- 英
- risperidone
- 商
- リスパダール Risperdal
- 関
- 抗精神病薬、非定型抗精神病薬。精神神経用剤
- SDA serotonin dopamine antipsychotic
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/12/05 11:10:08」(JST)
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リスペリドン
|
IUPAC命名法による物質名 |
4-[2-[4-(6-fluorobenzo[d]isoxazol-3-yl)-
1-piperidyl]ethyl]-3-methyl-
2,6-diazabicyclo[4.4.0]deca-1,3-dien-5-one |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
B3(AU) C(US) |
法的規制 |
Prescription Only (S4) (AU) POM (UK) ℞-only (US) |
投与方法 |
経口、徐放性製剤の筋肉内注射 |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
70% (経口) |
代謝 |
肝臓 (CYP2D6-mediated) |
半減期 |
3–20 時間 |
排泄 |
尿 |
識別 |
CAS登録番号 |
106266-06-2 |
ATCコード |
N05AX08 |
PubChem |
CID 5073 |
DrugBank |
APRD00187 |
KEGG |
D00426 |
化学的データ |
化学式 |
C23H27FN4O2 |
分子量 |
410.485 g/mol |
SMILES
- Fc1ccc2c(onc2C2CCN(CC2) CCc2c(C)nc3CCCCn3c2=O)c1
|
リスペリドン(risperidone)は、ベルギーの製薬会社ヤンセンファーマが開発したセロトニン・ドーパミン拮抗薬(SDA)と呼ばれる種類の非定型抗精神病薬である。略称はRISまたはRPD。
目次
- 1 概要
- 2 種類
- 3 薬理
- 4 副作用
- 5 参考文献
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
概要[編集]
従来の抗精神病薬は陰性症状(感情的引きこもり、情動鈍麻など)に対しては満足する効果が挙げられていない上、錐体外路系副作用が高頻度で発現する問題があった。選択的なセロトニン5-HT2受容体拮抗作用を示すリタンセリンと従来薬を併用したところ、これらの問題が改善されたり、弱まった。単一化合物で錐体外路系の副作用が少なく、陰性症状に対しても有効な新薬として1984年に合成されたのがリスペリドンである。 ドーパミンよりセロトニンに強く働きかける特徴をもつ。また、少量でも優れた効果を発揮し、強力な鎮静作用をもつ。
リスペリドンは精神全体の高ぶりを抑える作用がある。日本国内では1996年4月に統合失調症に用いる治療薬として承認されており、アメリカでは統合失調症に加え、躁病、自閉症においてもFDAから承認を受けている。ただし、適応外の処方が頻繁になされる薬剤であり、強い不安感や緊張感、睡眠障害、強迫性障害、引きこもりなど様々な精神症状に対して処方される。
薬価は1mg錠で1錠あたり40.90円と、他の非定型抗精神病薬より割安である(しかし持続性注射剤であるリスパダール・コンスタに限ると、その薬価は約23,000〜38,000円と極端に高額である)。また、薬価が更に安い多くのジェネリック医薬品が発売されている。第二世代抗精神病薬に分類される。
- 化学名:3-[2-[4-(6-fluoro-1,2-benzisoxazol-3-yl)piperidino]ethyl]-6,7,8,9-tetrahydro-2-methyl-4H-pyrido[1,2-a]pyrimidin-4-one
- 分子式:C23H27FN4O2
- 分子量:410.48 g/mol
種類[編集]
- リスパダール(ヤンセンファーマ)
- 錠剤:リスパダール®錠1mg, 2mg, 3mg
- 細粒剤:リスパダール®細粒1%
- 口腔内崩壊錠:リスパダール®OD錠,0.5mg,1mg,2mg
- 内用液:リスパダール®内用液0.5mL, 1mL, 2mL, 3mL(分封包装品),30mL, 100mL(瓶包装品)
- 持続性注射剤:リスパダール®・コンスタ 25 mg, 37.5 mg, 50 mg(バイアル)
他、ジェネリック医薬品多数。
薬理[編集]
脳の中枢に直接作用して、ドパミンD2受容体拮抗作用・セロトニン5-HT2受容体拮抗作用により統合失調症の陽性症状及び陰性症状を改善する作用がある。
副作用[編集]
強い副作用が有る為使用する際は十分に注意しなければならない。 発生する可能性のある主な副作用は、
- 錐体外路症状 アカシジア、不眠、便秘、めまい、立ちくらみ、尿が出にくい、口の渇き、動悸、体重増加、精液が出ない
- ふるえや意識がはっきりしない、眠気、倦怠感、鼻づまり
処方されたばかりは血圧低下による作用によって立ちくらみがよくある。
他にも、重い副作用として
悪性症候群では筋肉の引きつり、嚥下困難、頻脈、発汗、発熱などがある。従来の定型と呼ばれる抗精神病薬に比べ、悪性症候群やジスキネジア、錐体外路系症状は少ないとされている。
また併用に注意を要する薬剤がある。(飲み合わせ)
- パロキセチンとの併用で相互に効力を低下、血中濃度及び副作用を増加させるため併用は避ける必要がある。
- ドパミンアゴニスト(例:レボドパ、ビ・シフロール)との併用でドパミン拮抗作用の低下や前頭葉でのドパミン機能の不均衡により、場合によっては重篤な気分変調などを引き起こす可能性があるため併用には注意を要する。
参考文献[編集]
- 上田均・酒井明夫 『リスペリドンを使いこなす 症例を中心に』 星和書店 2004年。ISBN 4791105362
- 武内克也・酒井明夫 『リスペリドン内用液を使いこなす ―症例を中心に― 』 星和書店 2004年。ISBN 4791105516
- 医薬品インタビューフォーム 『リスパダール』 ヤンセンファーマ
関連項目[編集]
- パリペリドン - リスペリドンの派生品。
- ドーパミン受容体
- セロトニン受容体
外部リンク[編集]
|
ウィキメディア・コモンズには、リスペリドンに関連するメディアがあります。 |
- http://www.janssen.co.jp/inforest/public/home/ - ヤンセン ファーマ株式会社
抗精神病薬 (N05A) |
|
定型抗精神病薬 |
ブチロフェノン系: アザペロン Benperidol ブロムペリドール Droperidol Fluanisone ハロペリドール Lenperone Moperone ピパンペロン スピペロン Trifluperidol; Diphenylbutylpiperidines: Clopimozide Fluspirilene Penfluridol Pimozide; フェノチアジン系: アセプロマジン Acetophenazine Butaperazine Carphenazine Chlorproethazine クロルプロマジン Cyamemazine Dixyrazine フルフェナジン レボメプロマジン Mesoridazine Perazine プロペリシアジン ペルフェナジン Piperacetazine Pipotiazine Prochlorperazine プロマジン プロメタジン Propiomazine Sulforidazine Thiethylperazine Thiopropazate Thioproperazine Thioridazine Trifluoperazine Triflupromazine; Thioxanthenes: Chlorprothixene Clopenthixol Flupentixol Thiothixene Zuclopenthixol; Tricyclics: アモキサピン Butaclamol Carpipramine Loxapine Metitepine/Methiothepin Octoclothiepin; Others: Molindone Oxypertine Prothipendyl
|
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非定型抗精神病薬 |
Azapirones: ペロスピロン Tiospirone; ベンザミド系: Amisulpride Levosulpiride ネモナプリド Remoxipride スルピリド スルトプリド Tiapride Veralipride; Butyrophenones: Cinuperone Setoperone; Tricyclics: Asenapine Clotiapine クロザピン Fluperlapine Metitepine/Methiothepin モサプラミン オランザピン クエチアピン Tenilapine ゾテピン; Others: Amperozide アリピプラゾール Bifeprunox ブロナンセリン Cariprazine Iloperidone ルラシドン Ocaperidone パリペリドン Pardoprunox Pimavanserin リスペリドン Sertindole Ziprasidone
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Others |
Cannabidiol D-Cycloserine Mifepristone Reserpine Rimcazole Secretin Talnetant Tetrabenazine Vabicaserin
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Japanese Journal
- ADHD治療薬・抗不安薬・抗精神病薬 (特集 エキスパートが教える研修医のための薬の使いかた)
- 札幌近郊精神科病院における抗精神病薬使用の現状と後発医薬品採用時の薬剤師の関わり (特集 新規抗精神病薬の時代を迎えて)
- 統合失調症治療薬・抗精神病薬 (新薬展望2011) -- (治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉--新薬の広場)
Related Links
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- リスパダールとは?リスペリドンの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる (おくすり110番:薬事典版)
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
リスペリドンOD錠1mg「サワイ」
組成
- リスペリドンOD錠1mg「サワイ」:1錠中にリスペリドン1mgを含有する。
添加物として、アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)、クロスポビドン、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸Mg、ステビア抽出精製物、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、D-マンニトール、l-メントール、香料を含有する。
禁忌
- 昏睡状態の患者〔昏睡状態を悪化させるおそれがある。〕
- バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者〔中枢神経抑制作用が増強されることがある。〕
- アドレナリンを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
- 統合失調症
- 通常、成人にはリスペリドンとして1回1mg1日2回より始め、徐々に増量する。維持量は通常1日2?6mgを原則として1日2回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。但し、1日量は12mgをこえないこと。
- 本剤は口腔内で速やかに崩壊することから唾液のみ(水なし)でも服用可能である。また、本剤は口腔粘膜からの吸収により効果発現を期待する製剤ではないため、崩壊後は唾液又は水で飲み込むこと。
慎重投与
- 心・血管系疾患、低血圧、又はそれらの疑いのある患者〔一過性の血圧降下があらわれることがある。〕
- 不整脈の既往歴のある患者、先天性QT延長症候群の患者又はQT延長を起こすことが知られている薬剤を投与中の患者〔本剤の投与によりQTが延長する可能性がある。〕
- パーキンソン病又はレビー小体型認知症のある患者〔悪性症候群が起こりやすくなる。また、錐体外路症状の悪化に加えて、錯乱、意識レベルの低下、転倒を伴う体位不安定等の症状が発現するおそれがある。〕
- てんかん等の痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者〔痙攣閾値を低下させるおそれがある。〕
- 自殺企図の既往及び自殺念慮を有する患者〔症状を悪化させるおそれがある。〕
- 肝障害のある患者〔肝障害を悪化させるおそれがある。〕
- 腎障害のある患者〔本剤の半減期の延長及びAUCが増大することがある。〕
- 糖尿病又はその既往歴のある患者、あるいは糖尿病の家族歴、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者〔血糖値が上昇することがある(「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)。〕
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 小児(「小児等への投与」の項参照)
- 薬物過敏症の患者
- 脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者〔悪性症候群(Syndrome malin)が起こりやすい。〕
重大な副作用
- (頻度不明)
- 悪性症候群(Syndrome malin):無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎不全へと移行し、死亡することがある。
- 遅発性ジスキネジア:長期投与により、口周部等の不随意運動があらわれ、投与中止後も持続することがある。
- 麻痺性イレウス:腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、本剤は動物実験(イヌ)で制吐作用を有することから、悪心・嘔吐を不顕性化する可能性があるので注意すること。
- 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH):低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがある。
- 肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
- 不整脈:心房細動、心室性期外収縮等があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
- 脳血管障害:脳血管障害があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
- 高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡:高血糖や糖尿病の悪化があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡に至ることがある。口渇、多飲、多尿、頻尿等の症状の発現に注意するとともに、血糖値の測定を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、インスリン製剤の投与等の適切な処置を行うこと。(「慎重投与」、「重要な基本的注意」の項参照)
- 低血糖:低血糖があらわれることがあるので、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
- 無顆粒球症、白血球減少:無顆粒球症、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 肺塞栓症、深部静脈血栓症:抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
薬効薬理
- リスペリドンは、ドパミンD2受容体拮抗作用およびセロトニン5-HT2A受容体拮抗作用により統合失調症に効果を示すと考えられている。なお、各受容体に対する親和性は、D2受容体より5-HT2A受容体に対して高いとされる。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- 3-[2-[4-(6-Fluoro-1,2-benzisoxazol-3-yl)piperidino]ethyl]-6,7,8,9-tetrahydro-2-methyl-4H-pyrido[1,2-a]pyrimidin-4-one
分子式
分子量
融点
性状
- リスペリドンは白色?微黄白色の粉末である。酢酸(100)にやや溶けやすく、メタノール又はエタノール(95)にやや溶けにくく、2-ブタノンに溶けにくく、2-プロパノールに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、19~21の問いに答えよ。
- 22歳の男性。大学4年生。周囲からみて理解しがたい行動がみられるため両親に伴われて来院した。
- 現病歴 :両親と弟と同居している。1年程前から次第に寡黙になり、家族ともほとんど口をきかず、自室に閉じこもることが多くなった。大学へもほとんど行かなくなった。最近、まるで誰かと会話している調子でひとりごとを言うが、小声で、なんと言っているのか聞き取れない。時々ニヤニヤと笑ったりもするが、なぜ笑うのかと聞いても、別になんでもないと言う。窓を開けて外を見回し、誰も来ないのに「今、外にいたのは誰?」と家族に聞いたりする。数日前、突然家からいなくなり、2日後に戻ってきたが、どこにいたかは語らない。昨日、テレビのアンテナ線を工具で切断してしまった。
- 既往歴 : 喫煙と飲酒との習慣はない。特記すべき薬物の使用歴はない。
- 家族歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 表情は硬く、こちらの問いかけに関しては肯否について短い答えが返ってくるのみである。困っていることはないかと聞いても「別に」とぶっきらぼうに言う。
- 医師「だれかから命令が言葉で聞こえてきたりしたのですか?」
- 患者「うん」
- 医師「どこから聞こえたの?テレビから?」
- 患者「うん」
- 医師「それで聞こえてきた言葉のとおりにしたのですか?」
- 患者「うん」
- 医師「そういう命令をされるのは困りますか?」
- 患者「困る」
- 医師「テレビで自分の悪口を放送されていて、。不愉快でしたか?」
- 患者「うん」
- 神経学的検査には素直に応じるが、検査中もその場にふさわしくない笑いがみられる。神経学的所見に特記すべきことはない。血液と血清生化学所見とに異常を認めない。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [099I019]←[国試_099]→[099I021]
[★]
- 22歳の女性。不眠と、まとまらない言動とを心配した家族に伴われて来院した。3年前に母親を亡くした後に、まとまらない言動を示し、約1か月の入院加療で完全寛解に至り仕事に復帰した。その後、通院加療を受けていたが、1年前から通院を中断していた。10日前から友人と海外旅行に行ったが、不眠が続き何かにおびえているような態度を示すようになった。昨日、帰国後もおびえた様子で眠らず、とりとめのないことを呟き、急に攻撃的になったため受診した。診察時、質問に返答することはなく視線を合わせず黙り込んだかと思うと「今、真理をつかむために神と話し合っている。邪魔するな」と興奮状態となった。神経学的所見、血液所見、血液生化学所見、脳波所見および頭部単純CTに異常を認めない。
- 治療薬として最も適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109A022]←[国試_109]→[109A024]
[★]
- 20歳の男性。異常な言動を心配した両親に伴われて受診した。2年前に大学へ入学してからアパートで1人暮らしをしていた。1か月前に体調が優れないと言って実家に帰り、その後はほとんど自室に閉じこもって過ごしていた。1週前から「テレビで自分のことが毎日流れている」、「テレビの出演者が自分にだけわかるサインを送ってくる」、「周りの人が自分の悪口を言っている」と訴え、夜間に隣の家に向かって大声を出すなどの行動がみられるようになったという。このため両親に伴われ精神科を受診した。診察中は表情が乏しく、視線を合わせようとしない。問診に対しては小声で短く答える。大学入学以前は、発達上の問題や適応上の問題はなかった。血液検査、頭部MRI及び脳波検査に異常は認めない。
- 治療薬として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114D059]←[国試_114]→[114D061]
[★]
- 23歳の男性。行動の異常を心配した家族に連れられて来院した。6か月前に大学を卒業し就職した。3か月前から遅刻が目立つようになり、休みがちとなった。1か月前からは、1日中自室に閉じこもるようになった。1週前から誰かと話しているような独り言がみられ、さらに「誰かに見張られている」「数人が自分の悪口を言い合っている」とおびえるようになった。夜間眠らず、部屋の中を動き回るようになったため家族に連れられて受診した。意識は清明。神経学的所見に異常を認めない。血液生化学所見に異常を認めない。
- 治療薬として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110D043]←[国試_110]→[110D045]
[★]
- 78歳の女性。手指振戦と動作緩慢とを主訴に来院した。 1年前から手指の震えが出現し、次第に動作が緩慢になっていた。半年前から物忘れを自覚していた。 1か月前から、誰もいないのに「人が座っている」と訴えたり、「蛇がいる」と怖がったりするようになったため、 1週前にリスペリドンを少量投与したところ、四肢の[[筋強剛]と流涎とを認めるようになった。
- この疾患にみられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108A037]←[国試_108]→[108A039]
[★]
- 40歳の女性。「気分の上がり下がり」を主訴に夫とともに来院した。1年前の転居を機に気分が落ち込み、家事が全く手につかず寝込むようになった。家事を夫に任せて生活していたところ2か月前から回復し、この2週間は逆に気分が高揚して多弁で眠らない状態が続いているため受診した。話があちこちに飛び、まとまらない。「以前の調子の悪さが嘘のようで絶好調だ」という。身体所見に異常を認めない。
- 治療薬として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109D022]←[国試_109]→[109D024]
[★]
- 関
- 賦形剤
- 商
- ATP、dl-メチルエフェドリン塩酸塩、PL配合、アーチスト、アイデイト、アイデイトロール、アクタミン、アクトス、アクトネル、アコニンサン、アザニン、アスコルビン酸、アスゾール、アストモリジン配合、アスペノン、アスベリン、アセトアミノフェン、アテノート、アドリアシン、アトルバスタチン、アナストロゾール、アニスタジン、アプリトーン、アベマイド、アポプロン、アミサリン、アミプリン、アモペニキシン、アリーゼS配合、アリセプト、アリチア配合、アルフロシン、アレギサール、アレファリン、アレルギン、アロシトール、アロプリノール、アンブロン、イソパール・P配合、イダマイシン、イトプリド塩酸塩、イプリフラボン、イミダプリル塩酸塩、イミドール、イリコロンM配合、インヒベース、ウテメック、ウブテック、ウルサミック、ウルソ、ウルソトラン、ウルペティック、エイムゲン 、エースコール、エカテリシン、エクセラーゼ配合、エストリオール、エチゾラム、エチゾラン、エトドラク、エナラート、エナラプリルマレイン酸塩、エバスチン、エピカルスS配合、エピカルス配合、エビプロスタット配合、エフェドリン塩酸塩、エフォリン、エホチール、エリーテン、エルサメット配合、エレンタールP乳幼児用配合、エレンタール配合、エンセバック、エンテラーゼ配合、オーネスN配合、オーネスSP配合、オーネスST配合、オーネスSZ配合、オステン、おたふくかぜ生ワクチン、オフタルムK配合、カオルトーン、ガスイサン、ガスポート、カズマリン、ガスメット、ガスリック、ガスロンN、カプセーフ、ガモファー、カルスロット、カルタレチン、カルデナリン、カルバドゲン、カルベジロール、キョーリンAP2配合、クールスパン、クエチアピン、クバクロン、グペリース、クラリスロマイシン、グリクラジド、グリノラート、グリメピリド、クロポリジン、クロミッド、クロルフェニラミンマレイン酸塩、クロルプロマジン塩酸塩、グロント、ケイラーゼS 、ケトブン、ゲファルナート、ケルナック、ゴクミシン、コデインリン酸塩、コナン、コニール、コニプロス、コバステン、コバテンシン、コバマミド、コレキサミン、コレリット、コロキノン、コンスーン、コントール、コントミン、サアミオン、サニアーゼ配合、サラザック配合、サルポグレラート塩酸塩、ジアイナミックス、シェトラゾーナ、ジゴキシン、ジゴハン、ジソピラミド、ジヒドロコデインリン酸塩、ジピリダモール、ジフェニドール塩酸塩、シロスタゾール、シンベノン、シンレスタール、ストマルコン、スパクロミン、スパトニン、スピロノラクトン、ズファジラン、スルピリド、セエルカム、セチリジン塩酸塩、セドリーナ、セナプリド、セナプロスト、セファランチン、セフジニル、セフジニル、セブンイー・P配合、セラピエース、セラピナ配合、セルニルトン、セレガスロン、セレナミン、センセファリン、センブリ・重曹、ソクワール、ソビラール、ソルイルビン、ゾルピデム酒石酸塩、ソルファ、ダウンテンシン、タフマックE配合、タムスロシン塩酸塩OD、ダラシン、タンチパン配合、チウラジール、チョコラA、テオロング、テナキシル、デパス、テモカプリル塩酸塩、デュファストン、デラキシー配合、テルビナフィン、トーワチーム配合、ドキサゾシン、ドキソルビシン塩酸塩、ドネペジル塩酸塩、トフラニール、ドライアーゼ配合、トラベルミン配合、ドラマミン、トランコロンP配合、ドランジン、トリアゾラム、トリクロルメチアジド、トリドセラン配合、トリヘキシフェニジル塩酸塩、トリヘキシン、トリラホン、ドルナリン、トルブタミド、トレキサメット、トロキシン、ドンペリドン、ナーセット配合、ナテグリニド、ナトリックス、ナフトジール、ニセルゴリン、ニチファーゲン配合、ニトレジック、ニトロールR、ネオ・エフラーゼ配合、ネオアムノール配合、ノイダブル、ノイファン、ノイロビタン配合、ノズレン、ノバミン、ノンネルブ、ハーフジゴキシンKY、バイカロン、バイニロード、ハイフル配合、バイロテンシン、はしか生ワクチン、はしか風しん混合生ワクチン、パスターゼSA配合、バップベリン、パトコン、パパベリアン、パルギン、バルレール、ハロステン、ハロペリドール、バンコミック、パントテン酸カルシウム、パンピオチン、パンビタン末 、パンホリータ、ピーエイ配合、ピーゼットシー、ピオグリタゾン、ビオスミン配合、ビオスリー配合、ビオチン、ビオフェルミン、ビオフェルミンR、ビオフェルミン配合、ビカルタミド、ヒシロミン、ヒスタール、ビソテート、ビタミンB6、ビタメジン配合、ヒダントール、ヒダントールD配合、ビフロキシン配合、ビホープA、ピラミスチン、ピロラクトン、ファスティック、ファモガスト、ファモチジン、ファルプリル、ファンテゾール、フィオランス、フェニトイン、フェニルアラニン除去ミルク配合、フェノバルビタール、フェルターゼ配合、フォリアミン、フスコデ配合、フッコラート、プラコデ配合、プラノバール配合、プラバスタチンNa塩、プラバスタチンナトリウム、プラバメイト、プラメバン、プランルカスト、フルイトラン、プレドニゾロン、プレドニン、プレドハン、プレロン、プロスタリン、フロセミド、ブロチゾラム、プロノン、プロパフェノン塩酸塩、プロピベリン塩酸塩、ブロプレス、プロヘパール配合、プロモーション、プロルナー、ベイスン、ヘキサトロン、ベグリラート、ベゲタミン-A配合、ベザフィブラートSR、ベザリップ、ベスタミオン、ベスタリットL、ベストルナー、ベニジピン塩酸塩、ペニフォー、ベネット、ベハイドRA配合、ヘパンED配合、ペミラストン、ヘモリンガル、ベラストリン、ベラパミル塩酸塩、ペラプリン、ベラプロストNa、ベラプロストナトリウム、ベリチーム配合、ベルナール、ベルラー、ベロム、ボインリール、ボグシール、ボグリボース、ポリトーゼ、ボルトミー配合、マカシーA、マゴチロン、マサトン、マズレニンガーグル、マニカロット、マニジピン塩酸塩、マリレオンN、マレイン酸クロルフェニラミン、ミクトノーム、ミデナールL、ミラドール、メコバラミン、メサフィリン配合、メシル酸ドキサゾシン、メタヒスロン、メチルエルゴメトリンマイレン酸塩、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩、メチルドパ、メチルホエドリン、メトプリック、メトリオン、メバトルテ、メバリッチ、メバロチン、メリシン、メリストラーク、メロキシカム、メントリース、モサプリドクエン酸塩、モミアロン、ユーリック、ユリロシン、ライドラース、ラクスパン、ラクデーン、ラクボン、ラックメロン、ラリルドン、ランソプラゾール、リウマトレックス、リスペリドン、リセドロン酸Na、リセドロン酸ナトリウム、リトドリン、リトドリン塩酸塩、リトメリン、リネステロン、リンドルフ、リントン、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、リン酸ピリドキサール、ルフレン配合、レスタス、レスポリート、レチコラン、レニベース、レバミピド、レビンベース、レプター、レベニン、レボフロキサシン、レモナミン、ロイシン・イソロイシン・バリン除去ミルク配合、ロキシーン、ロサルタンK、ロサルタンカリウム、ロラタジン、ワーファリン、ワーリン、ワルファリンK、ワルファリンカリウム、塩酸クロルプロマジン、塩酸トリヘキシフェニジル、塩酸パパベリン、塩酸プロピベリン、塩酸ベニジピン、塩酸ミノサイクリン、乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン、強力ビスラーゼ、組織培養不活化狂犬病ワクチン 、乳糖、乳糖水和物、硫酸キニジン
[★]
- 関
- QT延長症候群、QT間隔
原因
- 洞結節機能不全
- 房室ブロック:2度房室ブロック、3度房室ブロックアンドロゲン遮断療法(GnRHアゴニスト/アンタゴニスト療法または両側性精巣摘除術)
- 利尿薬:低マグネシウム血症・低カリウム血症の誘発による
- 鎮吐薬:
[★]
- 英
- Huntington disease
- 同
- ハンチントン舞踏病 Huntington chorea Huntington's chorea
- 関
- 錐体外路症候群、大脳基底核疾患
概念
- うつ、進行性痴呆(progressive dementia)、舞踏運動(choreiform movements)、尾状核の萎縮(caudate atrophy)
- 脳のGABA↓、ACh↓
- トリプレットリピート病
- 難病であり、特定疾患治療研究事業の対象疾患
疫学
- (有病率?)欧米では4-8/10万人、日本では1/10万人 (HBN.971)
- 発病する家系の20-50歳で発症。(他の文献では30-40歳代)
- 25-45歳で発症。有病率は2-8人/10万人。(HIM.2561)
病因
- 第4染色体短腕(4p15)に座乗するハンチントン遺伝子のエキソンに存在するCAGリピートの異常反復。正常では7~34回。ハンチントン病では36回以上
遺伝
病理
- 線条体(特に尾状核)・大脳皮質(特に前頭葉・側頭葉)の萎縮 → 尾状核の萎縮は不随意運動、大脳皮質の萎縮は認知症に繋がるのであろう
- 小型のニューロンの脱落が大型のニューロンに先行している。GABA作動性ニューロンの脱落が顕著である。線維性のグリオーシスが他の疾患で見られるニューロン脱落後のそれよりも顕著。線条体の変性とmotor symptomsの間には相関が見られる。皮質や線条体ニューロンでは核内にユビキチン化されたハンチントン蛋白の封入体が認められる。(BPT.895)
症状
<youtube>http://www.youtube.com/watch?v=JzAPh2v-SCQ</youtube>
診断
検査
CT
- 側脳室の外側に存在する尾状核の萎縮により側脳室の拡大が認められる。
MRI
- FLAIRでは尾状核と被殻に異常な高信号が認められる。
治療
- HIM.2562
予後
- 発症後10-20年で感染症、窒息(嚥下困難)で死亡する(YN.J-122)
参考
- http://www.mypacs.net/cases/HUNTINGTONS-DISEASE-12726430.html
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/318
- http://www.nanbyou.or.jp/upload_files/092_s.pdf
[★]
- 関
- 抗精神病薬
商品
[★]
- 英
- tartaric acid
- 商
- MS温シップ、MS冷シップ、アイファガン、アポノール、アミノレバンEN配合、アリメジン、イフェンプロジル酒石酸塩、イブロノール、エレンタールP乳幼児用配合、エレンタール配合、エンセロン、オーラ、クリアミン配合、サーカネッテン配合、サルポグレラート塩酸塩、ジフェニドール塩酸塩、シプセロン、ゼグミューラー、セリミック、セレクナート、セロクラール、セロケン、セロケンL、ゾルピデム酒石酸塩、タラモナール、チャンピックス、テクニス、テクネMAG3、デトルシトール、デンタカインカートリッジ、トラベルミン配合、ナベルビン、ハーネシップ、バックス、バリエース、バルギン、バロス、ヒシダリン、ヒルトニン、ヒルロック、フレザニール、プロチレリン酒石酸塩、プロヘパール配合、ペチロルファン、ヘパンED配合、ボグニン、マイスリー、マルファ配合、ミルサート冷シップ、メサフィリン配合、メデピン、メトプリック、メトプロロール酒石酸塩、メルコモン、ヨウアジール、ラクール冷シップ、リーバクト配合、リスペリドン、リンブレーン、ロゼウス、ロプレソール、ロプレソールSR、ロルファン、酒石酸
- C4H6O6。
- IUPAC名:2,3-ジヒドロキシブタン二酸
- 分子量150.09。
[★]
- 英
- squirrel
- 関
- シマリス、リス科、ジリス属、プレーリードッグ