出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/10/02 04:17:00」(JST)
ウィキペディアは医学的助言を提供しません。免責事項もお読みください。 |
IUPAC命名法による物質名 | |
---|---|
7-chloro-1,3dihydro-1-methyl- 5-phenyl-2H- |
|
臨床データ | |
胎児危険度分類 | C(AU) D(US) |
法的規制 | Prescription Only (S4) (AU) Schedule IV (CA) Schedule IV (US) Schedule IV (International) |
投与方法 | 経口、経静脈、筋肉注射、坐剤 |
薬物動態的データ | |
生物学的利用能 | 93% |
代謝 | 肝臓 - CYP2C19 |
半減期 | 20–100時間 |
排泄 | 腎臓 |
識別 | |
CAS登録番号 | 439-14-5 |
ATCコード | N05BA01 N05BA17 |
PubChem | CID 3016 |
DrugBank | APRD00642 |
ChemSpider | 2908 |
KEGG | D00293 |
化学的データ | |
化学式 | C16H13ClN2O |
分子量 | 284.7 g/mol |
SMILES
|
ジアゼパム (Diazepam) はベンゾジアゼピン系抗不安薬、抗けいれん薬、鎮静薬である[1][2]。日本国外では代表的な睡眠薬でもあり、(骨格)筋弛緩作用もある[3]。アルコール・ベンゾジアゼピン離脱症候群の管理にも用いられる。
化学的には1,4-ベンゾジアゼピン誘導体で、1950年代にレオ・スターンバックによって合成された。ジアゼパムは、広く用いられる標準的なベンゾジアゼピンの1つで、世界保健機関 (WHO) もその「エッセンシャルドラッグ」リストにジアゼパムを掲載している[4][5]。
ジアゼパムの副作用としては、前向性健忘(特に高用量で)と鎮静に加え、興奮、怒りやてんかんの発作の悪化などのパラドックス効果がある。またベンゾジアゼピンはうつ病を悪化させる。ジアゼパムも含め、ベンゾジアゼピンの長期的影響として耐性・ベンゾジアゼピン依存症・減薬の際のベンゾジアゼピン離脱症候群がある。ベンゾジアゼピン中止後の認知障害は少なくとも6か月間持続し、完全には戻らない。しかし、いくつかの症状の回復には6か月以上必要だと言われている[6][7]。ジアゼパムはまた乱用のポテンシャルがあり、深刻な依存症の問題を引き起こす可能性がある。処方慣行を改善するために各国政府に対しての緊急な行動が推奨されている[6][7]。
日本での代替医薬品でない商品名として「セルシン」(武田薬品工業)、「ホリゾン」(アステラス製薬←山之内製薬)があり、ほか、各種後発医薬品が利用可能である[8]。アメリカ合衆国での商品名としてValium、Seduxenなどがある。
目次
|
ジアゼパムは母体となるベンゾジアゼピンの開発者でもあるレオ・スターンバックによって1950年代に開発された。スターンバックはこの功績により2005年、アメリカ発明者栄誉殿堂に加えられている。ジアゼパムのCAS登録番号は439-14-5であり、IUPAC命名法では 7-chloro-1,3-dihydro-1-methyl-5-phenyl-2H-1,4-benzodiazepin-2-one となる。天然においても、ジャガイモやエストラゴンにはごく微量のジアゼパムやテマゼパム (Temazepam) が含まれている[9][10]。
アメリカ合衆国で1961年にジアゼパムが臨床応用されると、直ちに過量摂取による死亡事故が後を絶たなかったバルビツール系抗不安薬に対する最良の代替物であることが分かった。ジアゼパムはバルビツールのように明らかな副作用を示さなかったので、すぐに慢性の不安に対する処方として普及した。1962年から1982年までのアメリカで、最も売れた薬剤はジアゼパムである[11]。
ジアゼパムは不安障害や興奮の治療に用いられる。また、有痛性筋痙攣(いわゆる「こむらがえり」)などの筋痙攣の治療にはベンゾジアゼピン類の中で最も有用であるとされている。鎮静作用を生かし手術などの前処置(いわゆるプレメジ)、そしてアルコールや麻薬(オピオイド)による離脱症状の治療にも用いられる。変わったところでは、軍事的ないしそれに類する狙撃手によって、筋弛緩作用と呼吸を緩やかにする作用から命中率を高めるために用いられることもある。
現在ではかつてのようにジアゼパムには副作用が無いとは考えられなくなっている。薬物乱用のリスクが認識され、アメリカでのジアゼパムの使用量は1980から1990年代の間にほぼ半減した。一方ですでに古典的な薬物であるジアゼパムは、近年でも一部の錐体外路疾患の補助療法、小児の不安の治療(小児に適応のある数少ない精神安定剤でもある)、そして痙性麻痺の補助療法などに適応を広げつつある。
動物では、ジアゼパムは大脳辺縁系、ならびに視床と視床下部に作用して鎮静作用をもたらす。このとき、特異的なベンゾジアゼピン受容体に結合するが、この受容体は、実際の構造としてはGABA(γ-アミノ酪酸)受容体(より正確には、GABAA受容体-Clチャネル複合体)の一部分(α部位)である。この受容体にジアゼパムが結合すると、GABAの持つ抑制作用が増強される。ジアゼパムは全身組織、ことに脂肪組織に再分布し、ベンゾジアゼピン受容体の誘導(発現増強)も引き起こす。人間では、鎮静作用に対する耐性は数週間以内に引き起こされるが、抗不安作用に対する耐性は誘導されない。なお、ロラゼパム・クロナゼパム・アルプラゾラムなどはジアゼパムよりも強い抗不安作用を持つが、これらの薬剤はジアゼパムよりもさらに強い乱用・精神依存のリスクを伴う。
実験的な知見としては、ロシュ社(スイス)の研究施設で、ラットの脳に手術を行い、大脳辺縁系に異常な変化を与えてきわめて神経質、かつよく跳ねるラットを作成し、こうしたラットにLibrium、ないしValiumといったジアゼパム製剤を与えたところ、こうしたラットが正常に行動するとのことである。
ジアゼパムは経口、経静脈、筋肉注射、坐剤(商品名「ダイアップ」—熱性痙攣などで頻用される。後述)の各経路で投与できる。経口投与されると速やかに吸収されて作用を発現する。筋注での作用の発現は、はるかに遅く不安定である。ジアゼパムは脂溶性に富み、そのため血液脳関門 (BBB) を容易に通過する。肝臓で代謝され、二相性の半減期を示す。つまり、ジアゼパム自体の半減期は20–100時間であるが、その主な活性代謝産物であるデスメチルジアゼパムの半減期が2–5日である。ジアゼパムのその他の代謝産物としては、テマゼパム、ロラゼパムが挙げられる。ジアゼパムとその代謝産物は尿へ排泄される。
一般に摂取された薬物の半減期は、ある用量の薬物を1回投与したときに、血中薬物濃度がピークの値の半分になるのに要する時間、で計測されるが、英国のニューカッスル大学名誉教授の、C・アシュトン (Ashton) (精神薬理学)は、ジアゼパム自体の半減期として20–100時間、活性代謝物の半減期として36–200時間という値を公表している。
ロシュ社では同社製品Valium(ジアゼパム)の添付文章にて、ベンゾジアゼピンを精神病の一次治療として推奨していない[12]。
ジアゼパムは以下のように、非常に広範な適応を持つ。
「日本の」特殊事情として、こうした薬理学的適応のほかに、医療保険上の適応になるか否かが問題になる。そのため、睡眠薬としてジアゼパムが用いられることは少なく、抗不安薬・鎮静薬としての用途で用いられることが多い。
獣医学的な用途にも用いられ、犬猫の短期間作用型鎮静・抗不安薬として大変有用である。犬猫の術前鎮静薬や、鎮静が許容できる場合での抗けいれん薬(短期・長期治療いずれも)としても使用される。例として、猫のけいれん発作重積状態を止めるためには、5mgの注腸、ないし緩徐な静注(必要により再投与)が用いられることがある。
ジアゼパムの禁忌には以下のようなものがある。
ジアゼパムのアメリカ合衆国アメリカ食品医薬品局 (FDA)・胎児危険度分類 (pregnancy category) はカテゴリー「D」である。これは、「胎児に対する明確なリスク」があることを意味する。ただし、注意が必要であるが、これはあくまでもリスクであり、絶対禁忌「ではない」(この分類では、カテゴリー「X」が絶対禁忌である)。リスクとメリットを見比べての選択となる。
ジアゼパムのアメリカ合衆国FDA・授乳危険度分類 (breast-feeding category) はカテゴリー「3」である。これは、「適切なデータがなく危険性についてはよく分かっていないが懸念される (unknown with concern)」ことを意味する。
ジアゼパムを含めて、ベンゾジアゼピンの副作用には、前向性健忘と混乱(特に高用量)と鎮静がある。長期間のベンゾジアゼピン使用は耐性・ベンゾジアゼピン依存症・ベンゾジアゼピン離脱症候群を招く[13]。他のベンゾジアゼピンのように、ジアゼパムは新しい情報の短期記憶および学習を損なう。ベンゾジアゼピンは前向性健忘症を引き起こす可能性があるが、逆行性健忘は発生しない、すなわちベンゾジアゼピン前に学習した情報は失われない。ベンゾジアゼピンの認知障害については長期使用による耐性は形成されない。高齢者はベンゾジアゼピンの認知を損なう影響に敏感である[14]。ベンゾジアゼピン停止後の認知障害は少なくとも6か月続き、この障害が6か月後に軽減するか永久的かどうかは不明である。またベンゾジアゼピンはうつ病を悪化させる[13]。
発作を管理するときなど、ジアゼパムの静脈内注射や輸液を繰り返すと、呼吸抑制・鎮静・血圧などの薬物毒性に繋がることがある。ジアゼパムを24時間以上点滴されたならば、耐性が形成される[13]。鎮静・ベンゾジアゼピン依存症・乱用ポテンシャルのためベンゾジアゼピンの使用は限定される[15]。
ジアゼパムには(他のベンゾジアゼピンと共通の)広範な副作用が存在する。特に頻繁に遭遇するものは以下の通りである。
ジアゼパムの本来の作用と反対の効果、つまり、易興奮性、筋痙攣、そして(極端なケースでは)憤激や暴力が見られることがあるかもしれない。これを「奇異反応」という。こうした効果があった場合、ただちにジアゼパムを中止しなければならない。こうした効果から、肉体的な耐性と精神的な依存が引き起こされうる。
長期間投与例の30%以下で、「低用量依存」として知られるある種の薬物依存状態が引き起こされる。つまり、こうした患者はジアゼパムによって引き起こされる「良い気分」を感じるために、用量を増加させることは必要としない。こうした患者の場合、離脱は困難を伴い、緩徐な計画によってのみ達成されうる。
外来患者にジアゼパムを処方する場合、機械操作・車両の運転に支障をきたす可能性に常に留意する必要がある。こうした障害は、アルコール摂取によって悪化する。どちらの薬物も中枢神経系を抑制するからである。治療の経過中に、通常は鎮静効果への耐性が出現する。
まれに、白血球減少症、あるいは胆汁うっ滞性肝障害といった副作用が観察されることがある。
睡眠時無呼吸発作を有する患者には、呼吸抑制作用によって呼吸停止と死を招く可能性がある。
「ベンゾジアゼピン離脱症候群」も参照
ジアゼパムは他のベンゾジアゼピンと同様に、薬物耐性・肉体依存・依存症といったベンゾジアゼピン離脱症候群が発生する可能性がある。離脱症は、バルビツールやアルコールに似ている。大量・長期間の投与は不快な離脱症候を発生させるリスクを高める。離脱症候は通常量・短時間の投与でも発生し、不眠や不安、より深刻には発作や精神病などに渡った症状となる。時折、離脱症候は既存の病状に似ているため誤診されることがある。ジアゼパムはその長い半減期のため強烈な離脱症候をもたらす。ベンゾジアゼピンによる治療は可能な限り短期間に止め、徐々に中断しなければならない[13][17]。
治療によって耐性が形成される。例えば抗けいれん作用に対して耐性が形成されるため、一般的ベンゾジアゼピンはてんかんの長期的な管理には推奨されていない。投与量の増加で耐性を乗り越えることができてもさらに耐性が形成され、副作用が増加される。このベンゾジアゼピンの耐性形成メカニズムは、レセプター部位の脱共役、遺伝子発現の変化、レセプターサイトのダウンレギュレーション、GABA作用レセプターサイトのdesensitisationなどが含まれる。約4週間以上ベンゾジアゼピンを摂取した人の約3分の1に依存が形成され、中止時に離脱症候を経験する[13]。離脱発生割合の違いは、患者ケースによって異なる。たとえば長期的ベンゾジアゼピン投与者のランダムサンプルでは、たいてい約50%は少ないか離脱症状が全く無く、残りの50%は離脱症状を認めることができる。選ばれた患者グループについてはほぼ100%に近い割合で離脱症状を認める[18]。リバウンド不安・原症状よりさらに深刻な不安はジアゼパムやベンゾジアゼピンに共通の離脱症状である[19]。ジアゼパムは低容量を段階的に削減しても重度の離脱症状リスクがあるため、可能な限りの低容量・短期間の治療が勧められる[20]。ジアゼパムを6週間以上投与すると、ベンゾジアゼピン離脱症候群によって患者に薬物依存を発生させる重大なリスクがある[21]。人間への耐性は、ジアゼパムの抗けいれん効果について頻繁に発生する[22]。
ジアゼパムの不適切または過剰な使用は、精神的依存/薬物依存症を起こす[23]。
以下の集団に属する患者は、乱用の徴候や依存の進展がないか、注意深く観察されるべきである。これらの徴候が少しでも見られたならば、治療は中止されなければならない。しかしながら身体依存が形成された場合は、治療は深刻な離脱症候群を避けるために徐々に中断しなければならない。これらの人々に対し、長期間の治療は勧められない[24][25][26]。
このグループの患者は、治療中に乱用・依存の傾向を非常に注意深く観察する必要がある。これらの傾向のいずれかが見られたならば、治療は中止しなければならない。しかしながら身体依存が既に形成されているならば、治療は重篤な離脱症状を避けるためにゆっくりと中止しなければならない。これらの人々への長期間の治療は推奨されない[24][26]。
ベンゾジアゼピンに対し精神的依存の疑いのある人に対しては、非常に緩やかに断薬しなければならない。まれながら、投与が長時間に渡る場合はその離脱症状は生活を脅かすものになる。中毒の発生が治療によるか乱用によるかを慎重に見極めなければならない。
「:en:Benzodiazepine overdose」も参照
ジアゼパムを過量に摂取した人は傾眠傾向、意識の昏迷、昏睡、腱反射の減弱といった徴候を示す。ジアゼパムの過量摂取は医学的な緊急事態であり、救急医学関係者による迅速な発見が必要である。この場合の拮抗薬はフルマゼニル(アネキセート)である。フルマゼニルは短期間作用型の薬剤で、ジアゼパムの作用が消失するには数日かかるので、フルマゼニルの連続投与が必要になるかもしれない。必要に応じて、気管挿管と心肺機能の管理を行うべきである。人間の、経口摂取でのジアゼパムの致死量は 500mgないしそれ以上と見積もられている。300mgを経口摂取した症例でも、睡眠時間の延長と連続した傾眠傾向だけで、重篤な合併症もなく回復してしまったこともある。ただし、ジアゼパムとアルコール、ないしその他の中枢神経抑制薬の併用は、場合によっては致死的になる。
ジアゼパムを他の薬剤と併用投与する場合、薬理学的な相互作用の可能性にに注意を払わなければならない。とりわけバルビツール酸塩・フェノチアジン・麻薬・抗うつ薬などのジアゼパムの効果を高める薬には注意が必要である[24]。
状況、重症度、そして体重・年齢などによって処方は変化する。
一般に高齢者・肝機能が低下した人では作用が増強され、作用時間は延長する。ジアゼパムとその主な代謝産物の代謝時間は2倍から4倍になる。従って、1回投与量を減らし、かつ/または、投与間隔を空けるべきである。
実際に使用(処方)する場合、添付文書が各剤形ごとに、インターネット上に日本語・無料で公開されているので、原則としてそれを参考にするべきであろう。
長期投与時のルーチン検査は、通常は指示されない(検査例:心電図・脳波・血液検査など)。
なお、数週間を越える服用後は、ゆっくりした離脱なしに、急にジアゼパムを中止してはならない。ジアゼパムの離脱には数週間、時に数か月を要する。最初の50%は比較的急激に減量でき、次の25%はかなりゆっくり、最後の25%は極めて緩徐に減量する。これは、不快であったり、ときに重大な問題になる離脱症状を避けるためである。時に、50%の減量後に一時的な休薬が指示されることもある。
1961年にレオ・スターンバックらのグループは以下の方法によるジアゼパムの合成を報告した[31][32]。
p-クロロアニリンに過剰量の塩化ベンゾイルを加えて、アミノ基をベンゾイル化し、そこに塩化亜鉛を添加して、そのまま連続的にフリーデル・クラフツ反応を行う。ここで反応物はもう1分子の p-クロロアニリンが一つのカルボニル基とイミンを形成し、もう1つのカルボニル基とはアザアセタールを形成して6員環化合物になっている。硫酸-酢酸-水による反応で、この余計な p-クロロアニリンを除去すると同時にアミノ基上のベンゾイル基を脱保護する。
続いてヒドロキシルアミン塩酸塩との反応でオキシムを得る。この際に得られるオキシムは主に (Z)-体であるが、後の反応に必要なのは (E)-体であるため、異性化を行う。ギ酸によりオキシム窒素をホルミル化すると、異性化が起こると同時にギ酸のカルボニル基がアミノ基とイミンを形成した6員環化合物が得られる。水酸化ナトリウムによりこのホルミル基を除去すると、(E)-体のオキシムが得られる。
次にクロロ酢酸クロリドとのショッテン・バウマン反応によりアミノ基をクロロアセチル化する。さらに水酸化ナトリウム存在下で反応させると、オキシム窒素のクロロアセチル基への求核置換が起こり、ベンゾジアゼピン骨格が形成される。なお、スターンバックらはこの化合物の合成法について、同じ文献上でいくつかの別法も報告している。
ナトリウムメトキシドにより、アミド窒素上のプロトンを引き抜いた後に、ジメチル硫酸によりメチル化する。ラネーニッケル触媒を用いて1気圧の水素ガスにより N-オキシドを還元すると、ジアゼパムが得られる。なお、メチル化と N-オキシドの還元の順番は逆でも問題ない。
[ヘルプ] |
|
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
2mgセルシン錠
国試過去問 | 「096C015」「099I020」「105C031」「107E066」「105B058」「098C008」「102C030」「107H023」「109A023」「112A063」「113E031」「108D035」「098D055」「113D073」「099C015」「107G065」「104D058」「109D023」「098I045」「100F006」 |
リンク元 | 「抗てんかん薬」「熱性痙攣」「WHO方式癌疼痛治療」「静脈麻酔薬」「ストリキニーネ」 |
AC
※国試ナビ4※ [096C014]←[国試_096]→[096C016]
D
※国試ナビ4※ [099I019]←[国試_099]→[099I021]
A
※国試ナビ4※ [105C030]←[国試_105]→[105C032]
D
※国試ナビ4※ [107E065]←[国試_107]→[107E067]
※国試ナビ4※ [105B057]←[国試_105]→[105B059]
AC
※国試ナビ4※ [098C007]←[国試_098]→[098C009]
B
※国試ナビ4※ [102C029]←[国試_102]→[102C031]
E
※国試ナビ4※ [107H022]←[国試_107]→[107H024]
E
※国試ナビ4※ [109A022]←[国試_109]→[109A024]
BC
※国試ナビ4※ [112A062]←[国試_112]→[112A064]
B
※国試ナビ4※ [113E030]←[国試_113]→[113E032]
B
※国試ナビ4※ [108D034]←[国試_108]→[108D036]
B
※国試ナビ4※ [098D054]←[国試_098]→[098D056]
AC
※国試ナビ4※ [113D072]←[国試_113]→[113D074]
D
※国試ナビ4※ [099C014]←[国試_099]→[099C016]
A
※国試ナビ4※ [107G064]←[国試_107]→[107G066]
D
※国試ナビ4※ [104D057]←[国試_104]→[104D059]
C
※国試ナビ4※ [109D022]←[国試_109]→[109D024]
E
※国試ナビ4※ [098I044]←[国試_098]→[098I046]
E
※国試ナビ4※ [100F005]←[国試_100]→[100F007]
系 | 薬物 | 大発作 | 小発作 | 皮質焦点発作 | 精神運動発作 | ミクローヌス発作 | 異型小発作 | てんかん重積 | 二次的全般発作 | 副作用 | 作用機序 |
バルビツール酸 | フェノバルビタール | ○ | ○ | 眠気、呼吸抑制、ポルフィリン尿症 | GABAA受容体に作用 | ||||||
プリミドン | ○ | × | ○ | ○ | × | ||||||
ヒダントイン | フェニトイン | ○ | × | ○ | 小脳症状(萎縮)、肝障害、骨髄抑制、 心室細動、歯肉増殖、フェニトイン中毒 |
不活性化状態のNaチャネルに結合 | |||||
エトトイン | ○ | ○ | ○ | ||||||||
オキサゾリジン | トリメタジオン | ○*1 | 催奇形性(最強) | シナプス前・後部に作用し伝達物質放出と 伝達物質への感受性に影響 | |||||||
サクシニミド | エトスクシミド | ○ | Cl-チャネルを開口させることによって、 GABA神経機能を亢進 | ||||||||
フェニル尿素 | アセチルフェネトライド | ○*2 | |||||||||
イミノスチルベン | カルバマゼピン | ○ | ○ | 小脳症状、発疹、骨髄抑制、肝障害 | Naチャネルをブロックする | ||||||
ベンズイソキサゾール | ゾニサミド | ○ | ○ | ○ | ○ | 体重減少、眠気、腎尿管結石 | T型のCa2+電流を抑制、 電位依存性のNa+チャネルの不活性化の状態を延長 | ||||
炭酸脱水素酵素阻害薬 | アセタゾラミド | ○ | ○ | ○ | 炭酸脱水素酵素阻害 | ||||||
ベンゾジアゼピン | ジアゼパム | ○ | ○*3 | 呼吸抑制、眠気 | GABAA受容体に作用 | ||||||
クロナゼパム | ○ | ○ | 眠気、めまい、小脳症状 | ||||||||
GABA分解酵素阻害薬 | バルプロ酸 | ○ | ○*4 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 悪心・嘔吐、肝障害、 高アンモニア症、毛髪の変化、催奇形性 |
GABA分解酵素阻害 |
*1 第一選択薬ではない *2 他薬が無効な精神運動発作のみに使用 *3 てんかん重積の第一選択薬 *4 第一選択薬
単純型熱性痙攣 | 複雑型熱性痙攣 | |
痙攣持続時間 | 15分未満 | 15分以上 |
痙攣合計児間 | 断続的30分未満 | 断続的30分以上 |
24時間以内 | 1回のみ | 2回以上 |
痙攣部位 | 全身性痙攣 | 局所性・片側性痙攣 |
基礎疾患 | 神経学的基礎疾患なし | 神経学的基礎疾患あり |
年齢 | 1~6歳 | 1歳未満、6歳超 |
<youtube>http://www.youtube.com/watch?v=6eQHWsNhkOg</youtube>
薬剤群 | 代表薬 | 代替薬 |
非オピオイド鎮痛薬 | アスピリン | コリン・マグネシウム・トリサルチレート) |
アセトアミノフェン | ジフルニサルa) | |
イブプロフェン | ナプロキセン | |
インドメタシン | ジクロフェナク | |
フルルビプロフェン※1 | ||
弱オピオイド (軽度から中等度の強さの痛みに用いる) |
コデイン | デキストロプロポキシフェンa) |
ジヒドロコデイン | ||
アヘン末 | ||
トラマドールb) | ||
強オピオイド (中等度から高度の強さの痛みに用いる) |
モルヒネ | メサドンa) |
ヒドロモルフォンa) | ||
オキシコドン | ||
レボルファノールa) | ||
ペチジンc) | ||
ブプレノルフィンa) | ||
フェンタニル※2 |
興奮性麻酔薬 | 抑制性麻酔薬 | |
例 | ケタミン | バルビツレート プロポフォール |
脳自発的活動 | ↑ | ↓ |
血圧 | ↑ | ↓ |
交感神経活動 | →↑ | ↓ |
脳酸素消費量 | ↑ | ↓ |
脳血流 | ↑ | ↓ |
頭蓋内圧 | ↑ | ↓ |
鎮痛作用 | 強い | 弱い |
麻酔導入が早い、全麻の導入、ごく短時間の痛みの少ない手術、検査 抗麻痺や、脳保護薬としても使われる 鎮痛、筋弛緩作用がないため併用が必要 急性間欠性ポルフィリン症は禁忌 ヘム合成系路の酵素欠損によって起こる 気管支喘息の患者には使用禁忌 サイトカインが出るから ○:強力な催眠作用 ×:組織刺激性あり。静脈注射のみ 細胞膜にはGABA依存性のCl-チャネル(GABAA受容体=イオンチャネル共役型受容体)が存在し、バルビツール酸結合部位、ベンゾジアゼピン結合部位、GABA結合部位を有している。 3つの部位が独立に作用がある。相加的に働く。 GABAB受容体は7回膜貫通タンパク質である。 作用は バルビツール酸>ベンゾジアゼピン
なおstrychnineをヒト、イヌの口内又は胃内に投与すると、ゲンチアナチンキとほぼ同様の効果があるという。また脊髄において抑制性シナプス後電位を減弱させてけいれんを引き起こすが、グリシン受容体に特異的に結合することが知られている。ペントバルビタールなどで麻酔したイヌに静脈内投与すると血圧上昇と心拍数増加が現れる。
.