ビノレルビン
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ビノレルビン
|
IUPAC命名法による物質名 |
(+)-Methyl(3aR,4R,5S,5aR,10bR,13aR)
-4-acetoxy-3a-ethyl-9-[(2R,6R,8S)-4-ethyl-1,3,6,7,8,9 -hexahydro-8-methoxycarbonyl-2,6-methano-2H -azecino[4,3-b]indol-8-yl]-5-hydroxy-8-methoxy-6-methyl -3a,4,5,5a,6,11,12,13a-octahydro-1H -indolizino[8,1-cd]carbazole-5-carboxylate
|
臨床データ |
胎児危険度分類 |
D(米国) |
法的規制 |
毒薬、指定医薬品、処方せん医薬品 |
投与方法 |
点滴静注 |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
43 ± 14%(経口)[1] |
血漿タンパク結合 |
88~89% |
代謝 |
肝臓(CYP3A4) |
半減期 |
22.2~32.5時間 |
排泄 |
尿(5.8~12.4%)及び糞中 |
識別 |
CAS登録番号 |
71486-22-1 |
ATCコード |
L01CA04 |
PubChem |
CID 60780 |
KEGG |
D08680 |
化学的データ |
化学式 |
C45H54N4O8 |
分子量 |
778.932 g/mol |
ビノレルビン (vinorelbine) とは、植物由来のビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤(抗がん剤)。フランスの製薬会社であるピエールファーブルメディカメンで開発された。投与は二酒石酸塩で行われる。商品名はナベルビン注(販売:協和発酵キリン株式会社)。VNRの略号で表されることがある。
目次
- 1 効果・効能
- 2 重大な副作用
- 3 作用機序
- 4 脚注
- 5 参考資料
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
効果・効能[編集]
- 手術不能又は再発乳癌
- 本剤の術前・術後化学療法における有効性および安全性は確立していない(使用経験がない)。
- 本剤の投与を行う場合には、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤及びタキサン系抗悪性腫瘍剤による化学療法後の増悪若しくは再発例を対象とすること。
- 初回化学療法における本剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用療法に関して、有効性及び安全性は確立していない。
- 非小細胞肺癌
重大な副作用[編集]
骨髄機能抑制、間質性肺炎、肺水腫(0.1%未満)、気管支痙攣(0.1%未満)、麻痺性イレウス、心不全、心筋梗塞(0.1%未満)、狭心症(0.1%未満)、ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー様症状(0.1%未満)、肺塞栓症、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)、急性腎不全、急性膵炎(0.1%未満)。
作用機序[編集]
有糸分裂微小管の構成タンパク質であるチューブリンに選択的に作用し、その重合を阻害することにより抗腫瘍効果を示す。
脚注[編集]
- ^ Marty M, Fumoleau P, Adenis A, Rousseau Y, Merrouche Y, Robinet G, Senac I, Puozzo C (2001). “Oral vinorelbine pharmacokinetics and absolute bioavailability study in patients with solid tumors”. Ann Oncol 12 (11): 1643–9. doi:10.1023/A:1013180903805. PMID 11822766.
参考資料[編集]
- 『ナベルビン注10, 40』医薬品インタビューフォーム・2005年8月作成(協和発酵工業)
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 乳癌--ナベルビン (第5土曜特集 がん外来化学療法コンセプトシート) -- (各がんの外来化学療法)
- P-477 抗がん剤投与法への参画 : 注射部位反応を考慮した酒石酸ビノレルビン(ナベルビン^[○!R])の投与(2.癌薬物療法(外来化学療法、緩和ケア等)8,医療薬学の未来へ翔(はばた)く-薬剤師の薬剤業務・教育・研究への能動的関わり-)
- 29. ナベルビンの気管支動脈動注後に発症したSIADHの1例(第142回 日本肺癌学会関東支部会, 支部活動)
- 黒田 浩章,川久保 雅祥,羽藤 泰,神谷 一徳,塚田 紀理,藤本 博行,木村 吉成,山本 学,泉 陽太郎,江口 圭介,渡辺 真純,川村 雅文,堀之内 宏久,小林 紘一
- 肺癌 45(2), 202, 2005-04-20
- NAID 110003141404
Related Links
- ナベルビンは非小細胞肺がんに有効な薬です。 細胞分裂を ... ナベルビンは、肺がんの 非小細胞がんに使われる抗がん剤です。 ... 1990年代に、肺がんに有効といわれる新規 抗がん剤が次々に登場しました。99年に発売が始まったナベルビンもその1つです。
- ナベルビン注10,ビノレルビン酒石酸塩注射液. ... このページの最初に戻る. ナベルビン 注10. この医薬品についてもっと学ぶ! ※サイト内のページ遷移です。外部サイトには 遷移しません。 ナベルビン注10 · ナベルビン注10. 薬品情報; 添付文書情報 · 成分一致 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ナベルビン注10
組成
容量(1瓶中)
有効成分
- ビノレルビン酒石酸塩13.85mg(ビノレルビンとして10mg)
禁忌
- 骨髄機能低下の著しい患者[重症感染症を併発し、致命的となることがある。]
- 重篤な感染症を合併している患者[感染症が悪化し、致命的となるおそれがある。]
- 本剤及び他のビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
- 髄腔内には投与しないこと。[「適用上の注意」2.投与経路の項参照]
効能または効果
- 手術不能又は再発乳癌の場合
- 本剤の術前・術後化学療法における有効性及び安全性は確立していない(使用経験がない)。
- 本剤の投与を行う場合には、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤及びタキサン系抗悪性腫瘍剤による化学療法後の増悪若しくは再発例を対象とすること。
- 初回化学療法における本剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用療法に関して、有効性及び安全性は確立していない。
- 非小細胞肺癌の場合
- 通常、成人にはビノレルビンとして1回20〜25mg/m2を1週間間隔で静脈内に緩徐に注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、1回最高用量は25mg/m2とする。
- 手術不能又は再発乳癌の場合
- 通常、成人にはビノレルビンとして1回25mg/m2を1週間間隔で2週連続投与し、3週目は休薬する。
なお、年齢、症状により適宜減量する。
- 投与前の白血球数が2,000/mm3未満であった場合には投与を延期し、2,000/mm3以上に回復するのを待って投与する。
- 本剤をあらかじめ約50mLの日局生理食塩液、日局5%ブドウ糖注射液、日局リンゲル液又は乳酸リンゲル液で希釈すること。投与は開始から10分以内に終了することが望ましい。なお、投与後は補液等により、薬液を十分洗い流すこと。
慎重投与
- 骨髄機能抑制のある患者[骨髄機能をより強く抑制するおそれがある。]
- 肝障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
- 間質性肺炎又は肺線維症の既往歴のある患者[症状が再発するおそれがある。]
- 神経・筋疾患の合併あるいは既往歴のある患者[末梢神経障害(知覚異常、腱反射減弱等)が強くあらわれるおそれがある。]
- 虚血性心疾患又はその既往歴のある患者[症状を誘発若しくは悪化させるおそれがある。]
- 便秘傾向の強い患者[症状を悪化させるおそれがある。]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
重大な副作用
- 汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少(84.4%)、好中球減少(75.8%)、貧血(74.1%)、血小板減少(28.5%)等の骨髄機能抑制があらわれることがあるので、観察を十分に行い、重度の異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
- 間質性肺炎(1.4%)、肺水腫(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、胸部X線検査異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等適切な処置を行うこと。
- 気管支痙攣(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、息切れ、呼吸困難等の異常があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等適切な処置を行うこと。なお、本症状は投与直後から2時間以内に発現する例が多いことと、マイトマイシンCとの併用時に発現しやすいことが報告されている。
- 麻痺性イレウス(0.4%)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
- 心不全(0.1%)、心筋梗塞(0.1%未満)、狭心症(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
- ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー様症状(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発疹、呼吸困難、血圧低下等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 肺塞栓症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
- 低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム量の増加、高張尿、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(0.1%)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
- 急性腎不全(0.2%)等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 急性膵炎(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、腹痛、血清アミラーゼ上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
抗腫瘍性
実験腫瘍に対する効果19)
- マウス可移植性腫瘍系でB16メラノーマ、FM3A乳癌、Lewis肺癌、Sarcoma180等の固形腫瘍及びP388、L1210白血病等の腹水型腫瘍に対して優れた抗腫瘍作用を示した。また、in
vitroヒト腫瘍細胞系及びヌードマウス移植ヒト腫瘍である非小細胞肺癌(Lu-65、Lu-99、LC-6、L-27)、乳癌(MX-1、Br-10)に対しても優れた増殖抑制効果を示した。
細胞学的効果20)21)
- 細胞の有糸分裂中期に作用し、細胞周期のG2+M期に細胞が集積した。
作用機序21)22)
- 有糸分裂微小管の構成蛋白質チュブリンに選択的に作用し、その重合を阻害することにより抗腫瘍効果を示す。
有効成分に関する理化学的知見
性状
溶解性
- 水、メタノール、無水エタノールに極めて溶けやすく、アセトンに溶けやすく、エーテル、ヘキサンにはほとんど溶けない。またpH4以下では極めて水に溶けやすいが、pH7以上では急激な溶解度の低下が認められた。
融点
- 明確な融点はもたないが、約190℃で赤褐色に変色し、約240℃で液化した。
旋光度
分配係数
- logP′OCT=2.76
(測定法:フラスコシェイキング法、n-オクタノール/pH7緩衝液)
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- tartaric acid
- 商
- MS温シップ、MS冷シップ、アイファガン、アポノール、アミノレバンEN配合、アリメジン、イフェンプロジル酒石酸塩、イブロノール、エレンタールP乳幼児用配合、エレンタール配合、エンセロン、オーラ、クリアミン配合、サーカネッテン配合、サルポグレラート塩酸塩、ジフェニドール塩酸塩、シプセロン、ゼグミューラー、セリミック、セレクナート、セロクラール、セロケン、セロケンL、ゾルピデム酒石酸塩、タラモナール、チャンピックス、テクニス、テクネMAG3、デトルシトール、デンタカインカートリッジ、トラベルミン配合、ナベルビン、ハーネシップ、バックス、バリエース、バルギン、バロス、ヒシダリン、ヒルトニン、ヒルロック、フレザニール、プロチレリン酒石酸塩、プロヘパール配合、ペチロルファン、ヘパンED配合、ボグニン、マイスリー、マルファ配合、ミルサート冷シップ、メサフィリン配合、メデピン、メトプリック、メトプロロール酒石酸塩、メルコモン、ヨウアジール、ラクール冷シップ、リーバクト配合、リスペリドン、リンブレーン、ロゼウス、ロプレソール、ロプレソールSR、ロルファン、酒石酸
- C4H6O6。
- IUPAC名:2,3-ジヒドロキシブタン二酸
- 分子量150.09。
[★]
商品
[★]
- 英
- vinorelbine
- 化
- 酒石酸ビノレルビン vinorelbine ditartrate
- 商
- ナベルビン、ロゼウス
- 関
- 抗腫瘍性植物成分製剤
[★]
ビノレルビン。ナベルビン
[★]
人名
生理的な音の感受性を考慮した音の強さの単位
- 英
- bel
- 関
- デシベル
[★]
- 英
- bottle
- 関
- ビンづめ