奨されている.
- 注5) 改訂版では,“心エコー図所見:IEに一致するが,上記の大基準を満たさない場合”,は小基準から削除されている
- 注6) 改訂版では,“IE可能性”は,このように変更されている
治療
QB.C-454
- 緑色連鎖球菌:ペニシリンG(大量投与)
- 腸球菌:ペニシリン+アミノグリコシド系抗菌薬
- 黄色ブドウ球菌:第1-2世代セフェム系抗菌薬+アミノグリコシド系抗菌薬
外科的治療
- ガイドライン.1
- 以下の病態が観察されるか予想されるときに手術適応を考慮。
- 1. うっ血性心不全
- 2. 抵抗性感染
- 3. 感染性塞栓症
うっ血性心不全
抵抗性感染
感染性塞栓症
感染性心内膜炎の手術適応
- ガイドライン.1
自己弁および人工弁心内膜炎に共通する病態
- 1. 弁機能障害による心不全の発現
- 2. 肺高血圧(左室拡張末期圧や左房圧の上昇)を伴う急性弁逆流
- 3. 真菌や高度耐性菌による感染
- 4. 弁輪膿瘍や仮性大動脈瘤形成および房室伝導障害の出現
- 5. 適切かつ十分な抗生剤投与後も7 ~ 10 日以上持続ないし再発する感染症状
- 1. 可動性のある10 ㎜以上の疣腫の増大傾向
- 2. 塞栓症発症後も可動性のある10 ㎜以上の疣腫が観察される場合
人工弁心内膜炎における病態
- 1. 弁置換後2 ヶ月以内の早期人工弁感染抗菌薬抵抗性のブドウ球菌,グラム陰性菌による感染
- 2.適切かつ充分な抗菌薬投与後も持続する菌血症で他に感染源がない場合
予防
成人における感染性心内膜炎の基礎疾患別リスク
- 感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2017 年改訂版)
- 生体弁、機械弁による人工弁置換術患者、弁輪リング装着例
- 感染性心内膜炎の既往を有する患者
- 複雑性チアノーゼ性先天性心疾患(単心室、完全大血管転位、ファロー四徴症)
- 体循環系と肺循環系の短絡造設術を実施した患者
- 中等度リスク群(必ずしも重篤とならないが、心内膜炎発症の可能性が高い患者)
- ほとんどの先天性心疾患:単独の心房中隔欠損症(二次孔型)を除く
- 後天性弁膜症:逆流を伴わない僧帽弁狭窄症ではリスクは低い
- 閉塞性肥大型心筋症
- 弁逆流を伴う僧帽弁逸脱
- 人工ペースメーカ、植込み型除細動器などのデバイス植込み患者
- 長期にわたる中心静脈カテーテル留置患者
ガイドライン
- 1. 感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2008年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2003_miyatake_h.pdf
- 2. 感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2017 年改訂版)
- https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/JCS2017_nakatani_h.pdf
[★]
- 英
- pyrexia
- 同
- 熱 fever, thermogenesis
- 関
- 熱型、≠高体温(体温調節機構の破綻による)、不明熱
- ジェネラリスト診療が上手になる本 p.9
概念
分類
- 微熱:37.5℃以上 37.0~37.9℃(YN.)
- 発熱:38.0℃以上
- ジェネラリスト診療が上手になる本 p.9
- 37.1~38.0℃:微熱
- 38.1~38.5℃:軽度発熱
- 38.6~39.0℃:中等度発熱
- 39.1℃~:高熱
小児
病態生理
- 発熱サイトカイン(IL-1, TNF)が視床下部に作用してPGE2の産生を亢進し、PGE2により体温調節中枢を司る細胞内のcAMP濃度が上昇することでの体温セットポイントがあがる。
熱源の精査
- 咽頭、肺、胆道系、泌尿器系、皮膚・軟部組織(蜂窩織炎、褥瘡)
疾患と発熱
膠原病と発熱
発熱40℃(PMID 8107744)
発熱の後に関節炎(PMID 8107744)
原因不明の熱の鑑別
- 感染症
- 腫瘍
- 膠原病
- 薬剤熱 → 比較的元気、比較的徐脈、比較的CRP
- 体温1℃上昇に付き心拍数20上がる。これ以上の上昇が見られる場合、敗血症を疑う。 ← 1℃に付き10上がるという資料もあり(比較的徐脈)
発熱を伴う内科的緊急疾患
- 内科レジデントの鉄則 第2版 p.6
院内における発熱の鑑別疾患
- 感染性 :肺、泌尿器、褥瘡、クロストリジウム・ディフィシル感染症、カテーテル関連感染症
- 非感染性:薬剤熱、偽痛風、深部静脈血栓症
小児科における発熱の原因
年齢
|
原因
|
乳児(生後3ヶ月未満)
|
敗血症、細菌性髄膜炎、尿路感染症、肺炎、B群溶連菌感染、グラム陰性桿菌
|
乳児(生後3ヶ月以降)
|
ウィルス感染(突発性発疹などの発疹性疾患)、中耳炎、尿路感染症、消化器・呼吸器疾患、川崎病
|
幼児、学童期
|
溶連菌感染症、伝染性単核球症、膠原病、factitious fever(詐病)、学校での感染症の流行
|
- 乳児における中耳炎、尿路感染症は症状が発熱であることが多く原因が追及しづらい。鼓膜を観察したり、尿の培養をすることが重要かもしれない。
小児における発熱
- SPE.63
新生児・乳児における発熱
see also step beyond resident 2 救急で必ず出会う疾患編 p.20
- 3ヶ月未満は免疫力が弱く重症細菌感染症にかかりやすい。
- 生後 :対処
- 0-1ヶ月 :入院。血液検査・各種培養検査を。
- 2-3ヶ月 :外来で小児科医が診察し、血液検査で細菌感染が疑われれば入院
- 4-6ヶ月 :外来で小児科医が診察し、発熱以外に所見がなければ、十分な水分摂取を指示し、翌日再診を。
- 6ヶ月以降:食欲・機嫌がよければ、翌日再診を。
漢方医学
[show details]
- 臨床医の漢方治療指針より
|
実熱
|
虚熱
|
発病
|
急速に発病
|
緩徐に発病
|
症状
|
悪寒、高熱 顔面紅潮 苦痛あり、四肢運動多 声大きく明瞭 口渇強い 便秘 色調濃い尿
|
軽度悪寒、熱覚 顔面蒼白 苦痛少なく、静かに臥床 声小さい 口渇少ない 軟便、下痢 薄い色調の尿
|
脈
|
早く大きく、緊張
|
小さく早く、緊張なし
|
舌苔
|
厚くて乾燥、白~黄~褐色
|
薄くて白い、無苔、鏡面舌
|
その他
|
頭痛、関節痛、無汗~発汗
|
倦怠感、眩暈感、盗汗
|
実熱
|
麻黄湯
|
悪寒、発熱、頭痛、関節痛
|
葛根湯
|
悪寒、発熱、頭痛、肩背部のこり
|
小柴胡湯
|
午後からの発熱、食欲不振、口の苦み
|
柴胡桂枝湯
|
詳細孤島の症状、関節痛、腹痛
|
大柴胡湯
|
胆嚢炎、便秘
|
柴陥湯
|
詳細孤島の症状、咳嗽、胸痛
|
黄芩湯
|
発熱、腹痛、下痢
|
虚熱
|
桂枝湯
|
発熱、軽度の頭痛、発汗
|
桂麻各半湯
|
発熱、発疹
|
参蘇飲
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発熱、食欲不振、咳嗽、あつがる
|
柴胡桂枝乾姜湯
|
微熱、上半身の自汗、盗汗、食欲不振、背部の冷汗
|
竹じょ温胆湯
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発熱、咳嗽、不眠
|
補中益気湯
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微熱、倦怠感、食欲不振、盗汗
|
滋陰降火湯
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微熱、下半身の脱力感、盗汗、咳嗽
|
滋陰至宝湯
|
微熱、倦怠感、食欲不振、精神不安定状態
|
真武湯
|
陰病、微熱、食欲不振、倦怠感、いつも寝ている
|
麻黄細辛附子湯
|
陰病、微熱、寒がる
|
[★]
- ラ
- polymyalgia rheumatica PMR
- 同
- リウマチ性多発筋痛
- 関
- 関節痛
概念
- 原因不明の慢性炎症性疾患。
- 50歳以上の中高年で好発し、両側性の頸部、肩および上腕部、腰部の疼痛と朝のこわばりが特徴で、筋病変はなく滑膜炎が主な病態である。
- 検査ではCRPと赤沈亢進程度の変化しかない。
- 少量のステロイド薬が有効で、生命予後は良好である。
疫学
- 50歳以上の年齢層において0.1%弱の患者が存在するらしい
- 側頭動脈炎(巨細胞動脈炎)の30%にリウマチ性多発筋痛症を合併する
- 日本内科学会雑誌 第103巻 第10号 H26.10.10
- 70歳代に発症のピーク
- 男女比は1:2
- 海外のデータでは50歳以上の40-60人に1人が発症しているが、日本の発症頻度は不詳。
臨床症状
- REU.211改変
- 体部(肩、頚、殿部)、四肢近位の痛みとこわばり。左右差はなし。起床時に著明
- 全身症状(1/3の症例)
- 日本内科学会雑誌 第103巻 第10号 H26.10.10
- 関節・筋肉:体幹から四肢近位側「後頚部から肩関節、上腕」「腰背部から股関節、大腿」にある日突然の朝のこわばり、筋肉痛、関節痛、可動域制限が出現する。関節のこわばりは安静時に増悪することが多い
- 全身:(40-50%の例)持続的な微熱、全身倦怠感、食欲低下、体重減少、抑うつ
- 注意:頭痛、視野異常、複視、視力低下、顎跛行が見られる場合には側頭動脈炎を疑って問診と診察を勧める。
- Neurorheumatology: A Comprehenisve Guide to Immune Mediated Disorders of the Nervous System p.106
- Symptom are of abrupt onset, and are typified by intense aching and stiffness, worse with inactivity. Prominent morning stiffness is incariable, and nocturnal pain is common. Symptoms are proximally distributed about the upper arms, posterior neck, and thighs; a classic symptom is an inability to abduct the shoulders past 90° because of stiffness in PMR from synovitis and bursitis.
身体所見
- REU.211
- ほとんどなし
- 肩の動き: 悪いことがある
- 関節炎: あっても軽い(膝・手首)
- 両手・両足の腫れを伴うことも(腱鞘炎、RS3PE様)
検査所見
- 赤沈値亢進 1H 50>
- CRP高値
- CK正常
- リウマトイド因子陰性
- 抗核抗体陰性
- 日本内科学会雑誌 第103巻 第10号 H26.10.10
- PMRを疑ったらまず、スクリーニング:赤沈、CRP、RF、抗CCP抗体を測定
- 赤沈、CRP:典型的にはいずれも陽性となるが、陰性のこともある。
- 滑膜の炎症を反映してMMP-3が上昇することがある。
- 原因は不詳であるが、約半数例でAPLの上昇が見られる。
- 除外疾患のための検査:RF、抗CCP、抗核抗体、UA、Ca、CK、TSH、FT4、尿定性、尿中BJ蛋白、血清蛋白電気泳動、P-ANCA、C-ANCA、血清β2ミクログロブリン、腫瘍マーカー
診断
- PMR分類基準をみたし、その他の疾患が否定されなければならない。
PMR分類基準(EULAR/ACR 2012
必須条件
スコアリング
項目
|
エコー無し
|
エコー有り
|
朝のこわばり(≧45分)
|
2
|
2
|
臀部の痛み and/or 可動域制限
|
1
|
1
|
RF陰性+抗CCP抗体陰性
|
2
|
2
|
肩と腰以外の関節に症状無し
|
1
|
1
|
関節エコーで一箇所以上の肩関節+一箇所以上の股関節に滑液包炎 (肩:三角筋下滑液包炎 or 上腕二頭筋腱鞘滑膜炎 or 肩甲上腕筋滑膜炎) (股:股関節滑膜炎 or 大転子部滑液包炎)
|
|
1
|
関節エコーで両側の肩関節に滑液包炎 (三角筋下滑液包炎 or 上腕二頭筋腱鞘滑膜炎 or 肩甲上腕筋滑膜炎)
|
|
1
|
計
|
≧4点
|
≧5点
|
感度
|
65%
|
66%
|
特異度
|
78%
|
81%
|
鑑別疾患
- REU212
- 初期関節リウマチ:手指、足趾などの小関節に腫脹と圧痛を認める。
- 多発性筋炎
- ウイルス感染
- 寄生虫感染
- 細菌性心内膜炎:歯科治療歴や心雑音を確認する
- 甲状腺機能低下症:全身の痛みを訴えることがある。
- 悪性腫瘍、白血病
- 線維性筋痛症:全身に痛みがあると言うことが多い
- 脊椎関節症
- 日本内科学会雑誌 第103巻 第10号 H26.10.10
- 関節リウマチ
- 脊椎関節炎
- 結晶性関節炎
- RS3PE症候群
- 炎症性筋疾患:多発筋炎/皮膚筋炎
- 膠原病
- 血管炎症候群:巨細胞性動脈炎・ANCA関連血管炎
- 変形性関節炎
- 腱板損傷
- 癒着性関節包炎
- 線維筋痛症
- パーキンソン病
- 老人性うつ病
- ビタミンD欠乏症
- 薬剤性(スタチンによる横紋筋融解症など)
治療
- https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26352874
- PMRに対する標準的なプレドニゾロン投与方法は以下の通り。
プレドニゾロン投与量
|
投与期間
|
12.5mg~25mg (0.25~0.3mg/kg)
|
4~8週で10mgまで減量
|
10mg
|
4週
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9mg
|
4週
|
8mg
|
4週
|
7mg
|
4週
|
6mg
|
4週
|
5mg
|
4週
|
4mg
|
4週
|
3mg
|
4週
|
2mg
|
4週
|
1mg
|
4週
|
中止
|
4週
|
ステロイド治療はいつ終わりにできるか
- 徐々に減少する。自然消退する疾患ではあるが、2-3年ほど継続を要することが多い(REU212)
- 日本内科学会雑誌106巻10号
- 再発率は2年で50%
- 再発例に対してPSLの増量で寛解導入し、5年後に約70%の例でステロイドを中止できたことが報告されている。
予後
- 生命予後は良好
- 経過中に側頭動脈炎を発症することがある。
[★]
- 英
- membranoproliferative glomerulonephritis, MPGN
- 同
- メサンギウム毛細管性糸球体腎炎 mesangiocapillary glomerulonephritis MCGN
- 関
- 糸球体腎炎、糸球体疾患
概念
- 糸球体腎炎の病理診断名の一つ。
- 光顕的に(1)メサンギウム細胞・メサンギウム基質の増殖、(2)びまん性の糸球体基底膜の二重化 → 糸球体基底膜上皮細胞の障害と糸球体の炎症を兼ね備える。
- しかも原発性であること。
分類
WHO分類
- 電顕所見よる高電子密度沈着物の部位で分類
- 全周性のメサンギウム間入とメサンギウム領域、内皮細胞下腔の高電子密度沈着物がみられる
- II型 :糸球体基底膜内
- III型:内皮細胞下腔と上皮細胞下腔の両方
頻度
ネフローゼ症候群
- 膜性増殖性糸球体腎炎が原因となって生じるネフローゼ症候群の小児10%、成人5%を占める。
病因
- 50%の症例に先行感染が見られるという、、、
- 何らかの原因がきっかけで補体(C3やC4)が関与することになり、病変を形成 → 50~70%が低補体血症を示す。
病因による分類
沈着物
- I,III型:免疫複合体、C3、C4
- II型 :C3 ← 免疫複合体ではない。 → 移植腎に再発するため血液中の未知物質が原因
補体の活性経路
- I, III型:C3,C4,IC :classical pathway
- II型 :C3 nephritic factor:alternative pathway
症状
- 血尿(肉眼的血尿, 1/3の症例)・蛋白尿、腎機能低下(糸球体濾過量の低下)(1/3の症例)、高血圧(1/3の症例)
- 糸球体腎炎+ネフローゼ症候群がみられる
- チャンス蛋白尿やチャンス血尿で発見される(らしい・・・)
検査
尿検査
免疫血清学
- I型:CH50, C3, C4, C1q の低下
- II型:C3, CH50の持続低下(75%の症例)
病理所見
[show details]
- A PAS染色:係蹄の分葉化、メサンギウム細胞と基質の増加
- B PAM染色:基底膜の二重化
- C 抗C3抗体 蛍光顕微鏡:係蹄壁に沈着
光顕所見
蛍光所見
- IgG、C3が係蹄壁にfringe pattern
電顕所見
- I型 :内皮下沈着物 ← 糸球体の内側
- II型 :(Dense Deposit Disease)基底膜の緻密層(lamina densa)にリボン状の広範な沈着物 ← 基底膜の真ん中
- III型 :内皮下、上皮下、基底膜内に沈着物
治療
- 治療は、副腎皮質ステロイド薬、免疫抑制薬、抗血小板薬、抗凝固薬などを併用する。 → 多剤併用(カクテル)療法、時にステロイドパルス療法が有効
予後
- 進行性で予後は不良
- 10年後に50%が腎不全に進行(10年腎生存率50-60%)
- 予後不良例:「硬化病変の高度なもの」、「半月体・尿細管-間質病変が高度なもの。」
- I型よりII型は予後不良。II型は半月体形成する。 ← 予後が悪いことを裏付け。
- II型は移植腎に再発(ほぼ100%)
国試
[★]
- 英
- acute bacterial endocarditis, ABE
- 同
- 急性敗血症性心内膜炎 acute septic endocarditis
- 関
- 感染性心内膜炎
[★]
- 英
- subacute bacterial endocarditis, SBE
- 関
- 感染性心内膜炎 infective endocarditis
[★]
- 英
- bacterium,(pl.) bacteria
- 同
- バクテリア
- 関
- 特殊な細菌 、細菌の鑑別、細菌の同定?、細菌の分類?
細菌の命名
- ラテン語であり、イタリックで表す。
- 「属名 + 種名」で表現される。
グラム染色性と形状による分類と疾患
[★]
- 英
- intima, intimal (adj.), inner membrane, internal tunic
- ラ
- tunica intima (Z)
- 関
- 中膜、血管
組織
病理
血管の損傷
粥状硬化症
- 内皮下結合組織に粥腫ができる。
- necroticcenterはfibrous capにかこまれる
- fibrous cap
- 平滑筋、マクロファージ、泡沫細胞、リンパ球、コラーゲン、エラスチン、プロテオグリカン、血管新生
- necrotic center
- 壊死組織、コレステロールの血漿、泡沫細胞、カルシウム
梗塞
[★]
- 英
- endocarditis
- 関
- 感染性心内膜炎、心内膜
- 抜歯、カテーテルなどの処置
- MRなどの弁膜症、先天性心疾患、人工置換
身体所見 NEL.1954
- 体温の上昇
- 頻拍
- embolic phenomena
- 手掌・足底のJaneway lesions(painless small erythematous or hemorrhagic lesions on the palms and soles)
- 心雑音
- 脾腫
- 関節痛
- 心不全
- 不整脈
- metastatic infection、
- clubbing
[★]
- 関
- 炎光、炎症
[★]
- 英
- bacterial、bacterially
- 関
- 細菌、細菌的