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アンジオテンシンII受容体拮抗薬(アンジオテンシンツーじゅようたいきっこうやく)は、昇圧物質アンジオテンシンII(以下、「AII」と略す)と拮抗し、AIIがAII受容体に結合することをブロックすることにより血圧の降下作用を示す薬物である。AII拮抗薬、ARB、AIIAなどともいう。本系統の薬剤はカルシウム拮抗薬と並び、世界的に処方されている高血圧症の治療薬であるが、1970年代に本薬剤の基本骨格を創製したのは、日本の武田薬品工業である。現在、日本国内で発売されているのは、 ロサルタン(商品名:ニューロタン®)、バルサルタン(商品名:ディオバン®)、カンデサルタンシレキセチル(商品名:ブロプレス®)、テルミサルタン(商品名:ミカルディス®)、オルメサルタン メドキソミル(商品名:オルメテック®)、イルベサルタン(商品名 アバプロ®/イルベタン®)などがある。
目次
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AIIはレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系と呼ばれる生体メカニズムの中で産生されるホルモン様物質でアンジオテンシンIが活性化された物質である。AIIの働きとして下記のような働きがある。
AII受容体はAT1とAT2の二つがあり、AIIの大部分はAT1に結合して上記のような作用を発現する。AII拮抗薬はこのAT1受容体を直接阻害して降圧作用を示す。同じようにアンジオテンシン系の降圧剤としてACE阻害薬がある。
なお海外においてはサイアザイド系利尿薬ヒドロクロロチアジド(ハイドロクロロサイアザイド、HCTZ)との配合剤(「ハイザール:HYZAAR」等)が発売され臨床で使用されている。2006年12月には日本でもロサルタンとヒドロクロロチアジドの配合剤「プレミネント:PREMINENT」の販売が開始された。 その後、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサルタンも合剤が発売されている。
※上記以外のARBには高血圧症以外の適応はない。
※なお、日本国外における国内承認薬のその他の適応症として
などがある。
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ブロプレス錠2
効能・効果 | 用法・用量 |
高血圧症 | 通常、成人には1日1回カンデサルタン シレキセチルとして4?8mgを経口投与し、必要に応じ12mgまで増量する。ただし、腎障害を伴う場合には、1日1回2mgから投与を開始し、必要に応じ8mgまで増量する。 |
腎実質性高血圧症 | 通常、成人には1日1回カンデサルタン シレキセチルとして2mgから経口投与を開始し、必要に応じ8mgまで増量する。 |
効能・効果 | 用法・用量 |
下記の状態で、アンジオテンシン変換酵素阻害剤の投与が適切でない場合 慢性心不全(軽症?中等症) |
通常、成人には1日1回カンデサルタン シレキセチルとして4mgから経口投与を開始し、必要に応じ8mgまで増量できる。なお、原則として、アンジオテンシン変換酵素阻害剤以外による基礎治療は継続すること。 |
頻度不明
頻度不明。ただし慢性心不全の場合は、失神、意識消失は0.1?5%未満。
頻度不明。ただし慢性心不全の場合は0.1?5%未満。
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
リンク元 | 「乳糖水和物」「アンジオテンシンII受容体拮抗薬」「血圧降下剤」「カンデサルタン」 |
関連記事 | 「プレス」 |
商品名 | 一般名 | 発売年 | 一日量 | 極量 | +CCB | +利尿薬 | ||
プロトタイプ | ニューロタン | ロサルタン | 25-50mg | 100mg | プレミネント | |||
第一世代 | 臓器保護作用 | ブロプレス | カンデサルタン | 4-8mg | 12mg | ユニシア | エカード | |
AT1受容体結合力↑ | ディオバン | バルサルタン | 40-80mg | 160mg | エックスフォージ | コディオ | ||
第二世代 | AT1受容体結合力↑↑ 臓器保護作用↑↑ |
オルメテック | オルメサルタン | 10-20mg | 40mf | レザルタス | ||
+PPARγ刺激作用 (メタボサルタン) |
ミカルディス | テルミサルタン | 20-40mg | 80mg | ミカロム | ミコンビ | ||
イルベタン/アバプロ | イルベサルタン | 50-100mg | 200mg | |||||
スパーARB | アジルバ | アジルサルタン | 20mg | 40mg |
薬剤名 | 成分名 | 最大量 | 特徴 | |
国内 | 海外 | |||
ブロプレス | カンデサルタン | 12 | 32 | |
ディオバン | バルサルタン | 160 | 320 | ・最も薬価が安い |
ミカルディス | テルミサルタン | 80 | 80 | ・胆汁排泄ほぼ100%。腎機能障害例に良い |
オルメテック | オルメサルタン | 40 | 40 | ・ARBで唯一食事とCYP3A4に影響をうけない |
ニューロタン | ロサルタン | 100 | 100 | ・ARBで唯一の尿酸排泄作用。利尿剤との合剤あり。 |
イルベタン | イルベサルタン | 200 | 300 | ・健常人、肝硬変患者、軽度~高度腎機能障害患者でAUCに差なし |
一般名 | 商品名 | 血中半減期(用量) | |
ACE阻害薬 | 長時間作用型カプトプリル | カプトリル | 2.1時間(25mg) |
エナラプリル | レニベース | 14時間(10mg) | |
ペリンドプリル | コバシル | 57時間(4mg) | |
リシノプリル | ロンゲス | 7.6時間(10mg) | |
ベナゼプリル | チバセン | 添付文書に半減期の記載なし | |
イミダプリル | タナトリル | 8時間(10mg) | |
テモカプリル | エースコール | 6.7時間(2.5mg) | |
キナプリル | コナン | 18.8~22.5時間(5~20mg) | |
トランドラプリル | オドリック,プレラン | 18.0時間(1mg) | |
ARB | ロサルタン | ニューロタン | ロサルタン2時間,活性代謝物4時間(50mg) |
カンデサルタン | ブロプレス | 11.2時間(4mg) | |
バルサルタン | ディオバン | 3.9時間(80mg) | |
テルミサルタン | ミカルディス | 20.3時間(40mg) | |
オルメサルタン | オルメテック | 6.3時間(20mg) | |
イルベサルタン | アバプロ,イルベタン | 13.6時間(100mg) | |
アジルサルタン | アジルバ | 13.2時間(20mg) | |
DRI | アリスキレン | ラジレス | 35時間(150mg) |
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