- 英
- imipramine
- 化
- 塩酸イミプラミン imipramine hydrochloride
- 商
- イミドール、トフラニール Tofranil
分類
作用機序
重大な副作用
- イミドール糖衣錠(10)/イミドール糖衣錠(25)
- 1. 悪性症候群(Syndrome malin)(頻度不明)
- 無動緘黙,強度の筋強剛,嚥下困難,頻脈,血圧の変動,発汗等が発現し,それに引き続き発熱がみられる場合は,投与を中止し,体冷却,水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行う.
本症発症時には,白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く,またミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある.なお,高熱が持続し,意識障害,呼吸困難,循環虚脱,脱水症状,急性腎不全へと移行し,死亡した例が報告されている.
- 不安,焦燥,せん妄,興奮,発熱,発汗,頻脈,振戦,ミオクロヌス,反射亢進,下痢等を主症状とするセロトニン症候群があらわれることがあるので,これらの症状が出現した場合には投与を中止し,水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと.
- てんかん発作があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
- 無顆粒球症(前駆症状として,発熱,咽頭痛,インフルエンザ様症状等)があらわれることがあるので,定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
- 腸管麻痺(食欲不振,悪心・嘔吐,著しい便秘,腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し,麻痺性イレウスに移行することがあるので,腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止すること.なお,この悪心・嘔吐は,本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること.
- 発熱,咳嗽,呼吸困難,肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には投与を中止し,速やかに胸部X線等の検査を実施し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと.
- 心不全があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
- 8. QT延長,心室頻拍(Torsades de pointesを含む)(頻度不明)
- 定期的に心電図検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
- 9. 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)
- 症状として低ナトリウム血症,低浸透圧血症,尿中ナトリウム排泄量の増加,高張尿,痙攣,意識障害等があらわれることがあるので,このような場合には投与を中止し,水分摂取の制限等適切な処置を行うこと1).
- AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
禁忌
- イミドール糖衣錠(10)/イミドール糖衣錠(25)
- 1. 緑内障の患者〔抗コリン作用により眼圧を上昇させるおそれがある.〕
- 2. 本剤の成分又は三環系抗うつ剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- 3. 心筋梗塞の回復初期の患者〔症状を悪化させるおそれがある.〕
- 4. 尿閉(前立腺疾患等)のある患者〔抗コリン作用により症状が悪化することがある.〕
- 5. モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン)を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者〔発汗,不穏,全身痙攣,異常高熱,昏睡等があらわれるおそれがある.〕(「相互作用」の項参照)
- 6. QT延長症候群のある患者〔心室性不整脈を起こすおそれがある.〕
効能又は効果
- イミドール糖衣錠(10)/イミドール糖衣錠(25)
- 精神科領域におけるうつ病・うつ状態
- 遺尿症(昼,夜)
薬効薬理
- イミドール糖衣錠(10)/イミドール糖衣錠(25)
- 動物での作用
- (1) ラットを用いたin vivo の実験で,脳内ノルアドレナリン及びセロトニンの再取り込みを抑制する4).
- (2) ラットを用いた実験で,レセルピンによる眼瞼下垂及び下痢に対して拮抗作用が認められている5).またラットのテトラベナジンによるカタレプシーに対しても拮抗作用が認められている5).
- (3) マウスを用いた実験で,メタンフェタミン投与による運動亢進作用を有意に増強する6).
- (4) ラットの脳を用いたin vitro の実験で,脳内のイミプラミン特異的結合部位に対して親和性を示す6).
添付文書
- イミドール糖衣錠(10)/イミドール糖衣錠(25)
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1174006F1027_4_10/1174006F1027_4_10?view=body
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/04/04 20:31:03」(JST)
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イミプラミン
|
IUPAC命名法による物質名 |
3-(10,11-dihydro-5H-dibenzo[b,f]azepin-5-yl)-N,N-dimethylpropan-1-amine |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
D(US) 胎児への障害のリスク |
法的規制 |
℞ Prescription only |
投与方法 |
経口 |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
? |
代謝 |
肝臓
デシプラミンが主な活性代謝物 |
半減期 |
11-25時間 |
排泄 |
腎臓 |
識別 |
CAS登録番号 |
50-49-7 113-52-0(塩酸塩) |
ATCコード |
N06AA02 |
PubChem |
CID 3696 |
DrugBank |
APRD00672 |
ChemSpider |
3568 |
KEGG |
D08070 |
化学的データ |
化学式 |
C19H24N2 |
分子量 |
280.407 |
イミプラミン (imipramine) は、抗うつ薬として用いられる有機化合物の一種。分子式は C19H24N2。塩酸塩は無臭で水に溶けやすい。第1世代の三環系抗うつ薬として知られ、うつ病、うつ状態、夜尿症の治療に用いられる。
イミプラミン塩酸塩は、アルフレッサファーマからトフラニール、田辺三菱製薬からイミドールなどの商品名で販売されている。
脳内神経末端へのノルエピネフリン(ノルアドレナリン)、セロトニンの再取り込みを阻害する。
目次
- 1 代謝
- 2 禁忌
- 3 副作用
- 4 種類
- 5 用法・用量
代謝
CYP1A2による脱メチル化を受け、活性代謝物のデシプラミンとなる。
禁忌
- 緑内障のある患者
- 本剤の成分又は三環系抗うつ薬に対して過敏症の既往歴を持つ患者
- 心筋梗塞の回復初期の患者
- 尿閉(前立腺疾患等)のある患者
- モノアミン酸化酵素 (MAO) 阻害剤を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者
- チオリダジンを投与中の患者
- QT延長症候群のある患者
副作用
抗コリン作用による以下の副作用が報告されている。
- 口渇、倦怠感、脱力感、集中力低下、眠気、頭痛、めまい、立ちくらみ、便秘、頻脈
種類
用法・用量
- うつ病・うつ状態
- イミプラミン塩酸塩として、通常成人1日30~70mgを初期用量とし、1日200mgまで漸増し、分割経口投与する。まれに300mgまで増量することもある。なお、年齢、症状により適宜減量する。
- 遺尿症
- 通常幼児は1日量25mgを1回、学童は1日量25~50mgを1~2回経口投与する。ただし、症状及び年齢に応じ適宜増減する。
抗うつ薬 (N06A) |
|
再取り込み阻害薬 |
|
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRIs)
|
フルオキセチン フルボキサミン パロキセチン セルトラリン
|
|
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 (SNRIs)
|
デュロキセチン ミルナシプラン ヴェンラファキシン
|
|
ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 (NRIs)
|
アトモキセチン
|
|
ノルアドレナリン・ドパミン再取り込み阻害薬 (NDRIs)
|
ブプロピオン
|
|
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|
受容体拮抗薬 / 再取り込み阻害薬 |
|
セロトニン2受容体拮抗・再取り込み阻害薬 (SARIs)
|
トラゾドン
|
|
ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬 (NaSSAs)
|
ミアンセリン ミルタザピン セチプチリン
|
|
ノルアドレナリン・ドパミン脱抑制薬 (NDDIs)
|
アゴメラチン フリバンセリン
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三環系抗うつ薬 と 四環系抗うつ薬 (TCAs/TeCAs) |
|
三環系: アミトリプチリン クロミプラミン イミプラミン ノルトリプチリン アモキサピン 四環系: マプロチリン ミアンセリン ミルタザピン セチプチリン
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|
アザピロン と 5-HT1A阻害薬 |
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アリピプラゾール タンドスピロン
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サプリメント (ビタミン, ミネラル, アミノ酸など) |
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アスコルビン酸 (Vitamin C) 魚油 葉酸 (Vitamin B9) L-5-HTP (Oxitriptan) レボドパ (Levodopa) L-Methionine フェニルアラニン トリプトファン チロシン マグネシウム メラトニン ナイアシン/Niacinamide (Vitamin B3) ω-3脂肪酸 ピリドキシン (Vitamin B6) S-アデノシルメチオニン 亜鉛
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- マウスの水迷路学習場面を応用したうつ動物モデルのイミプラミンに対する感受性
- ラット chronic mild stress モデルにおけるイミプラミンの効果
- 大沢 ひとみ,郷間 宏史,佐々木 篤志,片山 誠一,山下 保志
- 日本神経精神薬理学雑誌 = Japanese journal of psychopharmacology 27(5), 312, 2007-11-25
- NAID 10023964989
- イソフルラン麻酔がイミプラミン前処置ラットのドパミン放出変化に及ぼす影響
- P-197 医薬品と食物繊維の相互作用 : イミプラミンとアルギン酸ナトリウム併用による影響(7.薬物相互作用(基礎と臨床)3,医療薬学の未来へ翔(はばた)く-薬剤師の薬剤業務・教育・研究への能動的関わり-)
- 渡邉 真一,井上 直人,今井 公江,相本 太刀夫,末丸 克矢,荒木 博陽
- 日本医療薬学会年会講演要旨集 15, 278, 2005-09-01
- NAID 110006960436
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- トフラニールとは?イミプラミンの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べ られる(おくすり110番:薬事典版)
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
イミドール糖衣錠(10)
組成
有効成分(1錠中)
添加物
- 乳糖水和物,セルロース,エチルセルロース,メチルセルロース,ステアリン酸マグネシウム,マクロゴール6000,アラビアゴム,タルク,白糖,カルナウバロウ
効能または効果
- ○精神科領域におけるうつ病・うつ状態
- ○遺尿症(昼,夜)
- 抗うつ剤の投与により,24歳以下の患者で,自殺念慮,自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため,本剤の投与にあたっては,リスクとベネフィットを考慮すること
○うつ病・うつ状態の場合
- イミプラミン塩酸塩として,通常成人1日25?75mgを初期用量とし,1日200mgまで漸増し分割経口投与する.まれに300mgまで増量することもある.
なお,年齢,症状により適宜減量する.
○遺尿症の場合
- イミドール糖衣錠(10):イミプラミン塩酸塩として,通常幼児は1日量30mg(3錠)を1回,学童は1日量30?50mg(3?5錠)を1?2回経口投与する.
ただし,症状及び年齢に応じ適宜増減する.
イミドール糖衣錠(25):イミプラミン塩酸塩として,通常幼児は1日量25mg(1錠)を1回,学童は1日量25?50mg(1?2錠)を1?2回経口投与する.
ただし,症状及び年齢に応じ適宜増減する.
慎重投与
- 排尿困難又は眼内圧亢進等のある患者〔抗コリン作用により症状が悪化することがある.〕
- 心不全・心筋梗塞・狭心症・不整脈(発作性頻拍・刺激伝導障害等)等の心疾患のある患者又は甲状腺機能亢進症の患者〔循環器系に影響を及ぼすことがある.〕
- てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者〔痙攣を起こすことがある.〕
- 躁うつ病患者〔躁転,自殺企図があらわれることがある.〕
- 脳の器質障害又は統合失調症の素因のある患者〔精神症状を増悪させることがある.〕
- 衝動性が高い併存障害を有する患者〔精神症状を増悪させることがある.〕
- 自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者,自殺念慮のある患者〔自殺念慮,自殺企図があらわれることがある.〕
- 副腎髄質腫瘍(褐色細胞腫,神経芽細胞腫等)のある患者〔高血圧発作を引き起こすことがある.〕
- 重篤な肝・腎障害のある患者〔代謝・排泄障害により副作用があらわれやすい.〕
- 低血圧のある患者〔高度の血圧低下が起こることがある.〕
- 低カリウム血症のある患者〔低カリウム状態はQT延長の危険因子と考えられる.〕
- 高度な慢性の便秘のある患者〔抗コリン作用により症状が悪化することがある.〕
- 小児又は高齢者〔小児に投与する場合には4歳以上に投与することが望ましい.〕(「高齢者への投与」,「小児等への投与」の項参照)
重大な副作用
悪性症候群(Syndrome malin)(頻度不明)
- 無動緘黙,強度の筋強剛,嚥下困難,頻脈,血圧の変動,発汗等が発現し,それに引き続き発熱がみられる場合は,投与を中止し,体冷却,水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行う.
本症発症時には,白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く,またミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある.なお,高熱が持続し,意識障害,呼吸困難,循環虚脱,脱水症状,急性腎不全へと移行し,死亡した例が報告されている.
セロトニン症候群(頻度不明)
- 不安,焦燥,せん妄,興奮,発熱,発汗,頻脈,振戦,ミオクロヌス,反射亢進,下痢等を主症状とするセロトニン症候群があらわれることがあるので,これらの症状が出現した場合には投与を中止し,水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと.
てんかん発作(頻度不明)
- てんかん発作があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
無顆粒球症(頻度不明)
- 無顆粒球症(前駆症状として,発熱,咽頭痛,インフルエンザ様症状等)があらわれることがあるので,定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
麻痺性イレウス(頻度不明)
- 腸管麻痺(食欲不振,悪心・嘔吐,著しい便秘,腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し,麻痺性イレウスに移行することがあるので,腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止すること.なお,この悪心・嘔吐は,本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること.
間質性肺炎,好酸球性肺炎(頻度不明)
- 発熱,咳嗽,呼吸困難,肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には投与を中止し,速やかに胸部X線等の検査を実施し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと.
心不全(頻度不明)
- 心不全があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
QT延長,心室頻拍(Torsades de pointesを含む)(頻度不明)
- 定期的に心電図検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)
- 症状として低ナトリウム血症,低浸透圧血症,尿中ナトリウム排泄量の増加,高張尿,痙攣,意識障害等があらわれることがあるので,このような場合には投与を中止し,水分摂取の制限等適切な処置を行うこと1).
肝機能障害,黄疸(頻度不明)
- AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
薬効薬理
動物での作用
- ラットを用いたin vivo の実験で,脳内ノルアドレナリン及びセロトニンの再取り込みを抑制する4).
- ラットを用いた実験で,レセルピンによる眼瞼下垂及び下痢に対して拮抗作用が認められている5).またラットのテトラベナジンによるカタレプシーに対しても拮抗作用が認められている5).
- マウスを用いた実験で,メタンフェタミン投与による運動亢進作用を有意に増強する6).
- ラットの脳を用いたin vitro の実験で,脳内のイミプラミン特異的結合部位に対して親和性を示す6).
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- イミプラミン塩酸塩,Imipramine Hydrochloride(JAN)
化学名
- 3-(10,11-Dihydro-5H -dibenzo[b ,f ]azepin-5-yl)-N ,N -dimethylpropylamine monohydrochloride
分子式
分子量
性状
- 白色?微黄白色の結晶性の粉末で,においはない.水又はエタノール(95)に溶けやすく,ジエチルエーテルにほとんど溶けない.本品1.0gを水10mLに溶かした液のpHは4.2?5.2である.光によって徐々に着色する.
融点
★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、13~15の問いに答えよ。
- 56歳の男性。言動の異常を心配した妻に伴われて来院した。担当医の要請で精神保健指定医が診察した。
- 現病歴 : 1週前に全身倦怠感を訴え内科を受診したところ、肝機能異常の悪化を指摘され、自宅療養と断酒とを指示された。毎日欠かさなかった焼酎4~6合/日の晩酌を止め、安静に専念していたが、数日前から頭痛、発汗および不眠を訴え始め、ついで精神的に焦燥感が強く不機嫌になってきた。昨日、部屋の中に虫がたくさんいて、おそってくる。」と大声をあげておびえ、虫を身体から払う動作を繰り返したり、家の外に逃げだそうとした。家族がいくら否定しても聞き入れない。夜になってますます不穏となり、昨夜は全く眠っていない。
- 既往歴 : 肝障害のため2年前に投薬を受けたことがある。
- 生活歴 : 妻と息子2人の4人家族。20歳時からの大酒家であるが、仕事には真面目な家具職人として現在に至る。
- 現症 : 身長165cm、体重65kg。体温36.5℃。脈拍110/分、整。血圧140/80mmHg。全身の発汗が著明。神経学的診察では細かな手指振戦を認める他は異常を認めない。いろいろ質問しても注意が散漫で何度も聞き直す。時には質問の内容にそぐわない答えが返ってくる。時間や場所に開する見当識や記銘カは明らかに障害されている。診察中にも、「虫がいる。」と言って何度も診察室から逃げだそうとする。入院を勧めても、「こんな恐ろしいところにいたくない。」と頑として入院を拒否する。
- 検査所見 : 血液所見:赤血球400万、Hb 11.0g/dl、Ht38%、白血球9,600、血小板17万。血清生化学所見:空腹時血糖110mg/dl、総蛋白6.0g/dl、アンモニア30μg/dl(基準18~48)、総ビリルビン1.0mg/dl、AST(GOT)150単位(基準40以下)、ALT(GPT)60単位(基準35以下)、LDH 430単位(基準176~353)、アルカリホスファターゼ 260単位(基準260以下)、γ-GTP240単位(基準8~50)。
- この患者の治療法として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [096C014]←[国試_096]→[096C016]
[★]
- 20歳の男性。異常な言動を心配した両親に伴われて受診した。2年前に大学へ入学してからアパートで1人暮らしをしていた。1か月前に体調が優れないと言って実家に帰り、その後はほとんど自室に閉じこもって過ごしていた。1週前から「テレビで自分のことが毎日流れている」、「テレビの出演者が自分にだけわかるサインを送ってくる」、「周りの人が自分の悪口を言っている」と訴え、夜間に隣の家に向かって大声を出すなどの行動がみられるようになったという。このため両親に伴われ精神科を受診した。診察中は表情が乏しく、視線を合わせようとしない。問診に対しては小声で短く答える。大学入学以前は、発達上の問題や適応上の問題はなかった。血液検査、頭部MRI及び脳波検査に異常は認めない。
- 治療薬として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114D059]←[国試_114]→[114D061]
[★]
- 57歳の男性。食欲不振と肝機能障害のために入院中である。20歳台から連日日本酒3合を飲んでいたが、仕事に支障をきたすことはなかった。3年前から飲酒量がさらに増加し、毎日5合以上飲むようになった。1週間前から全身倦怠感を自覚し、仕事を休み始めた。それでも飲酒を続けていたが、3日前に著しい食欲不振で食事を摂れなくなったため外来受診し、血液検査で肝機能障害が認められて入院することになった。入院時から夜間不眠があり、入院2日目から落ち着きなく歩き回り、夜間には「動物が壁を這っている」と訴えて不穏になった。このとき手指の粗大な振戦および著明な発汗がみられ、自分が入院していることが分からない様子であった。入院時の頭部CTで異常を認めなかった。
- まず投与すべき薬剤として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [112A062]←[国試_112]→[112A064]
[★]
- 44歳の男性。過活動を心配した妻に連れられて受診した。3か月前から疲れがとれないと訴え、朝は起床が困難で、会社に遅刻するようになった。2週間前から、特にきっかけなく急に元気になった。「体調が最高なので、眠らなくても全く疲労を感じない」と言い、夜中に欧州支社の担当者と国際電話で話し続け、ほとんど眠らずに出勤するようになったため、妻に連れられ受診した。早口・多弁で、よく話すが話題が転々と変わりやすい。妻が家における患者の状態について話すと、些細なことで不機嫌になった。意識は清明であり、身体所見に異常を認めない。
- 治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [113D072]←[国試_113]→[113D074]
[★]
- 38歳の女性。言動の変化を心配した夫に伴われて来院した。1年前に、特にきっかけもなく元気がなくなり2か月ほど寝込むことがあったが、特に治療も受けずに回復した。1か月前から口数が多くなり.易刺激的で怒りやすく、活動的となった。町へ出て大量に衣服を購入し、夜も眠らずインターネット販売に手を出して高額の買い物をするようになった。身体疾患の既往歴と精神作用物質の使用歴とはない。
- 治療薬として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104D057]←[国試_104]→[104D059]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097G106]←[国試_097]→[097G108]
[★]
- 英
- antidepressant, antidepressants
- 関
- 薬理学、そううつ病、精神疾患
作用機序
三環系抗うつ薬 tricyclic antidepressant
- 1. (急性作用)シナプス前膜におけるノルアドレナリン、セロトニンの再取り込み↓→シナプス間隙における薬剤濃度↑
- 2. (慢性作用)(2週間後)シナプス後膜における受容体の数↓
- 慢性作用はシナプス間隙のノルアドレナリン、セロトニン濃度が上昇した結果、シナプス後膜の受容体が減少したために出現すると考えられる。
抗うつ薬
- ミルナシプラン milnacipran
副作用
- Adams and s Principles of Neurology, Ninth Edition Allan Ropper p.1474
[★]
- 関
- QT延長症候群、QT間隔
原因
- 洞結節機能不全
- 房室ブロック:2度房室ブロック、3度房室ブロックアンドロゲン遮断療法(GnRHアゴニスト/アンタゴニスト療法または両側性精巣摘除術)
- 利尿薬:低マグネシウム血症・低カリウム血症の誘発による
- 鎮吐薬:
[★]
- 英
- drug-induced hypoglycemia
- 同
- 薬剤性低血糖症
- 関
- 低血糖
低血糖を引きおこす薬剤
- DMR.295
[★]
- 英
- tricyclic antidepressant, tricyclic anti-depressant agent
- 関
- 抗うつ薬、四環系抗うつ薬
- イミプラミン
概念
- 環状の構造を三つ持つ抗うつ薬
- 治療効果発現には2-3週間必要
種類
作用機序
副作用
- 視力障害、口渇、便秘、尿閉
- 頻脈
- 起立性低血圧
- 血中ノルアドレナリンの上昇
- 鎮静、眠気
[★]
- 英
- mydriasis
- 同
- 瞳孔散大 pupillary dilatation
- 対
- 縮瞳
- 関
- 瞳孔
概念
- 瞳孔の大きさを大きくすること
- 交感神経の興奮により散瞳が起こる
臨床関連
薬物中毒
疾患
病態
[★]
- 英
- imipramine hydrochloride poisoning
- 同
- 塩酸イミプラミン中毒
- 関
- イミプラミン
[★]
- 英
- lamin
- 関
- 核ラミン