- 英
- long QT syndrome, QT prolongation syndrome
- 関
- 先天性QT延長症候群、後天性QT延長症候群、QT延長、トルサード・ド・ポアント。QT間隔
症状
定義
- QT時間が延長する
- 心電図で観測されたQT間隔を心拍数により補正したQTcが0.46秒を超える場合(SP.537)
先天性
- 原因遺伝子は多く同定されているが、LQT1~3で全体の9割を占めている。出生2000に対して1の割合で認められるという。
疾患名
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遺伝形式
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遺伝子座
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遺伝子
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蛋白
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表現型
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心電図上の特徴
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Romano-Ward症候群
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常染色体優性
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LQT1
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11p15.5
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KCNQ1
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カリウムチャネル(KVLQT1)
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幅広いT波
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LQT2
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7q35-36
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KCNH2
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カリウムチャネル(HERG)
|
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ノッチを伴う平低T波
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LQT3
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3p21
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SCN5A
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ナトリウムチャネル(hH1)
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ST部分の長いT波
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LQT4
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4q25-27
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ANK2
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アンキリンB
|
|
|
LQT5
|
21q22.1-q22.2
|
KCNE1
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カリウムチャネル(minK)
|
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LQT6
|
21q22.1-q22.2
|
KCNE2
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カリウムチャネル(MiRP1)
|
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Jervell and Lange-Nielsen症候群
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常染色体劣性
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JLN1
|
11p15.5
|
KCNQ1
|
カリウムチャネル(KVLQT1)
|
難聴
|
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JLN2
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21p22.1-q22.2
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KCNE1
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カリウムチャネル(minK)
|
難聴
|
|
後天性
薬剤性
- I群:キニジン、ジソピラミド、プロカインアミド、フレカイニドなど
- III群:ソタロール、ニフェカラント、アミオダロンなど
- 抗生物質(エリスロマイシン、ST合剤など)
- 抗真菌薬(イトラコナゾールなど)
- 抗アレルギー薬(テルフェナジン、アステミゾールなど)
- 抗高脂血症薬(プロブコールなど)
- 抗精神病薬(ハロペリドール、クロルプロマジンなど)
- 三環系抗うつ薬(イミプラミン、アミトリプチリンなど)
- 抗癌剤(ドキソルビシンなど)
徐脈
電解質異常
疾患
- クモ膜下出血、頭蓋内出血、ストレス心筋症、神経性食欲不振症
治療
- Acquired long QT syndrome: Clinical manifestations, diagnosis, and management
急性期治療
- 血行動態が不安定:低血圧、意識レベル低下、胸痛、心不全
- 除細動
- マグネシウム点滴、電解質補正、原因薬剤の除去
- 上記に加え心拍数コントロールのためにオーバードライブ心房ペーシング±イソプロテレノール(心房心拍数を上げてQTを短縮させる効果がある)の点滴もオプション
予防
WordNet
- the 17th letter of the Roman alphabet (同)q
- the last imperial dynasty of China (from 1644 to 1912) which was overthrown by revolutionaries; during the Qing dynasty China was ruled by the Manchu (同)Qing dynasty, Ch''ing, Ch''ing dynasty, Manchu, Manchu dynasty
PrepTutorEJDIC
- (チェスの)queen
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/10/11 03:17:52」(JST)
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QT延長症候群(-えんちょうしょうこうぐん,long QT syndrome; LQTS)は、心臓の収縮後の再分極の遅延がおき、心室頻拍(Torsades de Pointes:TDP、心室性不整脈の一種)のリスクを増大させるまれな先天的な心臓疾患である。これらの症状は、動悸、失神や心室細動による突然死につながる可能性がある。症状は、条件のサブタイプに応じて、様々な刺激によって誘発される。心臓に器質的疾患を持たないにもかかわらず、心電図上でQT時間の延長を認める病態である。QT時間が0.46秒以上、またはRR間隔で補正した場合には0.44秒以上である場合を指す。Torsades de pointes(TdP)と呼ばれる心室頻拍を惹起することがある。より簡略にはT波の終点がRRの中点を越えていれば明らかにQTの延長とする。この方法はスクリーニング診察時に用いることがある。精密には、QT 時間は、RR間隔で補正する必要(Bazett 式のQTc = QT/Root(RR)、Heggliu. Holzman 式 QT = 0.39(RootRR) ± 0.04 sec)がある。
分類[編集]
- 先天性QT延長症候群...Romano-Ward症候群、Jervell and Lange-Nielsen症候群(先天性聾を伴う)など。
- Naチャンネル、Kチャンネルの遺伝子に変異を認めることがある。ブルガダ型心電図の原因遺伝子と、 Cross している場合が多い。
- 後天性QT延長症候群...薬剤性など。よくある例としては抗ヒスタミン薬とマクロライドの併用など。
問診・検査[編集]
- 現病歴・既往歴 失神発作や難聴
- 家族歴 突然死、失神発作
- 服薬歴 マクロライド系薬剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗ヒスタミン剤など。
- 心電図
- アドレナリン負荷試験
- (アドレナリン0.1μg/kgのボーラス静脈注射に引き続き0.1μg/kg/minの持続点滴)により潜在性LQTSの診断に有用である。 外部リンク:負荷試験の意義
治療[編集]
先天性QT延長症候群では、β-ブロッカーを第一選択薬とする(交感神経興奮が心室頻拍を誘発すると考えられているため)。またカテコールアミン分泌を誘発しないよう運動制限もあわせて行われる。
心血管疾患 |
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疾患 |
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心疾患
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不整脈
|
徐脈性
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洞不全症候群 | 房室ブロック | 脚ブロック(右脚ブロック · 完全右脚ブロック · 左脚ブロック)
|
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頻脈性
|
上室性
|
洞性頻脈 | 心房細動 | 心房粗動 | ブルガダ症候群 | QT延長症候群 | WPW症候群
|
|
心室性
|
心室細動 | 心室頻拍
|
|
|
|
虚血性心疾患
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狭心症 | 急性冠症候群 | 心筋梗塞 | 冠動脈血栓症
|
|
弁膜性心疾患
|
僧帽弁狭窄症 | 僧帽弁閉鎖不全症 | 三尖弁狭窄症 | 三尖弁閉鎖不全症 | 大動脈弁狭窄症 | 大動脈弁閉鎖不全症
|
|
先天性心疾患
|
心房中隔欠損 | 心室中隔欠損 | 心内膜床欠損症 | 動脈管開存症 | ファロー四徴症(極型ファロー四徴症) | 大血管転位(左旋性 · 右旋性) | 総肺静脈還流異常症 | 大動脈縮窄 | 左心低形成症候群 | 両大血管右室起始症 | 三尖弁閉鎖
|
|
心内膜・心筋
・心膜疾患
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心内膜疾患
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感染性心内膜炎
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心膜疾患
|
心膜炎(急性心膜炎 · 慢性収縮性心膜炎) | 心タンポナーデ
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心筋疾患
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心筋症(特発性拡張型心筋症 · 肥大型心筋症 · 拘束型心筋症 · 特発性心筋症) | 心筋炎
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心臓腫瘍 | 心臓神経症 | 心臓性喘息 | 肺性心
|
|
|
血管疾患
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動脈
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動脈硬化 | 大動脈瘤 | 大動脈解離 | 大動脈炎症候群 | 動静脈瘻 | 閉塞性動脈硬化症 | 閉塞性血栓性血管炎 | レイノー病
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静脈
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静脈瘤 | 血栓性静脈炎 | 静脈血栓塞栓症 | 脂肪塞栓症
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病態・症候 |
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心不全
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左心不全 | 右心不全
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血圧異常
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高血圧
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本態性高血圧症 | 二次性高血圧 | 悪性高血圧症
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低血圧
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心臓発作 | 心臓肥大 | 心停止 | 心肺停止
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所見・検査 |
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血圧計 | 聴診 | 心雑音 | 心電図 | 心電図モニタ | 心臓超音波検査 | 胸部X線写真 | 胸部X線CT | 心臓カテーテル検査(肺動脈カテーテル) | 心臓核医学検査
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治療 |
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外科的治療
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冠動脈大動脈バイパス移植術 | 経皮的冠動脈形成術 | 植え込み型除細動器 | バチスタ手術 | 人工心臓 | 心臓ペースメーカー
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内科的治療
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心臓作動薬
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抗不整脈薬
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Ia群: プロカインアミド, キニジン
Ib群: リドカイン, フェニトイン
Ic群: フレカイニド, プロパフェノン
II群: 交感神経β受容体遮断薬(プロプラノロールなど)
III群: アミオダロン, ソタロール
IV群: カルシウム拮抗剤(ベラパミル, ジルチアゼムなど)
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心不全治療薬
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利尿薬 | 血管拡張薬 | 強心配糖体 | 強心剤
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狭心症治療薬
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交感神経β受容体遮断薬 | 硝酸薬
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血管作動薬
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高血圧治療薬
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利尿薬 | 交感神経β受容体遮断薬 | レニン-アンジオテンシン系 (ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬) | カルシウム拮抗剤 | アドレナリン作動薬 | 脂質降下薬
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循環器系の正常構造・生理 |
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 麻酔導入時の高度徐脈に伴い多型性心室性頻拍を生じた1症例
- 洞調律心電図の読み方のポイント--突然死リスクを暗示するQRS,J,ST,QT,U波とは (特集 不整脈診療の安全路線)
- QT 延長症候群原因医薬品の追跡調査とスクリーニングソフトウェアの作成
- 塩崎 佳友,橋本 暁佳,佐々木 直美,島本 和明,宮本 篤
- 2010-12-01
- In recent years, the mechanisms that cause congenital and secondary long QT syndrome have been elucidated in considerable detail. We have attempted to determine of treatment courses for individual pat …
- NAID 120003309422
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- 「QT延長症候群」の患者は半数以上が女性です。特に15歳を越えると女性患者の数が 多くなります。 ... QT延長症候群」の患者さんでは、このチャンネルが正常に働かなくなり 、命令が正しく伝えられなくなります。脈の乱れが起きやすくなるのはこのためです。 ...
- 財団フェローのLiam WyattがMLA(博物館、図書館などの機関・施設)とウィキ メディアンの共同作業について横浜(11日)と京都(13日)で講演を行ないます(詳細). QT延長症候群. 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』. 移動: 案内, 検索 ...
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[★]
- 19歳の女性。以前から心疾患のため外来に通院していた。日常の動作はできるが階段や坂を上ると息苦しくなった。2年前に少量の喀痰があった。1か月前に受診したときの現症は、身長157cm、体重42kg。軽度のチアノーゼとばち指とを認めた。II音の亢進を認めたが、心雑音は聴取しなかった。呼吸音に異常を認めなかった。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しなかった。浮腫を認めなかった。この時の心電図と胸部エックス線写真とを以下に示す。今朝、起床して洗顔をしている途中に倒れ 心肺停止状態で搬入された。蘇生術が行われたが死亡が確認された。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102G049]←[国試_102]→[102G051]
[★]
- 英
- electrocardiogram ECG, electrocardiography
- 同
- elektrokardiogramm EKG
- 図:PT.268,279(心臓の構造と興奮伝導系)
- 心電図の読み方:PHD.108
概念
- 心臓全体の電気的活動を体表面から経時的に記録したもの。
- 特殊心筋の活動電位は記録されない。固有心筋の活動電位のみ
医学大事典より
- 心臓は拍動のたびに電気を発生し、これを心起電力(cardiac electromotive force)と呼ぶ。
- 心起電力により体表面に電流が流れると四肢や胸壁など、体表面の異なった部位間に電位差が生じる。
- この電位差を導出するための装置を心電計と呼び、心電計により時間軸に沿って記録された電位の変化を心電図という。
意義
- 心電図は心臓の電気的興奮の伝達を記録したものである。P波は心房の脱分極を、QRS波は心室の心筋細胞の脱分極を表す。T波は心室の再分極を表す。つまり心筋の異常がある場合何かしらの変化が心電図上に表れるということである。心電図は身体に侵襲的な影響を及ぼさない検査である。このことはこの検査を心臓の疾患を疑ったら即行ってよいということである。
- 心電図は、不整脈、心筋梗塞、心筋虚血、心膜炎、心房負荷、心室肥大・心室拡大、電解質異常などの判断に有用である。
施行する目的
- 心臓疾患疑い(狭心症・心筋梗塞・不整脈など)
- スクリーニング(学校検診、職場検診など)
心電図の種類
電極の部位による分類
表現形式による分類
- ベクトル心電図:心起電力をベクトル環として三次元的に描く
- スカラー心電図:時間軸に沿った電位の記録
心電図の記録サイズ
- 縦軸:10mm = 1mV
- 横軸: 5mm = 0.2s
標準12誘導心電図
- 標準肢誘導(I,II,III) + 単極肢誘導(aVR, aVF, aVL) + 胸部誘導(V1, V2, V3, V4, V5, V6) = 12誘導
電極の取り付け位置・電極の色
単極肢誘導
- EAB.5改変
V1
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右第4肋間
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赤
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V2
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左第4肋間
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黄
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V3
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V2とV4の中点
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緑
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V4
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左第5肋間かつ鎖骨中線
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茶
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V5
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V4と同じ高さで前腋窩線との交点
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黒
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V6
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V4と同じ高さで中腋窩線との交点
|
紫
|
心電図の波
- 6つの棘波よりなる
- P波:心房の電気的興奮。:0.12-0.20s (3-5mm)
- QRS複合:心室の電気的興奮:0.06-0.15s :正常; 0.06-0.08s (1.5-2mm), 不完全脚ブロック; 0.08-0.12s (2-3mm), 完全脚ブロック ≧0.12s (≧3mm)
- T波:心室の再分極(心室筋興奮の回復過程):
- U波
心電図の波の間隔
- PQ時間:房室間伝導遅延:0.12-0.20s
- QT時間:電気的心室収縮時間:心拍数と相関関係がある
- QTc=QT/sqrt(RR)
- 心拍数によらずほぼ一定の値を示す
正常心電図における波
心電図による得られる情報 (SP.536)
- 1. 心臓内の興奮伝導の障害
- ex. 房室ブロック
- 2. 不整脈:脈拍のリズムと心拍数の異常
- ex. 心房粗動、心室細動
- 3. 冠循環の異常
- ex. 心筋梗塞
- 4. 心室肥大
- 5. 血漿中の電解質濃度の異常
各誘導で取りやすい所見
特徴的な所見
新生児・幼小児の心電図
- SPE.428-
- 電気軸:右軸偏位 → 左軸偏位 胎児循環では右心系が主に体循環に関わっていたが、成人で見られる循環では左心系が関わる。生後一ヶ月らいまでは+120~130°程度の右軸偏位
- 呼吸性不整脈:小児では顕著。吸気時に心拍数増加、呼気時に心拍数減少
- 右室肥大:新生児~乳児では肺血管抵抗がまだ高いために右室肥大が持続。
心電図と心疾患
- 心臓を栄養している血管が急激に閉塞するため、全く血液が供給されない状態。
- 急性期と慢性期では異なった心電図をとる。
- 異常Q、ST上昇、冠性T
- 心臓に器質的疾患を持たないにもかかわらず、心電図上でQT時間の延長(QT時間が0.46秒以上)を認める病態。
疾患と心電図
- 心膜炎 心外膜炎:90%の患者に異常が見られる。aVR, V1を除いたST上昇。いくつかの電極でPR部の低下(PR segment depression)
- 肺性心(肺気腫):肺性P、不完全右脚ブロック、右軸偏位、V1-V3のT波陰転・平坦化、II,III,aVFでST低下。肺高血圧、最初の3つは右室負荷を反映
- 肥大型心筋症:ST-T変化(ストレイン型の陰性T波は、上に凸のST低下を伴い、非対称性陰性T波)。Sv1, Rv5の増大。QRS時間の延長。
- 心房中隔欠損症:PR延長、不完全右脚ブロック、右軸偏位。右心系の容量負荷による遠心性心肥大。
- 心室中隔欠損症:
- ブルガダ症候群:右側胸部誘導(V1-V2(V3))のST上昇(coved型あるいはsaddle back型) 。完全あるいは不完全右脚ブロック様QRS波形(つまり、V1-V3でJ波が見られる)。
- 脚ブロック
- WPW症候群:Δ波。PQ短縮、QRS延長。V1に特徴的変化「A型: 高いR波。左室自由壁」「B型: rS型。右側」「C型: Qr/QS。中隔」
- 肺血栓塞栓症:右側胸部誘導の陰性T波、洞性頻脈、SⅠQⅢTⅢ、右脚ブロック、ST低下、肺性P、時計方向回転
- 肺気腫:V1,V2でrS/QSパターン
注意点
- 胸をさらすことになるので、女性の患者では特に配慮する。誘導の電極が正しい位置に貼られていないと記録される結果が異なってくるので、正確な位置に貼る。また、心電図は筋肉の活動も拾ってしまうので、筋緊張を和らげるため患者にはリラックスしてもらい、リラックスできる状況を作ることを心がける。
参考
- http://www.cardiac.jp/
[★]
- 関
- QT延長症候群、QT間隔
原因
- 洞結節機能不全
- 房室ブロック:2度房室ブロック、3度房室ブロックアンドロゲン遮断療法(GnRHアゴニスト/アンタゴニスト療法または両側性精巣摘除術)
- 利尿薬:低マグネシウム血症・低カリウム血症の誘発による
- 鎮吐薬:
[★]
- 英
- QT interval
- 関
- QT、補正QT、QT延長症候群
概念
- 心電図のQ波の開始点からT波の終了点までの時間。
- 生理:心室筋の収縮(脱分極)~心室筋の弛緩(再分極)
- おおまかには、僧帽弁が閉じる少し前から大動脈弁が閉鎖するあたりまで。
- QTが長いと言うことは、心筋活動電図上で、0,1,2,3相が延長していると言うこと。大抵は2相だけど。抗不整脈薬class IAはQT延長させるが、Class IBはQTの延長はない(PHD.425)。
- 心拍数によって変動するため、バゼットの式で補正した補正QT時間(QTc)がしばしば用いられる。
- QTc = QT時間 / ( (R-R間隔)^(1/2) )
基準範囲
- 乳児期:400±20 ms
- 思春期~成人:420±20 ms
- 健常人の99パーセンタイルQTc値:460 ms(思春期前)、470 ms(思春期後の男性)、480 ms(思春期後の女性) (Acquired long QT syndrome: Definitions, causes, and pathophysiology - uptodate)
- PHD.94
- ジギタリス中毒(心電図の読み方パーフェクトマニュアル.208):PQ延長、QT短縮
- QT短縮:ジギタリスが作用している状態では、細胞内のCa2+濃度が上昇する。これにより、(1)Ca2+依存性K+チャネルの活性が亢進し速やかに再分極に至る。あるいは、(2)Ca2+チャネル活性が低下しており、Ca2+による脱分極の持続時間が短い。この2点によりQTが短縮するらしい。(PHD.399)
- PHD.94
臨床関連
- QT延長症候群:心筋細胞のイオンチャネルをコードする遺伝子の異常や薬剤などでQTcが異常に延長すると、不整脈を起こしやすくなる。
[★]
- 仏
- Torsades de pointes, torsades de pointes, torsade de pointes
- 同
- トルサード・ド・ポアンツ、トルサード・ド・ポアン、倒錯型心室頻拍、倒錯性心室頻拍、多形性心室頻拍 polymorphic ventricular tachycardia
- 関
- QT延長症候群
[show details]
概念
- 多形性心室頻拍であって、非発作時にはQT延長を伴うものである。
- 心電図上、多形性心室頻拍を示し、QRSがベースラインに対して反転した波形で周期的に変動する。
疫学
- SQ.549
病因
病態
- 心拍数減少により失神・痙攣を来す。
- 短時間のうちに頻拍が停止し、回復することもまれならずある。
治療
- QT延長が原因であればMgを静注。
- QT延長の原因によって次の治療を行う。
- YN.C-49
- 原因の除去、硫酸マグネシウム→メキシレチン
- 薬物療法無効であれば体外式ペーシング。
予防
参考
- 1. 不整脈薬物治療に関するガイドライン(2009年改訂版)
- [display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_kodama_h.pdf
[★]
- 英
- palpitation
- 同
- 心悸亢進
- 関
- 脈拍異常
定義
原因
- 生理的反応:運動、労作、精神的ストレス、精神的興奮
- 非心疾患:
病態生理
- 生理的反応:反応性の内因性カテコラミン産生増加による心拍数増加、左室収縮力の増加、血圧上昇
- 非心疾患:
不整脈性の動悸
[★]
- 英
- acquired long-QT syndrome
- 関
- QT延長症候群、多形性心室頻拍、トルサード・ド・ポアンツ
病因
- 参考1
治療
参考文献
- 1. 不整脈薬物治療に関するガイドライン(2009年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_kodama_h.pdf
[★]
- 英
- congenital long QT syndrome
- 関
- QT延長症候群
[★]
- 英
- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
- [[]]
- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
[★]
- 英
- group
- 関
- グループ、集団、分類、群れ、基、グループ化
[★]
[★]
- 英
- symptom and sign
- 関
- 症状, 徴候 兆候