- 英
- donepezil
- 化
- 塩酸ドネペジル
- 商
- アリセプト Aricept
- 関
- アルツハイマー病。その他の中枢神経系用薬
- 抗認知症薬
- アルツハイマー型認知症の治療薬である。
- コリンエステラーゼ阻害薬。可逆的
- 血液脳関門を抜けて脳内でのアセチルコリン濃度を上昇させ、コリン作動性ニューロンの運動を活発にすることで、認知症の症状(認知症の中核症状)をを和らげる。症状を和らげるので対症療法である。
- 脳への移行が多い
- 末梢性副作用が少ない。(ドネペシルは偽性コリンエステラーゼの阻害が少ない)
- 肝毒性が少ない
- 血漿中濃度消失半減期が長く1日1回投与でよい。
- アセチルコリンエステラーゼの阻害作用によるコリン作動性作用に基づく。
- 消化器症状
- 循環器系症状:アセチルコリンエステラーゼの阻害作用による心臓刺激
- 1)洞不全症候群、心房内及び房室接合部伝導障害等の心疾患(迷走神経刺激作用により徐脈あるいは不整脈の可能性)
- 2)消化性潰瘍の既往歴、NSAIDs投与中(胃酸分泌の促進及び消化管運動の促進により消化性潰瘍を悪化の可能性)
- 3)気管支喘息又は閉塞性肺疾患の既往歴(気管支平滑筋の収縮及び気管支粘液分泌の亢進により症状悪化の可能性)
- 4)錐体外路障害(パーキンソン病、パーキンソン症候群等)(線条体のコリン系神経の亢進により症状誘発又は増悪の可能性)
- → 既往歴のチェック、12誘導心電図、聴診、予防的PPI投与 (以上はエビデンスなし)
- 錠剤:3mgから開始して、1-2週間後に5mgに増量する。症状に応じて5mgにしてから4週間以上空けて10mgまで増量できる。
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/02/07 14:16:13」(JST)
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ドネペジル
|
|
IUPAC命名法による物質名 |
(RS)-2-[(1-benzyl-4-piperidyl)methyl]-5,6-dimethoxy-2,3-dihydroinden-1-one |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
? |
法的規制 |
℞ Prescription only |
投与方法 |
Oral tablet, 5 & 10 mg |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
100 (%) |
血漿タンパク結合 |
96% |
半減期 |
70 hours |
排泄 |
0,11-0,13 (l/h/kg) |
識別 |
CAS登録番号 |
120014-06-4 |
ATCコード |
N06DA02 |
PubChem |
CID 3152 |
DrugBank |
APRD00039 |
ChemSpider |
3040 |
KEGG |
D07869 |
化学的データ |
化学式 |
C24H29NO3 |
分子量 |
379.492 g/mol |
SMILES
- COc1cc2c(CC(CC3CCN(CC3)
Cc3ccccc3)C2=O)cc1OC
|
ドネペジル (donepezil) は、アルツハイマー型認知症(痴呆)進行抑制剤の一種。エーザイの杉本八郎[1]らにより開発された。
ドネペジル塩酸塩は、アリセプトという商品名でエーザイから発売され、海外市場ではファイザーとの提携により、同名(Aricept)で販売されている。「新薬開発におき、欧米企業に遅れをとる」と批判されがちな日本の製薬業界であるが、アリセプトは日本国外市場でも市場占有率8割以上を誇る。
目次
- 1 適用・効能
- 2 作用機序
- 3 禁忌・副作用
- 4 エピソード
- 5 関連項目
- 6 脚注
- 7 外部リンク
|
適用・効能
アルツハイマー型認知症の認知症症状の進行抑制に用いられる。アルツハイマー型認知症の早期に使用することによって認知機能の一時的な改善をもたらす。アルツハイマー型認知症の病態を治療したり、最終的に認知症が悪化することを防ぐ薬剤ではない。投与12週以降で臨床認知機能評価尺度の点数を改善する。しかし、数年以上の長期にわたる投与試験は行われておらず、現時点で長期投与の有効性についてのデータはない。これは、投薬対象人口が高齢であり、ランダムサンプルを用いた縦断的研究データ収集が難航しているからである。
作用機序
アルツハイマー型認知症では、脳内コリン作動性神経系の障害が認められる。 本薬は、アセチルコリンを分解する酵素であるアセチルコリンエステラーゼを可逆的に阻害することにより脳内アセチルコリン量を増加させ、脳内コリン作動性神経系を賦活する。
禁忌・副作用
ピペリジン誘導体に過敏反応のある者は使用できない。また心筋梗塞、消化性腸潰瘍、肝障害、錐体外路症状が現れた場合は医師に相談し服用を中止する。
エピソード
アリセプトの開発者の一人、杉本が認知症になった母親に誰かと尋ねられ「息子の八郎ですよ」と声をかけたところ、「そうですか、私にも八郎という子どもがいるんですよ」との返事を受けた[2]。これをきっかけに、杉本は、会社から2度も認知症の開発を中止するよう厳命を受けたにもかかわらず、拒否し、5年以上の歳月をかけて、認知症薬アリセプトの創製に結びつけた[要出典]。 1998年、杉本はドネペジル開発の功労が認められ、イギリスのガリアン賞を受賞している[3]。
関連項目
脚注
- ^ 現・京都大学大学院薬学研究科 客員教授
- ^ この人と話そう / 杉本八郎さん(京都新聞 2010年7月20日) 2011年4月17日閲覧
- ^ 杉本教授の略歴(バイオクルーズ株式会社ホームページ)
外部リンク
- エーザイ株式会社
- エーザイ医療関係者向けサイト
- 添付文書 - アリセプト錠3, 5, 10mg / アリセプト細粒0.5%
- 添付文書 - アリセプトD錠3, 5, 10mg
- アリセプトブランドサイト
- アリセプト英語サイト
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- ダウン症候群患者のQOL向上のための塩酸ドネペジル療法 (第47回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/鹿児島) -- (シンポジウム リハビリテーション促進的薬物治療の新たな展開)
- 神経保護性ニコチン受容体長期刺激による受容体機能変化の解析 (AYUMI 長期ニコチン受容体刺激により誘発される生体機構変化)
- 私のカルテから アルツハイマー病の前駆状態と思われる患者にみられたうつ症状に塩酸ドネペジルが有効であった1例
Related Links
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- アリセプトとは?ドネペジルの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる( おくすり110番:薬事典版)
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
アリセプトD錠3mg
組成
- 本剤は、1錠中にドネペジル塩酸塩3mgを含有する黄色の口腔内崩壊錠である。
添加物として黄色三二酸化鉄、カラギーナン、軽質無水ケイ酸、ポリビニルアルコール、D‐マンニトールを含有する。
効能または効果
- アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制
- アルツハイマー型認知症と診断された患者にのみ使用すること。
- 本剤がアルツハイマー型認知症の病態そのものの進行を抑制するという成績は得られていない。
- アルツハイマー型認知症以外の認知症性疾患において本剤の有効性は確認されていない。
- 通常、成人にはドネペジル塩酸塩として1日1回3mgから開始し、1?2週間後に5mgに増量し、経口投与する。高度のアルツハイマー型認知症患者には、5mgで4週間以上経過後、10mgに増量する。なお、症状により適宜減量する。
- 3mg/日投与は有効用量ではなく、消化器系副作用の発現を抑える目的なので、原則として1?2週間を超えて使用しないこと。
- 10mg/日に増量する場合は、消化器系副作用に注意しながら投与すること。
- 医療従事者、家族などの管理のもとで投与すること。
慎重投与
- 本剤はアセチルコリンエステラーゼ阻害剤であり、コリン作動性作用により以下に示す患者に対しては症状を誘発又は増悪する可能性があるため慎重に投与すること。
- 洞不全症候群、心房内及び房室接合部伝導障害等の心疾患のある患者
〔迷走神経刺激作用により徐脈あるいは不整脈を起こす可能性がある。〕
- 消化性潰瘍の既往歴のある患者、非ステロイド性消炎鎮痛剤投与中の患者
〔胃酸分泌の促進及び消化管運動の促進により消化性潰瘍を悪化させる可能性がある。〕
- 気管支喘息又は閉塞性肺疾患の既往歴のある患者
〔気管支平滑筋の収縮及び気管支粘液分泌の亢進により症状が悪化する可能性がある。〕
- 錐体外路障害(パーキンソン病、パーキンソン症候群等)のある患者
〔線条体のコリン系神経を亢進することにより、症状を誘発又は増悪する可能性がある。〕
重大な副作用
失神、徐脈、心ブロック、QT延長、心筋梗塞、心不全
- 失神(0.1%未満)、徐脈(0.1?1%未満)、心ブロック(洞房ブロック、房室ブロック)、QT延長、心筋梗塞、心不全(各0.1%未満)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
消化性潰瘍、十二指腸潰瘍穿孔、消化管出血
- 本剤のコリン賦活作用による胃酸分泌及び消化管運動の促進によって消化性潰瘍(胃・十二指腸潰瘍)(0.1%未満)、十二指腸潰瘍穿孔(頻度不明)、消化管出血(0.1%未満)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝炎、肝機能障害、黄疸
- 肝炎(頻度不明)、肝機能障害(0.1?1%未満)、黄疸(頻度不明)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
脳性発作、脳出血、脳血管障害
- 脳性発作(てんかん、痙攣等)(0.1?1%未満)、脳出血、脳血管障害(各0.1%未満)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
錐体外路障害(0.1?1%未満)
- 寡動、運動失調、ジスキネジア、ジストニア、振戦、不随意運動、歩行異常、姿勢異常、言語障害等の錐体外路障害があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
悪性症候群(Syndrome malin)(0.1%未満)
- 無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水・電解質管理等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。
横紋筋融解症(頻度不明)
- 横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
呼吸困難(0.1%未満)
- 呼吸困難があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性膵炎(頻度不明)
- 急性膵炎があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
急性腎不全(0.1%未満)
- 急性腎不全があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
原因不明の突然死(0.1%未満)
薬効薬理
作用機序
- アルツハイマー型認知症では、脳内コリン作動性神経系の顕著な障害が認められている。本薬は、アセチルコリン(ACh)を分解する酵素であるアセチルコリンエステラーゼ(AChE)を可逆的に阻害することにより脳内ACh量を増加させ、脳内コリン作動性神経系を賦活する。6) 7) 8) 9)
AChE阻害作用及びAChEに対する選択性
- In vitroでのAChE阻害作用のIC50値は6.7nmol/Lであり、ブチリルコリンエステラーゼ阻害作用のIC50値は7,400nmol/Lであった。AChEに対し選択的な阻害作用を示した。6)
脳内AChE阻害作用及びACh増加作用
- 経口投与により、ラット脳のAChEを阻害し、また脳内AChを増加させた。7) 8)
学習障害改善作用
- 脳内コリン作動性神経機能低下モデル(内側中隔野の破壊により学習機能が障害されたラット)において、経口投与により学習障害改善作用を示した。9)
有効成分に関する理化学的知見
物理化学的性状
- ドネペジル塩酸塩は白色の結晶性の粉末である。
本品は水にやや溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくい。
本品の水溶液(1→100)は旋光性を示さない。
融点
分配係数
★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、53~55 の問いに答えよ。
- 78歳の男性。異常な言動を心配した家族に伴われて来院した。
- 現病歴:2年前から、前日の出来事を思い出せなかったり、当日の予定を30分おきに確認するようになった。同時期から夜間に大きな寝言を言ったり、手足をバタバタさせていることに家族が気付くようになった。1年前から、家にいるのに、家に帰らないといけない、亡くなった人が来ているというようになった。このころから動作が遅く、食事や着替えに時間がかかるようになった。数日前からは繰り返し、ものをとられた、隣人が自分の悪口を言っているといって騒ぎ立てるようになったため、困惑した家族に伴われて受診した。
- 既往歴:75歳時に両側の白内障手術。
- 家族歴:父親が脳梗塞。母親が胃癌。
- 生活歴:喫煙は65歳まで10本/日を45年間。13年前から禁煙している。飲酒は機会飲酒。76歳の妻と長女夫婦と同居している。
- 現症:意識は清明。身長 168cm、体重 62kg。体温 36.3℃。脈拍 72/分、整。血圧 148/82mmHg。呼吸数 16/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。改訂長谷川式簡易知能評価スケール12点(30点満点)、Mini-Mental State Examination(MMSE)14点(30点満点)。脳神経に異常を認めない。四肢で左右対称性に軽度の筋強剛を認める。腱反射は正常で、Babinski徴候は陰性。運動麻痺、感覚障害および運動失調を認めない。歩行はやや不安定でつまずきやすい。
- 検査所見:尿所見に異常を認めない。血液所見:赤血球 418万、Hb 13.2g/dL、Ht 42%、白血球 6,300、血小板 23万、PT 78%(基準 80~120)。血液生化学所見:総蛋白 7.2g/dL、アルブミン 4.0g/dL、総ビリルビン 0.8mg/dL、AST 22IU/L、ALT 38IU/L、LD 328IU/L(基準 176~353)、ALP 254IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 26IU/L(基準 8~50)、アミラーゼ 95IU/L(基準 37~160)、CK 96IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 18mg/dL、クレアチニン 0.8mg/dL、尿酸 6.3mg/dL、血糖 102mg/dL、HbA1c 5.8%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 242mg/dL、トリグリセリド 186mg/dL、Na 136mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 98mEq/L、TSH 3.8μU/mL(基準 0.2~4.0)、FT3 2.6pg/mL(基準 2.5~4.5)、FT4 1.0ng/dL(基準 0.8~2.2)。CRP 0.4mg/dL。脳血流SPECT(別冊No. 10A)とドパミントランスポーターSPECT(別冊No. 10B)とを別に示す。
- この患者に適切な薬剤はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110B054]←[国試_110]→[110B056]
[★]
- 78歳の女性。繰り返す奇妙な動作を心配した夫に付き添われて来院した。4年前から物忘れが目立つようになり、徐々に買い物や炊事に支障をきたすようになった。2年前にAlzheimer型認知症と診断され、ドネペジルの処方を受けていた。2か月前から、食事中や会話中に突然それまでの動作が止まり、口唇を尖らせた後に1分間くらい口をもぐもぐするようになった。この間、家族が声をかけても返答はなく、視線は宙を見据えている。奇妙な動作中の意識があるかどうかを確認するため詳しく問診しても、認知症のため確かな返答は得られない。意識は清明。体温 36.2℃。脈拍 56/分、整。血圧 126/80mmHg。神経診察では局所神経徴候を示す異常所見を認めない。頭部MRIで海馬の萎縮を認めるが、1年前と比較して新たな病変はみられない。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113D021]←[国試_113]→[113D023]
[★]
- 75歳の女性。抑うつ気分を訴えるのを心配した隣人に付き添われて来院した。約3年前から徐々に物忘れが進行し、2年前にAlzheimer型認知症と診断され、ドネペジルを服用している。5か月前に長男が交通事故で死亡し、その直後から著明な抑うつ傾向を認め、「生きていても仕方がない」と頻繁に口にするようになった。夫は10年前に死亡し、現在は一人暮らしである。診察時、「死んだ長男のことばかり考えているだけなので、治療は受けなくていい。家族にも連絡しないで欲しい」と述べる。身体診察では異常所見を認めない。改訂長谷川式簡易知能評価スケールは19点(30点満点)。
- 対応として適切なのはどれか。
- a ドネペジルを増量する。
- b できるだけ安静にするよう指示する。
- c 家族への連絡の承諾を得られるよう説得する。
- d 病状を地域の精神保健福祉センターに連絡する。
- e 付き添ってきた隣人の同意を得て医療保護入院とする。
[正答]
※国試ナビ4※ [112D045]←[国試_112]→[112D047]
[★]
- 77歳の男性。易転倒性と認知症とを主訴に来院した。1年前から歩行速度が遅くなっていた。1か月前から転倒や物忘れも出てきたため、心配した家族に連れられて受診した。意識は清明。体温 36.4℃。脈拍 72/分、整。血圧 148/82mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 98%(room air)。Mini-Mental State Examination(MMSE)は22点(30点満点)。上下肢の筋力と腱反射とに異常を認めない。病的反射と感覚障害とを認めない。歩行はすり足、小刻みで、歩隔は広い。頭部MRIのT1強調冠状断像(別冊No. 18)を別に示す。
- 治療として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110D045]←[国試_110]→[110D047]
[★]
- 関
- QT延長症候群、QT間隔
原因
- 洞結節機能不全
- 房室ブロック:2度房室ブロック、3度房室ブロックアンドロゲン遮断療法(GnRHアゴニスト/アンタゴニスト療法または両側性精巣摘除術)
- 利尿薬:低マグネシウム血症・低カリウム血症の誘発による
- 鎮吐薬:
[★]
- 英
- Alzheimer disease, Alzheimer's disease
- 同
- (国試)Alzheimer病、(以下、厳密には同義ではない)→アルツハイマー型認知症、アルツハイマー型痴呆 dementia of the Alzheimer type DAT, Alzheimer-type dementia Alzheimer type dementia ATD
- Alzheimer型痴呆、Alzheimer型認知症
- 関
- ドネペジル、認知症
概念
進行性痴呆のなかで脳血管障害による痴呆に次いで多い (EPT.257)
- 大脳皮質のびまん性萎縮が見られる (EPT.257)
- 前脳基底野コリン作動性ニューロンの選択的な変性が見られ、アセチルコリンの産生が低下
- 病理学的には、老人斑とアルツハイマー神経線維変化が見られる (EPT.257)
疫学
- 有病率:65歳以上5-10%。65~69歳:1.5%、85歳~:27.3%。
- 認知症の半数がアルツハイマー病
- アルツハイマー病の5-10%が家族性
アルツハイマーのリスクファクター
- 高コレステロール
- 血圧
- ホモシステイン
- 糖尿病。内臓脂肪(メタボリックシンドローム)
- 喫煙
病理
- 老人斑:細胞外にβアミロイドが沈着。
- 神経原線維変化:細胞内にリン酸化されたタウ蛋白が凝集し、らせん構造をとる
症状
1. 中核症状
- 1. 健忘(記銘力、記憶力)
- 2. 見当識障害
- 3. 思考力障害
- 4. 計算力障害
2. 周辺症状
- 不安、抑うつ、徘徊、不眠、妄想、せん妄、幻覚、暴行、焦燥感
他疾患との比較
未分類
- 空間視の障害:例えば立方体の模写ができない。頭頂葉の障害とされる。
- 着衣失行
検査
./t_image/103/103D003.jpg
国試
[★]
- 英
- cholinesterase inhibitor cholinesterase inhibitors
- 同
- 抗コリンエステラーゼ薬 anticholinesterase
- 関
- アセチルコリン、アセチルコリン受容体、副交感神経
コリンエステラーゼ阻害薬=
- アルツハイマー病の治療薬
作用機序
活性部位に結合
- エドロフォニウムは四級アミンなので腎臓より速やかに排泄され、持続時間が短い。
酵素ををカルバモイル化
- フィゾスチグミンやネオスチグミンは活性化部位に位置するセリン残基のヒドロキシ基にカルバモイル基(NH2CO-)を転移することで、機能を可逆的に失わせる (GOO.204)
酵素をリン酸化
薬理作用
動態
適応
臨床応用
注意
禁忌
副作用
[★]
- 関
- 認知症、抗認知症薬一覧
抗認知症薬
比較
|
コリンエステラーゼ阻害薬
|
NMDA受容体拮抗薬
|
商品名
|
アリセプト
|
レミニール
|
リバスタッチ
|
メマリー
|
一般名
|
ドネペジル
|
ガランタミン
|
リバスチグミン
|
メマンチン
|
病期
|
全病期
|
軽度・中等度
|
軽度・中等度
|
中等度・高度
|
副作用
|
重大
|
洞不全症候群、房室伝導障害、気管支喘息・COPDの増悪、消化性潰瘍
|
|
高頻度
|
食欲不振、嘔気・嘔吐、下痢・便秘、腹痛、興奮、不穏、不眠、眠気、徘徊、振戦、頭痛、顔面紅潮
|
めまい、便秘、傾眠、頭痛
|
|
|
皮膚かぶれ
|
|
使い分け
-
- イクセロンパッチ:4.5mg, 9mg, 13.5mg, 18mg