- 英
- pyothorax、thoracic empyema、empyema thoracis
- ラ
- empyema thoracis, pyothorax
- 同
- 化膿性胸膜炎 purulent pleurisy suppurative pleurisy、腐敗性胸膜炎 putrid pleurisy
- 関
- 胸膜炎
国試
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/01/18 00:42:24」(JST)
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膿胸(のうきょう、英: pyothorax, empyema)は、胸腔内に膿性滲出液が貯留した状態。全身性の敗血症、外傷などを原因とする。発熱、元気消失、胸痛などの症状を示し、一般に重篤。治療には穿胸術による膿の除去、胸腔洗浄を行い、適切な抗菌薬を投与する。また、症例に応じて対症療法を行う。
関連項目
参考文献
- 日本獣医内科学アカデミー編 『獣医内科学(小動物編)』 文永堂出版 2005年 ISBN 4830032006
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Japanese Journal
- 3.有瘻性膿胸に対するEWSを併用した根治手術(第52回 日本呼吸器内視鏡学会北陸支部会)
- 急性膿胸に対する治療戦略 : 胸腔鏡手術と術後抗生剤短期投与の検討
- 椎野 王久,坂本 和裕,山仲 一輝,正津 晶子,濱 雅史,山川 泰,椿原 基史
- 気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 33(4), 236-240, 2011-07-25
- … .急性膿胸に対しては胸腔鏡手術(以下VATS)が有用との報告が散見される.一方,術後長期に経口抗生剤が投与されることがあるがその根拠は明らかではない.今回,急性膿胸に対するVATSおよび術後抗生剤の短期投与による再燃の有無を検討した.対象と方法.2005年3月から2010年7月まで急性膿胸に対し当院にてVATSを施行した22例を対象とした.手術は多房化した膿胸腔の …
- NAID 110008687249
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- 膿胸<感染症>。どんな症状か 膿胸とは、胸膜(きょうまく)が炎症を起こし胸膜内に膿 状の液体(うみ)がたまった状態をいいます。細菌性肺炎、胸腔内手術後に続いて起こる のが特色です。 期間によって急性膿胸(3カ月未満)、慢 gooヘルスケア 家庭の医学。
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- 膿胸とはどのような病気なのでしょうか?膿胸の原因、症状、治療方法はどのような ものがあるのでしょう?このページでは膿胸について詳しく説明していきましょう。
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[★]
- 次の文を読み、31、32の問いに答えよ。
- 65歳の男性。発熱を主訴に来院した。
- 現病歴:1週前から咳嗽と喀痰とを認めていた。3日前から高熱となり、膿性痰が増量し、昨日から呼吸困難も増強したため来院した。
- 既往歴:5年前から糖尿病を指摘され、食事療法を勧められていたが放置していた。
- 生活歴:喫煙は30本/日を26年間。飲酒はビール大瓶1本/日を40年間。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:意識は清明。身長168cm、体重68kg、体温39.2℃。脈拍112/分、整。血圧138/96mmHg。左胸部打診で濁音を認める。心音に異常を認めない。左側の呼吸音の減弱を認める。
- 検査所見:尿所見:蛋良1+、糖(-)。血液所見:赤血球410万、Hb13.0g/dl、Ht40%、白血球13,900(好中球80%、好酸球5%、好塩基球1%、単球4%、リンパ球10%)、血小板46万。血液生化学所見:血糖125mg/dl、総蛋白 6.2g/dl、アルブミン2.6g/dl、尿素窒素20.0mg/dl、クレアチニン0.6mg/dl、総ビリルビン0.3mg/dl、直接ビリルビン0.2mg/dl、AST53IU/l、ALT58IU/l、LDH340IU/l(基準176~353)、Na141mEq/l、K4.6mEq/l、Cl1O9mEq/l、Ca8.4mg/dl。免疫学所見:CRP16.9mg/dl、β-D-グルカン6.0pg/ml(基準20以下)。胸部エックス線写真と胸腔穿刺液のGram染色標本とを以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [102H030]←[国試_102]→[102H032]
[★]
- 74歳の男性。肺癌の診断で左上葉切除とリンパ節郭清術とを行い入院中である。術後8日目に呼吸困難を訴え発熱も出現した。現在、身長 168cm、体重 63kg。体温 38.3℃。脈拍 116/分、整。血圧 106/74mmHg。呼吸数 20/分。両側の胸部でfine cracklesを聴取する。血液所見:赤血球 418万、Hb 11.4g/dL、Ht 35%、白血球 15,300(桿状核好中球 10%、分葉核好中球 70%、好酸球 2%、好塩基球 1%、単球 3%、リンパ球 14%)、血小板 13万、Dダイマー 0.8μg/mL(基準 1.0以下)。血液生化学所見:総蛋白 6.2g/dL、アルブミン 2.9g/dL、総ビリルビン 0.9mg/dL、直接ビリルビン 0.5mg/dL、AST 35IU/L、ALT 16IU/L、LD 420IU/L(基準 176~353)、ALP 127IU/L(基準 115~359)、尿素窒素 25mg/dL、クレアチニン 0.9mg/dL。CRP 15mg/dL。動脈血ガス分析(マスク8L/分酸素投与下):pH 7.25、PaCO2 35Torr、PaO2 84Torr、HCO3- 15mEq/L。術前の胸部エックス線写真(別冊No. 19A)と胸部CT(別冊No. 19B)及び術後8日目の胸部エックス線写真(別冊No. 19C)と胸部CT(別冊No. 19D)とを別に示す。心エコー検査で、左室壁の運動は良好であり心機能低下を認めない。
- 可能性の高い疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110I058]←[国試_110]→[110I060]
[★]
- 65歳の男性。右前胸部の疼痛を主訴に来院した。2か目前から乾性咳嗽と労作時の呼吸困難とが出現し、徐々に増悪した。16歳から60歳まで自動車整備工をしていた。喫煙は20本/日を45年間、意識は清明.身長168cm、体重54kg、体温37.0℃。脈拍76/分、整。血圧130/90mmHg、胸部右側の呼吸音の滅弱を認める。血液所見:赤血球429万、Hb14.6g/dl、Ht45%、白血球4,100、血小板20万。血液生化学所見:総蛋白7.5g/dl、アルブミン3.5g/dl.AST 22IU/l、ALT 9IU/l、LDH 128IU/l(基準176~353)。CRP O.2mg/dl。穿刺排液した胸水は黄色混濁で、比重1.019。蛋白5.2g/dl、LDH 151IU/l、アデノシンデアミナーゼ 45.OIU/l(基準50以下)、ヒアルロン酸高値。一般細菌および抗酸菌培養は陰性で、結核菌のPCR検査も陰性であった。胸部単純CTを以下に示す。確定診断のため、胸腔鏡下で壁側胸膜上の結節を生検した。生検組織のH-E染色標本とカルレチニン免疫組織染色標本とを以下に示す。CEAによる免疫組織染色は陰性であった。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102A053]←[国試_102]→[102A055]
[★]
- 71歳の男性。肺癌術後 2日で入院中である。 2日前、右上葉肺癌のため右上葉切除とリンパ節郭清術を行った。術中出血量は 65 ml、手術時間は 3時間 10分だった。手術後の経過は順調で手術翌日から食事を開始した。しかし術後 2日から胸腔ドレナージの排液量は 500 mlに増加し、排液の性状は淡血性から黄白色混濁となった。喫煙は 20本/日を 50年間。意識は清明。身長 160 cm、体重 65 kg。体温 37.0℃。脈拍 84/分、整。血圧 120/74 mmHg。呼吸数 16/分。 SpO2 98% (鼻カニューラ 1 l/分酸素投与下 )。眼瞼結膜に貧血を認めない。頸静脈の怒張を認めない。心音に異常を認めないが、呼吸音は右側で軽度減弱している。血液所見:赤血球 362万、Hb 12.4 g/dl、Ht 36%、白血球 7,700、血小板 25万。 CRP 2.4 mg/dl。心電図に異常を認めない。術後 2日のポータブル胸部エックス線写真 (別冊 No.7A)と胸腔ドレナージ排液 (別冊 No.7B)とを別に示す。
- この患者の術後合併症として考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108A025]←[国試_108]→[108A027]
[★]
- 68歳の女性。易疲労感と咳嗽とを主訴に来院した。6か月前から左上葉肺癌で抗癌化学療法と放射線療法とを受けていた。2か月前に治療は終了し経過観察されている。2週間前から易疲労感と乾性咳嗽があり、次第に悪化したため受診した。身長 160cm、体重 58kg。体温 36.6℃。脈拍 88/分、整。血圧 126/80mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 96%(room air)。眼瞼結膜は軽度貧血様である。心音に異常を認めないが、左胸部で気管支呼吸音と軽度のwheezesを聴取する。血液所見:赤血球 389万、Hb 10.2g/dL、Ht 32%、白血球 5,800、血小板 25万。血液生化学所見:総蛋白 6.7g/dL、アルブミン 3.7g/dL、総ビリルビン 0.3mg/dL、AST 16U/L、ALT 13U/L、LD 273U/L(基準 176~353)、クレアチニン 0.9mg/dL、Na 143mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 105mEq/L、CEA 4.8ng/mL(基準 5以下)。CRP 1.3mg/dL。胸部エックス線写真(別冊No. 6A)と肺野条件の胸部CT(別冊No. 6B)とを別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111E040]←[国試_111]→[111E042]
[★]
- 80歳の男性。3か月前から微熱が続き、時々膿性痰を喀出していた。
- 25歳時に肺結核症のため左胸郭形成術を受けた。呼吸数24/分。脈拍96/分、整。血圧146/90mmHg。胸部の打診で左背部に濁音を認める。胸部エックス線写真を以下に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098A011]←[国試_098]→[098A013]
[★]
- 60歳の男性。咳嗽と労作時の呼吸困難とを訴えて来院した。20年間自動車部品製造業に従事した職歴がある。来院時の胸部エックス線写真と造影CTとを以下に示す。入院後に胸腔穿刺により採取した胸水の細胞診は陰性で、ヒアルロン酸値が増加していた。診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095D015]←[国試_095]→[095D017]
[★]
- 71歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。20歳から40年間、ビル建設の仕事に従事した。喫煙20本/日を30年間。胸水中のヒアルロン酸は92,300ng/mlと著明な増加を示す。胸部エックス線写真と胸腹部造影CTとを以下に示す。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G015]←[国試_101]→[101G017]
[★]
- 58歳の女性。労作時の息切れを主訴に来院した。ぱち指を認める。両下肺野に連続性の血管雑音を聴取し、深吸気で増強する。胸部エックス線写真と右肺動脈造影写真とを以下に示す。この疾患の合併症として特徴的でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099A013]←[国試_099]→[099A015]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104E013]←[国試_104]→[104E015]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [111G038]←[国試_111]→[111G040]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107G038]←[国試_107]→[107G040]
[★]
- 病変が一側に限局した際に縦隔偏位をきたしにくいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098G073]←[国試_098]→[098G075]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101F016]←[国試_101]→[101F018]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099B041]←[国試_099]→[099B043]
[★]
- (1) 黄色ブドウ球菌によることが多い
- (2) 呼吸困難がみられる
- (3) 打診で鼓音を呈する
- (4) 胸部X線写真で肺の過膨張を認める
- (5) 胸腔ドレナージが有効である
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
- ■症例
- 72歳 女性
- 現病歴:胸部の感染症にドキシサイクリンをGPに処方された。関節リウマチに長期間罹患しており、9年間、1日7mgのプレドニゾロンを服用している。関節痛のため時々パラセタモールを服用。GPが測定した血圧は138/82mmHgであった。抗菌薬を服用し始める2日前からはじまって5日間熱っぽく、食欲不振であり、ベットから動けないでいる。水は十分に飲ませている。5日目に傾眠傾向となり、起こすことが困難になったため、救急車で救急部に連れてきた。
- 主訴:傾眠
- 生活歴:単身。退職した娘が世話をするために引っ越してきている。
- 家族歴:なし。
- 身体所見 examination
- 小柄である(50kgと評価された)が、最近になって体重が減少したということはない。体温38.8℃。眠たそうであり、命令には応じる。簡単な質問にしか答えない。全身性に筋緊張低下。局所神経症状無し。脈拍:118/min。血圧:104/68mmHg。頚静脈圧上昇せず。足首に腫脹無し。肺底部にcrackles(ラ音)とwheezes(笛音)を認める。関節にわずかに活動性の炎症と変形が認められる。これは関節リウマチの既往と合う所見である。
- 検査 investigation
- ヘモグロビン:軽度低下。MCV:正常。白血球増多。ナトリウム低下。カリウム正常。尿素上昇。クレアチニン上昇。
- 問題0. □と○に入る言葉を述べよ
- 1) 傾眠とは□□障害に含まれる
- 2) 傾眠とは、刺激を与えなければ□□が低下するが、刺激を与えれば○○する状態である。
- 問題1. 患者に関連する以下の事項のうち何が傾眠と関係あるのだろうか?2つ選べ。
- 1) ドキシサイクリンの副作用
- 2) 関節リウマチの重症化
- 3) プレドニゾロンの服用歴
- 4) パラセタモールの服用歴
- 5) 胸部感染症
- 問題2. 異常な検査所見をどう説明しますか?口頭で述べてください。ぶっちゃけ、やや低血圧であることと、ナトリウム低値が着目点です。腎機能低下は二次的なものです。
- ■意識障害
- 意識障害 (PSY.38)
- 単純な意識障害
- 明識困難状態 < 昏蒙 < 傾眠 < 昏眠 < 昏睡
- ■傾眠
- 昏睡状態の分類の一つ
- ・somnolence
- 放置すれば意識が低下し、眠ったようになるが、刺激で覚醒する。病的な場合にのみ用いられる。(BET.130)
- sleepiness; also, unnatural drowsiness. A depressive mental state commonly caused by encephalitis, encephalomalacia, hepatic encephalopathy, hypoxia and some poisonings, e.g. Filix mas, the male fern.
- (Saunders Comprehensive Veterinary Dictionary, 3 ed. c 2007 Elsevier, Inc. All rights reserved)
- ・drowsiness
- 正常、病的の区別無く眠り込む状態(BET.130)
- a decreased level of consciousness characterized by sleepiness and difficulty in remaining alert but easy arousal by stimuli. It may be caused by a lack of sleep, medications, substance abuse, or a cerebral disorder.
- (Mosby's Medical Dictionary, 8th edition. c 2009, Elsevier.)
- ■意識障害を呈する患者に対してどのような疾患を鑑別に挙げるべきか?
- 1. 脳原発の疾患(一次性)
- a. テント上病変(脳幹の圧迫性病変ないし脳ヘルニアをきたす疾患)
- 1) 脳血管障害:脳出血、脳梗塞
- 2) 硬膜下血腫
- 3) 脳腫瘍:原発性、転移性
- 4) 脳膿瘍
- b. テント下病変(脳幹網様体の障害)
- 1) 脳幹出血、脳幹梗塞、小脳出血、小脳梗塞、脳腫痛、多発性硬化症など
- c. びまん性病変
- 1) くも膜下出血、中枢神経感染症:髄膜炎、脳炎、 播種性血管内凝固症候群など
- 2. 全身疾患に伴う病態(二次性)
- a. 代謝性またはびまん性病変
- 1) ショック:心筋梗塞、大出血など
- 2) 薬物、毒物
- 3) 無酸素ないし低酸素血症
- 4) DIC、全身性感染症:敗血症など
- 5) 肝不全、腎不全、糖尿病性高血糖、重症肝炎、内分泌疾患など
- 6) 低血糖、ビタミンB1欠乏: Wernicke脳症
- 7) 脳振盪、てんかん大発作後
- 8) 酸塩基平衡および電解質異常
- 9) 栄養障害
- 10) 低体温症
- b. 心因性無反応
- 1) ヒステリー、統合失調症
- ■低ナトリウム血症
- 血清ナトリウムが134mEq/L以下の病態。(正常の下限は135mEq/Lとされる)
- ・病因 ICU.525
- 循環血減少性低ナトリウム血症
- 利尿・副腎不全 :尿中Na > 20mEq
- 嘔吐・下痢 :尿中Na < 20mEq
- 等容量性低ナトリウム血症:細胞外液は増加していないが、水の方が多くなった状態。臨床的に浮腫が無い。
- SIADH :尿浸透圧 > 100 mOsm/L
- 心因性多飲症 :尿浸透圧 < 100 mOsm/L
- 循環血増加性低ナトリウム血症:細胞外液にナトリウムと水が増加しており、なおかつ水の方が多い病態
- 腎不全 :尿中Na > 20mEq
- 心不全・肝不全 :尿中Na < 20mEq
- ・症状
- 全身 :無力感、全身倦怠感
- 消化器:食欲不振、悪心・嘔吐
- 神経 :意識障害(傾眠、昏睡)
- 筋 :痙攣、腱反射低下、筋力低下
- ■アルドステロン
- 1. 腎の接合尿細管と集合管、唾液腺、乳腺、汗腺等に働いてNa+の再吸収を促進し、K+の排出(分泌)を促進する (SP.791,792 によれば、腎接合尿細管を含む)
- 2. 腎集合管でH+の排出(分泌)を促進する。
- Na+/K+-ATPase活性↑@遠位尿細管・皮質集合管 → 管腔側K↑ → K再吸収/H+分泌 (QB CBT vol2 p.360)
- ■副腎皮質球状層から分泌されるアルドステロンの分泌制御
- 1. レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系
- 2. 血清カリウム濃度上昇
- 3. ACTH(寄与は小さい)
- ■低アルドステロン症の症状と臨床検査
- 症状
- 脱水、低血圧、代謝性アシドーシス
- 検査
- 低ナトリウム血症、高カリウム血症
- 尿中ナトリウム高値、尿中カリウム低値
- 血中HCO3-低下
- ■起こっていることは何か?
- ステロイドの突然の中断による急性の副腎不全。特に低アルドステロン症が前面に出た病態。
- 副腎不全の原因(病期による分類)(BPT.793)
- 急性:ウォーターハウス・フリーデリクセン症候群、長期コルチコイド療法の突然の中断、慢性副腎不全患者へのストレス
- 慢性:(major)自己免疫性副腎炎、結核、後天性免疫不全症候群、転移性疾患(metastatic disease)
- (minor)全身性アミロイドーシス、真菌感染、ヘモクロマトーシス、サルコイドーシス
- 症状:
- グルココルチコイドの欠乏 :易疲労感、食欲不振、悪心・嘔吐、体重減少、脱力、嗜眠、低血圧
- ミネラルコルチコイドの欠乏:低血圧、低Na血症、高K血症、味覚の変化(塩分の故意食事を好むようになる)
- ■答え
- (第一パラグラフ)診断とその根拠
- ・二次性急性低アルドステロン症 secondary acute aldosteronism
- ・病因:本症例では、長期にわたるステロイドホルモンの使用により視床下部-下垂体-副腎軸の不全を来した。ステロイドホルモンを長期に使用している状態でステロイドホルモンの需要が高まったとき(感染、外傷(手術))、あるいは嘔吐などで経口ステロイドを服用できないときに起こる。
- ・症状:本症例では傾眠と低血圧として症状が現れている。
- (第二パラグラフ)
- ・本疾患の低ナトリウム血症の解釈 → (1)ナトリウム摂取の低下、(2)水分摂取による希釈
- ・視床下部-下垂体-副腎軸は障害を受けておらずナトリウムを補充する治療をすべき。
- ・一次性急性低アルドステロン症(addisonian crisis)では、鉱質コルチコイドと糖質コルチコイドの分泌不全がおこり、低ナトリウム血症と高カリウム血症を来す。
- ・二次性急性低アルドステロン症はしばしば間違ってaddisonian crisisと呼ばれる。
- (第三パラグラフ)
- ・感染の拡散も考慮すべき;一次部位が脳で髄膜炎か脳膿瘍を伴っている、あるいは局所的に肺膿瘍あるいは膿胸を起こしている。
- ・高齢とステロイドの服用ということで免疫力がある程度低下している。
- ・ステロイドの量が多いかもしれない。
- (第四パラグラフ)
- ・治療はすぐに経験的治療であるヒドロコルチゾンと生理食塩水の輸液を行う。
- ・患者は(治療に?)反応し、5時間以内に意識レベルは正常となった。そして血圧は上昇し136/78mmHgとなった。胸部X線では両側の肺に肺炎に一致する陰影が見られたが、それ以外に異常は認められなかった。
- ■KEY POINTS
- ・二次性低アルドステロン症はmedical emergency(医学的な緊急事態)である、すぐに経験的治療を行うことが求められる。
- ・長期にわたりステロイドを投与されている患者では、以下の時にステロイドを増量すべき;別の疾患を発症したとき。嘔吐を反復する場合には全身投与に切り替える。
- ■低アルドステロン症ってなによ
- http://enotes.tripod.com/hypoaldosteronism.htm
- ・時々、低アルドステロン症は副腎不全の唯一の、あるいは支配的な徴候である
- ・アルドステロンの生合成の障害 → まれ
- ・アルドステロン生合成の部分的欠損 → 21-ヒドロキシラーゼ欠損による先天性副腎皮質過形成の症状としての低アルドステロン症
- ▲特発性低アルドステロン症 idiopathic hypoaldosteronism
- 症状:高カリウム血症に続発する心ブロック、顕著な低ナトリウム血症の有無を問わず血液量不足に続発する体位性低血圧。
- 検査:血清アルドステロン低値。尿中アルドステロン低値。血清レニン高値。
- ▲低レニン低アルドステロン症
- 特発性低アルドステロン症より一般的な低アルドステロン症
- 疫学:45歳以上の慢性腎臓病。
- 病因:
- ・腎臓病患者において腎臓の間質、尿細管に障害が存在 → レニン分泌能が低下。
- ・レニン分泌が低下する原因は分からないけど傍糸球体装置における障害が常に寄与している。
- ・NSAIDによるプログラスタンジン欠乏は、可逆的な低レニン低アルドステロン症の原因である。SP.793によればレニン分泌刺激 → Na+再吸収を亢進 だそうな。
- ・ヘパリン、カルシウムチャネルブロッカー、βブロッカーも原因となる。
- 症状:
- ・腎臓の障害が原因の低レニン低アルドステロン症患者では糖尿病が一般的みられる所見である。
- ・顕著な特徴は、慢性的で著明な高カリウム血症である。これは高血糖で突然に悪化する。???
- ・高Cl性代謝性アシドーシス+正常or低ナトリウム血症が常に存在
- 増悪因子:ナトリウム制限
- 検査:高カリウム血症、体液量の減少、かつ低ナトリウム血症が存在しているにもかかわらず低レニンであることが特徴的。
[★]
- 英
- brain abscess, cerebral abscess
- 同
- 頭蓋内膿瘍 intracranial abscess
- 関
概念
分類
病原体
- see IRE.452
- 細菌性脳膿瘍:連鎖球菌、嫌気性菌、グラム陰性桿菌、黄色ブドウ球菌。連鎖球菌(50-70%)、黄色ブドウ球菌(10-15%)
- 真菌性脳膿瘍:アスペルギルス感染、ムコール症、シュードアレッシェリア症
- 原虫性脳膿瘍:トキソプラズマ症
病期
- see SCN.350
病因
- 心疾患:心内膜炎、右左シャントを伴う心疾患()。血行性に中大脳動脈領域に発生。細菌塞栓による脳梗塞が起こると、細菌は容易に脳組織に移行 (SCN.350)
- 耳鼻科疾患:副鼻腔炎、中耳炎。好発部位は副鼻腔炎で前頭葉、中耳炎では側頭葉、小脳 (SCN.350)
- 開放性外傷:
YN.J-142
疫学
- 30歳代。先天性心疾患、副鼻腔炎、中耳炎の好発年齢と一致。 (SCN.350)
病態
症状
- 発熱、頭痛、嘔吐、意識障害、痙攣で発症。 (SCN.350)
- 髄膜炎と異なり、片麻痺、精神症状、局所痙攣などの局所症状も呈する。 (SCN.350)
検査
血液検査
脳脊髄液
- 細胞数の軽度増加 (SCN.350)
- 所見に乏しく、診断にはあまり有用でない、らしい。
頭部CT
- 単純CT:白質>白質浮腫領域>病変>脳室
- 造影CT:リング上の増強。 ← 被膜形成期に造影剤により増強効果を示す(SCN.350) ← 生体の感染に対する防御反応
頭部MRI
- T1:low intensity
- T2:high intensity
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診断
鑑別診断
- CT画像上、グリオーマ、転移性脳腫瘍と鑑別。炎症所見が乏しいことが鑑別のカギ(SCN.350)
治療
- IRE.446-
-
-
- 抗菌薬による治療期間は4-6週間(時に8週間) (IRE.449)
- ステロイド:脳圧亢進、脳ヘルニアの危険が迫っている場合に使用。
- 抗痙攣薬:ジアゼパム、フェニトイン
SCN.3550
- 病期のよって治療が変わる
- 脳炎の時期:抗菌薬(経験的に広域スペクトラムの第三世代セフェムを使用)+脳圧降下薬
- 皮膜形成期:ドレナージ
予後
参考
- http://www.masa.go.jp/nes/library/ba.html
国試
[★]
- 英
- restrictive ventilatory defect, restrictive defect ventilatory impairment
- 同
- 拘束性障害、拘束性肺機能障害
- 関
- 拘束性肺疾患
拘束性換気障害をきたす疾患
- YN.I-78
[★]
- 英
- penetrating empyema
- ラ
- empyema necessitatis, empyema penetrans
- 関
- 膿胸
[★]
膿胸
- 関
- empyema、pleural empyema、thoracic empyema
[★]
- 英
- chronic empyema with bronchopleural fistula, chronic thoracic empyema with fistula
[★]
- 英
- tuberculous empyema, tuberculous pyothorax
- 関
- 膿胸
[★]
- 英
- chronic thoracic empyema, chronic empyema
- 関
- 膿胸
[★]
- 英
- latent empyema
- 関
- 膿胸
[★]
- 英
- chest、breast、thoracic、pectoral
- 関
- 胸郭、胸筋、胸腔、胸髄、胸椎、胸部、乳房