カルピプラミン
Japanese Journal
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
デフェクトン糖衣錠25mg
組成
有効成分(1錠中)
添加物
- 乳糖水和物,トウモロコシデンプン,メチルセルロース,ステアリン酸マグネシウム,タルク,白糖,アラビアゴム,炭酸カルシウム,マクロゴール6000,カルナウバロウ,青色1号アルミニウムレーキ,黄色5号アルミニウムレーキ
禁忌
- 昏睡状態,循環虚脱状態の患者〔これらの状態を悪化させるおそれがある.〕
- バルビツール酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者〔中枢神経抑制剤の作用を延長し増強させる.〕
- アドレナリンを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
- 精神運動興奮,衝動行為,攻撃性等の認められる患者及び幻覚,妄想等の異常体験が前景に認められる患者〔本剤には鎮静作用はないので,ときにこれらの症状が増悪することがある.〕
- 本剤の成分又はイミノジベンジル系化合物に対し過敏症の患者
効能または効果
- 意欲減退,抑うつ,心気を主症状とする慢性統合失調症
- 他の抗精神病薬の効果が不十分な場合に,付加して使用する.
カルピプラミン塩酸塩水和物として,通常成人1日75〜225mgを3回に分割経口投与する.
なお,年齢,症状により適宜増減する.
慎重投与
- 心・血管疾患,低血圧,又はそれらの疑いのある患者〔一過性の血圧降下があらわれることがある.〕
- 肝障害のある患者〔肝障害を悪化させるおそれがある.〕
- 血液障害のある患者〔血液障害を悪化させるおそれがある.〕
- てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者〔痙攣閾値を低下させることがある.〕
- 甲状腺機能亢進状態にある患者〔錐体外路症状が起こりやすい.〕
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 小児〔錐体外路症状,特にジスキネジアが起こりやすい.〕
- 薬物過敏症の患者
- 脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者〔Syndrome malin(悪性症候群)が起こりやすい.〕
重大な副作用
Syndrome malin(悪性症候群)(頻度不明)
- 無動緘黙,強度の筋強剛,嚥下困難,頻脈,血圧の変動,発汗等が発現し,それに引き続き発熱がみられる場合は,投与を中止し,体冷却,水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと.本症発症時には,白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く,また,ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある.なお,フェノチアジン系化合物及びブチロフェノン系化合物には,高熱が持続し,意識障害,呼吸困難,循環虚脱,脱水症状,急性腎不全へと移行し,死亡した例が報告されている.
無顆粒球症,白血球減少(いずれも頻度不明)
- 無顆粒球症,白血球減少があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
遅発性ジスキネジア(頻度不明)
- 長期投与により口周部等の不随意運動(遅発性ジスキネジア)があらわれることがある.
麻痺性イレウス(頻度不明)
- 腸管麻痺(食欲不振,悪心・嘔吐,著しい便秘,腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等)を来し,麻痺性イレウスに移行することがあるので,腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止すること.なお,この悪心・嘔吐は,本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること.
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)
- 低ナトリウム血症,低浸透圧血症,尿中ナトリウム排泄量の増加,高張尿,痙攣,意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので,このような場合には投与を中止し,水分摂取の制限等適切な処置を行うこと.
肺塞栓症,深部静脈血栓症(いずれも頻度不明)
- 抗精神病薬において,肺塞栓症,静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので,観察を十分に行い,息切れ,胸痛,四肢の疼痛,浮腫等が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
薬効薬理
動物での作用
中枢ドパミン受容体遮断作用
- イヌでの抗アポモルフィン作用は,クロルプロマジンとほぼ同等である9,10).
- ラットの脳を用いたin vitroの実験で,ドパミン感受性アデニレートサイクラーゼ阻害作用を示す11).
ドパミン受容体親和性
- ラットの脳を用いたin vitro の実験で,中枢ドパミン受容体(3H-ハロペリドール結合部位)に対して,クロルプロマジンとほぼ同等の親和性を示す11).
自発運動抑制作用
- マウスの自発運動抑制作用は,クロルプロマジンに比し弱い9).
メタンフェタミン増強作用
- メタンフェタミンによるマウスの運動亢進及びラットの致死に対し増強作用を示す11).
イミプラミン結合部位親和性
- ラットの脳を用いたin vitro の実験で,脳内のイミプラミン特異的結合部位に対する親和性は,イミプラミンに比し弱い11).
カタレプシー惹起作用
- ラットでのカタレプシー惹起作用はクロルプロマジンに比し弱い11).
<作用機序>
- カルピプラミンの作用機序は,まだ完全に明らかにされていないが,中枢神経系におけるドパミン作動性並びにセロトニン作動性神経等に対する抑制作用によると考えられている.
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- カルピプラミン塩酸塩水和物,Carpipramine Hydrochloride Hydrate(JAN)
化学名
- 1-〔5-(10,11-Dihydro-5H -dibenz〔b,f 〕azepinyl)〕-3-(4-carbamoyl-4-piperidinopiperidino)propane dihydrochloride monohydrate
分子式
分子量
性状
- 白色の結晶性の粉末で,においはなく,味は苦い.ギ酸に極めて溶けやすく,酢酸(100)にやや溶けやすく,イソプロピルアミンにやや溶けにくく,水又はエタノール(95)に溶けにくく,クロロホルムに極めて溶けにくく,無水酢酸,アセトン又はジエチルエーテルにほとんど溶けない.光によって徐々に着色する.
融点
分配係数
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- 抗精神病薬
商品
[★]
- 英
- carpipramine、
- 化
- マレイン酸カルピプラミン carpipramine maleate(デフェクトン)、塩酸カルピプラミン carpipramine hydrochloride
- 商
- デフェクトン