- 英
- fluconazole
- 同
- FLCZ
- 商
- ジフルカン、ニコアゾリン、ビスカルツ、フラノス、フルカード、フルカジール、フルコナゾン、フルタンゾール、ミコシスト
- 関
- 抗真菌薬
-
ADME
阻害
排泄
添付文書
- ジフルカンカプセル50mg/ジフルカンカプセル100mg
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/6290002M1020_2_01/6290002M1020_2_01?view=body
- ジフルカン静注液50mg/ジフルカン静注液100mg/ジフルカン...
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/6290401A1099_2_01/6290401A1099_2_01?view=body
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フルコナゾール
|
IUPAC命名法による物質名 |
2-(2,4-difluorophenyl)-
1,3-bis(1H-1,2,4-triazol-1-yl)propan-2-ol |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
- S3/S4 (Au), POM (UK), ℞-only (U.S.)
|
投与方法 |
Oral, IV, topical |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
>90% |
血漿タンパク結合 |
11–12% |
代謝 |
Hepatic 11% |
半減期 |
30 hours (range 20-50 hours) |
排泄 |
Renal 61–88% |
識別 |
CAS番号 |
86386-73-4 |
ATCコード |
D01AC15 J02AC01 |
PubChem |
CID 3365 |
DrugBank |
APRD00327 |
KEGG |
D00322 |
化学的データ |
化学式 |
C13H12F2N6O |
分子量 |
306.271 g/mol |
フルコナゾールは、深在性真菌症に用いられるアゾール系の抗真菌薬。日本では、ファイザーがジフルカン®として販売している他、いくつかの後発医薬品が販売されている。剤形には、カプセル剤、ドライシロップ、注射液がある。
目次
- 1 効能・効果
- 2 禁忌
- 3 副作用
- 4 作用機序
- 5 不感症治療薬
- 6 改良品
- 7 脚注
効能・効果
- カンジダ属及びクリプトコッカス属による 真菌血症、呼吸器真菌症、消化管真菌症、尿路真菌症、真菌髄膜炎[1][2][3]
- 造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防
- カンジダ属に起因する腟炎及び外陰腟炎(カプセル剤のみ)
禁忌
下記の患者には禁忌である[1][2][3]。
- トリアゾラム、エルゴタミン、ジヒドロエルゴタミン、キニジン、ピモジドを投与中の患者
- 製剤成分に対して過敏症の既往歴のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある患者
副作用
添付文書に記載されている重大な副作用は、ショック、アナフィラキシー、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、無顆粒球症、汎血球減少症、血小板減少、白血球減少、貧血、急性腎不全、肝障害、意識障害、痙攣、高カリウム血症、心室頻拍、QT延長、不整脈、間質性肺炎、偽膜性大腸炎である[1][2][3]。
作用機序
真菌細胞膜の成分であるエルゴステロール生合成を阻害し、更に細胞膜の変化を起こし、透過性その他真菌細胞の膜機能を障害することによる。
不感症治療薬
一時期、フルコナゾールを不感症治療薬として広告を行っていた個人輸入代行業者が存在した時期がある。1999年、製造元のファイザーより31軒の個人輸入業者へ警告書を送付した。ファイザーの説明では、そのような効果はないとのことである。2006年現在、このような広告は見受けられない[4]。
改良品
フルコナゾールは水に溶けにくいため、比較的多量の電解質液や輸液に溶解する必要があった。一方で深在性真菌症の患者では、腎機能障害や心不全のために水分制限や厳密な電解質管理を要することが多く、これらの患者へのフルコナゾールの投与には特別な注意が必要であった。
2004年に新たに発売されたホスフルコナゾール(商品名プロジフ®、輸入販売元ファイザー株式会社)はフルコナゾールをリン酸エステル化したプロドラッグであり、体内でリン酸エステル加水分解酵素の作用を受けてフルコナゾールに変化する。ホスフルコナゾールは水に溶けやすいため、同力価のフルコナゾールを投与するときの1/40の液量で投与が可能であり、上記の欠点を克服することができた。また、フルコナゾールが点滴静注を必要とするのに対してホスフルコナゾールはボーラス静注が可能であることや、投与開始の2日間は2倍量を投与することが認められているために、有効血中濃度に早く達することができるという利点もある。
脚注
- ^ a b c “ジフルカンカプセル50mg/ジフルカンカプセル100mg 添付文書” (2015年5月). 2015年5月28日閲覧。
- ^ a b c “ジフルカンドライシロップ350mg/ジフルカンドライシロップ1400mg 添付文書” (2013年6月). 2015年5月28日閲覧。
- ^ a b c “ジフルカン静注液50mg/ジフルカン静注液100mg/ジフルカン静注液200mg 添付文書” (2013年6月). 2015年5月28日閲覧。
- ^ 但し、2008年に入り『バイアグラは男性向け勃起持続薬です。女性向けはダイフルカン』の様な内容のタイトルの付いたスパムメールが出没している。これらのメールの本文ではバイアグラ・レビトラ・シアリスの販売を謳っている。が、リンクをクリックすると個人輸入代行販売サイトに繋がるので警戒する必要がある。
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 小児の化学療法および造血幹細胞移植での好中球減少期間におけるミカファンギンとホスフルコナゾールによる侵襲性真菌感染症予防の無作為割り付け試験成績
- 澤田 明久,坂田 尚己,樋口 万緑,竹下 泰史,石原 卓,坂田 顕文,興梠 雅彦,近藤 統,小山 真穂,平野 慎也,安井 昌博,井上 雅美,吉岡 章,河 敬世
- 臨床血液 50(12), 1692-1699, 2009-12-30
- NAID 10026331788
- 大腿四頭筋への播種を来した続発性肺クリプトコッカス症の1例
- 岡本 真一郎,田中 麗苗,一安 秀範,後藤 英介,濱本 淳二,藤井 一彦,税田 直樹,興梠 博次
- 日本内科学会雑誌 98(12), 3143-3145, 2009-12-10
- NAID 10026329915
- 真菌感染における non-albicans Candida 属の臨床的病原性
- 明見 能成
- 日本医真菌学会雑誌 = Japanese journal of medical mycology 50(4), 225-228, 2009-10-30
- 近年non-albicans Candida 属のカンジダ血症に占める割合が増加している.当院においても1996年から2007年の間に経験したカンジダ血症58例のうち36例はnon-albicans Candida 属による症例であった.non-albicans カンジダ血症のリスクファクターとして抗真菌剤投与の既往を検討した結果,non-albicans 症例では36例全例とも,C. albic …
- NAID 10026094554
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- ジフルカンとは?フルコナゾールの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べ られる(おくすり110番:薬事典版)
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
フルコナゾール静注液100mg「サワイ」
効能または効果
- カンジダ属による下記感染症
真菌血症、呼吸器真菌症、消化管真菌症、尿路真菌症、真菌髄膜炎
- 通常、成人にはフルコナゾールとして50?100mgを1日1回静脈内に投与する。
- クリプトコッカス属による下記感染症
真菌血症、呼吸器真菌症、消化管真菌症、尿路真菌症、真菌髄膜炎
- 通常、成人にはフルコナゾールとして50?200mgを1日1回静脈内に投与する。
- なお、重症又は難治性真菌感染症の場合には、1日量として400mgまで増量できる。
慎重投与
- 薬物過敏症の既往歴のある患者
- 腎障害のある患者(血中濃度が持続するので、投与量を減ずるか、投与間隔をあけて使用すること。)
- 肝障害のある患者〔肝障害を悪化させることがある。〕
- 心疾患又は電解質異常のある患者〔心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、QT延長、心室細動、房室ブロック、徐脈等があらわれることがある(「重大な副作用」の項参照)。〕
重大な副作用
- ショック、アナフィラキシー様症状:ショック、アナフィラキシー様症状(血管浮腫、顔面浮腫、そう痒等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN):皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 血液障害:無顆粒球症、汎血球減少症、血小板減少、白血球減少、貧血等の重篤な血液障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 急性腎不全:急性腎不全等の重篤な腎障害が報告されているので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 肝障害:黄疸、肝炎、胆汁うっ滞性肝炎、肝壊死、肝不全等の肝障害が報告されており、これらの症例のうち死亡に至った例も報告されている。これらの発症と1日投与量、治療期間、患者の性別・年齢との関連性は明らかではない。本剤による肝障害は通常、投与中止により回復している。投与にあたっては、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 意識障害:錯乱、見当識障害等の意識障害があらわれることがあるので、このような症状が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
- 痙攣:痙攣等の神経障害があらわれることがあるので、このような症状が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
- 高カリウム血症:高カリウム血症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、電解質補正等の適切な処置を行うこと。
- 心室頻拍、QT延長、不整脈:心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、QT延長、心室細動、房室ブロック、徐脈等があらわれることがあるので、定期的に心電図検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 間質性肺炎:間質性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線等の検査を実施し、本剤の投与を中止するとともに、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
- 偽膜性大腸炎:偽膜性大腸炎等の重篤な大腸炎(初期症状:発熱、腹痛、頻回の下痢)があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- フルコナゾールはトリアゾール系抗真菌剤で、カンジダ属及びクリプトコッカス属に対し抗真菌作用が認められている。その作用機序は、選択的に真菌のチトクロームP450に作用し、真菌の細胞膜構成成分であるエルゴステロールの生合成を阻害することによるとされている。
- 各種臓器、組織への移行性が良好であり、1日1回投与による治療が可能となっている。
- マウス実験的カンジダ症(Candida albicans)感染モデルにおいて、治療効果を検討したところ、本剤投与群は無治療群に比して用量依存的に有意な生存率の上昇を示した。1)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
略号
化学名
- 2,4-Difluoro-α,α-bis(1H-1,2,4-triazol-1-ylmethyl)benzyl alcohol
分子式
分子量
融点
性状
- フルコナゾールは白色?微黄白色の結晶性の粉末で、わずかに特異なにおいがあり、味は苦い。メタノール、酢酸(100)又はエタノール(95)に溶けやすく、無水酢酸にやや溶けやすく、水に溶けにくい。希塩酸に溶ける。
★リンクテーブル★
[★]
- 30歳の女性。下痢と血便とを主訴に来院した。1か月前に東南アジアを旅行した。5日前から繰り返す下痢と粘血便とが認められるようになったため受診した。体温 37.0℃。血圧 118/62mmHg。腹部は平坦で、左下腹部に圧痛を認める。糞便検査とともに行った下部消化管内視鏡検査で結腸に発赤とびらんとを認めた。結腸粘膜生検のH-E染色標本(別冊No. 22A)とPAS染色標本(別冊No. 22B)を別に示す。
- 第一選択として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109A044]←[国試_109]→[109A046]
[★]
- 80歳の女性。咳嗽を主訴に来院した。2か月前から咳嗽が出現し、増強してきたため受診した。10年前から糖尿病で経口血糖降下薬を服用中である。意識は清明。体温 36.8℃。脈拍 72/分、整。血圧 146/82mmHg。呼吸数 18/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。胸部エックス線写真で左中肺野に結節影を認める。胸部CT(別冊No. 25A)と経気管支肺生検組織のPAS染色標本(別冊No. 25B)とを別に示す。
- 治療薬として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109D051]←[国試_109]→[109D053]
[★]
- 80歳の男性。右胸部の疼痛を伴う皮疹を主訴に来院した。2日前から症状を自覚していた。昨日から次第に悪化し、今朝衣服に浸出液が付着していることに気付いたため受診した。右胸部の写真(別冊No. 18)を別に示す。
- 適切な治療薬はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111A043]←[国試_111]→[111A045]
[★]
- 英
- fungus, (pl.)fungi
- 同
- かび、菌類 Mycota
- 関
- 微生物学、真菌症、抗真菌薬
細菌、真菌、藻類、原虫
- いずれも単細胞生物
- 細菌は核を持たないが、それ以外は核を持つ
- 細胞壁の多糖:細菌はペプチドグリカンなど。真菌はβグルカン、キチン。藻類はセルロース。原虫は細胞壁を持たない
- 栄養獲得様式:藻類は光合成独立栄養生性。
大きさ
細胞膜
細胞壁
線維状多糖
- 細胞壁の骨格となる
- キチンとβ-グルカンからなる。
- 特殊な多糖にキトサンがある
- グルコースのホモ重合体
- β(1→3)結合、β(1→6)結合
- 酵母では細胞壁成分にβ-1,3-グルカンが多い
糖タンパク質
形態による分類
- Coccidioides immitis
- Histoplasma capsulatum
- Sporothrix schenckii
- Candida albicans
培養と感染組織における形態
菌糸の構造
- 接合菌などの下等真菌にのみ見られる
菌糸の機能
-
生殖方式による分類
有性生殖と無性生殖
-
有性胞子形成
無性胞子形成
培養
種類
真菌の染色法(SMB.358)
- 細胞壁の多糖を染色:コットンブルー(cotton blue)、グラム染色(全ての真菌はグラム陽性)
- 真菌細胞壁多糖を特異的に染色:PAS染色、Grocottメテナミン銀染色、ファンギフローラY
参考
病原体としての真菌
[★]
- 関
- QT延長症候群、QT間隔
原因
- 洞結節機能不全
- 房室ブロック:2度房室ブロック、3度房室ブロックアンドロゲン遮断療法(GnRHアゴニスト/アンタゴニスト療法または両側性精巣摘除術)
- 利尿薬:低マグネシウム血症・低カリウム血症の誘発による
- 鎮吐薬:
[★]
- 英
- cryptococcosis
- 同
- クリプトコックス症、ブッセ-ブシュケ病 Busse-Buschke disease
- 関
- クリプトコッカス属、真菌
特徴
病原体
疫学
病型
潜伏期間
感染経路
症状
合併症
経過
治療
検査
- 髄液や血清中の莢膜多糖抗原(glucuronoxylomannan)を検出する血清診断は感度・特異度ともにすぐれる。
[★]
- 英
- antifungal of triazole derivative
- 関
- 抗真菌薬、真菌
-
作用機序
- C-14脱メチル化反応抑制
トリアゾール系抗真菌薬
適応
[★]
商品
[★]
- 英
- fosfluconazole
- 商
- プロジフ
- 関
- 抗真菌薬