- 英
- foscarnet
- 同
- フォスカーネット
- 化
- ホスカルネットナトリウム foscarnet sodium、ホスカルネットナトリウム水和物 foscarnet sodium hydrate
- 商
- ホスカビル
- 関
- 抗ウイルス薬
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/04/24 08:28:39」(JST)
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ホスカルネット
|
IUPAC命名法による物質名 |
phosphonoformic acid |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
B3 (Au), C (U.S.) |
法的規制 |
℞-only (U.S.), POM (UK) |
投与方法 |
静脈注射 |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
NA |
血漿タンパク結合 |
14-17% |
半減期 |
3.3-6.8 hours |
識別 |
CAS登録番号 |
63585-09-1 (trisodium salt) |
ATCコード |
J05AD01 |
PubChem |
CID 3415 |
DrugBank |
APRD00669 |
別名 |
phosphonomethanoic acid, dihydroxyphosphinecarboxylic acid oxide |
化学的データ |
化学式 |
CH3O5P |
分子量 |
126.005 g/mol
300.1 g/mol (foscarnet trisodium hexahydrate) |
SMILES |
eMolecules & PubChem |
ホスカルネット(Foscarnet)とは、抗ウイルス薬の一つ。ギ酸にリン酸が置換した構造を持つ。
サイトメガロウイルスや単純ヘルペスウイルスの治療に用いられる。
抗DNAウイルス薬(ATCコード:J05、S01AD、D06BB) |
|
Baltimore I |
ヘルペスウイルス
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DNA合成
阻害剤
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TK活性型
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プリン誘導体
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グアニン(アシクロビル#/バラシクロビル、ガンシクロビル/バルガンシクロビル、ペンシクロビル/ファムシクロビル)
アデニン(ビダラビン、シタラビン)
|
|
ピリミジン誘導体
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ウリジン(イドクスウリジン、トリフルリジン、エドクスウジン)
チミン(ブリブジン)
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TK不活性型
|
ホスカルネット
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|
その他
|
ドコサノール · 初期タンパク質(ホミビルセン) · トロマンタジン
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HPV/MC
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イミキモド/レシキモド · ポドフィロトキシン
|
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ワクシニア
|
会合阻害: リファンピシン
|
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ポックスウイルス
|
メチサゾン
|
|
|
B型肝炎 (VII) |
ヌクレオシド誘導体/NARTI: エンテカビル · ラミブジン · テルビブジン · クレブジン
ヌクレオシド誘導体/NtRTI: アデホビル · テノホビル
|
|
Multiple/general |
核酸阻害剤
|
シドホビル
|
|
インターフェロン
|
インターフェロンα-2b · ペグインターフェロンα-2a
|
|
複合/不明
|
リバビリン#/タリバビン†
|
|
ErbB2/PI3K経路
|
NOV-205§ · NOV-002†
|
|
|
#WHO-EM. ‡市場から撤退。治験: †第III相。§第II相以下 |
|
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 造血幹細胞移植後のウイルス感染症 : サイトメガロウイルス感染症を中心に (第1土曜特集 造血幹細胞移植の最新動向) -- (移植の合併症と管理)
- ホスカルネットにて軽快した難治性ヘルペス脳炎の一例(一般演題,第2回日本てんかん学会中国・四国地方会)
- 安井 建一,木谷 茜,玉田 泰明,太田 久仁子,和田 健二,古和 久典,中島 健二
- てんかん研究 26(1), 125, 2008-06-30
- NAID 110006827326
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
点滴静注用ホスカビル注24mg/mL
組成
成分・含量(1mL中)
- ホスカルネットナトリウム水和物24mg(2.4%)
添加物
効能または効果
- ○後天性免疫不全症候群(エイズ)患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎
- ○造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス血症及びサイトメガロウイルス感染症
- 本剤は、先天性もしくは新生児サイトメガロウイルス感染症を効能・効果とはしていない。
- 本剤は、サイトメガロウイルス感染が確認された患者において、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。
- 本剤は、造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス血症及びサイトメガロウイルス感染症において、他剤の治療効果が不十分又は忍容性に問題があると考えられる場合に投与すること。
- 本剤をサイトメガロウイルス非感染者に感染予防の目的で使用しないこと。
- ○後天性免疫不全症候群(エイズ)患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎、造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス感染症
- 初期療法:通常、ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり60mgを、1時間以上かけて8時間ごとに1日3回、又は1回体重1kgあたり90mgを、2時間以上かけて12時間ごとに1日2回、それぞれ点滴静注する。なお、初期療法は2?3週間以上行う。
- 維持療法:初期療法に続く維持療法には、通常、ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり90?120mgを2時間以上かけて1日1回点滴静注する。維持療法中に再発が認められた場合は、初期療法の用法・用量により再投与することができる。
- ○造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス血症
- 初期療法:通常、ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり60mgを、1時間以上かけて12時間ごとに1日2回点滴静注する。 初期療法は1?2週間以上行う。
- 維持療法:通常、ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり90?120mgを2時間以上かけて1日1回点滴静注する。維持療法中に再発が認められた場合は、初期療法の用法・用量により再投与することができる。
- なお、初期療法、維持療法のいずれの場合も、本剤による腎障害を軽減するため、本剤による治療中には水分補給を十分に行い、利尿を確保すること。
- <投与法及び希釈調製法>
- 本剤を中心静脈より投与する場合は希釈せずに用いるが、末梢静脈より投与する場合には、血管への刺激を軽減するため、5%ブドウ糖注射液又は生理食塩液にて2倍に希釈して用いる(12mg/mL)こと。なお、本剤の血漿中濃度の過剰な上昇により、本剤の毒性が増強することがあるので、点滴速度に十分注意し、点滴静注以外では投与しないこと。また、点滴速度を調節するため、点滴ポンプを使用することが望ましい。
- <用量の調節>
- 本剤の用量は、各患者の腎機能に応じて個別に調節すること。
- サイトメガロウイルス血症に対して本剤を投与する場合には、臓器特異的感染症状の出現に関し注意深く経過観察を行うこと。なお、感染症状が出現した場合には、速やかにサイトメガロウイルス感染症に対する本剤投与量への変更等、適切な処置を行うこと。
- 本剤の投与により重度の腎障害を起こすことがあるので、本剤投与中は、血清クレアチニン値を初期療法期には少なくとも隔日に、維持療法期では週に一度は測定し、腎機能に応じて投与量を調節すること(末尾の「参考:腎機能に応じた1回投与量調節ガイド」参照)。なお、本剤投与中にクレアチニンクリアランス値が0.4mL/分/kg以下になった場合には休薬し、腎機能が回復するまで投与しないこと。
- 本剤の腎障害を軽減するため、本剤初回投与前及び毎回の点滴静注時には適切な水分補給を行うこと(通常、本剤初回投与前及びその後本剤を点滴静注する毎にあわせて生理食塩液0.5?1L/回、最大2.5L/日までを点滴静注する)。
- 利尿薬を併用する場合にはチアジド系利尿薬を用いる。
- 本剤は点滴静注によってのみ投与すること(局所投与等、他の投与方法では使用しないこと)。
慎重投与
- 腎障害のある患者[腎障害を増悪させることがある。]
- 低カルシウム血症、低マグネシウム血症、低カリウム血症等の電解質異常のある患者[本剤のキレート作用によりカルシウム及びマグネシウムの血清中濃度の低下をさらに増強することがある。また、血清中カリウム濃度をさらに低下させることがある。]
- 中枢神経系・心機能に異常のある患者[本剤による電解質異常により症状を悪化させることがあるので、慎重に観察を行い、血清電解質の補正など適切な処置を行うこと。]
重大な副作用
- 次のような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- ショック 本剤の投与中に、発熱・悪寒、発疹等を初発症状とし、戦慄、顔面蒼白、チアノーゼ、呼吸困難等のショック様症状を発現した症例が報告されている。
- 急性腎不全(1?10%)(「警告」、「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)
- 心不全(1%未満)、心停止(1%未満)、血栓性静脈炎(1?10%)
- 痙れん発作(1?10%)(「警告」の項参照)、テタニー(1%未満)
- 呼吸抑制(1%未満)
- 麻痺性イレウス(1%未満)
- 失語症(1%未満)、痴呆(1%未満)
- 横紋筋融解症(頻度不明)
- 敗血症(1?10%)
薬効薬理
抗ウイルス作用10),11)
- ホスカルネットナトリウムは、サイトメガロウイルスの各種分離株のin vitroでの増殖を300?400μmol/Lで完全に抑制した。また、in vivoにおいてホスカルネットナトリウムはサイトメガロウイルス感染マウスの死亡率を減少させた。
作用機序
- ホスカルネットナトリウムは、DNAポリメラーゼのピロリン酸結合部位に直接作用して、DNAポリメラーゼ活性を抑制し12)、サイトメガロウイルスの増殖を抑制する。
耐性13)
- 野生型サイトメガロウイルスをホスカルネットナトリウム添加培地で継代培養することにより、ウイルスDNAポリメラーゼ遺伝子の突然変異に基づくホスカルネット耐性サイトメガロウイルス株が分離されている。したがって、ホスカルネットナトリウムに対する臨床応答が認められない場合には、耐性変異株の出現する可能性があるので、臨床分離株のホスカルネットナトリウムに対する感受性試験を行うことが望ましい。なお、サイトメガロウイルス網膜炎を発症した後天性免疫不全症候群患者でなされた薬剤耐性の検討において、ホスカルネットナトリウムに対する耐性株は分離されなかったとの報告がある。また、ガンシクロビル耐性サイトメガロウイルス株がホスカルネットナトリウムに対して感受性を示したとの報告もあり、これまでの報告ではホスカルネットナトリウムがヒトで薬剤耐性及び交叉耐性を生じにくいことが示されている。
有効成分に関する理化学的知見
- 一般名:ホスカルネットナトリウム水和物(Foscarnet Sodium Hydrate)(JAN)
- 化学名:Trisodium phosphonoformate hexahydrate
- 構造式:
- 分子式:CNa3O5P・6H2O
- 分子量:300.04
- 性状 :ホスカルネットナトリウム水和物は、白色の結晶性の粉末である。水にやや溶けやすく、エタノール(95)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- cytomegalovirus infection
- 同
- CMV感染症
- 関
- サイトメガロウイルス、巨細胞封入体症。日和見病原体、不顕性感染
概念
- ヘルペスウイルス科ベータヘルペスウイルス亜科に属するサイトメガロウイルスによる感染症である。
- 宿主の状態により臨床像が異なる。
- 一般に弱毒で、健康な成人に感染しても発症することはまずない。
- ほとんどの成人(80~90%)が罹患しているが、不顕性のまま経過し、持続感染/潜伏感染している。
- 感染によりCMV-IgG抗体を有することになる。
- 既感染者の尿、唾液、精液、血液、乳汁にサイトメガロウイルスが分離されるため、体液や粘膜を介した接触、尿や唾液を介した接触感染、母乳を介した感染が起こりうる。
- 初感染の場合、細胞免疫が低下した者で再活性化した場合に症状を呈する(免疫抑制薬投与、AIDS患者)。
- 乳児幼児の初感染、妊婦の初感染、易感染性宿主の再活性化
- 胎児が感染した場合は、黄疸、肝脾腫、出血、小頭症、網膜炎、知能障害などが、移植患者などでは肺炎が起こりやすい。
- 妊婦の初感染により、胎内感染による流産や先天性奇形をきたしうる。
臨床型
先天性サイトメガロウイルス感染症
- 先天性巨細胞封入体症
- 妊婦がサイトメガロウイルスの初感染、再感染、あるいは再活性化により経胎盤的に胎児に感染する。妊婦が初感染の場合には重症となる。
- 症状:低出生体重、黄疸、出血斑、肝脾腫、小頭症、脳内石灰化/脳室周囲石灰化、肝機能異常、血小板減少、難聴、脈絡網膜炎、DIC、知的障害
- 出生時には無症状~一部の症状のみ呈する場合がある。
新生児・乳児・幼児の初感染
- 産道での感染、母乳を介した感染、尿や唾液を介した水平感染が主である。
- 正常な妊娠で出生した場合、母体からの移行抗体によりほとんどが不顕性感染かあるいは軽症で経過する。
- 早産児や低出生体重児の場合、母体からの移行抗体が不十分であるため重症化することが多い。結果として肝炎、肺炎、単核球症を生じうる。よって、このような児に対しては接触予防策を徹底すべきであり、またCMV既感者からの授乳や輸血は回避する必要がある。
成人の初感染
- サイトメガロウイルスに未感染の者が、思春期以降に唾液、精液、血液などを介して初感染を受けた場合には、伝染性単核症様の症状を呈することが多い。
- 発熱、肝機能異常、頚部リンパ節腫脹、肝脾腫などが主な症状であり、EBウイルスの初感染との鑑別が困難である。
- ただし、EBウイルスの場合と違って、滲出性扁桃炎を起こすことは少ない。
- 伝染性単核症様の症状が出たとしても1-2週間で軽快する。
臓器移植による感染
- 臓器移植において、CMV-IgGパターンとしては、ドナー陽性・レシピエント陰性、ドナー陽性・レシピエント陽性の場合が考えられる。
- 前者の場合、ドナーの臓器内に潜伏しているサイトメガロウイルスにより初感染を受けることになる。
- 後者の場合、ドナーからの臓器に拒絶反応を起こさないようにレシピエントは免疫抑制薬により細胞免疫が徹底的に抑制されるが、そのためレシピエントに潜伏していたサイトメガロウイルスが再活性化して発症することがある。
骨髄移植による感染
- 骨髄移植において、CMV-IgGパターンとして、ドナー陰性、レシピエント陽性のパターンで、サイトメガロウイルスが再活性化した場合に重篤化する。
- 免疫を担当する細胞はもっぱらドナー由来の細胞となるが、サイトメガロウイルスは初感染となるため、その他のパターンより重篤化しやすい。
症状
- 脳 :脳炎
- 肺 :間質性肺炎
- 肝臓:ウイルス性肝炎の病態となる
- 網膜:網膜炎。サイトメガロウイルス網膜症
- 消化管:腸炎(潰瘍、びらん)
- 感染症専門医テキスト 第1部 解説編より
症候
|
頻度(%)
|
出血斑
|
54
|
胎児発育不全
|
47
|
肝腫
|
47
|
脾腫
|
44
|
脳石灰化
|
43
|
出生時の黄疸
|
36
|
小頭症
|
40
|
聴覚障害
|
41
|
溶血性貧血
|
13
|
脈絡網膜炎
|
11
|
痙攣
|
8
|
肺炎
|
11
|
肝機能障害
|
30
|
死亡
|
8
|
疾患
|
新生児
|
乳児
|
臓器移植
|
骨髄移植
|
AIDS
|
発熱/肝障害
|
++
|
++
|
++
|
+
|
+
|
消化器感染症
|
+
|
+
|
+
|
+
|
+
|
網膜炎
|
|
|
+
|
+
|
++
|
間質性肺炎
|
+
|
+
|
+
|
++
|
|
骨髄抑制
|
|
|
|
++
|
+
|
脳炎・脳障害
|
+
|
|
|
|
+
|
PTLDリスク
|
|
|
+
|
+
|
|
検査
- 血液像:異型リンパ球増加、単核球の増加
- CMV-IgM:初感染、既感染者の再活性化で陽性となる
- CMV-IgG:既感染者で陽性となる
診断
先天性CMV感染症
- 3. 抗原血症
- 4. DNAの検出
- 5. mRNAの検出
CMV感染症
- 1. NASBA法(nucleic acid sequence based amplification法):mRNA検出。mRNAの検出はウイルスの活動性を反映
- 2. antigenemia法:ウイルス抗原(方法:C7HRP 、C10C11)
- 白血球を単離してCMV抗原に対するモノクローナル抗体で染色し、陽性細胞を計測する。陽性細胞の数で判定する。
- 3. PCR法:DNA検出
- 4. 直接的なウイルス分離
- 5. ウイルス特異的IgM 抗体の検出
治療
予防
- pre‐emptive therapy
- 造血幹細胞移植:ホスカルネット(ガンシクロビルの骨髄抑制)
- 腎移植 :ガンシクロビル(ホスカルネットによる腎障害)
参考文献
[★]
- 関
- QT延長症候群、QT間隔
原因
- 洞結節機能不全
- 房室ブロック:2度房室ブロック、3度房室ブロックアンドロゲン遮断療法(GnRHアゴニスト/アンタゴニスト療法または両側性精巣摘除術)
- 利尿薬:低マグネシウム血症・低カリウム血症の誘発による
- 鎮吐薬:
[★]
- 英
- cytomegalovirus retinitis,
- 同
- サイトメガロウイルス性網膜炎
- 関
- 網膜炎、サイトメガロウイルス、日和見感染症
特徴
- 免疫不全患者で発症する日和見感染症
- CD4+ T cell 58/ul以下で発症
症状
治療
-CMV網膜炎
[★]
ホスカルネット。ホスカルネットナトリウム
[★]
- 英
- net
- 関
- 網、正味