- 英
- trichlormethiazide
- ラ
- trichlormethiazidum
- 商
- フルイトラン
- アニスタジン、イントロメン、ウルソトラン、クバクロン、クロポリジン、トリクロルメチアジド、トラメトール、トリスメン、フルイトラン、フルトリア
- 関
- 利尿薬、チアジド系利尿薬。利尿剤
WordNet
- diuretic drug (trade name Naqua) used to treat hypertension (同)Naqua
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/12/06 04:02:58」(JST)
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トリクロルメチアジド
|
|
IUPAC命名法による物質名 |
6-chloro-3-(dichloromethyl)-1,1-dioxo-
3,4-dihydro-2H-benzo[e] [1,2,4]thiadiazine-
7-sulfonamide
|
臨床データ |
AHFS/Drugs.com |
Micromedex Detailed Consumer Information |
胎児危険度分類 |
- B (D if used to treat pregnancy-induced hypertension)
|
法的規制 |
|
投与方法 |
Oral (capsules, tablets, oral solution) |
薬物動態データ |
生物学的利用能 |
Variably absorbed from GI tract |
排泄 |
Primarily excreted unchanged in urine |
識別 |
CAS番号 |
133-67-5 |
ATCコード |
C03AA03 |
PubChem |
CID: 5560 |
IUPHAR/BPS |
7314 |
DrugBank |
DB01021en:Template:drugbankcite |
ChemSpider |
5359 |
UNII |
Q58C92TUN0 |
KEGG |
D00658en:Template:keggcite |
ChEMBL |
CHEMBL1054en:Template:ebicite |
化学的データ |
化学式 |
C8H8Cl3N3O4S2 |
分子量 |
380.6558 g/mol |
トリクロルメチアジド(Trichlormethiazide、商品名:フルイトラン)はヒドロクロロチアジドと同じチアジド系降圧利尿薬の一つである[1]。腎臓の遠位尿細管でのNa+/Cl−再吸収を阻害する。又、K+の排泄を増加させる。通常、心不全、肝硬変、副腎皮質ホルモン治療、その他に伴う浮腫の治療や高血圧の治療に使用される[1]。獣医学の分野では、ウマの四肢遠位の軽度腫脹や打撲の治療にデキサメタゾンと併用される[2]。
目次
- 1 効能・効果
- 2 禁忌
- 3 副作用
- 4 作用機序
- 5 合成経路
- 6 用法・用量
- 7 参考資料
効能・効果
日本で承認されている効能・効果は、以下の通りである[3]。
- 高血圧症(本態性、腎性等)
- 悪性高血圧
- 心性浮腫(鬱血性心不全)
- 腎性浮腫
- 肝性浮腫
- 月経前緊張症
禁忌
下記の患者には禁忌とされている。
- 無尿の患者
- 急性腎不全の患者
- 体液中のナトリウム、カリウムが明らかに減少している患者
- チアジド系薬物、スルホンアミド誘導体等に対する過敏症の有る患者
副作用
重大な副作用として添付文書に記載されているものは、再生不良性貧血、低ナトリウム血症、低カリウム血症である。
5%以上に現れる(又は頻度不明の)副作用として、発疹、顔面潮紅、光線過敏症、電解質失調(低クロール性アルカローシス、血中カルシウム上昇等)、血清脂質増加、高尿酸血症、高血糖症が記載されている。
作用機序
トリクロルメチアジドはヘンレループでのクロルイオン再吸収と、恐らくはナトリウムイオンの再吸収を阻害する。ナトリウム、クロルとともに水分が排泄され、その結果、利尿効果が齎される[1] 。
合成経路
トリクロルメチアジドの化学名は、1,1-dioxide 3,4-dihydro-3-(dichlormethyl)-6-chloro-2H-1,2,4-benzothiadiazin-7-sulfonamideである。
トリクロルメチアジド合成法
[4][5][6][7][8][9]
用法・用量
1日2~8mgを1~2回に分割経口投与する。
参考資料
- ^ a b c “DrugBank: DB01021 (Trichlormethiazide)”. DrugBank. 2008年1月23日閲覧。
- ^ “Trichlormethiazide and Dexamethasone for veterinary use”. Wedgewood Pharmacy. 2008年1月24日閲覧。
- ^ “フルイトラン錠1mg/フルイトラン錠2mg 添付文書” (2013年9月). 2015年7月4日閲覧。
- ^ Scherico Ltd., Br. GB 949373 (1960).
- ^ G. de Stevens, L.H. Werner, Ger. DE 1147233 (1960).
- ^ De Stevens, G; Werner, L. H.; Barrett, W. E.; Chart, J. J.; Renzi, A. H. (1960). "The chemistry and pharmacology of hydrotrichlorothiazide". Experientia 16: 113–4. PMID 13815073.
- ^ M.H. Sherlock, N. Sperber, J. Topliss, Experientia, 16, 184 (1960).
- ^ Scherico Ltd., GB 954023 (1960).
- ^ W.J. Close, アメリカ合衆国特許第3,264,292号 (1960).
|
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Japanese Journal
- 20I-14 トリクロルメチアジド製剤の安定性に及ぼす光の影響(健康食品・サプリメント・品質管理,来るべき時代への道を拓く)
- 松島 由貴,寺岡 麗子,秋田 朋美,溝口 佳奈,杉本 功,加藤 史恵,井上 佳奈,森田 真也,北河 修治
- 日本医療薬学会年会講演要旨集 18, 263, 2008-09-01
- NAID 110006963859
- 29-P2-166 トリクロルメチアジド錠の湿度に対する安定性(製剤,社会の期待に応える医療薬学を)
- 松島 由貴,寺岡 麗子,杉本 功,加藤 史恵,井上 佳奈,北河 修治
- 日本医療薬学会年会講演要旨集 17, 276, 2007-09-01
- NAID 110006963062
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
※ クロポリジン錠2mg
組成
組 成
- クロポリジン錠2mgは1錠中トリクロルメチアジド2mgおよび添加物として赤色3号、乳糖水和物、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウムを含有する。
禁忌
(1)無尿の患者
(2)急性腎不全の患者
(3)体液中のナトリウム、カリウムが明らかに減少している患者
- 〔低ナトリウム血症、低カリウム血症等の電解質失調を悪化させるおそれがある。〕
(4)チアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルホンアミド誘導体)に対する過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
- 高血圧症(本態性、腎性等)、悪性高血圧、心性浮腫(うっ血性心不全)、腎性浮腫、肝性浮腫、月経前緊張症
- 通常、成人にはトリクロルメチアジドとして1日2?8mgを1?2回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
ただし、高血圧症に用いる場合には少量から投与を開始して徐々に増量すること。
また、悪性高血圧に用いる場合には、通常、他の降圧剤と併用すること。
慎重投与
1)進行した肝硬変症のある患者
2)重篤な冠硬化症又は脳動脈硬化症のある患者
- 〔急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。〕
3)重篤な腎障害のある患者
4)肝疾患・肝機能障害のある患者
5)本人又は両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者
- 〔高尿酸血症、高血糖症を来し、痛風、血糖値の悪化や顕性化のおそれがある。〕
6)下痢、嘔吐のある患者
7)高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症のある患者
8)ジギタリス剤、糖質副腎皮質ホルモン剤又はACTHの投与を受けている患者
9)減塩療法時の患者
- 〔低ナトリウム血症等の電解質失調を起こすおそれがある。〕
10)高齢者
11)乳児
12)交感神経切除後の患者
- 〔本剤の降圧作用が増強される。〕
- 3.?11.項は「副作用 重大な副作用の2.3.及び その他の副作用 代謝異常」の項参照
重大な副作用
1.再生不良性貧血(頻度不明):
- 再生不良性貧血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。
※※ 2.低ナトリウム血症(頻度不明):
- けん怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、痙攣、意識障害等を伴う低ナトリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、直ちに適切な処置を行うこと。
※※ 3.低カリウム血症(頻度不明):
- けん怠感、脱力感、不整脈等を伴う低カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、直ちに適切な処置を行うこと。
薬効薬理
利尿作用
- ヘンレのループ上行脚および近位尿細管においてNa+、Cl-の再吸収を抑制して利尿作用をあらわす。K+の排泄も増加するがNa+の増加に比して軽度で、そのためNa/K排泄比は増加する2)
降圧作用
- サイアザイド系薬物の降圧作用機序は明確にされていないが、脱塩作用、循環血液量減少作用の他、血管平滑筋のCa2+透過性への関与が考えられている。
有効成分に関する理化学的知見
- 本品は白色の粉末である。N,N-ジメチルホルムアミド又はアセトンに溶けやすく、アセトニトリル又はエタノール(95)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
本品のアセトン溶液(1→50)は旋光性を示さない。
融点:約270℃(分解)
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- 賦形剤
- 商
- ATP、dl-メチルエフェドリン塩酸塩、PL配合、アーチスト、アイデイト、アイデイトロール、アクタミン、アクトス、アクトネル、アコニンサン、アザニン、アスコルビン酸、アスゾール、アストモリジン配合、アスペノン、アスベリン、アセトアミノフェン、アテノート、アドリアシン、アトルバスタチン、アナストロゾール、アニスタジン、アプリトーン、アベマイド、アポプロン、アミサリン、アミプリン、アモペニキシン、アリーゼS配合、アリセプト、アリチア配合、アルフロシン、アレギサール、アレファリン、アレルギン、アロシトール、アロプリノール、アンブロン、イソパール・P配合、イダマイシン、イトプリド塩酸塩、イプリフラボン、イミダプリル塩酸塩、イミドール、イリコロンM配合、インヒベース、ウテメック、ウブテック、ウルサミック、ウルソ、ウルソトラン、ウルペティック、エイムゲン 、エースコール、エカテリシン、エクセラーゼ配合、エストリオール、エチゾラム、エチゾラン、エトドラク、エナラート、エナラプリルマレイン酸塩、エバスチン、エピカルスS配合、エピカルス配合、エビプロスタット配合、エフェドリン塩酸塩、エフォリン、エホチール、エリーテン、エルサメット配合、エレンタールP乳幼児用配合、エレンタール配合、エンセバック、エンテラーゼ配合、オーネスN配合、オーネスSP配合、オーネスST配合、オーネスSZ配合、オステン、おたふくかぜ生ワクチン、オフタルムK配合、カオルトーン、ガスイサン、ガスポート、カズマリン、ガスメット、ガスリック、ガスロンN、カプセーフ、ガモファー、カルスロット、カルタレチン、カルデナリン、カルバドゲン、カルベジロール、キョーリンAP2配合、クールスパン、クエチアピン、クバクロン、グペリース、クラリスロマイシン、グリクラジド、グリノラート、グリメピリド、クロポリジン、クロミッド、クロルフェニラミンマレイン酸塩、クロルプロマジン塩酸塩、グロント、ケイラーゼS 、ケトブン、ゲファルナート、ケルナック、ゴクミシン、コデインリン酸塩、コナン、コニール、コニプロス、コバステン、コバテンシン、コバマミド、コレキサミン、コレリット、コロキノン、コンスーン、コントール、コントミン、サアミオン、サニアーゼ配合、サラザック配合、サルポグレラート塩酸塩、ジアイナミックス、シェトラゾーナ、ジゴキシン、ジゴハン、ジソピラミド、ジヒドロコデインリン酸塩、ジピリダモール、ジフェニドール塩酸塩、シロスタゾール、シンベノン、シンレスタール、ストマルコン、スパクロミン、スパトニン、スピロノラクトン、ズファジラン、スルピリド、セエルカム、セチリジン塩酸塩、セドリーナ、セナプリド、セナプロスト、セファランチン、セフジニル、セフジニル、セブンイー・P配合、セラピエース、セラピナ配合、セルニルトン、セレガスロン、セレナミン、センセファリン、センブリ・重曹、ソクワール、ソビラール、ソルイルビン、ゾルピデム酒石酸塩、ソルファ、ダウンテンシン、タフマックE配合、タムスロシン塩酸塩OD、ダラシン、タンチパン配合、チウラジール、チョコラA、テオロング、テナキシル、デパス、テモカプリル塩酸塩、デュファストン、デラキシー配合、テルビナフィン、トーワチーム配合、ドキサゾシン、ドキソルビシン塩酸塩、ドネペジル塩酸塩、トフラニール、ドライアーゼ配合、トラベルミン配合、ドラマミン、トランコロンP配合、ドランジン、トリアゾラム、トリクロルメチアジド、トリドセラン配合、トリヘキシフェニジル塩酸塩、トリヘキシン、トリラホン、ドルナリン、トルブタミド、トレキサメット、トロキシン、ドンペリドン、ナーセット配合、ナテグリニド、ナトリックス、ナフトジール、ニセルゴリン、ニチファーゲン配合、ニトレジック、ニトロールR、ネオ・エフラーゼ配合、ネオアムノール配合、ノイダブル、ノイファン、ノイロビタン配合、ノズレン、ノバミン、ノンネルブ、ハーフジゴキシンKY、バイカロン、バイニロード、ハイフル配合、バイロテンシン、はしか生ワクチン、はしか風しん混合生ワクチン、パスターゼSA配合、バップベリン、パトコン、パパベリアン、パルギン、バルレール、ハロステン、ハロペリドール、バンコミック、パントテン酸カルシウム、パンピオチン、パンビタン末 、パンホリータ、ピーエイ配合、ピーゼットシー、ピオグリタゾン、ビオスミン配合、ビオスリー配合、ビオチン、ビオフェルミン、ビオフェルミンR、ビオフェルミン配合、ビカルタミド、ヒシロミン、ヒスタール、ビソテート、ビタミンB6、ビタメジン配合、ヒダントール、ヒダントールD配合、ビフロキシン配合、ビホープA、ピラミスチン、ピロラクトン、ファスティック、ファモガスト、ファモチジン、ファルプリル、ファンテゾール、フィオランス、フェニトイン、フェニルアラニン除去ミルク配合、フェノバルビタール、フェルターゼ配合、フォリアミン、フスコデ配合、フッコラート、プラコデ配合、プラノバール配合、プラバスタチンNa塩、プラバスタチンナトリウム、プラバメイト、プラメバン、プランルカスト、フルイトラン、プレドニゾロン、プレドニン、プレドハン、プレロン、プロスタリン、フロセミド、ブロチゾラム、プロノン、プロパフェノン塩酸塩、プロピベリン塩酸塩、ブロプレス、プロヘパール配合、プロモーション、プロルナー、ベイスン、ヘキサトロン、ベグリラート、ベゲタミン-A配合、ベザフィブラートSR、ベザリップ、ベスタミオン、ベスタリットL、ベストルナー、ベニジピン塩酸塩、ペニフォー、ベネット、ベハイドRA配合、ヘパンED配合、ペミラストン、ヘモリンガル、ベラストリン、ベラパミル塩酸塩、ペラプリン、ベラプロストNa、ベラプロストナトリウム、ベリチーム配合、ベルナール、ベルラー、ベロム、ボインリール、ボグシール、ボグリボース、ポリトーゼ、ボルトミー配合、マカシーA、マゴチロン、マサトン、マズレニンガーグル、マニカロット、マニジピン塩酸塩、マリレオンN、マレイン酸クロルフェニラミン、ミクトノーム、ミデナールL、ミラドール、メコバラミン、メサフィリン配合、メシル酸ドキサゾシン、メタヒスロン、メチルエルゴメトリンマイレン酸塩、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩、メチルドパ、メチルホエドリン、メトプリック、メトリオン、メバトルテ、メバリッチ、メバロチン、メリシン、メリストラーク、メロキシカム、メントリース、モサプリドクエン酸塩、モミアロン、ユーリック、ユリロシン、ライドラース、ラクスパン、ラクデーン、ラクボン、ラックメロン、ラリルドン、ランソプラゾール、リウマトレックス、リスペリドン、リセドロン酸Na、リセドロン酸ナトリウム、リトドリン、リトドリン塩酸塩、リトメリン、リネステロン、リンドルフ、リントン、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、リン酸ピリドキサール、ルフレン配合、レスタス、レスポリート、レチコラン、レニベース、レバミピド、レビンベース、レプター、レベニン、レボフロキサシン、レモナミン、ロイシン・イソロイシン・バリン除去ミルク配合、ロキシーン、ロサルタンK、ロサルタンカリウム、ロラタジン、ワーファリン、ワーリン、ワルファリンK、ワルファリンカリウム、塩酸クロルプロマジン、塩酸トリヘキシフェニジル、塩酸パパベリン、塩酸プロピベリン、塩酸ベニジピン、塩酸ミノサイクリン、乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン、強力ビスラーゼ、組織培養不活化狂犬病ワクチン 、乳糖、乳糖水和物、硫酸キニジン
[★]
- 英
- thiazide diuretic, benzothiazide diuretic
- 同
- サイアザイド系利尿薬
- 関
- 利尿薬、利尿薬の作用部位、sodium-chloride symporter inhibitor。ギテルマン症候群
特徴
- 安価である
- 有効率が高い
- 遠位尿細管前半部に作用するらしい
- Na+とCl-の共輸送体(NCCT)を阻害→Na+,Cl- の再吸収を阻害する
排泄される電解質の変化
- Na↑、K↑、H↑、Ca↓、Mg↑、Cl↑、HCO3↑、H2PO4↑
-
- チアジド系利尿薬の慢性使用により体液量が減少し、近位尿細管での再吸収が亢進するため (GOO.755) ??
- チアジド系利尿薬自体のDCTでの作用による;NCCTを阻害すると細胞内のNa濃度低下、これにより側底膜でのNa+-Ca2+交換系が亢進することでCa2+の再吸収↑ (GOO.755) → つまり管腔側から受動的に引き込まれるということ。
- ループ利尿薬と同様の機序による (GOO.755)
チアジド系利尿薬
効能・効果
禁忌
- 無尿(効果なし)
- 急性腎不全(腎機能悪化):緻密斑より下流にチアジド系利尿薬の作用部位があるため、GFRを増加させたい場合にフィードバックがかかりにくいため?(緻密斑は適正量のNaが排泄されていると検出し、GFRを低下させても、下流では想定より多くのNaを喪失し、hypovolemicになる?)
- 電解質異常
副作用
- 長期間の使用における副作用:低カリウム血症、高尿酸血症、高脂血症、耐糖能低下、光線過敏症、脂質代謝障害。高カルシウム血症(YN.C-62) → (利尿薬参照。ループ利尿薬との違いはカルシウムを排泄するかどうか)
低カリウム血症
- GOO.756
- カリウムは抗高血圧作用があるので、チアジド系利尿薬の利尿作用を打ち消してしまう。
耐糖能の低下
- GOO.756
- 低カリウム血症の関与が示唆されている。K+をチアジド系利尿薬と共に投与すると高血糖が改善されるから。
歴史
- 第二次世界大戦中、衛生状態の悪い兵士の間でシラミを介したバルトネラ属の感染症(塹壕熱、病原体はBartonella quintana)が流行していたが、この治療にサルファ剤が用いられていた。このサルファ剤が有する利尿作用に中臆して開発されたのがチアジド系利尿薬である。1957年にクロロチアジド、1959年に10倍の利尿作用を有するヒドロクロロチアジドが開発された。いずれも光線過敏症が副作用として知られている。日本では光線過敏症がより少ないと言われているトリクロルメチアジド(フルイトラン)がもっぱら用いられている。チアジド系利尿薬は日本では光線性白斑黒皮症と知られており、色素沈着と白斑を伴う。
- 参考:チアジド系利尿剤の副作用の歴史 日本医史学雑誌第58巻第2号(2012)p156
[★]
- 英
- diuretic、diuretic drug
- 関
- 利尿、利尿薬
商品
[★]
会社名
成分
薬効分類
[★]
トリクロルメチアジド
- 関
- Thiazide diuretics
[★]
- 英
- azide、azido
- 関
- アジ化物
[★]
- 英
- bird、avian
- 関
- 鳥類