- 英
- anticholinergics, anticholinergic, anticholinergic agent, anticholinergic drug anticholinergic drugs, cholinolytic, cholinolytic drug, cholinergic antagonist
- 同
- 抗コリン剤、抗コリン作用薬、コリン作用遮断薬 cholinergic blocking agent
- 関
- ムスカリン性受容体拮抗薬 muscarinic antagonist。副交感神経遮断薬
- 副交感神経ムスカリン受容体拮抗薬であり、副交感神経作用を抑制する。
抗コリン薬の主な作用
- (YN2010 抗コリン薬(神経精神))
- 1. 散瞳作用:眼底検査や虹彩炎治療など
- 2. 膀胱利尿筋弛緩作用:尿路結石症鎮痙
- 3. 腺分泌抑制作用:麻酔前投与
- 4. 胃酸分泌抑制作用:抗胃潰瘍
- 5. 消化管運動抑制作用
- 6. 抗Parkinson作用
- 7. 抗迷走神経作用:徐脈性不整脈の治療
- 8. 農薬解毒作用:有機リン剤、カーバメート剤の解毒
therapeutic uses of muscarinic receptor antagonists
- GOO.195
- 呼吸器:気道分泌抑制。(アトロピンは気道分泌を抑制し、分泌物が乾固しうるが、イプラトロピウム、チオトロピウムはmucociliary clearanceにおける副作用を呈しないので、気道疾患に用いられている)
- 泌尿器:過活動性膀胱、夜尿症、対麻痺における頻尿
- 消化器:抗潰瘍薬(M1受容体選択性のある薬剤。ピレンゼピン、テレンゼピン)。鎮痙薬
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/04/08 23:22:57」(JST)
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この項目では、抗コリン薬全般について説明しています。抗精神病薬の副作用に対して用いられる抗コリン作用のあるパーキンソン病薬については「抗パーキンソン病薬」をご覧ください。 |
抗コリン薬(こうこりんやく、英: anticholinergic agent)は、アセチルコリンがアセチルコリン受容体に結合するのを阻害する薬物のことである。抗コリン作動薬とも呼ばれる。この抗コリン作用によって副交感神経が抑制される。副交感神経遮断薬とも言われていたが、コリン作動性線維は副交感神経節後線維だけではない。代表的なものに、アトロピンやスコポラミンがある。これと逆の作用を示すのはコリン作動薬である。
過剰摂取や、あるいは他の抗コリン作用のある薬物三環系抗うつ薬との併用により、コリン中毒によるせん妄、昏睡、けいれん、高熱などが生じることがある[1]。
目次
- 1 歴史
- 2 機序
- 3 用途
- 3.1 胃腸の過活動、失禁、吐き気の抑制
- 3.2 抗コリン性抗パーキンソン病薬
- 4 抗コリン作用の強い他の薬物
- 5 抗コリン中毒
- 6 認知症リスクの増加
- 7 脚注
- 8 関連項目
歴史
ベラドンナは、学名Atropa belladonnaと呼ばれ、古くから用いられてきた。ベラドンナには、アトロピンやスコポラミンといった成分が含まれ、これらは抗コリン薬として用いられる。
機序
アセチルコリンは神経伝達物質として、身体の様々な機能に関わっている。このアセチルコリンが作用するときに結合する部位が、アセチルコリン受容体である。さらにアセチルコリン受容体には、ムスカリン受容体とニコチン受容体が存在する。抗コリン薬は、このうちムスカリン受容体にアセチルコリンが結合して作用するのを阻害する。つまり、アンタゴニストである。
用途
胃腸の過活動、失禁、吐き気の抑制
スコポラミン(ブスコパン)のような抗コリン薬は、胃腸の過活動による、胃痛や腹痛、また乗り物酔いの抑制などにも用いられる。
抗コリン性抗パーキンソン病薬
「抗パーキンソン病薬#抗コリン作用」も参照
代表的には、ビペリデン(アキネトン、タスモリン)や、トリヘキシフェニジル(アーテン)のような抗コリン性抗パーキンソン病薬が存在する[1]。1960年代にはパーキンソン病の治療にドーパミン補充療法が登場し、現在は抗コリン性抗パーキンソン病薬は、主に抗精神病薬との併用において用いられてきた[1]。しかし、そのような併用は避けることが推奨されている[1]。
抗コリン作用の強い他の薬物
- 第一世代の抗ヒスタミン薬:ジフェンヒドラミン(レスタミン、ドリエル)や プロメタジン(ヒベルナ、ピレチア)など。これについては抗コリン作用の弱い第二世代抗ヒスタミン薬が、1980年代より用いられている。
- 三環系抗うつ薬:イミプラミン や アミトリプチリン など。
- ベンゾジアゼピン:ジアゼパム(セルシン)エチゾラム(デパス)など。
- 胃腸鎮痙薬:塩酸ジサイクロミン(レスポリミン)、臭化プロパンテリン など。
- 低力価の抗精神病薬[2]:フェノチアジン系 の クロルプロマジン や レボメプロマジン など。
抗コリン中毒
抗コリン剤の過剰摂取や、抗コリン作用のある三環系抗うつ薬との併用によって生じる中毒状態であり、せん妄、昏睡、けいれん、幻覚、低血圧、高熱などの症状が生じる救急状態である[1]。
認知症リスクの増加
抗コリン作用のある薬剤を長期間、摂取するとアルツハイマー病などの認知症の発症リスクが高まる可能性があることが報告され、10年間で91日分から365日分の使用では1.19倍、1095日まででは1.23倍、1096日以上では1.54倍であった[3][4]。
脚注
- ^ a b c d e 山田武史 「12 抗コリン性抗パーキンソン薬について教えて下さい。抗コリン性パーキンソン病を併用することによるデメリットはどのようなものがあるでしょうか?本当に認知機能に影響するのでしょうか?」『統合失調症の薬物療法100のQ&A』 藤井康男(編集)、稲垣中(編集協力)、星和書店、2008年5月、35-37頁。ISBN 978-4791106677。
- ^ 精神医学講座担当者会議(監修)、佐藤光源、丹羽真一、井上新平(編集) 『統合失調症治療ガイドライン』 医学書院、2008年、第2版、124頁。ISBN 978-4-260-00646-0。
- ^ “風邪や花粉症など、身近な薬がアルツハイマー病を増やす、飲むほど影響、米国グループ報告 10年間に飲んだ薬の蓄積次第でリスク高まる”. Medエッジ. (2015年2月7日). http://www.mededge.jp/a/drge/8260 2015年3月1日閲覧。
- ^ Gray, Shelly L.; Anderson, Melissa L.; Dublin, Sascha; Hanlon, Joseph T.; Hubbard, Rebecca; Walker, Rod; Yu, Onchee; Crane, Paul K. et al. (2015). "Cumulative Use of Strong Anticholinergics and Incident Dementia". JAMA Internal Medicine. doi:10.1001/jamainternmed.2014.7663. PMID 25621434.
関連項目
- 抗パーキンソン病薬#抗コリン作用
- 抗コリン作用
- 遅発性ジスキネジア
- ビペリデン
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- 非発作時に閉塞性換気障害を呈する気管支喘息患者に対する吸入抗コリン薬の長期効果
- 認知症患者の排尿障害 : 下部尿路機能障害の病態・評価法・治療 (特集 リハビリテーション患者の排尿・排便障害)
- 榊原 隆次,舘野 冬樹,岸 雅彦 [他]
- Monthly book medical rehabilitation (148), 31-36, 2012-09
- NAID 40019528151
- 薬物療法の在宅管理 : 特に吸入介助の有用性 (特集 COPDの病診連携と在宅管理)
- 平松 政高,松永 和人
- Monthly book medical rehabilitation (147), 15-20, 2012-08
- NAID 40019421868
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- 抗コリン薬の効果・作用機序や副作用、一般的な商品や特徴を解説しています。「処方薬事典」は日経メディカルが運営する医療・医薬関係者向け医薬品検索データベースです。
- 薬の作用や副作用を考えていくときに、「抗コリン作用」を理解することは重要です。「コリン」とはアセチルコリンのことを意味していますが、アセチルコリンは身体の様々なところで活躍しています。神経と神経の橋渡しをし ...
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- 次の文を読み、7~9の問いに答えよ。
- 65歳の女性。歩きにくさと手足のふるえとを訴えて来院した。
- 現病歴 : 4年前からじっとしているときに左手がふるえることに気付いた。同じころから歩くのが遅くなり、話すときの声が小声で、メモを書くときに字が小さくなることを自覚するようになった。これらの症状は徐々に増悪する傾向にあり、最近左手だけでなく、右手と両足もじっとしているときにふるえるようになった。患者の写真を以下に示す。
- 既往歴・家族歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 意識は清明。身長165cm、体重52kg。体温36.2℃。臥位で脈拍64/分、整。血圧120/80mmHg。顔面の表情は乏しい。眼瞼結膜と眼球結膜とに貧血と黄疸とを認めない。心雑音はない。呼吸音は清である。腹部は平坦で、肝・脾を触知せず、圧痛と抵抗とを認めない。構音障害、頚部と四肢との筋緊張異常および起立・歩行障害を認める。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。
- 血液所見:赤血球410万、Hb13.0g/dl、Ht39%、白血球6,500、血小板25万。
- 血清生化学所見:総蛋白6.9g/dl、アルブミン4.8g/dl、尿素窒素9.2mg/dl、クレアチニン0.9mg/dl、AST18単位(基準40以下)、ALT14単位(基準35以下)、LDH260単位(基準176~353)。
[正答]
※国試ナビ4※ [098C007]←[国試_098]→[098C009]
[★]
- 72歳の男性。乾性咳嗽、発熱および労作時呼吸困難を主訴に来院した。1か月前に左肺下葉の原発性肺腺癌に対し抗癌化学療法が開始されていた。治療開始後 30日目の昨日、乾性咳嗽、37.5℃の発熱および労作時呼吸困難を認め、本日には乾性咳嗽の増悪と安静時の呼吸困難とを自覚するようになったため受診した。意識は清明。皮膚は湿潤している。下腿に浮腫を認めない。脈拍 112/分、整。血圧 152/102mmHg。呼吸数 22/分。SpO2 90%(room air)。血液所見:赤血球 380 万、Hb 11.9g/dL、Ht 36%、白血球 8,600(分葉核好中球 68%、好酸球 5%、単球 5%、リンパ球 22%)、血小板 28万。血液生化学所見:総蛋白 7.2g/dL、アルブミン 4.2g/dL、AST 48IU/L、ALT 52IU/L、LD 752IU/L(基準 176~353)、尿素窒素 22mg/dL、クレアチニン 0.9mg/dL、Na 144mEq/L、K 4.6mEq/L、Cl108mEq/L、Ca 8.0mg/dL。免疫血清学所見:CRP 4.8mg/dL、β-Dグルカン 10pg/mL未満(基準 10未満)、サイトメガロウイルス抗原陰性。喀痰を認めないため喀痰培養は実施できなかった。血液培養は陰性。抗癌化学療法開始前の肺野条件の胸部CT(別冊No. 26A)と今回来院時の肺野条件の胸部CT(別冊No. 26B)とを別に示す。酸素投与を開始した。
- 対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [110D056]←[国試_110]→[110D058]
[★]
- 次の文を読み、49、50の問いに答えよ。
- 20歳の男性。右下腹部痛を主訴に夕方来院した。
- 現病歴 : 朝から心窩部痛と悪心とがあった。市販の胃腸薬を内服したが軽快せず、午後になって痛みが右下腹部に限局してきた。朝から排便はない。 既往歴・家族歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 意識は清明。身長171cm、体重65kg。体温37.8℃。脈拍76/分、整。血圧102/60mmHg。腹部は平坦で、腸雑音は減弱している。肝・脾は触知しない。右下腹部に圧痛を認め、Blumberg徴候が陽性である。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ウロビリノゲン(±)、ビリルビン(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球510万、Hb17.0 g/dl、 Ht48%、白血球18,000(桿状核好中球20%、分葉核好中球49%、好酸球1%、単球2%、リンパ球28%)、血小板30万。プロトロンビン時間12秒(基準10~14)。
- 血清生化学所見:総蛋白7.5g/dl、尿素窒素11mg/dl、クレアチニン1.0mg/dl、AST20単位、ALT18単位、LDH 230 単位(基準176~353)、アミラーゼ150単位(基準37~160)、CK 18単位(基準10~40)。CRP8.3mg/dl。
[正答]
※国試ナビ4※ [099C049]←[国試_099]→[099D001]
[★]
- 50歳の男性。咳嗽と膿性痰とを主訴に来院した。3年前から咳嗽と喀痰とを自覚していたが医療機関を受診していなかった。6か月前から痰の性状が黄色となり、最近になって量も増加してきたため受診した。喫煙歴はない。体温 36.3℃。脈拍 68/分、整。血圧 118/76mmHg。呼吸数 16/分。両側の胸部にcoarse cracklesを聴取する。血液所見:白血球 6,200(桿状核好中球6%、分葉核好中球 50%、好酸球1%、単球7%、リンパ球 36%)。CRP 0.1mg/dL。動脈血ガス分析(room air):pH 7.41、PaCO2 36Torr、PaO2 81Torr、HCO3- 22mEq/L。喀痰培養でムコイド型の緑膿菌が検出された。胸部エックス線写真(別冊No. 13A)と肺野 条件の胸部 CT(別冊No. 13B)とを別に示す。
- 治療として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110A039]←[国試_110]→[110A041]
[★]
- 69歳の男性。発熱と下腹部の緊満感とを主訴に来院した。以前から排尿困難を自覚していた。数日前から頻尿と排尿時痛が出現し、今朝から38℃台の発熱と全身倦怠感および下腹部の緊満感を自覚したため受診した。腹部に肝・脾を触知しない。下腹部に緊満を認める。直腸指診で前立腺に圧痛を認める。尿所見:蛋白 1+、糖 (-)、ケトン体 (-)、潜血 1+、沈渣は赤血球 5~9個/HPF、白血球 50~99個/HPF。血液所見:赤血球 435万、Hb 13.6g/dL、Ht 41%、白血球 16,900、血小板16万。血液生化学所見:総蛋白 6.6g/dL、アルブミン 4.1g/dL、総ビリルビン 0.6mg/dL、AST 30U/L、ALT 21U/L、血糖 175mg/dL、Na 141mEq/L、K 4.1mEq/L、Cl 105mEq/L。CRP 8.5mg/dL。
- この時点での治療として検討すべきなのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [113F065]←[国試_113]→[113F067]
[★]
- 58歳の男性。言動を心配した妻に伴われて来院した。50歳時に手指振戦が出現しParkinson病と診断されてL-dopaによる治療が開始された。56歳時には、身体の硬さが気になってL-dopaの増量を医師に懇願し、どんどん増量された。1年前ころから、「自分が心で考えていることをテレビに出ている人が察知している」と思いはじめ、被害的な内容の幻聴が聞こえ出した。会社は休みがちとなって自ら退職したが、気分は高揚してパソコンにかじりつき、昼夜逆転の生活になった。インターネットに没頭して高額の物を購入する。性的欲求が亢進して妻に迫るようになり、拒まれると怒り出す。
- 対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104D058]←[国試_104]→[104D060]
[★]
- 32歳の女性。主婦。腹痛を主訴に来院した。1年前に第一子を出産後、腹痛を訴えて救急外来を頻回に受診するようになった。夜泣きに耐えられず不眠が続いている。救急外来では抗コリン薬筋注が著効する。上部消化管内視鏡検査で異常を認めない。夫と子どもとの3人暮らしである。食事は不規則。運動習慣はない。喫煙は5本/日を7年間。飲酒はピール350ml/日を10年間。体重は2か月で3kg減少している。夫は深夜に帰宅し話をする時間がない。意識は清明。身長155cm、体重40kg。体温36.5℃。脈拍80/分、整。血圧104/68mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。尿所見、血液所見および血液生化学所見に異常を認めない。
- 聴取した患者情報で最も有用なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104H029]←[国試_104]→[104H031]
[★]
- 40歳の男性。労作時の呼吸困難と動悸とを主訴に来院した。 2か月前から急いで歩いたときに呼吸困難と動悸とを自覚するようになり、次第に増悪してきたため受診した。 3年前から糖尿病のために食事療法と運動療法とを行っている。弟が35歳で突然死したという。意識は清明。身長168cm、体重52kg。脈拍72/分、不整。血圧102/76mmHg。呼吸数20/分。心尖拍動を鎖骨中線から2cm外側に触知する。 III音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。心電図で心房細動を認める。心エコー図(別冊No. 27A、 B、 C)を別に示す。
- 治療薬として適切なのはどれか。 3つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [106D058]←[国試_106]→[106D060]
[★]
- 74歳の男性。下腹部痛を主訴に来院した。半年前から尿線が細くなり、頻尿と残尿感とを自覚したため自宅近くの医療機関で内服治療を受けていた。明け方から尿意はあるが排尿できず下腹部痛も伴ってきたため受診した。高血圧症と脂質異常症とで内服治療中である。2日前から感冒様症状を自覚し市販の総合感冒薬を服用している。身長 164cm、体重 58kg。体温 36.8℃。脈拍 88/分、整。血圧 144/88mmHg。呼吸数 16/分。下腹部に弾性軟の腫瘤を触知する。直腸指診で小鶏卵大で弾性硬の前立腺を触知し、圧痛を認めない。導尿によって症状は改善した。
- この患者の排尿状態の悪化に関連したと考えられるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [109D056]←[国試_109]→[109D058]
[★]
- 64歳の男性。頻尿を主訴に来院した。2か月前から頻尿と排尿時痛とを自覚していた。3日前に血尿を認め心配になったため受診した。身長 168cm、体重 72kg。腹部に異常を認めない。直腸指診で前立腺は弾性硬で小鶏卵大に腫大している。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血1+、沈渣に赤血球 10~20/1視野、白血球 0~5/1視野。PSA 4.6ng/mL(基準 4.0以下)。超音波検査で腎と膀胱とに異常を認めない。膀胱内視鏡検査で隆起性病変は認めないが発赤した膀胱粘膜を複数認める。尿細胞診はクラスV。10日後、経尿道的に膀胱の発赤粘膜を生検したところ、上皮細胞に異型を認めるが間質への浸潤は認めない。
- 治療として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109D038]←[国試_109]→[109D040]
[★]
- 71歳の男性。6か月前からの排尿困難と夜間頻尿を主訴に来院した。既往歴および家族歴に特記すべきことはない。身長 162cm、体重 60kg。体温 36.4℃。脈拍 72/分、整。血圧 154/82mmHg。呼吸数 14/分。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。直腸指診で横径 40mm程度の前立腺を触知するが硬結を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、沈渣に赤血球と白血球とを認めない。血清PSA 2.5ng/mL(基準 4.0以下)。国際前立腺症状スコア 28点(軽症 0~7点、中等症 8~19点、重症 20~35点)。腹部超音波検査で推定前立腺体積 60mL。尿流測定で排尿量 120mL、最大尿流率 2.5mL/秒、残尿量 240mL。
- 治療薬として適切でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114E038]←[国試_114]→[114E040]
[★]
- 28歳の女性。腹痛と下痢とを主訴に来院した。年末の休暇で帰省し、昨日の夕食に貝類を含む多くの魚介類を家族とともに生食した。本日昼ころから、軽度の腹痛を伴う水様下痢が出現し、5、6回排便があったため受診した。母親と妹とが同じ時期から下痢を発症しているが程度は軽い。体温36.8℃。脈拍84/分、整。血圧112/76mmHg。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。腸雑音は亢進している。
- 血液所見:赤血球440万、Hb 13.5g/dl、Ht 41%、白血球8,300、血小板18万。血液生化学所見:尿素窒素14mg/dl、クレアチニン0.7mg/dl、Na 137mEq/l、K 3.4mEq/l、Cl 115mEq/l。CRP 0.1mg/dl。
- 治療として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107I071]←[国試_107]→[107I073]
[★]
- 71歳の男性。 6か月前からの排尿困難と夜間頻尿とを主訴に来院した。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。身長162cm、体重60kg。体温36.4℃。脈拍72/分、整。血圧154/82mmHg。呼吸数14/分。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。直腸指診で超鶏卵大の前立腺を触知するが、硬結を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、沈渣に赤血球と白血球とを認めない。血清PSA3.5ng/ml(基準4.0以下)。国際前立腺症状スコア22点(軽症0-7点、中等症8-19点、重症20-35点)。腹部超音波検査で推定前立腺体積58ml。尿流測定で排尿量120ml、最大尿流率3.8ml/秒、残尿量210ml。
- 対応として誤っているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106A020]←[国試_106]→[106A022]
[★]
- 72歳の女性。夕食6時間後に突然上腹部痛をきたして救急車で来院した。夕食に豚肉を食べた。手術の既往はない。意識は清明。身長156cm、体重60㎏。体温37.2℃。脈拍96/分、整。血圧148/66mmHg。顔面は苦悶状。右季肋部に圧痛を認めるが、腹腹刺激症状はみられない。血液所見:赤血球384万、Hb11.8g/dl、Ht37%、白血球11,000、血小板17万。血清生化学所見:アルブミン4.2g/dl、総ビリルビン2.1mg/dl、AST 80単位(基準40以下)、ALT 120単位(基準35以下)、アルカリホスファターゼ480単位(基準260以下)、アミラーゼ120単位(基準37~160)。CRP 5.4mg/dl(基準0.3以下)。適切な治療薬はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097A027]←[国試_097]→[097A029]
[★]
- 67歳の女性。不眠を主訴に来院した。1か月前から夜になると両足に虫が這うような不快な感覚を自覚していた。この不快感は安静にしていると増強するが、足を動かすことで軽減する。かかりつけ医からは経過をみるように言われたが良くならず、足を動かしたい欲求が強く寝つけなくなり受診した。四肢の筋トーヌスは正常で筋力低下を認めない。腱反射は正常で、Babinski徴候は陰性である。感覚障害と小脳性運動失調とを認めない。歩行に支障はなく、日常生活動作にも問題はない。血液生化学検査では血清フェリチンを含めて異常を認めない。
- 適切な治療薬はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112A025]←[国試_112]→[112A027]
[★]
- 32歳の女性。くしゃみ、鼻汁および鼻閉を主訴に来院した。3年前から、毎年2月から4月にかけて同様の症状を繰り返していた。症状は外出時に増強し流涙を伴う。体温36.4℃。眼球結膜は軽度発赤している。咽頭扁桃に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球 410万、Hb 14.0g/dl、Ht 39%、白血球 4,800(桿状核好中球2%、分葉核好中球41%、好酸球13%、好塩基球2%、単球5%、リンパ球37%)、血小板 21万。免疫学所見:CRP 0.3mg/dl、IgE 260IU/ml(基準250未満)、IgE RASTスコア:スギ3 (基準0)。
[正答]
※国試ナビ4※ [105I075]←[国試_105]→[105I077]
[★]
- 53歳の男性。朝食直後に上腹部の激痛が突然出現したため救急車で搬入された。1週前から右上腹部不快感が空腹時に出現し、食事によって軽減していた。体温38.5℃。脈拍104/分、整。血圧110/60mmHg。腸雑音は消失し、腹部全体が板状硬化を呈していた。血液所見:赤血球520万、Hb15.1g/dl、白血球14,300、血小板46万。胸部エックス線写真を以下に示す。この患者の処置で最も適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100D016]←[国試_100]→[100D018]
[★]
- 60歳の男性。 1年前からの頻尿と排尿困難とを主訴に来院した。直腸診で前立腺は鶏卵大で、硬結を認めない。尿所見と血液所見とに異常を認めない。PSA 2.4ng/ml(基準4.0以下)。排尿日誌で1回排尿量 200-250mg、昼間排尿回数 10回、夜間排尿回数 2回。国際前立腺症状スコア15点(軽症0-7、中等症8-19、重症20-35)。QOLスコア 4点(軽症0-1、中等症2-4、重症5-6)。腹部超音波写真(別冊No.12)を別に示す。前立腺の長径は53mm、短径は51mm及び前後径は52mmである。
- 次に行うのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104I053]←[国試_104]→[104I055]
[★]
- 68歳の女性。4回経産婦。外陰部の腫瘤感と歩行困難とを主訴に来院した。5年前から夕方に腟入口部に径3cmの硬い腫瘤を触れるようになり指で還納していた。1年前から還納しにくくなり、歩行に支障をきたすようになった。身長 150cm、体重 58kg。体温 36.5℃。脈拍 72/分、整。血圧 134/88mmHg。呼吸数 18/分。腹部は軽度膨満、軟で、腫瘤を触知しない。腹部超音波検査で子宮体部に異常を認めないが、子宮頸部は6cmに延長している。いきみによって、子宮腟部は下降して腟外に達する。血液生化学所見に異常を認めない。
- 対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [112A064]←[国試_112]→[112A066]
[★]
- 33歳の 1回経妊 1回経産婦。妊娠 28週。本日朝からの軽度の下腹部痛と少量の性器出血とを主訴に来院した。妊娠 27週の妊婦健康診査までは特に異常を指摘されていなかった。腟鏡診で淡血性の帯下を少量認める。内診で子宮口は閉鎖している。胎児心拍数陣痛図で 10分周期の子宮収縮を認める。経腟超音波検査で頸管長 15 mm、内子宮口の楔状の開大を認める。腹部超音波検査で胎児推定体重は 1,200 g、羊水量は正常、胎盤は子宮底部にあり異常所見を認めない。 BPS〈biophysical profile score〉は 10点である。
- 治療薬として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108F022]←[国試_108]→[108F024]
[★]
- 関
- QT延長症候群、QT間隔
原因
- 洞結節機能不全
- 房室ブロック:2度房室ブロック、3度房室ブロックアンドロゲン遮断療法(GnRHアゴニスト/アンタゴニスト療法または両側性精巣摘除術)
- 利尿薬:低マグネシウム血症・低カリウム血症の誘発による
- 鎮吐薬:
[★]
- 英
- activated charcoal、active carbon
- 関
- 木炭
概念
- 炭化水素化合物を焼成して調製した炭素末
- 炭化水素の網目構造に物質を吸着できる ← 炭化水素という物性からしてイオン性、大分子(蛋白と結合した
物質)、水溶性の物質は吸着しづらい、と思われる。
活性炭の吸着に関与する要素
- くり返し投与が有効なのは脂溶性、非イオン性、分布容量 Vdが小さい、蛋白結合率が低い
- 腸管循環する物質、腸溶剤、徐放剤
吸着できる物質
SQ.480
吸着できない物質
- 参考1
- アルカン、アルケン、ハロゲン化アルキル、芳香族炭化水素、アルコール、アセトン、エタノール、エチレングリコール、イソプロパノール、メタノール、
参考
- 1. [charged] Decontamination of poisoned adults - uptodate [1]
- 2. 活性炭 - wiki ja
[★]
- 英
- urinary retention, ischuria, urodialysis
- ラ
- retentio urinae
- 関
- 尿貯留
定義
- 膀胱まで移送された尿が尿道より排泄できない状態 ⇔無尿
原因
- SURO.39
- 前立腺肥大を有する患者が飲酒した場合や抗コリン薬の服用による事が多い
症状
- SURO.39
- 急性尿閉:苦痛有。強い尿意、恥骨上部の疼痛、強度の不安感、冷や汗
- 慢性尿閉:苦痛は少ない。溢流性失禁、両側水腎症
検査
- SURO.111
臨床関連
- 中枢神経(上位ニューロン)障害の急性期には脊髄ショックにより排尿中枢が機能しなくなり尿閉に陥るらしい。
[★]
- 英
- mydriasis
- 同
- 瞳孔散大 pupillary dilatation
- 対
- 縮瞳
- 関
- 瞳孔
概念
- 瞳孔の大きさを大きくすること
- 交感神経の興奮により散瞳が起こる
臨床関連
薬物中毒
疾患
病態
[★]
- 日
- りゅうぜん
- 英
- sialism, :sialismus, hygrostomia, ptyalism, salivation, sialorrhea, sialosis
- 同
- 唾液分泌過多。流涎過多?、流涎症?、唾液分泌亢進?
- 関
- 唾液分泌、よだれ、
- 唾液が増加して流れ落ちる状態。あるいは、口腔周囲の神経筋障害により唾液を口腔内にとどめることができない状態。
- 治療:
- 抗コリン作用により唾液の抑制が期待できるが、眼圧上昇、排尿症がい、
[★]
- 英
- anticholinergic-containing compound
- 関
- 抗コリン薬
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 英
- choline
- 化
- 塩化コリン
- 関
- アセチルコリン
- choline + acetylCoA → acetylcholine + CoA
[★]
- 英
- drug, agent
- 同
- 薬物
- 関
- 作用薬、剤、ドラッグ、媒介物、病原体、麻薬、薬剤、薬物、代理人、薬品
[★]
- 英
-
- 関
- 抗コリン作用薬、抗コリン薬、抗コリン性、抗コリン作用
[★]
- 英
- anti
- 関
- アンチ