- 英
- atomoxetine
- 化
- 塩酸アトモキセチン atomoxetine hydrochloride
- 商
- ストラテラ Strattera
- 関
- 精神神経用剤
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/05/03 17:54:18」(JST)
[Wiki ja表示]
アトモキセチン
|
|
IUPAC命名法による物質名 |
(3R)-N-methyl-3-(2-methylphenoxy)-3-phenyl-propan-1-amine; (R)-N-methyl-3-phenyl-3-(o-tolyloxy)propan-1-amine |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
|
投与方法 |
Oral (Capsules: 10, 18, 25, 40, and 60 mg; in some countries 80 and 100 mg are also available) |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
63 to 94% |
血漿タンパク結合 |
40% |
代謝 |
Hepatic, via CYP2D6 |
半減期 |
5 hours |
排泄 |
Renal (>80%) and fecal (<17%) |
識別 |
CAS番号 |
83015-26-3 |
ATCコード |
N06BA09 |
PubChem |
CID 54841 |
DrugBank |
APRD00614 |
ChemSpider |
49516 |
KEGG |
D07473 |
化学的データ |
化学式 |
C17H21NO |
分子量 |
255.355 g/mol
291.820 g/mol (hydrochloride) |
SMILES
- O(c1ccccc1C)[C@@H](c2ccccc2)CCNC
|
アトモキセチン(英語: Atomoxetine) は注意欠陥多動性障害(ADHD)の薬である。ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(英語版)の一種であり[1],米国イーライリリー・アンド・カンパニーにより開発された。この薬はアトモキセチン塩酸塩の形で使われる。Strattera、Tomoxetin、Attentinの商品名で販売されている。
目次
- 1 日本における状況
- 2 副作用
- 3 脚注
- 4 関連項目
日本における状況
日本においてはストラテラ (Strattera)の商品名で日本イーライリリーが製造販売している。18才未満の注意欠陥多動性障害(ADHD)に対して承認され、18歳までに使用していた患者は必要に応じそれ以降も使用出来る。成人に対しては2012年8月に追加承認され、同年秋に使用が開始された[2]。
副作用
重大な副作用として、添付文書には肝機能障害、黄疸、肝不全、アナフィラキシーが記載されている[3]。
脚注
- ^ Unni JC (July 2006). "Atomoxetine". Indian Pediatrics 43 (7): 603–6. PMID 16891679. Retrieved 2010-04-19.
- ^ “注意欠陥/多動性障害(AD/HD)治療剤「ストラテラ®」、日本で初めて、成人期のAD/HDへの適応承認” (2012年8月24日). 2014年10月31日閲覧。
- ^ “ストラテラカプセル5mg/ストラテラカプセル10mg/ストラテラカプセル25mg/ストラテラカプセル40mg 添付文書”. 2014年10月31日閲覧。
関連項目
日本国内で流通しているストラテラカプセル(40mg)
抗うつ薬 (N06A) |
|
再取り込み阻害薬 |
|
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRIs)
|
フルオキセチン フルボキサミン パロキセチン セルトラリン エスシタロプラム
|
|
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 (SNRIs)
|
デュロキセチン ミルナシプラン ヴェンラファキシン
|
|
ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 (NRIs)
|
アトモキセチン
|
|
ノルアドレナリン・ドパミン再取り込み阻害薬 (NDRIs)
|
ブプロピオン
|
|
|
|
受容体拮抗薬 / 再取り込み阻害薬 |
|
セロトニン2受容体拮抗・再取り込み阻害薬 (SARIs)
|
トラゾドン
|
|
ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬 (NaSSAs)
|
ミアンセリン ミルタザピン セチプチリン
|
|
ノルアドレナリン・ドパミン脱抑制薬 (NDDIs)
|
アゴメラチン フリバンセリン
|
|
|
|
三環系抗うつ薬 と 四環系抗うつ薬 (TCAs/TeCAs) |
|
三環系: アミトリプチリン クロミプラミン イミプラミン ノルトリプチリン アモキサピン 四環系: マプロチリン ミアンセリン ミルタザピン セチプチリン
|
|
|
アザピロン と 5-HT1A阻害薬 |
|
アリピプラゾール タンドスピロン
|
|
|
サプリメント (ビタミン, ミネラル, アミノ酸など) |
|
アスコルビン酸 (Vitamin C) 魚油 葉酸 (Vitamin B9) L-5-HTP (Oxitriptan) レボドパ (Levodopa) L-Methionine フェニルアラニン トリプトファン チロシン マグネシウム メラトニン ナイアシン/Niacinamide (Vitamin B3) ω-3脂肪酸 ピリドキシン (Vitamin B6) S-アデノシルメチオニン 亜鉛
|
|
|
覚醒剤 (ADHD,スマートドラッグの分野) (N06B) |
|
交感神経作動 |
アンフェタミン Amphetaminil アトモキセチン Dextroamphetamine Dextromethamphetamine Fencamfamine Fenethylline Lisdexamfetamine メチルフェニデート Mesocarb ペモリン ピプラドロール Prolintane
|
|
キサンチン誘導体 |
カフェイン Fenethylline
|
|
グルタミン酸受容体 |
Racetams
|
Aniracetam エチラセタム ネブラセタム Nefiracetam Noopept Oxiracetam Phenylpiracetam ピラセタム Pramiracetam
|
|
Ampakines
|
CX-516 CX-546 CX-614 CX-691 CX-717 IDRA-21 LY-404,187 LY-503,430 PEPA Sunifiram Unifiram
|
|
|
Eugeroics / ベンズヒドリル化合物 |
Adrafinil アルモダフィニル モダフィニル
|
|
ヒスタミンH3受容体 拮抗薬 |
A-349,821 ABT-239 Ciproxifan GSK-189,254
|
|
GABAA α5 逆作動 |
α5IA L-655,708 PWZ-029 Suritozole TB-21007 ZK-93426
|
|
ドーパミンD1受容体拮抗薬 |
A-77636 Dihydrexidine Dinapsoline Doxanthrine SKF-81297 6-Br-APB
|
|
α7 ニコチン アゴニスト / PAM |
AR-R17779 コチニン ニコチン PNU-282,987 SSR-180,711
|
|
プロリルエンドペプチダーゼ 酵素阻害剤 |
S-17092
|
|
ノルアドレナリン再取込阻害剤 (NRIs) |
アトモキセチン
|
|
その他の精神刺激剤・スマートドラッグ |
アセチルカルニチン アダフェノキサート アルファGPC Bifemelane Carbenoxolone Citicoline Cyprodenate Ensaculin Idebenone Ispronicline ジメチルアミノエタノール Dimebon Fipexide Leteprinim Linopirdine メクロフェノキサート Nizofenone ホスファチジルセリン Pirisudanol Pyritinol ルビジウム Sulbutiamine Taltirelin Tricyanoaminopropene チロシン Vinpocetine
|
|
|
この項目は、薬学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:薬学/Portal:医学と医療)。 |
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 臨床研究・症例報告 日常診療下における小児期の注意欠陥/多動性障害患者に対するアトモキセチンの安全性および有効性評価 : 特定使用成績調査の中間解析結果
- 注意欠陥多動性障害児に対する薬剤の選択と使用に関する実態調査
- 宮地 泰士,宮島 祐,石崎 優子 [他]
- 日本小児科学会雑誌 = The journal of the Japan Pediatric Society 117(11), 1804-1810, 2013-11
- NAID 40019878250
- 海外におけるアトモキセチンの使用状況 (特集 アトモキセチン : 基礎と臨床)
Related Links
- ストラテラ(アトモキセチン)の作用機序:ADHD治療薬 授業中に席を立ち上がって動き回るなど、いわゆる「落ち着きのない状態」を示す疾患としてADHDがあります。ADHDは注意欠陥・多動性障害とも呼ばれます。 そこで、これら子供の ...
- ストラテラとは?アトモキセチンの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。 すべての副作用を掲載しているわけではありません。
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
- 注意欠陥/多動性障害治療剤(選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤)
販売名
ストラテラカプセル5mg
組成
成分・含量
(1カプセル中):
- アトモキセチン塩酸塩5.71mg(アトモキセチンとして5mg)
添加物:
- 内容物:
部分アルファー化デンプン、ジメチルポリシロキサン(内服用)
カプセル本体:
黄色三二酸化鉄、ラウリル硫酸ナトリウム、ゼラチン
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者[「相互作用」の項参照]
- 重篤な心血管障害のある患者[血圧又は心拍数を上昇させ、症状を悪化させるおそれがある。「重要な基本的注意」「その他の注意」の項参照]
- 褐色細胞腫又はその既往歴のある患者[急激な血圧上昇及び心拍数増加の報告がある。]
- 閉塞隅角緑内障の患者[散瞳があらわれることがある。]
効能または効果
- 6歳未満の患者における有効性及び安全性は確立していない。[「臨床成績」の項参照]
- AD/HDの診断は、米国精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM*)等の標準的で確立した診断基準に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ投与すること。
- *Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders
18歳未満の患者
- 通常、18歳未満の患者には、アトモキセチンとして1日0.5mg/kgより開始し、その後1日0.8mg/kgとし、さらに1日1.2mg/kgまで増量した後、1日1.2〜1.8mg/kgで維持する。
ただし、増量は1週間以上の間隔をあけて行うこととし、いずれの投与量においても1日2回に分けて経口投与する。
なお、症状により適宜増減するが、1日量は1.8mg/kg又は120mgのいずれか少ない量を超えないこと。
18歳以上の患者
- 通常、18歳以上の患者には、アトモキセチンとして1日40mgより開始し、その後1日80mgまで増量した後、1日80〜120mgで維持する。
ただし、1日80mgまでの増量は1週間以上、その後の増量は2週間以上の間隔をあけて行うこととし、いずれの投与量においても1日1回又は1日2回に分けて経口投与する。
なお、症状により適宜増減するが、1日量は120mgを超えないこと。
- CYP2D6阻害作用を有する薬剤を投与中の患者又は遺伝的にCYP2D6の活性が欠損していることが判明している患者(Poor Metabolizer)では、本剤の血中濃度が上昇し、副作用が発現しやすいおそれがあるため、投与に際しては忍容性に問題がない場合にのみ増量するなど、患者の状態を注意深く観察し、慎重に投与すること。[「相互作用」及び「薬物動態」の項参照]
- 中等度(Child-Pugh Class B)の肝機能障害を有する患者においては、開始用量及び維持用量を通常の50%に減量すること。また、重度(Child-Pugh Class C)の肝機能障害を有する患者においては、開始用量及び維持用量を通常の25%に減量すること。[「慎重投与」及び「薬物動態」の項参照]
慎重投与
- 肝機能障害のある患者[血中濃度が上昇するおそれがある。(「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「薬物動態」の項参照)]
- 腎機能障害のある患者[血中濃度が上昇するおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]
- 痙攣発作又はその既往歴のある患者[痙攣をおこすことがある。]
- 心疾患(QT延長を含む)又はその既往歴のある患者[症状を悪化又は再発させるおそれがある。]
- 先天性QT延長症候群の患者又はQT延長の家族歴のある患者[QT延長を起こすおそれがある。]
- 高血圧又はその既往歴のある患者[症状を悪化又は再発させるおそれがある。]
- 脳血管障害又はその既往歴のある患者[症状を悪化又は再発させるおそれがある。]
- 起立性低血圧の既往歴のある患者[本剤の投与による起立性低血圧の報告がある。]
- 下記の精神系疾患のある患者[行動障害、思考障害又は躁病エピソードの症状が悪化するおそれがある。]
- 精神病性障害、双極性障害
- 排尿困難のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
重大な副作用
- 肝機能障害、黄疸、肝不全(頻度不明):肝機能検査値の上昇を伴う肝機能障害、黄疸、肝不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- アナフィラキシー様症状(頻度不明):血管神経性浮腫、蕁麻疹等のアナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
薬理作用
モノアミン取り込み阻害作用(in vitro)7)
- 本剤はラット脳シナプトソームへのノルアドレナリン取り込みを強力に阻害した(Ki:4.47nM)。本剤のノルアドレナリン取り込み阻害作用はセロトニン及びドパミン取り込み阻害作用に比べ30倍以上選択的であった。なお、本剤は各種神経伝達物質受容体にはほとんど親和性を示さなかった。
モノアミン取り込み阻害作用(in vivo)8)
- 本剤は神経毒によるノルアドレナリン枯渇を阻害したが(ED50:2.5mg/kg,p.o.)、セロトニン枯渇に対してはほとんど作用を示さなかった。
細胞外モノアミン濃度に及ぼす影響(in vivo)8)
- 本剤は前頭前野におけるノルアドレナリン及びドパミンの細胞外濃度を有意に上昇させたが(0.3〜3mg/kg,i.p.)、線条体や側坐核における細胞外ドパミン濃度には影響を及ぼさなかった。
作用機序
- 臨床における有用性には神経終末のノルアドレナリントランスポーターに対する選択的阻害作用が関与していることが可能性としては考えられるものの、明確な機序は不明である。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
- アトモキセチン塩酸塩(JAN)
Atomoxetine Hydrochloride
化学名:
- (3R)-N-Methyl-3-(2-methylphenoxy)-3-phenylpropan-1-amine monohydrochloride
- 3.8(1-オクタノール−水系)
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- QT延長症候群、QT間隔
原因
- 洞結節機能不全
- 房室ブロック:2度房室ブロック、3度房室ブロックアンドロゲン遮断療法(GnRHアゴニスト/アンタゴニスト療法または両側性精巣摘除術)
- 利尿薬:低マグネシウム血症・低カリウム血症の誘発による
- 鎮吐薬:
[★]
- 英
- atomoxetine hydrochloride
- 関
- アトモキセチン