- 英
- intravenous hyperalimentation IVH
- 同
- 中心静脈栄養法?、経中心静脈栄養法
- 関
- 経静脈栄養法。完全静脈栄養、経静脈的高カロリー輸液、高カロリー静脈栄養輸液
合併症
- カテーテル関連感染症
- bacterial transloation
- 糖代謝異常
- 肝機能障害
- 電解質異常
- ビタミン欠乏
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/12/18 14:43:36」(JST)
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高カロリー輸液(こうカロリーゆえき、Total Parenteral Nutrition、TPN)は輸液の一種である。
目次
- 1 概要
- 2 輸液内容
- 3 副作用
- 4 関連項目
- 5 外部リンク
- 6 関連文献
概要
1968年、米国の外科医スタンリー・ダドリック(Stanley J. Dudrick M.D.)によって開発され、経口栄養のできない重症患者の長期管理に革命的な影響を与えた。なお、当時ダドリックは一介の外科レジデントに過ぎなかった。
通常の末梢血管への輸液では、ことに高濃度ブドウ糖の使用によって血管炎を引き起こすリスクがある為、生命維持に必要なだけのエネルギーをそれだけで充分供給することが困難であった。つまり、大手術などで、2〜3週間以上のスパンで患者の経口摂取ができない場合、その疾患自体でなく、異化亢進による栄養失調によって患者が衰弱していくことになる。
この問題を解決する為にダドリックは、通常は点滴を行わないような太い静脈(いわゆる中心静脈…通常は鎖骨下静脈、内頸静脈、大腿静脈などの身体表層の静脈が用いられる)をあえて輸液ラインとして確保することを試みた。これにより、血液による希釈が起き、血管炎を起こさずに高濃度のブドウ糖を患者へ投与することが可能になった。この新技術により、時には1年以上にもわたり、患者を経口の栄養摂取なしで生存させることができる。TPNは周術期や慢性疾患の患者にとっては大変な福音となった。ただし、重症患者の管理に新たな倫理的問題をもたらした面も否定できない。
TPH製剤は、歴史的経緯からもわかるように、高濃度のブドウ糖を含むことが多く、中心静脈経路 (central venous line;CV line) から投与が原則となる。IVH (Intravenous Hyperalimentation) とも呼び、在宅で高カロリー輸液を受ける時は在宅中心静脈栄養 (HPN: Home Parenteral Nutrition) とも呼称する。消耗性疾患や消化器疾患などで長期間、経口摂取が出来ない時に使用する。消化管が使用可能であれば、胃瘻を用いるなど、経腸栄養 (EN : Enteral Nutrition) に切り替えて行く。
輸液内容
栄養の3大要素である、糖質・アミノ酸をバランス良く含んだ上でビタミンや微量元素を加えた物である。さらに脂質についても配合した製剤も上市されている。しかし、脂肪製剤は別途に末梢から投与する場合が多い。栄養が多い分高浸透圧で組織障害性があり末梢血管では血管炎を起こすので中心静脈から投与する。 十分な栄養を投与する為に高濃度のブドウ糖(100g〜250g)とアミノ酸(20g〜40g)が800ml〜1000mlに含まれる様に調整する。糖とアミノ酸はメイラード反応を起こし変成するので、二室式と言って一つのバックの中央を圧着してあり押し破って混合する製剤が主流である。さらにビタミンを入れた小部屋を持つ三室式の製剤もある。メイラード反応を防ぐ工夫を施した一室式の製剤もある。以前は別々の瓶に入った糖とアミノ酸を一つのバックに入れていた。その場合は特に慎重に調合しないと病原体が輸液に混じて敗血症を起こし易い。施設によっては、無菌ドラフトで薬剤師が調合する場合もある。
副作用
- ビタミンが配合されていない製剤を用いていた頃はしばしばビタミンB類の不足からウェルニッケ=コルサコフ症候群(ビタミンB1欠乏症の一つ)や代謝性アシドーシス、脚気心を来した例が報告され訴訟になった。その背景には保険診療でビタミン剤の査定が多く行われていた時期があった。訴訟により査定は緩くなりビタミン剤があらかじめ配合された製剤も上市される様になった。
- その後、ビタミンB1が投与されていたにもかかわらず発症するアシドーシスが報告された。一時期は、フルクトースの急速な代謝が原因であるという説が提唱された。しかし、副作用報告の発生時期が、アミノ酸液と糖液を同時に混合した製剤の上市時期以降に多かったことから、製剤の滴定酸度に焦点があてられた。当初は添加された有機酸(酢酸)の代謝遅延が原因であるとする説が報告されが、その後、杉浦らによる動物実験1)とランダム化比較研究2)により、高い適正酸度の原因となっている酸の種類が問題であることが報告された。つまり、酢酸や乳酸等の有機酸は体液の酸塩基平衡には影響せず、メイラード反応を抑制する為に添加されたpH調整酸としての塩酸が原因であであることが解明された。
- 長期間TPNを使うと必須脂肪酸や、鉄・亜鉛・セレンやマンガンといった微量元素も不足するので、脂肪製剤やミネラルの補充も行う。ミネラルについては過量投与で脳に沈着する副作用も報告されている。
- 高濃度のブドウ糖液が投与されるので、糖尿病患者以外にも、事前に耐糖能障害の有無が明確でない症例、感染や侵襲がきっかけとなる外科的糖尿病の症例で、高血糖を来し、糖尿病性昏睡:高浸透圧性昏睡や糖尿病性ケトアシドーシスを起こす場合も報告されている。低濃度の製剤から血糖をみながら順に移行し、躊躇わずにインスリンを使用して血糖をコントロールするべきである。高血糖を放置すると易感染性となり、また脱水を来すなど、全身状態の悪化を招く。
- 腎障害や肝不全を来している場合は別の配慮が必要である。腎障害では高尿素血症が起きない様にアミノ酸製剤を少なくする他、元々酸塩基平衡が保たれていない例が多くアミノ酸は酸なのでアシドーシスが助長される場合もある。肝性脳症を来し易い時は分枝鎖アミノ酸 (BCAA) を用い芳香族アミノ酸(AAA)を減らしてFischer比を保つ。
- 場合によってはアナフィラキシーショックを起こす事例もある事が判明した為、アレルギー体質の患者や病気により極端に体力が落ちている場合等には意識障害等を引き起こす事がある事を留意する必要と説明が必要である。また、このような症状が出た場合は早急に投与を中止してそちらの治療をもしなければならない。
関連項目
外部リンク
関連文献
- 1) Acid load during total parenteral nutrition: comparison of hydrochloric acid and acetic acid on plasma acid-base balance. Sugiura S, Inagaki K, Noda Y, Nagai T, Nabeshima T. Nutrition. 2000 Apr;16(4):260-3
- 2) The Latent Risk of Acidosis in Commercially Available Total Parenteral Nutrition (TPN) Products: a Randomized Clinical Trial in Postoperative Patients. Kato K, Sugiura S, Yano K, Fukuoka T, Itoh A, Nagino M, Nabeshima T, Yamada K. J Clin Biochem Nutr. 2009 Jul;45(1):68-73.
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Japanese Journal
- 12.乳酸菌最優勢菌叢を経て嫌気性菌最優勢菌叢を誘導し,中心静脈栄養から離脱が可能になった短腸症候群の1例(一般演題,第40回日本小児外科代謝研究会)
- 金森 豊,杉山 正彦,古村 眞,寺脇 幹,小高 哲郎,鈴木 完,高橋 正貴,岩中 督
- 日本小児外科学会雑誌 47(2), 300, 2011-04-20
- NAID 110008607832
- 6.在宅中心静脈栄養施行患児に対する経静脈的セレン投与の臨床的効果(一般演題,第40回日本小児外科代謝研究会)
- 上原 秀一郎,曹 英樹,大割 貢,和佐 勝史,大石 雅子,福澤 正洋
- 日本小児外科学会雑誌 47(2), 298, 2011-04-20
- NAID 110008607826
Related Links
- 経口摂取できない場合の栄養法には、中心静脈栄養法(高カロリー輸液)と経腸栄養法 があります。
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★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、33、34の問いに答えよ。
- 72歳の男性。腰背部痛を主訴に来院した。
- 現病歴:3か月前から荷物の運搬時に腰背部痛を自覚するようになった。その後、安静時にも常に痛みを感じるようになり、日常生活にも支障をきたすようになったため受診した。
- 既往歴:30歳時に十二指腸潰瘍で投薬されていた。
- 生活歴:喫煙は20本/日を52年間。これまでに禁煙したことはない。妻と長男夫婦との4人暮らし。10年前から自営の販売業を長男に引き継いで店に時々顔を出している。
- 家族歴:父親が前立腺癌で死亡。
- 現症:意識は清明。体温 37.2℃。脈拍 80/分、整。血圧 154/88mmHg。呼吸数 16/分。背部に発赤はなく腫瘤を認めない。下部胸椎と腰椎との棘突起上に叩打痛を認める。
- 検査所見:胸部エックス線写真で両肺に多発する腫瘤影を認め、気管支内視鏡による肺生検で扁平上皮癌と診断された。胸腰椎MRIで腰椎への多発転移を認めた。予測される予後と治療方法との選択肢について担当医が患者に説明を行ったところ、患者は「俺も十分生きたし未練はない。息子もあとを任せられるまで育った。ただ痛いことや苦しいことは何とかしてほしいし、最後まで店には出ていたい」と述べた。妻と長男も十分納得し、余命の延長より患者のQOLを支援するケアをできるだけ自宅で目指すことで合意した。
- 患者の全身状態は徐々に悪化し、2か月後には日中の半分以上を自宅のベッドで臥床するようになった。在宅でかかりつけ医が訪問診療している。食事摂取は特に固形物の咀嚼が難しくなってきている。また、水分でむせたり誤嚥したりすることも多くなっている。経口摂取できるのは200kcal/日程度である。肺癌の終末期で2週程度の余命と見込まれている。患者は会話が可能で「痩せてしまって情けない。せめてもう少し食べたい」と家族に伝えた。
- この後の栄養管理で適切なのはどれか。
- a 食事形態を工夫する。
- b 経鼻経管栄養を開始する。
- c 中心静脈栄養を開始する。
- d 誤嚥予防のために気管切開を行う。
- e 胃瘻を造設して経腸栄養を開始する。
[正答]
※国試ナビ4※ [109H033]←[国試_109]→[109H035]
[★]
- 47歳の女性。下痢と体重減少とを主訴に来院した。Crohn病に対して6年前までに計3回の小腸部分切除術が施行され.約90cmの空腹と20cmの終末回腸が残存していた。カテーテルによる発熱を繰り返し、右鎖骨下静脈の血栓性狭窄も起こしたため、4年前から中心静脈栄養は行っていなかった。経腸栄養にて排便回数が5-6回/日程度に落ち着いてきたため、約2年前に本人の希望で経口食に変更した。薬物はメサラジンのみを内服していた。2週前から下痢が10回/日以上となり、体重も2週間で約3kg減少したため来院した。意識は清明。身長156cm、体重34kg。体温37.2℃。脈拍72/分、整。血圧90/52mmHg。腹部に圧痛を認めない。腸雑音は亢進している。血液所見:赤血球 323万、Hb 11.4g/dl、Ht 34%、白血球 5,200、血小板 17万。血液生化学所見:アルブミン 3.2g/dl、尿素窒素 20mg/dl、クレアチニン 0.8mg/dl、AST 26IU/l、ALT 38IU/l、ALP 863IU/l(基準115-359)、Na 138mEq/l、K 3.2mEq/l、Cl 108mEq/l、Ca 8.0mg/dl。CRP 0.6mg/dl。腹部造影CTで残存小腸の軽度拡張と回盲部近傍の小腸壁肥厚とを認める。本人は外来での治療を希望している。
- まず行う栄養管理として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105E050]←[国試_105]→[105E052]
[★]
- 68歳の男性。嚥下障害を主訴に来院した。
- 現病歴 : 1か月前肉片がつかえ、そのときは水を飲んで通過させたが、以後固形食がしぱしぱつかえるようになった。この1か月で5kgの体重減少がみられる。2日前から水分しか通らなくなった。
- 生活歴 : 飲酒週2日、ビール大瓶1本/回を40年間。喫煙30本/日を40年間。
- 現症 : 意識は清明。身長164cm、体重65㎏。体温36.1℃。脈拍76/分、整。血圧146/98mmHg。心雑音はなく、呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟。肝・脾を触知しない。
- 検査所見 : 血液所見:赤血球365万、Hb10.9g/dl、Ht35%、血小板29万。
- 血清生化学所見:総蛋白5.8g/dl、アルブミン2.9g/dl、尿素窒素22mg/dl、クレアチニン1.0mg/dl、総ビリルビン0.6mg/dl、AST18単位、ALT10単位、Na146mEq/l、K4.5mEq/l、Cl105mEq/l。食道造影では水溶性造影剤の通過が遅延し、食道中部から下部に高度の不整狭窄像を認める。
[正答]
E
- 食道狭窄による絶食状態の継続、及び食道癌疑い
- 経鼻チューブは食道内視鏡検査の時に邪魔になろう
※国試ナビ4※ [100D048]←[国試_100]→[100D050]
[★]
- 次の文を読み、56-58の問いに答えよ。
- 76歳の男性。発熱と呼吸困難とを主訴に来院した。
- 現病歴 2か月前から嚥下障害を自覚していたが放置していた。5日前から水分摂取時にむせるようになった。昨日から熱感と呼吸困難とを自覚している。6か月間に8kgの体重減少を認めた。
- 既往歴・家族歴 特記すべきことはない。
- 現 症 意識は清明。身長170cm、体重52kg。体温38.9℃。脈拍104/分、整q血圧150/88 mmHg。左下肺野にcoarse cracklesを聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。
- 検査所見 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球 325万、Hb 1O.1g/dl、Ht 30%、白血球 9,800、血小板 37万。血液生化学所見:血糖 88mg/dl、総蛋白 5.6g/dl、アルブミン 2.6g/dl、クレアチニン 0.9mg/dl、総ビリルビン 1.0mg/dl、AST 30IU/l、ALT 22IU/l、ALP 198IU/l(基準115-359)、アミラーゼ 138IU/l(基準37-160)。胸部造影CT(別冊No.8A、B、C)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [104B057]←[国試_104]→[104B059]
[★]
- 55歳の男性。全身倦怠感、体重減少および腹痛を主訴に来院した。過敏性腸症候群の診断で5年前から症状に応じて外来診療を受けている。3か月前から全身倦怠感が続き、この3か月で体重が5kg減少した。1か月前から内服を継続していたが右下腹部痛が増悪してきた。4、5日前から仕事への意欲が低下し職場での人間関係がうまくいかなくなったため受診した。喫煙歴と飲酒歴とはない。身長 155cm、体重 49kg。脈拍 84/分、整。血圧 100/78mmHg。眼瞼結膜は貧血様である。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。便通は週3回で硬便であるが、明らかな血便はなく、ほぼ1日中腹痛がある。血液所見:赤血球 274万、Hb 7.6g/dL、Ht 22%、白血球 5,400、血小板 28万。血液生化学所見:総蛋白 6.3g/dL、アルブミン 3.6g/dL、総ビリルビン 1.0mg/dL、AST 21IU/L、ALT 11IU/L、LD 179IU/L(基準 176~353)、ALP 227IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 40IU/L(基準 8~50)、尿素窒素 17mg/dL、クレアチニン 0.9mg/dL。CRP 0.1mg/dL。
- 対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109I053]←[国試_109]→[109I055]
[★]
- 89歳の女性。 1年前から Parkinson病のため療養病床に入院中である。 71歳でParkinson病を発症し、 86歳で Hoehn & Yahrの臨床重症度分類 5度となり、ベッド上の生活となった。 87歳で家族とのコミュニケーションも困難になった。 3か月前から食事量が減り誤嚥性肺炎を 2回起こしている。意思表示は困難であるが、家族の声かけにわずかに表情が緩むこともある。家族は献身的な介護を続けており、 1日でも長く生きてほしいと願っている。家族と今後の方針を話し合うことになった。胃瘻を含む経管栄養や中心静脈栄養など人工的栄養補給の選択肢を説明した。
- 家族が方針を決めるのを支援する際に、医師が伝える内容として適切なのはどれか。
- a 「一旦方針を決定すると変更できません」
- b 「これまでの本人の価値観を十分尊重してください」
- c 「人工的栄養補給を行わないと安楽死とみなされます」
- d 「最終的な方針決定には病院の倫理委員会の許可が必要です」
- e 「いずれ死亡するので無駄な人工的栄養補給は行うべきではありません」
[正答]
※国試ナビ4※ [108F023]←[国試_108]→[108F025]
[★]
- 98歳の女性。咳と発熱とを主訴に来院した。 1週前から咳が出るようになり、2日前から発熱が出現したが、入院を嫌って自宅で我慢していた。症状が改善しないため心配して訪ねてきた家族に伴われて受診した。 1人暮らしであり、最近まで日常的に畑仕事をしていたという。食欲に変化はなく食事は摂れており、全身倦怠感は訴えていない。
- 意識は清明。身長154cm、体重38kg。体温38.5℃。脈拍96/分、整。血圧116/84mmHg。呼吸数16/分。 SpO2 97%(room air)。右前胸部と右背部でcoarse cracklesを聴取する。
- 血液所見:赤血球377万、 Hb 10.2g/dl、Ht33%、白血球9,800、血小板23万。血液生化学所見:尿素窒素12mg/dl、クレアチニン1.2mg/dl。 CRP 2.8mg/dl。胸部エックス線写真で右下肺野に浸潤影を認める。
- 対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106B040]←[国試_106]→[106B042]
[★]
- 84歳の女性。全身倦怠感と食欲不振とを主訴に来院した。6か月前に肺転移を伴う高度進行胃癌の診断を受けた。抗癌化学療法などの積極的治療を拒否し自宅で療養していたが、2週前から倦怠感が出現し、徐々に食欲の減退を自覚するようになったため受診した。現在は薬剤の内服と1日600kcal程度の軟らかい食事の摂取は可能である。がんによる悪液質が進行しており余命は1か月程度と考えられる。長男夫婦と3人暮らしで患者本人と家族はともに延命治療を望まず、このまま自然に任せることを希望している。
- 今後の方針として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109B039]←[国試_109]→[109B041]
[★]
- 70歳の男性。腹膜炎の手術後で入院中である。 2週前に S状結腸憩室の穿孔による急性汎発性腹膜炎にて緊急手術を施行された。手術術式は S状結腸切除術・人工肛門造設術であった。術後の経過は良好で、術後 7日目に流動食を開始し、術後 8日目にはドレーンの排液の性状に問題がなかったためドレーンは抜去した。現在は中心静脈栄養を併用しながら 5分粥食を全量摂取している。術後 4日目以降発熱を認めなかったが、昨夜急に悪寒戦慄を伴う 39℃の発熱があった。他に症状はなく食欲も保たれている。
- 対応として適切なのはどれか。
- a 絶飲食
- b 便培養検査
- c 緊急開腹手術
- d ドレーン再挿入
- e 中心静脈カテーテル抜去
[正答]
※国試ナビ4※ [108H028]←[国試_108]→[108H030]
[★]
- 80歳の男性。胸痛と息苦しさとを主訴に来院した。 6か月前に多発転移を伴う肺癌の診断を受けた。「癌に対する積極的な治療は受けない」、「少しでも家族とともに過ごしたい」と訴え自宅で療養していた。 1週前から両側の胸部鈍痛と息苦しさとを自覚し、自宅近くの診療所で非ステロイド性抗炎症薬を処方されたが改善しないため受診した。疼痛で食欲は低下しているが、食事摂取は可能である。来院時、意識は清明。身長 168 cm、体重 40 kg。体温 36.0℃。脈拍 96/分、整。血圧 110/60mmHg。呼吸数 20/分。 SpO2 96% ( room air)。
- 治療として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108C024]←[国試_108]→[108C026]
[★]
- 58歳の男性。右中咽頭癌で放射線化学療法のため入院中である。終了予定線量 66Gy(2Gy/日)で放射線治療を開始したが、40Gy照射した時点で口腔内の痛みのため食事の摂取が困難になった。便通は正常である。栄養サポートチーム(NST)に相談して食事形態の見直しと十分な疼痛管理とを行ったが改善しない。身長 172cm、体重 56kg。脈拍 84/分、整。血圧 134/80mmHg。口腔内の写真(別冊No. 7)を別に示す。
- 最も適切な対応はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111G041]←[国試_111]→[111G043]
[★]
- 21歳の男性。下痢と血便とを主訴に来院した。2か月前から微熱、軟便および倦怠感があったが、勉強が忙しかったので放置していた。2日前から37℃台の発熱があり、1日3、4行の血液を混じた軟便がある。血液所見:赤沈10mm/1時間、赤血球480万、Hb14.2g/dl、白血球7,900。大腸内視鏡写真を以下に示す。
- まず行う治療として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100F027]←[国試_100]→[100F029]
[★]
- 78歳の男性。1か月前に重症肺炎で集中治療室に入院し、全身状態が改善したため7日前から一般病棟に移っている。意識は清明。認知機能と嚥下機能とに異常を認めない。食事形態を工夫したが、患者は食事を拒否し終日ふさぎこんでいる。患者は経管経腸栄養も拒否している。
- 現時点の対応として適切なのはどれか。
- a 食欲の回復を待つ。
- b 終末期として対応する。
- c 中心静脈栄養を開始する。
- d 患者の心理状態を評価する。
- e 介護保険施設への入所を勧める。
[正答]
※国試ナビ4※ [106H024]←[国試_106]→[106H026]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103E052]←[国試_103]→[103E054]
[★]
- 8か月の乳児。嘔吐と下痢とを主訴に来院した。昨日の昼ころから白色水様の下痢が続いている。今朝からは嘔吐をするようになり、哺乳力低下が認められる。泣き声が弱々しくぐったりしており、大泉門が陥凹している。舌と口腔粘膜とが乾燥している。
[正答]
※国試ナビ4※ [101D007]←[国試_101]→[101D009]
[★]
- 24歳の男性。2日前から急激に増強する嚥下痛と開口障害とを主訴に来院した。1週前から咽頭痛を自覚していた。体温38.4℃。白血球12,800。CRP 5.7mg/dl。咽頭所見と頸部造影CTとを以下に示す。
- 直ちに行うのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [103A046]←[国試_103]→[103A048]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108G025]←[国試_108]→[108G027]
[★]
- a 診療科単位で組織する。
- b 医師はチームに加わらない。
- c チームは患者に直接は接触しない。
- d 中心静脈栄養の患者にも関与する。
- e 栄養投与経路の変更に際して担当医の許諾は不要である。
[正答]
※国試ナビ4※ [108H016]←[国試_108]→[108H018]
[★]
- 消化管閉塞のない回盲部癌の周術期管理について適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107A012]←[国試_107]→[107A014]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100B031]←[国試_100]→[100B033]
[★]
- 英
- gavage、tube feeding、tubal feeding
- 同
- ?経管栄養法(方法)
- 関
- 胃管栄養法、経腸栄養、経腸栄養法、胃管栄養、enteral nutrition。栄養法
概念
- 狭義には経口摂取が不可能あるいは不十分な患者に対し、体外から消化管内に通したチューブを用いて流動食を投与する処置(経腸栄養)を指すが、広義には静脈栄養を含めることがある。すなわち、経腸栄養と静脈栄養を指す (参考1)
適応
- YN.N-18
- 慢性疾患による全身衰弱
- 意識障害
- 上部消化管手術後
- 外傷、熱傷
分類
- SSUR.239 YN.N-19
注入栄養剤
- SSUR.239
投与法法
- 下痢や満腹などの症状が出ることがある (SSUR.239)。下痢は開始から3-4日後に発生しやすい(YN.N-19)
- →開始当初は低濃度都市、次第に濃度・投与速度をあげ維持濃度にする (SSUR.239)
参考
[★]
- 英
- alimentation, nutrition
- 関
- [[]]
-
-
-
[★]
[★]
- 英
- intravenous hyperalimentation
- 関
- 中心静脈栄養、高カロリー静脈栄養輸液
[★]
- 英
- intravenous hyperalimentation
- 関
- 中心静脈栄養、経静脈的高カロリー輸液
[★]
- 英
- total parenteral nutrition TPN
- 同
- 全非経腸栄養法、高カロリー輸液 hyperalimentation、intravenous hyperalimentation IVH → なんか使わない方が良いんだそうだ・・・?
- 関
- 経静脈栄養法
[★]
- 英
- nutrition、nutrient、vegetative, alimentation
- ラ
- nutritio
- 関
- 栄養性、栄養素、栄養分、栄養法、植物性、増殖型、栄養剤
- 水:体重x30ml
- Na:体重x 1mEq
- K:体重x 0.5mEq
参考
- http://fooddb.mext.go.jp/
[★]
- 英
- parenteral nutrition, PN
- 同
- 経静脈栄養法、静脈栄養法
- 関
- 非経腸栄養法
静脈栄養
[★]
- 英
- center、centre、hub、centrum、centro、central、medial
- 関
- センター、中央、中心性、中心的、中枢神経性、中枢性、中枢的、内側、内側性、中央に置く、椎体、中枢、ハブ
[★]
- 英
- vein (Z)
- ラ
- vena
- 毛細血管から発生した静脈血を心臓に送るために使われる血管。
[★]
- 英
- central vein (Z), central vein Rolando