- 英
- terbutaline
- 化
- 硫酸テルブタリン, terbutaline sulfate
- 商
- ブリカニール、コンボン、Brethine
- 関
- アドレナリン受容体、アセチルコリン受容体
適応
副作用
- β1受容体も刺激するので心拍数↑
- 日本での報告例はない
- 強心配糖体や利尿薬を服用の患者で問題となる
- 肝臓に発現しているβ2受容体に作用→グリコーゲン分解→血糖値↑
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2017/06/03 17:20:54」(JST)
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テルブタリン
|
|
IUPAC命名法による物質名 |
IUPAC名
(RS)-5-[2-(tert-butylamino)-1-hydroxyethyl]benzene-1,3-diol
|
臨床データ |
Drugs.com |
monograph |
MedlinePlus |
a682144 |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
|
投与方法 |
SQ, Oral, Inhaled |
薬物動態データ |
血漿タンパク結合 |
25% |
代謝 |
GI tract (oral), liver; CYP450: unknown |
半減期 |
11-16 hours |
排泄 |
urine 90% (60% unchanged), bile/faeces |
識別 |
CAS番号
(MeSH) |
23031-25-6 |
ATCコード |
R03AC03 (WHO) R03CC03 (WHO) |
PubChem |
CID: 5403 |
IUPHAR/BPS |
560 |
DrugBank |
DB00871 |
ChemSpider |
5210 |
UNII |
N8ONU3L3PG |
KEGG |
D08570 |
ChEBI |
CHEBI:9449 |
ChEMBL |
CHEMBL1760 |
化学的データ |
化学式 |
C12H19NO3 |
分子量 |
225.284 g/mol |
SMILES
-
Oc1cc(cc(O)c1)C(O)CNC(C)(C)C
|
InChI
-
InChI=1S/C12H19NO3/c1-12(2,3)13-7-11(16)8-4-9(14)6-10(15)5-8/h4-6,11,13-16H,7H2,1-3H3
-
Key:XWTYSIMOBUGWOL-UHFFFAOYSA-N
|
テルブタリン(Terbutaline)は速効性の交感神経β2受容体作動薬の一つである。商品名ブリカニール。日本では経口剤および皮下注射剤が販売されているが、海外では喘息の「リリーバー」として吸入剤も用いられている。
また、適応外使用として切迫早産の抑止(子宮弛緩作用)にも使用される。アメリカ産科婦人科学会(英語版)はそのような使用を推奨していない。
テルブタリンは世界アンチ・ドーピング機関の薬物リストに収載されており、オリンピック選手の場合は、事前に治療的吸入使用の許可を得ない限り使用禁止とされている。
目次
- 1 効能・効果
- 2 副作用
- 3 構造活性相関
- 4 出典
効能・効果
日本で承認されている効能・効果は、気管支喘息、慢性気管支炎、喘息性(喘息様)気管支炎、気管支拡張症、肺気腫である[1]。錠剤のほか、後発品に細粒剤がある。気管支拡張症および肺気腫にはシロップ剤は使用できない[2]。皮下注射剤は気管支喘息にのみ使用できる[3]。
有効性
喘息発作時のリリーバーとしてはテルブタリンの頓用使用に比較して、維持療法に使用するブデソニド/ホルモテロール配合剤を追加吸入する方が最初の重度増悪までの期間や重度増悪・軽度増悪した患者の割合について優れていた[4]。
子宮収縮抑制剤(英語版)として早産の抑制に使われることがあるが[5]、胎児の心筋壊死が発生することがあり、2011年には米国で72時間を超える投与が禁止された[6]。そもそもテルブタリンは子宮弛緩剤としては承認されていない。FDAの胎児危険度分類はCであり、妊婦に対して日常診療に用いる薬ではない。米国産科婦人科学会(英語版)もまた早産予防にテルブタリンを48時間以上用いないよう呼びかけている[7]。
副作用
注意すべき重大な副作用は、アナフィラキシー様症状(0.1%未満)と血清カリウム値低下(頻度不明)である[1][2][3]。
- 成人に見られる副作用―頻脈、不安、神経過敏(英語版)、振戦、頭痛、高血糖症、低カリウム血症、高血圧、(稀に)肺水腫[8]
- 胎児に見られる副作用―頻脈、低血糖症[9]
構造活性相関
窒素を修飾する三級ブチル基が、交感神経β2受容体選択性を高めている。ベンゼン環の4位に水酸基がない事で、COMTの影響を受け難くなっている[10]。
出典
- ^ a b “ブリカニール錠2mg 添付文書” (2015年1月). 2015年9月13日閲覧。
- ^ a b “ブリカニールシロップ0.5mg/mL 添付文書” (2015年1月). 2015年9月13日閲覧。
- ^ a b “ブリカニール皮下注0.2mg 添付文書” (2015年1月). 2015年9月13日閲覧。
- ^ “【ATS特別版】ブデソニド/ホルモテロール配合剤 コントロール不充分な成人喘息への維持療法に頓用吸入を追加する治療法で有効性を示す”. ミクス (2012年5月24日). 2015年9月13日閲覧。
- ^ Mohamed Ismail NA, Ibrahim M, Mohd Naim N, Mahdy ZA, Jamil MA, Mohd Razi ZR (September 2008). “Nifedipine versus terbutaline for tocolysis in external cephalic version”. Int J Gynaecol Obstet 102 (3): 263–6. doi:10.1016/j.ijgo.2008.04.010. PMID 18554601.
- ^ “FDA warns against certain uses of asthma drug terbutaline for preterm labor”. FDA (2011年2月17日). 2015年9月13日閲覧。
- ^ “ACOG helps ob-gyns ‘choose wisely’”. ACOG (2014年5月). 2015年9月13日閲覧。
- ^ Shen, Howard (2008). Illustrated Pharmacology Memory Cards: PharMnemonics. Minireview. pp. 7. ISBN 1-59541-101-1.
- ^ [1], 5 Minute Consult (Original Source: UpToDate "Terbutaline: Drug information").
- ^ Medicinal Chemistry of Adrenergics and Cholinergics
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 成人気管支喘息におけるブデソニド/ホルモテロールを定期吸入に加えて頓用吸入する治療法の有効性及び安全性の検討 : 国際共同第Ⅲ相試験における日本人患者の成績
- 日本人成人気管支喘息患者におけるテルブタリンとサルブタモールの単回投与の有用性の比較
- 卵白アルブミン感作モルモットにおけるテルブタリンの気道上皮イオントランスポートへの影響
- 著明な赤血球増加を呈したsystemic capillary leak syndrome
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組成
成分・含量(1錠中)
添加物
- 乳糖水和物、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム
禁忌
効能または効果
下記疾患の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難等の諸症状の緩解
- 気管支喘息、慢性気管支炎、喘息性気管支炎、気管支拡張症及び肺気腫
- 通常1回量として、下記用量を1日3回経口投与する。
- なお、年齢、症状に応じて適宜増減する。
- 用法及び用量の表参照
成人 |
2錠(4mg) |
6歳以上の小児 |
1錠(2mg) |
5歳以下の幼児 |
1/2錠(1mg) |
慎重投与
- 甲状腺機能亢進症の患者[動悸、頻脈を助長させるおそれがある。]
- 高血圧のある患者[血圧を上昇させるおそれがある。]
- 心疾患のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
- 糖尿病の患者[血糖値を上昇させるおそれがある。]
重大な副作用
- アナフィラキシー様症状(0.1%未満):アナフィラキシー様症状(呼吸困難、血管浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 血清カリウム値の低下(頻度不明):β2刺激剤による重篤な血清カリウム値の低下が報告されている。また、この作用は、キサンチン誘導体、ステロイド剤及び利尿剤の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること。更に、低酸素血症では血清カリウム値の低下により心リズムに及ぼす作用が増強されることがある。このような場合には血清カリウム値をモニターすることが望ましい。
薬効薬理
気管支平滑筋及び心筋に対する作用6),7),8)
- テルブタリン硫酸塩はモルモット、イヌあるいはそれらの摘出器官を用いた実験でβ刺激作用、すなわち気管支平滑筋に対して弛緩作用、心筋に対して収縮力増強作用を示す。その作用は気管支平滑筋に対する方が強く、心筋に影響を与えない量で気管支平滑筋の弛緩が認められる。
ヒスタミンによる気道抵抗増大に対する抑制作用とその持続時間6),8)
- モルモット、ネコあるいはイヌにヒスタミンを静注して生じる気道抵抗の増大に対して、テルブタリン硫酸塩は、抑制作用を示す。同等の作用を示す投与量でのテルブタリン硫酸塩の作用持続時間は、イソプロテレノールやオルシプレナリンより長い。
アナフィラキシー性気道抵抗増大に対する抑制作用8)
- テルブタリン硫酸塩は、感作ラットに抗原を静注して生じるアナフィラキシー性気道抵抗の増大に対しても抑制作用を示し、その効力は、イソプロテレノールとほぼ同等である。
有効成分に関する理化学的知見
- 一般名:テルブタリン硫酸塩 (Terbutaline Sulfate) (JAN)
- 化学名:5-[(1RS)-2-(1,1-Dimethylethylamino)-1-hydroxyethyl]benzene-1,3-diol hemisulfate
- 構造式:
- 分子式:(C12H19NO3)2・H2SO4
- 分子量:548.65
- 融点 :約255℃(分解)
- 性状 :テルブタリン硫酸塩は白色〜帯褐白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはないか、又はわずかに酢酸臭がある。水に溶けやすく、アセトニトリル、エタノール(95)、酢酸(100)、クロロホルム又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。光又は空気によって徐々に着色する。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- adrenergic receptor
- 同
- アドレナリン作動性受容体 adrenoreceptor
- 関
- アセチルコリン受容体、交感神経作動薬一覧、交感神経拮抗薬一覧
- α受容体、β受容体、受容体
平滑筋臓器における傾向
受容体
|
反応
|
例外
|
α受容体
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興奮
|
小腸運動:抑制
|
β受容体
|
抑制
|
心臓 :興奮
|
アドレナリン受容体
- SP.412改変
- 体のどの部位にどんな受容体があるかはGOO.143-144を参照せよ
- epinehrine relaxes the detrusor muscle of the bladder as a result of activation of β receptors and contracts the trigone and shincter muscles owing to its α agonist activity. This can result in hesitancy in trination and may contribute to retention of urine in the bladder. Activation of smooth muscle contractino in the prostate promotes urinary retention.(GOO.246)
- 排尿筋弛緩→β受容体。括約筋弛緩→α受容体
- 膀胱頚部から尿道にはα受容体が分布しており、尿道平滑筋の収縮に関与 (SP.818) (cf.プラゾシン)
シグナル伝達の経路 (GOO.238)
- α1:Gq:Gq-PCL-IP3
- α2:多様(アデニル酸シクラーゼの抑制、K+チャネルとの開口、Ca2+チャネルの閉鎖)
- β1, β2, β3:Gs
[★]
- 関
- QT延長症候群、QT間隔
原因
- 洞結節機能不全
- 房室ブロック:2度房室ブロック、3度房室ブロックアンドロゲン遮断療法(GnRHアゴニスト/アンタゴニスト療法または両側性精巣摘除術)
- 利尿薬:低マグネシウム血症・低カリウム血症の誘発による
- 鎮吐薬:
[★]
- 英
- short-acting β-agonists, SABA
- 関
- 長時間作用型β2刺激薬 LABA
[show details]
短時間作用型吸入β2刺激薬 : 78 件
短時間作動型吸入β2刺激薬 : 約 3,590 件
短時間作用型β2刺激薬 : 約 8,370 件
短時間作動型β2刺激薬 : 65 件
短時間作用型吸入β刺激薬 : 31 件
短時間作動型吸入β刺激薬 : 1 件
短時間作用型β刺激薬 : 約 71 件
短時間作動型β刺激薬 : 32 件
短時間作用型吸入β2刺激薬 SABA : 42 件
短時間作動型吸入β2刺激薬 SABA : 6 件
短時間作用型β2刺激薬 SABA : 74 件
短時間作動型β2刺激薬 SABA : 19 件
短時間作用型吸入β刺激薬 SABA : 2 件
短時間作動型吸入β刺激薬 SABA : 約 2,130 件
短時間作用型β刺激薬 SABA : 15 件
短時間作動型β刺激薬 SABA : 9 件
- 小発作から大発作の救急対応で反復吸入するkey drug
- 20-30分おきにネブライザーで吸入。脈拍が130/分以下を保つようにする。
[★]
- 英
- drug-induced hypoglycemia
- 同
- 薬剤性低血糖症
- 関
- 低血糖
低血糖を引きおこす薬剤
- DMR.295
[★]
- 英
- beta2 agonist, β2-receptor stimulant
- 同
- β2刺激薬 β2-stimulant、β2刺激薬、β2作用薬、β2アゴニスト
- 関
- アドレナリン受容体、β2受容体
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 英
- pig、swine、porcine
- 関
- イボイノシシ