Streptococcus pneumoniae
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/06/16 23:33:02」(JST)
[Wiki ja表示]
| 肺炎レンサ球菌 |
|
走査型電子顕微鏡写真
|
| 分類 |
| ドメイン |
: |
真正細菌 Bacteria |
| 門 |
: |
フィルミクテス門 Firmicutes |
| 綱 |
: |
バチルス綱 Bacilli |
| 目 |
: |
ラクトバチルス目 Lactobacillales |
| 科 |
: |
ストレプトコッカス科 Streptococcaceae |
| 属 |
: |
ストレプトコッカス属 Streptococcus |
| 種 |
: |
肺炎レンサ球菌
S. pneumoniae |
|
| 学名 |
Streptococcus pneumoniae
(Klein 1884)Chester 1901 |
肺炎レンサ球菌(はいえんレンサきゅうきん、Streptococcus pneumoniae)とは、肺炎などの呼吸器の感染症や全身性感染症を引き起こす細菌。日本の臨床医療現場では肺炎球菌と呼ばれることが多い。また、かつては肺炎双球菌 (Diplococcus pneumoniae) と呼ばれていた。病原菌であるとともに、遺伝学の発展に大きな影響を与えた実験材料としてもよく知られる。
|
目次
- 1 歴史
- 2 構造
- 3 臨床像
- 3.1 局所感染症
- 3.2 全身性(侵襲性)感染症
- 4 治療
- 5 予防
- 6 遺伝学への貢献
- 7 関連項目
- 8 脚注
- 9 外部リンク
|
歴史[編集]
肺炎の原因菌であることから「pneumococcus(肺炎球菌)」と呼ばれ、1881年に、アメリカ陸軍の内科医であったGeorge Miller Sternberg (en) と、フランスの化学者ルイ・パスツールによって同時に独立して単離された。
この菌は、グラム染色された喀痰内での特徴的な外見から、1926年に Diplococcus pneumoniae (肺炎双球菌)と呼ばれるようになった。液体培地内で鎖状の増殖を呈することから、1974年に Streptococcus pneumoniae (肺炎レンサ球菌)と改称された。
構造[編集]
グラム陽性の双球菌で、学名は Streptococcus pneumoniae。医学分野では単純化して Pneumococcus とも呼ばれるが、これは正式な学名ではない。通常の血液寒天培地に発育し、α溶血性を示す。コロニーは自己融解のために中央がくぼんだ特徴的な形状である。肺炎、敗血症、髄膜炎などの起炎菌となる強毒菌であるが、特に乳幼児などでは鼻咽頭にも常在している。
菌体表面に莢膜と呼ばれる多糖体を有する菌体構造を持ち、現在90種類以上分類されている。
臨床像[編集]
さまざまな疾病の起炎菌となりうるが、大きく分けて局所感染症と全身性(侵襲性)感染症に分けられる。
局所感染症[編集]
肺炎球菌は、その名のとおり気道の細菌性感染症の起炎菌として重要である。
- 肺炎
- 一般細菌としては(マイコプラズマやクラミジア、ウイルスを除けば)、市中肺炎の最大の起炎菌である。乳幼児ではインフルエンザ桿菌に次ぐ。また、乳幼児では全身性感染症の部分症状として肺炎が発症する場合がある。鉄錆色の喀痰を示すことで有名である。
- 急性中耳炎
- 特に乳幼児で問題になる。乳幼児は耳管が短いため、鼻咽頭に常在する肺炎球菌が耳管を通って中耳に侵入しやすい。こうなると発症してしまう場合がある。
全身性(侵襲性)感染症[編集]
血流中での肺炎球菌の生存を許している状態(敗血症)および、敗血症の合併症として発症する臓器・器官の感染症を呼ぶ。
乳幼児で多く見られ、細菌の進入経路としては鼻咽頭から血流中に直接進入すると考えられている。人体は肺炎球菌に対して特異的な防御抗体(クラス IgG2)を産生して全身性感染症を防いでいるが、乳幼児では肺炎球菌特異抗体の産生が不十分であるために全身性感染症をきたすと考えられている。
- 細菌性髄膜炎
- 肺炎球菌の全身性感染症として最も重篤なもの。死亡率数%、神経学的後遺症は1~2割の患者で発症するとされる。症状は発熱、頭痛、嘔吐、意識障害、痙攣など。症状の進行が極めて急速で、発症から24時間以内に死亡する場合もある(劇症型)。
- 播種性血管内凝固 (DIC)
- 肺炎球菌に限らず敗血症の合併症として重要。血液中の凝固因子が消費されるため、「凝固」という名を冠しているが症状は出血傾向である。血管内に微小血栓を作り、その微小血栓が各種臓器に塞栓症状をきたすと考えられている。結果、DICの状態が続くと多臓器不全に陥る。治療としては、蛋白分解酵素阻害薬(メシル酸ガベキサートなど)の投与、凝固因子の補充(新鮮凍結血漿輸血)などがある。
その他、化膿性骨髄炎、化膿性関節炎、蜂窩織炎などがみられる。
肺炎球菌肺炎に敗血症を伴うことは成人でも乳幼児でもみられるが、各種研究の結果、成人ではまず肺炎を発症し、重症化していく中で敗血症を合併すると考えられる一方で、乳幼児では鼻咽頭の肺炎球菌が血流中に侵入し、そこから播種性に肺炎をきたすものと考えられている。
治療[編集]
肺炎球菌による局所感染症と全身性感染症とでは、生命予後や機能予後(後遺症を残すかどうか)に大きな差がある。このため、治療戦略も異なってくる。
局所感染症[編集]
局所感染症の場合、治療の第1選択はペニシリン系抗生物質である。セフェム系も有効だが、気道への移行がペニシリン系に比べると悪く、またセフェム系は1種類のペニシリン結合蛋白にしか結合できないため、耐性が獲得されやすいという問題がある。近年ペニシリン耐性(実際にはむしろ、セフェムに対する耐性が強い)肺炎球菌が問題になるにあたって、肺炎球菌局所感染症に対するペニシリンの投与が見直されている。
乳幼児の急性中耳炎に対しては経口の新世代セフェム(セフジトレン・ピボキシル、セフカペン・ピボキシルなど)の投与が一般的になっていたが、上記のような観点からペニシリン系+β-ラクタマーゼ阻害剤合剤のアモキシシリン・クラブラン酸(AMPC/CVA, 商品名オーグメンチン、クラバモックス)の使用が推奨されるようになった。
(肺炎球菌にβ-ラクタマーゼ産生菌はないが、乳幼児の中耳炎の起炎菌として重要なもう一つの菌、インフルエンザ桿菌にはβ-ラクタマーゼ産生菌が少なからず存在するため、アモキシシリン単剤ではなくクラブラン酸との合剤が推奨されている)
全身性感染症[編集]
全身性感染症では治療の遅れが生命の危機をもたらす危険があるため、治療開始当初からペニシリン耐性肺炎球菌にも有効な抗菌薬を投与することが求められる。米国ではバンコマイシン(VCM)が推奨されているが、日本ではパニペネム・ベタミプロン(PAPM/BP)などカルバペネム系抗生物質が第一選択とされる場合が多い。感受性判明後、可能であればより抗菌スペクトラムの狭い抗菌薬(ペニシリン系など)に変更する。
予防[編集]
ワクチンが有効であり、成人用と小児用の2種類が存在する。
- 成人用肺炎球菌ワクチン:ニューモバックスNP® Pneumovax NP(万有製薬)
- 23価不活化ワクチン(肺炎球菌莢膜血清型ポリサッカライドを含む肺炎球菌ワクチン)で、接種回数は1回。製造元によると80種程度ある肺炎球菌のうち、症例の8割をカバーする23種に対する免疫を獲得できるという。ワクチンの効果は接種から5年とされているが、一度接種すると次に接種する際に接種部位に発赤、腫脹、腕の痛みなど副作用があり、2年以内に再接種すると強い反応を示す[1]としているため、「再接種の必要性を慎重に考慮した上で、前回接種から十分な間隔を確保して行うこと」としている。なお、保険給付の対象は「2歳以上の脾摘患者における肺炎球菌による感染症の発症予防」の目的で使用した場合のみ[2]。
- 小児用肺炎球菌ワクチン:プレベナー® Prevenar PCV7
- 2010年2月に、日本で沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体)が市販され、細菌性髄膜炎などの肺炎球菌感染症を予防する目的で、乳幼児への接種が可能となった。対象は生後2カ月~10歳未満。標準接種回数は4回、1回1万円前後。世界101の国・地域で承認されている。日本は任意接種だが世界保健機関(WHO)は定期接種化すべきだと勧告している[3]。
遺伝学への貢献[編集]
この菌はまた、遺伝学において重要な役割を担ったことでもよく知られている。
1928年、フレデリック・グリフィスはこの菌のうち莢膜をもち滑らかなコロニーを形成するS型菌(病原性がある)を加熱殺菌し、莢膜をもたずしわのあるコロニーを形成するR型菌(病原性がない)と混ぜてネズミに注射するとネズミが発病し、体内にS型菌が生ずることを発見した(グリフィスの実験)。オズワルド・アベリーは後にこの現象を形質転換と名づけ、また、この肺炎双球菌に肺炎を起こすS型病原性菌と、肺炎を起こさないR型とがある性質を利用して、形質転換を起こす物質がDNAであることを1944年に実施した実験から導いた。このことは遺伝子の本体がDNAであることを強く示唆するものであったから、それ以降の研究の方向に極めて大きな影響を与えた。
関連項目[編集]
脚注[編集]
- ^ Recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP), CDC. “Prevention of Pneumococcal Disease”. 2010年2月24日閲覧。
- ^ 万有製薬. “ニューモバックス®NP FAQ”. 2010年2月24日閲覧。
- ^ ワイス株式会社. “子どもと肺炎球菌.jp”. 2010年2月24日閲覧。
外部リンク[編集]
|
ウィキメディア・コモンズには、肺炎レンサ球菌に関連するカテゴリがあります。 |
- 肺炎球菌の話(一般社団法人日本ワクチン産業協会)
- 肺炎球菌感染症について(横浜市衛生研究所)
- 肺炎球菌疫学プロジェクト(PneumoNetOkinawa) 2007年12月に沖縄全県の小児科病院で始まった肺炎球菌疾患の疫学調査。北海道の道東地域でも同様の調査が開始した。
|
気道感染 |
|
| 上気道 |
|
風邪
|
ライノウイルス - アデノウイルス - パラインフルエンザウイルス - RSウイルス - コロナウイルス - エコーウイルス - エンテロウイルス
|
|
|
喉頭炎
|
急性喉頭蓋炎 - クループ
|
|
|
咽頭炎
|
|
|
| 下気道 |
急性細気管支炎
|
|
| 肺炎 |
|
原因
|
|
定型肺炎
|
|
グラム陽性
|
肺炎球菌 - 黄色ブドウ球菌
|
|
|
グラム陰性
|
肺炎桿菌 - インフルエンザ菌 - モラクセラ - 大腸菌 - 緑膿菌
|
|
|
|
非定型肺炎
|
|
ウイルス性
|
RSウイルス - インフルエンザ肺炎 - 重症急性呼吸器症候群
|
|
|
肺真菌症
|
ニューモシスチス肺炎 - クリプトコッカス症 - アスペルギルス症
|
|
|
レジオネラ菌 - マイコプラズマ - クラミジア肺炎 - オウム病
|
|
|
|
抗酸菌症
|
結核 - 非結核性抗酸菌症
|
|
|
|
機序
|
市中肺炎 - 院内肺炎 - 誤嚥性肺炎
|
|
|
病態
|
|
肺胞性肺炎
|
大葉性肺炎 - 気管支肺炎
|
|
|
化膿性肺炎
|
|
|
|
| 胸壁 |
膿胸
|
|
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 小児科領域における研究と治療の進歩(10)小児の予防接種
- 鈴木 葉子
- 東京女子医科大学雑誌 81(5), 345-348, 2011-10-25
- … 最近使用可能となったヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、およびヒトパピローマウイルスワクチンを中心に、現在のワクチンスケジュールについて解説する。 … , 肺炎球菌ワクチンとしては7価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV7)が導入されており、抗原として4,6B,9V,14,18C,19F,23Fの7つの血清型が含まれている。 …
- NAID 110008672486
- 誰にでも継続して行える市中病院小児科での臨床研究 : 肺炎球菌・Hib の監視とRSV細気管支炎の評価・治療
- 藤崎 竜一,梶野 秀雄,阿部 浩一郎,石川 秀一,矢野 弘史,古賀 一郎,西谷 肇,太田 康男,寺本 民生
- 日本内科学会雑誌 100(5), 1379-1381, 2011-05-10
- NAID 10029097278
Related Links
- 肺炎球菌.jp。いま、もう一度知っておきたい、ワクチンのこと.
- 肺炎球菌感染症には、後遺症を残したり、子どもたちの命を損ないかねない病気も あります。肺炎球菌について理解を深めてください。
Related Pictures





Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ニューモバックスNP
組成
製法の概要
- 本剤は、肺炎球菌中で高頻度にみられる下記23種類の莢膜型の肺炎球菌を型別に培養・増殖し、殺菌後に各々の型から抽出、精製した莢膜ポリサッカライドを混合した液剤である。なお、本剤は肺炎球菌の莢膜由来成分からなる不活化ワクチンである。また、種菌を調製する前段階でウシ由来成分 (ヘミン) を使用し、製造工程に用いる酵素の製造にウシの乳由来成分 (カザミノ酸) を使用している。
組成
有効成分の名称
容量
含量:1バイアル中
- 次の23種類の肺炎球菌の莢膜中に存在するポリサッカライドを各型あたり25μgずつ (総計575μg) 含有する。
肺炎球菌莢膜型 (デンマーク式命名法):
1、2、3、4、5、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、19A、19F、20、22F、23F、33F
添加物
- フェノール 1.25mg、塩化ナトリウム 4.5mg
禁忌
(予防接種を受けることが適当でない者)
- 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には、接種を行ってはならない。
- 2歳未満の者では、含有される莢膜型抗原の一部に対して十分応答しないことが知られており、また本剤の安全性も確立していないので投与しないこと。
- 明らかな発熱を呈している者
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
- 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
- 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者
効能または効果
投与対象
- 2歳以上で肺炎球菌による重篤疾患に罹患する危険が高い次のような個人及び患者
- 脾摘患者における肺炎球菌による感染症の発症予防
- 肺炎球菌による感染症の予防
- 鎌状赤血球疾患、あるいはその他の原因で脾機能不全である患者
- 心・呼吸器の慢性疾患、腎不全、肝機能障害、糖尿病、慢性髄液漏等の基礎疾患のある患者
- 高齢者
- 免疫抑制作用を有する治療が予定されている者で治療開始まで少なくとも14日以上の余裕のある患者
他のワクチン製剤との接種間隔
- 生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上、また他の不活化ワクチンの接種を受けた者は、通常、6日以上間隔を置いて本剤を接種すること。ただし、医師が必要と認めた場合には、同時に接種することができる (なお、本剤を他のワクチンと混合して接種してはならない)。
慎重投与
(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
- 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判定を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
- 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者
- 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
- 過去に痙攣の既往のある者
- 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
- 本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人〔「妊婦、産婦、授乳婦等への接種」の項参照〕
- 過去に、多価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチンを接種されたことのある者〔「重要な基本的注意」の項参照〕
重大な副作用
アナフィラキシー様反応(頻度不明)注)†
- 呼吸困難、血管浮腫、蕁麻疹、発汗等があらわれることがあるので、接種後は観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
血小板減少(頻度不明)注)†
- 小康期にある特発性血小板減少性紫斑病患者において血小板減少の再燃がみられたことが報告されているので、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
知覚異常、ギランバレー症候群等の急性神経根障害(頻度不明)注)†
- 知覚異常、ギランバレー症候群等の急性神経根障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
蜂巣炎・蜂巣炎様反応(いずれも頻度不明)注)†
- 本剤接種後、一過性の主として注射部位を中心とした蜂巣炎・蜂巣炎様反応 (発赤、腫脹、疼痛、発熱等) があらわれることがあるので、このような症状が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 肺炎球菌は、その莢膜によって体内での食菌作用から保護されており、肺炎球菌莢膜の構成成分であるポリサッカライド (多糖体) に対する抗体が菌体莢膜と結合すると、食菌作用が著しく増強され、菌は貪食される。
本剤は抗原として23種類の肺炎球菌莢膜血清型ポリサッカライドを含む肺炎球菌ワクチンであり、本剤を接種することにより23種類の肺炎球菌莢膜血清型ポリサッカライドに対する抗体価が上昇し、感染防御能を増強すると考えられる9)。
一般に、莢膜血清型特異的防御抗体レベルの上昇は、ワクチン接種後第3週までに生じる10)。
細菌莢膜血清型ポリサッカライドは、主にT細胞非依存性メカニズムによって抗体を誘発する。そのため、ほとんどの肺炎球菌莢膜血清型に対する抗体応答は、免疫系が未熟な2歳未満の幼児では一般に乏しいか又は不安定である10)。23価肺炎球菌ワクチンを用いた臨床試験により、これらの莢膜血清型に対する免疫原性が示された。また、12価、14価及び23価の肺炎球菌ワクチンを2歳以上の小児及び成人に投与した臨床試験により、これらの莢膜血清型に対する免疫原性が示された1)、3)、11)、12)。
★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、61~63の問いに答えよ。
- 72歳の男性。発熱と全身の倦怠感を主訴に来院した。
- 現病歴:2か月前に37℃台の発熱があり、かかりつけ医から抗菌薬を処方された。7日後に解熱したが、倦怠感と食欲低下は持続していた。10日前から38℃台の発熱があり、再度かかりつけ医を受診した。抗菌薬と解熱薬とを処方されたが、発熱と倦怠感が持続するため受診した。
- 既往歴:高血圧症と糖尿病で内服治療中。
- 生活歴:一人暮らし。無職。喫煙は20本/日を50年間。飲酒はビール1,000~1,500mL/日を50年間。
- 家族歴:父親が胃癌で死亡。母親が大腸癌で死亡。
- 現症:意識は清明。身長 182cm、体重 90kg。体温 38.0℃。脈拍 108/分、整。血圧 138/80mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 96%(room air)。皮膚は乾燥している。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内は乾燥が著明である。頸静脈の怒張を認めない。表在リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸蠕動音は正常。肋骨脊柱角に叩打痛を認めない。下腿に浮腫を認めない。神経学的所見に異常を認めない。
- 検査所見:尿所見:蛋白1+、糖3+、ケトン体1+、潜血(-)、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 440万、Hb 15.1g/dL、Ht 44%、白血球 14,500(桿状核好中球2%、分葉核好中球 88%、好酸球 0%、好塩基球 0%、単球 4%、リンパ球 6%)、血小板 32万、PT 87%(基準 80~120)。血液生化学所見:総蛋白 7.1g/dL、アルブミン 3.5g/dL、総ビリルビン 0.5mg/dL、直接ビリルビン 0.2mg/dL、AST 57IU/L、ALT 43IU/L、LD 355IU/L(基準 176~353)、ALP 349IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 109IU/L(基準 8~50)、アミラーゼ 38IU/L(基準 37~160)、CK 76IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 38mg/dL、クレアチニン 1.1mg/dL、尿酸 9.0mg/dL、血糖 284mg/dL、HbA1c 9.6%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 174mg/dL、トリグリセリド 179mg/dL、Na 135mEq/L、K 4.9mEq/L、Cl 105mEq/L。CRP 11mg/dL。心電図で洞性頻脈を認める。胸部エックス線写真で異常を認めない。
- その後の経過:精査のため入院とし、腹部超音波検査で肝膿瘍を認めた。超音波ガイド下膿瘍穿刺吸引検査を行い、採取した穿刺液を培養検査に提出し、抗菌薬の投与を開始した。培養検査ではGram陽性球菌が検出された。
- 原因菌として可能性が高いのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [110E060]←[国試_110]→[110E062]
[★]
- 次の文を読み、53~55の問いに答えよ。
- 81歳の男性。発熱を主訴に来院した。
- 現病歴:5日前から37℃台の発熱が出現し、3日前から腰痛が出現した。腰痛は鈍痛で、運動時と安静時ともに自覚していた。自宅で様子をみていたが改善しないため受診した。
- 既往歴:61歳から糖尿病のため内服加療中。
- 家族歴:父親が胃癌。母親が大腸癌。
- 生活歴:妻との2人暮らし。海外渡航歴はない。
- 現症:意識は清明。身長165cm、体重57kg。体温38.2℃。脈拍96/分、整。血圧 138/80mmHg。呼吸数 22/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腰部正中に叩打痛を認める。足背動脈の触知は良好で左右差を認めない。下腿に浮腫を認めない。神経学的所見に異常を認めない。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ケトン体1+、潜血(-)、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 476万、Hb 12.9g/dL、Ht 40%、白血球 13,300(桿状核好中球 32%、分葉核好中球 54%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 2%、リンパ球 10%)、血小板 43万。血液生化学所見:総蛋白 7.5g/dL、アルブミン 3.8g/dL、総ビリルビン 0.9mg/dL、直接ビリルビン 0.3mg/dL、AST 30IU/L、ALT 28IU/L、LD 170IU/L(基準 176~353)、ALP 402IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 49IU/L(基準 8~50)、アミラーゼ 121IU/L(基準 37~160)、CK 58IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 19mg/dL、クレアチニン 1.0mg/dL、尿酸 7.1mg/dL、血糖 148mg/dL、HbA1c 8.5%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 199mg/dL、トリグリセリド 180mg/dL、Na 130mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 98mEq/L。CRP 3.2mg/dL。動脈血ガス分析(room air):pH 7.37、PaCO2 36Torr、PaO2 98Torr、HCO3- 20mEq/L。12誘導心電図で異常を認めない。胸部エックス線写真に異常を認めない。腹部CTに異常を認めない。腰部MRI(別冊No. 7A、B)を別に示す。
- 4時間後、検査室から血液検体でGram陽性球菌が検出されたとの報告があった。
- 原因菌として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109B054]←[国試_109]→[109B056]
[★]
- 18歳の男性。発熱、嘔吐および下痢を主訴に来院した。1週前に自宅で熱湯により、前腕に水疱を伴う熱傷を負った。自宅近くの診療所で軟膏を処方され様子をみていたが、本日になり発熱、嘔吐および褐色でやや粘度のある下痢が出現したため、家族に付き添われて受診した。意識レベルはJCS Ⅰ-2。身長 165cm、体重 56kg。体温 39.0℃。脈拍数 112/分、整。血圧 80/40mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 99%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。全身に紅斑を認める。熱傷部はびらんとなっている。血液所見:赤血球 420万、Hb 13.2g/dL、Ht 42%、網赤血球 1.2%、白血球 9,300(桿状核好中球 30%、分葉核好中球 45%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 6%、リンパ球 17%)、血小板 25万。血液生化学所見:総蛋白 7.5g/dL、アルブミン3.9g/dL、総ビリルビン 0.8mg/dL、AST 28U/L、ALT 18U/L、LD 178U/L(基準 120~245)、ALP 120U/L(基準 115~359)、γ-GT 9U/L(基準 8~50)、CK 46U/L(基準 30~140)、尿素窒素 40mg/dL、クレアチニン 1.2mg/dL、Na 131mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 97mEq/L。CRP 4.4mg/dL。
- 原因微生物として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114A023]←[国試_114]→[114A025]
[★]
- 2歳の男児の予防接種歴を記載した証明書を以下に示す。
IMMUNIZATION RECORD
Date: 9 Feb. 2020
Name: Taro Kosei
Date of Birth: 17 Jan. 2018
| Type of Immunization
|
Lot.No.
|
Date of Vaccination
|
| Haemophilus influenzae type b 1st
|
Hib123
|
20 Mar. 2018
|
| Haemophilus influenzae type b 2nd
|
Hib234
|
20 Apr. 2018
|
| Haemophilus influenzae type b 3rd
|
Hib345
|
20 May. 2018
|
| Haemophilus influenzae type b 4th
|
Hib456
|
20 Jan. 2019
|
| Pneumococcal 1st
|
P123
|
20 Mar. 2018
|
| Pneumococcal 2nd
|
P234
|
20 Apr. 2018
|
| Pneumococcal 3rd
|
P345
|
20 May. 2018
|
| Pneumococcal 4th
|
P456
|
20 Jan. 2019
|
| Hepatitis B Virus 1st
|
HB123
|
20 Mar. 2018
|
| Hepatitis B Virus 2nd
|
HB234
|
20 Apr. 2018
|
| Hepatitis B Virus 3rd
|
HB345
|
20 Aug. 2018
|
| DPT-IPV※ 1st
|
D123
|
20 Apr. 2018
|
| DPT-IPV※ 2nd
|
D234
|
20 May. 2018
|
| DPT-IPV※ 3rd
|
D345
|
20 Aug. 2018
|
| DPT-IPV※ 4th
|
D456
|
20 Jan. 2019
|
| BCG
|
B123
|
20 Jun. 2018
|
| Measles, Rubella 1st
|
M123
|
20 Jan. 2019
|
| Measles, Rubella 2nd
|
ー
|
ー
|
| Varicella 1st
|
V123
|
20 Jan. 2019
|
| Varicella 2nd
|
V234
|
20 Nov. 2019
|
※DPT-IPV: Diphtheria, Pertussis, Tetanus, Polio
[正答]
※国試ナビ4※ [114F021]←[国試_114]→[114F023]
[★]
- 46歳の男性。発熱と咳嗽とを主訴に来院した。
- 2か月前から労作時息切れと咳嗽とが出現していた。3週間の海外出張にでかけ、帰国後すぐに発熱し、39℃台の発熱が3日間持続した。次第に咳嗽と呼吸困難とが増強した。
- 10年以上頻回に海外出張に行っている。意識は清明。呼吸数30/分。脈拍112/分、整。血圧128/74mmHg。胸部聴診で異常を認めない。
- 血液所見:赤血球460万、Hb15.6g/dl、Ht50%、白血球3,500。血清生化学所見:AST36単位(基準40以下)、ALT32単位(基準35以下)。CRP8.6 mg/dl (基準0.3以下)、β-Dグルカン360 pg/ml(基準20以下)。
- 動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH7.44、PaO2 60Torr、PaCO2 36Torr。
- 入院時の胸部エックス線写真と治療前の喀痰塗抹Grocott染色標本とを以下に示す。
- 考えられる病原体はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098D010]←[国試_098]→[098D012]
[★]
- 11か月の乳児。皮膚の発赤とびらんとを主訴に来院した。10日前から顔面に皮疹を認めていた。皮疹は次第に全身に拡大し、びらんを伴うようになった。37.8℃の発熱を認めたが機嫌は良く、食欲も低下しなかった。全身状態は良好。眼球結膜と口腔粘膜とにびらんと出血とを認めない。顔面、前頸部、肘窩、膝窩、鼠径部および陰部にびらんを伴う広範な発赤を認める。血液所見:赤血球416万、Hb12.8g/dl、Ht 39%、白血球11,200、血小板22万。CRP 0.3mg/dl。来院時の顔面の写真(別冊No.18)を別に示す。
- この疾患の原因となる病原体はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107A044]←[国試_107]→[107A046]
[★]
- 生後 8日の新生児。哺乳量の低下と発熱とを主訴に母親に連れられて来院した。3,000gにて出生。昨日から哺乳量の低下があり、本日 38℃の発熱を認めた。顔色不良で大泉門は膨隆し、易刺激性があった。血液所見:赤血球 412万、 Hb 12.1 g/dl、 Ht 36%、白血球 25,000(桿状核好中球 15%、分葉核好中球 65%、単球 10%、リンパ球 10% )、血小板 15万。血液生化学所見:血糖 98 mg/dl、Na 136 mEq/l、K 4.5mEq/l、Cl 100 mEq/l。CRP 8.9 mg/dl。脳脊髄液所見:細胞数 4,200/mm3(基準 0~ 2)(単核球 22%、多形核球 78% )、蛋白 80 mg/dl(基準 15~45)、糖 5 mg/dl(基準 50~75)。
- 原因菌として考えられるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [108D049]←[国試_108]→[108D051]
[★]
- 76歳の男性。発熱を主訴に来院した。10年前から慢性閉塞性肺疾患のため抗コリン薬とβ2刺激薬とを吸入している。喫煙は20本/日を46年間。3日前から発熱、咳嗽および膿性痰が出現したため受診した。意識は清明。体温 38.5℃。脈拍 108/分、整。血圧 102/62mmHg。呼吸数 24/分。両側の胸部に軽度のwheezesを聴取する。白血球 8,200(桿状核好中球4%、分葉核好中球 84%、単球2 %、リンパ球 10%)。CRP 7.3mg/dL。胸部エックス線写真(別冊No. 1A)と喀痰のGram染色標本(別冊No. 1B)とを別に示す。原因菌はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110D021]←[国試_110]→[110D023]
[★]
- 62歳の男性。3か月前からの体重減少、夜間の発汗および咳嗽を主訴に来院した。喫煙は50本/日を40年間。飲酒は日本酒5台/日を40年間。路上生活の経験がある。意識は清明。身長175cm、体重40kg。体温37.8℃。呼吸数24/分。脈拍104/分、整。血圧140/86mmHg。聴診で胸部全体にrhonchi(いびき様音)を聴取する。胸部エックス線写真で両上肺野に浸潤影と空洞を伴う辺縁不整な結節影とを認める。喀痰のGram染色で多数の白血球を認めるが、細菌は認めない。
- 考えられる起炎菌はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104H020]←[国試_104]→[104H022]
[★]
- 29歳の女性。1週前からの発熱と咳とを主訴に来院した。前医での胸部エックス線撮影で肺炎と診断され、セフェム系抗菌薬を4日間投与されたが解熱せず、肺野の浸潤影も悪化した。紹介状によれば喀痰培養では正常菌叢であった。体温39.2℃。呼吸数20/分。脈拍94/分、整。血圧106/64mmHg。血液所見:赤血球420万、白血球8,000。血清総蛋白7.0 g/dl。CRP7.0mg/dl(基準0.3以下)。可能性の高い起因菌はどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096D056]←[国試_096]→[096D058]
[★]
- 68歳の男性。脳梗塞で入院中に発熱と咳嗽とが出現した。膿性痰を認め、右上肺野にcoarse crackles(水泡音)を聴取する。体温38.9℃。呼吸数20/分。脈拍96/分、整。血液所見:白血球13,600(好中球86%、単球2%、リンパ球12%)。喀痰のGram染色像を以下に示す。
- 起因菌と推定されるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097A056]←[国試_097]→[097A058]
[★]
- 7歳の男児。発熱と耳痛とを主訴に来院した。昨日から左耳痛を訴えていたが、夕方から39.0℃の発熱を認め、耳痛が増悪したため救急外来を受診した。鼓膜の写真を以下に示す。起因菌として考えられるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [102A040]←[国試_102]→[102A042]
[★]
- 小児期からの増悪と寛解を繰り返す耳漏を主訴に受診した患者の左鼓膜写真(別冊No. 1)を別に示す。
- この疾患で、耳漏の細菌検査で同定される可能性が最も高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112D002]←[国試_112]→[112D004]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100G017]←[国試_100]→[100G019]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104G027]←[国試_104]→[104G029]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102B023]←[国試_102]→[102B025]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102C007]←[国試_102]→[102C009]
[★]
- 青壮年期における細菌性髄膜炎の主要な原因菌はどれか。 2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [106I028]←[国試_106]→[106I030]
[★]
- 主に個人予防を目的としたB類疾病に含まれる定期予防接種の対象疾病はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [114C026]←[国試_114]→[114C028]
[★]
- 市中肺炎の病原微生物でセフェム抗菌薬が有効でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095A057]←[国試_095]→[095A059]
[★]
- 英
- bacterium,(pl.) bacteria
- 同
- バクテリア
- 関
- 特殊な細菌 、細菌の鑑別、細菌の同定?、細菌の分類?
細菌の命名
- ラテン語であり、イタリックで表す。
- 「属名 + 種名」で表現される。
グラム染色性と形状による分類と疾患
[★]
- 英
- meningitis
- 同
- 脳脊髄膜炎、
- 関
- 蛋白細胞解離
病因
- 感染症(細菌、ウイルス、真菌など)、悪性腫瘍の浸潤 → 髄膜の炎症
分類
病原体
- 菌血症→脳脈絡叢→髄腔
- 菌体成分(LPSなど)→BBB, 上衣細胞、脳細胞の障害。神経膠細胞による炎症サイトカインの分泌
- 血行性、あるいは神経軸索によりウイルスが髄腔に波及。
臨床経過
宿主要因と髄膜炎に関わる病原体
- 頻度・年齢階層が資料によって異なるため混乱しないように注意。
YN.J-137改変
first aid step1 2006 p.161
- incidence of H. influenzae meningitis has ↓ greatly with introduction of H. influenzae vaccine in last 10–15 years.
CBT QB vol2 p.562
IMD.1042
小児細菌性髄膜炎起炎菌(PED.606)
新生児
- Streptococcus agalactiaeは産道感染
- Escherichia coliもおそらく産道感染
新生児と老人
- Listeria monocytogenesは産道感染するので新生児に多い。新生児と老人に多いのは通性細胞内寄生菌で細胞性免疫の弱い宿主に感染やすいため?
乳児~幼児
- Haemophilus influenzae type B
乳児~大人
- Enteroviruses
- Neisseria meningitidis
小児~大人
乳児~老人
老人
髄膜炎の鑑別
|
|
細菌性髄膜炎
|
ウイルス性髄膜炎
|
結核性髄膜炎
|
真菌性髄膜炎
|
癌性髄膜炎
|
| 外観
|
混濁
|
clear
|
水様~ キサントクロミー 日光微塵
|
clear~ 日光微塵
|
clear~ キサントクロミー
|
圧 70-180 (mmH2O)
|
↑↑ 200~800以上
|
↑ 200~300
|
↑ 200~800
|
↑ 200~800
|
↑ 200~300
|
細胞 0-5 (/mm3)
|
500~数百万
|
10~1,000
|
25~1,000
|
25~1,000
|
25~500
|
| 好中球
|
リンパ球
|
リンパ球
|
リンパ球
|
好中球
|
タンパク 15-45 mg/dl
|
↑↑ 50~1,500
|
↑ 正常~100
|
↑ 50~500
|
↑ 100~500
|
↑ 50~500
|
糖 50-80 mg/dl
|
↓↓ 0~40
|
→ 正常
|
↓↓ ~40
|
↓↓ ~40
|
↓ ~40
|
予後不良因子
- 入院時の状態に依存する:痙攣、意識レベルの変化、低血圧 (IRE.407)
国試
[★]
- 英
- antibacterial drug, antibacterial
- 関
- 抗生剤、薬理学、抗菌薬一覧、抗細菌薬
- first aid step 1 2006 p.165
定義
- 細菌/微生物に静菌作用、殺菌作用を示す物質。結果として、人において病原性を除去する目的で使用される。
- このうち、微生物によって産生される物質を抗生物質と呼ぶ
作用機序による分類
- first aid step 1 2006 p.165
|
|
Mechanism of action
|
Drugs
|
| 1
|
Block cell wall synthesis by inhibition of peptidoglycan cross-linking
|
penicillin, ampicillin, ticarcillin, piperacillin, imipenem, aztreonam, cephalosporins
|
| 2
|
Block peptidoglycan synthesis
|
bacitracin, vancomycin, cycloserine
|
| 3
|
Disrupt bacterial/fungal cell membranes
|
polymyxins
|
| 4
|
Disrupt fungal cell membranes
|
amphotericin B, nystatin, fluconazole/azoles
|
| 5
|
Block nucleotide synthesis
|
sulfonamides, trimethoprim
|
| 6
|
Block DNA topoisomerases
|
quinolones
|
| 7
|
Block mRNA synthesis
|
rifampin
|
| 8
|
Block protein synthesis at 50S ribosomal subunit
|
chloramphenicol, erythromycin/macrolides, lincomycin, clindamycin, streptogramins (quinupristin, dalfopristin), linezolid
|
| 9
|
Block protein synthesis at 30S ribosomal subunit
|
aminoglycosides, tetracyclines, spectinomycin ATuSi → あつし
|
薬物動態
- 濃度依存性:アミノグリコシド系抗菌薬、ニューロキノロン系抗菌薬
- 時間依存性:βラクタム系抗菌薬
治療期間
小児
- 尾内一信 ; 第 39 回日本小児感染症学会教育講演 2 小児感染症の抗菌薬療法 -耐性菌時代の適正使用-
| 感染臓器・臨床診断
|
原因菌
|
投与期間(抗菌薬)
|
| 髄膜炎
|
インフルエンザ菌
|
7-10日
|
| 肺炎球菌
|
10-14日
|
| 髄膜炎菌
|
7-10日
|
| GBS,腸内細菌,リステリア
|
21日
|
| 中耳炎
|
<2 歳
|
10日
|
| 2 歳≦
|
5-7日
|
| 咽頭炎
|
A 群連鎖球菌
|
10日(ペニシリン系薬)
|
| 5日(セフェム系薬)
|
| 肺炎
|
肺炎球菌,インフルエンザ菌
|
解熱後3-4日
|
| 黄色ブドウ球菌
|
3-4週間
|
| マイコプラズマ,クラミジア
|
10-21日
|
| 腎臓、膀胱炎、腎盂腎炎
|
大腸菌,プロテウス,腸球菌
|
3日
|
| 14日
|
| 骨髄炎
|
黄色ブドウ球菌
|
21日
|
| 連鎖球菌,インフルエンザ菌
|
14日
|
主要な感染症の抗菌薬投与期間
- 感染レジマニュ p.27
ソース不明
妊婦に避けるべき抗菌薬
- Antibiotics to avoid in pregnancy
- Sulfonamides––kernicterus.
- Aminoglycosides––ototoxicity.
- Fluoroquinolones––cartilage damage.
- Erythromycin––acute cholestatic hepatitis in mom
- (and clarithromycin––embryotoxic).
- Metronidazole––mutagenesis.
- Tetracyclines––discolored teeth, inhibition of bone growth.
- Ribavirin (antiviral)––teratogenic.
- Griseofulvin (antifungal)––teratogenic.
- Chloramphenicol––“gray baby.”
- SAFE Moms Take Really Good Care.
使っても良い
- YN.H-24
参考
- まとまっていてよい
- http://www.antibiotic-books.jp
[★]
- 英
- vaccine
- 関
- 予防接種 immunization、感染症、感染症予防法、シードロット・システム。immunization
種類
副反応
風疹ワクチン
おたふくかぜワクチン
- 2-3週間後、まれに、発熱、耳下腺腫脹、咳、鼻水
- MMRの際に無菌性髄膜炎が数千人に一人
- 髄膜炎の症状:発熱、頭痛、嘔吐
学校伝染病、予防接種、ワクチン (学校伝染病、予防接種、ワクチン.xls)
日本で使われているワクチン
その他マイナーなワクチン
- 1ヶ月に1回、6ヶ月続けて。
- 適応は低体重児と免疫不全児だった気がする
接種間隔
参考
- 1. 国立感染症研究所 感染症情報センター:予防接種のページ
- http://idsc.nih.go.jp/vaccine/vaccine-j.html
- 2. 日本で接種可能なワクチンの種類 - 国立感染症研究所
- http://idsc.nih.go.jp/vaccine/atopics/atpcs003.html
[★]
- 英
- resistant bacterium
- 同
- 薬剤耐性菌 drug resistance bacterium drug resistant bacterium
- 関
- 菌交代症、R因子
医療系の雑誌より(日経カデット11月?)
表1抗菌薬投与後に出現する可能性か高い耐性菌
表2主な耐性菌と治療薬